【文献】
鵜澤 史貴 他,双方向FPUに向けたハイブリッドARQ方式の検討,映像情報メディア学会技術報告,日本,(社)映像情報メディア学会,2012年 2月,Vol.36 No.10,p.61−64
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、無線伝送による双方向伝送方式の代表的なものとして、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)方式とTDD方式とが知られている。FDD方式は、送信と受信とで異なる周波数を用いて通信を実現する方式である。TDD方式は、送信と受信とで同じ帯域の周波数を用い、これらを時刻で切り替えることにより通信を実現する方式である。TDD方式は、FDD方式のようにペアとなる周波数帯域が不要であるため、例えば単方向伝送で使用していた周波数帯域を用いることにより、新たな周波数帯域を用意することなく双方向伝送を実現することができる。
【0003】
また、TDD方式では、送受信の切替タイミングを調整することにより、伝送レートを容易に調整することができる。例えば、移動局と基地局との間の無線通信において、移動局から基地局への伝送信号を上り信号(UpLink=UL信号)とし、基地局から移動局への伝送信号を下り信号(DownLink=DL信号)とした場合、予め決められたTDDフレーム時間がUL時間とDL時間に振り分けられる。そして、その時間比率に応じて単方向で実現可能な伝送レートが、UL信号とDL信号に振り分けられる。
【0004】
ところで、TVの生中継、緊急報道等の映像伝送を行う無線通信システムに用いる装置として、FPU(Field Pick-up Unit)が知られている。
図1は、放送素材を伝送する無線通信システムの例を示す図である。無線通信システムのFPUは、放送分野の素材伝送のために用いられ、中継現場側の移動局から放送局側の基地局へ本線情報のUL信号を伝送し、放送局側の基地局から中継現場側の移動局へ送り返し情報のDL信号を伝送する。カメラにより撮像された映像は、リアルタイムでファイル伝送され、移動局から基地局へUL信号として送信され、記憶メディアに格納され再生される。また、送り返し信号及び制御信号は、基地局から移動局へDL信号として送信される。この場合、自動再送要求(ARQ)を行うことにより誤り制御が実現される。
【0005】
このような無線通信システムでは、放送局側の基地局から中継現場側の移動局への送り返し情報であるDL信号も必要であるが、最も高速化が望まれるのは、放送で使用されている映像情報等である本線情報のUL信号である。UL信号の伝送レートを高くする場合には、UL時間>>DL時間とするTDDフレーム構成が必要となる。
【0006】
図2は、TDD方式におけるフレーム構成例を示す図である。通常のTDD方式では、TDDフレームが複数のサブフレームに分割され、サブフレーム単位でUL信号及びDL信号へのサブフレームの割り当てが決定される。サブフレームの時間は、TDD方式における単位時間を示し、伝送方式としてOFDM伝送を想定した場合には、複数または単独のOFDMシンボル時間となる。1TDDフレームは、UL信号が伝送されるULサブフレーム、DL信号が伝送されるDLサブフレーム、及びガードタイムにより構成され、ガードタイムは、送受信の切り替えに要する時間または距離遅延等を含む。
【0007】
双方向伝送を行う無線通信システムでは、MAC層における自動再送要求(ARQ)を行うことにより、例えば、単純な前方誤り訂正(FEC)を用いた単方向伝送よりも、伝送環境の誤り発生状況に対応可能な柔軟性を持った誤り制御を実現することができる。ARQ処理は、ある一定のデータパケット単位で実行される。これは、単純なARQプロトコルの場合も同様であり、FECと組み合わせて効果的な誤り制御を実現するハイブリッドARQ(HARQ)の場合も同様である。ARQを行うためには、移動局及び基地局のそれぞれが、受信した各データパケットに対する受信可否を示すACK/NACK情報を送信する必要がある。
【0008】
図3は、従来技術におけるACK/NACK情報の送信例を示す図である。移動局及び基地局は、データパケットを送信した後に、各データパケットに対応するACK/NACK情報を受信しない限り、当該データパケットを再送することができない。仮に再送不要であると判定した場合であっても、バッファに格納された当該データパケットを消去するためには、ACK情報を受信する必要がある。
【0009】
UL信号の伝送レート(UL伝送レート)とDL信号の伝送レート(DL伝送レート)がほぼ同じ場合、すなわちTDDフレーム内で使用されるUL信号のデータパケット数とDL信号のデータパケット数に差がない場合は、各データパケットに対して単独のACK/NACK情報を送信すればよい。しかし、UL伝送レート>>DL伝送レートの場合、すなわち各TDDフレーム内においてUL信号のデータパケット数>>DL信号のデータパケット数となる伝送の場合には、各データパケットに対して単独のACK/NACK情報を送信すると不都合が生じる。具体的には、基地局からのDL信号におけるACK/NACK情報の送信が、移動局からのUL信号におけるデータパケットの送信に追いつかなくなり、結果的にUL信号におけるデータパケットの再送が滞り、UL伝送レートそのものが低下してしまう。
【0010】
このように、UL伝送レートとDL伝送レートとが非対称である場合、ACK/NACK情報の送信を滞りなく遂行する手法として、複数のサブフレームに対するACK/NACK情報をまとめて送信する手法(バンドリング手法)が提案されている(非特許文献1、非特許文献2を参照)。この手法は、各サブフレームをデータパケットとして扱うことを基本にしている。しかし、この手法は、1パケットに対してACK/NACK情報を返す手法を拡張したものであり、サブフレームの中にACK/NACK情報を格納する場所が限定されている。このため、サブフレームにバンドルできるACK/NACK情報の数が限られるから、伝送レートの比率によっては、1TDDフレーム時間でARQ処理を完了させることができない場合もある。
【0011】
また、ACK/NACK情報を削減するために、代表ACK/NACK情報を設定する手法も提案されている(非特許文献2、特許文献1を参照)。この手法は、各サブフレーム(データパケット)のうち1つのデータパケットでも復号できない場合に、NACK情報を代表として返すものである。このため、再送時には、正常に受信されたデータパケットも再送されてしまうから、必要なデータパケットの数は、単独のNACK情報を返す場合よりも増えてしまう。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明は、TDD方式の場合、1TDDフレーム時間で示すことができる単位時間において、全ての受信データパケットに対するACK/NACK情報を確実に送信することを特徴とする。尚、本発明は、基地局及び移動局において、時刻同期を伴う複信方式に適用があり、例えば、FDDに代表されるTDD以外の複信方式にも適用がある。
【0025】
図4は、本発明におけるACK/NACK情報の送信例を示す図である。基地局及び移動局は、直前に受信したサブフレーム群におけるデータパケットについて、それぞれのデータパケットに対する受信OKまたはNGの情報をまとめて、1つのACK/NACK情報に格納する。基地局は、移動局からUL信号に含まれる各データパケットを受信し、各データパケットに対する受信OK/NGの情報をACK/NACK情報として設定し、設定したACK/NACK情報をDL信号に含めて、優先的に移動局へ送信する。移動局も同様に、直前に受信したDL信号に含まれる各データパケットに対する受信OK/NGのACK/NACK情報をUL信号に含めて、優先的に基地局へ送信する。基地局及び移動局は、同一の構成により実現することができる。
