特許第6067791号(P6067791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6067791間接照明装置、間接照明装置からの光取出し方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6067791
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】間接照明装置、間接照明装置からの光取出し方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20170116BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20170116BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20170116BHJP
   F21V 7/22 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   F21S8/04 100
   G02B5/02 B
   F21S2/00 438
   F21V7/22 100
   F21V7/22 200
【請求項の数】16
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-131616(P2015-131616)
(22)【出願日】2015年6月30日
(65)【公開番号】特開2017-16855(P2017-16855A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2016年3月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊司
(72)【発明者】
【氏名】井上 翔太
(72)【発明者】
【氏名】久保田 哲治
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−238968(JP,A)
【文献】 特開平10−150316(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/144410(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21S 2/00
F21V 7/22
G02B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED光源と、
長辺と短辺からなる上面および下面と、前記上面および前記下面を接続する側面と、を具備する略直方体の枠体と、
前記枠体の内部に配置される矩形断面を有する導光棒と、
マイクロ発泡樹脂製の反射板と、
光透過性の光拡散板と、を備える間接照明装置において、
前記枠体は、前記下面と、短辺側の少なくとも一方の前記側面の側端部近傍とに開口部を有し、
前記導光棒は、前記枠体の一方の長辺側の内側面に沿って、前記枠体の長辺側の内側面に平行に、前記導光棒の端部が短辺側側面の前記開口部に対向するよう配置され、
長方形状の前記反射板は、長辺方向には直線状で、前記導光棒の上面を覆い、短辺方向に前記枠体の前記上面から前記枠体の前記下面に向けて折り曲げて形成されたもので、
前記光拡散板は前記枠体の前記下面の前記開口部に設けられ、
前記LED光源が、前記枠体の前記側面の側端部の前記開口部の外側に設けられ、
前記枠体の前記側面の側端部近傍の前記開口部において前記LED光源と前記導光棒の端面が光接続されることを特徴とする間接照明装置。
【請求項2】
前記導光棒の、前記枠体の長辺側側面との対向面は、光を取り出すために粗面化されているか、あるいはプリズム状の微細突起構造が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の間接照明装置。
【請求項3】
前記反射板の一方の長辺側端部近傍を前記枠体の前記上面に接触させ、前記反射板の長辺側の他方の端部が前記枠体の前記下面に接するように折り曲げて形成されていることを特徴する請求項1または請求項2に記載の間接照明装置。
【請求項4】
前記導光棒の断面形状は、前記導光棒の断面下側の辺が前記導光棒の断面上側の辺より長い台形状で、前記導光棒の光取り出し面と前記導光棒の下面とのなす角が70°以上90°未満の傾きを有するように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の間接照明装置。
【請求項5】
前記反射板とは別の反射板が、少なくとも、前記枠体の長辺側の内側面と前記枠体の前記下面と、前記導光棒の側面と下面とに接するように設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の間接照明装置。
【請求項6】
前記導光棒の下面に、前記枠体の長辺に沿って設けられる前記別の反射板は、前記導光棒の矩形断面の下面を形成する辺より、短辺方向の長さが長く形成されていることを特徴とする請求項5記載の間接照明装置。
【請求項7】
前記枠体の前記上面に設けられる前記反射板は、マイクロ発泡樹脂シートの表面に線状溝構造が形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の間接照明装置。
【請求項8】
対向する短辺側の2つの前記側面の側端部近傍にそれぞれ前記開口部を有し、2つの前記LED光源を前記側面の側端部に形成された2つの前記開口部の外側にそれぞれ設けて、前記LED光源と前記導光棒の端部とを光接続させて、前記LED光源からの光を前記導光棒の両端面から入射させることを特徴とする請求項1記載の間接照明装置。
【請求項9】
前記導光棒はガラスまたはアクリル樹脂製で、前記光拡散板がガラスまたは樹脂製であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の間接照明装置。
【請求項10】
前記反射板は、PET樹脂、PC樹脂、PMMA樹脂のいずれかのマイクロ発泡樹脂製の反射板で、光反射率として波長450nmから650nmの可視光領域における硫酸バリウム基準板の反射率を100%とした時の全反射率が95%以上、拡散反射率が95%以上であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の間接照明装置。
【請求項11】
LED光源と、
上部枠体と下部枠体を有する枠体と、
前記枠体の内部に配置される矩形断面を有する導光棒と、
マイクロ発泡樹脂製の反射板と、
光透過性の光拡散板と、を備える間接照明装置において、
前記上部枠体は、略矩形状の上面とこれを囲む側面から構成され、
前記下部枠体は、略矩形状の下面とこれを囲む側面から構成されるもので、
前記下部枠体の前記下面には開口部が形成され、
前記上部枠体の外周に前記下部枠体を配置して、
前記上部枠体と前記下部枠体の側面同士を組み合わせて閉じた時に、略直方体形状の前記枠体が形成され、
前記上部枠体と前記下部枠体の短辺側側面の一方の側端部近傍に、前記上部枠体と前記下部枠体の開口部の形成位置が重なるように、前記上部枠体と前記下部枠体にそれぞれ開口部を形成し、
前記導光棒は、前記上部枠体の一方の長辺内側面に沿って内側面に平行に、前記導光棒の端部が前記上部枠体の短辺側側面の前記開口部に対向するよう配置され、
マイクロ発泡樹脂製の長方形状の前記反射板は、前記導光棒の上面を覆い、前記枠体の短辺方向に前記枠体の上面から前記枠体の前記下面に向けて折り曲げて設けられたもので、
前記光拡散板は前記枠体の前記下面の開口部に設けられ、
前記LED光源が、前記下部枠体の側面の側端部近傍の開口部の外側に設けられ、
前記枠体の側面の開口部において、前記LED光源と前記導光棒の端面とが光接続されることを特徴とする間接照明装置。
【請求項12】
前記枠体は、開口可能な上面とこれを囲む3つの側面よりなる前記上部枠体と、下面とこれを囲む4つの側面よりなる前記下部枠体の2つを一方の長辺側の側面部に設けた接続部により開閉自在に接続一体化したもので、
