(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基材は、平面視において、15〜30cm×1〜5cmの長尺状であり、前記凹部は、平面視において、0.5〜4.5cm×0.5〜4.5cmの矩形状であることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において参照する図面は、本発明を概略的に示したものであるため、各部材のスケールや間隔、位置関係などが誇張、あるいは、部材の一部が省略されている場合がある。また、以下の説明では、同一の名称および符号については原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
【0020】
[発光装置]
本発明の実施形態に係る発光装置1の構成について、
図1および
図2を参照しながら詳細に説明する。なお、ここでは、発光装置1の一例として、基材100が長尺状であり、矩形状の凹部11が、ガラスエポキシ基板10の長手方向に沿って複数形成されている形態の発光装置1について説明する。
発光装置1は、例えばエッジライト型のバックライトユニットや直管型LEDランプなどに利用できる装置であり、基材100と、基材100上に設置された発光素子30とを備えるものである。発光装置1は、ここでは
図1および
図2に示すように、ガラスエポキシ基板10と、セラミックス基板20とからなる基材100と、発光素子30と、導電配線部40と、光反射性樹脂50と、第1封止樹脂70と、第2封止樹脂80と、を備えている。なお、本発明の構成を分かりやすく示すために、
図1では、
図2(b)において図示している光反射性樹脂50、第1封止樹脂70および第2封止樹脂80の図示を省略している。
【0021】
基材100は、発光装置1を構成する各種部材を設置するためのものであり、ガラスエポキシ基板10と、セラミックス基板20とからなる。本発明は、
図1および
図2に示すように、基材100をガラスエポキシ基板10とセラミックス基板20とに分け、ガラスエポキシ基板10に対してセラミックス基板20を設置できるようにしたことを特徴としている。
【0022】
基材100は、
図1および
図2に示すように、長尺状に形成することができる。
長尺状とは、発光素子30が複数載置できるような細長い矩形平板状をいう。そしてここでは、基材100の4隅は直角状となっているが、丸みを帯びた形態であってもよい。
基材100のサイズや形状は特に限定されず、発光素子30の数や配列間隔など、目的および用途に応じて適宜選択することができる。なお、一例としては、平面視で15〜30cm×1〜5cmである。
【0023】
基材100には、適宜、外部電源と繋ぐための端子電極を設けることができる。基材100の左右端(幅方向の両端あるいは長手方向の両端)でそれぞれアノード電極とカソード電極を出しておけば、基材100をいくつも繋げることが容易にできる。なお、左右のどちらかにアノード電極とカソード電極の両方を設けても構わない。
【0024】
ガラスエポキシ基板10は、
図1、
図2(a)に示すように、基材100の一部を構成するものであり、セラミックス基板20を設置するためのものである。ガラスエポキシ基板10は、
図1に示すように上面視すると、平面視形状は、基材100の平面視形状と同一であり、長尺状に形成されている。そして、ガラスエポキシ基板10は、ガラスエポキシ基板10の所定領域において一定間隔をあけて、凹部11(溝部)を有している。
【0025】
所定領域とは、ガラスエポキシ基板10においてセラミックス基板20を設けるための領域であり、セラミックス基板20が埋設される部位である。
凹部11とは、基材100の所定領域、具体的にはガラスエポキシ基板10の所定領域において凹状(窪み状)に形成された部位をいい、セラミックス基板20を載置する底面と、セラミックス基板20の周囲を囲む側面とから形成される空洞部(くぼみ部)である。すなわち、ガラスエポキシ基板10の所定領域において、厚み方向にガラスエポキシ基板10の少なくとも一部を切り欠いた部位である。
【0026】
凹部11は、基材100の長手方向に沿って複数形成されており、ここでは、それぞれの凹部11が等間隔で形成されている。そして、凹部11のそれぞれにセラミックス基板20が設けられている。凹部11のサイズは、後記するガラスエポキシ基板10のサイズに合わせて、適宜設定すればよい。
