(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
下側のグレーティングに重なる上側のグレーティングから形成され、前記下側のグレーティングは、前記上側および前記下側のグレーティング間のオーバレイエラーを判定するために、前記上側のグレーティングとは異なる層において形成されている半導体ターゲットの特性を測定するための光学装置であって、
照射線を生成し、照射経路を介して半導体ターゲットに対して前記照射線を向けるための照射システムと、
前記照射線に応じて、前記半導体ターゲットから散乱した光を方向付けるための画像化システムと
を備え、前記画像化システムは、
散乱した光から画像を形成するための画像センサと、
画像化経路を介して、散乱した光を前記センサに向けるように構成された1つ以上の光学部品と、
前記散乱した光の特定の回折次数を前記画像センサに選択的に向け、他方で、前記散乱した光のうちの、選択された他の回折次数を遮断して前記画像センサに到達しないようにするための調節可能な空間変調装置と
を備え、
前記半導体ターゲットは、前記グレーティングの2種類のピッチのうち粗い方のピッチの±n(nはゼロではない整数である)の回折次数を用いて画像化され、
前記調節可能な空間変調装置は、前記画像化経路の瞳と実質的に共役する平面に配置される、光学装置。
前記画像化システムは、前記散乱した光を受けて、前記画像化経路の瞳と実質的に共役する前記平面を形成するためのリレー光学系をさらに備える、請求項1に記載の光学装置。
前記照射システムは、1つ以上の前記照射線を、特定の照射角度および開口数で前記半導体ターゲットに選択的に向けるための第2の調節可能な空間変調装置を含み、前記第2の調節可能な空間変調装置は、前記照射経路の前記瞳と実質的に共役する平面に配置される、請求項1又は請求項2に記載の光学装置。
前記照射システムは、前記半導体ターゲットに対して実質的に垂直で、且つ様々な開口数で、照射線を前記半導体ターゲットに選択的に向けるための第2の調節可能な空間変調装置を含み、前記第2の調節可能な空間変調装置は、前記照射経路の前記瞳と実質的に共役する平面に配置される、請求項1又は請求項2に記載の光学装置。
前記調節可能な空間変調装置は、交換可能な機械的開口部、空間光変調器(SLM)、または回折光学素子(DOE)の1つ以上を備える、請求項1又は請求項2に記載の光学装置。
前記第2の調節可能な空間変調装置は、交換可能な機械的開口部、空間光変調器(SLM)、または回折光学素子(DOE)の1つ以上を備える、請求項3又は請求項4に記載の光学装置。
前記画像化経路の前記瞳は前記調節可能な空間変調装置を配置できない位置にあり、前記調節可能な空間変調装置は、前記画像化経路の前記瞳に対して最も接近した、配置できる平面に配置される、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の光学装置。
前記上側のグレーティングは、第1の特性を有する第1のセットのグレーティングであり、前記下側のグレーティングは、前記第1の特性とは異なる第2の特性を有する第2のセットのグレーティングである、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の光学装置。
グレーティングの前記第1のセットのターゲットの対称中心が、グレーティングの前記第2のセットのターゲットの対称中心と実質的に同じ整列配置された配置である場合、オーバレイエラーは存在しないと判定される、請求項11に記載の光学装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで本発明の特定の実施形態を詳細に参照する。実施形態の例を添付の図面に示す。本発明は特定の実施形態に関連して記載するが、本発明を1つの実施形態に限定することは意図しないことを理解されたい。反対に、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨および範囲内に含まれ得る、代替案、修正、および均等物を包含することを意図するものである。以下の記載において、多くの特定の詳細は本発明の完全なる理解を提供するために説明される。本発明はこれらの特定の詳細のうちの一部または全部がなかったとしても実施し得るものである。他の場合においては、本発明を不必要に曖昧にしないために、周知のプロセス操作は詳細には記載していない。
【0016】
一般に、本発明の実施形態は、次数選択された画像化および/または照射を介したオーバレイ測定を実行することに関して本明細書に記載するシステムおよび方法に関する。しかしながら、その次数選択された画像化または照射は、次数選択が所望される任意の適切な測定または検査用途に適用してよい。オーバレイ測定において、オーバレイ測定の精度、再現性、および他の面は、回折次数+nおよび−nを用いてターゲットを画像化することによって著しく改善できることが明らかになっている。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る顕微鏡50の図である。顕微鏡50は主に、半導体測定および/または半導体検査ツールとして構成される。例えば、顕微鏡50は、オーバレイ測定、ライン幅測定、欠陥測定などの測定のうちの1つ以上を実行するために用いてよい。
【0018】
顕微鏡50は照射線を生成して、サンプルに対してその照射線を方向付けるように構成された照射システム52を含む。照射システム52は通常、光源54および様々な光学部品を備え、それらは照射経路に沿って配置される。図に示す例において、照射システムは、照射線に応じてサンプルから散乱した光を方向付けるための、画像化システム62の一部を形成する光学部品56を備える。すなわち、光学部品56は、光源54によって提供される照射線を用いてサンプル58を照射し、且つ当該サンプル58から伝播するか、散乱した光を収集するように構成されている。もちろん、照射システム52は、画像化システムを介して形成される散乱した光の経路から分離された照射線のための照射経路を形成するように構成してもよい。
【0019】
図に示す実施において、光学部品56は、照射線の焦点をサンプル58(視野内および当該領域内における)に合わせ、サンプル58の表面から散乱する光を収集するように構成される対物レンズ60を備える。サンプル58から散乱する光は、画像化経路に沿って画像化システム62の部品へ方向付けられる。
