(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の制御基板に関連する制御機能の異常は、前記第1の制御基板と前記複数のすべてのインバータとの間の通信異常、前記第1の制御基板自体の異常、前記第1の制御基板と前記第2の制御基板との間の通信異常、または、前記ポンプの吐出側圧力を測定する圧力センサの異常であることを特徴とする請求項1に記載の給水装置。
【背景技術】
【0002】
給水装置などの回転機械装置においては、商用交流電源の周波数および電圧を任意の周波数および電圧に変換するインバータを用いることにより、ポンプを可変速運転することが広く行われている。インバータは、ポンプを駆動するモータの回転速度を任意に変えられるため、ポンプの負荷に対応した最適な回転速度で運転することが可能となり、定格速度で運転する場合に比較して省エネルギー化を図ることができる。
【0003】
給水装置には複数のポンプを複数のインバータを用いて駆動するものがあり、これらインバータは制御部によって制御される。このような複数のポンプおよびインバータを備えた給水装置においては、あるポンプが故障(漏電、過電流、欠相など)した場合には、自動的に他のポンプに切り替えることによって、断水を回避することができる。
【0004】
しかしながら、制御部に設けられた制御基板が何らかの不具合によって正常に動作しなくなった場合には、すべてのポンプが運転不能となってしまい、故障した制御基板を交換するまで断水状態が続くこととなる。
【0005】
このような観点から、ポンプを駆動するすべてのインバータを複数の制御基板により制御することによりポンプを運転することもなされている。それぞれの制御基板は、圧力センサ、フロースイッチ、受水槽の水位検出器などのポンプの運転制御に必要な物理量検出器に信号線を通じて接続されており、各制御基板はこれら物理量検出器の出力信号に基づいて動作する。このような制御システムによれば、1つの制御基板が故障しても、他の制御基板によって給水を継続することが可能となる。しかしながら、物理量検出器の数が増えるに従って信号線の数が多くなり、給水装置の設置現場での配線が煩雑となり、さらにコストが上昇するという問題がある。この問題について
図10を参照して説明する。
【0006】
図10は従来の給水装置を示す図である。給水装置は、受水槽402と、受水槽402に貯水された水を建物内の末端の需要先に供給する複数のポンプ404と、これらポンプ404を駆動する複数のモータ405と、これらモータ405に可変周波数の電圧を印加する複数のインバータ406と、インバータ406を制御する制御部407とを備えている。制御部407は2つの制御基板409,410を備えている。受水槽402内には、受水槽402の水位を検出する2つの水位検出器412,412が設けられている。各水位検出器412は、複数の電極棒412aから構成されている。
【0007】
各電極棒412aは、信号線414を介して制御基板409または制御基板410のいずれかに接続される。より具体的には、2つの水位検出器412,412のうちの一方の電極棒412aは、信号線414により第1の制御基板409に接続されており、2つの水位検出器412,412のうちの他方の電極棒412aは信号線414により第2の制御基板410に接続されている。
【0008】
このように、従来の給水装置では、1つの受水槽402の水位を検出する場合でも、2つの制御基板409,410用に2つの水位検出器412,412を受水槽402に設置していた。このため、電極棒412aと制御基板409,410とを接続する信号線の数が非常に多かった。例えば、各水位検出器412が8本の電極棒412aを備える場合には、合計16本の信号線が必要となる。さらに、2つの受水槽402が設けられる場合には、合計32本の信号線が必要となる。このように信号線の数が増えると、配線を誤ったり、信号線を誤って切断してしまうという問題が生じる。また、配線に必要な材料のコストが増大するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、ポンプの運転制御に必要な物理量検出器およびこれに接続される信号線の数を必要最小限に抑えることで、配線が容易で、かつ低コストの給水装置および給水方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明の第一の態様は、複数のポンプと、前記複数のポンプにそれぞれ連結された複数のモータと、前記モータに可変周波数の電圧を印加する複数のインバータと、それぞれが前記複数のインバータを単独で制御可能な第1の制御基板および第2の制御基板を含む制御部と、
前記複数のポンプに接続された受水槽の水位を検出する水位検出器と、前記
水位検出器を前記第1の制御基板または前記第2の制御基板のいずれか一方に選択的に接続する切り替えスイッチとを備え、前記制御部は、
前記複数のインバータを制御している前記第1の制御基板に関連する制御機能に異常があったときに、前記第2の制御基板が前記第1の制御基板に代わって前記複数のインバータを制御するバックアップ機能を有しており、前記バックアップ機能が作動すると、前記切り替えスイッチは、前記
水位検出器と前記第1の制御基板との接続を遮断するとともに、前記
水位検出器と前記第2の制御基板とを接続することを特徴とする給水装置である。
【0012】
