(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6071280
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】土留め用矢板
(51)【国際特許分類】
E02D 5/03 20060101AFI20170123BHJP
E21D 9/06 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
E02D5/03
E21D9/06 301E
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-149351(P2012-149351)
(22)【出願日】2012年7月3日
(65)【公開番号】特開2014-9577(P2014-9577A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148346
【氏名又は名称】株式会社錢高組
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】森 正嗣
(72)【発明者】
【氏名】竹中 計行
(72)【発明者】
【氏名】白子 将則
(72)【発明者】
【氏名】兼本 道成
(72)【発明者】
【氏名】澤田 栄嗣
【審査官】
神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−013875(JP,A)
【文献】
特開平10−121883(JP,A)
【文献】
特開2002−038870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 5/03
E02D 7/20
E21D 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼矢板と易切削部材の矢板とが継手部材で連結された土留め用矢板であって、
前記鋼矢板と前記易切削部材の矢板との連結方向に沿う面において、前記継手部材と前記鋼矢板とは溶接により接合され、
前記連結方向に沿う面において、前記継手部材と前記易切削部材の矢板とは接合部材を用いて接合され、
前記鋼矢板と前記易切削部材の矢板との連結方向における前記継手部材と前記易切削部材の矢板との接合部の長さは、前記連結方向における前記継手部材と前記鋼矢板との接合部の長さよりも長いことを特徴とする土留め用矢板。
【請求項2】
鋼矢板と易切削部材の矢板とが継手部材で連結された土留め用矢板であって、
前記継手部材と前記鋼矢板とは溶接により接合され、
前記継手部材と前記易切削部材の矢板とは接合部材を用いて接合され、
前記土留め用矢板は、
該土留め用矢板を把持可能な把持機構と該把持機構を往復移動させることが可能な移動機構とを備えた圧入機で用いられることが可能であって、
前記継手部材における前記連結方向の長さは、前記移動機構による前記把持機構の往復移動可能距離に対応した長さ以下であるとともに、500mm以下であり、
前記継手部材を用いて連結された連結部における該継手部材と前記鋼矢板及び前記易切削部材の矢板との接触方向の厚さは、前記把持機構が把持可能な厚さ以下であるとともに、50mm以下であることを特徴とする土留め用矢板。
【請求項3】
鋼矢板と易切削部材の矢板とが継手部材で連結された土留め用矢板であって、
前記継手部材と前記鋼矢板とは溶接により接合され、
前記継手部材と前記易切削部材の矢板とは接合部材を用いて接合され、
前記接合部材は、ボルトを有するとともに、前記継手部材及び前記易切削部材の矢板と前記ボルトとの隙間を充填する充填部材を有することを特徴とする土留め用矢板。
【請求項4】
鋼矢板と易切削部材の矢板とが継手部材で連結された土留め用矢板であって、
前記継手部材と前記鋼矢板とは溶接により接合され、
前記継手部材と前記易切削部材の矢板とは接合部材を用いて接合され、
前記継手部材と前記鋼矢板及び前記易切削部材の矢板との接触方向の該易切削部材の矢板の厚さは、該方向における該鋼矢板の厚さよりも厚いことを特徴とする土留め用矢板。
【請求項5】
請求項4に記載された土留め用矢板において、
前記継手部材は、前記易切削部材の矢板の厚さと前記鋼矢板の厚さとの差に対応した切欠き深さの切欠き部を該易切削部材の矢板と接触する側に有し、
前記易切削部材の矢板は、前記切欠き部に接合されることを特徴とする土留め用矢板。
【請求項6】
請求項4に記載された土留め用矢板において、
前記易切削部材の矢板は、前記易切削部材の矢板の厚さと前記鋼矢板の厚さとの差に対応した切欠き深さの切欠き部を前記鋼矢板と連結する側に有し、
前記接合部材は、前記切欠き部に接合されることを特徴とする土留め用矢板。
【請求項7】
鋼矢板と易切削部材の矢板とが継手部材で連結された土留め用矢板であって、
前記継手部材と前記鋼矢板とは溶接により接合され、
前記継手部材と前記易切削部材の矢板とは接合部材を用いて接合され、