【0026】
〔実施例1〕
まず、実施例1について説明する。
図5は、実施例1による無線通信装置の構成を示すブロック図である。この無線通信装置101は、FPUを例とする放送素材伝送のために用いる送受信機であり、基地局及び移動局に同一構成の装置として設けられている。基地局に設けられた無線通信装置101と、移動局に設けられた無線通信装置101とにより構成される無線通信システムは双方向伝送を行うものであり、その搬送波の周波数及び変調方法等は、特に限定されるものではない。また、時間単位で送受信サブフレームを作成することができれば、シングルキャリア、マルチキャリア等の方式も限定されるものではない。以下、無線通信装置101は、移動局に設けられているものとして説明するが、基地局に設けられている場合も同様に動作する。後述する実施例2,3についても同様である。
【0027】
無線通信装置101は、データ入力部1、送信パケット作成部2、誤り検出符号化部3、送信パケットバッファ4、送信フレームマッピング部(送信フレーム作成部)5、フレーム変調部6、フレーム送信部7、フレーム受信部8、フレーム復調部9、受信フレーム分離部10、制御信号処理部11、受信ACK/NACK処理部12、誤り検出部13、送信ACK/NACK生成部14、制御信号生成部15、受信パケットバッファ16及びデータ出力部17を備えている。
【0028】
(送信系統/実施例1)
まず、無線通信装置101の送信系統について説明する。データ入力部1は、送信用の映像信号等のデータ信号を入力し、連続したデータとして送信パケット作成部2に出力する。送信パケット作成部2は、データ入力部1から連続したデータを入力し、入力したデータを、予め設定されたパケットサイズのデータパケットに分割する。このパケットサイズは、各パリティ情報を付与した後に送信サブフレーム単位に当てはめられるサイズとする。そして、送信パケット作成部2は、分割したデータパケットに、どのデータパケットを再送するのかを決定するARQ処理のために必要なARQ−IDを付与して送信パケットを作成し、作成した送信パケットをデータパケットとして誤り検出符号化部3に出力する。
【0029】
図6は、送信パケット作成部2により作成される送信パケットの構成例を示す図である。
図6に示すように、送信パケット作成部2により、連続データが分割されてデータパケット1,2,3,・・・が生成され、各データパケット1,2,3,・・・にARQ−IDであるID1,2,3,・・・が付与される。このようにして、ARQ−IDが付与された送信パケット(データパケット)が作成される。
【0030】
図5に戻って、誤り検出符号化部3は、送信パケット作成部2からARQ−IDが付与されたデータパケットを入力し、入力したデータパケットに対し、例えば巡回冗長符号(CRC)を用いて誤り検出符号化を施す。尚、誤り検出符号化部3は、リードソロモン(RS)符号のような誤り検出可能な誤り訂正符号化を施すようにしてもよい。
【0031】
送信パケットバッファ4は、誤り検出符号化部3から誤り検出符号化されたデータパケット(ARQ−IDが付与されたデータパケット)を入力し、入力したデータパケットを一旦格納する。
図7は、送信パケットバッファ4の構成例を示す図である。
図7に示すように、送信パケットバッファ4は、データパケット、ARQ−ID及び再送回数から構成される。再送回数は、当該データパケットが基地局へ再送された回数を示す。送信パケットバッファ4は、
図7(1)に示すように、誤り検出符号化部3からのデータパケットを格納した場合、再送回数0も格納する。
【0032】
送信パケットバッファ4は、受信ACK/NACK処理部12から受信ACK/NACK処理用信号(再送情報)を入力し、受信ACK/NACK処理用信号に基づいて、ACKを受信した対象となるデータパケットのARQ−ID、及びNACKを受信した対象となるデータパケットのARQ−IDを特定する。送信パケットバッファ4は、ACKを受信した対象となるデータパケットのARQ−IDを特定した場合、そのARQ−IDのデータパケットを消去する。これにより、基地局にて正しく受信されたデータパケット(データパケット、ARQ−ID及び再送回数)が、送信パケットバッファ4から消去される。
【0033】
一方、送信パケットバッファ4は、受信ACK/NACK処理用信号に基づいて、NACKを受信した対象となるデータパケットのARQ−IDを特定した場合、そのARQ−IDのデータパケットの再送回数に応じて再送順序を決定し、その再送順序に従ってデータパケットを送信パケットとして送信フレームマッピング部5に出力する。そして、
図7(2)に示すように、再送回数をインクリメントして更新する。例えば、送信パケットバッファ4は、再送回数の多い順番にデータパケットを再送するように再送順序を決定し、再送順序に従ってデータパケットを送信パケットとして送信フレームマッピング部5に出力する。このように、送信パケットバッファ4は、データパケットを送信する順番に並び替え、送信パケットとして順番に送信フレームマッピング部5に出力する。そして、送信パケットバッファ4は、再送するデータパケットが格納されていない場合、再送回数0の初回送信用のデータパケットを送信パケットとして送信フレームマッピング部5に出力する。
【0034】
送信フレームマッピング部5は、送信パケットバッファ4から送信パケット(ARQ−IDが付与された送信パケット)を入力すると共に、制御信号生成部15から制御信号を入力する。ここで、制御信号生成部15からの制御信号には、当該無線通信装置101が直前に受信した受信フレームの各データパケットに対するACK/NACK情報(送信ACK/NACK情報)も含まれる。そして、送信フレームマッピング部5は、入力した送信パケットについて、ARQ−IDとデータパケットとを結び付けて、ARQ−IDに符号化を施す。ARQ−IDの符号化は、各データパケットよりも誤り耐性が強くなるように行われる。そして、送信フレームマッピング部5は、入力した送信パケット(ARQ−IDを含まない)と符号化したARQ−IDとを、ある時間単位のサブフレームに収まるようにマッピングし、送信サブフレームを作成する。例えば、ある時間単位のサブフレームとは、直交周波数分割多重(OFDM)変調による伝送を行う場合、そのOFDMシンボルのシンボル時間を基準としたサブフレーム時間である。「標準規格,“テレビジョン放送番組素材伝送用可搬形OFDM方式デジタル無線伝送システム”,ARIB STD−B33」では、1シンボルの時間は56.33μsであり、単位サブフレーム時間は1シンボルまたは複数シンボルの時間とする。
【0035】
図8は、送信フレームマッピング部5により作成される送信サブフレームの構成例を示す図である。1つの送信サブフレームに配置できる送信パケットの数は、受信した制御信号に従い、伝送される変調多値数及びMIMO(Multi-Input Multi-Output)ストリーム数等により異なる。
図8の例では、1OFDMシンボルの時間を単位サブフレーム時間とし、1OFDMシンボルあたりのデータサブキャリア数を726本と想定している。そのうちARQ−IDに使用するサブキャリア数を22本、送信パケットに使用するサブキャリア数を704本とする。ここでは、送信パケットの単位を1408ビットとしている。
図8(1)に示すように、16QAM変調の場合、1つの送信サブフレームに2つの送信パケットが格納される。また、