凹部11のサイズや形状は特に限定されず、発光素子30のサイズやガラスエポキシ基板10のサイズなど、目的および用途に応じて適宜選択することができる。なお、一例としては、平面視で0.5〜4.5cm×0.5〜4.5cmである。
【0027】
また、ガラスエポキシ基板10は、凹部11を有する部位においては、
図2(b)に示すように、
図1のA−A断面において断面視すると、前記した凹部11により凹状にくぼんだ形状を呈している。ガラスエポキシ基板10の凹部11内には、
図1に示すように、セラミックス基板20が設けられている。
ガラスエポキシ基板10の長尺側の両縁、すなわち第1長尺部13および第2長尺部14のそれぞれの上面には、
図1に示すように、長手方向に沿って導電配線部40が形成されるとともに、
図2(b)に示すように、当該導電配線部40を覆うように、光反射性樹脂50が凸状に形成されている。
【0028】
ここで、第1長尺部13とは、ガラスエポキシ基板10の長尺側の両縁のうちの一側において、導電配線部40を設けるための所定幅を有する領域をいう。また、第2長尺部14とは、ガラスエポキシ基板10の長尺側の両縁のうちの他側において、導電配線部40を設けるための所定幅を有する領域をいう。第1長尺部13および第2長尺部14を形成する領域のサイズは特に限定されるものではなく、導電配線部40のサイズや形状などを考慮して適宜設定すればよい。
【0029】
セラミックス基板20は、
図1に示すように、発光素子30を設置するためのものであり、凹部11に埋設されて基材100の一部を構成している。セラミックス基板20は、
図1に示すように上面視すると、四角形状(ここでは正方形状)に形成されており、
図2(b)に示すように断面視すると、ガラスエポキシ基板10の凹部11に沿った形状に形成されている。そして、セラミックス基板20の上面には、
図1に示すように、1枚のセラミックス基板20に対して発光素子30が1つずつ設置されている。また、セラミックス基板20の上面には、
図2(b)に示すように、発光素子30を覆うように、第1封止樹脂70が凸状に形成されている。このセラミックス基板20は、
図2(b)に示すように、ガラスエポキシ基板10の凹部11内に設置され、例えば接合用樹脂を用いて樹脂接合されている。
【0030】
セラミックス基板20の設置間隔は特に限定されず、希望する発光特性に応じて任意の間隔で設置することができる。また、セラミックス基板20の設置個数も、少なくとも1つ設置されていればよく、希望する発光特性に応じて任意の個数で設置することができる。
【0031】
セラミックス基板20は、
図1に示すように、ガラスエポキシ基板10に設けられた、複数の凹部11のそれぞれに埋設されている。また、セラミックス基板20は、ガラスエポキシ基板10の凹部11に収まる幅および長さで形成されているとともに、
図2(b)に示すように、当該凹部11の深さと同じ厚さで形成されている。
【0032】
ここで、セラミックス基板20の側面と、ガラスエポキシ基板10との間には多少の隙間が形成されていてもよい。すなわち、セラミックス基板20の幅および長さは、凹部11の幅および長さよりも僅かに小さくてもよい。セラミックス基板20の側面と、ガラスエポキシ基板10との間に隙間が形成されるように設計することで、セラミックス基板20を凹部11に載置しやすくなる。また、セラミックス基板20を凹部11にダイボンドする際に、接合用樹脂の量が多くても、基材100上に接合用樹脂がはみ出ることが防止される。隙間の大きさは特に限定されず、適宜調整すればよい。なお、隙間は、セラミックス基板20の4辺全てに形成されていてもよく、1〜3辺に形成されていてもよく、あるいは、4辺とも形成されていなくてもよい。
【0033】
そして、セラミックス基板20は、
図1に示すように、上面の中心領域に発光素子30が設置された状態で、ガラスエポキシ基板10の長手方向に沿って、一定間隔をあけて5つ設置されている。ただし、前記したように、セラミックス基板20の設置間隔および設置個数は、希望する発光特性に応じて適宜変更可能である。なお、前記したように、セラミックス基板20は、ガラスエポキシ基板10の凹部11の深さと同じ厚さで形成されているため、
図2(b)に示すように、当該セラミックス基板20がガラスエポキシ基板10の凹部11内に設置された状態において、セラミックス基板20の上面と、第1長尺部13の上面および第2長尺部14の上面との間に段差が生じないように構成されている。
【0034】