本発明の好ましい態様は、前記第1の制御基板に関連する制御機能の異常は、前記第1の制御基板と前記複数のすべてのインバータとの間の通信異常、前記第1の制御基板自体の異常、前記第1の制御基板と前記第2の制御基板との間の通信異常、または、前記ポンプの吐出側圧力を測定する圧力センサの異常であることを特徴とする。
【0013】
本発明の好ましい態様は、前記第2の制御基板が前記切り替えスイッチを操作して前記
水位検出器と前記第1の制御基板との接続を遮断するとともに、前記
水位検出器と前記第2の制御基板とを接続することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第1の制御基板および前記複数のインバータは、通信線によって直列に接続されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記通信線に、前記第1の制御基板と前記複数のインバータとの通信を接続および遮断する接続スイッチを設け、前記接続スイッチは、前記バックアップ機能が作動したときに前記第1の制御基板と前記複数のインバータとの通信を遮断することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記接続スイッチは、前記切り替えスイッチの切替動作と同時に動作して前記第1の制御基板と前記複数のインバータとの通信を遮断することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第2の制御基板が前記接続スイッチを操作して前記第1の制御基板と前記複数のインバータとの通信を遮断することを特徴とする。
【0014】
本発明の好ましい態様は、前記複数の制御基板は、相互に通信監視するように互いに接続されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記第1の制御基板および該第2の制御基板が正常に動作しているか否かを監視する監視手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の他の態様は、複数のポンプに連結された複数のモータを複数のインバータによりそれぞれ駆動することによって給水する方法であって、
前記複数のポンプに接続された受水槽の水位を水位検出器により検出しながら、前記複数のインバータを第1の制御基板により単独で制御する工程と、
前記複数のインバータを制御している前記第1の制御基板に関連する制御機能に異常があったときに、前記第1の制御基板に代わって第2の制御基板により前記複数のインバータを制御するバックアップ運転工程と、前記バックアップ運転が開始されるときに、前記
水位検出器と前記第1の制御基板との接続を遮断するとともに、前記
水位検出器と前記第2の制御基板とを接続する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、通常の運転時は物理量検出器は第1の制御基板に接続され、バックアップ機能が作動して第2の制御基板によりインバータが制御されるときは物理量検出器は切り替えスイッチにより第2の制御基板に接続される。このように、切り替えスイッチは物理量検出器を選択的に第1の制御基板または第2の制御基板に接続することができるので、物理量検出器およびこの物理量検出器に接続された信号線の数を必要最小限に減らすことができる。これにより、配線が容易になり、かつ配線に必要な材料のコストを低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る給水装置の実施形態について
図1から
図9を参照して詳細に説明する。また、
図1から
図9において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態における給水装置を示す概略図である。
図1に示すように、給水装置は、配管10を介して受水槽2に接続される3つのポンプ3と、ポンプ3を駆動する3つのモータ4と、モータ4に可変周波数の電圧を印加する3つのインバータ5と、インバータ5をはじめとする各種機器を制御する制御部6とを備えている。
【0020】
受水槽2内には、受水槽2の水位を検出する水位検出器12が配置されている。水位検出器12は複数の電極棒12aを備えており、複数の液面レベル(満水、減水、復帰、渇水を含む)を検出することが可能となっている。受水槽2には、水道本管(図示せず)に接続された給水管14から電磁弁16を介して水道水が導入されるようになっている。水位検出器12により受水槽2の水位が検出され、水位の増減に応じて制御部6により電磁弁16が開閉される。このような構成により、水道水は受水槽2にいったん貯水され、この貯水された水がポンプ3により住宅等の建物内の末端の需要先に供給される。
【0021】
ポンプ3の吐出口には吐出管18がそれぞれ接続されており、これら吐出管18は集合管20に接続されている。水道水は集合管20を通って受水槽2内の末端の需要先に供給される。各吐出管18にはチェッキ弁22およびフロースイッチ24が設けられている。チェッキ弁22はポンプ3が停止した場合に吐出側から吸込側に水が逆流することを防止するための逆流防止弁であり、フロースイッチ24は吐出管18内の水量が少なくなったことを検出するための少水量検出器である。フロースイッチ24の出力信号(少水量検出信号)は制御部6に入力される
【0022】
