(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
タグ名及び時刻範囲を示すタグ情報と、追加または削除の指示とを受信し、前記指示が追加である場合には、前記タグ情報が示す前記タグ名に対応付けて前記タグデータベース記憶部に前記タグ情報が示す前記時刻範囲を登録し、前記指示が削除である場合には、前記タグ情報が示す前記タグ名に対応付けて前記タグデータベース記憶部に記憶されている前記時刻範囲のリストから前記タグ情報が示す前記時刻範囲を削除するタグデータベース更新部と、
前記指示が追加である場合には、前記タグ情報が示す前記時刻範囲に対応付けて前記時刻データベース記憶部に前記タグ情報が示す前記タグ名を登録し、前記指示が削除である場合には、前記タグ情報が示す前記時刻範囲に対応付けて前記時刻データベース記憶部に記憶されている前記タグ名のリストから前記タグ情報が示す前記タグ名を削除する時刻データベース更新部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の放送番組管理装置。
前記時刻リスト取得部は、受信した前記時刻範囲から得られる表示移動先の放送時刻が前記表示部にデータを表示させている前記放送番組の番組放送時刻の範囲内に含まれる間は、閲覧者が選択した前記タグ名を示す検索対象の情報と、前記表示移動先の放送時刻の情報とを前記放送番組管理装置に出力し、前記タグ名に対応した放送時刻の時刻範囲のうち前記表示移動先の放送時刻が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した時刻範囲を前記放送番組管理装置から受信することを繰り返す、
ことを特徴とする請求項4に記載の放送番組再生装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
記録装置の大容量化により、今後放送されるすべての放送番組を記録し続け、いつでも過去の放送番組を閲覧することが可能となりつつある。興味対象を絞って、大量にある過去の放送番組を閲覧する場合、同じ興味対象に関連した放送番組が大量に見つかることが想定される。閲覧者はこの見つかった中から見たい放送番組を選択するには、見つかった放送番組の一覧を確認しながら選択するよりも、ザッピングにより放送番組の映像を見ながら選択することが有効な手段と考えられる。また、これまでに説明したように、テキスト文書をもとにしたWWWを除き、映像や音声などのハイパーリンクを使った閲覧技術は古くから提案されているものの、未だに一般的な技術としては実現されていない。
【0015】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、記録された大量の過去の放送番組の中から閲覧者が興味対象を絞って高速にザッピングしながら放送番組を閲覧することができる放送番組管理装置、放送番組再生装置、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
[1] 本発明の一態様は、放送番組のデータを記憶する番組データ記憶部と、放送時刻の時刻範囲に対応したタグ名のリストを記憶する時刻データベース記憶部と、タグ名に対応した放送時刻の時刻範囲のリストを記憶するタグデータベース記憶部と、検索対象と放送時刻の情報を受信し、前記検索対象が放送番組のデータである場合には、受信した前記放送時刻における前記放送番組のデータを前記番組データ記憶部から読み出して出力し、前記検索対象がタグリストを示す場合には、受信した前記放送時刻が含まれる前記時刻範囲に対応して前記時刻データベース記憶部に記憶されている前記タグ名のリストを読み出して出力し、前記検索対象がタグ名を示す場合には、前記タグ名に対応して前記タグデータベース記憶部に記憶されている前記時刻範囲のリストのうち、受信した前記放送時刻が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した時刻範囲を読み出して出力する読み出しインタフェース部と、を備えることを特徴とする放送番組管理装置である。