前記易切削部材の矢板における曲げ弾性率と矢板1枚当たりの断面二次モーメントとの積で表される曲げ剛性は、鋼矢板における曲げ剛性の25%以上であることを特徴とする土留め用矢板。
【請求項8】
鋼矢板と易切削部材の矢板とが継手部材で連結された土留め用矢板であって、
前記継手部材と前記鋼矢板とは溶接により接合され、
前記継手部材と前記易切削部材の矢板とは接合部材を用いて接合され、
前記易切削部材の矢板の材料は、ガラス繊維及び炭素繊維の少なくとも一方或いは両方を合計で30質量%以上含有する繊維強化プラスチックであることを特徴とする土留め用矢板。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載された土留め用矢板において、
前記易切削部材の矢板の材料は繊維強化プラスチックであることを特徴とする土留め用矢板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土留め用矢板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、土留め用矢板として主に鋼矢板が用いられている。このような鋼矢板としては、用途、使用形態、経済性等の面からそれぞれの目的に応じて、直線型、U形、ハット型、曲げ成形型に構成されたものがある。特に、構造的に強靭でかつ低コストの鋼矢板が求められており、例えば、特許文献1には、H型の構造の鋼矢板が開示されている。
【0003】
一方、従来、シールド掘進機等によって地盤を掘削するときは、シールド掘進機の前方に設けられた鋼矢板のシールド掘進機等が通過する部分を、ガスによって溶断し掘削する鏡切りという工法が知られている(特許文献2)。
この工法は、鋼矢板の一部をガスによって溶断するので、手間がかかることや、地盤を剥き出しにするため地盤の強度によっては崩壊する虞がある。
【0004】
このように、通常、土留め用矢板として特許文献1及び特許文献2で開示されているような従来の鋼矢板を用いると、シールド掘進機等より下側にある部分の鋼矢板は通常撤去されず、地中内に剛性の高い鉄材である鋼矢板が残ったままとなる。地中内に鋼矢板が残ったままとなると、シールド掘進機等のカッター部では残存した鋼矢板を切削することができない場合がある。このため、シールド掘進機等で地盤の掘削工事が終了した後にその最深床部の下に更にトンネル等を作ろうとした場合、残存した鋼矢板を避けるため、地中のより深くなる方向へトンネル等の路線を変更しなければならないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−344447号公報
【特許文献2】特開2006−257826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この問題を解決する手段として、シールド掘進機等のカッター部で切削することが可能な易切削部材で土留め用矢板を作製し使用することが考えられる。しかし、易切削部材のみで作成された土留め用矢板は全体的な強度が足りない場合やコストが高くなる場合がある。また、これらの課題を解決するため、必要部分のみに易切削部材の矢板を用いた、鋼矢板と易切削部材の矢板とを連結させた土留め用矢板を作製し使用することが考えられる。
【0007】
しかしながら、鋼矢板と易切削部材の矢板とを連結させた土留め用矢板を作製し使用するためには、連結部の強度を高くするために大きな継手部材を使用する等、連結部を大きくする必要があった。連結部が大きくなるとサイレントパイラー等の汎用の圧入機を使用することができなくなる。連結部が汎用の圧入機に用いられる把持機構を通過できなくなるためである。
このため、強度が高く汎用の圧入機を使用することが可能な大きさの連結部を備え、該連結部で鋼矢板と易切削部材の矢板とを連結させた土留め用矢板が求められている。
【0008】
そこで、本発明の目的は、鋼矢板と易切削部材の矢板とを強度が高く小さな連結部で連結させた土留め用矢板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の第1の態様に係る土留め用矢板は、鋼矢板と易切削部材の矢板とが継手部材で連結された土留め用矢板であって、前記継手部材と前記鋼矢板とは溶接により接合され、前記継手部材と前記易切削部材の矢板とは接合部材を用いて接合されていることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、前記継手部材と前記鋼矢板とは溶接により接合されるため、接合間のすべりやズレ等が発生しにくく、前記継手部材と前記鋼矢板との接合強度を高くすることができる。このため、前記鋼矢板と前記易切削部材の矢板との連結方向における前記継手部材と前記鋼矢板との接合部の長さを短くすることが可能になる。つまり、前記連結方向における前記継手部材と前記易切削部材の矢板との接合部の長さを、前記連結方向における前記継手部材と前記鋼矢板との接合部の長さよりも長くすることが可能になる。こうして、前記継手部材と前記易切削部材の矢板との接合強度を高くすることが可能になる。このため、前記継手部材と前記鋼矢板との接合強度と、前記継手部材と前記易切削部材の矢板との接合強度とを、共に効率よく高くすることが可能になり、前記継手部材を小さくすることが可能になる。すなわち、強度が高く小さな連結部とすることが可能になる。