集合管20には、ポンプ3の吐出側圧力を検出する圧力センサ26,27が設置されている。これら圧力センサ26,27は互いに近接して配置されており、集合管20の同じ箇所に配置されている。圧力センサ26,27の出力信号は制御部6に入力されるようになっている。さらに、集合管20には圧力タンク28が接続されており、フロースイッチ24によって水量が少なくなったことが検出されると、ポンプ3の締切運転を防止するために、ポンプ3は圧力タンク28に蓄圧してからその運転を停止するようになっている。また、図示しないが、それぞれのポンプ3には、ポンプ3の温度を測定するサーミスタが取り付けられている。各サーミスタの出力信号(ポンプ温度を示す信号)は、制御部6に送信されるようになっている。
【0023】
インバータ5は、それぞれ図示しない漏電遮断器(Earth Leakage Circuit Breaker:ELB)を介して電源(商用電源)に接続されており、この電源から漏電遮断器を通じて交流電圧がそれぞれのインバータ5に供給されるようになっている。各インバータ5は、入力された交流電圧を直流電圧に変換し、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子を駆動して所望の周波数の交流電圧(制御部6から送られる情報に応じた周波数の電圧)に変換して、モータ4にこの電圧を印加し、モータ4を駆動する。漏電遮断器は、図示しない信号線を介して制御部6に接続されており、漏洩遮断器の動作(すなわち、電力供給の遮断)を示す信号が制御部6に送られるようになっている。
【0024】
ポンプ3の回転速度(回転周波数)は、フロースイッチ24や圧力センサ26(または圧力センサ27)の出力信号に基づいて、インバータ5を用いて可変速制御される。一般的には、圧力センサ26(または圧力センサ27)により検出された吐出側圧力が設定された目標圧力と一致するようにポンプ3の回転速度を制御してポンプ3の吐出側圧力が一定になるように制御する吐出圧力一定制御や、ポンプ3の吐出側圧力の目標値を適切に変化させることにより末端の需要先における供給水圧を一定に制御する推定末端圧力一定制御などが行われる。これらの制御によれば、その時々の需要水量に見合った回転速度でポンプ3が駆動されるので、省エネルギーを達成することができる。
【0025】
フロースイッチ24がONになると、水の使用のない、すなわち水量が少ない状態と判断され、ポンプ3の運転が停止される。圧力センサ26(または圧力センサ27)によって測定される吐出側圧力の低下から水の使用が検出されると、ポンプ3が再起動される。水量の少ないときにポンプ3を停止する場合には、一旦ポンプ3を加速して、圧力タンク28に蓄圧してからポンプ3を停止する蓄圧運転が行われる。
【0026】
制御部6は、インバータ5の制御を行う2つの制御基板60a,60bと、各種設定および表示を行う操作表示器70a,70bと、制御基板60a,60bに電源を供給する電源基板80a,80bとを備えている。電源基板80aおよび操作表示器70aは制御基板60aに接続され、電源基板80bおよび操作表示器70bは制御基板60bに接続されている。電源基板80a,80bは互いに同一の構成を有しており、操作表示器70a,70bも互いに同一の構成を有している。本実施形態では、電源基板80a,80bは制御基板60a,60bとは別に設けられているが、これらの電源基板80a,80bをそれぞれ制御基板60a,60bと一体に設けてもよい。制御基板60aは、水位検出器12、圧力センサ26、フロースイッチ24、サーミスタ、および漏電遮断器に接続され、同様に、制御基板60bは、水位検出器12、圧力センサ27、フロースイッチ24、サーミスタ、および漏電遮断器に接続されている。
【0027】
水位検出器12、圧力センサ26,27、フロースイッチ24、およびサーミスタは、ポンプ3の運転制御に必要な物理量を検出する物理量検出器である。以下、これらを総称して、適宜、物理量検出器と呼ぶ。制御基板60a,60bは、これら物理量検出器から送られてくる物理量信号に基づいて、ポンプ3の運転を制御する。例えば、制御基板60aは、圧力センサ26から送られてくる吐出側圧力の測定値に基づいて、ポンプ3の回転速度を制御する。さらに、制御基板60aは、水位検出器12から送られてくる水位信号が渇水を示している場合には、ポンプ3の運転を停止させる。
【0028】
制御基板60a,60bは同一の構成を有するものであるので、以下制御基板60aについてのみ説明する。制御基板60aは、インバータ5と接続される通信部(シリアルポート)61と、各種のプログラムを記憶したメモリ(ROMや書換え可能な不揮発性記憶素子であるフラッシュメモリ等)62と、メモリ62に記憶されたプログラムに基づいて演算制御動作を行うCPU63とを備えている。通信部61を介してポンプ3の発停や回転速度、インバータ5のトリップ等の情報の授受が行われる。メモリ62とCPU63とは同一の半導体チップ上に搭載されたものであってもよい。なお、制御基板60a,60bはシリアル通信を使用してインバータ5を制御することなく、アナログ信号を使用してインバータ5を制御してもよい。
【0029】