図8(2)に示すように、256QAMの場合、1つの送信サブフレームに4つの送信パケットが格納される。1つの送信サブフレームにて送信される送信パケット数に合わせて、ARQ−IDの変調方式も変更される。
【0036】
図5に戻って、送信フレームマッピング部5は、ARQ−ID及び送信パケットを格納した送信サブフレームを作成した後、入力した制御信号に基づいて、ヘッダとなる送信サブフレームを作成する。ヘッダには、1TDDフレームで送信するサブフレーム数及び変調方式等の制御情報が格納されており、基地局に対する移動局の制御を実現する。また、ヘッダには、当該無線通信装置101が直前に受信した受信フレームの各データパケットに対するACK/NACK情報も格納される。尚、ここではヘッダと呼んでいるが、この情報のマッピング位置及びサイズ等は限定されることがない。
【0037】
送信フレームマッピング部5は、入力した制御信号に含まれるサブフレーム数に基づいて、作成した送信サブフレームを整列させ、それに、ヘッダが格納された送信サブフレームを付加し、送信サブフレーム群を作成する。そして、送信フレームマッピング部5は、作成した送信サブフレーム群を送信フレームとしてフレーム変調部6に出力する。
【0038】
図9は、送信フレームマッピング部5により作成される送信サブフレーム群(送信フレーム)の構成例を示す図である。この構成例は、実施例1及び後述する実施例2に適用がある。送信フレームマッピング部5は、
図9に示す送信サブフレーム群を作成する。尚、
図9に示した各送信サブフレームにおいて、送信パケットの数とそれに対応したARQ−IDの数は可変であるが、送信パケット及びARQ−IDのそれぞれがサブフレームにまたがることはない。
【0039】
図5に戻って、フレーム変調部6は、送信フレームマッピング部5から送信サブフレーム群である送信フレームを入力し、OFDM変調及び各OFDMシンボルへのマッピングを行う。また、フレーム変調部6は、プリアンブルに代表される同期信号の付加、及びパイロットサブキャリアの生成等も行う。フレーム送信部7は、フレーム変調部6からフレーム変調された信号を入力し、タイミング調整及び周波数変換を行い、無線信号であるULサブフレーム(送信サブフレーム群、送信フレーム)の送信信号として基地局へ送信する。
【0040】
(受信系統/実施例1)
次に、無線通信装置101の受信系統について説明する。フレーム受信部8は、TDD方式の場合は送受信の切り替えを行い、FDD方式の場合は送信信号とは別の周波数帯域の受信信号を処理する。フレーム受信部8は、基地局からの無線信号であるDLサブフレーム(受信サブフレーム群、受信フレーム)の受信信号を受信し、受信信号に対して、周波数変換及びプリアンブル信号による同期処理等を施す。前述のとおり、この無線通信システムは、送受信タイミングを時刻により切り替えるTDD方式を想定しているが、移動局の無線通信装置101と基地局の無線通信装置101との間で時刻同期をとることができる場合には、周波数により送受信を分割するFDD方式等の他の複信方式にも適用がある。
【0041】
フレーム復調部9は、フレーム受信部8から同期後の受信フレームを入力し、復調方式に従って復調する。例えば、OFDM信号の場合は、ガードインターバル除去及び高速フーリエ変換(FFT)等の処理が行われる。ここでは、復調処理の後に、データキャリアのみが取り出される。データキャリアが取り出された受信フレームである受信サブフレーム群の構成は、
図9に示した構成と同様である。
【0042】
受信フレーム分離部10は、フレーム復調部9から受信フレーム(受信サブフレーム群)を入力し、受信サブフレーム群から、ヘッダに格納された受信ACK/NACK情報等の制御信号、並びに、ARQ−ID及び受信パケットを分離する。具体的には、受信フレーム分離部10は、受信サブフレーム群のヘッダから、移動局に対する基地局からの制御信号を取り出す。ヘッダには、1TDDフレームで送信するサブフレーム数及び変調方式、並びに受信ACK/NACK情報(当該無線通信装置101が直前のサブフレームで送信した各データパケットに対するACK/NACK情報)等の制御信号が格納されている。そして、受信フレーム分離部10は、取り出した制御信号を制御信号処理部11に出力する。
【0043】
受信フレーム分離部10は、受信サブフレーム群の各サブフレームからARQ−IDを分離し、ARQ−IDに復号を施し、ARQ−IDと受信パケットとを結び付ける。ここで、受信フレーム分離部10は、ARQ−IDを正しく復号できなかった場合、当該ARQ−IDに対応する受信パケットは受信NGであると判定する。そして、受信フレーム分離部10は、ARQ−ID及び受信パケット並びに受信NGのARQ−IDを誤り検出部13に出力する。
【0044】
制御信号処理部11は、受信フレーム分離部10から制御信号を入力し、制御信号に基づいて制御内容を判断し、当該移動局から基地局に対する制御に用いるサブフレーム数、フレーム長及び変調方式等を次のULサブフレームに反映するため、サブフレーム数、フレーム長及び変調方式等の制御信号を制御信号生成部15に出力する。また、制御信号処理部11は、制御信号から受信ACK/NACK情報を取り出し、ULサブフレームで送信するデータパケットを判断するために、受信ACK/NACK情報を受信ACK/NACK処理部12に出力する。
【0045】
受信ACK/NACK処理部12は、制御信号処理部11から受信ACK/NACK情報を入力し、受信ACK/NACK情報に基づいて、ACKを受信した対象となるデータパケットのARQ−IDを特定し、そのARQ−IDのデータパケットを、再送を行わないデータパケットであると判定すると共に、NACKを受信した対象となるデータパケットのARQ−IDを特定し、そのARQ−IDのデータパケットを、再送を行うデータパケットであると判定する。そして、受信ACK/NACK処理部12は、これらを区別するための受信ACK/NACK処理用信号(再送情報)を生成し、受信ACK/NACK処理用信号を送信パケットバッファ4に出力する。
【0046】
誤り検出部13は、受信フレーム分離部10からARQ−ID及び受信パケット並びに受信NGのARQ−IDを入力し、入力した受信パケットに対し、例えばCRCによる誤り検出を行い、または誤り訂正符号による復号処理を行い、受信パケットが受信OKであるか受信NGであるかを判定する。ここで使用する誤り訂正符号は、各データパケットの誤り検出が可能であることが条件である。誤り検出部13は、受信OKであると判定した受信パケットを、対応するARQ−IDと共に受信パケットバッファ16に出力する。また、誤り検出部13は、受信OKであると判定した受信パケットのARQ−IDを受信OK情報に設定すると共に、入力した受信NGのARQ−ID及び受信NGであると判定した受信パケットのARQ−IDを受信NG情報に設定し、受信OK情報及び受信NG情報を誤り検出情報として送信ACK/NACK生成部14に出力する。
【0047】
送信ACK/NACK生成部14は、誤り検出部13から誤り検出情報(受信OK情報及び受信NG情報)を入力し、当該無線通信装置101が直前に受信したDLサブフレームの各データパケット数に対応する受信OK情報及び受信NG情報を、次に送信するULサブフレームのヘッダに格納して送信するための送信ACK/NACK情報として生成し、送信ACK/NACK情報を制御信号生成部15に出力する。
【0048】