【0020】
画像化システム62は一般に、画像センサ64および散乱した光をセンサ64に方向付ける光学部品を備える。画像化システム62は、例えば、画像化経路から照射経路を分離して散乱した光を画像センサ64に方向付けるビームスプリッタ63を備える。ビームスプリッタは、この例においては、照射システム52の一部を形成し、照射線をサンプルに方向付けるように構成される。
【0021】
一般に、センサ64は、散乱した光を受けてその光を画像に変換するように形成される。この画像センサ64は、例えば、CCD(電荷結合素子)、CCDアレイ、TDI(Time Delay Integration)センサ、TDIセンサアレイ、PMT(光電子増倍管)、または当業者に公知の多くの他のセンサなど、散乱した光を感知する任意の適切な形態をとることができる。その画像は制御部70によって分析され、例えば、サンプル(例えば半導体ウエハ)に関連する、オーバレイエラー、ライン幅、および欠陥を判定することができる。
【0022】
システム50は、顕微鏡の様々な部品を制御して、その部品によって収集されたデータおよび/または画像を分析するように構成された制御部70を備えてもよい。例えば、制御部70は、照射システム52と画像化システム62とを、より詳細には、光源54と画像センサ64とを同期させ、サンプル58の表面の画像を取得することができるように構成してもよい。制御部70はまた、例えば、照射システム52(例えば光源)の照射特性を制御するための命令を提供してもよい。制御部70はまた、画像化システム62(例えば画像センサ)の画像化特性(例えばフレーム捕捉時間)を制御するための命令を提供してもよい。制御部70はまた、画像センサ64から画像データなどの情報を受信してもよい。制御部70はまた、対物レンズ60およびサンプル58を位置付けるための命令を提供してサンプル58の所望の位置を適切に画像化することができる命令を提供してもよい。
【0023】
一実施形態によると、顕微鏡50は、照射経路および画像化経路のいずれか一方または両方において瞳と共役する、またはおよそ共役する面において、調節可能な空間変調素子を提供する。調節可能な空間変調素子は、例えば、1つ以上の交換可能な機械的(mechanical)開口部、1つ以上の空間光変調器(SLM)、1つ以上の回折光学素子(DOE)などを備えてもよい。照射経路における空間変調素子により、空間変調を用いることで、照射角度およびNAを選択することができる。この変調はさらに、個々の波長または波長域を独立して最適化してもよい。この画像化経路における空間変調素子により、ウエハから反射された光が画像化システムによって収集される角度を選択することができる。例えば、オーバレイ測定に用いられるグレーティング構造のために、この選択によって、あらかじめ選択された回折次数±nを用いて画像化することができる。
【0024】
一例において、変調素子は、画像化された光の回折次数を分離するように構成される。所望の回折次数のみが画像センサを経て、他方で、他の全ての回折次数は画像センサに届かずに遮断される。この次数選択の構成は、所定の測定および検査の状態、特に、本明細書に記載するオーバレイ測定に関していくつかの利点を提供する。
【0025】
一実施において、調節可能な空間変調は画像化側のみに提供される。他の実施において、調節可能な空間変調は照射側および画像化側の両方に提供される。もちろん他の構成もまた利用可能である。特定の実施において、調節可能な空間変調は、回折次数±nを用いて隣接する(side−by−side)グレーティングを画像化するために用いられる。この隣接するグレーティングは半導体ウエハの異なる層または同一の層であってもよい。構造物間のオーバレイは、通常、グレーティングの対称中心間の距離を測定することによって見出される。この実施形態において、n(nは整数であり、ゼロと等しくない)の所定の選択としての次数±nのみが選択され、グレーティングはこれらの回折次数を用いて画像化されるのみである。この構成は、光学上の収差に対する感受性および焦点位置に対する感受性を低減させることを含む多くの利点を提供する。この構成はまた、正反射(例えば次数0)を除去してバックグラウンド信号を低減させるので、画像のコントラストを著しく改善する。
【0026】
他の実施において、調節可能な空間変調は、重なったグレーティング(grating−on−grating)のターゲット、より詳細には、連続的に可変のオフセット(CVO:continuously varying offset)の重なったグレーティングターゲットを画像化するために使用可能である。CVOのマークは、一般に、オーバレイされた周期的な構造物を含み、それらは位置の関数として変化するオーバレイされた構造物の特性におけるオフセットを有する。例として、周期的な構造物は、下側のグレーティングのピッチとは値が異なる上側のグレーティングを含んでもよい。ピッチにおける微細な差は、中心からオーバレイされたグレーティングの端へと変化する上側グレーティングと下側グレーティングとの間のオフセットを生成する。オーバレイのグレーティングにおいて変化し得る他の例示的な特徴は、ライン幅、ピッチ、間隔、CD、回転などを含む。
【0027】
CVOのマークを利用する方法は、CVOのマークの対称中心を判定して、それをマークの幾何学的中心と比較することを含んでよい。オーバレイがゼロの場合、対称中心はマークの幾何学的中心と一致する傾向にある。オーバレイがゼロではない場合(例えば、2つの層の間のミスアライメント)、その対称中心はマークの幾何学的中心から離れている。マークに関連する、プリセットのゲイン係数G(異なるオフセット値に依存する)による移動は、オーバレイエラーεを計算するために用いられる。
【0028】
CVOのターゲットの主な利点は、オーバレイエラーεが、これらのオーバレイされたグレーティングの各々の対称中心の位置において、Gεのシフトに変化し得ることである(ここで、ゲイン係数Gは1よりも大きい(典型的には10から50))。このゲイン係数はモアレ効果の結果として規定することができ、ここで、グレーティングからの反射がおよそGpに等しい粗いピッチの周期性を有する信号を精製する。オーバレイ測定における誤差を生じさせる多くの影響は、CVOのターゲットにおけるプリセットのゲイン係数(G)によって低減することができる。さらに、焦点およびフィールド位置に対する感受性はCVOのターゲットを用いることによって低減される。