また、制御基板60aは、水位検出器12、圧力センサ26、フロースイッチ24、サーミスタ、および漏電遮断器の出力信号が入力される入力端子と、外部に信号を出力する出力端子とを備えた入出力部(例えば、入出力基板)65を有している。入力端子に入力される信号としては、受水槽2の水位信号、吐出側圧力信号、少水量検出信号、ポンプ3の温度信号、および漏電発生信号などである。出力端子から出力される信号としては、受水槽2の状態(満水・減水・渇水・故障など)を示す信号、故障または異常を知らせる信号、および電磁弁16を操作するための信号が挙げられる。
【0030】
制御基板60aは電源基板(電源部)80aに接続されている。制御基板60aのメモリ62やCPU63は、電源基板80aから直流電力の供給を受けて駆動するようになっている。CPU63は、メモリ62に格納されている制御プログラムを実行して、操作表示器70aで設定された条件や物理量検出器からの信号に基づいて、各ポンプ3の発停(運転台数)および運転速度を決定し、インバータ5に指令を送信してポンプ3の回転速度制御を行う。さらに、CPU63は、物理量検出器からの信号やインバータ5からのトリップ信号により、ポンプ3の運転を停止する、あるいは他のポンプ3に運転を切り替えるなどの制御を行う。
【0031】
操作表示器70aについて
図2を参照して説明する。
図2に示すように、操作表示器70aは、給水装置の状態を示すランプ71と、給水装置の目標圧力等の運転条件を設定する操作ボタン72と、給水装置に関する情報を表示するための液晶ディスプレイや7セグメント表示器などからなる表示部73とを備えている。操作ボタン72により、運転モードの選択や運転条件の設定を行う。また、表示部73には、運転中の装置のパラメータなどが表示される。
【0032】
制御部6の操作表示器70aは、上述したインバータ5に関する情報を表示する機能に加えて、操作ボタン72の操作により、給水装置の運転中の吐出圧力や流入圧力等を選択的に表示させることができる機能を有している。また、操作ボタン72の操作により、給水装置の目標圧力等の運転条件を設定することができる。また、この操作表示器70aは警報ブザーを備えており、警報が出されたときは、警報ブザーを鳴らすとともに、表示部73に警報内容が表示されるようになっている。
【0033】
図3は、制御基板60a,60bとインバータ5との通信を示すブロック図である。複数のインバータ5は通信線104により直列に接続されている。さらに、制御基板60aは複数のインバータ5のうちの1台と通信線101により接続されている。したがって、制御基板60aと複数のインバータ5とは、通信線101,104によって直列に接続されている。同様に、制御基板60bは複数のインバータ5のうちの1台と通信線102により接続され、制御基板60bおよび複数のインバータ5は、通信線102,104によって直列に接続されている。
【0034】
さらに、制御基板60aと制御基板60bとは、通信線103によって接続されている。上述したように、制御基板60a,60bは同一の構成であり、互いにシリアル通信によって接続され相互に通信監視される。すなわち、制御基板60aは制御基板60bによって通信監視され、制御基板60bは制御基板60aによって通信監視される。それぞれの制御基板60a,60bは、単独ですべてのインバータ5を制御することができるようになっている。したがって、たとえ一方の制御基板60aに関連する制御機能に異常(制御基板60aのCPUエラー、通信異常、圧力センサ26の異常など)が発生しても、他方の待機中の制御基板60bでバックアップすることで、給水装置の最大水量で運転を継続することができ、断水を回避することができる。
【0035】
ここで、制御基板60aに関連する制御機能の異常としては、制御基板60aとインバータ5との間の通信異常、制御基板60a自身の異常(例えば、CPU63の異常)、制御基板60aと制御基板60bとの間の通信異常、および圧力センサ26の異常が挙げられる。このような異常は、制御基板60aまたは制御基板60bによって検出される。制御基板60aによって異常が検出されたときは、制御基板60aは通信線103を通じて制御基板60bに異常検出信号を送信する。さらに、制御基板60aは、入出力部65を介して外部に異常発生信号を出力し、表示操作器70aには異常が発生したことを示す警報が表示される。制御基板60bは、制御基板60aに代わって複数のインバータ5を制御する。
【0036】
このように、制御基板60aがすべてのインバータ5の制御を継続できなくなったときは、制御基板60bが制御基板60aに代わってインバータ5の制御を継続する。このようなバックアップ機能により、給水装置はその給水動作を継続することが可能である。上述したように、圧力センサ26は制御基板60aに接続され、圧力センサ27は制御基板60bに接続されている。これは、仮に圧力センサ26が故障したために制御基板60aがインバータ5を制御できなくなっても、制御基板60bが圧力センサ27の出力信号に基づいてインバータ5を制御することで給水装置全体の運転を継続可能とするためである。
【0037】
上述の説明では、制御基板60aが主制御基板として機能し、制御基板60bがバックアップ用制御基板(予備制御基板)として機能しているが、制御基板60aをバックアップ用制御基板(予備制御基板)として機能させ、制御基板60bを主制御基板として機能させてもよい。制御基板60aと制御基板60bのどちらを優先させて使用するかは、任意に設定することができ、必要に応じて切り替えることができる。
【0038】
