特許第6076148号(P6076148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076148
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20170130BHJP
   B24B 49/12 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   H01L21/66 J
   B24B49/12
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-49446(P2013-49446)
(22)【出願日】2013年3月12日
(65)【公開番号】特開2014-175614(P2014-175614A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2016年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 亨
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【弁理士】
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 健太呂
【審査官】 ▲高▼須 甲斐
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−260394(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0201841(US,A1)
【文献】 特開2000−230910(JP,A)
【文献】 特開2003−090803(JP,A)
【文献】 特開2012−009897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
B24B 49/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面にウェーハを保持し回転可能なチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウェーハに処理を施す処理手段とを備えたウェーハ処理装置において、
該チャックテーブルの上面に付着したコンタミネーションを検出する検出装置であって、レーザー光線を照射する発光面を有するレーザー光線照射手段と、該発光面と該チャックテーブルを挟んで向かい合って配設されレーザー光線を受光する受光面を有する受光手段と、
該受光手段が受光したレーザー光線の光量に基づいて該チャックテーブルの上面にコンタミネーションが付着しているかどうかを判定する判定手段とを備えており、
該レーザー光線は、該チャックテーブルの回転中心を通り且つ該チャックテーブルの上面に平行で接するように光軸が位置付けられており、
該発光面の下端部及び該受光面の下端部の各位置は、該チャックテーブルの上面位置に対して低くなるように設定されており、
該判定手段は、該レーザー光線が照射した状態で該チャックテーブルが少なくとも180度回転する間に該受光手段の受光量が変化した場合に該チャックテーブル上にコンタミネーションが付着していると判断すること、
を特徴とする検出装置。
【請求項2】
該判定手段は、該チャックテーブルの上面にコンタミネーションが付着していない状態において該受光手段が受光する基準受光量を記憶する記憶部を有し、
該受光手段が受光する受光量が該基準受光量から変化した場合に該チャックテーブル上にコンタミネーションが付着していると判断すること、
を特徴とする請求項1記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャックテーブル上面に付着した切削屑等のコンタミネーションを検出するための検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、半導体ウェーハ等のウェーハの表面に格子状にストリート(分割予定ライン)が形成され、ストリートにより区画された領域にIC、LSI等の回路が形成される。そして、ウェーハは、切削装置やレーザー加工装置等のウェーハ処理装置において、チャックテーブル上に吸引保持された状態で、切削ブレードやレーザービームの照射によって、個々のデバイスに分割される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−103588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載した切削装置等でウェーハを加工する場合、切削屑等のコンタミネーションが飛散することがある。