制御信号生成部15は、制御信号処理部11からサブフレーム数、フレーム長及び変調方式等の制御信号を入力すると共に、送信ACK/NACK生成部14から送信ACK/NACK情報を入力し、制御信号及び送信ACK/NACK情報から、送信フレームマッピング部5にてULサブフレームのヘッダに格納するための新たな制御信号を生成し、生成した新たな制御信号を送信フレームマッピング部5に出力する。制御信号生成部15が入力した制御信号及び送信ACK/NACK情報は、送信フレームマッピング部5により、ULサブフレームのヘッダに格納される。
【0049】
受信パケットバッファ16は、誤り検出部13から受信OKであると判定された受信パケット及びARQ−IDを入力し、入力した受信パケットをARQ−IDの昇順に並び替えて格納する。そして、受信パケットバッファ16は、ARQ−IDの順番に受信パケットをデータ出力部17に出力する。
【0050】
図10は、受信パケットバッファ16の動作例を示す図である。受信パケットバッファ16は、ARQ−IDの若い順に受信パケットを出力する。
図10の例では、ARQ−ID2,3,5,7の受信パケットが受信NGであると判定されている状態を示しており、受信パケットバッファ16から、ARQ−IDの小さいARQ−ID=1の受信パケットが出力され、ARQ−ID=4,6,8,9等の受信パケットが滞留している。そして、ARQ−ID=2,3,5の受信パケットを格納されると、ARQ−IDの小さい順に、ARQ−ID=2,3,4,5,6の受信パケットが出力され、ARQ−ID=8,9,11,12等の受信パケットが滞留する。ARQ−ID=8,9の受信パケットが出力されないのは、ARQ−ID=7の受信パケットが受信NGであり、受信パケットバッファ16に格納されないからである。このように、受信パケットバッファ16は、格納されている受信パケットのARQ−IDよりも小さいARQ−IDの受信パケットの復号が完了しておらず受信NGの場合には、当該ARQ−IDの受信パケットを格納するまで、格納している受信パケットを出力しない。尚、受信パケットバッファ16は、1TDDフレーム毎に動作する。
【0051】
データ出力部17は、受信パケットバッファ16から受信パケットを入力し、入力した受信パケットを連続したデータに変換し、受信用の映像信号等のデータ信号として出力する。上位レイヤー部分のバッファリング処理も、データ出力部17にて行われる。
【0052】
図11は、実施例1によるTDDフレームの構成例を示す図である。ULサブフレームは80OFDMシンボルから構成され、DLサブフレームは8OFDMシンボルから構成される。
図4に示したように、ULサブフレームの手前のサブフレームはUL−プリアンブルであり、DLサブフレームの手前のサブフレームはDL−プリアンブルである。また、
図9に示したように、ULサブフレームの先頭のサブフレームはUL−ヘッダであり、DLサブフレームの先頭のサブフレームはDL−ヘッダである。また、
図8に示したように、サブフレームに対応する1OFDMシンボルあたりのデータサブキャリア数は726本であり、そのうちARQ−IDに使用するサブキャリア数は22本、送信パケットに使用するサブキャリア数は704本である。
【0053】
以上のように、実施例1による無線通信装置101によれば、受信フレーム分離部10は、受信フレームである受信サブフレーム群から、ヘッダに格納された受信ACK/NACK情報等の制御信号、並びに、ARQ−ID及び受信パケットを分離するようにした。そして、送信パケットバッファ4は、受信ACK/NACK情報に基づいて再送パケットを特定し、誤り検出部13は、受信パケットに対して誤り検出等を行い、受信パケットが受信OKであるか受信NGであるかを判定し、送信ACK/NACK生成部14は、受信パケットを正しく受信できたか否かを示す送信ACK/NACK情報を生成するようにした。そして、送信フレームマッピング部5は、ARQ−ID及びデータパケットを格納した送信サブフレームを作成すると共に、受信フレームの各受信パケットが正しく受信されたか否かを示す送信ACK/NACK情報を格納したヘッダの送信サブフレームを作成し、ヘッダを先頭とする送信サブフレーム群を作成するようにした。このようにして作成された送信サブフレーム群は送信フレームとして送信される。
【0054】
これにより、無線通信装置101が、受信フレームである受信サブフレーム群を受信し、送信フレームである送信サブフレーム群を送信する処理において、受信した受信フレームの各受信パケットに対する受信OKまたはNGの情報は、1つのACK/NACK情報として送信フレームのヘッダに格納して送信される。したがって、UL伝送レートとDL伝送レートとが大幅に異なる場合であっても、ACK/NACK情報が優先的に送信されるから、伝送レートの小さい側からのACK/NACK情報の伝送が追いつかないという現象が発生することはなく、伝送レートの大きい側からのデータパケットの再送処理は滞ることがない。つまり、再送処理を遅延させることなく、時間利用効率の高い双方向伝送を実現することが可能となる。
【0055】
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。
図12は、実施例2による無線通信装置の構成を示すブロック図である。この無線通信装置102は、実施例1の無線通信装置101の機能に加え、受信パケットを合成してより効果的な誤り制御を実現するハイブリッドARQ(HARQ)を導入するものである。以下、無線通信装置102は、実施例1の無線通信装置101と同様に、移動局に設けられているものとして説明するが、基地局に設けられている場合も同様に動作する。
【0056】
無線通信装置102は、データ入力部1、送信パケット作成部2、誤り訂正符号化部21、送信パケットバッファ22、送信フレームマッピング部(送信フレーム作成部)5、フレーム変調部6、フレーム送信部7、フレーム受信部8、フレーム復調部9、受信フレーム分離部10、制御信号処理部11、受信ACK/NACK処理部12、復号前パケットバッファ23、誤り訂正復号部24、送信ACK/NACK生成部14、制御信号生成部15、受信パケットバッファ16及びデータ出力部17を備えている。復号前パケットバッファ23及び誤り訂正復号部24により誤り訂正復号処理部が構成される。
図5に示した実施例1の無線通信装置101とこの無線通信装置102とを比較すると、無線通信装置102は、無線通信装置101に備えた送信パケットバッファ4の代わりに、新たな送信パケットバッファ22を備え、無線通信装置101に備えた誤り検出符号化部3の代わりに、誤り訂正符号化部21を備え、無線通信装置101に備えた誤り検出部13の代わりに、復号前パケットバッファ23及び誤り訂正復号部24を備えている点で相違する。その他の構成は同じである。
【0057】
(送信系統/実施例2)
まず、無線通信装置102の送信系統について説明する。データ入力部1及び送信パケット作成部2は、実施例1と同様であるから、ここでは説明を省略する。誤り訂正符号化部21は、送信パケット作成部2からARQ−IDが付与されたデータパケットを入力し、入力したデータパケットに対して誤り訂正符号化を施す。具体的には、誤り訂正符号化部21は、外符号及び内符号の二段階の符号化を施し、外符号についてはRS符号のような誤り検出可能な符号を用いる。誤り訂正符号化部21は、外符号化を施した後、そのデータパケットに対して内符号の誤り訂正符号化を施し、符号化後パケットとして送信パケットバッファ22に出力する。尚、内符号に使用する誤り訂正符号はどのようなものを用いても構わないが、復調時にパンクチャーにより間引いたパリティ成分を合成するHARQ手法(Incremental Redundancy:IR)を用いる場合は、パンクチャーによりレート変更可能な符号を用いる。例えば、畳込み符号、ターボ符号またはレート可変のLDPC符号を用いる。
