特許第6062394号(P6062394)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062394
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】中継装置および中継方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/713 20130101AFI20170106BHJP
   H04L 12/66 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   H04L12/713
   H04L12/66 A
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-110699(P2014-110699)
(22)【出願日】2014年5月28日
(65)【公開番号】特開2015-226230(P2015-226230A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2015年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】505173245
【氏名又は名称】古河ネットワークソリューション株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】397014282
【氏名又は名称】株式会社エヌ・ティ・ティ ピー・シー コミュニケーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100130247
【弁理士】
【氏名又は名称】江村 美彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167863
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 恵
(72)【発明者】
【氏名】菊池 正
(72)【発明者】
【氏名】飯田 伸治
【審査官】 速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−231368(JP,A)
【文献】 特表2012−524438(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/111128(WO,A1)
【文献】 特開2005−175591(JP,A)
【文献】 Huang, G. et al,A traffic-based method of detecting dead internet key exchange (IKE) peers,RFC 3706,2004年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/713
H04L 12/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の拠点と冗長化された通信経路を介して接続される拠点に配置され、前記冗長化された通信経路のそれぞれに対して備えられた中継装置であって、当該拠点内に配置される通信装置に対してデータリンク層を参照して経路を選択する経路選択装置を介して接続されるL2透過型の中継装置において、
前記通信経路の切り換えによって、新たに現用系となることが通知された場合には、前記他の拠点が有する通信装置のMACアドレスを送信元とするパケットを当該中継装置が生成し、前記経路選択装置を介して当該拠点内の他の装置に対して送信することで、前記経路選択装置によって選択される経路を変更することを特徴とする中継装置。
【請求項2】
新たに現用系になることが通知された以外の中継装置は、前記他の拠点が有する通信装置のMACアドレスを送信元とするパケットを受信した場合には、前記他の拠点に対しては当該パケットを転送しないことを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記通信経路の切り換えによって、新たに現用系となる通知は、前記他の拠点から送信されることを特徴とする請求項1または2に記載の中継装置。
【請求項4】
他の拠点と冗長化された通信経路を介して接続される拠点に配置され、前記冗長化された通信経路のそれぞれに対して備えられた中継装置の中継方法であって、当該拠点内に配置される通信装置に対してデータリンク層を参照して経路を選択する経路選択装置を介して接続されるL2透過型の中継装置の中継方法において、
前記通信経路の切り換えによって、新たに現用系となることが通知された場合には、前記他の拠点が有する通信装置のMACアドレスを送信元とするパケットを当該中継装置が生成し、前記経路選択装置を介して当該拠点内の他の装置に対して送信することで、前記経路選択装置によって選択される経路を変更することを特徴とする中継装置の中継方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継装置および中継方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信システムでは、通信経路を冗長化することで、障害が発生した場合でも通信が不能になることを回避する技術がある。
【0003】