そのため、飛散した切削屑等のコンタミネーションがチャックテーブルに付着した状態で、ウェーハをチャックテーブル上に吸引保持してしまうと、ウェーハとチャックテーブルとの間に挟み込まれたコンタミネーションによってウェーハの裏面に傷がついてしまう問題がある。特に、コンタミネーションの大きさが大きい場合には、ウェーハが破損してしまう恐れがある。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、チャックテーブル上にコンタミネーション等の異物の付着を確認することができると共に、ウェーハの破損を防止することができる検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の検出装置は、上面にウェーハを保持し回転可能なチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウェーハに処理を施す処理手段とを備えたウェーハ処理装置において、該チャックテーブルの上面に付着したコンタミネーションを検出する検出装置であって、レーザー光線を照射する発光面を有するレーザー光線照射手段と、該発光面と該チャックテーブルを挟んで向かい合って配設されレーザー光線を受光する受光面を有する受光手段と、該受光手段が受光したレーザー光線の光量に基づいて該チャックテーブルの上面にコンタミネーションが付着しているかどうかを判定する判定手段とを備えており、該レーザー光線は、該チャックテーブルの回転中心を通り且つ該チャックテーブルの上面に平行で接するように光軸が位置付けられており、該発光面の下端部及び該受光面の下端部の各位置は、該チャックテーブルの上面位置に対して低くなるように設定されており、該判定手段は、該レーザー光線が照射した状態で該チャックテーブルが少なくとも180度回転する間に該受光手段の受光量が変化した場合に該チャックテーブル上にコンタミネーションが付着していると判断すること、を特徴とする。
【0007】
この構成によれば、回転するチャックテーブル上のコンタミネーションは、発光面から受光面に向かって照射されるレーザー光線を通過する際に、レーザー光線を遮ることで、受光手段で受けるレーザー光線の受光量が変化(減少)される。従って、この受光量の変化に基づいてチャックテーブル上にコンタミネーションが付着していると判断され、チャックテーブル上にコンタミネーション等の異物の付着を確認することができると共に、報知等を行うことにより、ウェーハの破損を防止することができる。
【0008】
本発明の検出装置において、該判定手段は、該チャックテーブルの上面にコンタミネーションが付着していない状態において該受光手段が受光する基準受光量を記憶する記憶部を有し、該受光手段が受光する受光量が該基準受光量から変化した場合に該チャックテーブル上にコンタミネーションが付着していると判断すること、を特徴とする。
【0009】
この構成によれば、基準受光量と比較して受光手段における受光量が変化した場合には、チャックテーブル上にコンタミネーションが付着していると判断される。そのため、チャックテーブルの中心にコンタミネーションが付着しているような場合でも、チャックテーブル上にコンタミネーション等の異物の付着を確実に確認することができ、異物が付着している場合には報知等を行うことにより、ウェーハの破損を防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、チャックテーブル上にコンタミネーション等の異物の付着を確認することができると共に、ウェーハの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係るレーザー加工装置の外観斜視図である。
図2】本実施の形態に係る検出装置を説明するための模式図である。
図3】本実施の形態の変形例に係る検出装置を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る検出装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1を参照して、本発明に係る検出装置を備えたレーザー加工装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るレーザー加工装置の斜視図である。図2は、レーザー加工装置に備えられた検出装置を模式的に示した側面図である。なお、本実施の形態では、レーザー加工装置を例に挙げて説明するが、検出装置を備えた切削装置等の加工装置に適用することが可能である。
【0013】