前記接続部を折り曲げて前記下部枠体の側面が前記上部枠体の側面を囲むように前記上部枠体と前記下部枠体を組み合わせて閉じた時には、前記上部枠体と前記下部枠体の上面と下面が略平行で、前記上部枠体と前記下部枠体の3つの側面が相互に重なりあい、前記接続部を伸ばした場合に、前記上部枠体と前記下部枠体を開くことが可能で、
前記上部枠体と前記下部枠体の短辺側側面の一方の側端部近傍には、前記上部枠体と前記下部枠体の開口部が重なるように前記上部枠体と前記下部枠体にそれぞれ開口部を形成し、
前記導光棒は、前記上部枠体の前記接続部を有する長辺内側面に沿って内側面に平行に、前記導光棒の端部が前記上部枠体の短辺側側面の開口部に対向するよう配置され、
前記LED光源が、前記下部枠体の側面の側端部近傍の開口部の外側に設けられ、
前記上部枠体と前記下部枠体の側面の開口部において前記LED光源と前記導光棒の端面とが光接続されることを特徴とする請求項11記載の間接照明装置。
【請求項13】
少なくとも前記枠体の側面全周及び前記枠体の下面が、全反射率が95%以上、拡散反射率が95%以上であるマイクロ発泡樹脂シートから形成されることを特徴とする請求項1、請求項9、請求項11、または請求項12のいずれかに記載の間接照明装置。
【請求項14】
前記枠体の長辺側側面と、前記枠体の短辺側側面及び枠体の下面に前記導光棒を接触させるように配置することを特徴とする請求項13に記載の間接照明装置。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれかに記載の間接照明装置を用いて、前記LED光源からの光を前記導光棒の端面から入射させ、前記導光棒の枠体長辺側側面と対向する側面と反対側の光取り出し面から光を取り出し、取り出した光を前記枠体の前記上面から前記枠体の前記下面に向けて折り曲げて形成した前記反射板に反射させることで、光を前記光拡散板に入射させて光を取り出すことを特徴とする間接照明装置からの光取出し方法。
【請求項16】
前記枠体の前記導光棒の光取り出し面と、前記LED光源と前記導光棒とが光接続する前記開口部を除く全ての面がマイクロ発泡樹脂製の反射板で覆われていることを特徴とする請求項15記載の間接照明装置からの光取出し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用するLED光源の数が少なく、点光源を用いても光源が直接見えることの無い、耐グレア性に優れ、照明器具の発光面の明るさのばらつきが少ない室内用間接照明装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動車の車室内に設けられる車内照明灯に用いられるLEDユニットとして、車幅方向に対応する両側のそれぞれに斜め外向きに向く基板取付け面を有するブラケットと、ブラケットの各基板取付け面に取り付けられたLED搭載基板と、LED搭載基板に搭載されたLEDとを備える車内照明用LEDユニットが開示されている。
【0003】
特許文献1の照明の場合には、LED光源の使用する個数が多く、さらにLED光源がブラケットの上面に配置されているので、光取り出し面の輝度ばらつきが大きい問題がある。
【0004】
特許文献2には、フィンを有するヒートシンクが裏面側に接合された発光ダイオードと、前記フィンまたは前記発光ダイオードを挿通させる開口部が形成された取付け対象部と、を備え、前記取付け対象部に、前記発光ダイオードを、前記フィンが当該取付け対象部の裏面側に突出するように取り付ける車両用灯具であって、前記ヒートシンクに、前記取付け対象部の取付け対象面に沿って延びるブラケットを一体形成した車両用灯具が開示されている。
【0005】
特許文献2によれば、ヒートシンクのフィンの取付け対象部の裏面側への突出量を小さくしても、光源からの熱の放熱性の低下を抑制することのできるものの、4つのLED光源がブラケットの直上に設けられており、LED光源部とその他の部位での輝度に大きな相違が生じる。そのため、照明装置における光取り出し面における輝度の差が大きい。
【0006】
非特許文献1の車載用間接照明装置の分解斜視図を図1に示す。図1に示すように、非特許文献1の車載用間接照明装置は、間接照明装置の拡散カバー機能を有する下部枠体502と、導光板45と、上部枠体501と、LED光源64を実装した基板65を組み合わせて形成される。略直方体状の上部枠体501の対向する2辺の一辺の外側にLED光源64を所定間隔で直線状に実装した基板65が配置される。LED光源64から出射される光は導光板45に導かれる。導光板45に導かれた光は、導光板45の表面に多数所定間隔で形成したプリズム状の微細突起構造の出射部位から出射され、間接照明装置から出射される光を均一に広げて、照明装置の光取り出し面の明るさを均一に保つことができる。
【0007】
この間接照明装置では、LED光源64と導光板45との光接続は、導光板45の端面においてなされる。この際、使用するLED光源64の発光面の大きさや出力に合わせて、導光板45の厚さを変更することができる。間接照明装置の照度を一定に保つために、例えば、出力の小さい6個から8個のLED光源を実装した基板65が使用され、LED光源64から出射される光と導光板45の端面との光接続が行なわれる。この発明は、それぞれのLED光源64からの光をプリズム状の微細突起構造を有する導光板45に導くことで、導光板45から出射される光の明るさを均等化させようとするものである。ここで、導光板45は、光源からの距離が遠く導光板45の光強度が低下するほど導光板45の板厚が薄くなり、導光板からの光取り出し効率が向上するようになっている。図2は、ケース状の上部枠体501に導光板45を配置した状態を示す上部枠体501の横断面図である。導光板45には、プリズム状の微細突起構造46が形成されている。このプリズム状の微細突起構造46により、導光板45からの光を取り出し易くしている。
【0008】
この発明の構造の場合には、LED光源64を多く使用するとともに、導光板45の構造が複雑であることから、部品点数が多く、コストが高い問題がある。さらに、LED光源64の個数が多いことからLED光源64の消費電力も多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−105583号公報
【特許文献2】特開2008−195284号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】豊田合成技法 Vol.54 P20〜P26 「車室内照明へのLEDの適用」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本願発明は、LED光源の数を少なくするとともに、導光板を使用することなく、照明装置全体に光を拡散させることが可能な耐グレア性に優れた室内用間接照明等を提供しようとするものである。
【0012】
これにより、間接照明装置のLED光源数を減少させ、複雑な形状の導光板を使用せずに簡素な構造の耐グレア性に優れた、発光面の明るさのばらつきが少ない間接照明装置等を提供でき、部品点数が少ない間接照明装置を実現して、コストダウンにも資することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そのため、本願の第1の発明は、下記の構造的特徴を有している必要がある。請求項1に記載の発明は、LED光源と、長辺と短辺からなる上面および下面と、前記上面および前記下面を接続する側面と、を具備する略直方体の枠体と、前記枠体の内部に配置される矩形断面を有する導光棒と、マイクロ発泡樹脂製の反射板と、光透過性の光拡散板と、を備える間接照明装置である。
【0014】
ここで、第1の発明の枠体は、前記下面と、短辺側の少なくとも一方の前記側面の側端部近傍とに開口部を有し、前記導光棒は、前記枠体の一方の長辺側の内側面に沿って、前記枠体の長辺側の内側面に平行に、前記導光棒の端部が短辺側側面の前記開口部に対向するよう配置され、長方形状の前記反射板は、長辺方向には直線状で、前記導光棒の上面を覆い、短辺方向に前記枠体の前記上面から前記枠体の前記下面に向けて折り曲げて形成されたもので、前記光拡散板は前記枠体の前記下面の前記開口部に設けられる。ここで、導光棒の上面とは、導光棒の枠体上面側の面を指すものとする。