【0058】
送信パケットバッファ22は、実施例1と同様に、誤り訂正符号化部21から符号化後のデータパケット(ARQ−IDが付与されたデータパケット)を入力し、入力したデータパケットを一旦格納する。送信パケットバッファ22は、
図7と同様に、データパケット、ARQ−ID及び再送回数から構成される。また、送信パケットバッファ22は、実施例1と同様に、受信ACK/NACK処理部12から受信ACK/NACK処理用信号(再送情報)を入力し、受信ACK/NACK処理用信号に基づいて、データパケットを消去したり、データパケットの再送回数に応じて再送順序を決定してデータパケットを送信パケットとして送信フレームマッピング部5に出力したりする。
【0059】
尚、基地局側の無線通信装置102がIR法による合成を用いる場合には、再送回数に応じて送信内容が異なる。例えば、送信パケットバッファ22は、初回の送信の場合(再送回数0の場合)、データ成分のパケットを送信パケットとして出力し、2回目以降の送信の場合(再送回数1以上の場合)、パリティ成分のパケットを送信パケットとして出力する。具体的には、送信パケットバッファ22は、誤り訂正符号化部21から符号化後のデータパケットを入力すると、データパケットのデータ成分から、2回目以降に送信する際のパリティ成分のパケットをそれぞれ生成し、データ成分のパケット及び2回目以降に送信する際のそれぞれのパリティ成分のパケットを格納する。この場合、送信パケットバッファ22は、入力したデータパケットに対応するデータ成分のパケット、2回目以降に送信する際のそれぞれのパリティ成分のパケット、ARQ−ID及び再送回数から構成される。送信パケットバッファ22は、受信ACK/NACK処理部12から受信ACK/NACK処理用信号を入力すると、所定のデータパケットについて2回目の送信を行う場合、当該バッファに格納されている当該データパケットに対応する再送回数を1に更新し、2回目に送信する際のパリティ成分のパケットを送信パケットとして出力する。このように、送信パケットバッファ22は、2回目以降の送信を行う場合、当該バッファに格納されている、送信回数に応じたパリティ成分のパケットを送信パケットとして出力する。尚、送信パケットバッファ22は、符号化後のデータパケットを入力したときに、2回目以降に送信する際のパリティ成分のパケットをそれぞれ生成するようにしたが、この処理の代わりに、受信ACK/NACK処理用信号を入力したときに、送信回数に応じたパリティ成分のパケットを生成するようにしてもよい。
【0060】
送信フレームマッピング部5、フレーム変調部6及びフレーム送信部7は、実施例1と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0061】
(受信系統/実施例2)
次に、無線通信装置102の受信系統について説明する。フレーム受信部8、フレーム復調部9、受信フレーム分離部10、制御信号処理部11及び受信ACK/NACK処理部12は、実施例1と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0062】
復号前パケットバッファ23は、受信フレーム分離部10から受信パケット及びARQ−ID並びに受信NGのARQ−IDを入力し、入力した受信パケットに対応するARQ−IDに基づいて、受信パケットが初回のパケットであるか、または再送パケットであるかを判定する。具体的には、復号前パケットバッファ23は、入力したARQ−IDの受信パケットが当該バッファに格納されていない場合、入力した受信パケットは初回のパケットであると判定し、入力したARQ−IDの受信パケットが当該バッファに格納されている場合、再送パケットであると判定する。
【0063】
復号前パケットバッファ23は、入力したARQ及び受信パケットをそれぞれ格納し、初回のパケットであると判定した受信パケット及びそのARQ−IDをそのまま誤り訂正復号部24に出力する。また、復号前パケットバッファ23は、再送パケットであると判定した受信パケットについて、当該受信パケットと、当該バッファに格納されている同じARQ−IDの受信パケットとを合成し、合成パケット及びそのARQ−IDを誤り訂正復号部24に出力する。HARQでは、誤り訂正復号部24にて誤り訂正復号処理を行う前に、事前に受信していた各ARQ−IDに対応した受信パケットと合成することで、訂正効率の高い復号を実現することができる。受信パケットの合成方法は、同一パケットを最大比合成するChase合成(CC)法、またはパリティ成分を合成するIR法を用いる。但し、IR法を用いる場合は、パンクチャーによりレート変更可能な符号を用いる必要がある。
【0064】
復号前パケットバッファ23は、誤り訂正復号部24から復号後誤り検出情報を入力し、復号後誤り検出情報に基づいて、誤り訂正復号部24にて受信OKであると判定された受信パケットのARQ−IDを特定し、当該ARQ−IDの受信パケットが誤り訂正復号部24にて正しく復号されたと判定し、そのARQ−ID及び受信パケットを消去する。これにより、復号前パケットバッファ23には、誤り訂正復号部24にて受信NGであると判定された受信パケット等が残される。尚、復号前パケットバッファ23は、入力した受信NGのARQ−IDをそのまま誤り訂正復号部24に出力する。
【0065】
誤り訂正復号部24は、復号前パケットバッファ23から、初回の受信パケット及びARQ−ID、合成パケット及びARQ−ID、並びに受信NGのARQ−IDを入力し、入力した受信パケット及び合成パケットに対して誤り訂正復号処理を行い、受信パケット及び合成パケットが受信OKであるか受信NGであるかを判定すると共に、復号後の受信パケットを生成する。誤り訂正復号処理は、内符号復号処理、外符号復号処理の順で進められるが、ここでの外符号は、誤り検出可能な符号を使用するものとする。
【0066】
誤り訂正復号部24は、受信OKであると判定した復号後の受信パケットを、対応するARQ−IDと共に受信パケットバッファ16に出力する。また、誤り訂正復号部24は、受信OKであると判定した受信パケット及び合成パケットのARQ−IDを受信OK情報に設定すると共に、入力した受信NGのARQ−ID及び受信NGであると判定した受信パケット及び合成パケットのARQ−IDを受信NG情報に設定し、受信OK情報及び受信NG情報を復号後の誤り検出情報として送信ACK/NACK生成部14及び復号前パケットバッファ23に出力する。
【0067】
送信ACK/NACK生成部14、制御信号生成部15、受信パケットバッファ16及びデータ出力部17は、実施例1と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0068】