図1に示すように、レーザー加工装置1は、レーザービームを照射するレーザー加工手段2とウェーハWを保持するチャックテーブル3とを相対移動させて、ウェーハWにレーザー加工を施すように構成されている。ウェーハWは、略円形状に形成されており、表面に格子状に配列された図示しない分割予定ラインによって複数の領域に区画されている。分割予定ラインによって区画された各領域には、IC、LSI等のデバイスが形成されている。ウェーハWは、貼着テープTを介して環状フレームFに支持され、レーザー加工装置1に搬入される。
【0014】
なお、ウェーハWとして、シリコンウェーハ(Si)、ガリウムヒ素(GaAs)、シリコンカーバイド(SiC)等の半導体ウェーハを用いることができるが、これらの構成に限定されるものではない。チップ実装用としてウェーハの裏面に設けられるDAF(Die Attach Film)等の粘着部材、半導体製品のパッケージ、セラミック、ガラス、サファイア(Al2O3)系の無機材料基板、液晶ディスプレイドライバー等の各種電気部品やミクロンオーダーの加工位置精度が要求される各種加工材料等が含まれる。
【0015】
レーザー加工装置1は、基台4と、基台4の後端部から上方に立設した支柱部5と、を備えている。支柱部5の前面5aには、前方に突出したアーム部6が設けられ、アーム部6の先端側にはレーザー加工手段2の加工ヘッド7が設けられている。基台4の上面には、Y軸方向に延在する一対のガイドレール8が設けられている。一対のガイドレール8には、Y軸方向(加工送り方向)に移動可能に支持されたモーター駆動のY軸テーブル9が配置されている。
【0016】
レーザー加工手段2は、アーム部6の先端に設けられ、ウェーハWにレーザービームを照射する加工ヘッド7を有している。図示は省略するが、アーム部6内には、ウェーハWに対してレーザービームを発振する発振器が設けられ、アーム部6内及び加工ヘッド7内には、レーザー光学系が設けられている。加工ヘッド7は、発振器から発振されたレーザービームを集光し、チャックテーブル3上に保持されたウェーハWに照射する。
【0017】
Y軸テーブル9の上面には、X軸方向に延在する一対のガイドレール10が設けられている。一対のガイドレール10には、X軸方向(割出送り方向)に移動可能に支持されたモーター駆動のX軸テーブル11が配置されている。X軸テーブル11の上面には、チャックテーブル3と、検出装置12と、が設けられている。検出装置12は、チャックテーブル3を挟んで配置されたレーザー光線照射手段13及び受光手段14を備えている。図1に示すレーザー加工装置1では、チャックテーブル3の回転中心Oを挟むように、レーザー光線照射手段13と受光手段14とがY軸方向に対向して配置されている。Y軸テーブル9及びX軸テーブル11の背面側には、それぞれ図示しないナット部が形成され、これらナット部にそれぞれボールネジ15、16が螺合されている。ボールネジ15、16の一端部には、駆動モーター17、18がそれぞれ連結され、この駆動モーター17、18によりボールネジ15、16が回転駆動される。
【0018】
チャックテーブル3は、X軸テーブル11の上面においてZ軸周りに回転可能なθテーブル19と、θテーブル19の上部に設けられ、ウェーハWを吸着保持する保持部20とを有している。保持部20は、所定の厚みを有する円板状であり、保持部20の上面20a(図2参照)の中央部分にはポーラスセラミック材により吸着面24(図2参照)が形成されている。吸着面24は、負圧により貼着テープTを介してウェーハWを吸着する面であり、θテーブル19の内部の配管を介して吸引源に接続されている。
【0019】
図2に示すように、レーザー光線照射手段13は、受光手段14の受光面22に対向する位置に、レーザー光線Rを照射する発光面21が設けられている。また、レーザー光線照射手段13は、昇降機構25により昇降可能に構成されている。これにより、チャックテーブル3の上面位置に対して発光面21のZ軸方向における位置(レーザー光線Rの照射位置)を調整することができる。
【0020】
受光手段14は、レーザー光線照射手段13の発光面21に対向する位置に、レーザー光線Rを受光する受光面22が形成されている。受光面22は、発光面21から照射されるレーザー光線Rを確実に受光するように、少なくとも発光面21と同じ大きさで構成されている。この受光手段14も、レーザー光線照射手段13と同様に、昇降機構26により昇降可能に構成されている。これにより、発光面21のZ軸方向における位置に合わせ、チャックテーブル3の上面位置に対して受光面22のZ軸方向における位置(レーザー光線Rの受光位置)を調整することができる。また、受光手段14は、判定手段23に接続されている。
【0021】
