(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基材の少なくとも一部の画像領域に画像要素が一様に配置されて第1の画像と第2の画像が形成された画像形成体であって、前記画像領域は、前記基材と異なる第1の色を有する背景要素を複数有して成る背景部と、前記第1の色と異なる第2の色を有する画像構成要素と、前記背景要素と周囲長が等しく前記画像構成要素を囲むように配置された前記第1の色を有する第1のカモフラージュ要素から成る第1の画像要素を複数有して成る第1の画像部と、前記第1の色を有し、前記背景要素と異なる面積で形成された第2の画像要素を複数有して成る第2の画像部から成り、複数の前記画像構成要素によって前記第1の画像が形成され、少なくとも複数の前記第2の画像要素によって、前記第2の画像が形成されたことを特徴とする画像形成体。
前記画像領域は、前記第1の画像部内に前記第2の画像部の一部と共通した共通画像部を有し、前記共通画像部は、前記画像構成要素と、前記画像構成要素を囲むように配置された前記第1の色を有する第2のカモフラージュ要素から成り、前記背景要素と異なる面積の第3の画像要素を複数有して成り、複数の前記画像構成要素によって、前記第1の画像が形成され、複数の前記第2の画像要素と前記第3の画像要素によって、前記第2の画像が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成体。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態における画像形成体(1)の概要について説明する。本発明の画像形成体(1)は、
図1に示すように、基材(2)の少なくとも一部に画像領域(3)を有する。本発明に用いる基材(2)には、上質紙、コート紙等の紙材又は、フィルム、プラスティック板等、平坦な面を有するものであれば如何なるものであっても良く、材質や外形形状、寸法、色等に関しては限定されるものではない。
図1において、画像形成体(1)は、額面(5)、記番号(6)が印刷された商品券の例を示しているが、本発明の画像形成体(1)は、銀行券、パスポート、諸証券等の真偽判別を行うセキュリティ製品や、ポスター、広告、看板等の一般製品の形態であっても良い。また、
図1において、基材(2)の一部が画像領域(3)で構成された状態を示しているが、本発明の画像形成体(1)は、基材(2)全体が画像領域(3)で構成されても良い。
【0029】
図2(a)は、画像領域(3)の一部拡大図であり、画像領域(3)には、画像要素(4)が複数配置される。本発明において、画像要素(4)とは、画素又は画線である。
【0030】
本明細書でいう「画素」とは、画像を構成する最小単位である網点自体か、網点を複数集合させて形成した一塊の画像要素であって、例えば円、三角形や四角形等を含む多角形、星形等の各種図形、文字や記号等が含まれ、画素の形状は如何なるものであっても本発明における画素に含まれるものとする。また、本明細書でいう「画線」とは、網点を一定方向に隙間無く連続して配置して構成した画像要素であって、点線や破線の分断線、直線、曲線及び波線のことであり、如何なる画線形状で構成しても本発明の技術的思想の範囲に含まれる。なお、
図2(a)は画素で構成される画像要素(4)が配置された状態を示している。
【0031】
画像領域(3)に配置される画像要素(4)の詳細な構成については後述するが、画像領域(3)は、
図2(b)に示すように、異なる構成の画像要素(4)がそれぞれ配置された3つの部位、すなわち、第1の画像部(10)、第2の画像部(20)及び背景部(30)で構成される。
【0032】
異なる画像要素(4)から構成されている各部位の詳細を
図3(a)〜(c)を用いて説明する。本実施の形態では、第1の画像部(10)を
図3(a)に示す「near」の文字とし、第2の画像部(20)を
図3(b)に示す「far」の文字として説明するが、本発明において第1の画像部(10)及び第2の画像部(20)の形状は、他の記号、文字、図形等であっても良い。
図3(c)は、第1の画像部(10)と第2の画像部(20)の背景となる背景部(30)を示す図である。
【0033】
本発明の画像形成体(1)は、近づけて観察すると
図4(a)に示すように、第1の画像部(10)が現す画像「以下、第1の画像(10S)という。」を視認でき、遠ざけて観察すると
図4(b)に示すように、第2の画像部(20)が現す「以下、第2の画像(20S)という。」を視認できる。なお、画像形成体(1)を観察する距離は、画像形成体(1)の大きさにもよるが、例えば、各種証券のように手で持って観察する場合、腕の曲げ伸ばしの範囲であり、この場合、腕を曲げて10cm程度が近づけて観察するときの距離であり、腕を伸ばして60cm程度が遠ざけて観察するときの距離である。なお、近づけて観察する距離と、遠ざけて観察する距離の間では、第1の画像部(10)と第2の画像部(20)による画像の両方が混在した状態であり、それぞれの画像が視認できる状態から、観察する距離が離れるほど、徐々に画像が視認し難くなる。このように、本発明の画像形成体(1)は、観察する距離を変化させた場合に、視認できる画像が変化することで、真偽判別をすることができる。以下、本発明の第1の実施の形態における画像形成体(1)の各部の詳細について説明する。なお、はじめに、画素の形態について説明し、画線の形態については後述する。
【0034】
画像形成体(1)が画素で構成される場合の各部の構成について
図5から
図8を用いて説明する。
【0035】
(背景部)
図5は背景部(30)の構成を示す図である。
図5(a)の拡大図に示すように、背景部(30)は、基材(2)と異なる第1の色の背景要素(31)が複数配置されて成る。なお、
図5(a)では画素の例として、背景要素(31)が幅(W1)及び高さ(H1)の正方形で複数配置された状態を示している。
【0036】
本発明において、基材(2)と異なる第1の色の画像要素(4)を形成する方法としては、基材(2)と異なる色のインキで印刷したり、すき入れ装置によって形成することができる。透かしの状態で形成した画像要素(4)も、透かして観察する時に、基材(2)に対して輝度値の差による色の差が生じることから、透かしで形成される画像要素(4)も、本発明でいう基材(2)と異なる色の概念に含まれる。なお、すき入れ装置とは、製紙工程で用いられる円網やダンディロールによる加工装置があり、他には、レーザー加工によって、基材の一部を除去する加工方法がある。
【0037】
ここでいう「複数配置」には、「一定のピッチで配置された状態」と「一様に配置された状態」が存在する。なお、「一定のピッチで配置された状態」とは、
図5(a)の拡大図に示すように、背景要素(31)が2つの異なる方向に一定のピッチ(P1)及び(P2)で複数配置される状態を示す。また、「一様に配置された状態」とは、
図5(b)の拡大図に示すように、配置の仕方に特定の規則性は存在しないが、背景部(10)の単位面積あたりに配置される背景要素(31)の数が、背景部(10)全体にわたってほぼ等しく、遠目で見たときに濃度が一定に見える状態を示す。ここでは
図5(a)に示す「一定のピッチで配置された状態」について説明する。
【0038】
本発明において、背景部(30)に複数配置される背景要素(31)はすべて周囲長が等しく形成される。
【0039】
ここでいう「周囲長」とは1つの画像要素の外周部分の長さを示す。例えば、
図5の拡大
【0040】