この態様によれば、放送番組管理装置は、検索対象が放送番組のデータを示す場合には、指定された放送時刻における放送番組のデータを番組データ記憶部から読み出して出力し、検索対象がタグリストを示す場合には、指定された放送時刻が含まれる時刻範囲に対応したタグ名のリストを時刻データベース記憶部から読み出して出力する。また、放送番組管理装置は、検索対象がタグ名を示すときには、タグ名に対応してタグデータベース記憶部に記憶されている放送時刻の時刻範囲のリストの中から、指定された放送時刻が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した時刻範囲を読み出して出力する。
これにより、放送番組管理装置は、閲覧者が放送番組を閲覧するために使用する放送番組再生装置へ、指定された放送時刻の放送番組の映像等のデータを提供するとともに、その放送時刻におけるタグ名のリストを提供する。そして、提供したタグ名のリストの中から閲覧者がタグ名を指定した場合、放送番組管理装置は、指定されたタグ名に関連した時刻範囲のうち、現在閲覧者が閲覧中の放送番組の部分が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した過去の、あるいは、未来の時刻範囲を放送番組再生装置に提供する。放送番組管理装置は、提供した時刻範囲に基づく放送時刻を放送番組再生装置から受信することにより、指定されたタグ名に関連した他の放送番組の部分の映像等のデータを放送番組再生装置に提供する。よって、放送番組管理装置は、閲覧者が、タグ名により指定した興味対象に関連する放送番組を時間的に隣接した順にザッピングしながら閲覧することを可能とする。
【0017】
[2] 本発明の一態様は、上述した放送番組管理装置であって、前記番組データ記憶部は、前記放送番組のデータをチャンネルごとに蓄積し、前記時刻データベース記憶部は、放送時刻の時刻範囲に対応したタグ名のリストをチャンネルごとに記憶し、前記タグデータベース記憶部は、タグ名に対応した放送時刻の時刻範囲のリストをチャンネルごとに記憶し、前記読み出しインタフェース部は、チャンネル、検索対象、及び放送時刻の情報を受信し、前記検索対象が放送番組のデータである場合には、前記チャンネルの前記放送時刻における前記放送番組のデータを前記番組データ記憶部から読み出して出力し、前記検索対象がタグリストを示す場合には、前記チャンネルと前記放送時刻が含まれる前記時刻範囲とに対応して前記時刻データベース記憶部に記憶されている前記タグ名のリストを読み出して出力し、前記検索対象がタグ名を示す場合には、前記チャンネル及び前記タグ名に対応して前記タグデータベース記憶部に記憶されている前記時刻範囲のリストのうち、受信した前記放送時刻が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した時刻範囲を読み出して出力する、ことを特徴とする。
この態様によれば、放送番組管理装置は、検索対象が放送番組のデータを示す場合には、指定されたチャンネルの指定された放送時刻における放送番組のデータを番組データ記憶部から読み出して出力し、検索対象がタグリストを示す場合には、指定されたチャンネルと指定された放送時刻が含まれる時刻範囲とに対応したタグ名のリストを時刻データベース記憶部から読み出して出力する。また、放送番組管理装置は、検索対象がタグ名を示すときには、指定されたチャンネル及び指定されたタグ名に対応してタグデータベース記憶部に記憶されている時刻範囲のリストの中から、指定された放送時刻が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した時刻範囲を読み出して出力する。
この態様によれば、放送番組管理装置は、放送番組再生装置へ、指定されたチャンネルの指定された放送時刻の放送番組の映像等のデータを提供するとともに、そのチャンネル及び放送時刻におけるタグ名のリストを提供する。そして、提供したタグ名のリストの中から閲覧者がタグ名を指定した場合、放送番組管理装置は、検索対象のチャンネルの指定タグ名に関連した時刻範囲のうち、現在閲覧者が閲覧している放送番組における指定タグ名に関連した部分よりも過去の、あるいは、未来の時刻範囲を放送番組再生装置に提供する。
【0018】
[3] 本発明の一態様は、上述した放送番組管理装置であって、タグ名及び時刻範囲を示すタグ情報と、追加または削除の指示とを受信し、前記指示が追加である場合には、前記タグ情報が示す前記タグ名に対応付けて前記タグデータベース記憶部に前記タグ情報が示す前記時刻範囲を登録し、前記指示が削除である場合には、前記タグ情報が示す前記タグ名に対応付けて前記タグデータベース記憶部に記憶されている前記時刻範囲のリストから前記タグ情報が示す前記時刻範囲を削除するタグデータベース更新部と、前記指示が追加である場合には、前記タグ情報が示す前記時刻範囲に対応付けて前記時刻データベース記憶部に前記タグ情報が示す前記タグ名を登録し、前記指示が削除である場合には、前記タグ情報が示す前記時刻範囲に対応付けて前記時刻データベース記憶部に記憶されている前記タグ名のリストから前記タグ情報が示す前記タグ名を削除する時刻データベース更新部と、をさらに備えることを特徴とする。