このように構成されたレーザー光線照射手段13及び受光手段14は、発光面21及び受光面22が対向する位置になるように、チャックテーブル3の回転中心O(図1参照)を挟んで配置されている。また、レーザー光線照射手段13及び受光手段14は昇降手段25及び26により昇降可能に構成されているため、発光面21及び受光面22の高さ位置をそれぞれ調整可能である。そのため、発光面21から照射されるレーザー光線Rは、チャックテーブル3の回転中心Oを通って受光面22で受光され、かつ、チャックテーブル3の上面に平行で接するように、その光軸が位置付けられている。また、発光面21の下端部21a及び受光面22の下端部22aの各位置は、チャックテーブル3の上面位置に対して低くなるように設定されている。従って、チャックテーブル3の上面20aとレーザー光線Rとの間に隙間が無い状態となる。そのため、回転するチャックテーブル3上にコンタミネーションCが付着している場合には、発光面21から受光面22に向かって所定幅で照射されるレーザー光線Rの光束内にコンタミネーションCを確実に通過させることができる。ここで、コンタミネーションCとは、切削加工に伴う切削(加工)屑、粉塵、チップのかけ等の異物を指す。なお、レーザー光線Rには、チャックテーブル3が加工されない程度の任意のレーザー光線を用いることが可能である。
【0022】
判定手段23は、レーザー光線Rが照射された状態で、チャックテーブル3が少なくとも180度回転する間の受光手段14におけるレーザー光線Rの受光量の変化に基づいて、チャックテーブル3上のコンタミネーションCの付着の有無を判断する。この判定手段23は、レーザー加工装置1内に組み込まれたCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)内の各種プログラムに従ってRAM(Random Access Memory)内のデータを演算して、レーザー光線Rの受光量の変化によるコンタミネーションCの検出制御を実行するように構成されている。
【0023】
次に、レーザー加工装置1の検出装置2の検出動作について説明する。検出装置2の検出動作の開始前には、レーザー光線照射手段13の発光面21の下端部21a及び受光手段14の受光面22の下端部22aの高さ位置を、チャックテーブル3の上面位置に対して低くすると共に、レーザー光線Rの光軸がチャックテーブル3の回転中心Oを通るように設定し、チャックテーブル3(保持部20及び吸着面24)の上面20aとレーザー光線Rとの間に隙間が無い状態にする。次に、レーザー光線照射手段13の発光面21からレーザー光線Rを照射させ、受光手段14の受光面22で受光させる。そして、チャックテーブル3を、回転軸A周りに少なくとも180度回転させる。
【0024】
上述したように、レーザー光線Rは、チャックテーブル3の回転中心Oを通過すると共に、チャックテーブル3の上面20aに平行で接するように照射されている。また、発光面21の下端部21a及び受光面22の下端部22aの位置は、チャックテーブル3の上面位置に対して低くなっているため、チャックテーブル3の上面20aとレーザー光線Rとの間に隙間が無い状態である。そのため、回転するチャックテーブル3の上面20aに付着するコンタミネーションCがレーザー光線Rの光束を通過する際には、チャックテーブル3の上面20aを通るレーザー光線Rが遮られて、受光面22で受光するレーザー光線Rの受光量が変化(減少)する。レーザー光線Rの受光量が変化している場合には、判定手段23で、チャックテーブル3の上面20aにコンタミネーションCが付着していると判断される。これにより、チャックテーブル3上にコンタミネーションC等の異物の付着を確実に見つけることができるので、報知等を行うことによりウェーハWの破損を防止することができる。
【0025】
次に、本実施の形態に係る検出装置の有効性を確認するために行った実験について説明する。本実験では、直径300mmのチャックテーブル上に、疑似的な塵(水溶性保護膜の材料となる粉末状物(200μm程度))を載せ、各センサにおける塵が無い状態における受光量と塵が有る状態における受光量とを測定した。
【0026】
本実験では、本実施の形態に係る検出装置であるレーザーセンサを用いた場合(実施例)、及びビーム径の異なる4種類のファイバーセンサを用いた場合(比較例1〜4)について、受光量の変化を測定し、判定手段による判定が可能かどうか検証を行った。実施例及び比較例1〜4のそれぞれの発光面及び受光面間距離は、420mmとした。
【0027】
具体的には、実施例では、ビーム径(φ)が1〜2.5mmのレーザーセンサを用いた。比較例1では、ビーム径(φ)が1.13mmのファイバーセンサを用いた。比較例2及び3では、ビーム径(φ)が1.5mmのファイバーセンサを用いた。比較例4では、ビーム径(φ)が1mmのファイバーセンサを用いた。
