特許第6075993号(P6075993)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6075993-板状ワーク中心検出方法 図000002
  • 特許6075993-板状ワーク中心検出方法 図000003
  • 特許6075993-板状ワーク中心検出方法 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6075993
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】板状ワーク中心検出方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
   H01L21/68 G
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-172135(P2012-172135)
(22)【出願日】2012年8月2日
(65)【公開番号】特開2014-33049(P2014-33049A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 亨
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】福士 暢之
【審査官】 内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−161637(JP,A)
【文献】 特開2011−253936(JP,A)
【文献】 特開2003−017545(JP,A)
【文献】 特開2005−101307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の板状ワークを保持面で保持する保持テーブルと、該保持テーブルに保持された板状ワークを撮像する撮像手段と、該撮像手段が撮像する際に該保持テーブルの下から板状ワークを照光する撮像照明と、で構成されるワーク撮像装置を用いて、板状ワークの中心を検出する板状ワーク中心検出方法であって、
該撮像照明は、該保持テーブルが保持する板状ワークより広い面積の発光面で構成され、該発光面から垂直に撮像光を発光し、
該撮像手段は、該保持テーブルに保持された板状ワークの上方に配設され該保持テーブルの中心直上から板状ワークの全体を撮像する撮像カメラと、該撮像カメラが撮像した撮像画像から該板状ワーク外周を判断する判断部と、該判断部が判断した板状ワーク外周から該板状ワーク中心を検出する検出部と、で構成され、
該発光面と該保持テーブルの該保持面との間には所定の間隔が確保されていて、
該撮像手段で、該保持テーブルが保持する板状ワークを撮像した時、該板状ワークの外周がリング状に黒色で、該板状ワークの外側が白色の撮像画像になるように該撮像カメラの高さが設定される板状ワーク中心検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハなどの板状ワークの中心を検出する板状ワーク中心検出方法に関し、特に、透光性を有する板状ワーク及び遮光性を有する板状ワークの中心を共に検出可能な板状ワーク中心検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスにおいては、ウェーハに対して種々の加工処理が行われる。ウェーハは、外周形状に基づき中心を位置合わせされた後に加工処理が行われる加工装置に搬入される。位置合わせに用いられる位置合わせ機構は、ウェーハなどの板状ワークよりも小径な保持テーブルと、保持テーブルの周囲において径方向に移動可能な複数のピンとを備えている(例えば、特許文献1参照)。位置合わせ機構の保持テーブルに板状ワークが載置されると、複数のピンが板状ワークの外周面に当接されて板状ワークは保持テーブルの中心に位置合わせされる。
【0003】
上述の位置合わせ機構において、板状ワークは外周形状に基づき機械的に位置合わせされる。このため、結晶方位を示すオリエンテーションフラットやノッチなどの異形状部が外周に存在する場合には、板状ワークを外周形状に基づいて正確に位置合わせできない恐れがある。この問題を解消するために、保持テーブルに保持させた板状ワークを撮像カメラで撮像し、撮像された画像から板状ワークの外周を判断して中心を検出する位置合わせ方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−211766号公報
【特許文献2】特開2011−253936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載される方法は、外周形状におけるオリエンテーションフラットなどの異形状部を考慮できるので、板状ワークの中心の検出精度は向上する。しかしながら、光を透過する透光性の板状ワークを用いる場合には、外周を判断するために適切な画像を撮像できず、撮像された画像に基づいて板状ワークの中心を検出することができないという問題がある。