セラミックス基板20のサイズや形状は特に限定されず、発光素子30のサイズやガラスエポキシ基板10のサイズなど、目的および用途に応じて適宜選択することができる。なお、一例としては、平面視で0.5〜4.5cm×0.5〜4.5cmである。ただし、前記したとおり、セラミックス基板20の幅および長さは、凹部11の幅および長さよりも僅かに小さくてもよい。例えば、セラミックス基板20の幅および長さを凹部11の幅および長さよりも1%程度短くすることで隙間ができて、セラミックス基板20を凹部11に嵌め込みやすくなる。
【0035】
セラミックス基板20は、長尺状の基材100に対して長手方向に直交する短手方向の中央に形成されている。すなわち、基材100の幅方向の中心にセラミックス基板20の中心が位置し、基材100の幅方向の中心線に沿って複数のセラミックス基板20が所定の間隔で設けられている。
【0036】
発光素子30は、電圧を印加することで発光し、必要に応じて蛍光体を励起させるものである。発光素子30は、
図1に示すように、セラミックス基板20上に1つずつ設置され、ガラスエポキシ基板10の第1長尺部13および第2長尺部14の上面にそれぞれ形成された導電配線部40とワイヤWによって電気的に接続されている。その際、発光素子30は、
図1に示すように、第1長尺部13および第2長尺部14の上面に断続的に形成された複数の導電配線部40のうち、当該発光素子30と最も近い位置にある導電配線部40とワイヤWによって接続される。また、発光素子30同士は、
図1では図示を省略しているものの、当該発光素子30が接続されている導電配線部40同士がワイヤWによって接続されることで、所望の接続方法(例えば直列接続、並列接続および直並列接続)で接続されている。
【0037】
発光素子30は、具体的にはLEDチップであり、用途に応じて任意の波長のものを選択することができる。例えば青色(波長430nm〜490nmの光)、緑色(波長490nm〜570nmの光)の発光素子30としては、窒化物系半導体(In
XAl
YGa
1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いることができる。また、発光素子30は、ここでは
図1に示すように、フェイスアップ実装型を用いている。なお、発光素子30は、
図2(b)に示すように、第1封止樹脂70によって上面および側面が覆われている。
【0038】
また、
図2(b)に示すように、発光素子30の上面が、ガラスエポキシ基板10の上面よりも高い位置にある。なお、発光素子30の上面とは、発光素子30が載置される面の反対側の面である。また、ガラスエポキシ基板10の上面とは、凹部11以外の上方の面であり、例えば
図2(b)では、第1長尺部13および第2長尺部14の上面である。すなわち、発光素子30は、その上面が凹部11から上方に出るように設けられている。なお、ここでは、セラミックス基板20が凹部11の深さと同じ厚さで形成されているため、発光素子30の全てがガラスエポキシ基板10の上面よりも高い位置にある。しかしながら、セラミックス基板20が凹部11の深さよりも薄くなるような厚さで形成されている場合には、発光素子30の一部がガラスエポキシ基板10の上面よりも高い位置にあればよい。すなわち、発光素子30は、その少なくとも一部が凹部11から上方に突き出し、ガラスエポキシ基板10の上面よりも高い位置にくるように設ければよい。発光素子30の上面が、ガラスエポキシ基板10の上面よりも高い位置にあることで、発光素子からの光が効率よく外部に放出される。これにより、光の取り出し効率が向上する。
【0039】
導電配線部40は、発光素子30同士の電気的接続を中継するものである。導電配線部40は、
図1に示すように、発光素子30の一側および他側において、ガラスエポキシ基板10の両縁、すなわち第1長尺部13および第2長尺部14のそれぞれの上面に形成されている。また、導電配線部40は、具体的には
図1に示すように、第1長尺部13および第2長尺部14のそれぞれの上面の長手方向に沿って断続的に形成されている。これにより、発光装置1は、セラミックス基板20がガラスエポキシ基板10のどの位置に設置されていても、当該セラミックス基板20上の発光素子30と導電配線部40とをワイヤWで容易に接続することができる。
【0040】
導電配線部40は、ここでは