以上のように、実施例2による無線通信装置102によれば、受信フレーム分離部10は、受信フレームである受信サブフレーム群から、ヘッダに格納された受信ACK/NACK情報等の制御信号、並びに、ARQ−ID及び受信パケットを分離するようにした。そして、復号前パケットバッファ23は、受信した受信パケットに対応するARQ−ID及び当該バッファに格納されている受信パケットのARQ−IDに基づいて、受信パケットが初回のパケットであるか、または再送パケットであるかを判定し、再送パケットであると判定した受信パケットについて、当該受信パケットと、当該バッファに格納されている同じARQ−IDの受信パケットとを合成するようにした。そして、誤り訂正復号部24は、初回の受信パケット及び合成パケットに対して誤り訂正復号処理を行い、受信パケット及び合成パケットが受信OKであるか受信NGであるかを判定し、送信ACK/NACK生成部14は、受信パケットを正しく受信できたか否かを示す送信ACK/NACK情報を生成するようにした。そして、送信パケットバッファ22は、受信ACK/NACK処理用信号に基づいて再送パケットを特定し、再送回数に応じて送信内容が異なるように、例えば、初回の送信の場合(再送回数0の場合)データ成分のデータパケットを、2回目以降の送信の場合(再送回数1以上の場合)パリティ成分のデータパケットを出力するようにした。そして、送信フレームマッピング部5は、ARQ−ID及びデータパケットを格納した送信サブフレームを作成すると共に、受信フレームの各受信パケットが正しく受信されたか否かを示す送信ACK/NACK情報を格納したヘッダの送信サブフレームを作成し、ヘッダを先頭とする送信サブフレーム群を作成するようにした。このようにして作成された送信サブフレーム群は送信フレームとして送信される。
【0069】
これにより、実施例1と同様に、UL伝送レートとDL伝送レートとが大幅に異なる場合であっても、ACK/NACK情報が優先的に送信されるから、再送処理を遅延させることなく、時間利用効率の高い双方向伝送を実現することが可能となる。
【0070】
また、受信パケットを合成してより効果的な誤り制御を行うハイブリッドARQ(HARQ)を実現するようにしたから、再送パケットの数を最小限に抑えることができ、双方向伝送のメリットである柔軟性の高い誤り制御を実現することができる。
【0071】
〔実施例3〕
次に、実施例3について説明する。
図13は、実施例3による無線通信装置の構成を示すブロック図である。この無線通信装置103は、実施例2の無線通信装置102と同様に、実施例1の無線通信装置101の機能に加え、受信パケットを合成してより効果的な誤り制御を実現するハイブリッドARQ(HARQ)を導入するものである。また、無線通信装置103は、ACK/NACK情報を送信フレームのヘッダに格納する実施例1の無線通信装置101及び実施例2の無線通信装置102とは異なり、ACK/NACK情報を送信フレームのデータパケット部分にACK/NACK用パケットとして格納するものである。これにより、UL伝送レート及びDL伝送レートの比率またはTDDフレーム長そのものが変更されることに伴って、送信すべきACK/NACK情報のデータ量が変更される場合であっても、ACK/NACK情報のマッピングを柔軟に行うことができる。以下、無線通信装置103は、実施例1の無線通信装置101及び実施例2の無線通信装置102と同様に、移動局に設けられているものとして説明するが、基地局に設けられている場合も同様に動作する。
【0072】
無線通信装置103は、データ入力部1、送信パケット作成部31、誤り訂正符号化部32、送信パケットバッファ33、送信フレームマッピング部(送信フレーム作成部)5、フレーム変調部6、フレーム送信部7、フレーム受信部8、フレーム復調部9、受信フレーム分離部34、制御信号処理部35、制御信号生成部39、復号前パケットバッファ23、誤り訂正復号部36、受信ACK/NACK処理部37、送信ACK/NACK生成部38、受信パケットバッファ16及びデータ出力部17を備えている。復号前パケットバッファ23及び誤り訂正復号部36により誤り訂正復号処理部が構成される。
図12に示した実施例2の無線通信装置102とこの無線通信装置103とを比較すると、無線通信装置103は、無線通信装置102に備えた誤り送信パケット作成部2、誤り訂正符号化部21、送信パケットバッファ22、受信フレーム分離部10、制御信号処理部11、制御信号生成部15、誤り訂正復号部24、受信ACK/NACK処理部12及び送信ACK/NACK生成部14の代わりに、新たな送信パケット作成部31、誤り訂正符号化部32、送信パケットバッファ33、受信フレーム分離部34、制御信号処理部35、制御信号生成部39、誤り訂正復号部36、受信ACK/NACK処理部37及び送信ACK/NACK生成部38を備えている点で相違する。その他の構成は同じである。
【0073】
(送信系統/実施例3)
まず、無線通信装置103の送信系統について説明する。データ入力部1は、実施例2と同様であるから、ここでは説明を省略する。送信パケット作成部31は、実施例2の送信パケット作成部2と同様に、連続したデータから分割したデータパケットにARQ−IDを付与して送信パケットを作成し、データパケットとして誤り訂正符号化部32に出力する。また、送信パケット作成部31は、ACK/NACK情報が格納されるACK/NACK用パケットのための空パケットを作成し、この空パケットにARQ−ID(ACK/NACK用ARQ−ID)を付与して空の送信パケットを作成し、空パケットとして誤り訂正符号化部32に出力する。この場合、送信パケット作成部31は、送信ACK/NACK生成部38により生成された送信ACK/NACK情報のデータ量に応じた数の空パケットを作成し、ACK/NACK用ARQ−IDを付与する。また、ACK/NACK用ARQ−IDは、ACK/NACK情報が格納されるACK/NACK用パケットに用いるIDとして、移動局及び基地局において予め設定されているものとする。つまり、ARQ−IDは、データパケットに使用されるIDと、ACK/NACK用パケットに使用されるIDとが、移動局及び基地局において予め設定されているものとする。
【0074】
誤り訂正符号化部32は、送信パケット作成部31からARQ−IDが付与されたデータパケット及び空パケットを入力すると共に、送信ACK/NACK生成部38から送信ACK/NACK情報を入力する。そして、誤り訂正符号化部32は、入力した送信ACK/NACK情報を空パケットに格納し、データパケットと同じサイズになるように、ACK/NACK用パケットを作成する。これにより、空パケットにはACK/NACK用ARQ−IDが付与されているから、ACK/NACK用パケットにACK/NACK用ARQ−IDを対応付けることができる。また、誤り訂正符号化部32は、ACK/NACK用パケットを1パケットで送信できない場合は、2パケットまたは3パケット等のように、その数を変更することにより、送信ACK/NACK情報のデータ量に応じた数のACK/NACK用パケットを作成する。
【0075】
誤り訂正符号化部32は、入力したデータパケット及び作成したACK/NACK用パケットに対して誤り訂正符号化を施す。具体的には、誤り訂正符号化部32は、データパケットに対し、実施例2と同様に、外符号及び内符号の二段階の符号化を施し、外符号についてはRS符号のような誤り検出可能な符号を用いる。また、誤り訂正符号化部32は、ACK/NACK用パケットに対し、データパケットに対する符号化よりも誤り耐性の強い符号化を施す。例えば、二重に符号化を施してパリティを増やす等の形式の処理を行う。そして、誤り訂正符号化部32は、符号化を施したデータパケット及びACK/NACK用パケットを符号化後パケットとして送信パケットバッファ33に出力する。
【0076】
送信パケットバッファ33は、誤り訂正符号化部32から符号化後パケットであるデータパケット及びACK/NACK用パケットを入力し、これらの符号化後パケットを一旦格納する。送信パケットバッファ33は、データパケット、ARQ−ID及び再送回数、並びに、ACK/NACK用パケット、ARQ−ID及び再送回数から構成される。また、送信パケットバッファ33は、実施例2と同様に、受信ACK/NACK処理部37から受信ACK/NACK処理用信号(再送情報)を入力し、受信ACK/NACK処理用信号に基づいて、データパケット及びACK/NACK用パケットを消去したり、データパケット及びACK/NACK用パケットの再送回数に応じて再送順序を決定し、データパケット及びACK/NACK用パケットを送信パケットとして送信フレームマッピング部5に出力したりする。ここで、送信パケットバッファ33は、データパケットよりも優先してACK/NACK用パケットを送信するように送信順序及び再送順序を決定する。また、基地局側の無線通信装置103がIR法による合成を用いる場合には、送信パケットバッファ33は、実施例2と同様の処理を行う。