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、遮光性を有する板状ワークに加え、透光性を有する板状ワークの中心を検出可能な板状ワーク中心検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の板状ワーク中心検出方法は、透光性の板状ワークを保持面で保持する保持テーブルと、該保持テーブルに保持された板状ワークを撮像する撮像手段と、該撮像手段が撮像する際に該保持テーブルの下から板状ワークを照光する撮像照明と、で構成されるワーク撮像装置を用いて、板状ワークの中心を検出する板状ワーク中心検出方法であって、該撮像照明は、該保持テーブルが保持する板状ワークより広い面積の発光面で構成され、該発光面から垂直に撮像光を発光し、該撮像手段は、該保持テーブルに保持された板状ワークの上方に配設され該保持テーブルの中心直上から板状ワークの全体を撮像する撮像カメラと、該撮像カメラが撮像した撮像画像から該板状ワーク外周を判断する判断部と、該判断部が判断した板状ワーク外周から該板状ワーク中心を検出する検出部と、で構成され、該発光面と該保持テーブルの該保持面との間には所定の間隔が確保されていて、該撮像手段で、該保持テーブルが保持する板状ワークを撮像した時、該板状ワークの外周がリング状に黒色で、該板状ワークの外側が白色の撮像画像になるように該撮像カメラの高さが設定されることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、板状ワークより広い面積の発光面を有する撮像照明を用い、撮像照明の撮像光が板状ワークの裏面に垂直に入射されるように撮像照明の発光面と保持テーブルの保持面との間に所定の間隔を確保すると共に、透光性を有する板状ワークの外周がリング状に黒色に撮像されるように撮像カメラの高さを設定したので、撮像手段で撮像される撮像画像に基づいて、透光性を有する板状ワークの外周を適切に判断して中心を検出できる。また、この方法によれば、遮光性を有する板状ワークの外周も適切に判断して中心を検出できる。よって、遮光性を有する板状ワークに加え、透光性を有する板状ワークの中心を検出可能な板状ワーク中心検出方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遮光性を有する板状ワークに加え、透光性を有する板状ワークの中心を検出可能な板状ワーク中心検出方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係る板状ワーク中心検出方法に用いられるワーク撮像装置の構成を示す斜視図である。
図2】本実施の形態に係る板状ワーク中心検出方法に用いられるワーク撮像装置の構成を示す模式図である。
図3】本実施の形態に係る板状ワーク中心検出方法において撮像手段で撮像される画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
これまでの方法では、光を透過する透光性の板状ワークの中心を適切に検出することができなかった。この問題は、透光性の板状ワークを撮像しても外周を判断するために必要な画像を取得できないことに起因している。本発明者は、この点について鋭意研究を重ね、板状ワークより広い面積の発光面を備える面光源を用い、照明光(撮像光)を板状ワークの裏面(又は表面)に垂直に入射させることで、透光性を有する板状ワークの外周を黒色に撮像できることを見出した。そして、この知見に基づき、本発明にかかる板状ワーク中心検出方法を完成させた。すなわち、本発明の骨子は、板状ワークより広い面積の発光面を有する撮像照明から、板状ワークの裏面(又は表面)に垂直に照明光を入射させることである。以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
まず、本実施の形態に係る板状ワーク中心検出方法に用いられるワーク撮像装置の構成を説明する。図1は、本実施の形態に係る板状ワーク中心検出方法に用いられるワーク撮像装置1の構成を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る板状ワーク中心検出方法に用いられるワーク撮像装置1の構成を示す模式図である。なお、図1及び図2においては、板状ワーク中心検出方法の対象となる透光性を有するウェーハ(板状ワーク)Wtを併せて示している。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る板状ワーク中心検出方法に用いられるワーク撮像装置1は、基台11の上方にウェーハWtを保持する保持テーブル14が設けられている。保持テーブル14に保持されるウェーハWtは、略円板状に形成されており、表面Wt1に配列された格子状の分割予定ライン(不図示)で複数の領域に区画されている。分割予定ラインで区画された各領域には、発光デバイスや半導体集積回路などが形成される。
【0014】
ウェーハWtとしては、シリコン(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)、シリコンカーバイド(SiC)などを含む半導体ウェーハ、セラミック、ガラス、サファイヤ系の無機材料基板、板状金属、樹脂基板などが用いられる。本実施の形態では、ガラス、サファイヤなどの透光性を有するウェーハWtを用いる例を説明するが、遮光性を有するウェーハも同様に適用できる。なお、ウェーハWtの外周には、結晶方位を示すオリエンテーションフラットやノッチなどの異形状部が形成されていても良い。
【0015】