【0029】
図2に示すCVOのターゲットの場合、プリセットのゲインGはおよそp/Δpに等しく、ここでΔpは上の(top)グレーティングと下の(bottom)グレーティングとの間のピッチの差である。
図2は、第1のセットのCVOのマーク500および第2のセットのCVOのマーク510を含み、各々が下のグレーティング502b(実線で囲まれた白色の)の上に上のグレーティング502a(並行した斜線の)を含む。第1および第2のセットのマークはX方向を向いているが、それらは、任意の適切な方法で、例えばY方向、またはX方向およびY方向の両方(例えば、複数の周期的なクロス構造、またはX方向の周期的なラインのセットおよびY方向の周期的なラインのセットを含む複数のマークなど)などを向いていてもよい。図に示すように、2つのセットのCVOのマーク500および510は、同軸504(例えば、同じXの位置に配置された対称中心)上に配置される。しかしながら、それらの2つのセットは、別の方法として、互いにシフトしていてもよい。
【0030】
さらに、2つのセットのCVOのマークにおけるグレーティングは異なるオフセットを用いて構成されてもよい。マークのうちの1つは、下側の周期的構造よりも、例えばピッチなどの特定の属性の値がより小さい上側の周期的構造を用いて設計してもよく、もう1つのマークは、下側の周期的構造よりも、例えばピッチなどの特定の属性の値がより大きい上側の周期的構造を用いて設計してもよい。あるいは、2つのセットのマークは各々、下側の周期的構造よりも、特定の属性の値がより小さい上側の周期的構造を有してもよく、その逆でもよい。
【0031】
図に示す実施形態において、周期的な構造はグレーティングであり、特定の可変の属性はピッチに対応する。第1のセットのターゲット500において、上のグレーティング502aのピッチは下のグレーティング502bのピッチよりも小さい。例えば、上のグレーティング502aのピッチは下のグレーティング502bのピッチよりも10.0%小さくてもよい。この差により、上のグレーティング502aと下のグレーティング502bとの間のオフセットは各々、位置関数として継続的に変化する。第2のセットのターゲット510はピッチに対して異なるバリエーションを有する。第2のセットのターゲットにおいて、上のグレーティング502aのピッチは下のグレーティング502bのピッチよりも大きく(例えば10%)されている。
【0032】
CVOのターゲットの例において、オーバレイエラーは、オーバレイターゲットのゲイン係数で、距離ΔX(対称中心とCVOのマーク500および510との間の距離)を割ることによって判定してもよい。オーバレイエラーを計算する等式は以下に対応してよい。
OVL
error=ΔX/G=ΔX*(P1−P2)/P1
ここで、
OVL
error=2つの層間のミスアライメントの量
ΔX=対称中心間の距離
P1=第1のピッチの値
P2=第2のピッチの値
G=
図2のターゲットの各々におけるp/Δp
である。
【0033】
例示的なターゲット500またはターゲット510においては、オーバレイエラーはない。なぜならば、上のグレーティングおよび下のグレーティングが軸504における同じ位置における対称中心を有するからである。別の方法の場合、ターゲット500の対称中心は、ΔXがゼロと等しくなるようにターゲット510の対称中心と同じであり、その結果、オーバレイエラーはゼロと等しい。
【0034】
図3に示すCVOのターゲットの場合、ゲインであるGはおよそ1/tanθと等しく、ここでθは上下のグレーティング線間の角度の1/2である。図に示すように、オーバレイ領域は第1のセットのCVOのターゲット600および第2のセットのCVOのターゲット610を含む。ターゲットの各セットは重なったグレーティングのターゲットとして形成される。2つのセットのターゲットのグレーティング602aおよび602bはY方向に向けられる。図に示すように、各セットのターゲットの上のグレーティング602aおよび下のグレーティング602bは互いに回転している(例えば、y方向のグレーティングに傾けられる)。例えば、下のグレーティングは時計回り方向に傾いてよく、上のグレーティングは反時計回り方向に傾いてよく、その逆でもよい。あるいは、グレーティングの一方のみが傾いてもよい。図において、回転の角度は強調されており、通常、回転は5度前後であることに留意されたい。あるいは、第1のセットのターゲット600の上下のグレーティングは、(
図3に示すように)第2のセットのターゲット610の上下のグレーティングとは反対方向に傾いてもよい。さらに、
図3は、上下のグレーティングが完全なアライメントであり、対称中心において上下の構造物が整列しているグレーティングを示している。
【0035】
重なったグレーティングターゲットは、例えば、CVOの重なったグレーティングターゲットでもよい。これらのターゲットにおいて、グレーティングの細かいピッチが存在し、モアレ効果の結果として散乱した光において生成される粗いピッチもまた存在する。その粗いピッチは細かいグレーティングのピッチよりもはるかに大きい。CVOのターゲットは、散乱した光が細かいピッチの所定の回折次数に対応し、モアレ効果の結果として生成された粗いピッチの、異なるかまたは同じ回折次数に対応する様々な形で測定することができる。
【0036】
一実施形態において、CVOのターゲットは、細かいピッチが分解されず(次数0のみが捕捉される)、粗いピッチの多くの回折次数(0を含む)が捕捉される場合の形において測定できる。この形は、低いコントラストを生成する場合があるが、それは、上下のグレーティングからの複数の(光の)散乱が画像の形成に必要とされる場合があり、および次数0が存在するからである。
【0037】
しかしながら、本発明の実施形態において、粗いピッチの回折次数+nおよび−n(nは整数であり、ゼロではない)のみを用い、且つ細かいピッチ(例えば、細かいピッチは分解されていない)のための次数ゼロのみを用いて、測定結果がCVOターゲットから取得される。これらの回折次数+nおよび−nは画像の形成を確実にするために空間的にコヒーレントであることが好ましい。このアプローチは、次数0を除去することによってコントラストを著しく向上させる。さらに、結果として生じる信号は、実質的に純粋な正弦関数(位置の関数として)である。このタイプの簡略化された信号によって、不均一な光のために生じる任意の信号のひずみのアルゴリズムによる除去を著しく容易にする。このアプローチの他の利点は、信号の周期がnの係数分減少することである。この効果は、ターゲットのサイズに妥協することなく、ターゲットのサイズを減少し、および/またはゲイン係数Gを増大させるために用いることができる。