上述した例では、制御基板60aと制御基板60bとを同一の構成とした例について説明したが、バックアップ運転用制御基板(予備制御基板)は、インバータ5の制御に必要な最低限の構成を有していれば、必ずしも主制御基板と同一の構成を有する必要はない。例えば、制御基板60bをバックアップ運転用の制御基板として用いて、インバータ5(ポンプ3)の制御に必要な最低限の構成を有するように機能を簡略化してもよい。このようにすることで、装置全体のコストを低減することができる。
【0039】
制御基板60aに関連する制御機能の不具合によりバックアップ運転用の制御基板60bが動作すると、制御基板60aが故障した旨の警報および通知を行う。これにより、メンテナンスのため作業者が現地に行って修理を行うことになる。このように、バックアップ運転用の制御基板60bの運転時には作業者が現地に行っているので、バックアップ運転用の制御基板60bに不具合があっても外部に必ずしも通報する必要はない。したがって、バックアップ運転用の制御基板60bでは、故障および警報の外部通知用の出力端子を省略してもよい。
【0040】
バックアップ機能が作動するための条件である制御基板60aに関連する制御機能の異常とは、以下に列挙するものである。
(1)制御基板60aとすべてのインバータ5との間での通信異常
例えば、制御基板60aからの指令信号に対して、すべてのインバータ5からの応答がない場合がこの通信異常に該当する。このタイプの通信異常の原因としては、通信線101の断線や、制御基板60aの通信部61の故障などが挙げられる。制御基板60aとインバータ5との通信異常は制御基板60aによって検出される。制御基板60aがこの通信異常を検出すると、制御基板60aは通信線103を通じて制御基板60bに異常信号を送信する。インバータ5のうちのいくつかとの通信が正常に行われている場合は、制御基板60aは通信異常と判断しない。これは、インバータ5自体が故障していると考えられるからである。したがって、この場合は、バックアップ動作は行われない。
(2)制御基板60a自体の異常
例えば、制御基板60aのCPU63が故障した場合は、制御基板60a自体の異常に該当する。このような制御基板60a自体の異常は、制御基板60a自身によって検出される。制御基板60aが自身の異常を検出すると、制御基板60aは通信線103を通じて制御基板60bに異常信号を送信する。しかしながら、制御基板60aが自身の異常を制御基板60bに送信できない場合もありうる。このような場合は、制御基板60bが通信線103を通じて制御基板60aの異常を検出する。
(3)制御基板60aと制御基板60bとの間での通信異常
例えば、制御基板60aと制御基板60bとを接続する通信線103が断線した場合がこれに該当する。この制御基板60a,60b間の通信異常は、制御基板60bによって検出される。例えば、制御基板60bから制御基板60aへの指令信号に対して、制御基板60aが応答しない場合は、制御基板60bは制御基板間に通信異常が発生したと判断する。
(4)圧力センサ26の異常
圧力センサ26が故障すると、制御基板60a自体や通信が正常であっても、制御基板60aはインバータ5を正しく制御することができない。圧力センサ26の異常は制御基板60aによって検出される。例えば、圧力センサ26からの信号が既定の範囲内(例えば1Vから5Vの範囲)にない場合、制御基板60aは圧力センサ26の異常発生を検出する。制御基板60aが圧力センサ26の異常を検出すると、制御基板60aは通信線103を通じて制御基板60bに異常信号を送信する。
【0041】
図3では、制御基板60aと制御基板60bとは通信線103を通じて相互に通信監視しているが、制御基板60a,60bとは別に設けられた監視手段(例えば、監視基板)によりこれら制御基板60a,60bを監視してもよい。
図4は、制御基板60a,60bを監視するための監視基板40を備えた給水装置を示すブロック図である。監視基板40は、制御基板60aおよび制御基板60bと接続可能な通信ポート(図示せず)を備えている。監視基板40は、通信線41により制御基板60aに接続され、さらに通信線42により制御基板60bに接続されている。監視基板40はこれらの通信線41,42を介して制御基板60aおよび制御基板60bがそれぞれ正常に動作しているかどうかを監視し、制御基板60aおよび制御基板60bのうちの一方に異常があった場合には、制御基板60aおよび制御基板60bのうちの他方に異常検出信号を送信するように構成されている。このように、両方の制御基板60a,60bの異常を一括して監視する監視基板(監視手段)40を設けることもできる。
【0042】
上述したように、圧力センサ26の出力信号は制御基板60aに入力され、圧力センサ27の出力信号が制御基板60bに入力される。
図1に示すように、圧力センサ26,27は、集合管20の同じ箇所に配置されているので、これら圧力センサ26,27によって測定された圧力値は、通常は互いに等しくなる。しかしながら、圧力センサ26,27の個体差に起因して、測定された圧力値が異なることがある。そこで、ポンプ3の通常運転時は、圧力センサ26によって取得された圧力値が操作表示器70aおよび操作表示器70bの両方に表示される。
【0043】
バックアップ運転中は、制御基板60bが圧力センサ27の出力値に基づいてインバータ5を制御し、圧力センサ27の出力値は操作表示器70bに表示される。
【0044】