ワーク撮像装置1は、略直方体状の基台11を備えている。基台11は、略平坦な上面11aを有しており、この上面11aには、白色光を発光する面光源である撮像照明12が配置されている。撮像照明12は、ウェーハWtの裏面Wt2(又は表面Wt1)より広い面積の発光面12aを有しており、ウェーハWtの裏面Wt2に対して照明光(撮像光)Lを垂直に入射させることができる。この撮像照明12は、例えば、有機EL照明であり、配線(不図示)を介して外部から電力が供給される。
【0016】
撮像照明12の上方には、略円筒状のテーブル支柱13が設けられており、テーブル支柱13の上端には、ウェーハWtを保持する保持テーブル14が設けられている。保持テーブル14は、ウェーハWtより小径の円板状に形成されており、その上面中央部分には、ポーラスセラミック材による吸着部14aが設けられている。保持テーブル14は、吸着部14aにおいてウェーハWtを吸着できるように、テーブル支柱13の内部に設けられた配管15aを介して基台11の下部に設置された吸引源15と接続されている。吸着部14aにおいてウェーハWtを裏面Wt2側から吸着させることで、ウェーハWtは保持テーブル14上の保持面14bに保持される。
【0017】
保持テーブル14の上方には、支持アーム16が位置付けられており、支持アーム16の先端部には撮像手段17が設けられている。撮像手段17は、撮像領域を拡大して投影するレンズ17aと、拡大された撮像領域を撮像する撮像カメラ17bとを備えている。レンズ17aにより所定倍率で結像された撮像領域の像は、撮像カメラ17bに投影されて撮像される。撮像カメラ17bは、内部にCCDやCMOSなどの撮像素子を備えている。撮像素子は、複数の画素で構成されており、各画素の受ける光量に応じた電気信号が得られるようになっている。
【0018】
また、撮像手段17は、撮像カメラ17bで撮像された撮像画像に基づいてウェーハWtの外周を判断する判断部17cと、判断部17cにおいて判断されたウェーハWtの外周に基づいてウェーハWtの中心を検出する検出部17dとを含んでいる。撮像カメラ17bの撮像画像は判断部17cに送られ、微分処理などにより輝度の勾配が大きいエッジ部が検出される。検出されたエッジ部の情報は、検出部17dにおいてウェーハWtの中心を検出する際に用いられる。なお、撮像手段17の上部には配線17eが設けられており、配線17eを介して撮像手段17に電力が供給されると共に、外部装置(不図示)に対してウェーハWtの中心に関する情報を出力できるようになっている。
【0019】
このように構成されたワーク撮像装置1の保持テーブル14に、透光性のウェーハWtが保持され、撮像照明12によって保持テーブル14の下方からウェーハWtが照光される。図2に示すように、撮像照明12の発光面12aと保持テーブル14の保持面14bとはテーブル支柱13で略平行に保たれており、間隔Dが確保されている。このため、撮像照明12からの照明光(撮像光)Lは、ウェーハWtの裏面Wt2に対して略垂直に入射される。
【0020】
この状態において、撮像手段17を保持面14bから適切な高さHに配置すれば、ウェーハWtは撮像カメラ17bにより撮像される。ここで、撮像手段17の高さHは、ウェーハWtの外周が黒色のリング状に撮像され、板状ワークの外側が白色に撮像されるように設定される。これにより、判断部17cは、撮像カメラ17bから送られる撮像画像に基づいてウェーハWtの外周を判断し、検出部17dは、ウェーハWtの中心を検出できる。
【0021】
このワーク撮像装置1は、ウェーハWtより広い発光面12aを有する撮像照明12を備えているので、照明光LはウェーハWtの裏面Wt2全域に入射され易くなり、ウェーハWtの外周を黒色のリング状に撮像することが可能になる。これに対し、点光源や線光源を用いる装置構成では、ウェーハWtの裏面Wt2は部分的に照光されて外周は暈けやすくなるので、このような輝度勾配の大きい画像を得るのは困難である。
【0022】
次に、上述したワーク撮像装置1を用いる板状ワーク中心検出方法について説明する。まず、上述のように、撮像照明12の発光面12aと保持テーブル14の保持面14bとの間隔Dを確保する。また、ウェーハWtの外周がリング状に黒色に撮像され、板状ワークの外側が白色に撮像されるように、撮像手段17の高さHを設定する。具体的には、例えば、撮像照明12の発光面12aと保持テーブル14の保持面14bとの間隔Dを100mmに設定し、撮像手段17の高さHを400mmに設定する。ただし、間隔D及び高さHはこれに限られない。
【0023】
上述のように間隔D及び高さHが設定された状態で、保持テーブル14の保持面14bにウェーハWtを保持させ、撮像照明12から照明光LをウェーハWtの裏面Wt2に入射させる。そして、ウェーハWtの上方に位置付けられた撮像手段17の撮像カメラ17bで撮像する。
【0024】
図3は、撮像手段17において撮像される画像の例を示す図である。間隔D及び高さHを上述のように設定すれば、図3Aに示すように、透光性のウェーハWtの外周Wt3は撮像カメラ17bにおいて黒色のリング状に撮像され、ウェーハWtの内側及び外側は白色に撮像される。なお、図3Bに示すように、遮光性のウェーハ(板状ワーク)Wsを用いる場合には、ウェーハWsの内側及び外周Ws3は撮像手段17において黒色に撮像され、ウェーハWsの外側は白色に撮像される。
【0025】