【0011】
本発明の第2の態様に係る土留め用矢板は、前記第1の態様において、前記鋼矢板と前記易切削部材の矢板との連結方向における前記継手部材と前記易切削部材の矢板との接合部の長さは、前記連結方向における前記継手部材と前記鋼矢板との接合部の長さよりも長いことを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、前記鋼矢板と前記易切削部材の矢板との連結方向における前記継手部材と前記易切削部材の矢板との接合部の長さは、前記連結方向における前記継手部材と前記鋼矢板との接合部の長さよりも長い。このため、前記継手部材と前記鋼矢板との接合強度と、前記継手部材と前記易切削部材の矢板との接合強度とを、共に効率よく高くすることができ、前記継手部材を小さくすることができる。すなわち、強度が高く小さな連結部とすることができる。
【0013】
本発明の第3の態様に係る土留め用矢板は、前記第1又は2の態様において、前記易切削部材の矢板の材料は繊維強化プラスチックであることを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、易切削部材の材料が繊維強化プラスチックであるため、従来の鋼矢板よりも容易にシールド掘削機等のカッター部で切削することができる。また、各形状への成形加工が容易に行える。
【0015】
本発明の第4の態様に係る土留め用矢板は、前記第1から3のいずれか1項の態様において、前記土留め用矢板は、該土留め用矢板を把持可能な把持機構と該把持機構を往復移動させることが可能な移動機構とを備えた圧入機で用いられることが可能であって、前記継手部材における前記連結方向の長さは、前記移動機構による前記把持機構の往復移動可能距離に対応した長さ以下であり、前記継手部材を用いて連結された連結部における該継手部材と前記鋼矢板及び前記易切削部材の矢板との接触方向の厚さは、前記把持機構が把持可能な厚さ以下であることを特徴とする。
【0016】
ここで、「土留め用矢板を把持可能な把持機構」とは、前記土留め用矢板を内部に設けられた挿入穴に挿入して把持する機構の他、前記土留め用矢板を挟んで把持する機構も含む。さらに、前記土留め用矢板の把持と解放とを繰り返し行うことができる機構を含む。また、「把持機構を往復移動させることが可能な移動機構」とは、前記土留め用矢板を把持した把持機構を往復移動させることが可能な移動機構を意味する。このため、前記圧入機は、該把持機構と該移動機構とを備えることで、該把持機構に前記土留め用矢板の把持と解放とを繰り返させながら該移動機構が該把持機構を往復移動させることができる。すなわち、前記圧入機はこのような動作を行うことにより前記土留め用矢板を地中に挿入することができる。
【0017】
また、「前記移動機構による前記把持機構の往復移動可能距離」及び「前記把持機構が把持可能な厚さ」は、ほとんどの汎用の圧入機において共通化されている。このため、このことを踏まえて「前記継手部材の長さ」及び「前記連結部の厚さ」を決めることで、汎用の圧入機において、改造等を行うことなくそのまま前記土留め用矢板を使用することが可能になる。
【0018】
本態様によれば、前記継手部材における前記鋼矢板と前記易切削部材の矢板との連結方向の長さは、前記移動機構による前記把持機構の往復移動可能距離に対応した長さ以下である。また、前記継手部材を用いて連結された連結部における該継手部材と前記鋼矢板及び前記易切削部材の矢板との接触方向の厚さは、前記把持機構が把持可能な厚さ以下である。このため、前記把持機構の1回の往復移動によって、前記継手部材は前記把持機構を通過することができる。すなわち、前記把持機構に前記継手部材を把持させることなく、前記土留め用矢板を地中に挿入することができる。
【0019】
本発明の第5の態様に係る土留め用矢板は、前記第4の態様において、前記継手部材の前記連結方向の長さは500mm以下であり、前記連結部の前記接触方向の厚さは50mm以下であることを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、サイレントパイラー等の汎用の圧入機は、大凡、移動機構による把持機構の往復移動可能距離は500mm以下、把持機構の把持可能な厚さは50mm以下であるため、このような圧入機で使用することが可能である。
【0021】
本発明の第6の態様に係る土留め用矢板は、前記第1から第5のいずれか1つの態様において、前記接合部材はボルトを有することを特徴とする。
【0022】
ここで、「ボルト」とは、ナットと共に部材を接合するものだけでなく、該ボルトに設けられたネジ山を部材に設けられたネジ穴に嵌合させることにより、ナットを用いず直接部材を接合するものも含む。