制御基板60aがインバータ5を制御している間に制御基板60bが圧力センサ27の異常を検出すると、操作表示器70bには圧力センサ27に異常が発生したことを示す警報が表示される。
【0045】
制御基板60aがインバータ5を制御している間に制御基板60aが圧力センサ26の異常を検出すると、制御基板60bによるバックアップ動作が行われる。このとき、操作表示器70bに表示される圧力値は、圧力センサ26の出力値から圧力センサ27の出力値に切り替えられる。さらに、操作表示器70aには圧力センサ26に異常が発生したことを示す警報が表示される。
【0046】
水位検出器12は複数の電極棒12aから構成される。これら電極棒12aは複数の第1の水位信号線125にそれぞれ接続されている。複数の第1の水位信号線125は複数の電極棒12aに対応して設けられている。電極棒12aはこれら第1の水位信号線125を通じて切り替えスイッチ120に接続されている。さらに、切り替えスイッチ120は、第2の水位信号線126および第3の水位信号線127により制御基板60a,60bにそれぞれ接続されている。すなわち、切り替えスイッチ120は、第2の水位信号線126を通じて制御基板60aに接続されるとともに、第3の水位信号線127を通じて制御基板60bに接続されている。
【0047】
切り替えスイッチ120は、水位検出器12を制御基板60aまたは制御基板60bのいずれかに選択的に接続する。通常の運転時には、切り替えスイッチ120は、第1の水位信号線125を第2の水位信号線126に接続している。したがって、水位検出器12は、切り替えスイッチ120を介して制御基板60aに接続されている。制御基板60aに関連する制御機能に異常が起こると、制御基板60bによるバックアップ動作が行われる。制御基板60bは切り替えスイッチ120を操作して、制御基板60aと水位検出器12との接続を遮断するとともに、制御基板60bと水位検出器12との接続を確立する。これにより、水位検出器12の出力信号(水位信号)は、制御基板60aには送信されず、制御基板60bに送信される。
【0048】
このような切り替えスイッチ120を設けることにより、1つの水位検出器12を制御基板60aおよび制御基板60bの両方に共通して使用することが可能となる。すなわち、従来の給水装置のように、主制御基板用と予備制御基板用に2つの水位検出器を設ける必要がない。したがって、水位検出器12およびこれに接続される信号線の数を必要最小限に少なくすることができる。これにより、配線が容易になり、かつ配線に必要な材料のコストを低減することができる。
【0049】
切り替えスイッチ120を設けずに、水位検出器12から延びる信号線を2つの信号線に分岐させ、一方を制御基板60aに、他方を制御基板60bに接続することも考えられるが、このような構成では次のような問題が生じる可能性がある。すなわち、何らかの原因で一方の制御基板内で短絡が起こると、他方の制御基板はその短絡を電極棒12a間の導通と誤認し、液面レベルを誤検出する可能性がある。また、落雷などにより、水位検出器12に大電流(サージ電流)が流れると、信号線を通じて制御基板60aおよび制御基板60bにサージ電流が流れ、制御基板60a,60bが同時に故障するおそれがある。また、制御基板60a,60bにサージ対策を施してもこれらの制御基板が故障するおそれを完全になくすことが困難である。
【0050】
本実施形態によれば、予備制御基板60bによるバックアップ運転が開始されるとき、制御基板60bにより切り替えスイッチ120が操作され、制御基板60aと水位検出器12との間の接続が遮断され、同時に制御基板60bと水位検出器12とが接続される。すなわち、水位検出器12が同時に制御基板60aおよび制御基板60bの両方に接続されることがない。したがって、一方の制御基板内で短絡した場合でも他の制御基板が受水槽2内の液面レベルを誤検出することはない。また、水位検出器12に大電流が流れた場合でも制御基板60aおよび制御基板60bが同時に故障することはない。
【0051】
ポンプ3の通常運転時は、
図1に示すように、第1の水位信号線125と第2の水位信号線126とが接続され、水位検出器12からの出力信号は制御基板60aに入力される。制御部6は、上述したように、制御基板60aに関連する制御機能に異常が起こると、待機中の制御基板60bが制御基板60aをバックアップしてすべてのインバータ5を制御するバックアップ機能を有している。制御基板60bが待機している(待機中の)ときは、その制御基板60b自体はインバータ5を制御しないが、接続された圧力センサ27やインバータ5の制御を行っている制御基板60aを監視し、それらの状態を示す信号を他の機器に出力できる状態となっている。通常の運転では、制御基板60aによってすべてのインバータ5の運転が制御され、制御基板60bは待機している。制御基板60aに関連する制御機能に異常が発生したときに、バックアップ機能が作動して制御基板60bによるバックアップ運転が行われる。バックアップ運転中は制御基板60bによりすべてのインバータ5が制御される。したがって、給水装置はその最大水量で運転を継続することができ、断水を回避することができる。バックアップ運転が行われるときに、切り替えスイッチ120により水位検出器12の接続先は、制御基板60aから制御基板60bに切り替えられる。
【0052】
図5は、制御基板60aとインバータ5との間の通信線101に接続スイッチ130が設けられた図である。