ここで、間隔Dが適切な値より小さく設定されると、撮像手段17のピントを調節しても透光性のウェーハWtの外周Wt3はグレー色に撮像されてしまい、判断部17cにおいて外周Wt3を適切に判断できなくなる。これは、間隔Dが適切な値より小さくことで、ウェーハWtの外周Wt3の近傍において反射、散乱、又は透過された光が撮像手段17に入射され、外周Wt3が暈けてしまうためと考えられる。これに対し、本実施の形態では、透光性のウェーハWtの外周Wt3が黒色のリング状に撮像されるように間隔D及び高さHは適切に設定されているので、判断部17cにおいて外周Wt3を適切に判断できる。
【0026】
撮像カメラ17bにおいて撮像された撮像画像は、判断部17cに送られ、微分処理などによって輝度の勾配が大きいエッジ部が検出される。具体的には、判断部17cは、例えば、輝度勾配の絶対値が閾値より大きくなる領域をエッジ部として抽出し、外周Wt3(又は、外周Ws3)と判定する。図3Aに示すように、透光性のウェーハWtの内側の領域及び外側の領域は白色に撮像されるので、ウェーハWtの内側の領域及び外側の領域において撮像画像の輝度勾配は略一定となる。一方、外周Wt3は黒色のリング状に撮像されるので、撮像画像の輝度勾配の絶対値は外周Wt3において大きくなる。判断部17cは、この輝度勾配に基づいてウェーハWtの外周Wt3を判断する。
【0027】
なお、図3Bに示すように、遮光性のウェーハWsにおいては、ウェーハWsの内側の領域は黒色に撮像され、撮像画像の輝度勾配は略一定となる。また、ウェーハWsの外側の領域は白色に撮像され、撮像画像の輝度勾配は略一定となる。一方、外周Ws3を境として内側と外側とで輝度は大きく異なり、輝度勾配の絶対値は外周Ws3において大きくなる。判断部17cは、この輝度勾配に基づいてウェーハWsの外周Ws3を判断する。
【0028】
判断部17cにおいてウェーハWt(又はウェーハWs)の外周Wt3(又は外周Ws3)が判断されると、外周Wt3の座標情報は検出部17dに送られる。検出部17dは、外周Wt3の座標情報からウェーハWtの中心を検出する。
【0029】
ウェーハWtの中心は、例えば、ウェーハWtの外周Wt3に対してハフ変換を適用することで検出できる。又は、ウェーハWtの外周Wt3の座標値を平均化することで検出できる。外周Wt3の3点の座標値を、円の中心を求める方程式に代入する方法でウェーハWtの中心を検出しても良い。また、外周Wt3の2本の弦の垂直二等分線を求める方法でウェーハWtの中心を検出しても良い。なお、結晶方位を示すオリエンテーションフラットやノッチなどの異形状部が設けられている場合には、検出部17dは、異形状部を考慮して中心を検出する。
【0030】
検出部17dによって検出されたウェーハWtの中心の座標は、配線17eを通じて外部装置に出力される。外部装置は、この座標情報に基づきウェーハWtの中心を認識して位置合わせを行う。なお、本実施の形態のワーク撮像装置1では、撮像手段17が判断部17c及び検出部17dを備えているが、判断部17c及び検出部17dは、ワーク撮像装置1の外部に設けられていても良い。
【0031】
このように、本実施の形態に係る板状ワーク中心検出方法は、ウェーハ(板状ワーク)Wtより広い面積の発光面12aを有する撮像照明12を用い、撮像照明12の照明光(撮像光)LがウェーハWtの裏面Wt2に垂直に入射されるように撮像照明12の発光面12aと保持テーブル14の保持面14bとの間に所定の間隔Dを確保すると共に、透光性を有するウェーハWtの外周Wt3がリング状に黒色に撮像されるように撮像カメラ17bの高さHを設定したので、撮像手段17で撮像される撮像画像に基づいて、ウェーハWtの外周Wt3を適切に判断して中心を検出できる。また、この方法によれば、遮光性を有するウェーハ(板状ワーク)Wsの場合にも、外周Ws3を適切に判断して中心を検出できる。よって、遮光性を有するウェーハWsに加え、透光性を有するウェーハWtの中心を検出可能な板状ワーク中心検出方法が提供される。
【0032】
なお、本発明は、上記実施の形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、保持テーブルは、基台上面に垂直な鉛直軸の周りに回転可能に構成されていても良い。また、本実施の形態では、撮像照明の照明光(撮像光)をウェーハの裏面に入射させる例を説明したが、照明光は、ウェーハの表面に入射させても良い。また、照明光は、適切な輝度の画像を撮像できる光強度及び波長を有していれば良い。すなわち、照明光は、必ずしも白色でなくて良い。
【0033】
その他、上記実施の形態に係る構成、方法などは、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の板状ワーク中心検出方法は、透光性を有する板状ワーク又は遮光性を有する板状ワークの中心を検出する際に有用である。
【符号の説明】
【0035】
1 ワーク撮像装置
11 基台
11a 上面
12 撮像照明
12a 発光面
13 テーブル支柱
14 保持テーブル
14a 吸着部
14b 保持面
15 吸引源
15a 配管
16 支持アーム
17 撮像手段
17a レンズ
17b 撮像カメラ
17c 判断部
17d 検出部
17e 配線
D 間隔
H 高さ
L 照明光(撮像光)
Wt,Ws ウェーハ(板状ワーク)
図1
図2
図3