【0015】
第1の発明では、前記LED光源が、前記枠体の前記側面の側端部の前記開口部の外側に設けられ、前記枠体の前記側面の側端部近傍の前記開口部において前記LED光源と前記導光棒の端面が光接続されるものである。ここで、本発明における側端部近傍とは、側端部と側端部近傍の両方の意味を包含するものとする。
【0016】
第1の発明の前記導光棒の、前記枠体の長辺側側面との対向面は、光を取り出すために粗面化されているか、あるいはプリズム状の微細突起構造が形成されていることが望ましい。このように、導光棒の光取り出し面を粗面化するか、あるいはプリズム状の微細突起構造が繰り返し形成されていることで、導光棒からの光取り出し効率を向上させることができる。例えば、導光棒の光取り出し面を、所定の番手のペーパや、やすりで粗面化することで、粗面化面を得ることができる。また、導光棒の表面にプリズム状の微細突起構造を得るには、精密な樹脂成形により導光棒の表面に直接プリズム状の微細突起構造を直接形成するか、あるいはプリズム状の微細突起構造が繰り返し形成されたフィルムを貼ることなどにより得ることができる。
【0017】
また、導光棒の光源を入射させる側の端面は反射防止膜の形成など反射防止処理が施されていることが望ましいが、特に処理をせずに使用することもできる。導光棒の光源を入射させる側の端面とこれと対向する側の端面は研磨され、端面から光が漏れないようにすることが望ましい。ここで、導光棒の固定は、枠体や反射板で挟み込んで固定することもできるが、より確実には接着材を用いて枠体や反射板に固定するか、あるいは両面テープを用いて固定することができる。この際、接着材は光透過性の透明な接着材を用いることが望ましい。
【0018】
第1の発明において、前記反射板の一方の長辺側端部近傍を前記枠体の前記上面に接触させ、前記反射板の長辺側の他方の端部が前記枠体の前記下面に接するように折り曲げて形成されている。すなわち、光を取り出す導光棒からの距離が遠くなるほど、反射板と光拡散板の間隔が狭くなるように設定されているため、導光棒から遠い位置における反射光を効率良く取りだすことができる。このため、導光棒から遠い位置における反射光の強度と導光棒の近くにおける反射光の強度の差を少なくして、光拡散板から均一な明るさの光を取り出すことができる。また、このように反射板を枠体の上面及び下面に接触させることにより、反射板の折り曲げ形状を安定して保つことができる。
【0019】
第1の発明において、前記反射板とは別の反射板が、前記枠体の長辺側の内側面と前記枠体の前記下面と、前記枠体の短辺側内側面に、前記導光棒の側面と下面および端面に接するように設けることができる。このようにすることで、導光棒のLED光源との光接続面と導光棒の光取り出し面以外の面を光反射率の高い反射板で覆うことができる。そのため、導光棒の光取り出し面以外の導光棒の側面や下面及び端面から放出される光を導光棒に戻すことができる。これにより、導光棒の光取り出し面以外の面からの放出される光を少なくして、導光棒の光取り出し面からの光取り出し効率を向上させることができる。このように、導光棒の端面を含む導光棒の周囲に高い光反射率を有するマイクロ発泡樹脂製の反射板を形成することで、導光棒の端面からの光の漏れを防止することができる。また、LED光源が導光棒の片側のみ配置される場合でも、光拡散板から均一な光強度の光を取り出すことができる照明装置を実現することができる。
【0020】
第1の発明において、前記枠体には、枠体上面以外にも導光棒の周りに導光棒を囲むように長辺側内側面と枠体の下面及び導光棒の端面に反射板を配置する。この他に、枠体の短辺側の両内側面に反射板を形成することができる。
ここで、枠体の短辺側の内側面に形成する反射板と導光棒の端面に形成する反射板は、別体に形成しても良いが、両者はいずれも短辺側の内側面に形成されることから、両者を一体に連続して形成する方が作業性の点で好ましい。
【0021】
例えば、枠体の短辺側両側面に反射板を形成することで、枠体の短辺側の内側面における光反射率を向上させることができる。反射板としては、光反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シートを張り付けることが望ましい。ここで、枠体下面には、光取り出し用の開口部が設けられるが、この光取り出し用の開口部は、枠体外形と相似形状の矩形であることが望ましく、枠体の強度に影響がない範囲で、開口部は大きいほど望ましい。開口部を大きくすることで、開口部に設置する光拡散板を大きくすることができるのでより広範囲の照射面を有する間接照明を得ることができる。
【0022】
第1の発明では、前記枠体の短辺側内側面には、LEDを設置する開口部を除き前記反射板が形成されていることが望ましい。このようにすることで、前記短辺側内側面も、光反射率の高い反射板で覆われているので、導光棒から取り出された光が短辺側側面の反射板により効率良く反射され、側面反射による損失を少なくすることができ、間接照明装置の明るさを高く保つことができる。
【0023】
前記導光棒の断面形状は、前記導光棒の断面下側の辺が前記導光棒の断面上側の辺より長い台形状で、前記導光棒の光取り出し面と前記導光棒の下面とのなす角が70°以上90°未満の傾きを有するように形成されている。このように、導光棒の光取り出し面を前記枠体の上面方向僅かに向けて形成することで、前記導光棒から取り出された光を前記枠体上面に折り曲げられて設けられた反射板に反射させ易くなり、枠体内の光の反射が均一化される。
【0024】
前記角度は、70°以下になると、光取り出し面がLED光源の導光棒の下面において配向強度が低い部分に光が広がり易く望ましくない。もちろん、90°を超えると、反射板方向に向かなくなり、光を反射板で反射させにくくなるので好ましくない。ここで、前記角度は70°以上80°以下がさらに望ましい。
【0025】
第1の発明の前記導光棒の下面に、前記枠体の長辺に沿って形成される前記反射板は、前記導光棒の矩形断面の下面を形成する辺より、短辺方向の長さが長く形成されている。ここで、前記反射板が導光棒の下面より長く形成されることで、導光棒から直接取り出された光を枠体上面に設けた反射板に反射させることで、枠体内の光の強度の均等化を図ることができる。
【0026】
前記枠体上面の反射板は、マイクロ発泡樹脂シートの表面に線状溝構造が形成されていても良く、線状溝構造は鋸歯形状であることが望ましい。前記反射板の表面に形成される鋸歯形状の線状溝構造の形成は、マイクロ発泡樹脂シートの表面を薄い金属ブレードなどを長手方向に表面に押しつけることやマイクロ発泡樹脂シートを折曲げる前に、プレスで成形することなどで導光棒の長手方向に平行な方向に前記線状溝構造を形成して得ることができる。
【0027】
ここで、マイクロ発泡樹脂シートの表面に前記線状溝構造を形成することで、反射板の光反射が均一化する理由は、溝構造の形成により、反射板の折り曲げ形状が安定すると同時に、前記線状溝構造に入射した光が、拡散板を透過しやすい角度で、溝形状の近傍の拡散板位置に反射させるためである。また、線状溝構造は、導光棒の光取り出し面から遠い側の溝部の斜面長さが導光棒の光取り出し面に近い側斜面の長さより長くすることが望ましい。このように線状溝構造を形成することで、導光棒から放出された光を、反射板の斜面部により光拡散板に向けて反射し、また光拡散板から反射した光を溝部に取り込んで溝部の直下の光拡散板に反射させることができる。従って、この反射板に形成した線状溝構造により、導光棒から遠い位置においても、光を光拡散板に対して均一に反射させることができる。
【0028】
前記導光棒は、ガラスまたはアクリル樹脂製の断面形状が略矩形または台形状の棒材である。前記枠体下面の開口部に、光透過性を有するガラスまたは樹脂製の光拡散板を固定しても良い。このようにすることで、光拡散板から取り出す光の耐グレア性を向上させるとともに、柔らかく均一な光を取り出すことができる。
【0029】