図1に示すように、それぞれが長方形状に形成され、第1長尺部13および第2長尺部14のそれぞれの上面に破線状に形成されている。ただし、導電配線部40の形状は特に限定されず、例えばそれぞれを円形状に形成し、第1長尺部13および第2長尺部14のそれぞれの上面に点線状に形成しても構わない。また、導電配線部40の厚さも特に限定されない。さらに、導電配線部40が形成される間隔も特に限定されないが、この間隔が短いほど発光素子1つあたりに割り振られる導電配線部40の数が増加し、発光素子30のレイアウト性が向上する。従って、導電配線部40は、第1長尺部13および第2長尺部14のそれぞれの上面に、短絡が発生しない範囲において、可能な限り短い間隔で形成されることが好ましい。
【0041】
導電配線部40は、
図1に示すように、発光素子30の一対の電極(図示省略)とワイヤWによって電気的に接続されている。また、導電配線部40同士も、
図1では図示を省略しているものの、互いにワイヤWによって接続されている。なお、導電配線部40は、
図2(b)に示すように、光反射性樹脂50によって上面および側面が覆われている。ここで、導電配線部40の具体例としては、銅、銀、金、アルミニウムなどの金属膜が挙げられる。
【0042】
光反射性樹脂50は、発光素子30から出射された光を反射するためのものである。光反射性樹脂50は、
図2(b)に示すように、ガラスエポキシ基板10の第1長尺部13および第2長尺部14のそれぞれの上面において、導電配線部40と、当該導電配線部40から発光素子30に延びるワイヤWの一部とを覆うように凸状形成されている。また、光反射性樹脂50は、図示は省略したものの、ガラスエポキシ基板10の第1長尺部13および第2長尺部14のそれぞれの上面において、当該ガラスエポキシ基板10の長手方向に連続して形成され、第1長尺部13および第2長尺部14のそれぞれの上面に断続的に形成された導電配線部40の全てを覆うように形成されている。
【0043】
光反射性樹脂50の幅および厚さは特に限定されず、希望する反射特性に応じて任意の幅および厚さで形成することができる。例えば、発光素子30から側方へ出射して外側へ向かう光を反射させるように、例えば発光素子30の高さよりも高く形成する。また、光反射性樹脂50の具体的な素材としては、絶縁材料を用いることが好ましく、所定の強度を確保するために、例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることが好ましい。光反射性樹脂50としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン、ウレタン樹脂、オキセタン樹脂、フッ素樹脂、アクリル、ポリカーボネイト、ポリイミド、ポリフタルアミドなどにTiO
2,ZrO
2,Al
2O
3,SiO
2等を含有させたものを用いることができる。
【0044】
第1封止樹脂70は、セラミックス基板20に設置された部材を塵芥、水分、外力などから保護するためのものである。第1封止樹脂70は、
図2(b)に示すように、セラミックス基板20の上面において、発光素子30と、当該発光素子30から導電配線部40に延びるワイヤWの一部と、セラミックス基板20の一部とを覆うように凸状に形成されている。また、第1封止樹脂70は、図示は省略したものの、セラミックス基板20の上面において、ガラスエポキシ基板10の長手方向に連続して形成され、セラミックス基板20の上面に設置された発光素子30の全てを覆うように構成されている。
【0045】
第1封止樹脂70の幅および厚さは特に限定されず、任意の幅および厚さで形成することができる。また、第1封止樹脂70の具体的な素材としては、発光素子30からの光を効率よく外部に放出するために、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの透光性の素材を用いることが好ましい。なお、第1封止樹脂70は、図示しない蛍光体を含有してもよく、当該蛍光体を第1封止樹脂70中に分散、あるいは、当該蛍光体を沈降させて発光素子30の上面および側面に付着させる構成としても構わない。
【0046】
第2封止樹脂80は、前記した第1封止樹脂70と同様に、ガラスエポキシ基板10およびセラミックス基板20に設置された部材を塵芥、水分、外力などから保護するためのものである。第2封止樹脂80は、