このような技術としては、例えば、特許文献1がある。特許文献1に開示された技術では、IPsec監視手段112が現用経路のIPsec通信の異常を検知すると、ブリッジテーブル113から自装置のイーサネット(登録商標)インタフェースに関連付くMACアドレスを抽出し、このMACアドレスを、予備経路を介して対向拠点に送信するブリッジ制御手段111とを備えることで、通信経路を予備経路に切り換えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−231368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された技術では、経路を切り換えるためのパケットは、インターネット701を介して送信されることから、インターネット701の帯域を狭めるとともに、通信システムによっては課金が生じる場合があるという問題点がある。
【0006】
本発明は、帯域を狭めたり、課金を生じたりすることなく、通信経路を切り換えることが可能な中継装置および中継方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、他の拠点と冗長化された通信経路を介して接続される拠点に配置され、前記冗長化された通信経路のそれぞれに対して備えられた中継装置であって、当該拠点内に配置される通信装置に対してデータリンク層を参照して経路を選択する経路選択装置を介して接続されるL2透過型の中継装置において、前記通信経路の切り換えによって、新たに現用系となることが通知された場合には、前記他の拠点が有する通信装置のMACアドレスを送信元とするパケットを当該中継装置が生成し、前記経路選択装置を介して当該拠点内の他の装置に対して送信することで、前記経路選択装置によって選択される経路を変更することを特徴とする。
このような構成によれば、帯域を狭めたり、課金を生じたりすることなく、通信経路を切り換えることが可能となる。
【0008】
また、本発明は、新たに現用系になることが通知された以外の中継装置は、前記他の拠点が有する通信装置のMACアドレスを送信元とするパケットを受信した場合には、前記他の拠点に対しては当該パケットを転送しないことを特徴とする。
このような構成によれば、他の拠点に対して、パケットが転送されてしまうことを確実に防ぐことができる。
また、本発明は、前記通信経路の切り換えによって、新たに現用系となる通知は、前記他の拠点から送信されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、他の拠点と冗長化された通信経路を介して接続される拠点に配置され、前記冗長化された通信経路のそれぞれに対して備えられた中継装置の中継方法であって、当該拠点内に配置される通信装置に対してデータリンク層を参照して経路を選択する経路選択装置を介して接続されるL2透過型の中継装置の中継方法において、前記通信経路の切り換えによって、新たに現用系となることが通知された場合には、前記他の拠点が有する通信装置のMACアドレスを送信元とするパケットを当該中継装置が生成し、前記経路選択装置を介して当該拠点内の他の装置に対して送信することで、前記経路選択装置によって選択される経路を変更することを特徴とする。
このような方法によれば、帯域を狭めたり、課金を生じたりすることなく、通信経路を切り換えることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、帯域を狭めたり、課金を生じたりすることなく、通信経路を切り換えることが可能な中継装置および中継方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
図2図1に示す通信システムの動作を説明するためのシグナルフロー図である。
図3図1に示す通信システムの各通信装置に格納されている中継用学習テーブルの例である。
図4】クライアントからパケットが送信される状態を示す図である。
図5図4の後の各中継用学習テーブルの状態を示す図である。
図6】CPEから切り換え通知がなされる状態を示す図である。
図7】切り換え通知を行うための情報の一例を示す図である。
図8】切り換え通知を受けた後に、ゲートウエイXがブロードキャストパケットを送信する状態を示す図である。
図9図8の後の各中継用学習テーブルの状態を示す図である。
図10】クライアントからのパケットを受信する状態を示す図である。
図11図10の後の各中継用学習テーブルの状態を示す図である。
図12】サーバからクライアントへのパケットの流れを示す図である。
図13】本発明の実施形態に係る通信システムの他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
(A)実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。この図1に示す例では、通信システムは、拠点10,20を有しており、これらの拠点10,20は、冗長化された通信経路31,32によって接続されている。
【0014】
拠点10は、ゲートウエイX11(以下、単に「ゲートウエイX」と称する)、ゲートウエイY12(以下、単に「ゲートウエイY」と称する)、L2(Layer 2)スイッチ13、および、サーバ14を有している。ここで、ゲートウエイXは、インタフェースIF11,IF12を有し、通信経路31とL2スイッチ13を接続する。また、ゲートウエイXは、L2を透過する構成とされている。なお、インタフェースIF12にはMAC(Media Access Control)アドレスとして「X」が付与されている。ゲートウエイYは、インタフェースIF21,IF22を有し、通信経路32とL2スイッチ13を接続する。また、ゲートウエイYは、L2を透過する構成とされている。なお、インタフェースIF22にはMACアドレスとして「Y」が付与されている。L2スイッチ13は、インタフェースIF31,IF32,IF33を有し、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルの第2層(データリンク層)で扱われるMACアドレスに基づいて、受信したパケットの伝送先を選択して出力する。サーバ14は、サーバクライアントモデルのサーバに該当し、クライアント23からの要求に基づいて、所定の情報の取得または所定の処理を実行し、その結果として得られたデータを送信する。なお、サーバ14にはMACアドレスとして「B」が付与されている。