【0077】
送信フレームマッピング部5は、実施例2と同様であるから、ここでは説明を省略する。
図14は、送信フレームマッピング部5により作成される送信サブフレーム群の構成例を示す図であり、実施例3に適用される構成例である。ACK/NACK用パケットは、送信パケットバッファ33において、データパケットよりも優先して送信されるように送信順序及び再送順序が決定される。このため、送信フレームマッピング部5においても、ACK/NACK用パケットのマッピングが必然的に優先される。このため、送信フレームマッピング部5は、送信パケットバッファ33からの送信パケットの入力順に従い、ACK/NACK用パケットをデータパケットよりも先に送信するように、ヘッダの次のサブフレームにマッピングし、
図14に示す送信サブフレーム群を作成する。
【0078】
フレーム変調部6及びフレーム送信部7は、実施例2と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0079】
(受信系統/実施例3)
次に、無線通信装置103の受信系統について説明する。フレーム受信部8及びフレーム復調部9は、実施例2と同様であるから、ここでは説明を省略する。受信フレーム分離部34は、フレーム復調部9から受信フレーム(受信サブフレーム群)を入力し、ヘッダに格納された制御信号、並びに、ARQ−ID及び受信パケット(ACK/NACK用パケット及びデータパケット)を分離する。具体的には、受信フレーム分離部34は、受信サブフレーム群のヘッダから、移動局に対する基地局からの制御信号を取り出す。ヘッダには、1TDDフレームで送信するサブフレーム数及び変調方式等の制御信号が格納されている。そして、受信フレーム分離部34は、取り出した制御信号を制御信号処理部35に出力する。受信サブフレーム群の構成は、
図14に示した送信サブフレーム群の構成と同様である。
【0080】
また、受信フレーム分離部34は、実施例2と同様に、受信サブフレーム群の各サブフレームからARQ−IDを分離して復号し、ARQ−IDと受信パケットであるデータパケット及びACK/NACK用パケットとを結び付ける。また、受信フレーム分離部34は、実施例2と同様に、ARQ−IDを正しく復号できなかった場合、当該ARQ−IDに対応するデータパケット及びACK/NACK用パケットは受信NGであると判定する。そして、受信フレーム分離部34は、受信パケット(データパケット及びACK/NACKパケット)及びARQ−ID並びに受信NGのARQ−IDを復号前パケットバッファ23に出力する。ここで、当該移動局の無線通信装置103から送信された送信パケットに対するACK/NACK情報はヘッダに格納されておらず、パケットとして受信する。このため、ACK/NACK情報は、受信パケットとして復号前パケットバッファ23に出力される。
【0081】
制御信号処理部35は、受信フレーム分離部34から制御信号を入力し、制御信号に基づいて制御内容を判断し、当該移動局から基地局に対する制御に用いるサブフレーム数、フレーム長及び変調方式等を次のULサブフレームに反映するため、サブフレーム数、フレーム長及び変調方式等の制御信号を制御信号生成部39に出力する。ここで、制御信号処理部35が入力する制御信号には、実施例1,2の制御信号処理部11と異なり、受信ACK/NACK情報が含まれないから、制御信号処理部35は、制御信号から受信ACK/NACK情報を取り出す処理等を行わない。
【0082】
制御信号生成部39は、制御信号処理部35からサブフレーム数、フレーム長及び変調方式等の制御信号を入力し、送信フレームマッピング部5にて送信サブフレーム群のヘッダに格納するための新たな制御信号を生成し、生成した新たな制御信号を送信フレームマッピング部5に出力する。ここで、制御信号生成部39は、実施例1,2の制御信号生成部15と異なり、送信ACK/NACK情報を入力しないから、送信ACK/NACK情報に対する処理を行わない。
【0083】
復号前パケットバッファ23は、実施例2と同様であるから、ここでは説明を省略する。誤り訂正復号部36は、実施例2の誤り訂正復号部24と同様に、復号前パケットバッファ23から、初回の受信パケット及びARQ−ID、合成パケット及びARQ−ID、並びに受信NGのARQ−IDを入力し、入力した受信パケット及び合成パケットに対して誤り訂正復号処理を行い、受信パケット及び合成パケットが受信OKであるか受信NGであるかを判定し、復号後の受信パケットを生成する。誤り訂正復号処理は、内符号復号処理、外符号復号処理の順で進められるが、ここでの外符号は、誤り検出可能な符号を使用するものとする。
【0084】
また、誤り訂正復号部36は、実施例2の誤り訂正復号部24と異なり、受信OKであると判定した受信パケット及び合成パケットがデータパケットであるかACK/NACK用パケットであるかを判定し、データパケットであると判定した場合、当該データパケットを、対応するARQ−IDと共に受信パケットバッファ16に出力する。誤り訂正復号部36は、受信OKであると判定した受信パケット及び合成パケットがACK/NACK用パケットであると判定した場合、ACK/NACK用パケットから受信ACK/NACK情報を取り出し、取り出した受信ACK/NACK情報を受信ACK/NACK処理部37に出力する。尚、受信ACK/NACK情報が例えば二重に符号化されているときには、誤り訂正復号部36は、再度復号処理を施して実際の受信ACK/NACK情報を生成し、生成した受信ACK/NACK情報を受信ACK/NACK処理部37に出力する。
【0085】
ここで、受信パケットがデータパケットであるかACK/NACK用パケットであるかは、ARQ−IDにより判定される。前述のとおり、ARQ−IDは、データパケットに使用されるIDと、ACK/NACK用パケットに使用されるIDとが、当該移動局及び基地局において予め設定されている。
【0086】
また、誤り訂正復号部36は、実施例2の誤り訂正復号部24と同様に、受信OKであると判定した受信パケット及び合成パケットのARQ−IDを受信OK情報に設定すると共に、入力した受信NGのARQ−ID及び受信NGであると判定した受信パケット及び合成パケットのARQ−IDを受信NG情報に設定し、受信OK情報及び受信NG情報を復号後の誤り検出情報として送信ACK/NACK生成部38及び復号前パケットバッファ23に出力する。
【0087】
受信ACK/NACK処理部37は、誤り訂正復号部36から受信ACK/NACK情報を入力し、実施例2の受信ACK/NACK処理部12と同様に、ACKを受信した対象となるデータパケットのARQ−IDを特定し、そのARQ−IDのデータパケットを、再送を行わないデータパケットであると判定すると共に、NACKを受信した対象となるデータパケットのARQ−IDを特定し、そのARQ−IDのデータパケットを、再送を行うデータパケットであると判定する。そして、受信ACK/NACK処理部37は、これらを区別するための受信ACK/NACK処理用信号(再送情報)を生成し、受信ACK/NACK処理用信号を送信パケットバッファ33に出力する。