前記反射板は、PET樹脂、PC樹脂、PMMA樹脂のいずれかのマイクロ発泡樹脂製の反射板で、光反射率として波長450nmから650nmの可視光領域における硫酸バリウム基準板の反射率を100%とした時の全反射率が95%以上、拡散反射率が95%以上である照明装置である。ここで、全反射率が98%以上、拡散反射率は98%以上とすることが望ましい。このように、導光棒から取り出した光を拡散反射率の高い反射板に反射させ、さらに光拡散板による拡散反射させることで、照明装置内で拡散反射を繰り返し、照明装置の光を均一に面状に広げて、照度の高い光を拡散板から下方に取り出すことができる。これに加えて、導光棒の光取出し面とLED光源と光接続する面以外の面を反射板で覆うことで、さらに均一で照度の高い光を取り出すことができる。
ここで、導光棒の材料として、ガラスも使用できるが、軽量化の観点では、アクリル樹脂製が望ましい。ここで、枠体の材料としては、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。
【0030】
対向する短辺側の2つの前記側面の側端部近傍にそれぞれ前記開口部を有し、2つの前記LED光源を前記側面の側端部に形成された2つの前記開口部の外側にそれぞれ設けて、前記LED光源を前記側面に設けた前記開口部の外側に設け、前記LED光源と前記導光棒の端部とを光接続させて、前記LED光源からの光を前記導光棒の両端面から入射させる間接照明装置である。以上のように、本願の間接照明装置は、2つのLED光源を有し、前記LED光源からの光を導光棒の両端面から入射させることができる。導光棒は例えば、断面正方形、長方形または台形の光透過性を有する棒材である。LED光源をケース長手方向の両端に設けることで、照明装置のケース長手方向に沿った明るさの分布を、LED光源1個の場合に較べると、より均一にすることが可能になる。
【0031】
第2の発明は、LED光源と、上部枠体と下部枠体を有する枠体と、前記枠体の内部に配置される矩形断面を有する導光棒と、マイクロ発泡樹脂製の反射板と、光透過性の光拡散板と、を備える間接照明装置に関するもので、枠体を上部枠体と下部枠体の別々の枠体で形成したことが第2の発明の特徴である。
【0032】
第2の発明では、前記上部枠体は、略矩形状の上面とこれを囲む側面から構成され、前記下部枠体は、略矩形状の下面とこれを囲む側面から構成される。具体的には、枠体の上面と下面が矩形状であることから、上部枠体は、上面と4つの側面からなり、下部枠体は、下面と4つの側面からなる。前記下部枠体の前記下面には開口部が形成され、前記上部枠体の外周に前記下部枠体を配置して、前記上部枠体と前記下部枠体の側面同士を組み合わせて閉じた時に、略直方体形状の前記枠体が形成される。前記上部枠体と前記下部枠体の短辺側側面の一方の側端部近傍に、前記上部枠体と前記下部枠体の開口部の形成位置が重なるように、前記上部枠体と前記下部枠体にそれぞれ開口部を形成する。
【0033】
第2の発明では、以下に記載する導光棒、反射板、光拡散板の構成は、第1の発明と同様である。ここで、前記導光棒は、前記上部枠体の一方の長辺内側面に沿って内側面に平行に、前記導光棒の端部が前記上部枠体の短辺側側面の前記開口部に対向するよう配置され、マイクロ発泡樹脂製の長方形状の前記反射板は、前記導光棒の上面を覆い、前記枠体の短辺方向に前記枠体の上面から前記枠体の前記下面に向けて折り曲げて設けられたもので、前記光拡散板は前記枠体の前記下面の開口部に設けられ、前記LED光源が、前記下部枠体の側面の側端部近傍の開口部の外側に設けられ、前記枠体の側面の開口部において、前記LED光源と前記導光棒の端面とが光接続される間接照明装置とすることができる。また、第2の発明において、導光棒の光取り出し面は光を取り出すために粗面化されているか、あるいはプリズム状の微細突起構造が繰り返し形成されていることはいうまでもない。
【0034】
第2の発明の間接照明装置では、前記上部枠体と前記下部枠体からなる2つの枠体を用いて、前記上部枠体と前記下部枠体を組み合わせて両者をテープ止めるだけで、枠体を組み立てることが可能になる。したがって第1の発明の間接照明装置のように、上面を下面と側面を接着などで一体化して枠体を形成する必要がない。
【0035】
第3の発明の間接照明装置では、LED光源と、上部枠体と下部枠体と両者を接続する接続部からなる枠体と、枠体内部に配置される矩形断面を有する導光棒と、マイクロ発泡樹脂製の反射板と、光透過性の光拡散板とを、備える間接照明装置である。前記枠体は、開口可能な上面とこれを囲む3つの側面よりなる上部枠体と、下面とこれを囲む4つの側面よりなる下部枠体の2つの枠体を一方の長辺側の側面部に設けた接続部により開閉自在に接続一体化される。
【0036】
第3の発明では、前記接続部を折り曲げて前記下部枠体の側面が前記上部枠体の側面を囲むように前記上部枠体と前記下部枠体を組み合わせて閉じた時には、前記上部枠体と前記下部枠体の上面と下面が略平行で、前記上部枠体と前記下部枠体の3つの側面が相互に重なりあい、前記接続部を伸ばした場合に、前記上部枠体と前記下部枠体を開くことが可能である。
【0037】
前記上部枠体と前記下部枠体の短辺側側面の一方の側端部近傍には、前記上部枠体と前記下部枠体の開口部が重なるように前記上部枠体と前記下部枠体にそれぞれ開口部を形成し、前記導光棒は、前記上部枠体の前記接続部を有する長辺内側面に沿って内側面に平行に、前記導光棒の端部が前記上部枠体の短辺側側面の開口部に対向するよう配置される。
【0038】
第3の発明では、前記LED光源が、前記下部枠体の側面の側端部近傍の開口部の外側に設けられ、前記上部枠体と前記下部枠体の側面の開口部において前記LED光源と前記導光棒の端面とが光接続される間接照明装置であっても良い。
【0039】
第3の発明の間接照明装置を用いて、前記LED光源からの光を前記導光棒の端面から入射させ、前記導光棒の枠体長辺側側面と対向する側面の反対面である光取り出し面から光を取り出し、取り出した光を、前記導光棒の上面を覆い、前記枠体の前記上面から前記枠体の前記下面に向けて折り曲げて形成した前記反射板に反射させることで、光を前記光拡散板に入射させて、前記光拡散板から光を取り出すことができる。
【0040】
第3の発明において、前記枠体は、塩化ビニル樹脂などの樹脂製の枠体であり、樹脂シートを折り曲げて製造したものである。例えば、上部枠体のそれぞれ両側の長辺側側面と短辺側側面を、上面に対して折り曲げて形成することができるが、折り曲げ部同士の隅部は相互に接続が可能で有り、接続部は相互に接着または融着して接続される。同様に、開口部を有する下部枠体の、一方の長辺側側面と両側の短辺側側面を下面に対して折り曲げることで上部枠体を組み立てることができる。下部枠体も、同様に折り曲げ部同士は接着または融着して接続する。このように、長辺側側面と短辺側側面を上面または下面に対してそれぞれ直角に折り曲げて形成される角部を接着または融着すれば、略直方体形状の枠体を形成することができる。上部枠体と下部枠体の接続は、接続部に相当する部位を相互に融着するか、粘着テープまたはマジックテープ(登録商標)などの他の公知の方法を用いて接続しても良い。
【0041】
また、枠体の短辺側端面近傍には、LEDと光接続するための開口部が形成される。開口部の形状は導光棒と相似形状の矩形状が望ましいが、開口部の形状はLED光源との光接続に問題が無ければ円形でも良い。ここで、開口部の中心と導光棒断面の中心を一致させることができれば、導光棒に効率的にLED光源からの光接続することができる。第3の発明においても、導光棒の光取り出し面は光を取り出すために粗面化されているか、あるいはプリズム状の微細突起構造が繰り返し形成されていることが望ましい。
【0042】
上面とこれに接続する側面を有する上部枠体と、下面とこれに接続する側面を有する下部枠体を組み合わせることで、間接照明装置としての枠体全体が形成できる。この際、下部枠体の下面には、光を取り出すための枠体下面外形と略相似形の矩形状の空間が設けられる。この矩形状の空間には、光拡散板が設けられる。
【0043】
ここで、第2の発明、第3の発明において、いずれも下部枠体の下面は、上部枠体の上面より大きく形成されており、両者を組み合わせて枠体を形成する時に、上部枠体が下部枠体中に収納され、上部枠体の外側に配置される下部枠体の短辺側側面の開口部の外側にLED光源が設けられ、上部枠体の導光棒の端面に光接続する。
【0044】