【0015】
拠点20は、CPE(Customer Premises Equipment)21、LAN(Local Area Network)22、および、クライアント23を有している。CPE21は、例えば、ルーターやスイッチ等によって構成され、拠点20内に配置される通信装置である。LAN22は、拠点20内に配設された局所的なネットワークである。クライアント23は、サーバクライアントモデルのクライアントに該当し、サーバ14に対して所定の情報の送信または処理の実行を要求し、その結果として送信される情報を受信する。なお、クライアント23にはMACアドレスとして「A」が付与されている。
【0016】
通信経路31は、CPE21とゲートウエイXを接続し、これらの間でデータの授受を可能とする。通信経路32は、CPE21とゲートウエイYを接続し、これらの間でデータの授受を可能とする。なお、通信経路31,32は、物理的な線路として構成されてもよいし、あるいは、論理的な線路(例えば、トンネル経路)として構成されてもよい。
【0017】
(B)実施形態の動作の説明
つぎに、図1に示す実施形態の動作について説明する。図2は、図1に示す実施形態の動作を説明するためのシグナルフロー図である。例えば、図1に示す通信システムに、ゲートウエイX,Yが接続された後にシステムが起動されたとする。このとき、ゲートウエイX、ゲートウエイY、および、L2スイッチ13にそれぞれ格納されている中継用学習テーブルの状態の一例を図3に示す。図3(A)は、ゲートウエイXに格納されている中継用学習テーブルを示している。中継用学習テーブルは、通信装置のMACアドレスと、その通信装置が接続されているインタフェースとを対応付けて格納するテーブルである。なお、図3(A)の例では、ゲートウエイXは接続された直後の状態であるので、中継用学習テーブルは空「−」の状態とされている。図3(B)は、ゲートウエイYに格納されている中継用学習テーブルを示しており、ゲートウエイYも接続された直後の状態であるので、中継用学習テーブルは空「−」の状態とされている。図3(C)は、L2スイッチ13に格納されている中継用学習テーブルを示しており、この例では、サーバ14のMACアドレスである「B」と、サーバ14が接続されているインタフェースである「IF33」が対応付けされて格納されている。
【0018】
このような状態において、通信経路31が現用系(メイン系)に、通信経路32が予備系(バックアップ系)に設定されたとする。そして、図2に示すタイミングT1において、図4に示すように、クライアント23が、サーバ14に向けてパケットを送信すると、図2に示すようにCPE21はこのパケットを、通信経路31を介して送信する。この結果、ゲートウエイ(GW)Xは、このパケットを受信する。このパケットの送信元MACアドレスは「A」とされ、送信先MACアドレスは「B」とされている。ところで、ゲートウエイX(ゲートウエイYも同様)は、前述したようにL2透過型である。このため、このようなパケットをゲートウエイXが受信すると、送信元MACアドレスは「A」のままで、タイミングT2においてこのパケットをL2スイッチ13に対して転送するとともに、テーブル更新処理P1を実行する。テーブル更新処理P1が実行されると、図5(A)に示すように、ゲートウエイXの中継用学習テーブルには、MACアドレスとして「A」(クライアント23のMACアドレス)が格納されるとともに、インタフェースとして「IF11」(クライアント23からのパケットを受信したインタフェース)が格納される。
【0019】
ゲートウエイXのIF12から出力されたパケットは、L2スイッチ13のIF31から入力される。L2スイッチ13は、パケットを受信すると、図2に示すテーブル更新処理P2を実行する。なお、前述したように、ゲートウエイXは(ゲートウエイYも同様に)、L2透過型のゲートウエイであるので、送信元アドレスは「A」のままとされる。テーブル更新処理P2が実行されると、図5(C)に示すように、L2スイッチ13の中継用学習テーブルには、MACアドレスとして「A」(クライアント23のMACアドレス)が格納されるとともに、インタフェースとして「IF31」(クライアント23からのパケットを受信したインタフェース)が対応付けされて格納される。
【0020】
以上の処理が完了した後に、サーバ14からクライアント23に向けてパケットが送信されると、このパケットはL2スイッチ13によって受信される。L2スイッチ13は、パケットの送信先MACアドレスである「A」を取得し、図5(C)に示す中継用学習テーブルからインタフェースである「IF31」を取得し、受信したパケットを、インタフェースIF31から出力する。ゲートウエイXは、IF12を介して入力したパケットから、送信先MACアドレスである「A」を取得し、図5(A)に示す中継用学習テーブルからインタフェースの「IF11」を取得し、入力したパケットを、インタフェースIF11から出力する。この結果、サーバ14から送信されたパケットはL2スイッチ13、ゲートウエイX、CPE21を介してクライアント23に伝送される。これにより、サーバ14とクライアント23の間の通信が可能になる。