図5に示すように、通信線101には、接続スイッチ130が設けられている。この接続スイッチ130は、制御基板60aと3台のインバータ5との間の通信を接続および遮断するON−OFFスイッチである。接続スイッチ130をONにすると、制御基板60aとインバータ5との間の通信が確立される。一方、接続スイッチ130をOFFにすると、通信線101が電気的に切断され、制御基板60aとインバータ5との間の通信が遮断される。
図5は接続スイッチ130がONであり、制御基板60aがインバータ5に接続されている状態を示している。したがって、インバータ5は制御基板60aによって制御されている。
【0053】
制御基板60bは、バックアップ機能が作動するときに、接続スイッチ130をOFFにし、制御基板60aと複数のインバータ5との間の通信を遮断する。これにより、制御基板60aはインバータ5を制御することができなくなり、代わりに制御基板60bが3台のインバータ5を制御する。このように接続スイッチ130によって制御基板60aと複数のインバータ5との間の通信が強制的に遮断されるので、異常が発生した制御基板60aから誤った指令が複数のインバータ5に送られることがない。したがって、インバータ5は、制御基板60bによって正常に制御される。
【0054】
制御基板60aに関連する制御機能に異常が起きたとき、制御基板60bは接続スイッチ130をOFFにして制御基板60aとインバータ5との通信を遮断し、さらに切り替えスイッチ120を操作して水位検出器12と制御基板60aとの接続を遮断するとともに水位検出器12と制御基板60bを接続させるように構成されている。
【0055】
図6は、接続スイッチ130が操作されて制御基板60aとインバータ5との通信が遮断され、かつ切り替えスイッチ120が操作されて水位検出器12が制御基板60bに接続された状態を示す図である。制御基板60aに関連する制御機能に異常(制御基板60aのCPUエラー、通信異常、圧力センサ26の異常など)が発生した場合、
図6に示すように、制御基板60bは、接続スイッチ130をOFFにし、制御基板60aと複数のインバータ5との間の通信を遮断する。さらに、制御基板60bは、切り替えスイッチ120を操作して、水位検出器12と制御基板60aとの接続を遮断するとともに、水位検出器12と制御基板60bとの接続を確立する。接続スイッチ130および切り替えスイッチ120は、リレー回路や半導体スイッチから構成することができる。また、切り替えスイッチ120と接続スイッチ130を同時に動作させることが好ましい。これらのスイッチ120,130を同時に動作させることで、異常が発生した制御基板60aから誤った指令が送られることをより確実に防止することができる。
【0056】
図7は、制御部6のバックアップ機能の有無および水位検出器12の設置数を設定するフローチャートである。
図7に示すフローチャートは、表示操作器70aを通じて作業員によって入力された設定信号に従って、制御基板60a内のCPU63が実行する。
【0057】
まず、バックアップ機能の有無が選択される。表示操作器70aを通じて入力された設定信号がバックアップ機能なしを示す信号である場合には、CPU63はバックアップ機能がない条件でインバータ5の制御プログラムを実行する。表示操作器70aを通じて入力された設定信号がバックアップ機能ありを示す信号である場合には、次に水位検出器12の設置数が選択される。入力された設定信号が、水位検出器12の設置数が2つであることを示す信号である場合は、CPU63はバックアップ機能があり、かつ2つの水位検出器12がある条件でインバータ5の制御を実行する。この場合は、
図10に示すように、2つの水位検出器12はそれぞれ2つの制御基板60a,60bに接続される。入力された設定信号が、水位検出器12の設置数が1つであることを示す信号である場合は、CPU63はバックアップ機能があり、かつ1つの水位検出器12がある条件でインバータ5の制御を実行する。この場合は、切り替えスイッチ120により、水位検出器12は制御基板60aまたは制御基板60bのどちらかに選択的に接続される。
図7に示すように、給水装置の仕様に応じて制御部6の動作条件を変更することにより、様々な仕様の給水装置に制御基板を共通に使用することができる。制御部6の動作条件は操作表示器70a,70bを操作することで変更できる。
【0058】
図8は、本発明のさらに他の実施形態における給水装置を示す概略図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、
図1に示す構成および動作と同じであるので、その重複する説明を省略する。なお、
図8では給水装置の一部が省略されており、圧力センサ26,27の配置は模式的に描かれている。
【0059】
図8に示す給水装置は、
図1に示す給水装置を2台連結した構成を有している。すなわち、
図8に示す給水装置は、並列に並ぶ6台のポンプ3と、これらポンプ3を駆動する6台のモータ4と、これらモータ4に可変周波数の電圧を印加する6台のインバータ5とを備えている。制御部6は、主制御基板として機能する制御基板60a,60cと、バックアップ用の予備制御基板として機能する制御基板60b,60dとを備えている。制御基板60b,60dは制御基板60a,60cをバックアップするための予備制御基板である。これら制御基板60a〜60dは同一の構成を有しているが、上述したようにバックアップ運転用の制御基板60b,60dは、インバータ5(ポンプ3)の制御に必要な最低限の構成のみを有してもよい。