ここで、特に図示しないが、上記とは逆に、下部枠体の下面より、上部枠体の上面を大きく形成し、上部枠体と下部枠体を組み合わせる時に、下部枠体を上部枠体中に収納することができる。つまり、下部枠体を上部枠体中に収納して、反射板を前記導光棒の上面を覆い、上部枠体の上面から下部枠体の下面に向けて折り曲げて形成することもできる。下部枠体の外側に配置される上部枠体の開口部の外側にLED光源が設けられ、下部枠体の導光棒の端面に光接続する構造とすることもできる。ここでは、前記上部枠体と前記下部枠体の短辺側側面の一方の側端部近傍には、両枠体の開口部が重なるように両枠体にそれぞれ開口部を形成し、導光棒は、前記下部枠体の接続部を有する長辺内側面に沿って前記内側面に平行に、前記導光棒の端部が前記下部枠体の短辺側側面の開口部に対向するよう配置されても良い。
【0045】
導光棒に入射した光は、導光棒の枠体の枠体長辺側側面と対向する側面の反対面から光が取り出される。前記対向面は、表面が粗面化されているか、光を取り出すためにプリズム状の微細突起構造が形成される。このようにプリズム状の微細突起構造を形成することで、光を効率的に取り出すことができる。
【0046】
ここで、枠体の上面には、短辺方向の一方の端部から他方の端部にかけて、下面に向けて折り曲げて形成された反射板が設けられる。導光棒か取り出された光は、前記下面に向けて折り曲げて形成された反射板により反射されて、下部枠体の下面の光を取り出すための矩形状の空間に導かれる。ここには、光拡散板が設けられ、光拡散板から照明器具から外部に光が取り出される。
【0047】
尚、前記下面に向けて折り曲げて形成された反射板の表面には、鋸歯形状の線状溝構造が多数形成される。このように線状溝構造を多数形成することで、前記折り曲げた反射板により、導光棒から遠い位置においても光拡散板に光を集めることが可能になり、より均等な照度を有する照明を実現することができる。
【0048】
ここで、この照明のLED光源は、枠体の外部に設けられることから、光が出射される開口部からLED光源は見えない。このため、本発明の間接照明装置は耐グレア性に優れる。本発明の照明装置においては、LED光源の数が1個または2個で済むことから、省エネが実現でき、製品コストも低下させることができる。
【0049】
ここで、本発明の間接照明装置は上部枠体と下部枠体が必ずしも、一体に形成される必要はなく、例えば、第2の発明のように、上部枠体と下部枠体が別体で形成されても良く、あるいは第3の発明のように、接続部を介して一体に形成されていても良い。上部枠体と下部枠体が別体で形成されていても、あるいは接続部を介して一体で形成されている場合でも、上部枠体の上面と下部枠体の下面が平行に成るように組み合わせると、導光棒の断面の中心とLED光源の中心を一致させて光接続できる。
【0050】
本発明の間接照明装置を用いると、点状光源であるLED光源からの光を導光棒に導光して、導光棒の光取り出し面から所定幅の線状光源として光を取り出すことができる。また、取り出された光を、前記導光棒の上面を覆い、短辺方向に前記枠体上面から前記枠体下面に向けて折り曲げて形成した反射板に反射させて、光を面状に広げて、さらに前記反射板と開口部に設けた光拡散板との間で反射を繰り返しながら、光を取り出すことが可能となる。
【0051】
本発明の間接照明装置において、前記開口部、前記導光棒、前記反射板、前記LED光源の配置に関して、長辺と短辺を相互に入れ代えた構造とすることもできる。このように、長辺と短辺を入れ換えた構造としても、点状のLED光源から導光棒で線状に導光した後、導光棒から光を取りだして、折り曲げて形成した前記反射板に反射させて光を取り出す照明装置としての光の取り出し機構や本発明の基本的な構造や効果に変わりはない。ここで、長辺と短辺を入れ代えるのではなく、長辺と短辺が等しい長さの構造の照明装置とすることもできる。この場合でも、照明装置としての光の取り出し機構や本発明の基本的な構造や効果に変わりはない。
【0052】
また、少なくとも前記枠体の側面全周及び前記枠体の下面が、全反射率が95%以上、拡散反射率が95%以上であるマイクロ発泡樹脂シートから形成されてもよい。
【0053】
この場合、前記枠体の長辺側側面と、前記枠体の短辺側側面及び枠体の下面に前記導光棒を接触させるように配置してもよい。
【0054】
第4の発明は、第1の発明から第3の発明の間接照明装置を用いて、前記LED光源からの光を導光棒の端面から導光棒に入射させ、前記導光棒の枠体長辺側側面と対向する側面の反対側の側面である光取り出し面から光を取り出し、前記取り出した光を前記枠体上面から前記枠体下面に向けて折り曲げて形成した反射板に反射させることで、前記光拡散板に入射させて光を取り出す光取出し方法である。
【0055】
前記枠体の前記導光棒の光取り出し面と、前記LED光源と前記導光棒とが光接続する前記開口部を除く全ての面がマイクロ発泡樹脂製の反射板で覆われてもよい。
【発明の効果】
【0056】
本発明の間接照明装置を用いれば、使用するLED光源の数が少なく、点光源を用いても光源が直接見えることが無く、耐グレア性に優れ、照明器具の発光面の明るさのばらつきが少ない、特に車載用間接照明装置に適した室内用間接照明装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】従来技術の非特許文献1の車載用間接照明装置の分解斜視図
図2】従来技術の非特許文献1の車載用間接照明装置の平面断面図
図3】本発明の導光棒の片端部にLEDを配置した間接照明装置の構造
図4図4(a)は、導光棒が台形の場合の構造断面図、図4(b)は、反射板が導光棒の下面より長く形成された構造断面図、図4(c)は、上面反射板に鋸歯形状の線状溝構造が形成されている場合の構造断面図、図4(d)は、図4(c)の鋸歯形状の線状溝構造の斜面長さと溝深さが導光棒から遠い反対側の側面に向かうにつれて大きくなるように形成されている場合を示す構造断面図
図5】本発明の導光棒の両端にLED光源を配置した間接照明装置の構造断面図
図6】本発明の枠体が上部枠体と下部枠体の2つの枠体からなる間接照明装置の分解斜視図の一例であり、図6(a)は、下部枠体を示す分解斜視図、図6(b)は、反射板を示す分解斜視図、6(c)は、上部枠体を示す分解斜視図
図7】本発明の上部枠体と下部枠体と接続部により開口する構造の間接照明装置の斜視図の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0058】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態にかかる間接照明装置100について説明する。図3は間接照明装置100を示す図である。間接照明装置100の枠体は、長辺と短辺からなる上面201(枠体上面)と下面204(枠体下面)、および側面203(枠体側面)からなる略直方体形状の枠体200により形成される。ここで、枠体200の内部には、矩形断面を有する導光棒4が枠体の一方の長辺内側面沿って、前記枠体長辺内側面に平行に、導光棒4の端部が枠体200の短辺側側面の側面開口部53に対向するように配置される。なお、導光棒4は例えばガラスまたはアクリル樹脂製である。枠体200内部には、長方形状のマイクロ発泡樹脂シートからなる反射板3が、導光棒の上面を覆い、前記枠体上面を隠すように前記枠体上面から前記枠体下面に向けて折り曲げて形成される。
【0059】
第1の実施形態における間接照明装置の枠体200の長辺側内側面と導光棒4の側面の間には、マイクロ発泡樹脂製の反射板3が配置される。導光棒の下面の下部枠体には、反射板3が配置される。前記枠体は、枠体の下面開口部51と、少なくとも一方の短辺側側面の側端部近傍に側面開口部53を有している。下面開口部51には、光透過性の光拡散板6が配置される。光拡散板6は、例えばガラスまたは樹脂製である。LED光源61は、前記枠体の短辺側側面の一方の側端部に設けた側面開口部53に設置される。LED光源61は、前記枠体側面の側面開口部53の外側に配置され、枠体200の側面の側端部近傍の側面開口部53において、前記側面開口部53に対向するように配置された前記導光棒の端面43と光接続される。
【0060】