【0021】
つぎに、以上のような状態において、通信経路31に障害が発生したとする。そのような場合には、例えば、CPE21が障害を検出し、通信経路31から通信経路32に現用系を切り換える処理を実行する。より詳細には、CPE21は、図6に示すように、ゲートウエイYに対して切り換え通知(予備系から現用系に切り換える通知)を行う。図2では、切り換え通知は、タイミングT3において実行されている。なお、切り換え通知を行うための具体的な方法としては、例えば、図7に示すようなCircuit Status AVP(Attribute Value Pair)(RFC 3931に規定)を用いることができる。図7は、16ビットの信号を示し、切り換え通知を行う情報としては、第Fビット目の「A」を用いることができる。このビットが「1」である場合にはActiveを示し、このビットが「0」である場合にはInactiveを示す。Activeの場合には、予備系から現用系になることが示される。Inactiveの場合には、現用系から予備系になることが示される。なお、通信経路31が通信可能である場合には、ゲートウエイXに対して、図7に示す第Fビットを「0」に設定した信号を送ることで、現用系から予備系に切り換えることを通知するようにしてもよい。
【0022】
CPE21から、切り換え通知を受けたゲートウエイYは、図2に示す切り換え処理P3を実行する。より詳細には、ゲートウエイYは、図8に示すように、送信元(SRC:Source)MACアドレスを「A」(新たに現用系となる通信経路の先に存在する通信装置のMACアドレス)とし、送信先(DST:Destination)を拠点10内の他の装置(図8の例では他の全ての装置を示す「ALL」)とするパケット(図8ではブロードキャストパケット)を生成し、図2に示すタイミングT4において、L2スイッチ13が接続されるインタフェースIF22から出力する。ここで、正常時であれば、ゲートウエイYが送信するパケットの送信元MACアドレスは「Y」とすべきであるが、本実施形態では、このときに送信するパケットに対して、新たに現用系となる通信経路32の先に存在する通信装置(クライアント23)のMACアドレスを付加する。なお、切り換え通知がなされた際に、付加するべき送信元MACアドレスは、例えば、Config情報として、ゲートウエイY(およびゲートウエイX)に予め格納しておくことができる。
【0023】
ゲートウエイYから図8に示すようなブロードキャストパケットが送信されると、L2スイッチ13はインタフェースIF32を介して受信する。L2スイッチ13は、受信したパケットがブロードキャストパケットである(送信先が「ALL」である)ことから、図2に示すようにタイミングT5にてゲートウエイXに対してこのパケットを転送する。また、L2スイッチ13は、図2に示すように、テーブル更新処理P4を実行する。より詳細には、L2スイッチ13は、受信したパケットの送信元MACアドレスが「A」であることから、MACアドレスが「A」の通信装置がインタフェースIF32に接続されていると判断し、図5(C)に示すMACアドレス「A」に対応づけられているインタフェース「IF31」を、図9(C)に示すように、インタフェース「IF32」に変更する。この結果、これ以降は、L2スイッチ13が受信した、送信先MACアドレスが「A」であるパケットは、インタフェースIF32から出力されることになる。
【0024】
L2スイッチ13からブロードキャストパケットを受信したゲートウエイXは、図2に示すようにテーブル更新処理P5を実行する。より詳細には、ゲートウエイXは、受信したパケットの送信元MACアドレスが「A」であり、インタフェースが「IF12」であるが、その時点での中継用学習テーブルには、図5(A)に示すように、MACアドレス「A」はインタフェース「IF11」に対応付けられていることから、これらが一致しないため、システムの構成が変化したと判断し、中継用学習テーブルを、図9(A)に示すように、MACアドレス「A」に対応付けられたインタフェースを「IF11」から「IF12」に更新する。この結果、これ以降は、ゲートウエイXは、送信先MACアドレスとして「A」が格納されているパケットを、インタフェースIF12から出力する。通信経路31は障害が発生しているので、ゲートウエイXが受信したブロードキャストパケットは、通信経路31に送出されることはない。なお、前述したように、ゲートウエイXは、CPE21から予備系になる旨の通知を受けた後に受信したパケットについては、拠点20に対して転送しないようにしてもよい。そのような構成によれば、ゲートウエイXから通信経路31に対してパケットが送信され、帯域が制限されたり、課金が生じたりすることを確実に防止できる。
【0025】
以上の処理によって、ゲートウエイXとL2スイッチ13の中継用学習テーブルが更新された後、図10に示すように、クライアント23からサーバ14に向けてパケットが送信されたとする(送信元MACアドレスが「A」のパケットが送信されたとする)。図2では、タイミングT6において、CPE21を介してパケットが送信されている。ゲートウエイYがこのようなパケットを受信すると、テーブル更新処理P6を実行する。より詳細には、ゲートウエイYは、MACアドレスが「A」である通信装置がインタフェースIF21に接続されていると判断し、図11(B)に示すように、中継用学習テーブルのMACアドレスに「A」を格納するとともに、インタフェースに「IF21」を対応付けて格納する。
【0026】