図に示す背景要素(31)の周囲長は以下の(数1)の式に示すとおりである。
(数1)
正方形の画素の周囲長=(画素の幅(W1)+画素の高さ(H1))×2
【0041】
図6(a)及び
図6(b)は、画素の形態における背景要素(31)の他の例を示す図であり、
図6(a)は円形の画素の例、
図6(b)は正三角形の画素の例を示している。ここで円形の画素の周囲長(L1)の計算式は、以下の(数2)の式に示すとおりであり、正三角形の画素の周囲長(L2)の計算式は、以下の(数3)の式に示すとおりである。
【0042】
(数2)
円形の画素の周囲長(L1)=直径(D)×π
【0043】
(数3)
正三角形の画素の周囲長(L2)=一辺の長さ(M)×3
【0044】
図6(a)及び
図6(b)に示す背景要素(31)は異なる形状であるが、
図6(a)に示す円形の画素の周囲長(L1)及び
図6(b)に示す三角形の画素の周囲長(L2)が等しければ同じ背景部(30)に配置して良い。同様に、周囲長が等しければ
図6に示す背景要素(31)以外の形状であっても同じ背景部(30)に配置しても良い。
【0045】
本発明の原理については後述するが、背景要素(31)は肉眼で確認可能な大きさで形成する。各種証券など、画像形成体(1)を手に持って観察する場合、背景要素(31)の幅(W1)及び高さ(H1)は下限が0.5mm程度、上限が5mm程度で形成するのが好ましい。なお、背景要素(31)の幅(W1)及び高さ(H1)の下限が0.5mm程度である理由は、背景要素(31)を肉眼で確認するために必要な大きさである。また、背景要素(31)の幅(W1)及び高さ(H1)の上限が5mm程度である理由は、遠距離と近距離で観察するときに解像度の良い画像を形成するための大きさである。背景要素(31)の幅(W1)及び高さ(H1)の上限が5mmより大きくても、遠距離と近距離で視認できる画像を形成することができるが、画像が粗くなってしまう。
【0046】
(第1の画像部)
図7は、第1の画像部(10)の構成を示す図である。
図7の拡大図に示すように、第1の画像部(10)は、第1の色と異なる第2の色を有する画像構成要素(12)と、画像構成要素(12)を囲んで隣接し、第1の色を有する第1のカモフラージュ要素(13)から成る第1の画像要素(11)が複数配置されて成る。なお、
図7では画素の例としてカモフラージュ要素が幅(W2)及び高さ(H2)の正方形、画像構成要素が幅(W3)及び高さ(H3)の正方形で複数配置された状態を示している。
【0047】
ここでいう「複数配置」には、背景部(30)に配置される背景要素(31)と同様に「一定のピッチで配置された状態」と「一様に配置された状態」が存在する。「一定のピッチで配置された状態」の場合、第1の画像要素(11)が配置される間隔は背景要素(31)の間隔と同じである。また「一様に配置された状態」の場合、第1の画像部(10)の単位面積あたりに配置される第1の画像要素(11)の数が、第1の画像部(10)に全体にわたってほぼ等しく、かつ、背景部(30)の単位面積あたりに配置される背景要素の数とほぼ等しく構成される状態のことである。ここでは
図7(a)に示す「一定のピッチで配置された状態」について説明する。
【0048】
ここでいう「第2の色」とは、第1の色と異なるすべての色である。第2の色を形成する方法としては、基材(2)をインキ等で着色する方法がある。また、インキを用いることなく、画像構成要素(12)の範囲を白抜きとすることによって基材(2)の色を第2の色として使用しても良い。
【0049】
前述のように、第1の画像要素(11)は、画像構成要素(12)を第1のカモフラージュ要素(13)が囲んで隣接する構成であるため、第1のカモフラージュ要素(13)の外周が第1の画像要素(11)の周囲長となる。そして、本発明において、第1の画像部(10)に複数配置される第1のカモフラージュ要素(13)の周囲長は、すべて背景要素(31)の周囲長と等しく形成される。また、背景部(30)と同様に、第1の画像要素(11)もまた、周囲長が等しければ異なる形状であっても同じ第1の画像部(10)に配置して良い。
【0050】
画像構成要素(12)と第1のカモフラージュ要素(13)の位置関係は、
図8(a)に示すように、各画像要素(4)の幅と高さの中心の位置が同じ状態の構成であっても良いし、
図8(b)に示すように、各画像要素(4)の幅と高さのうちの、一方の中心の位置がずれた状態の構成であっても良いし、
図8(c)に示すように、各画像要素(4)の幅と高さの両方の中心の位置がずれた状態の構成であっても良い。また、
図8に示す配置の例、画像構成要素(12)が、第1のカモフラージュ要素(13)に囲まれた配置であれば良い。
【0051】
背景部(30)と同様に、第1の画像要素(11)は肉眼で確認可能な大きさで形成する。各種証券など画像形成体を手に持って観察する場合、第1の画像要素(11)の幅(W2)及び高さ(H2)は背景要素(31)の幅(W1)及び高さ(H1)の範囲と同様であり、画像構成要素(12)の幅(W3)及び高さ(H3)は、背景要素(31)の幅(W1)及び高さ(H1)の20%程度で形成する必要がある。なお、画像構成要素(12)の幅(W3)及び高さ(H3)を、背景要素(31)の幅(W1)及び高さ(H1)の20%程度で形成する理由については後述する。
【0052】
背景要素(30)及び第1の画像要素(11)を配置するピッチ(P1、P2)は、特に限定されるものではないが、好ましくは、以下の(数4)から(数7)の式に示す条件で背景要素(30)と第1の画像要素(21)を配置するのが良い。なお、この理由についは後述する。
【0053】
(数4)
背景要素の幅(W1)+画像構成要素の幅(W3)<ピッチ(P1)
【0054】
(数5)
第1の画像要素の幅(W2)+画像構成要素の幅(W3)<ピッチ(P1)
【0055】
(数6)
背景要素の高さ(H1)+画像構成要素の高さ(H3)<ピッチ(P2)
【0056】
(数7)
第1の画像要素の高さ(H2)+画像構成要素の高さ(H3)<ピッチ(P2)
【0057】
(第2の画像部)
図9は、第2の画像部(20)の構成を示す図である。
図9の拡大図に示すように、第2の画像部(20)は、背景要素(31)及び第1の画像要素(11)と比較して周囲長が異なり、第1の色を有する第2の画像要素(21)が複数配置されて成る。なお、
図9では、画素の例として第2の画像要素(21)が幅(W4)及び高さ(H4)の正方形で複数配置された状態を示している。
【0058】
ここでいう「複数配置」には、背景部(30)に配置される背景要素(31)と同様に「一定のピッチで配置された状態」と「一様に配置された状態」が存在する。「一定のピッチで配置された状態」の場合、第2の画像要素(21)が配置される間隔は背景要素(31)の間隔と同じである。また「一様に配置された状態」の場合、第2の画像部(20)の単位面積あたりに配置される第2の画像要素(21)の数が、第2の画像部(20)に全体にわたってほぼ等しく、かつ、背景部(30)の単位面積あたりに配置される背景要素の数とほぼ等しく構成される状態のことである。ここでは
図9に示す「一定のピッチで配置された状態」について説明する。
【0059】
幅(W4)及び高さ(H4)の第2の画像要素(21)の周囲長は、幅(W1)及び高さ(H1)の背景要素(31)と比較して大きくても良いし、小さくても良い。本実施の形態においては、第2の画像要素(21)の周囲長が背景要素(31)よりも大きい場合について説明する。
【0060】