【0023】
本態様によれば、低コストで簡単な構成で前記継手部材と前記易切削部材の矢板とを接合することができる。
【0024】
本発明の第7の態様に係る土留め用矢板は、前記第6の態様において、前記接合部材は、前記継手部材及び前記易切削部材の矢板と前記ボルトとの隙間を充填する充填部材を有することを特徴とする。
【0025】
本態様によれば、前記継手部材及び前記易切削部材の矢板と前記ボルトとの隙間がなくなる。該隙間がなくなれば、土留め用矢板が外部から力を受けた場合でも、接合間のすべりやズレ等が発生しにくく接合強度が高くなる。また、該隙間がなくなれば、そこから土や水等が侵入せず、安全に掘削作業をすることが可能となる。
【0026】
本発明の第8の態様に係る土留め用矢板は、前記第1から第7のいずれか1つの態様において、前記継手部材と前記鋼矢板及び前記易切削部材の矢板との接触方向の該易切削部材の矢板の厚さは、該方向における該鋼矢板の厚さよりも厚いことを特徴とする。
【0027】
本態様によれば、一般的に鋼矢板より単位体積当たりの強度が弱い易切削部材の矢板の強度を鋼矢板と同様に高めることができる。
【0028】
本発明の第9の態様に係る土留め用矢板は、前記第8の態様において、前記継手部材は、前記易切削部材の矢板の厚さと前記鋼矢板の厚さとの差に対応した切欠き深さの切欠き部を該易切削部材の矢板と接触する側に有し、前記易切削部材の矢板は、前記切欠き部に接合されることを特徴とする。
【0029】
本態様によれば、前記継手部材と前記鋼矢板との接合部の厚さと、前記継手部材と前記易切削部材の矢板との接合部の厚さとを、同様にすることができる。すなわち、前記継手部材と前記易切削部材の矢板との接合部の厚さが前記継手部材と前記鋼矢板との接合部の厚さよりも厚い形状ではなくなり、連結部全体の厚さを薄くすることができる。
【0030】
本発明の第10の態様に係る土留め用矢板は、前記第8の態様において、前記易切削部材の矢板は、前記易切削部材の矢板の厚さと前記鋼矢板の厚さとの差に対応した切欠き深さの切欠き部を前記鋼矢板と連結する側に有し、前記接合部材は、前記切欠き部に接合されることを特徴とする。
【0031】
本態様によれば、前記継手部材と前記鋼矢板との接合部の厚さと、前記継手部材と前記易切削部材の矢板との接合部の厚さとを、同様にすることができる。すなわち、前記継手部材と前記易切削部材の矢板との接合部の厚さが前記継手部材と前記鋼矢板との接合部の厚さよりも厚い形状ではなくなり、連結部全体の厚さを薄くすることができる。
【0032】
本発明の第11の態様に係る土留め用矢板は、前記第1から第10のいずれか1つの態様において、前記易切削部材の矢板における曲げ弾性率と矢板1枚当たりの断面二次モーメントとの積で表される曲げ剛性は、鋼矢板における曲げ剛性の25%以上であることを特徴とする。
【0033】
本態様によれば、曲げ剛性の高い土留め用矢板とすることができる。
【0034】
本発明の第12の態様に係る土留め用矢板は、前記第1から第11のいずれか1つの態様において、前記易切削部材の矢板の材料は、ガラス繊維及び炭素繊維の少なくとも一方或いは両方を合計で30質量%以上含有する繊維強化プラスチックであることを特徴とする。
【0035】
本態様によれば、高い強度と優れた切削性とを両立する易切削部材の矢板を使用した土留め用矢板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の土留め用矢板を使用可能な圧入機の一例を示す概要図である。
【
図2】本発明の実施例1−3に係る土留め用矢板の要部概要図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る土留め用矢板の要部拡大図である。
【
図4】本発明の実施例4−6に係る土留め用矢板の要部概要図である。
【
図5】本発明の実施例7に係る土留め用矢板の要部概要図である。
【
図6】本発明の実施例8に係る土留め用矢板の要部概要図である。
【
図7】本発明の実施例9−10に係る土留め用矢板の要部概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、本発明について実施例に基づき詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に制約されるわけではない。
最初に、本発明の土留め用矢板を使用可能な圧入機について説明する。
図1は、本発明の土留め用矢板を使用可能な圧入機の一例を示す概要図である。
【0038】
図1(A)は、圧入機1の全体の概要図を示している。
圧入機1は機械本体部2とチャック機構7とで構成される。機械本体部2は、サドル3、リーダーマスト4、アーム5、クランプ6a、6b、6c、6dを備えている。アーム5は支柱11を介してチャック機構7のシリンダ装置8と連結している。なお、リーダーマスト4とアーム5は固定されており、一体化してサドル3に対して方向Bに移動可能である。このため、チャック機構7で土留め用矢板13を把持させてこれらを一体化してサドル3に対して方向Bに移動させることで、機械本体部2を方向Bに移動させることができる。さらに、土留め用矢板13の地盤への圧入と機械本体部2の移動とを繰り返すことにより、圧入機1を方向Bに移動させることができる。