【0038】
他の実施形態において、システムは、細かいピッチの±nの回折次数および粗いピッチの次数0を含む多数の次数を用いて、CVOの重なったグレーティングターゲットを画像化するために用いられる。ここで粗いピッチの次数0は捕捉されるが、細かいピッチが分解されるので(次数0なしで±n次数の画像化を用いて)、上下のグレーティングからの複数の反射が画像形成に必要とされない。これは大いにコントラストを向上させる。細かいピッチの回折次数は測定における偏りを除去するためにコヒーレントではないことが好ましい。また、光学システムは2つの捕捉された次数(例えば+nおよび−nの次数)の間の対称性を確保するように構成されることが好ましい。
【0039】
さらに他の実施形態において、システムは、細かいピッチの回折次数±nおよび粗いピッチの回折次数±mを用いて、連続的に可変のオフセット(CVO)の重なったグレーティングターゲットを画像化するために用いられる。ここで、細かいピッチの回折次数はコヒーレントではなく、粗いピッチの回折次数はコヒーレントである。この測定形態は同時に、コントラストを向上し、正弦関数の信号を簡略化する。
【0040】
一部の場合において、上述の方法は散乱した光強度全体を減少させる場合がある。このように、一実施形態において、容易にコリメートされる光を生成する小さな照射NAおよび光源を用いた照射システムを用いてもよい。例えば、光源はレーザのような強い光源を含んでもよい。レーザは、コリメート光が回折次数が重複しないようにするために必要とされ、レーザ光が光強度の著しい損失を被ることなくコリメートできるので、有利である。あるいは、LED(発光ダイオード)を用いてもよい。
【0041】
オーバレイ測定方法および本明細書で用いることができる異なるタイプのグレーティングターゲットについてのさらなる詳細は、(1)「OVERLAY MARKS, METHODS OF OVERLAY MARK DESIGN AND METHODS OF OVERLAY MEASUREMENTS」と題された、2006年6月27日に発行された米国特許第7,068,833号明細書、(2)「CONTINUOUSLY VARYING OFFSET MARK AND METHODS OF DETERMINING OVERLAY」と題された2005年2月16日に出願された米国特許出願第11/060,588号明細書、(3)「APPARATUS AND METHODS FOR DETECTING OVERLAY ERRORS USING SCATTEROMETRY」と題された2003年12月5日に出願された米国特許出願第10/729,838号明細書、(4)「OVERLAY METROLOGY AND CONTROL METHOD」と題された2003年2月13日に出願された米国特許出願第10/367,124号明細書に提供され、それらの開示を参照することによって本明細書に援用される。
【0042】
図4は、本発明の一実施形態に係る、所定のターゲット設計に対して、どの回折次数が最良の結果を生成するかを判定する手順100を示すフローチャートである。図に示すように、公知のオーバレイエラーを有するターゲットが工程102に提供される。提供されたターゲットは次いで、工程104におけることなる回折次数±nを用いて測定される。オーバレイエラーは工程106における各々異なる回折次数±nに対して計算される。各々の計算されたオーバレイエラーは工程108における公知のオーバレイエラーと比較される。この比較は、工程110において、最も利点を有する結果を生成する回折次数±nを選択するために用いられる。例えば、所定のターゲットに対する最適な回折次数±nが、公知のオーバレイエラーに最も近似する測定されたオーバレイエラーから抽出できる。
【0043】
図5は、本発明の他の実施に係る、所定のターゲット設計に対して、どの回折次数が最良の結果を生成するかを判定する手順120を示すフローチャートである。特定のターゲットはまず工程122に提供される。特定のターゲットは次いで、工程124において異なる回折次数±nを用いて測定される。ターゲットに対するオーバレイエラーは工程126において、各測定に対して計算される。次いで、工程128において、どの回折次数が最も正確なオーバレイの結果を生成するかに関しての決定がなされる。例えば、測定されたオーバレイエラーの各々は公知のオーバレイエラーと比較できる。この方法はまた、処理パラメータの各々のセットに対する最良の回折次数を判定するために、可変の処理パラメータに対して実行できる。
【0044】
図6は、本発明の代替的な実施に係る、どのターゲットが所定の回折次数±nに対する最良の結果を生成するかを判定する手順140を示すフローチャートである。複数の異なるターゲットはまず、工程142において(所定の処理パラメータのセットに対して)提供される。各々の異なるターゲットは工程144において、同じ回折次数±nを用いて測定される。各々の異なるターゲットに対するオーバレイエラーは工程46において計算される。次いで、工程148において、どのターゲットが特定の回折次数に対する最も正確なオーバレイの結果を生成するかに関して決定される。この方法は、各々の処理パラメータのセットに対する最良の回折次数/ターゲットの組合せを判定するために、可変の処理パラメータに対して実行できる。
【0045】
図7は、本発明の一実施形態に係る、オーバレイエラーを判定する手順160を示すフローチャートである。その方法は、例えば、生産工程に対して実行できる。所定のターゲットと共に使用する回折次数のセットは、まず、工程162において決定してもよい。これは、例えば、
図4、
図5、または
図6、あるいはそれらの組合せに関して記載される、試作における試験を経て達成してもよい。例えば、所定のピッチを有するターゲットは特定の異なる回折次数における画像化を必要としてもよい。一般に、オーバレイエラーは、異なる回折次数を用いた光学的測定に基づいて、所定のターゲット構成に対して判定してよく、次いで、これらの異なる回折次数のどれがより有利であるか(例えば、公知のオーバレイエラーをより正確に一致させる)が決定される。