【0028】
実施例では、塵が無い状態の受光量に比べて、塵が有る状態の受光量が判定手段により判定することが可能な範囲で減少することが確認できた。一方、比較例2及び4では、水溶性保護膜の粉末状物が有る状態でも、受光量が変化しなかった。また、比較例3では、水溶性保護膜の粉末状物が有る状態でも、受光量がわずかに減少する程度であった。比較例2乃至4では、判定手段が安定して判定可能な範囲の受光量の減少は確認できなかった。このように、ファイバーセンサを用いた比較例1〜4に比べて、レーザーセンサを用いた実施例の方が、チャックテーブル上の塵等のコンタミネーションの有無を検知する上で有効であることが確認できた。
【0029】
このように、本実施の形態によれば、回転するチャックテーブル3上のコンタミネーションCは、発光面21から受光面22に向かって照射されるレーザー光線Rを通過する際に、レーザー光線Rを遮ることで、受光手段14で受けるレーザー光線Rの受光量が変化(減少)される。従って、この受光量の変化に基づいてチャックテーブル3上にコンタミネーションCが付着していると判断され、チャックテーブル3上にコンタミネーションC等の異物の付着を確認することができると共に、報知等を行うことにより、ウェーハWの破損を防止することができる。
【0030】
なお、上記した実施の形態では、判定手段23が受光手段14におけるレーザー光線Rの受光量の変化に基づいてチャックテーブル3上のコンタミネーションCの有無を判断する構成としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、チャックテーブル3上にコンタミネーションCが付着されていない状態における受光手段14のレーザー光線Rの受光量と比較して、コンタミネーションCの有無を判断する構成にしてもよい。図3は、本実施の形態の変形例に係る検出装置を模式的に示した側面図である。図3に示す検出装置30では、判定手段31に記憶部32が設けられている。記憶部32には、チャックテーブル3の上面20aにコンタミネーションCが付着されていない状態における受光手段14のレーザー光線Rの基準受光量が記憶されている。判定手段31では、記憶部32に記憶された基準受光量に対する受光手段14のレーザー光線Rの受光量の変化が判定される。記憶部32に記憶された基準受光量に比べて、検出動作時における受光手段14のレーザー光線Rの受光量の変化(減少)している場合には、判定手段31では、チャックテーブル3の上面20aにコンタミネーションCが付着していると判断される。図3に示すように、チャックテーブル3の回転軸Aが通過する回転中心O(図1参照)近傍にコンタミネーションCが付着している場合、チャックテーブル3の回転に伴ってコンタミネーションCの付着位置が変わらないため、受光手段14におけるレーザー光線Rの受光量は変化しない。しかしながら、検出装置30の判定手段31では、記憶部32に記憶された基準受光量に基づいて、受光手段14におけるレーザー光線Rの受光量の変化の有無を判断するので、チャックテーブル3の回転中心O近傍にコンタミネーションCが付着している場合でも、チャックテーブル3上にコンタミネーションCが付着していることを見つけることができる。
【0031】
また、上記した実施の形態では、レーザー光線照射手段13及び受光手段14を、チャックテーブル3を挟んでY軸方向に対向するようにX軸テーブル11上に設ける構成としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、レーザー光線Rが、チャックテーブル3の回転中心Oを通ると共にチャックテーブル3の上面20aに平行で接するように光軸が位置付けられ、レーザー加工手段2の加工を妨げない位置であれば、レーザー光線照射手段13及び受光手段14を任意の位置に設けてもよい。
【0032】
また、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上説明したように、本発明は、チャックテーブル上にコンタミネーション等の異物の付着を確認することができると共に、ウェーハの破損を防止するという効果を有し、特に、ウェーハに対して、切削加工を行う切削装置やレーザー加工を行うレーザー加工装置等の加工装置に有用である。
【符号の説明】
【0034】
1 レーザー加工装置(ウェーハ処理装置)
2 レーザー加工手段(処理手段)
3 チャックテーブル
12 検出装置
13 レーザー光線照射手段
14 受光手段
20a 上面
21 発光面
22 受光面
23、31 判定手段
32 記憶部
O 回転中心
W ウェーハ
図1
図2
図3