本発明において、第2の画像部(20)に複数配置される第2の画像要素(21)は、すべて周囲長が等しい。また、背景部(30)と同様に、第2の画像要素(21)もまた、周囲長が等しければ異なる形状であっても同じ第2の画像部(20)に配置して良い。
【0061】
背景部(30)と同様に、第2の画像要素(21)は肉眼で確認可能な大きさで形成する。各種証券など画像形成体を手に持って観察する場合、第2の画像要素(21)の幅(W4)及び高さ(H4)は背景要素(30)の幅(W1)及び高さ(H1)に対して90%程度から110%程度の範囲で形成する必要がある。なお、第2の画像要素(22)の幅(W4)及び高さ(H4)を、背景要素(31)の幅(W1)及び高さ(H1)の90%から110%程度で形成する理由については後述する。
【0062】
第2の画像要素(21)を配置するピッチ(P1、P2)についても、特に限定されるものではないが、好ましくは、以下の(数8)及び(数9)の式に示す条件で第2の画像要素(21)を配置するのが良い。なお、この理由についは後述する。
【0063】
(数8)
第2の画像要素の幅(W4)+画像構成要素の幅(W3)<ピッチ(P1)
【0064】
(数9)
第2の画像要素の高さ(H4)+画像構成要素の高さ(H3)<ピッチ(P2)
【0065】
(効果、原理)
続いて、第1の実施の形態において観察距離によって画像が変化する原理について、
図10及び
図11を用いて説明する。
【0066】
本発明の近距離で視認される画像は、「明るさの対比」と呼ばれる原理を用いている。これは、ある領域がそれよりも暗い領域に囲まれると、その領域はより明るく見え、逆にそれより明るい領域に囲まれると、その領域はより暗く見える現象である。これと同様にして、ある色で形成された領域が、それとは異なる色の領域で囲まれたとき、囲まれた領域の色が目立って見える。この原理を、本発明の構成に置き換えると、各画像要素(4)は、基材(2)の色で囲まれているため、各画像要素(4)の色が目立って見える。このとき、面積の大きい第1の色がまず強調されて見える。また、第1の画像要素(11)において、第2の色を有する画像構成要素(12)は、第1の色を有する第1のカモフラージュ要素(13)に囲まれているため、第2の色もまた、強調されて見える。この原理によって近距離で視認される画像について説明する。
【0067】
図10(a)は画像領域(3)を近距離で観察したときに、背景部(30)、第1の画像部(10)及び第2の画像部(20)が肉眼でどのように見えるかを示す図である。
図10(a)の拡大図に示すように、基材(2)に対して背景要素(31)、画像構成要素(12)、第1のカモフラージュ要素(13)及び第2の画像要素(21)は肉眼で明確に識別できる。画像領域(3)中に画像要素(4)が複数配置されている場合、肉眼には基材(2)の色に対して、まず、基材(2)に形成された面積の大きい第1の色を認識し、次に第2の色を認識する。
【0068】
近距離で観察した場合の画像領域(3)では、明るさの対比の原理によって各画像要素が有する第1の色と基材(2)の色の差が強調される。第2の画像要素(21)の幅(W4)及び高さ(H4)が、背景要素(31)及び第1の画像要素(11)の幅及び高さの90%以上110%以下の範囲で周囲長が異なる場合、背景要素(31)及び第1の画像要素(11)に対する第2の画像要素(21)の周囲長の差、すなわち、大きさの差は、各画像要素が有する第1の色と基材(2)の色の差以上には目立たない。大きさの差が、各画像要素が有する第1の色と基材(2)の色の差に対して目立たない中で、第1の画像要素(11)が有する画像構成要素(12)は、背景要素(31)を構成する第1の色と異なる第2の色で構成されているため、背景要素(31)及び第2の画像要素(21)との色の差が強調して認識される。なお、各画像要素(4)が有する第1の色と基材(2)の色の差が強調されるために、基材(2)の色と第1の色が有彩色の場合、基材(2)の色と第1の色は、L*a*b*表色系で60度以上異なることが好ましく、基材(2)の色と第1の色が無彩色の場合、基材(2)の色と第1の色のそれぞれを白色と黒色にすることが好ましい。
【0069】
図10(b)は
図10(a)の結果として肉眼が認識する画像を示す図である。
図10(b)に示すように、近距離で観察した場合の画像領域(3)では、背景要素(31)及び第2の画像要素(21)の第1の色に対して、第1の画像要素(11)が有する画像構成要素(12)の色の差が強調され、第1の画像要素(11)が複数配置されて成る第1の画像部(10)が画像として認識される。これに対して、背景要素(31)と第2の画像要素(21)の大きさの差は、各画像要素が有する第1の色と基材(2)の色の差に対して目立たないため、第2の画像部(20)は背景部(30)とともに背景として認識される。なお、近距離で画像構成要素(12)の色の差が強調されるために、第1の色と第2の色が有彩色の場合、第1の色と第2の色は、L*a*b*表色系で60度以上異なることが好ましく、より好ましくは、補色関係とするのが良い。また、第1の色と第2の色が無彩色の場合は、第1の色と第2の色のそれぞれを白色と黒色にすることが好ましい。
【0070】
続いて、遠距離で観察したときに画像が変化する原理について説明する。本発明の原理の中で、遠距離で認識される画像は次に説明する原理を用いている。
【0071】
肉眼での画像の識別の度合いは肉眼の分解能及び対象物との距離によって変化し、個人差はあるものの一定の限度が存在する。対象物を観察するとき、対象物との距離が増加していくと肉眼での対象物の見掛け上の大きさは縮小していき、最終的には肉眼で識別不可能な大きさとなる。本発明において、一定のピッチで複数配置された画像要素(4)の場合、対象物との距離が増加していくと肉眼での画像要素(4)と基材(2)の境目はあいまいになり、識別が困難になっていく。また、画像構成要素(12)は見掛け上の大きさが肉眼の分解能より小さくなると同時に、第1のカモフラージュ要素(13)との境目がぼやけるために肉眼での識別が難しくなる。
【0072】
図11(a)は遠距離で観察した時に背景部(30)、第1の画像部(10)及び第2の画像部(20)が肉眼でどのように見えるかを示す図である。
図11(a)の背景部(30)の拡大図に示すように、背景要素(31)と基材(2)の境目は肉眼でぼやけて識別される。また、
図11(a)の第1の画像部(10)の拡大図に示すように、画像構成要素(12)と第1のカモフラージュ要素(13)の境目及び第1のカモフラージュ要素(13)と基材(2)の境目は肉眼でぼやけて識別される。また、
図11(a)の第2の画像部(20)の拡大図に示すように、第2の画像要素(21)と基材(2)の境目は肉眼でぼやけて識別される。
【0073】
第1の画像要素(11)と背景要素(31)が同じ周囲長であることから、画像構成要素(12)が肉眼でぼやけて識別される結果、第1の画像要素(11)は背景要素(31)との違いが目立たなくなる。したがって第1の画像要素(11)は背景要素(31)と同じように肉眼で識別される。近距離で識別可能な画像を構成していた画像構成要素(12)が遠距離で目立たなくなる中で、遠距離で観察した場合の第2の画像部(20)では、第2の画像要素(21)と背景要素(31)の間の周囲長の差すなわち面積の差が、色の濃淡の差として認識される。
【0074】
図11(b)は
図11(a)の結果として肉眼が認識する画像を示す図である。