以上の処理が実行され、中継用学習テーブルが図11の状態に更新された後に、図12に示すように、サーバ14からクライアント23に向けてパケット(送信元MACアドレスが「B」であり、送信先MACアドレスが「A」であるパケット)が送信されたとする。L2スイッチ13は、図11(C)に示す中継用学習テーブルを参照して、このパケットを、インタフェースIF32から出力し、ゲートウエイYに供給する。ゲートウエイYは、図11(B)に示す中継用学習テーブルを参照し、インタフェースIF21からパケットを出力し、通信経路32およびCPE21を介してクライアント23に供給する。これにより、通信経路31から通信経路32への切り換えが完了する。
【0027】
以上に説明したように、本発明の実施形態では、通信経路の切り換えを行う際には、図8に示すように、新たに現用系となるゲートウエイYが、通信経路32に接続されている通信装置(クライアント23)のMACアドレス(「A」)を送信元とするパケットを送信するようにした。これにより、拠点10内の装置の中継用学習テーブルを確実に書き換えることができる。また、本実施形態では、ゲートウエイYがこのようなパケットを送信することから、このようなパケットを拠点20側が送信する場合に比較すると、拠点20から拠点10に向けてパケットが伝送されなくなるので、帯域が制限されたり、課金が発生したりすることを防ぐことができる。
【0028】
また、本実施形態では、図8に示すパケットとしてブロードキャストパケットを用いるようにしたので、拠点10内の全ての通信装置に対して情報を確実に伝えることができる。
【0029】
また、本実施形態では、新たに予備系となるゲートウエイXについては、通信経路31に障害が発生しているため、ゲートウエイXが受信したブロードキャストパケットは、通信経路31には送出されない。また、前述したように、予備系になるゲートウエイXに対してCPE21が通知を行い、通知を受けたゲートウエイXは、それ以降はパケットを拠点20に対して転送しないようにすることで、パケットが通信経路31に送出され、帯域が制限されたり、課金が発生したりすることを確実に防止できる。
【0030】
(C)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の各実施形態では、図8に示すブロードキャストパケットの送信元MACアドレスを取得する方法としては、Config情報として予め格納しておく方法を採用したが、これ以外の方法を採用してもよい。具体的には、CPE21から通知するようにするか、あるいは、管理者がマニュアル操作で通知するようにしてもよい。また、以上の実施形態では、ブロードキャストパケットを用いるようにしたが、特定の相手に対して送信するマルチキャストパケットを用いるようにしてもよい。
【0031】
また、以上の実施形態では、現用系と予備系が1つずつの場合を例に挙げて説明したが、予備系が2つ以上存在するようにしてもよい。図13は予備系が2つ存在する場合の構成例である。この図13の例では、通信経路33とゲートウエイZが新たに追加されている。このような構成において、ゲートウエイXからゲートウエイZに現用系を切り換える場合には、前述したゲートウエイYを現用系に切り換える場合と同様の動作を、ゲートウエイZに実行させるようにすればよい。また、ゲートウエイXからゲートウエイYに現用系を切り換える場合には、ゲートウエイXおよびゲートウエイYは前述と同様の動作を実行させることはいうまでもないが、ゲートウエイZについては、ゲートウエイYから受信したブロードキャストパケットに基づいて、中継用学習テーブルにMACアドレスとして「A」を格納するとともに、インタフェースとして「IF42」を対応付けて格納するようにすればよい。なお、新たに現用系になることが通知された以外のゲートウエイは、他の拠点20が有する通信装置であるクライアント23のMACアドレスを送信元とするパケットを受信した場合には、拠点20に対しては当該パケットを転送しないようにすることで、通信経路に対してパケットが送出されることを防ぐことができる。
【0032】
また、以上の実施形態では、拠点20にはクライアントが1つだけの構成としたが、複数のクライアントを配置するようにしてもよい。その場合、図8に示すブロードキャストパケットを、クライアントの数だけ繰り返して送信するようにすればよい。例えば、拠点20内にクライアントA,C,Dが存在する場合には、新たに現用系になるゲートウエイが、送信元MACアドレスが「A」、「C」、「D」の3つのパケットを送信するようにすればよい。
【0033】
また、以上の実施形態では、拠点10にはサーバが1つだけの構成としたが、複数のサーバを配置するようにしてもよい。その場合、L2スイッチ13のポートをサーバの数に応じて増設するとともに、中継用学習テーブルに対して各サーバに応じた情報を格納するようにすればよい。
【0034】
また、以上の実施形態では、現用系および予備系の切り換えの際には、図7に示す情報を用いるようにしたが、これ以外の情報を用いて実行するようにしてもよい。
【0035】
また、以上の実施形態では、拠点10にはサーバを配置し、拠点20にはクライアントを配置するようにしたが、拠点10にクライアントを配置し、拠点20にサーバを配置するようにしたり、あるいは、これ以外の通信装置を配置したりするようにしてもよい。すなわち、請求の範囲に記載されている「通信装置」は、サーバおよびクライアントのいずれでもよい。
【符号の説明】
【0036】
10 拠点
11,12 ゲートウエイ(中継装置)
13 L2スイッチ(経路選択装置)
14 サーバ(通信装置)
20 拠点(他の拠点)
21 CPE
22 LAN
23 クライアント(通信装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13