なお、反射板3は、PET樹脂、PC樹脂、PMMA樹脂のいずれかのマイクロ発泡樹脂製であることが望ましい。また、反射板3は、光反射率として波長450nmから650nmの可視光領域における硫酸バリウム基準板の反射率を100%とした時の全反射率が95%以上、拡散反射率が95%以上であることが望ましい。
【0061】
ここで、第1の実施形態では、LED光源61から放出された光は、前記のように、枠体の一方の短辺側側面の側端部に配置された導光棒4の端面に入射して導光棒4によって導光され、導光棒4の枠体200の長辺側側面との対向面である光取り出し面41から、間接照明装置の内部に取り出すことができる。導光棒4の光取り出し面41は、光が取り出しやすいように粗面化されているか、あるいはプリズム状の微細突起構造が形成されている。光取り出し面41から取り出された光は、枠体200内の空間に放出され、枠体の上面201を隠すように前記枠体の上面201から枠体の下面204に向けて短辺方向に折り曲げて形成された反射板3により反射される。ここで、導光棒4の表面は、LED光源61と光接続する側の導光棒4の端面43から反対側の導光棒の端面43に行くにつれて、光取り出し効率が向上するように粗面化の程度が徐々に多きくなることが望ましい。
【0062】
第1の実施形態の反射板3は、長方形状のマイクロ発泡樹脂シートを折り曲げて形成したものある。反射板3は、長辺方向には直線状で、反射板は導光棒の上面を覆い短辺方向に枠体の上面201から枠体の下面204に向けて折り曲げて形成される。例えば、反射板3の一方の長辺側端部近傍を枠体200の上面201に接触させ、反射板3の長辺側の他方の端部が枠体200の下面204に接するように折り曲げて形成されている。反射板3により反射された光は、光拡散板6を透過して間接照明装置100から外部に放出される。ここで、反射板3は、前記枠体の上面201から前記枠体の下面204に向けて短辺方向に折り曲げて形成されている。このように、導光棒4から取り出した光を下面に向って折り曲げて形成した反射板3に反射させることで、枠体の下面204の下面開口部51に設けた光拡散板6から導光棒4からの距離が遠い位置においても、均一な光を光拡散板6から取り出すことができる。
【0063】
上記の他、導光棒4の光取り出し面41とLED光源61との光接続を行う導光棒の端面43を除く、枠体長辺側内側面や枠体下面あるいは導光棒のLED光源を配置しない側の端面との接触面に加えて枠体短辺側内側面にも反射板3を設けることが望ましい。このように、導光棒4の光取り出し面41とLED光源61との光接続する端面43を除く導光棒4の全ての表面(4面)を反射板3で覆うことで、導光棒4の輝度を保ち、導光棒4からの光取り出し効率を高めることができる。
【0064】
図4は、第1の実施形態における枠体の内部に配置された導光棒4の形状の影響や下側反射板の長さ及び上側の反射板に鋸歯形状の線状溝構造を形成した場合の間接照明装置を比較したものである。ここで、図4(a)は導光棒4の断面形状が台形の場合の構造図、図4(b)は反射板3が導光棒4の下面より長く形成された構造図、図4(c)は上面反射板に鋸歯形状の線状溝構造が形成されている場合の構造図、図4(d)は鋸歯形状の線状溝構造の溝深さが導光棒から遠い反対側の側面に向かうにつれて大きくなるように形成されている場合を示す構造図である。
【0065】
図4(a)は、導光棒4の断面形状は、導光棒4の下面を形成する断面下側の辺が導光棒4の上面を形成する断面上側の辺より長い台形状で、導光棒4の光取り出し面41と導光棒の下面42とのなす角が75°の傾きを有するように形成されている。このように導光棒4の光取り出し面41を斜めに形成することにより、折り曲げて形成された反射板3に導光棒4から取り出した光を当てることで、前記反射板3により反射させ易くすることができる。ここで、導光棒4の光取り出し面41と導光棒4の下面42とのなす角は70°以上90°未満とすることが望ましい。
【0066】
図4(b)は、導光棒4の下面に形成される反射板3は、前記導光棒4の矩形断面の下面を形成する辺より短辺方向の長さが長く形成されている。導光棒4の下面に形成される反射板を、反射板とは別の反射板で構成してもよい。このように、導光棒4の下面に形成される反射板3を導光棒4の矩形断面の下面より長く形成することで、導光棒4から取り出した光の一部が下部反射板により反射されて、前記折り曲げて形成した上部の反射板に反射させることができる。これにより、導光棒から取り出した光を枠体空間全体に広げることができ、光拡散板6から取り出す光をより均一にすることができる。
【0067】
図4(c)は、枠体上面の反射板3は、光反射時の光拡散効率を向上させるため、前記マイクロ発泡樹脂シートの表面に、略垂直な状態から所定角度傾いた直線部とこれと対向する曲線部からなる鋸歯形状の溝が繰り返して形成された鋸歯形状の線状溝構造31を具備するものである。ここで、鋸歯形状の線状溝構造と定義したのは、溝の曲線部と直線部が交わる鋸歯の刃先に相当する先端部を結ぶ崩落線に対して、直線部と曲線部の交わる点が鋸歯形状の溝として多数連続して枠体長手方向に略平行な方向に線状に形成されるからである。ここで、線状溝構造の導光棒に近い直線部は、導光棒から直接出射させる光に対しては陰になる、従って導光棒に近い直線部を短くして、直線部と対向する曲線部を長く形成することが望ましい。従って、溝構造の直線部を短くするためには、直線部は急峻な角度を有していることが望ましく,90°未満45°以上を満たし、90°未満60°以上が望ましい。
【0068】
導光棒の光取り出し面から取り出された光は、曲線部で溝構造がない場合と同様に反射板の溝構造の斜面部に直接反射した光は、光拡散板方向に反射する。また、光拡散板からの反射光を線状溝構造31に入射させて、線状溝構造31の曲線部で反射させ、前記曲線部で反射した光を略直線状の対辺に反射させ、さらに前記線状溝構造31の曲線部に再度反射させた後に、線状溝構造31の近傍の光拡散板に照射することができる。したがって、線状溝構造31を形成することにより、導光棒4から遠い位置においても、反射板の溝部内で光を反射させ、光を導光棒4の方向に戻すことなく、溝構造の直下の光拡散板上の位置に照射することができる。このため、溝部に入射した光を反射板から光拡散板6に向けて均一に反射させることができ、このような反射が各溝部位置において繰り返されることで、光拡散板6の輝度を均一にすることができる。また、本発明では反射板3にマイクロ発泡樹脂を用いていることから反射板3の表面が柔らかく、容易に前記反射板表面の線状溝構造31を形成することができる。このように、線状溝構造31を形成することは、鋸歯模様と対応する溝形状を有する刃物をマイクロ発泡樹脂に対して押圧することで実現できる。尚、前記線状溝構造31は、一方が曲線状、他方が直線状の鋸歯形状に限らず、両方が直線状の略V字状の溝形状であっても良い。尚、ここで、溝構造は、連続して繰り返し形成されることが望ましいが、所定間隔を開けて、繰り返して形成することもできる。所定間隔を開けて繰り返して形成しても、同様の効果が得られる。
【0069】
図4(d)は、鋸歯形状の線状溝構造32を形成した例を示す図である。線状溝構造32は、導光棒4の光取り出し面41に対向する方向の溝部の斜面長さと溝深さが、導光棒4から遠くなるにつれて大きく形成される。導光棒4から受ける光を、導光棒4から遠くなるにつれて前記溝構造の斜面長さと溝深さを徐々に大きく形成することで、溝部で反射する光の強度を高めることができる。その結果、導光棒4から離れた位置における溝部近傍での反射光の反射強度を高め、このため光拡散板6から取り出す光の強度を均一にすることが可能になる。このように線状溝構造32の斜面長さと溝深さを導光棒からの距離の増加について大きくなる傾斜配置構造とすることで、より均一な照明装置を得ることができる。
【0070】