図11(b)に示すように、遠距離で観察した場合の画像領域(3)では第2の画像要素(21)と背景要素(31)との大きさの差が画像として認識される。これに対して、画像構成要素(12)が目立たない第1の画像要素(11)は背景要素(31)との違いが目立たないため、第1の画像部(10)は背景部(30)とともに背景として認識される。
【0075】
以上の原理によって、本発明における画像形成体(1)は肉眼で容易に観察可能であり、近距離で観察したときと遠距離で観察したときで視認可能な画像が完全に切り替わる。なお、透かしで画像要素(4)を形成した場合には、透過光で近距離と遠距離で観察したときに視認可能な画像が切り替わる効果がある。また、基材(2)が光透過性を有する場合には、印刷によって画像要素(4)を形成した場合にも、透過光の観察で同じ効果がある。
【0076】
本発明を実施するにあたり、各種証券など画像形成体を手に持って観察する場合は腕の曲げ伸ばしの範囲で観察距離が変化する。前述のように、背景要素(31)同士、第1の画像要素(11)同士、第2の画像要素(21)同士を配置するピッチ(P1、P2)を、各画像要素の幅(W1、W2、W3)及び高さ(H1、H2、H3)と画像構成要素(12)の幅(W3)及び高さ(H1)の和より大きくするのが好ましい理由は、腕を曲げた状態(近距離)から腕を伸ばした状態(遠距離)に移動させて観察する際に、はじめに、画像構成要素(12)の識別ができなくなって、その段階で、第2の画像部(20)による画像を出現させるためである。これとは逆に、各画像要素(4)を配置するピッチ(P1、P2)が、各画像要素の幅(W1、W2、W3)及び高さ(H1、H2、H3)と画像構成要素(12)の幅(W3)及び高さ(H1)の和より小さくても、視認できる画像が変化する効果はあるが、この場合、近距離から遠距離に画像形成体(1)を離していくときに、初めに、画像要素(4)同士の識別ができなくなるが、その段階では、画像構成要素(12)が識別できるので、画像が変化しない。そして、その段階から更に画像形成体(1)を離して画像構成要素(12)が識別できなくなった段階で第2の画像(20S)が出現して視認できる画像が変化する。すなわち、画像が変化するために画像形成体(1)を移動させる距離が大きくなるため好ましくない。このことから、
図5(b)に示すように、背景要素(31)が一様に配置される場合においては、背景要素(31)同士の間隔の最小値(D
min)が、画像構成要素の幅(W3)及び高さ(H1)よりも大きく配置することで、第1の画像(10S)と第2の画像(20S)を観察するために画像形成体(1)を移動させる距離を短くすることができる。
【0077】
また、第2の画像要素(21)の幅(W4)及び高さ(H4)を、背景要素(31)の幅(W1)及び(H1)の90%から110%とする理由は、近距離で観察したときに、第2の画像部(20)による画像を視認させないためであり、この範囲を超えると、近距離で第2の画像部(20)による画像が視認されてしまうため好ましくない。
【0078】
また、画像構成要素(12)の幅(W3)及び高さ(H3)を背景要素(30)の幅(W1)及び高さ(H1)の20%とする理由は 近距離で観察したときに、画像構成要素(12)によって第1の画像部(10)による画像を視認させるために必要な大きさであり、かつ、遠距離で観察したときに、第1のカモフラ−ジュ要素(13)との識別が困難になるための大きさである。
【0079】
各種証券など画像形成体を手に持って観察する場合、各画像要素は前述した大きさの配位で形成されるが、原理で説明した内容は製品の形態に応じて応用が可能である。ポスターや看板等のように、製品の形態が大きい場合、本発明の実施の形態の原理に基づき、各画像要素の大きさを適宜調整すれば良い。
【0080】
続いて、画像形成体(1)が画線で形成される場合について
図12から
図14を用いて説明する。
【0081】
図12は背景部(30)の構成を示す図である。
図12の拡大図に示すように、背景部(30)は基材(2)とは異なる第1の色の背景要素(31)が一定のピッチ(P3)で万線状に複数配置されて成る。なお、本発明において画線長さ(L1)は長辺方向の寸法、画線幅(h1)は短辺方向の寸法を指す。また、本発明において万線状とは、
図12の拡大図に示すように、画線が同じ方向に一定のピッチで複数配置された状態のことを指す。
【0082】
画素の場合と同様に、背景要素(31)は肉眼で確認可能な画線幅(h1)で形成する。各種証券など、画像形成体を手に持って観察する場合、背景要素(31)の画線幅(h1)は下限が0.5mm程度、上限が5mm程度で形成するのが好ましい。この理由については、背景要素(31)が画素で構成される場合と同様であり、下限については、肉眼で確認可能な大きさであり、上限については、解像度の良い画像を形成するための大きさである。
【0083】
図13は第1の画像部(10)の構成を示す図である。
図13の拡大図に示すように、第1の画像部(10)は第1の色と異なる第2の色を有する画像構成要素(12)と、画像構成要素(12)を囲んで隣接し、第1の色を有する第1のカモフラージュ要素(13)から成る第1の画像要素(11)が、背景要素(31)と同じピッチ(P3)で万線状に複数配置されて成る。
【0084】
画像要素(4)が画線で構成される場合においても、第1の画像要素(11)と背景要素(31)は周囲長が等しく形成される。本発明でいう第1の画像要素(11)と背景要素(31)が画線で構成される場合の「周囲長が等しい」とは、第1の画像要素(11)と背景要素(31)を同じ単位長さ当たりで比較した場合に周囲長が等しいことである。このとき、第1の画像要素(11)の画線幅(h2)と背景要素(31)の画線幅(h1)は等しくなる。
【0085】
各種証券など、画像形成体を手に持って観察する場合、画像構成要素(12)の画線幅(h3)は、背景要素(31)の画線幅(h1)の5〜10%程度で形成するのが好ましい。この理由は、近距離で観察したときに、画像構成要素(12)によって第1の画像部(10)による画像を視認させるために必要な大きさであり、かつ、遠距離で観察したときに、第1のカモフラ−ジュ要素(13)との識別が困難になるための大きさである。
【0086】
画素の構成で説明したのと同様に、近距離から遠距離に離していくときに、はじめに、画像構成要素(12)が識別できなくなることが好ましい。そのための画線で構成される背景要素(30)及び第1の画像要素(11)を配置するピッチ(P3)の条件は以下の(数10)の式に示すとおりである。
【0087】
(数10)
背景要素の画線幅(h1)+画像構成要素の画線幅(h3)<ピッチ(P3)
第1の画像要素の画線幅(h2)+画像構成要素の画線幅(h3)<ピッチ(P3)
【0088】
図14は、第2の画像部(20)の構成を示す図である。
図14の拡大図に示すように、第2の画像部(20)は第1の色を有する第2の画像要素(21)が背景要素(31)と同じピッチ(P3)で万線状に複数配置されて成る。
【0089】
画像要素(4)が画線で構成される場合においても、第2の画像要素(21)と背景要素(31)は周囲長が異なる。本発明でいう第2の画像要素(21)と背景要素(31)が画線で構成される場合の「周囲長が異なる」とは、第2の画像要素(21)と背景要素(31)を同じ単位長さ当たりで比較した場合に周囲長が異なることである。このとき、第2の画像要素(21)の画線幅(h4)と背景要素(31)の画線幅(h1)は異なる。
【0090】