【0039】
チャック機構7は、シリンダ装置8、チャックフレーム9、土留め用矢板13を把持可能な把持機構としてのチャック10を備えている。また、支柱11を介してシリンダ装置8は機械本体部2に連結しており、チャック機構7は土留め用矢板13を把持したチャック10を方向Aに往復移動させることが可能である。すなわち、チャック機構7は移動機構としての役割を有している。
【0040】
圧入機1は、サドル3に設けられたクランプ6a、6b、6c、6dで既設の土留め用矢板13を把持することで該土留め用矢板13から反力を取って、該土留め用矢板13に連結して新たな土留め用矢板13を圧入して埋設する。次に、リーダーマスト4をサドル3に対して方向Bに移動させることで、埋設された土留め用矢板13上を方向B1に土留め用矢板13の1本分だけ移動する。次に、上記と同様の方法で既設の土留め用矢板13から反力を取って、新たに土留め用矢板13を地盤に圧入する。これらの動作を順次繰り返して土留め用矢板13を順次圧入する。
【0041】
なお、土留め用矢板13を地盤に圧入する際、土留め用矢板13を把持したチャック10を方向Aに繰り返し往復移動させる。圧入機1において、その往復移動におけるチャック10の移動可能距離は距離L1である。すなわち、圧入機1は、最大で距離L1まで、1回のチャック10の往復移動(ストローク)で土留め用矢板13を地盤に圧入することが可能である。
【0042】
本発明の土留め用矢板13は、鋼矢板と易切削部材の矢板とを継手部材を用いて連結する土留め用矢板である。このような土留め用矢板を圧入機1で用いる場合、鋼矢板と易切削部材の矢板との連結部(継手部材を用いて連結された連結部)をチャック10が把持できない場合がある。このため、該連結部をチャック10が把持することなく土留め用矢板13を地盤に圧入することが好ましい。このため、該連結部が1回のストロークでチャック10を通過することができるように、前記継手部材における前記鋼矢板と前記易切削部材の矢板との連結方向の長さは、距離L1以下であることが好ましい。具体的な前記継手部材における前記鋼矢板と前記易切削部材の矢板との連結方向の長さは、500mm以下が好ましい。
【0043】
図1(B)は、チャック機構7の概要上面図を示している。
チャック10には土留め用矢板13を挿入して把持するための挿入穴12が設けられている。圧入機1で使用可能な土留め用矢板13は、その厚さが挿入穴12の幅W(チャック10が把持可能な厚さ)以下である必要がある。土留め用矢板13に幅Wよりも厚い部分があると、該部分を挿入穴12に挿入することができないためである。
【0044】
本発明の土留め用矢板13は、鋼矢板と易切削部材の矢板とを継手部材を用いて連結する土留め用矢板である。このような土留め用矢板では、継手部材を用いて連結された連結部において、該継手部材と前記鋼矢板及び前記易切削部材の矢板との接触方向の厚さが最も厚くなる場合が多い。このため、該連結部の厚さは幅W以下であることが好ましい。具体的な連結部の厚さは50mm以下であることが好ましい。
【0045】
以下に、本発明の土留め用矢板13の実施例を挙げながら具体的に説明する。
図2は、本発明の実施例1−3に係る土留め用矢板の要部概要図である。
【0046】
[実施例1]
図2(A)は、本発明の実施例1に係る土留め用矢板13の要部概要図であり、鋼矢板15と易切削部材の矢板16との連結部14を表す図である。
本実施例の連結部14は鋼矢板15と易切削部材の矢板16とを継手部材19a、19bで両側から挟んで接合している。しかし、本発明の土留め用矢板はこのような構成に限定されず、鋼矢板及び易切削部材の矢板に対して継手部材を片側から接合する構成であってもよい。
【0047】
鋼矢板15は、溶接により、継手部材19a、19bと接合されている。また、易切削部材の矢板16は、ネジ山を備えたボルト17及びボルト17の両端に嵌合したナット18により、継手部材19a、19bと接合されている。
【0048】
易切削部材の矢板16は、鋼矢板15よりも柔軟性には優れるが強度は低い。このため、易切削部材の矢板16を鋼矢板15と同様の強度(曲げ剛性等)にするためには、易切削部材の矢板16の厚さT2を鋼矢板15の厚さT1よりも厚くする必要がある。具体的には、易切削部材の矢板16の曲げ剛性(曲げ弾性率と矢板1枚当たりの断面二次モーメントとの積)が鋼矢板15の曲げ剛性に対して25%以上になる厚さにすることが好ましい。なお、本実施例の鋼矢板15と易切削部材の矢板16の連結方向における幅は同様である。
【0049】