図2(b)に示すように、ガラスエポキシ基板10の第1長尺部13および第2長尺部14の間において、第1封止樹脂70と、セラミックス基板20の一部と、ワイヤWの一部と、第1長尺部13および第2長尺部14のそれぞれの一部と、光反射性樹脂50の一部とを覆うように凸状に形成されている。また、第2封止樹脂80は、図示は省略したものの、ガラスエポキシ基板10の第1長尺部13および第2長尺部14の間において、ガラスエポキシ基板10の長手方向に連続して形成され、第1封止樹脂70の全てを覆うように構成されている。
【0047】
第2封止樹脂80の幅および厚さは特に限定されず、任意の幅および厚さで形成することができる。また、第2封止樹脂80の具体的な素材としては、発光素子30からの光を効率よく外部に放出するために、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などの透光性の素材を用いることが好ましい。
【0048】
以上のような構成を備える発光装置1は、基材100をガラスエポキシ基板10とセラミックス基板20とで構成することで、基材100の全てをガラスエポキシで構成する場合と比較して、耐熱性や耐光性を向上させることができ、発光装置1の寿命を長くすることができる。また、セラミックス基板上に発光素子を設置することで、Agめっきを用いなくても良いため硫化することがなく、さらに発光素子からの光の光束を向上させることができる。また、基材100の全てをセラミックスで構成する場合と比較して、コストを抑えることができる。また、発光装置1は、ガラスエポキシ基板10に形成された凹部11を埋めるようにセラミックス基板20を設置し、そのセラミックス基板20上に発光素子30を設置するように構成されているため、凹部11を形成しない平板状の基材上に発光素子30を設置する場合と同様に、モールドやワイヤボンディングを行うことができる。
【0049】
[発光装置の製造方法]
以下、本発明の実施形態に係る発光装置1の製造方法について、
図3を参照(適宜
図1および
図2を参照)しながら説明する。発光装置1の製造方法は、ここではガラスエポキシ基板作成工程と、導電配線部形成工程と、セラミックス基板設置工程と、発光素子設置工程と、ワイヤボンディング工程と、光反射性樹脂形成工程と、第1封止樹脂形成工程と、第2封止樹脂形成とを行う。
【0050】
ガラスエポキシ基板作成工程は、ガラスエポキシ基板10を作成する工程である。このガラスエポキシ基板形成工程では、
図3(a)に示すように、ガラスエポキシからなる薄い板状部材(薄板基板10a)を所定枚数積層させることで作成することができる。具体的には、凹部11を形成するため、上部に位置する薄板基板10aには、凹部11用の穴(溝)を作製しておく。そして、この穴を形成した薄板基板10aの積層数により、凹部の深さを調整する。積層する薄板基板10a同士は、例えば樹脂や半田ペーストなどの接合部材により接着させればよい。なお、基板材料の一部を除去して凹部11を形成し、ガラスエポキシ基板10を作成することもできる。
【0051】
導電配線部形成工程は、ガラスエポキシ基板10上に導電配線部40を形成する工程である。この導電配線部形成工程では、
図3(b)に示すように、ガラスエポキシ基板10の第1長尺部13および第2長尺部14のそれぞれの上面に、めっきまたは蒸着などによって、銅などの金属膜からなる導電配線部40を形成する。
【0052】
セラミックス基板設置工程は、ガラスエポキシ基板10にセラミックス基板20を設置する工程である。このセラミックス基板設置工程では、
図3(c)に示すように、セラミックス基板20をガラスエポキシ基板10の凹部11内に設置する。
【0053】
発光素子設置工程は、セラミックス基板20に発光素子30を設置する工程である。この発光素子設置工程では、
図3(d)に示すように、セラミックス基板20の上面に複数の発光素子30を設置する。なお、発光素子30は、予めセラミックス基板20の上面に設置し、前記したセラミックス基板設置工程において、当該セラミックス基板20とともにガラスエポキシ基板10側に設置してもよい。
【0054】
ワイヤボンディング工程は、発光素子30と導電配線部40とをワイヤWで接続する工程である。ワイヤボンディング工程では、
図3(e)に示すように、ワイヤWによって、発光素子30の一対の電極(図示省略)と導電配線部40とを電気的に接続する。また、ここでは図示は省略したものの、ワイヤボンディング工程では、所望の接続方法(例えば直列接続、並列接続および直並列接続)に応じて、導電配線部40同士もワイヤWによって接続する。ワイヤWの素材としては、金、銀、銅、白金、アルミニウム、またはこれらの合金などを用いることができる。