第2の画像要素(21)の周囲長は背景要素(31)と比較して大きくても良いし、小さくても良いが、近距離で観察したときに第2の画像部(20)による画像が視認されないために、第2の画像要素(21)の画線幅(h4)は、背景要素(31)の幅(h1)に対して90%以上110%以下の範囲で形成するのが好ましい。
【0091】
画素の構成で説明したのと同様に、近距離から遠距離に離していくときに、はじめに、画像構成要素(12)が識別できなくなることが好ましい。そのための画線で構成される第2の画像要素(21)を配置するピッチ(P3)の条件は以下の(数11)の式に示すとおりである。
【0092】
(数11)
第2の画像要素の画線幅(h4)+画像構成要素の画線幅(h3)<ピッチ(P3 )
【0093】
本発明において、画線で形成した画像形成体(1)のもたらす効果と原理については、画素の構成と同様であるため説明を省略する。第1の実施の形態の画像形成体(1)において、画像要素(4)が画素のみで構成される場合と、画像要素(4)が画線のみで構成される場合について説明したが、以上に説明した原理によって、近距離と遠距離で視認できる画像が変化する効果が生じれば、画線と画素を組み合わせたり、画線と画素の両方用いて各画像部を形成しても良い。
【0094】
(第2の実施の形態)
図15は、第2の実施の形態における画像形成体(1)を示す図である。第2の実施の形態は、第1の実施の形態に対して、第1の画像部(10)内に第2の画像部(20)の一部と共通する共通画像部(40)を備える構成となっている。
【0095】
第2の実施の形態の各部位の詳細を
図16(a)〜(d)により説明する。本実施の形態では、第1の画像部(10)を
図16(a)に示す「near」の文字、第2の画像部(20)を
図16(b)に示す「far」の文字として説明し、共通画像部(40)を
図16(c)に示す「near」と「far」の一部が重複した部分として説明するが、本発明において第1の画像部(10)、第2の画像部(20)及び共通画像部(40)の形状は、他の記号、文字、図形等であっても良い。
図16(d)は第1の画像部(10)、第2の画像部(20)及び共通画像部(40)の背景となる背景部(30)を示す図である。
【0096】
本発明において、共通画像部(40)とは、第1の画像部(10)と第2の画像部(20)の一部が重複する領域であって、第1の画像部(10)と第2の画像部(20)に共通する画像要素(4)が配置される領域である。以下、本発明の第2の実施の形態における画像形成体(1)の詳細について説明するが、共通画像部(40)以外の各画像部の構成は、第1の実施の形態と同じであるため説明を省略する。はじめに画素の形態について説明する。
【0097】
(共通画像部)
図17は、共通画像部(40)の構成を示す図である。
図17の拡大図に示すように、共通画像部(40)は、第1の色と異なる第2の色を有する画像構成要素(12)と、画像構成要素(12)を囲んで隣接し、第1の色を有する第2のカモフラージュ要素(43)から成る第3の画像要素(41)が数配置されて成る。なお、
図17では画素の例として第3の画像要素(41)が幅(W5)及び高さ(H5)の正方形で複数配置された状態を示している。
【0098】
ここでいう「複数配置」には、背景部(30)に配置される背景要素(31)と同様に「一定のピッチで配置された状態」と「一様に配置された状態」が存在する。
図17では「一定のピッチで配置された状態」について説明する。
【0099】
画像構成要素(12)と第2のカモフラージュ要素(43)の位置関係は、第1の画像要素(11)を構成する画像構成要素(12)と第1のカモフラージュ要素(13)の位置関係と同様に、各画像要素(4)の幅と高さの中心の位置が同じでも良いし、ずれた状態でも良い。
【0100】
前述のように、第3の画像要素(41)は、画像構成要素(12)を第2のカモフラージュ要素(43)が囲んで隣接する構成であるため、第2のカモフラージュ要素(43)の外周が第3の画像要素(41)の周囲長となる。そして、本発明において、共通画像部(40)に複数配置される第2のカモフラージュ要素(43)の周囲長は、すべて第2の画像要素(21)の周囲長と等しく形成される。仮に、背景要素(31)の周囲長に対して第2の画像要素(21)の周囲長が小さい場合は、背景要素(31)の周囲長に対して第3の画像要素(41)の周囲長も小さく、背景要素(31)の周囲長に対して第2の画像要素(21)の周囲長が大きい場合は、背景要素(31)の周囲長に対して第3の画像要素(41)の周囲長も大きい。ここでは、第2の画像要素(21)及び第3の画像要素(41)の周囲長が背景要素(31)に対して大きい場合について説明する。
【0101】
本発明において、共通画像部(40)に複数配置される第3の画像要素(41)はすべて周囲長が等しい。また、背景部(30)と同様に第3の画像要素(41)もまた、周囲長が等しければ異なる形状であっても同じ共通画像部(40)に配置して良い。
【0102】
背景部(30)と同様に、第3の画像要素(41)は肉眼で確認可能な大きさで形成する。各種証券など、画像形成体(1)を手に持って観察する場合、第3の画像要素(41)の幅(W5)及び高さ(H5)は第2の画像要素(21)の幅(W4)及び高さ(H4)と同じ大きさの範囲とする。
【0103】
第1の実施の形態と同様に、近距離から遠距離に離していくときに、はじめに、画像構成要素(12)が識別できなくなることが好ましい。そのための第3の画像要素(41)を配置するピッチ(P1、P2)の条件は以下の(数12)に示すとおりである。
【0104】
(数12)
第3の画像要素の幅(W5)+画像構成要素の幅(W3)<ピッチ(P1)
第3の画像要素の高さ(H5)+画像構成要素の高さ(H3)<ピッチ(P2)
【0105】
第2の実施の形態における共通画像部(40)の効果について、
図18及び
図19を用いて説明する。なお、背景部(30)、第1の画像部(10)及び第2の画像部(20)の効果については第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0106】
図18は、画像領域(3)を近距離で観察した状態を示す図であり、
図18(a)は、共通画像部(40)が肉眼でどのように見えるかを示している。
図18(a)の共通画像部(40)の拡大図に示すように、基材(2)に対して画像構成要素(12)及び第2のカモフラージュ要素(43)は肉眼で明確に識別できる。
【0107】
近距離で観察した場合の画像領域(3)では、明るさの対比によって各画像要素と基材(2)の明暗の差がより強調される。第3の画像要素(41)が第2の画像要素(21)と同じ大きさの範囲で形成している場合、各画像要素と基材(2)の明暗の差がより強調して認識されるために、第3の画像要素(41)が有する周囲長の差、すなわち、大きさの差は、第2の画像要素(21)と同様に各画像要素と基材(2)との明暗の差に対して目立たない。大きさの差が明るさの差に対して目立たない中で、第3の画像要素(41)を構成する画像構成要素(12)は、背景要素(31)を構成する第1の色と異なる第2の色で構成しているため、背景要素(31)及び第2の画像要素(21)との明暗の差がより強調して認識される。
【0108】
図18(b)は、
図18(a)の結果として肉眼が認識する画像を示す図である。
図18(b)に示すように、近距離で観察した場合の画像領域(3)では、第1の画像要素(11)が有する画像構成要素(12)及び第3の画像要素(41)が有する画像構成要素(12)が背景要素(31)及び第2の画像要素(21)に対して明暗の差がより強調されるため、第1の画像部(10)及び共通画像部(40)が現す第1の画像(10T)が認識される。