また、易切削部材の矢板16の材料は、高い強度と優れた切削性とを両立するため、繊維強化プラスチックであることが好ましい。特に、ガラス繊維及び炭素繊維の少なくとも一方或いは両方を合計で30質量%以上含有する繊維強化プラスチックであることが好ましい。さらに、曲げ強度の観点から、ガラス繊維及び炭素繊維の少なくとも一方或いは両方を合計で40質量%以上含有する繊維強化プラスチックであることが好ましい。
【0050】
本実施例における易切削部材の矢板16は、ガラス繊維及び炭素繊維の合計含有量は50質量%である。また、厚さT2は23mm、曲げ弾性率は32000N/mm
2、断面二次モーメントは矢板1枚当たり5040cm
4であった。また、本実施例における鋼矢板15は、厚さT2は13mm、曲げ弾性率は200000N/mm
2、断面二次モーメントは矢板1枚当たり2220cm
4であった。すなわち、易切削部材の矢板16の曲げ剛性は鋼矢板15の曲げ剛性に対して36%であった。また、継手部材19a、19bは厚さが6mm及び9mmで構成されるものを用いた。
【0051】
また、連結部14の強度は矢板部分(鋼矢板15及び易切削部材の矢板16)よりも強度が低くなる場合が多い。このため、連結部14における継手部材19a、19bと鋼矢板15及び易切削部材の矢板16との接触方向の厚さT3と、継手部材19a、19bにおける鋼矢板15と易切削部材の矢板16との連結方向の長さL2とは、強度の観点から決定されることが好ましい。具体的には、連結部14の曲げ破壊荷重が易切削部材の矢板16の曲げ破壊荷重の0.6倍以上となるように、厚さT3と長さL2とは決定されることが好ましい。本実施例の易切削部材の矢板16の曲げ破壊荷重は、205.5kNであり、鋼矢板15の公称曲げ破壊荷重の100%以上であった。
【0052】
なお、把持機構の把持可能厚さ及び往復移動可能距離は、鋼矢板の中でも特に使用頻度の多いU型鋼矢板を使用するほとんどの汎用の圧入機において共通化されている。本発明の土留め用矢板13は、このような汎用の圧入機で使用可能であることが好ましい。このため、厚さT3は50mm以下、長さL2は500mm以下であることが好ましい。
【0053】
また、本実施例の土留め用矢板13は、継手部材19a、19bと鋼矢板15とは溶接により接合され、継手部材19a、19bと易切削部材の矢板16とは接合部材としてのボルト17及びナット18を用いて接合されている。ここで、継手部材19a、19bと易切削部材の矢板16との接合部の長さL4は、継手部材19a、19bと鋼矢板15との接合部の長さL3よりも長い。別の表現をすると、継手部材19a、19bと易切削部材の矢板16との接触面Sb1、Sb2の合計の面積は、継手部材19a、19bと鋼矢板15との接触面Sa1、Sa2の合計の面積よりも大きい。このような構成としているのは、連結部14の強度を高めるためである。
【0054】
継手部材19a、19bと鋼矢板15とは溶接により接合されていることで強固に接合される。継手部材19a、19bと易切削部材の矢板16とは、連結方向に長く広い接触面で接合されていることで強固に接合される。特に、該接触面を連結方向に長くとることで、鋼矢板15と接合する側の端部から鋼矢板15と接合する側のボルト17までの長さである切り裂き長さL5を長くすることができる。切り裂き長さL5を長くすることで連結部14の強度を高くすることが可能になる。
【0055】
また、本実施例の継手部材19bは、易切削部材の矢板16の厚さと鋼矢板15の厚さとの差に対応した切欠き深さの切欠き部を易切削部材の矢板16と接触する側に有している。また、易切削部材の矢板16は、該切欠き部に接合されている。連結部14をこのような構成とすることで、連結部14の強度を高く維持し、連結部14の厚さT3を薄くすることが可能である。別の表現をすると、継手部材19a、19bと易切削部材の矢板16との接合部の厚さが継手部材19a、19bと鋼矢板15との接合部の厚さよりも厚い形状ではなくなり、連結部14全体の厚さを薄くすることができている。
【0056】
次に、本実施例の土留め用矢板13における接合部材について説明する。
図3は、本発明の実施例1に係る土留め用矢板の接続部14の拡大図である。
本実施例の土留め用矢板13は、継手部材19a、19b及び易切削部材の矢板16とボルト17との隙間を充填部材Eが充填されている。このため、継手部材19a、19b及び易切削部材の矢板16とボルトとの隙間がなくなっている。本実施例の土留め用矢板13は、該隙間がないため、土留め用矢板13が外部から力を受けた場合でも、接合間のすべりやズレ等が発生しにくく接合強度が高くなる。また、該隙間がないため、そこから土や水等が侵入せず、安全に掘削作業をすることが可能となる。
【0057】
本実施例の充填部材Eは、管状の金属製部材である。ただし、本発明はこのような構成に限定されず、充填部材Eとして、管状の樹脂製部材或いは液状の樹脂をボルトとの隙間に充填して固化させたものなども使用できる。また、このような充填部材を継手部材19a、19b及び易切削部材の矢板16とボルトとの隙間に充填しないものも本発明に含まれる。
【0058】