【0088】
送信ACK/NACK生成部38は、誤り訂正復号部36から復号後誤り検出情報(受信OK情報及び受信NG情報)を入力し、実施例2の送信ACK/NACK生成部14と同様に、当該無線通信装置103が直前に受信したDLサブフレームの各データパケット数に対応する受信OK情報及び受信NG情報を、次に送信するULサブフレームのヘッダに格納して送信するための送信ACK/NACK情報として生成し、送信ACK/NACK情報を誤り訂正符号化部32に出力する。
【0089】
受信パケットバッファ16及びデータ出力部17は、実施例2と同様であるから、ここでは説明を省略する。
【0090】
以上のように、実施例3による無線通信装置103によれば、受信フレーム分離部34は、受信フレームである受信サブフレーム群から、ヘッダに格納された制御信号、並びに、ARQ−ID及び受信パケット(ACK/NACK用パケット及びデータパケット)を分離するようにした。そして、復号前パケットバッファ23は、受信した受信パケットに対応するARQ−ID及び当該バッファに格納されている受信パケットのARQ−IDに基づいて、受信パケットが初回のパケットであるか、または再送パケットであるかを判定し、再送パケットであると判定した受信パケットについて、当該受信パケットと、当該バッファに格納されている同じARQ−IDの受信パケットとを合成するようにした。そして、誤り訂正復号部36は、初回の受信パケット及び合成パケットに対して誤り訂正復号処理を行い、受信パケット及び合成パケットが受信OKであるか受信NGであるかを判定し、受信ACK/NACK情報を取り出し、送信ACK/NACK生成部38は、受信パケットを正しく受信できたか否かを示す送信ACK/NACK情報を生成するようにした。そして、誤り訂正符号化部32は、送信ACK/NACK情報からACK/NACK用パケットを作成し、ACK/NACK用パケット及びデータパケットに対して誤り訂正符号化を施す。送信パケットバッファ33は、受信ACK/NACK処理用信号に基づいて再送パケットを特定し、再送回数に応じて送信内容が異なるように、例えば、初回の送信の場合(再送回数0の場合)データ成分のデータパケットを、2回目以降の送信の場合(再送回数1以上の場合)パリティ成分のデータパケットを出力するようにした。そして、送信フレームマッピング部5は、制御信号を格納したヘッダの送信サブフレームを作成すると共に、ARQ−ID、ACK/NACK用パケット及びデータパケットを格納した送信サブフレームを作成し、これらのサブフレームを送信サブフレーム群として作成するようにした。このようにして作成された送信サブフレーム群は送信フレームとして送信される。
【0091】
これにより、無線通信装置103が、受信フレームである受信サブフレーム群を受信し、送信フレームである送信サブフレーム群を送信する処理において、受信した受信フレームの各受信パケットに対する受信OKまたはNGの情報は、1つのACK/NACK情報が格納されたACK/NACK用パケットとして、送信フレームのヘッダの次の送信サブフレームに格納して送信される。したがって、実施例1,2と同様に、UL伝送レートとDL伝送レートとが大幅に異なる場合であっても、再送処理を遅延させることなく、時間利用効率の高い双方向伝送を実現することが可能となる。
【0092】
また、実施例2と同様に、受信パケットを合成してより効果的な誤り制御を行うハイブリッドARQ(HARQ)を実現するようにしたから、再送パケットの数を最小限に抑えることができ、双方向伝送のメリットである柔軟性の高い誤り制御を実現することができる。
【0093】
さらに、ACK/NACK情報は、送信サブフレーム群のデータパケット部分にACK/NACK用パケットとして格納されるから、UL伝送レート及びDL伝送レートの比率またはTDDフレーム長そのものが変更されることに伴って、送信すべきACK/NACK情報のデータ量が変更される場合であっても、ACK/NACK情報のマッピングをACK/NACK情報のサイズに応じて柔軟に行うことができる。特に、ACK/NACK情報の全てを送信サブフレーム群のヘッダに格納できない場合、または、送信サブフレーム群のヘッダに、ACK/NACK情報以外の他の情報を格納したい場合に有効である。
【0094】
以上、実施例1〜3を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施例1〜3に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、前記実施例1の無線通信装置101は、送信ACK/NACK情報をヘッダに格納するのではなく、実施例3の無線通信装置103と同様に、送信ACK/NACK情報を格納したACK/NACK用パケットを生成し、ACK/NACK用パケットを、送信サブフレーム群におけるヘッダの次の送信サブレームに格納するようにしてもよい。この場合、実施例1の送信装置101は、誤り訂正復号を行わず、誤り検出部13にて誤り検出のみを行い、また、受信パケットを合成した誤り制御を行うこともない。
【0095】
また、本発明が用いられる無線通信システムは、基地局に設けられた無線通信装置101〜103と、移動局に設けられた無線通信装置101〜103とが1:1に構成された場合だけでなく、1:N(Nは2以上の整数)に構成された場合にも適用がある。
【0096】
また、本発明の実施例1〜3による無線通信装置101,102,103のハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。無線通信装置101,102,103は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。無線通信装置101に備えたデータ入力部1、送信パケット作成部2、誤り検出符号化部3、送信パケットバッファ4、送信フレームマッピング部5、フレーム変調部6、フレーム送信部7、フレーム受信部8、フレーム復調部9、受信フレーム分離部10、制御信号処理部11、受信ACK/NACK処理部12、誤り検出部13、送信ACK/NACK生成部14、制御信号生成部15、受信パケットバッファ16及びデータ出力部17の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、無線通信装置102に備えたデータ入力部1、送信パケット作成部2、誤り訂正符号化部21、送信パケットバッファ22、送信フレームマッピング部5、フレーム変調部6、フレーム送信部7、フレーム受信部8、フレーム復調部9、受信フレーム分離部10、制御信号処理部11、受信ACK/NACK処理部12、復号前パケットバッファ23、誤り訂正復号部24、送信ACK/NACK生成部14、制御信号生成部15、受信パケットバッファ16及びデータ出力部17の各機能も、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、無線通信装置103に備えたデータ入力部1、送信パケット作成部31、誤り訂正符号化部32、送信パケットバッファ33、送信フレームマッピング部5、フレーム変調部6、フレーム送信部7、フレーム受信部8、フレーム復調部9、受信フレーム分離部34、制御信号処理部35、制御信号生成部39、復号前パケットバッファ23、誤り訂正復号部36、受信ACK/NACK処理部37、送信ACK/NACK生成部38、受信パケットバッファ16及びデータ出力部17の各機能も、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもでき、ネットワークを介して送受信することもできる。