【0055】
光反射性樹脂形成工程は、ガラスエポキシ基板10に光反射性樹脂50を形成する工程である。光反射性樹脂形成工程では、光反射性樹脂50用の樹脂材料を滴下する図示しない樹脂塗布装置をガラスエポキシ基板10の長手方向に操作することで、
図3(f)に示すように、ガラスエポキシ基板10の第1長尺部13および第2長尺部14の上面において、導電配線部40と、当該導電配線部40から発光素子30に延びるワイヤWの一部とを覆うように光反射性樹脂50を形成する。
【0056】
第1封止樹脂形成工程は、セラミックス基板20に第1封止樹脂70を形成する工程である。第1封止樹脂形成工程では、第1封止樹脂70用の樹脂材料を滴下する図示しない樹脂塗布装置をガラスエポキシ基板10の長手方向に操作することで、
図3(g)に示すように、セラミックス基板20の上面において、発光素子30と、当該発光素子30から導電配線部40に延びるワイヤWの一部とを覆うように第1封止樹脂70を形成する。
【0057】
第2封止樹脂形成工程は、ガラスエポキシ基板10に第2封止樹脂80を形成する工程である。第2封止樹脂形成工程では、第2封止樹脂80用の樹脂材料を滴下する図示しない樹脂塗布装置をガラスエポキシ基板10の長手方向に操作することで、
図3(h)に示すように、ガラスエポキシ基板10の第1長尺部13および第2長尺部14の間において、第1封止樹脂70と、セラミックス基板20の一部と、ワイヤWの一部と、第1長尺部13および第2長尺部14のそれぞれの一部と、光反射性樹脂50の一部とを覆うように第2封止樹脂80を形成する。以上のような手順を行うことにより、
図1および
図2に示すような発光装置1を製造することができる。
【0058】
以上、本発明に係る発光装置について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変などしたものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。以下、本発明の実施形態に係る発光装置の変形例について説明する。
【0059】
[第1変形例]
図4に示すように、発光装置1Aは、基材100Aの裏面に銅箔12が設けられ、凹部11が、ガラスエポキシ基板10Aに形成された貫通穴を銅箔12で塞ぐことで形成されている。すなわち、凹部11におけるガラスエポキシ基板10Aは、厚み方向に全て切り欠いており、貫通穴を形成している。そして、基材100Aであるガラスエポキシ基板10Aおよびセラミックス基板20の裏面、すなわち発光素子30を載置する面と反対側の面は、銅箔12が設けられている。
このように、ガラスエポキシ基板10Aと、その裏面に設けられた銅箔12とが一体となって、凹部11を形成している。
【0060】
また、銅箔12は、複数のセラミックス基板20の全てに接合するように連続して設けられていることが好ましい。なお、「連続して設けられている」とは、銅箔12が一枚の部材として、複数のセラミックス基板20の全てに接合するように設けられているという意味である。すなわち、銅箔12はそれぞれの貫通穴の下のみに設けられているのではなく、基材100Aの裏面のほぼ全面に、繋がって設けられていることが好ましい。
【0061】
銅箔12は、ガラスエポキシ基板作成工程の後、かつセラミックス基板設置工程の前に、基材100Aの裏面(ガラスエポキシ基板10Aの裏面)に接合する。すなわち、本実施形態においては、ガラスエポキシ基板作成工程とセラミックス基板設置工程との間に、銅箔接合工程を有する。銅箔12の接合は、例えば樹脂や半田ペーストなどの接合部材により行うことができる。
【0062】
また、発光装置1Aは、
図4に示すように、セラミックス基板20と銅箔12との間に、金または銀などからなる金属膜90を備えており、セラミックス基板20の下面と、銅箔12の上面とが、当該金属膜90を介して接合されている。なお、この金属膜90は、セラミックス基板20と銅箔12との間の全面に形成されていることが放熱性の観点からも好ましいが、部分的に形成されていてもよい。また、セラミックス基板20と銅箔12とを金属膜90を介して接合する際には、例えば共晶接合などを利用することができる。
【0063】