【0109】
図19は、画像領域(3)を遠距離で観察した状態を示す図であり、
図19(a)は、共通画像部(40)が肉眼でどのように見えるかを示している。
図19(a)の共通画像部(40)の拡大図に示すように、画像構成要素(12)と第2のカモフラージュ要素(43)の境目及び第2のカモフラージュ要素(43)と基材(2)の境目は肉眼でぼやけて識別される。
【0110】
第2のカモフラージュ要素(43)に囲まれた画像構成要素(12)もまた、第1の画像要素(11)と同様に、見掛け上の大きさが肉眼の分解能より小さくなると同時に、第2のカモフラージュ要素(43)との境目がぼやけるために肉眼での識別が難しくなる。画像構成要素(12)が目立たない中で、遠距離で観察した場合の共通画像部(40)では、背景要素(31)に対する第3の画像要素(41)の周囲長の差、すなわち、面積の差が色の濃淡の差として認識される。
【0111】
図19(b)は、
図19(a)の結果として肉眼が認識する画像を示す図である。
図19(b)に示すように、遠距離で観察した場合の画像領域(3)では、背景要素(31)及び第1の画像要素(11)に対する第2の画像要素(21)及び第3の画像要素(41)の面積の差が色の濃淡の差として認識される結果、第2の画像部(20)及び共通画像部(40)が現す第2の画像(20T)が認識される。
【0112】
以上の原理によって、第1の画像部(10)と第2の画像部(20)の一部が同じ範囲で重複する場合でも、近距離で観察したときに識別可能な画像と遠距離で観察したときに識別可能な画像が完全に切り替わるのが、第2の実施の形態がもたらす効果である。
【0113】
続いて、共通画像部(40)が画線で形成される場合について
図20を用いて説明する。
【0114】
図20は、共通画像部(40)の構成を示す図である。
図20の拡大図に示すように、共通画像部(40)は、第1の色と異なる第2の色を有する画像構成要素(12)と、画像構成要素(12)を囲んで隣接し、第1の色を有する第2のカモフラージュ要素(43)から成る第3の画像要素(41)が背景要素(31)と同様のピッチ(P3)で万線状に複数配置されて成る。
【0115】
第3の画像要素(41)の周囲長は第2の画像要素(21)の周囲長と同じである。このとき、第3の画像要素(41)の画線幅(h5)は、画線で構成される第2の画像要素(21)の画線幅(h4)と同じである。
【0116】
第3の画像要素(41)の周囲長は、第2の画像要素(21)と同様に背景要素(31)と比較して大きくても良いし、小さくても良い。
【0117】
共通画像部(40)画線で構成した画像形成体(1)がもたらす効果と原理については、画素の構成と同様であるため説明を省略する。第2の実施の形態の画像形成体(1)においても、画像要素(4)が画素のみで構成される場合と、画像要素(4)が画線のみで構成される場合について説明したが、以上に説明した原理によって、近距離と遠距離で視認できる画像が変化する効果が生じれば、画線と画素を組み合わせたり、画線と画素の両方用いて各画像部を形成しても良い。
【0118】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の画像形成体(1)に対して、画像要素(4)の間に、基材(2)と異なる第1の色を有する補助要素(51)が配置される構成である。補助要素(51)は、近距離で視認できる第1の画像部(10)又は遠距離で視認できる第2の画像部(20)の視認性を向上させるためのものである。はじめに、第1の実施の形態で説明した画像形成体(1)に補助要素(51)が配置される構成について説明する。
【0119】
近距離で観察可能な画像を強調する場合、第1の画像部(10)又は背景部(30)に補助要素(51)を配置する。はじめに、第1の画像部(10)に補助要素(51)を配置する構成について
図21を用いて説明する。
【0120】
図21は、第1の画像部(10)に補助要素(51)が配置された構成を示す図である。なお、
図21では、補助要素(51)が画素の例であり、幅(W7)及び高さ(H7)の正方形の補助要素(51)が複数配置された状態を示している。
【0121】
ここでいう「複数配置」には、
図21(a)に示す「一定のピッチで配置された状態」と、
図21(b)に示す「ランダムに配置された状態」が存在するが、いずれの場合も、補助要素(51)は、第1の画像要素(11)と重なることなく配置される。ここでは
図21(a)に示す「一定のピッチで配置された状態」について説明する。
【0122】
図21(a)の拡大図に示すように、補助要素(51)は2つの異なる方向に一定のピッチ(P4)及び(P5)で配置される。このとき、第1の画像要素(11)が配置される二つの方向と、補助要素(31)が配置される二つの方向は同じ方向である。なお、補助要素(51)が一定のピッチで配置される場合において、補助要素(51)のピッチ(P4)及び(P5)は、第1の画像要素(11)のピッチ(P1)及び(P5)と同じでも良いし、異なっても良いが、ここでは、第1の画像要素(11)と補助要素(51)が同じピッチで配置される構成について説明する。
【0123】
図21(a)に示すように、補助要素(51)は第1の画像要素(11)と重ならない箇所に配置される。このとき、複数配置される補助要素(51)と第1の画像要素(11)において、補助要素(51)と第1の画像要素(11)の間隙(D)の最小値(D
min)は画像構成要素(12)の幅(W3)及び高さ(H3)より大きいことが好ましい。この理由は、画像形成体(1)を近距離から遠距離に離していくときに、はじめに、画像構成要素(12)の識別ができなくなって、その段階で、第2の画像部(20)による画像を出現させるためである。すなわち、画像が変化するために画像形成体(1)を移動させる距離が大きくならないからである。この関係は
図21(b)においても同様である。
【0124】
本発明において、第1の画像部(10)に複数配置される補助要素(51)はすべて周囲長が等しい。また、背景部(30)と同様に、補助要素(51)もまた、周囲長が等しければ異なる形状であっても同じ第1の画像部(10)に配置して良い。
【0125】
背景部(30)と同様に、補助要素(51)は肉眼で確認可能な大きさで形成される。各種証券など、画像形成体を手に持って観察する場合は、補助要素(51)の幅(W7)及び高さ(H7)は背景要素(31)の幅(W1)及び高さ(H1)に対して20%以内で形成するのが好ましい。この理由は、補助要素(51)の大きさが、背景要素(31)の幅(W1)及び高さ(H1)に対して、20%より大きいと、遠距離で観察される画像に影響するためである。
【0126】
第3の実施の形態における第1の画像部(10)に補助要素(51)が配置された画像形成体(1)の効果について説明する。第1の画像部(10)に補助要素(51)が配置された画像形成体(1)を近距離で観察した場合、第1の色の第1のカモフラージュ要素(13)と第2の色の画像構成要素(12)の色の差に加えて、第1の色の補助要素(51)と第2の色の画像構成要素(12)の色の差が生じる。すなわち、第1の色と第2の色の差がより強調されることで、画像構成要素(12)によって視認できる第1の画像部(10)が現す画像の視認性が向上する。
【0127】
図22は、背景部(30)に補助要素(51)が配置された構成を示す図である。なお、