図5は、第1の実施形態のLED光源61を導光棒4の両端に配置した間接照明装置の構造断面図である。図5は、図3と同様の構造であるが、図3では、LED光源が枠体の短辺側の一端に配置されるのに対して、図5では導光棒4の両端にLED光源61、62が配置されている点で異なる。すなわち、対向する短辺側の2つの側面の側端部近傍にそれぞれ形成される側面開口部53に、2つのLED光源61、62が、側面の側端部に形成された2つの側面開口部53の外側にそれぞれ設けられる。このように、導光棒4の両端にLED光源61、62を配置し、LED光源61、62と導光棒4の端部とを光接続させて、LED光源61、62からの光を導光棒4の両端面から入射させることにより、光が導光棒4中を導光される時の光強度の低下を相互に対向して配置したLED光源61、62からの光により補償することができる。LED光源61、62の出力と導光棒4の長さを適正化することにより、導光棒4を長手方向の光取り出し面から取り出す光強度を均一にすることができる。
【0071】
第1の実施形態に用いるLED光源61、62は、表面発光型の市販のLED素子を使用する。導光棒4にLED光源61、62を光接続する際には、導光棒4の端面にLED光源61、62を接触させるだけで良い。ここで、第一の発明の間接照明装置は、LED光源の数を少なくするとともに、導光板を使用することなく、間接照明装置全体に光を拡散させることが可能な耐グレア性に優れた室内用間接照明装置を得ることができる。
【0072】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の間接照明装置では、上部枠体と下部枠体からなる2つの枠体を用いることで、上部枠体と下部枠体を組み合わせるだけで、枠体を組み立てることが可能になる。このため、上面を下面と側面部とに接着などで一体化する必要がない。
【0073】
図6は、第2の実施形態の枠体が上部枠体と下部枠体とからなる間接照明装置101の分解斜視図の一例を示す。尚、本分解斜視図において、上から順に、下部枠体302、反射板3、上部枠体301を示す。ここで、図6では、上部枠体301を下側に、下部枠体302を上側に図示しているが、上部枠体301、下部枠体302なる名称は、取り付け使用時の上下関係を基に命名しており、組み立て時の上限関係と取り付け使用時の上下関係は、逆になる。ここで、導光棒4の上面とは、導光棒4の上部枠体301の上面側の(図では下側に描かれている)面を指す。
【0074】
上部枠体301は、略矩形状の上面とこれを囲む側面から構成される。下部枠体302は、略矩形状の下面とこれを囲む側面から構成される。
【0075】
ここで、第2の実施形態の照明装置において、枠体300は、上部枠体301と下部枠体302を組み合わせることで構成される。すなわち、上部枠体301の外周に下部枠体302を配置して、上部枠体301と下部枠体302の側面同士を組み合わせて閉じた時に、略直方体形状の枠体が形成される。下部枠体302の下面には所定位置に下面開口部51を有し、所定位置に設けた下面開口部51には、図示しない光拡散板が配置される。前記光拡散板から間接照明装置の光を取り出すことができる。また、下部枠体302の短辺側の一方の端部近傍には、LED光源61と導光棒4の端面とが光接続するために、側面開口部52が設けられる。LED光源61は、下部枠体302の側面の側端部近傍の側面開口部52の外側に設けられる。反射板3は、導光棒4の上面を覆い長方形状の反射板の短辺を折り曲げて形成され、枠体上面全体を隠すように枠体短辺方向に前記枠体上面から前記枠体下面に向けて折り曲げられ、さらに、導光棒の長辺の側面と上面を覆うように、反射板同士を接着するなどして一体化して形成することもできる。それぞれの反射板3を上部枠体301の長辺側側面や下部枠体の下面に配置し、配置した反射板3をそれぞれの枠体の対応位置に貼り付けても良い。
【0076】
第2の実施形態において、上部枠体301の一方の長辺内側面に沿って内側面に平行に、導光棒4が取り付けられる。導光棒4の端面と対応する上部枠体301の側面の一方の端部近傍位置には、側面開口部52が設けられる。すなわち、導光棒4の端部が上部枠体301の短辺側側面の側面開口部52に対向するよう配置される。なお、上部枠体301の短辺側側面の一方の側端部近傍に形成される側面開口部52と、下部枠体302の短辺側側面の一方の側端部近傍に形成される側面開口部52は、上部枠体301と下部枠体302を重ねた際に、側面開口部52の形成位置が重なるように形成される。さらに長方形状の反射板の短辺を折り曲げて形成した反射板3が、導光棒4の上面を覆い枠体上面全体を隠すように枠体短辺方向に前記枠体上面から前記枠体下面に向けて折り曲げられて組み立てられる。ここで、相互に枠体の側面を対向させて下部枠体302を、上部枠体301に被せて上部枠体301の外側に配置し、外側に配置した下部枠体302の一方の側端部近傍の側面開口部52にLED光源61が取り付けられる。また、側面開口部52を除く、短辺側側面には、反射板3が設けられても良い。導光棒4の光取り出し面とLED光源61と光接続する端面を除く導光棒4の全ての表面を反射板3で覆うことで、導光棒4の輝度を高め、導光棒4から光取り出し効率を高めることができる。上部枠体301の枠体上面に折り曲げて形成される反射板3だけでなく、上部枠体301の短辺側側面にも反射板3を設けることで、照明装置内部の光反射強度を高め、照明装置の輝度の低下を防止することができる。
【0077】
このとき、導光棒4の底面と側面を覆う反射板3を設ける方が導光棒4からの光の取り出し効率を高めることができるので望ましい。また、上部枠体301と下部枠体302の側面同士を組み合わせて、枠体300を構成するので、枠体側面が2重になることから、枠体300の剛性を向上させることができる。
【0078】
第2の実施形態の間接照明装置101では、上部枠体301と下部枠体302からなる2つの枠体を用いることで、上部枠体301と下部枠体302を組み合わせるだけで、枠体を組み立てることが可能になる。このため、上面を下面と側面部とに接着などで一体化する必要がない。第2の発明の間接照明装置101においても、第一の発明の間接照明装置100と同様に、LED光源61の数を少なくするとともに、導光板を使用することなく、間接照明装置全体に光を拡散させることが可能な耐グレア性に優れた間接照明装置101を得ることができる。
【0079】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の間接照明装置は、上部枠体と下部枠体を別体で構成するのではなく、枠体の一部に両枠体を接続する接続部を設けて、上部枠体を下部枠体に対して開口可能な構造として一体化した間接照明装置である。すなわち、枠体は、開口可能な上面とこれを囲む3つの側面よりなる上部枠体と、下面とこれを囲む4つの側面よりなる下部枠体の2つを一方の長辺側の側面部に設けた接続部により開閉自在に接続一体化したものである。図7は、第3の発明の上部枠体401と下部枠体402と接続部404により構成される開口可能な間接照明装置102の斜視図の一例を示す。
【0080】
第3の実施形態における間接照明装置102の構成は、LED光源61と、上部枠体401と下部枠体402とを接続部404が接続して枠体400として一体化されている。枠体内部に配置される矩形断面を有する導光棒4と、マイクロ発泡樹脂製の反射板3と、光透過性の光拡散板6とを、備える間接照明装置である。接続部を除く構成は、第2の発明と同様である。
【0081】
枠体の接続部を折り曲げて下部枠体402の側面が上部枠体401の側面を囲むように上部枠体401と下部枠体402を組み合わせて閉じた時には、前記両枠体(上部枠体401と下部枠体402)の上面と下面が略平行となり、両枠体の3つの側面が相互に重なりあい、接続部404を伸ばした場合に、上部枠体401と下部枠体402を開くことが可能である。
【0082】
第3の実施形態において、上部枠体401と前記下部枠体402の短辺側側面の一方の端部近傍に、両枠体の開口部が重なるようにそれぞれ側面開口部52、52が形成される。導光棒4は、上部枠体401の接続部を有する長辺内側面に沿って前記内側面に平行に配置され、導光棒4の端部が、上部枠体401の短辺側側面の開口部に対向するよう配置される。LED光源61は、下部枠体402の側面の側端部近傍の開口部の外側に設けられ、上部枠体401と下部枠体402の側面の側面開口部52において前記下部枠体の導光棒の端面と光接続される。尚、導光棒4の上面を覆い、上部枠体401に下方に向けて折り曲げて形成される反射板の他に、特に図示しないが、上部枠体401と導光棒4の側面との接触面、下部枠体402と導光棒4の上面との接触面、側面開口部52を除く上部枠体401の短辺側側面および導光棒4の端面には、照明装置からの光取り出し効率を向上させるため、反射板3を形成することが望ましい。ここで、導光棒4の上面とは、導光棒4の上部枠体401の上面側の面を指す。このように、導光棒4の光取り出し面とLED光源61と光接続する端面を除く導光棒4の全ての表面を全て反射板3で覆うことで、導光棒4の輝度を高め、導光棒4から光取り出し効率を高めることができる。