【0046】
例えば、最も良いコントラストを提供する回折次数および最小限の光の損失を有する最もシンプルな信号を選択してもよい。多くの場合、より低い回折次数はより高い強度を生成する。このように、次数0により近い次数が好適であってよい(例えば、次数±1、±2、±3)。しかしながら、一部の場合において、より高い次数は、より低い次数よりも、より高い光強度を有してもよい。例えば、±2が±1よりもより高い強度を有する一部の場合が存在する場合がある。このような結果は、例えば、画像化されている重なり(stack)が構成される仕方によって生じる場合がある。
【0047】
図7を再び参照すると、工程164において、1つ以上の回折次数が判定された後、測定ツールが調整されて、所望の回折次数(例えば±nの次数)におけるターゲットを画像化できる。例えば、所望の回折次数が±1である場合、測定ツールは±1の回折次数のみを画像化することができるように設定される。例えば、±1の回折次数をセンサに送信でき、その一方で他の回折次数を遮断できる。
【0048】
さらに、照射NAは、次数間のよく分離された角度を提供するために小さくなるように構成してもよい。例えば、+1および+2の角度が類似する場合、それらを区別することが困難な場合がある(例えば、いずれかを選択することができない)。例えば、約0.05と約0.2の間の照射NAが用いられてもよい。
【0049】
測定ツールが調整された後、画像は所望の回折次数にてターゲットから収集されてよく、次いで、そのオーバレイエラーが、個々に、工程166および工程168においてターゲットの画像から計算されてもよい。計算されたオーバレイエラーは(例えば、メモリまたは任意の適切なコンピュータ可読の記憶媒体)に保存されてもよく、リソグラフィシステムを補正するための手順など、任意の適切な目的に用いるために提示されてもよい。オーバレイエラーを計算するために適切な任意の方法が用いられてよい。一部の方法は、特定のターゲット、処理状態の特定のセット、特定の回折次数などに対してより良く適合されてよい。オーバレイエラーを判定するいくつかの技術が上述の米国特許出願文献および特許文献に提示されている。
【0050】
図8は、本発明の代替的な実施形態に係る、隣接するグレーティングターゲットを用いてオーバレイを測定する手順180を示すフローチャートである。隣接するグレーティングはまず、工程182において提供される。nの所定の選択に対する±nの回折次数が、次いで工程184において選択されてもよい。隣接するグレーティングは、次いで、工程186において、選択された±nの回折次数(次数0は収集されない)のみを用いて画像化してもよい。次いでこの画像は、工程188においてオーバレイエラーを計算するために用いてもよい。この方法の1つの利点はコントラストの著しく向上することである。
【0051】
図9は、隣接するグレーティングから生成された所定の対の±nの回折次数を用いて画像化する一例の図である。実線の内向きの矢印(下向き)は照射線の方向に対応する。実線の外向きの矢印(上向き)は画像化に用いられる回折波の方向に対応する。破線の外向きの矢印(上向き)は遮断された回折波の方向に対応する。四角の中の数字は回折波の次数番号に対応する。この例において、グレーティングから散乱した光は±1の回折次数のみを用いて画像化される。
【0052】
図10は、本発明の一実施形態に係る、重なったグレーティングターゲットを用いてオーバレイを測定する手順200を示すフローチャートである。重なったグレーティングターゲットから散乱する光に関連する粗いピッチと細かいピッチを有する重なったグレーティングターゲットは、まず工程202に提供される。重なったグレーティングターゲットは、例えば、CVOの重なったグレーティングターゲットでもよい。散乱した光において、グレーティングの細かいピッチに関連した回折次数が存在し、モアレ効果に基づいた粗いピッチに関連した回折次数もまた存在する。粗いピッチは細かいグレーティングのピッチよりもはるかに大きい。
【0053】
重なったグレーティングターゲットは、工程204において、粗いピッチの回折次数±nのみを用い、細かいピッチを分解しないまま用いて画像化してもよい。これらの回折次数は、適切な画像成形を確保するために空間的にコヒーレントであることが好ましい。実質的には、グレーティングのピッチは分解されないままにし、モアレグレーティングのみが分解される。
【0054】
選択された回折次数±nでの画像は、次いで工程206において、オーバレイエラーを計算するために用いられてもよい。この方法の1つの利点は、コントラストを著しく向上できることである。別の利点は、信号を簡略化することであり、これは結果として、例えば不均一な照射のために生じる信号のひずみを除去することができる。
【0055】
図11は、粗いピッチおよび細かいピッチに基づき、回折次数を有する重なったグレーティングターゲットを用いて生成された回折次数の図である。実線の内向きの矢印(下向き)は照射線の方向に対応する。実線の外向きの矢印(上向き)は画像化に用いられる回折波の方向に対応する。破線の外向きの矢印(上向き)は遮断された回折波の方向に対応する。四角の中の数字は回折波の細かいピッチの次数番号に対応する。各々の細かいピッチの回折次数は、異なる粗いピッチの回折次数に対応する波(線)に分けられる。図に示すように、細かいピッチの次数0に対応する束、すなわち波(線)から、粗いピッチの回折次数±nのみが画像化される。それゆえ、細かいピッチはこの例においては分解されない。
【0056】
図12は、本発明の一実施形態に係るオーバレイを測定する手順220のフローチャートである。重なったグレーティングターゲットに関連する粗いピッチと細かいピッチを有する重なったグレーティングターゲットは、まず工程222において提供される。次いで、工程224において、重なったグレーティングターゲットは、細かいピッチの回折次数±n、および粗いピッチの、次数0を含む多くの次数のみを用いて画像化してもよい。ここで、粗いピッチの次数0は捕捉されるが、細かいピッチは分解されるので、上下のグレーティングから複数の反射が画像形成に必要とされない。細かいピッチの回折次数は測定における偏りを除去するためにコヒーレントでないことが好ましい。また、光学システムは、2つの捕捉された次数間において対称を確保するように構成されるのが好ましい。その画像は、次いで工程226において、オーバレイエラーを計算するために用いてもよい。この方法の1つの利点はコントラストを著しく向上できることである。