【0060】
6台のインバータ5のうちの3台(符号5a,5b,5cで示す)は通信線104により直列に接続されており、残りの3台のインバータ5d,5e,5fは通信線204により直列に接続されている。制御基板60aは通信線101によってインバータ5aに接続されている。したがって、制御基板60aは通信線101,104によって3台のインバータ5a,5b,5cに直列に接続され、これら3台のインバータ5a,5b,5cの運転を制御する。制御基板60cは通信線201によってインバータ5dに接続されている。したがって、制御基板60cは通信線201,204によって3台のインバータ5d,5e,5fに直列に接続され、これら3台のインバータ5d,5e,5fの運転を制御する。
【0061】
同様に、制御基板60bは通信線102によってインバータ5cに接続されている。したがって、制御基板60bは通信線102,104によって3台のインバータ5a,5b,5cに直列に接続されている。制御基板60dは通信線202によってインバータ5fに接続されている。したがって、制御基板60dは通信線202,204によって3台のインバータ5d,5e,5fに直列に接続されている。さらに、制御基板60aと制御基板60cとは通信線151によって接続され、制御基板60bと制御基板60dとは通信線152によって接続されている。
【0062】
制御基板60cと制御基板60dとは通信線153によって接続されており、制御基板60a,60cと制御基板60b,60dとは通信により相互監視されている。
図4に示すように監視手段(例えば監視基板)によって制御基板60a,60cと制御基板60b,60dの両方を監視してもよい。
【0063】
圧力センサ26や水位検出器12などの物理量検出器の出力信号は制御基板60aに入力され、さらに通信線151を通じて制御基板60cに送信される。同様に、圧力センサ27や水位検出器12などの物理量検出器の出力信号は制御基板60bに入力され、さらに通信線152を通じて制御基板60dに送信される。水位検出器12、切り替えスイッチ120、第1の水位信号線125、第2の水位信号線126、および第3の水位信号線127の配置は、
図1に示す給水装置と同じである。
【0064】
通信線101には、接続スイッチ130が設けられている。接続スイッチ130をOFFにすると、通信線101が電気的に切断され、制御基板60aとインバータ5a,5b,5cとの間の通信が遮断される。通信線201には接続スイッチ230が設けられている接続スイッチ230をOFFにすると、通信線201が電気的に切断され、制御基板60cとインバータ5d,5e,5fとの間の通信が遮断される。
【0065】
制御部6は、待機中の予備制御基板60b,60dが主制御基板60a,60cをバックアップしてすべてのインバータ5a〜5fを制御するバックアップ機能を有している。すなわち、制御基板60a,60cに関連する制御機能に異常が発生すると、制御基板60a,60cに代わって制御基板60b,60dがすべてのインバータ5a〜5fを制御する。
【0066】
制御基板60b,60dによるバックアップ動作が行われる条件は、
図1に示す給水装置と基本的に同じである。すなわち、主制御基板として機能する制御基板60a,60cに関連する制御機能に異常が起きたときに、バックアップ機能が作動して制御基板60b,60dによるバックアップ運転が開始される。制御基板60a,60cに関連する制御機能の異常としては、次のようなものが挙げられる。
(1)制御基板60aとすべてのインバータ5a〜5cとの通信異常
(2)制御基板60cとすべてのインバータ5d〜5fとの通信異常
(3)制御基板60cと制御基板60dとの間の通信異常
(4)制御基板60aと制御基板60cとの間の通信異常
(5)制御基板60aおよび/または制御基板60c自体の異常
(6)制御基板60aに接続されている圧力センサ26の異常
【0067】
上述した異常のうちのいずれかが起こると、
図9に示すように、制御基板60bは切り替えスイッチ120を操作して、水位検出器12と制御基板60aとの接続を遮断するとともに、水位検出器12と制御基板60bとを接続する。また、この切り替えスイッチ120の動作とともに制御基板60bは接続スイッチ130をOFFにすることで制御基板60aとインバータ5a,5b,5cとの通信を遮断し、制御基板60dは接続スイッチ230をOFFにすることで制御基板60cとインバータ5d,5e,5fとの通信を遮断する。バックアップ運転中は、制御基板60b,60dは、制御基板60a,60cに代わって、すべてのインバータ5a〜5fを制御する。したがって、給水装置は、その最大給水能力を維持したまま給水を継続することができる。
【0068】
本実施形態では、4台の制御基板60a〜60dが設けられているが、水位検出器12は1つのみである。切り替えスイッチ120を設けることにより、1つの水位検出器12(1セットの電極棒12a)で制御基板60a,60cおよび制御基板60b,60dはそれぞれすべてのインバータ5a〜5fを制御することが可能である。
【0069】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。