図22では、補助要素(51)が画素の例であり、幅(W7)及び高さ(H7)の正方形の補助要素(51)が複数配置された状態を示している。背景部(30)に補助要素(51)を配置する場合もまた、補助要素(51)は、背景要素(31)と重なることなく配置される。補助要素(51)のその他の構成については、第1の画像部(10)に配置する場合と同様であるので、説明を省略する。
【0128】
第3の実施の形態における背景部(30)に補助要素(51)が配置された画像形成体(1)の効果について説明する。背景部(30)に補助要素(51)が配置された画像形成体(1)を近距離で観察した場合、第1の色の第1のカモフラージュ要素(13)と第2の色の画像構成要素(12)の色の差に加えて、第1の画像部(10)と背景部(20)の第1の色で構成された画像要素(4)の面積率の差による濃淡差が生じることで、第1の画像部(10)の視認性が向上する。
【0129】
続いて、遠距離で観察可能な画像を強調する構成について説明する。遠距離で観察可能な画像を強調する場合、第2の画像部(20)又は背景部(30)に補助要素(51)を配置する。ただし、背景要素(31)と第2の画像要素(21)の周囲長の大小関係によって、どちらの画像部に補助要素(51)を配置するかが異なり、第2の画像要素(21)の周囲長が背景要素(31)の周囲長より大きい場合、第2の画像部(20)に補助要素(51)を配置し、第2の画像要素(21)の周囲長が背景要素(31)の周囲長より小さい場合、背景部(30)に補助要素(51)を配置する。はじめに、第2の画像部(20)に補助要素(51)を配置する構成について
図23を用いて説明する。
【0130】
図23は、第2の画像部(20)に補助要素(51)が配置された構成を示す図である。なお、
図23では、補助要素(51)が画素の例であり、幅(W7)及び高さ(H7)の正方形の補助要素(51)が複数配置された状態を示している。第2の画像部(20)に補助要素(51)を配置する場合、補助要素(51)は、第2の画像要素(21)と重なることなく配置される。
【0131】
第2の画像部(20)に配置する補助要素(51)の幅(W7)及び高さ(H7)もまた、背景要素(31)の幅(W1)及び高さ(H1)に対して20%以内で形成するのが好ましいが、この理由は、補助要素(51)によって強調される第2の画像部(20)の画像が、近距離で観察される画像に影響しないためである。補助要素(51)のその他の構成については、第1の画像部(10)に配置する場合と同様であるので、説明を省略する。
【0132】
第3の実施の形態において、
図23に示すように、第2の画像部(20)に補助要素(51)が配置された画像形成体(1)の効果について説明する。前述のように、第2の画像要素(21)の周囲長が背景要素(31)の周囲長より大きい場合、各画像部に配置される画像要素の面積の差によって、背景部(30)と第2の画像部(20)で濃淡差が生じる。このとき、第2の画像部(20)が濃く視認されるが、この形態においては、第2の画像部(20)に、更に、補助要素(51)が形成されることによって、画像要素の面積が増える結果、背景部(30)との濃淡差が強調されて、第2の画像部(20)の視認性が向上する。
【0133】
続いて、第2の画像要素(21)の周囲長が背景要素(31)の周囲長より小さい場合であって、背景部(30)に補助要素(51)を配置する構成について説明する。
【0134】
図24は、背景部(30)に補助要素(51)が配置された構成を示す図である。なお、
図24では補助要素(51)が画素の例であり、幅(W7)及び高さ(H7)の正方形の補助要素(51)が複数配置された状態を示している。第2の画像部(20)に補助要素(51)を配置する場合、補助要素(51)は、第2の画像要素(21)と重なることなく配置される。補助要素(51)のその他の構成については、第2の画像部(10)に配置する場合と同様であるので、説明を省略する。
【0135】
第3の実施の形態において、
図24に示すように、背景部(30)に補助要素(51)が配置された画像形成体(1)の効果について説明する。前述のように、第2の画像要素(21)の周囲長が背景要素(31)の周囲長より小さい場合、各画像部に配置される画像要素の面積の差によって、背景部(30)と第2の画像部(20)で濃淡差が生じる。このとき、背景部(30)が濃く視認されるが、この形態においては、背景部(30)に、更に、補助要素(51)が形成されることによって、画像要素の面積が増える結果、第2の画像部(20)との濃淡差が強調されて、第2の画像部(20)の視認性が向上する。
【0136】
ここまで、それぞれの画像部に補助要素(51)が配置された構成について説明した。
つづいて、近距離で観察可能な画像と遠距離で観察可能な画像の両方を強調する場合の補助要素(51)の配置について説明する。
【0137】
近距離で観察可能な画像と遠距離で観察可能な画像の両方を強調する場合、第2の画像要素(21)と背景要素(31)の周囲長の関係によって、第1の画像部(10)、第2の画像部(20)及び背景部(30)のうちの、どの画像部に補助要素(51)を配置するかが異なる。仮に、第2の画像要素(21)の周囲長が背景要素(31)の周囲長が大きい場合、前述のように、第2の画像部(20)に補助要素(51)を配置することから、残りの第1の画像部(10)を強調するために第1の画像部(10)に補助要素(51)を配置する。また、第2の画像要素(21)の周囲長が背景要素(31)の周囲長が小さい場合、前述のように、背景部(30)に補助要素(51)を配置することから、これによって、同時に第1の画像部(10)も強調される。
【0138】
ここまで、第1の実施の形態で説明した画像形成体(1)に補助要素(51)が配置された構成について説明した。続いて、第2の実施の形態で説明した画像形成体(1)に補助要素(51)が配置される構成について説明する。
【0139】
第2の実施の形態で説明した画像形成体(1)において補助要素(51)を配置する場合、背景要素(31)と第2の画像要素(21)の周囲長の大小関係によって、第1の画像部(10)、第2の画像部(20)及び背景部(30)のうち、どの画像部に補助要素(51)を配置するかが異なる。仮に、第2の画像要素(21)の周囲長が背景要素(31)の周囲長より大きい場合、第1の画像部(10)と第2の画像部(20)に補助要素(51)を配置する。また、第2の画像要素(21)の周囲長が背景要素(31)の周囲長より小さい場合、前述のように、背景部(30)に補助要素(51)を配置するが、これに加えて、共通画像部(40)を除く第1の画像部(10)又は共通画像部(40)を除く第2の画像部(20)のいずれか一方に補助要素(51)を配置する。共通画像部(40)を除く第1の画像部(10)又は共通画像部(40)を除く第2の画像部(20)のうちの一方の画像部に補助要素(51)を配置する理由は、この形態では、第1の画像部(10)と第2の画像部(20)の一部が重複しているため、二つの画像部(10)を同時に強調することができないことからである。仮に、第1の画像部(10)を強調する場合には、第2の画像部(20)に補助要素(51)を配置し、第2の画像部(20)を強調する場合には、第1の画像部(10)に補助要素(51)を配置する。
【0140】
続いて、第3の実施の形態において、補助要素(51)が画線で形成される場合の構成について説明する。なお、画像要素(4)が画線で構成される場合の配置の一例として、補助要素(51)を背景部(30)に配置した構成について
図25を用いて説明する。
【0141】
図25は、背景部(30)に補助要素(51)が配置された構成を示す図である。