なお、本実施例の土留め用矢板13は、継手部材19a、19bと易切削部材の矢板16とは接合部材としてボルト17及びナット18を用いている。しかし、本発明の土留め用矢板13は、これらと共に又はこれらとは別に、継手部材19a、19bと易切削部材の矢板16との間に接着剤を充填して接合することも可能である。また、本実施例のボルト17はネジ山を備えた軸部のみからなる形状のボルトであるが、このようなボルトに限定されない。ネジ山を備えた軸部と頭部とからなるボルトでもよく、ボルトの頭部の形状も限定されない。
【0059】
[実施例2]
図2(B)は、本発明の実施例2に係る土留め用矢板13の要部概要図であり、鋼矢板15と易切削部材の矢板16との連結部14を表す図である。なお、実施例1の土留め用矢板と共通する部材には同じ符号で示しており、その詳細な説明は省略する。
本実施例の土留め用矢板13は、易切削部材の矢板16と継手部材19bとの接合部において、ナット18を使用せずボルト17のみを用いて接合されていることが実施例1の土留め用矢板13と異なっている。土留め用矢板13の連結部14をこのような構成とすることで、連結部14の強度を実施例1の連結部と同様に高く維持し、連結部14の厚さT4を実施例1の連結部の厚さT3よりも薄くすることが可能である。
【0060】
[実施例3]
図2(C)は、本発明の実施例3に係る土留め用矢板13の要部概要図であり、鋼矢板15と易切削部材の矢板16との連結部14を表す図である。なお、実施例1、2の土留め用矢板と共通する部材には同じ符号で示しており、その詳細な説明は省略する。
本実施例の土留め用矢板13は、易切削部材の矢板16と継手部材19a、19bの両方との接合部において、ナット18を使用せずボルト17のみを用いて接合されていることが実施例1及び実施例2の土留め用矢板13と異なっている。土留め用矢板13の連結部14をこのような構成とすることで、連結部14の強度を実施例1及び実施例2の連結部と同様に高く維持し、連結部14の厚さT5を実施例2の連結部の厚さT4よりもさらに薄くすることが可能である。
【0061】
[実施例4]
図4(A)は、本発明の実施例4に係る土留め用矢板13の要部概要図であり、鋼矢板15と易切削部材の矢板16との連結部14を表す図である。なお、実施例1〜3の土留め用矢板と共通する部材には同じ符号で示しており、その詳細な説明は省略する。
本実施例の土留め用矢板13の易切削部材の矢板16は、易切削部材の矢板16の厚さT3と鋼矢板15の厚さT1との差に対応した切欠き深さの切欠き部を鋼矢板15と連結する側に有している。そして、接合部材19cは、該切欠き部に接合されている。連結部14をこのような構成とすることで、連結部14の強度を高く維持し、連結部14の厚さT6を実施例1の連結部の厚さT3よりも薄くすることが可能である。
【0062】
[実施例5]
図4(B)は、本発明の実施例5に係る土留め用矢板13の要部概要図であり、鋼矢板15と易切削部材の矢板16との連結部14を表す図である。なお、実施例1〜4の土留め用矢板と共通する部材には同じ符号で示しており、その詳細な説明は省略する。
本実施例の土留め用矢板13は、易切削部材の矢板16と継手部材19cとの接合部において、ナット18を使用せずボルト17のみを用いて接合されていることが実施例4の土留め用矢板13と異なっている。土留め用矢板13の連結部14をこのような構成とすることで、連結部14の強度を実施例4の連結部と同様に高く維持し、連結部14の厚さT7を実施例4の連結部の厚さT6よりも薄くすることが可能である。
【0063】
[実施例6]
図4(C)は、本発明の実施例6に係る土留め用矢板13の要部概要図であり、鋼矢板15と易切削部材の矢板16との連結部14を表す図である。なお、実施例1〜5の土留め用矢板と共通する部材には同じ符号で示しており、その詳細な説明は省略する。
本実施例の土留め用矢板13は、易切削部材の矢板16と継手部材19a、19cの両方との接合部において、ナット18を使用せずボルト17のみを用いて接合されていることが実施例4及び実施例5の土留め用矢板13と異なっている。土留め用矢板13の連結部14をこのような構成とすることで、連結部14の強度を実施例4及び実施例5の連結部と同様に高く維持し、連結部14の厚さT8を実施例5の連結部の厚さT7よりもさらに薄くすることが可能である。
【0064】
[実施例7]
図5は、本発明の実施例7に係る土留め用矢板13の要部概要図であり、易切削部材の矢板16における鋼矢板15と連結する側と逆側(地盤に圧入する側)の端部22を表す図である。なお、実施例1〜6の土留め用矢板と共通する部材には同じ符号で示しており、その詳細な説明は省略する。
図5(A)は、本実施例の土留め用矢板13における易切削部材の矢板16の地盤に圧入する側の端部22の側面図である。また、
図5(B)は本実施例の土留め用矢板13における易切削部材の矢板16の地盤に圧入する側の端部22の正面図である。
【0065】