【0057】
図13は、粗いピッチおよび細かいピッチに基づき、回折次数を有する重なったグレーティングターゲットを用いて生成された回折次数の図である。実線の内向きの矢印(下向き)は照射線の方向に対応する。実線の外向きの矢印(上向き)は画像化に用いられる回折波の方向に対応する。破線の外向きの矢印(上向き)は遮断された回折波の方向に対応する。四角の中の数字は回折波の細かいピッチの次数番号に対応する。
【0058】
図14は、本発明の一実施形態に係るオーバレイを測定する手順240を示すフローチャートである。重なったグレーティングターゲットに関連する粗いピッチと細かいピッチを有する重なったグレーティングターゲットは、まず工程242に提供される。重なったグレーティングターゲットは、次いで、細かいピッチの回折次数±nおよび粗いピッチの回折次数±mのみを用いて画像化してもよい。ここで、nはゼロではない整数であり、同じくゼロではない整数であるmと異なってもよく、同じでもよい。ここで、細かいピッチの回折次数はコヒーレントでないことが好ましく、これに対して、その所定の細かいピッチの次数の波(線)の束内における粗いピッチの次数はコヒーレントであるべきである。捕捉された画像は、次いで工程246においてオーバレイエラーを計算するために用いてもよい。この方法の1つの利点は、コントラストを著しく向上してもよいことである。他の利点は、信号を簡略化することであり、その結果として、不均一な照射などによる信号のひずみを除去することができる。
【0059】
図15は、粗いピッチおよび細かいピッチに基づき、回折次数を有する、重なったグレーティングターゲットを用いて生成される回折次数の図である。実線の内向きの矢印(下向き)は照射線の方向に対応する。実線の外向きの矢印(上向き)は画像化に用いられる回折波の方向に対応する。破線の外向きの矢印(上向き)は遮断された回折波の方向に対応する。四角の中の数字は回折波の細かいピッチの次数番号に対応する。図に示すように、実線の外向きの矢印は、細かいピッチの次数+1および−1に対応する波(線)の束内の粗いピッチの次数+1および−1に対応する。
【0060】
本発明の実施形態は、選択された回折次数を用いてオーバレイターゲットの画像化を提供する。上述の所定の実施において、回折次数の選択は、特定の光学システムの射出瞳面において、1つ以上の空間変調装置を位置付けることによって達成される。しかしながら、特定の光学システムにおいて、射出瞳面は空間変調装置の容易な配置のために手の届かない位置(配置できない位置)にある場合がある。例えば、射出瞳は対象内に配置される場合がある。この場合、リレー光学系は射出瞳のために共役面を生成するために用いられ、その共役の射出瞳を手の届く位置に(配置できる位置)位置付けることができる。しかしながら、多くの理由から、手の届かない位置にある射出瞳面を用いた光学システムの製造が望まれる場合がある。例えば、リレー光学系は、コスト、複雑性、システムのサイズおよび重量などを追加する場合がある。
【0061】
したがって、射出瞳が手の届かない位置にあるような測定ツールを構成することが望まれてもよい。そのようなシステムにおいて、代わりに調節可能な空間変調装置が、射出瞳に最も近い位置であって、その射出瞳と接触しない位置に位置付けられる、手の届く平面に配置されてもよい。すなわち、この変調装置は「接近瞳面」において位置付けられる。
【0062】
図16は、本発明の代替的な実施に係る、手の届かない位置にある射出瞳を有する測定システム300の図である。図に示すように、システム300は照射光をサンプル(例えばウエハ)に向けるための光源302を含む。このシステム300は
図1のシステムの部品と類似する部品を含んでもよい。しかしながら、このシステム300は、手の届かない位置にあって、リレー光学系を介して共役の瞳面へとリレーされない、対物射出瞳308を有する。むしろ、このシステム300は射出瞳に最も近い位置に、手の届く平面310を備える。調節可能な空間変調装置は、本明細書に記載したように、センサ312上において、選択された回折次数±nを画像化するように、この手の届く面に配置されてもよい。
【0063】
図示された実施形態において、手の届く面310は、照射経路に影響を及ぼさないように、本システム300においてビーム分割キューブ306の直後に配置される。もちろん、手の届く面の位置付けは多くの要因、例えば、空間変調装置のサイズや測定ツールの特定の光学系の設計などに依存する。
【0064】
図17Aから
図17Cは、本発明の様々な実施形態に係る特定の回折次数を選択するメカニズムを示す。
図17Aは、射出瞳面402における空間変調装置406の配置を示す。この空間変調装置はサンプルから発せられた散乱した光の、複数の回折次数404aから404cのうちの特定の1つを遮断し、伝達するように構成される。図に示すように、0の次数404bは空間変調装置によって遮断され、他方で、+1の次数402aおよび−1の次数402cは瞳面を介して伝達して、センサ(図示せず)に到達させる。あるいは、空間変調装置は、+1の次数402aおよび−1の次数402bを除いて、全ての射出瞳面を遮断するように構成してもよい。
【0065】
図17Bは最も接近した手に届く位置にある面412(例えば、
図16の面310)を示す。図に示すように、回折次数414aから414cは、特定の回折次数が遮断される、または伝達されるように許容可能な範囲で分離している。回折次数414aから414cは、理想的な射出瞳の配置よりもコンパクトではないが、選択された回折次数は変調装置416によって十分に遮断または伝達可能である。図に示すように、0の次数414bはセンサに届かず遮断され、他方で、+1の次数414aおよび−1の次数414cは伝達されてセンサに到達する。
【0066】
図17Cは、回折次数424aから424cが十分に分離されていないように、射出瞳に対して十分に接近して配置されていない、手が届く位置にある面422を示す。この図に示された場合において、特定の回折次数を遮断および伝達することは困難である。例えば、変調装置426は0の次数424bの全てではなく一部を遮断し、+1の次数424aおよび−1の次数424cの全てではなく一部を伝達するように構成してもよい。この場合、特定の回折次数を遮断および伝達することは困難である。