図25の拡大図に示すように、基材(2)とは異なる第1の色の補助要素(51)が一定のピッチ(P6)で複数配置されて成る。このときピッチ(P6)は背景要素(31)のピッチ(P3)と同じである。
【0142】
各画像要素(4)が画素で構成される場合と同様に、画線で構成される補助要素(51)と背景要素(31)の間隙(dmin)は画像構成要素(12)の画線幅(H7)より大きい必要がある。
【0143】
本発明において、背景部(30)に複数配置される補助要素(51)はすべて画線幅が等しい。
【0144】
補助要素(51)が画素で構成される場合と同様に、画線で構成される補助要素(51)は肉眼で確認可能な画線幅で形成される。各種証券など、画像形成体を手に持って観察する場合は、補助要素(51)の画線幅(h7)は背景要素(31)の画線幅(h1)に対して5%以内で形成するのが好ましい。この理由は、遠距離又は近距離で観察される画像に影響しないためである。第1の画像部(10)及び第2の画像部(20)に画線で構成される補助要素(51)を配置する場合においても、画線幅(h1)が異なる以外の補助要素(51)の配置の仕方は画素の場合と同様であるので説明を省略する。
【0145】
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明を限定するものではない。
【0146】
(実施例1)
実施例1は、第1の実施の形態で説明した画像形成体(1)である。基材(2)には、白色のA4上質紙を使用し、カラーレーザプリンタ(RICOH IPSiO SP420)を用いて画像領域(3)に画像要素(4)を形成した。実施例1の画像形成体(1)について、
図26を用いて説明する。
図26(a)は、実施例1の画像形成体(1)の画像領域(3)を示す図であり、
図26(b)は、画像領域(3)内の背景部(30)の一部拡大図であり、
図26(c)は、画像領域(3)内の第1の画像部(10)の一部拡大図であり、
図26(d)は、画像領域(3)内の第2の画像部(20)の一部拡大図である。
【0147】
背景部(30)の背景要素(31)は、
図26(b)に示すように、幅(W1)が1mm、高さ(H1)が1mmの正方形の画素であり、ブラックトナーを用いて形成した。なお、背景要素(31)を配置するピッチ(P1、P2)は1.5mmとした。
【0148】
第1の画像部(10)において、画像構成要素(12)は、
図26(c)に示すように、幅(W3)が0.2mm、高さ(H3)が0.2mmの正方形の画素であり、白抜きの状態で形成した。また、第1のカモフラージュ要素(13)は、画像構成要素(12)を囲んで隣接する構成であり、幅(W2)が1mm、高さ(H2)が1mmとし、ブラックトナーを用いて形成した。そして、正方形の第1の画像要素(11)を形成した。なお、第1の画像要素(11)を配置するピッチ(P1、P2)は1.5mmとした。また、第1の画像部(10)は、実施の形態で説明したのと同じように「near」の文字とした。
【0149】
第2の画像部(20)の第2の画像要素(21)は、
図26(d)に示すように、幅(W4)が1.1mm、高さ(H4)が1.1mmの正方形の画素であり、ブラックトナーを用いて形成した。なお、第2の画像要素(21)を配置するピッチ(P1、P2)は1.5mmとした。また、第2の画像部(20)は、実施の形態で説明したのと同じように「far」の文字とした。
【0150】
実施例1で形成した画像形成体(1)の画像領域(3)を10cm離した距離で観察すると、第1の画像部(10)が表す「near」の文字が視認でき、60cm離した距離で観察すると、第2の画像部(20)が表す「far」の文字が視認できた。
【0151】
(実施例2)
実施例2は、第2の実施の形態で説明した画像形成体(1)であり、第1の画像部(10)と第2の画像部(20)の一部が重複した共通画像部(40)を備える。実施例2の画像形成体(1)において、第1の画像部(10)、第2の画像部(20)及び背景部(30)の構成は、実施例1と同じ構成とした。したがって、第1の画像部(10)、第2の画像部(20)及び背景部(30)の説明は省略することとし、実施例1と異なる共通画像部(40)の構成について
図27を用いて説明する。
【0152】
図27(a)は、実施例2の画像形成体(1)の画像領域(3)を示す図であり、
図27(b)は、画像領域(3)内の共通画像部(40)の一部拡大図である。
【0153】
共通画像部(40)において、画像構成要素(12)は、
図27(b)に示すように、幅(W3)が0.2mm、高さ(H3)が0.2mの正方形の画素であり、白抜きの状態で形成した。第2のカモフラージュ要素(43)は、画像構成要素(12)を囲んで隣接する構成であり、幅(W2)が1.1mm、高さ(H2)が1.1mmとし、ブラックトナーを用いて形成した。そして、正方形の第3の画像要素(41)を形成した。なお、第3の画像要素(11)を配置するピッチ(P1、P2)は1.5mmとした。
【0154】
実施例2で形成した画像形成体(1)の画像領域(3)を10cm離した距離で観察すると、第1の画像部(10)が表す「near」の文字が視認でき、60cm離した距離で観察すると、第2の画像部(20)が表す「far」の文字が視認できた。また、「near」と「far」の文字の一部が重複する実施例2の構成においても、視認できる画像が明瞭に変化することを確認できた。
【0155】
(実施例3)
実施例3は、第3の実施の形態で説明した画像形成体であり、実施例1の画像形成体(1)の第1の画像部(10)と第2の画像部(20)に補助要素(51)が形成される構成である。なお、実施例3の第1の画像要素(11)、第2の画像要素(21)及び背景要素(31)の構成は、実施例1と同じ構成とした。実施例3の画像形成体(1)について、
図28を用いて説明する。
【0156】
図28(a)は、実施例3の画像形成体(1)の画像領域(3)を示す図であり、
図28(b)は、画像領域(3)内の第1の画像部(10)の一部拡大図であり、
図28(c)は、画像領域(3)内の第2の画像部(20)の一部拡大図である。
【0157】
第1の画像部(10)に形成する補助要素(51)は、
図28(b)に示すように、幅(W7)が0.1mm、高さ(H7)が0.1mmの正方形の画素であり、ブラックトナーを用いて形成した。なお、補助要素(51)を配置するピッチ(P4、P5)は1.5mmとした。このとき、第1の画像要素(11)と補助要素(51)の間隙(D)は0.2mmであり、画像構成要素(12)の幅(W3)及び高さ(H3)より大きい状態となっている。
【0158】
第2の画像部(20)に形成する補助要素(51)は、
図28(c)に示すように、幅(W7)が0.1mm、高さ(H7)が0.1mmの正方形の画素であり、ブラックトナーを用いて形成した。なお、補助要素(51)を配置するピッチ(P4、P5)は1.5mmとした。このとき、第2の画像要素(21)と補助要素(51)の間隙(D)は0.15mmであり、画像構成要素(12)の幅(W3)及び高さ(H3)より大きい状態となっている。
【0159】
実施例3で形成した画像形成体(1)の画像領域(3)を10cm離した距離で観察すると、補助要素(51)が「near」の文字を補完することで、実施例1に対して、第1の画像部(10)の視認性が向上した。また、60cm離した距離で観察した場合においても、補助要素(51)が配置される第2の画像部(20)と背景部(30)と濃淡差が強調されて、第2の画像部(20)の視認性が向上した。