本実施例の土留め用矢板13は、易切削部材の矢板16の地盤に圧入する側の端部22に、易切削部材の矢板16を保護する保護カバー20を備えている。保護カバー20の先端部には刃先21が設けられ、刃先21を地盤に当接して土留め用矢板13を圧入する。なお、1枚の土留め用矢板13に2組の保護カバー20が備えられ、保護カバー20は夫々4組のボルト17及びナット18を用いて易切削部材の矢板16に接合されている。土留め用矢板13の地盤に当接する側の先端にこのような保護カバー20を備えることで、易切削部材の矢板16の保護だけでなく土留め用矢板13の圧入を容易にする。このため、このような保護カバー20を土留め用矢板13の地盤に当接する側の先端に備えることは好ましいが、本発明はこのような構成に限定されるわけではなく、保護カバーを備えない土留め用矢板13も本発明に含まれる。
【0066】
本実施例の土留め用矢板13に備えられた保護カバー20における地盤への圧入方向(縦方向)の長さL6及び2組の保護カバー20が並ぶ方向(横方向)の長さL7は共に100mm以下であることが好ましい。土留め用矢板13が地盤へ圧入された後に保護カバー20を回収する際、シールドマシンの排泥管を通して回収可能にするためである。
【0067】
[実施例8]
図6は、本発明の実施例8に係る土留め用矢板13の要部概要図であり、易切削部材の矢板16における地盤に圧入する側の端部22を表す図である。なお、実施例1〜7の土留め用矢板と共通する部材には同じ符号で示しており、その詳細な説明は省略する。
図6(A)は、本実施例の土留め用矢板13における易切削部材の矢板16の地盤に圧入する側の端部22の側面図である。また、
図6(B)は本実施例の土留め用矢板13における易切削部材の矢板16の地盤に圧入する側の端部22の正面図である。
【0068】
本実施例の土留め用矢板13と実施例7の土留め用矢板13との違いは、本実施例の土留め用矢板13の端部22に、緩衝材23が設けられているところである。本実施例の土留め用矢板13は、保護カバー20の刃先21と易切削部材の矢板16の地盤に圧入する側の先端部との間に緩衝材23を設けている。このことで、土留め用矢板13を地盤へ圧入する際の易切削部材の矢板16の保護効果は実施例7の土留め用矢板13よりも高くなっている。
なお、本実施例の保護カバー20の縦方向の長さL8は、実施例7の保護カバー20の縦方向の長さL6と同様であり、本実施例の保護カバー20の横方向の長さL9は、実施例7の保護カバー20の横方向の長さL7と同様である。
【0069】
[実施例9]
図7(A)は、本発明の実施例9に係る土留め用矢板13の要部概要図であり、易切削部材の矢板16と継手部材19e、19f、19g、19hとの接合部を表す横断面図である。なお、実施例1〜8の土留め用矢板と共通する部材には同じ符号で示しており、その詳細な説明は省略する。
本実施例の易切削部材の矢板16はU型の矢板であり、U型の鋼矢板15と3ヶ所で連結されている。詳細には、継手部材19e、19fにより2カ所で、継手部材19g、19hにより1カ所で連結されている。
【0070】
[実施例10]
図7(B)は、本発明の実施例10に係る土留め用矢板13の要部概要図であり、易切削部材の矢板16と継手部材19i、19jとの接合部を表す横断面図である。なお、実施例1〜9の土留め用矢板と共通する部材には同じ符号で示しており、その詳細な説明は省略する。
本実施例の易切削部材の矢板16はU型の矢板であり、U型の鋼矢板15と継手部材19i、19jで連結されている。継手部材19i、19jは、U型の易切削部材の矢板16及びU型の鋼矢板15と隙間なく接合するようU型の形状をしている。
【符号の説明】
【0071】
1 圧入機、2 機械本体部、3 サドル、4 リーダーマスト、5 アーム、
6a,6b,6c,6d クランプ、7 チャック機構、8 シリンダ装置、
9 チャックフレーム、10 チャック、11 支柱、12 挿入穴、
13 土留め用矢板、14 連結部、15 鋼矢板、16 易切削部材の矢板、
17 ボルト、18 ナット、19a,19b,19c,19d 継手部材、
19e,19f,19g,19h,19i,19j 継手部材、
20 保護カバー、21 刃先、22 易切削部材の矢板16の端部、23 緩衝材、
E 封止剤、L1 チャック10の移動可能距離、
L2 継手部材19a、19bの長さ、
L3 継手部材19a、19bと鋼矢板15との接合部の長さ、
L4 継手部材19a、19bと易切削部材の矢板16との接合部の長さ、
L5 切り裂き長さ、
L6 保護カバー20の縦方向の長さ、L7 保護カバー20の横方向の長さ、
L8 保護カバー20の縦方向の長さ、L9 保護カバー20の横方向の長さ、
Sa1 継手部材19a(19c)と鋼矢板15との接触面、
Sa2 継手部材19b(19d)と鋼矢板15との接触面、
Sb1 継手部材19a(19c)と易切削部材の矢板16との接触面、
Sb2 継手部材19b(19d)と易切削部材の矢板16との接触面、
T1 鋼矢板15の厚さ、T2 易切削部材の矢板16の厚さ、
T3,T4,T5,T6,T7,T8 連結部14の厚さ、
W 挿入穴12の幅