【0067】
このように、実質的に、1つ以上の選択された回折次数の全てを遮断し、その一方で、実質的に、他の選択された回折次数を伝達してセンサに到達するために、射出瞳に対して十分に接近した位置に変調装置を配置することが所望される。回折次数の分離の程度は、使用される光の波長、光学系の構成、変調装置のサイズ、および特定のターゲットのピッチに依存する。このように、測定ツールの波長および光学系の構成は、十分な次数の空間変調を可能にするために十分な次数の分離を提供するように選択され、その一方で、空間変調装置は射出瞳に対して可能な限り物理的に接近して配置されることが好ましい。
【0068】
特定の実施において、変調装置は、複数のクロム・オン・グラス(COG:chrome−on−glass)パターン(または、クロムに加えて他の適切な材料)を有するガラスプレートの形態をとる。各々のパターンは、特定の手に届く平面位置(例えば、ビーム分割キューブの後)に、回折次数のサブセットを選択するように構成可能である。ガラスは、不必要な回折次数を遮断するようにそのパターンを配置し、且つ所望の回折次数を可能にするようにパターン化されていない部分を配置するように、手の届く位置の面と直交する方向において移動および/または回転してもよい。
【0069】
ガラスはまた、そのガラスから反射を低減させるために、反射防止用の材料を用いてコーティングしてもよく、残留反射を光学システムから導くことができるように傾斜させてもよい。さらに、回折次数が通過するように意図された変調装置の領域は、ガラスが所望の回折次数に影響を与えないような位置に開口を提供するように、ドリルで穴を開けてもよい。クロムのパターンはまた、次数の選択ではなく、むしろアポディゼーションの関数を実行するために修正してもよい。別の実施形態において、クロム・オン・グラスの代わりに他のアプローチが、変調装置に対して用いられてもよい。例えば、液晶の透過型または反射型のピクセル化された(pixellated)素子またはDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)が用いられてもよい。反射型のアプローチに対して、光学系の形状は、変調装置の反射表面の品質を増加させるために修正する必要があってもよい。
【0070】
本発明の技術は、ソフトウェアシステムおよび/またはハードウェアシステムの任意の適切な組み合わせにおいて実施してもよい。システムの構成に関係なく、システムの様々な部品を制御して、そのシステムを用いて検出された出力画像および信号を分析するための1つ以上のプロセッサを用いてもよい。システムは、データ、汎用の検査装置用のプログラム命令、および/または本明細書に記載した発明の技術を記憶するように構成された1つ以上のメモリまたはメモリモジュールを含む。プログラム命令は、例えば、オペレーションシステムおよび/または1つ以上のアプリケーションの動作を制御してもよい。メモリまたは複数のメモリは、レイアウトパターン、レイアウトの規制ルール、およびターゲットのルールを記憶するように構成してもよい。
【0071】
そのような情報およびプログラム命令は、本明細書に記載するシステム/方法を実施するように用いられてもよく、本発明は、本明細書に記載した様々な操作を実行するために、プログラム命令、状態情報などを含む機械可読媒体に関連する。機械可読媒体の例は、ハードディスク、フロッピーディスク(登録商標)、磁気テープなどの磁気記憶媒体、CD−ROMディスクなどの光学媒体、フロプティカルディスクなどの磁気光学ディスク、ならびに、読み出し専用メモリ装置(ROM)およびランダムアクセスメモリ(RAM)などのプログラム命令を保存および実行するように構成されたハードウェア装置を含むが、それらに限定されない。本発明はまた、無線、光通信線、電気通信線などの適切な媒体を介して伝達される搬送波において実現されてもよい。プログラム命令の例は、コンパイラによって生成されるような機械コード、およびインタプリタを用いたコンピュータによって実行可能な高次のレベルコードを含むファイルを含む。
【0072】
本発明を複数の好適な実施形態に関連して記載したが、本発明の範囲内での変更、置換、および均等物が存在する。本発明の方法および装置を実施する多くの代替方法が存在することに留意すべきである。それゆえ、添付の特許請求の範囲は、本発明の真なる趣旨と範囲内にある変更、置換、および均等物の全てを含むと解釈されるべきであることが意図されている。
1
半導体ターゲットの特性を測定するための光学装置であって、
照射線を生成し、照射経路を介して半導体ターゲットに対して前記照射線を向けるための照射システムと、
前記照射線に応じて、前記半導体ターゲットから散乱した光を方向付けるための画像化システムと
を備え、前記画像化システムは、
散乱した光から画像を形成するための画像センサと、
画像化経路を介して、散乱した光を前記センサに向けるように構成された1つ以上の光学部品と、
前記散乱した光の特定の回折次数を前記画像センサに選択的に向け、他方で、前記散乱した光のうちの、選択された他の回折次数を遮断して前記画像センサに到達しないようにするための調節可能な空間変調装置と
を備える、光学装置。
2
前記調節可能な空間変調装置は、前記画像化経路の瞳と実質的に共役する平面に配置される、1に記載の光学装置。
3
前記画像化システムは、前記散乱した光を受けて、前記画像化経路の瞳と実質的に共役する前記平面を形成するためのリレー光学系をさらに備える、2に記載の光学装置。
4
前記半導体ターゲットは1つ以上のグレーティング構造から形成され、前記調節可能な空間変調装置は、一つ以上の±n(nはゼロではない整数である)の対の次数のみを前記センサに対して選択的に向けるように構成可能である、1から3のいずれか一項に記載の光学装置。
5
前記半導体ターゲットは1つ以上のグレーティング構造から形成され、前記調節可能な空間変調装置は、±1の回折次数のみを前記センサに選択的に向けるように構成可能である、1から3のいずれか一項に記載の光学装置。
6
前記照射システムは、1つ以上の前記照射線を、特定の照射角度および開口数で前記半導体ターゲットに選択的に向けるための第2の調節可能な空間変調装置を含み、前記第2の調節可能な空間変調装置は、前記照射経路の前記瞳と実質的に共役する平面に配置される、1から5のいずれか一項に記載の光学装置。
7