このような構成を備える発光装置1Aは、セラミックス基板20を設け、当該セラミックス基板20直下の凹部11の底面を銅箔12で構成することで、発光素子30で発生した熱をセラミックス(セラミックス基板20)、銅箔12の順に伝熱させて外部に放熱することができるため、放熱性をより向上させることができる。また、発光装置1Aは、セラミックス基板20と銅箔12との間に金属膜90が設けられているため、同種材料の接合となってセラミックス基板20と銅箔12との接着性を向上させることができるとともに、放熱性をより一層向上させることができる。
【0064】
[第2変形例]
前記した実施形態、第1変形例では、基材100,100Aが長尺状であるものについて説明したが、
図5に示すように、発光装置1Bは、セラミックス基板20が、基材100の中央に形成された形態のものであってもよい。なお、
図5における光反射性樹脂50は、外形のみを線で示し、透過させた状態で図示している。また、第1封止樹脂および第2封止樹脂の図示を省略している。
【0065】
具体的には、
図5に示すように、発光装置1Bは、矩形平板状の基材100の中央に、セラミックス基板20が円状に設けられている。そして、このセラミックス基板20上に、1つまたは複数の発光素子30が設置されている。
基材100の中央とは、基材100の中心部近傍をいい、発光装置1Bがその機能を問題なく発揮できれば、特に厳密に規定されるものではない。また、円状とは、真円の他、楕円形状も含み、発光装置1Bがその機能を問題なく発揮できれば、特に厳密に規定されるものではない。なお、円状の他、例えば四角形や六角形などの多角形であってもよい。
【0066】
基材100やセラミックス基板20のサイズや形状は特に限定されず、発光素子30の数や配列間隔など、目的および用途に応じて適宜選択することができる。
その他については、前記した実施形態、第1変形例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0067】
[第3変形例]
前記した実施形態では、基材100が長尺状であり、凹部11が複数ある場合について説明したが、例えば、基材100の長辺を短くして矩形状とし、凹部11を1つとした形態、すなわち1つのセラミックス基板20上に1つの発光素子30が設置された形態であってもよい。
【0068】
[第4変形例]
発光装置1,1A,1Bは、
図2(b)および
図4に示すように、いずれも発光素子30がフェイスアップ実装型である場合を例として説明したが、当該発光素子30は、フェイスダウン実装型であっても構わない。この場合は、例えばセラミックス基板20上に金属配線膜を形成し、発光素子30の電極を下に向けて金属配線膜上にフェイスダウン実装した後、金属配線膜と導電配線部40とをワイヤWで接続してもよい。
【0069】
[第5変形例]
また、発光素子30をフェイスダウン実装する場合は、基材100,100A内部に這わせた配線を利用して発光素子30の電極と導電配線部40とを接続しても構わない。この場合は、例えばセラミックス基板20上に金属配線膜を形成するとともに、当該金属配線膜の下面と導電配線部40の下面とを接続するように、基材100,100Aの内部に配線を形成しておく。そして、発光素子30の電極を下に向けて金属配線膜上にフェイスダウン実装し、発光素子30と導電配線部40とを電気的に接続する。また、図示は省略したが、この場合も発光装置1,1A,1Bと同様に、隣接する導電配線部40同士をワイヤWによって接続する。
【0070】
なお、このように基材100,100Aの内部に配線を形成する場合、配線の形成経路は特に限定されず、例えば導電配線部40の下面から、凹部11の側壁を経由して前記した金属配線と接続するような経路で形成してもよく、あるいは、導電配線部40の下面から、凹部11の底面を経由して前記した金属配線と接続するような経路で形成してもよい。このように基材100,100A内部に配線を這わせることで、発光素子30と導電配線部40とを接続するワイヤWが外部に露出することがないため、第2封止樹脂80を設ける必要がなくなり、製造工程を簡略化することができる。
【0071】
[第6変形例]
発光装置1,1Aは、前記したように、第1封止樹脂70がガラスエポキシ基板10の長手方向に連続して形成されている場合を例として説明したが、当該第1封止樹脂70は、発光素子30のみを被覆する構成であっても構わない。この場合は、前記した第1封止樹脂形成工程において、図示しない樹脂塗布装置によって第1封止樹脂70の樹脂材料を発光素子30ごとに滴下し、当該発光素子30を被覆する半球状の第1封止樹脂70を形成すればよい。