【0083】
第3の実施形態の枠体400は、開口可能な上面と側面よりなる上部枠体401と、下面と側面よりなる下部枠体402の2つの枠体とが一方の長辺側の側面部に設けた接続部404により開閉自在に接続されている。また、枠体の接続部404を折り曲げて上部枠体401と下部枠体402を閉じた時には、前記両枠体の3つの側面が相互に重なりあい枠体を構成するので、枠体側面が2重になることから、枠体の剛性を向上させることができる。ここで、第3の発明の間接照明装置においても、第1、第2の発明の間接照明装置と同様に、LED光源の数を少なくするとともに、導光板を使用することなく、間接照明装置全体に光を拡散させることが可能な耐グレア性に優れた室内用間接照明装置を得ることができる。
【0084】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、間接照明装置からの光取り出し方法である。この発明は、間接照明装置を用いて、前記LED光源からの光を導光棒の端面から導光棒に入射させ、前記導光棒の枠体長辺側側面と対向する側面の反対側の光取り出し面から光を取り出し、前記取り出した光を前記枠体上面から前記枠体下面に向けて折り曲げて形成した反射板に反射させることで、前記光拡散板に入射させて光を取り出すことを特徴とする間接照明装置からの光取出し方法の発明である。
【0085】
さらに、第1、第2、第3の発明では、いずれも、枠体の側面全周及び枠体下面をマイクロ発泡樹脂シートで形成するか、枠体上面を含む全体をマイクロ発泡樹脂シートで形成することができる。この場合、導光棒の側面と下面が、枠体の長辺側側面と枠体の短辺側側面及び枠体の下面とに接するように、導光棒を設けてもよい。ここで、枠体の側面全周及び枠体下面が、全反射率が95%以上、拡散反射率95%以上であるマイクロ発泡樹脂シートで形成されているので、枠体の内部の光反射率を高めることができる。これにより、導光棒が配置される枠体の内部空間を、枠体の開口部を除き、光反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シートで全て覆うことができることから、枠体内面に反射板を設ける必要がない。また、前記枠体長辺側側面と、前記枠体短辺側側面及び枠体下面に導光棒を接触させるように配置すれば、前記枠体の側面と下面は、光反射性に優れるマイクロ発泡樹脂シートで形成されていることから、導光棒からの漏光を防止し、導光棒からの光取出し効率を高めることができる。
【0086】
尚、いずれの発明においても、導光棒の上面を覆い、さらに枠体の上面から下面に向けて短辺方向に折り曲げて形成される、本特許の基本的な構成である反射板は、LED光源からの光を効率よく光拡散板に反射させて取り出すために設けられることが望ましい。
【0087】
ここで、いずれの発明においても、前記反射板の導光棒の表面を覆う部分と枠体の上面から下面に向けて短辺方向に折り曲げて形成される部分は一体で形成されることが望ましいが、別体で形成されても良い。すなわち、反射板とは別の反射板を、少なくとも枠体の長辺側の内側面と枠体の下面と、導光棒の側面と下面とに接するように設けてもよい。また、枠体上面側には、折り曲げて形成される反射板が設けられるため、枠体上面は、前記マイクロ発泡樹脂シートで形成されても、その他の樹脂材料で形成されても良い。ここで、枠体上面をマイクロ発泡樹脂シートで形成する場合は、枠体上面で導光棒の上面を覆えば、導光棒の上面を覆う反射板を設ける必要がないため、上記反射板は、導光棒の光取り出し面の上端部から枠体の導光棒が配置されていない側の下端部にかけて、折り曲げて配置されれば良いことは言うまでもない。
【0088】
第4の実施形態の間接照明装置からの光取出し方法は、第1の実施形態の説明図である図3により説明することが可能である。ここで、LED光源61から放出された光は、枠体の一方の短辺側端部に配置された導光棒4の端面43に入射して導光棒4によって導光され、導光棒4の枠体長辺側側面と対向する側面と反対側の光取り出し面41から、間接照明装置の内部に取り出すことができる。光取り出し面41から取り出された光は、枠体200内の空間に放出され、前記枠体の上面201から枠体の下面204に向けて短辺方向に折り曲げて形成された反射板3により反射される。反射板3により、反射された光は、光拡散板6に入射し、光拡散板6を透過して間接照明装置100から外部に取り出すことができる。
【0089】
第4の実施形態の間接照明装置からの光の取り出し方法を用いれば、点状の光源から、所定幅の線状の導光棒4に光を導光展開して、さらにその線状の導光棒4から面状の間接照明装置内の空間に取り出した光を、枠体上部に折り曲げて形成した反射板3に反射させて、反射光の強度の間接照明装置内での均一化を図った後、光拡散板6から光を取り出すことができる。その際に、導光棒4の光取り出し面とLED光源61と光接続する端面43を除く全ての表面を、高光反射率を有するマイクロ発泡樹脂シートで覆うことで、導光棒4の輝度を高め、導光棒4の光取り出し面から取り出す光取り出し効率を高めることができる。その結果、本発明の間接照明装置を用いれば、特に、拡散反射率の高いマイクロ発泡樹脂製の反射板を枠体内部に設けるので、これと対向する位置に設けた光拡散板により、その一部を拡散反射させることで、照明装置内で拡散反射を繰り返し、導光棒から取り出した光を均一に面状に広げて、照度の高い光を拡散板から下方に取り出すことができる。そのため、使用するLED光源61の数が少なく、点光源を用いても光源が直接見えることの無く耐グレア性に優れ、照明器具の発光面の明るさのばらつきが少ない、面状に発光する車載用間接照明装置に適した室内用間接照明装置が得られる。また、枠体をマイクロ発光樹脂で形成すれば、枠体が反射板を兼ねることから、簡易な構造で同様の効果が得られる。
【0090】
また、第4の実施形態の間接照明装置からの光の取り出し方法は、前記導光棒の光取り出し面とLED光源と光接続する開口部を除く全ての面がマイクロ発泡樹脂製の反射板で覆われているものである。このように、前記導光棒の光取り出し面とLED光源と光接続する面を除く全ての面がマイクロ発泡樹脂製の反射板で被覆されていれば、導光棒から光を効率よく取り出すことができる。
【0091】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0092】
本発明の第2、第3の実施形態の発明において、具体的には、上部枠体を下部枠体の外側に配置して両枠体を閉じた場合などの配置関係の照明装置の構成も含むものとする。上部枠体と下部枠体の側面の内外の配置関係などは、容易に変更することができる。また、第3の発明における接続部の配置などは容易に変更することが可能であるが、これらの発明の構成の変更は、当然本発明の範囲に含まれるものと解する。
【符号の説明】
【0093】
100、101、102………間接照明装置
200、300、400………枠体
201………上面
204………下面
203………側面
301、401、501………上部枠体
302、402、502………下部枠体
404………接続部
3………反射板
31………線状溝構造
32………線状溝構造
4………導光棒
41………光取り出し面
42………下面
43………端面
45………導光板
46………プリズム状の微細突起構造
51………下面開口部
53、52………側面開口部
6………光拡散板
61、62、64………LED光源
65………基板

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7