前記照射システムは、前記半導体ターゲットに対して実質的に垂直で、且つ様々な開口数で、照射線を前記半導体ターゲットに選択的に向けるための第2の調節可能な空間変調装置を含み、前記第2の調節可能な空間変調装置は、前記照射経路の前記瞳と実質的に共役する平面に配置される、1から5のいずれか一項に記載の光学装置。
8
前記調節可能な空間変調装置は、交換可能な機械的開口部、空間光変調器(SLM)、または回折光学素子(DOE)の1つ以上を備える、1から7のいずれか一項に記載の光学装置。
9
前記画像化経路の前記瞳は前記調節可能な空間変調装置を配置できない位置にあり、前記調節可能な空間変調装置は、前記画像化経路の前記瞳に対して最も接近した、配置できる平面に配置される、1から8のいずれか一項に記載の光学装置。
10
半導体ターゲットを画像化するために用いる回折次数のセットを判定する工程と、
測定ツールを、前記判定された回折次数のセットを用いて前記ターゲットを画像化するように構成する工程と、
前記判定された回折次数のセットから形成される前記ターゲットの画像を収集する工程と、
前記収集された画像に基づいてオーバレイエラーを判定および記憶する工程と
を含む、半導体ターゲットの特性を測定する方法。
11
前記半導体ターゲットは、各々が異なる層において、または異なる処理によって形成され、隣接するグレーティング間のアライメントエラーを判定するために構成された、隣接するグレーティングから形成され、前記判定された対の回折次数は±n(nは前記収集された画像のコントラストを最大にするために、ゼロではない整数である)の回折次数のみを含む、10に記載の方法。
12
前記半導体ターゲットは、各々が異なる層において、または異なる処理によって形成され、隣接するグレーティング間のアライメントエラーを判定するために構成された、隣接するグレーティングから形成され、前記判定された対の回折次数は、前記収集された画像のコントラストを最大にするために±1の回折次数のみを含む、10に記載の方法。
13
前記半導体ターゲットは、異なる層において形成されている、下側のグレーティングに重なる上側のグレーティングから形成され、上側および下側のグレーティング間のオーバレイエラーを判定するように構成されており、散乱した光は前記グレーティングの細かいピッチおよびモアレ効果によって生成された粗いピッチに関連する特性を有し、前記半導体ターゲットは前記粗いピッチの±n(nはゼロではない整数である)の回折次数のみを用いて画像化され、前記細かいピッチは分解されないままである、10に記載の方法。
14
前記半導体ターゲットは、異なる層において形成されている、下側のグレーティングに重なる上側のグレーティングから形成され、上側および下側のグレーティング間のオーバレイエラーを判定するように構成されており、散乱した光は前記グレーティングの細かいピッチおよびモアレ効果によって生成された粗いピッチに関連する特性を有し、前記半導体ターゲットは前記細かいピッチの±n(nはゼロではない整数である)の回折次数のみを用い、且つ前記粗いピッチの多くの次数(ゼロの次数を含む)を用いて、画像化される、10に記載の方法。
15
前記半導体ターゲットは、異なる層において形成されている、下側のグレーティングに重なる上側のグレーティングから形成され、上側および下側のグレーティング間のオーバレイエラーを判定するように構成されており、散乱した光は前記グレーティングの細かいピッチおよびモアレ効果によって生成された粗いピッチに関連する特性を有し、前記半導体ターゲットは前記細かいピッチの±n(nはゼロではない整数である)の回折次数のみを用い、且つ前記粗いピッチの±m(mはゼロではない整数である)の回折次数のみを用いて、画像化される、10に記載の方法。
16
前記半導体ターゲットは、第1の特性を有する第1のセットのグレーティングおよび前記第1の特性とは異なる第2の特性を有する第2のセットのグレーティングから形成される、10から15のいずれか一項に記載の方法。
17
前記第1の特性および前記第2の特性は第1のピッチの値および第2のピッチの値に対応する、16に記載の方法。
18
前記第1の特性および前記第2の特性は第1の回転角度および第2の回転角度に対応する、16に記載の方法。
19
グレーティングの前記第1のセットのターゲットの対称中心が、グレーティングの前記第2のセットのターゲットの対称中心と実質的に同じ整列配置された配置である場合、オーバレイエラーは存在しないと判定される、16に記載の方法。
20
mはnとは異なる、15に記載の方法。
21
mがnと等しい、15に記載の方法。
22
コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラム命令を有する、少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、
半導体ターゲットを画像化するために用いる回折次数のセットを判定する工程と、
測定ツールを、前記判定された回折次数のセットを用いて前記ターゲットを画像化するように構成する工程と、
前記判定された回折次数のセットから形成される前記ターゲットの画像を収集する工程と、
前記収集された画像に基づいてオーバレイエラーを判定および記憶する工程と
を実行するように構成されている、コンピュータ可読記憶媒体。
23
前記半導体ターゲットは、第1の特性を有する第1のセットのグレーティングおよび前記第1の特性とは異なる第2の特性を有する第2のセットのグレーティングから形成される、22に記載の少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体。
24
前記第1の特性および前記第2の特性は第1のピッチの値および第2のピッチの値に対応する、22に記載の少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体。
25
前記第1の特性および前記第2の特性は第1の回転角度および第2の回転角度に対応する、22に記載の少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体。
26
前記ターゲットの対称中心は前記ターゲットの幾何学的中心と等しい場合、オーバレイエラーが存在しないと判定される、22に記載の少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体。