【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、米を炊く場合に高油分乳化油脂組成物を添加するところに特徴があり、米飯の種類や炊飯方法などは従来の冷凍米飯と同様でよい。
例えば、米飯の種類として、炊き込みご飯、ピラフ、赤飯、パエリア、ドリア、チキンライス、チャーハンなどを挙げることができる。
製造工程は、例えば、炊飯後に20℃程度まで冷却して容器に充填し急速冷凍する工程が使用できる。
なお、本発明の冷凍米飯の解凍加熱は湯煎などではなく電子レンジによって行う。
【0012】
本発明では、高油分乳化油脂組成物を炊飯前の全材料中0.1質量%以上5質量%以下添加する。
炊飯前の全材料とは、米、米以外の雑穀、水、野菜、きのこ、肉、魚等の具材、調味料、高油分乳化油脂組成物など炊飯時に使用する全ての材料をいう。
高油分乳化油脂組成物の使用量が0.1質量%未満では米全体に高油分乳化油脂組成物がコーティングされず十分な効果を得ることができず、5質量%を超えるとほぐれの状態が悪く、ねちゃついた食感となるので好ましくない。
高油分乳化油脂組成物は均等に添加するために、あらかじめ使用する水に加えて撹拌しておくことが好ましい。
本発明で使用する高油分乳化油脂組成物は油脂含有量が多く適度な乳化状態となっていることで、単に油脂を使用した場合や乳化剤を使用した場合に比べはるかに、食感、ほぐれ、解凍加熱時のレンジ焼けの改良効果が得られる。
なお、本発明において米を炊くとは、加水した米を容器中で加熱して食べられるように調理することをいい、蒸気を使用した方法、例えば、コンベヤ上の米を蒸気加熱する方法は含まれない。
本発明の米を炊く方法として、例えば、電気炊飯器、ガス釜、IH炊飯器などが使用できる。
【実施例】
【0013】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜3、比較例1〜4]炊き込みご飯
多価アルコール水溶液としてソルビトール水溶液210質量部質量部(70質量%水溶液に調整、乾物換算147質量部)とデカグリセリンステアリン酸エステル(HLB 15.0)125質量部(40質量%水溶液に調整、乾物換算50質量部)、水165質量部を鍋で60〜70℃に加温した後、カッターミキサー(フォアベルク社製、商品名:サーモミックス)に移し、攪拌(1000〜1500min
−1)しながらサラダ油1340質量部を少しずつ添加し、高油分乳化油脂組成物を調製した。
水洗いした米300gに水600gを加え1時間浸漬し、昆布だし10g、醤油10g、 人参25g、舞茸25g、前記高油分乳化油脂組成物を表1に示す量加えて自動炊飯器で1時間炊飯を行った。
炊飯後、ご飯を釜に入った状態のまま真空冷却機で10分間、20℃になるまで冷却を行った後、前記冷却済みのご飯を釜から取り出し容器に140g詰めて−35℃の急速冷凍庫で50分間かけて凍結し冷凍炊き込みご飯を得た。
炊飯直後と真空冷却後の釜に入った状態のご飯を、杓文字を使ってパネラー10名により以下の評価基準でほぐれの評価を行った。
・ほぐれ
5点・・・粒同士がパラパラとしていてほぐれの具合が非常に良い
4点・・・粒同士がややパラパラとしていてほぐれの具合が良い
3点・・・普通
2点・・・かたまり部分があってほぐれ具合が悪い
1点・・・全体がかたまりほぐれ具合が非常に悪い
【0014】
1日保存した後、電子レンジ600W(商品名:12E−SX30−H、シャープ株式会社製)で2分30秒間レンジ加熱した場合と4分30秒間レンジ加熱した場合のレンジ焼け及び食感の評価をパネラー10名により以下の評価基準で行った。
また、比較例として実施例1において高油分乳化油脂組成物に代えて乳化剤(ショ糖ステアリン酸エステル)及びサラダ油を表1に示す量に変更して使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。
なお、4分30秒間の加熱は、過剰に解凍加熱した場合を想定し行った。
得られた結果(平均点)を表1に示す。
・レンジ焼け
5点・・・焦げは無く非常に良い
4点・・・焦げはほとんど無く良い
3点・・・普通
2点・・・焦げが一部で見られ悪い
1点・・・焦げた部分が多く非常に悪い
・食感
5点・・・粒感、弾力感があり非常に良い
4点・・・やや粒感、弾力感があり良い
3点・・・普通
2点・・・ややねちゃついて悪い
1点・・・ねちゃついて非常に悪い
【0015】
【表1】
【0016】
比較例2は、炊飯直後のほぐれは優れていたが、レンジ焼け、食感の項目が劣り満足できる結果ではなかった。
比較例4は、ほぐれ、レンジ焼け及び食感の項目が劣り満足できる結果ではなかった。
【0017】
[実施例4〜6、比較例5〜8]ドリア
多価アルコール水溶液としてソルビトール水溶液210質量部質量部(70質量%水溶液に調整、乾物換算147質量部)とデカグリセリンステアリン酸エステル(HLB 15.0)125質量部(40質量%水溶液に調整、乾物換算50質量部)、水165質量部を鍋で60〜70℃に加温した後、カッターミキサー(フォアベルク社製、商品名:サーモミックス)に移し、攪拌(1000〜1500min
−1)しながらサラダ油1340質量部を少しずつ添加し、高油分乳化油脂組成物を調製した。
水洗いした米400gに水590gを加え1時間浸漬し、塩4g、コンソメ6g、前記高油分乳化油脂組成物を表1に示す量加えて自動炊飯器で1時間炊飯を行った。
炊飯後、ご飯を釜に入った状態のまま真空冷却機で10分間、20℃になるまで冷却を行った後、前記冷却済みのご飯を釜から取り出し容器に80g詰め、予め作成しておいたクリームソースを90g、チーズ5g、海老10gを乗せて−35℃の急速冷凍庫で50分間かけて凍結し冷凍ドリアを得た。
炊飯直後と真空冷却後の釜に入った状態のご飯を、杓文字を使ってパネラー10名により実施例1と同様にして評価を行った。
【0018】
1日保存した後、電子レンジ600W(商品名:12E−SX30−H、シャープ株式会社製)で2分30秒間レンジ加熱した場合と4分30秒間レンジ加熱した場合のレンジ焼け及び食感の評価を実施例1と同様にして行った。
4分30秒間の加熱は、過剰に解凍加熱した場合を想定して行っている。
また、比較例として実施例4において高油分乳化油脂組成物に代えて乳化剤(ショ糖ステアリン酸エステル)及びサラダ油を表2に示す量に変更して使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。
得られた結果(平均点)を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】
比較例6は、炊飯直後のほぐれは優れていたが、レンジ焼け及び食感の項目が劣り満足できる結果ではなかった。
比較例8は、ほぐれ、レンジ焼け及び食感の項目が劣り満足できる結果ではなかった