この態様によれば、放送番組管理装置は、タグ情報の追加指示を受けた場合、当該タグ情報が示すタグ名に対応付けて、当該タグ情報が示す時刻範囲をタグデータベース記憶部に登録し、さらに、当該タグ情報が示す時刻範囲に対応付けて当該タグ情報が示すタグ名を時刻データベース記憶部に登録する。また、放送番組管理装置は、タグ情報の削除指示を受けた場合、当該タグ情報が示すタグ名に対応付けてタグデータベース記憶部に記憶されている時刻範囲のリストから当該タグ情報が示す時刻範囲を削除し、さらに、当該タグ情報が示す時刻範囲に対応付けて時刻データベース記憶部に記憶されているタグ名のリストから当該タグ情報が示すタグ名を削除する。
これにより、放送番組管理装置は、削除あるいは追加対象のタグ情報の入力を受け、タグデータベース記憶部に記憶されているデータ、及び時刻データベース記憶部に記憶されているデータを更新することができる。
【0019】
[4] 本発明の一態様は、放送時刻の情報を記憶する記憶部と、映像を表示する表示部と、所定の時間毎に、放送番組のデータを示す検索対象の情報と、前記記憶部から読み出した前記放送時刻の情報とを放送番組管理装置に出力し、前記放送番組管理装置から返送された放送番組のデータを前記表示部に表示させる放送番組データ取得部と、前記放送番組データ取得部が取得した前記放送番組のデータの表示が終了した場合に前記記憶部に記憶されている前記放送時刻の情報を前記放送番組のデータの表示が終了した放送時刻に更新する放送時刻更新部と、タグリストを示す検索対象の情報と、前記記憶部から読み出した前記放送時刻の情報とを前記放送番組管理装置に出力し、前記放送番組管理装置から返送された前記放送時刻におけるタグ名のリストを前記表示部に表示させるタグリスト取得部と、前記タグリスト取得部が前記表示部に表示させた前記タグ名のリストの中から閲覧者が選択したタグ名を示す検索対象の情報と、前記記憶部から読み出した前記放送時刻の情報とを前記放送番組管理装置に出力し、前記タグ名に対応した放送時刻の時刻範囲のうち前記放送時刻が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した時刻範囲を前記放送番組管理装置から受信し、受信した前記時刻範囲から得られる表示移動先の放送時刻により前記記憶部が記憶している前記放送時刻の情報を更新する時刻リスト取得部と、を備えることを特徴とする放送番組再生装置である。
この態様によれば、放送番組再生装置は、記憶部に記憶している放送時刻における放送番組のデータを放送番組管理装置から読み出して表示部に表示させ、取得した放送番組のデータの表示が終了した場合には、記憶している放送時刻の情報を表示が終了した放送時刻により更新する。さらに、放送番組再生装置は、記憶している放送時刻の情報に基づいて放送番組管理装置から読み出したタグ名のリストを表示部に表示させる。放送番組再生装置は、表示させたタグ名のリストから閲覧者が選択したタグ名を受けると、選択されたタグ名に対応して放送番組管理装置に記憶されている時刻範囲の中から、放送時刻の情報が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した時刻範囲を読み出す。放送番組再生装置は、この読み出した時刻範囲に基づいて、記憶している放送時刻の情報を更新する。
これにより、放送番組再生装置は、放送時刻に対応した放送番組の映像等のデータを放送番組管理装置から読み出して表示するとともに、その表示させている放送番組の部分に対応したタグ名のリストを放送番組管理装置から読み出して表示する。そして、表示したタグ名のリストの中から閲覧者がタグ名を選択した場合、放送番組再生装置は、選択されたタグ名に関連した時刻範囲のうち、現在閲覧者が閲覧中の放送番組の部分が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した過去の、あるいは、未来の時刻範囲を放送番組管理装置から読み出す。放送番組再生装置は、読み出した時刻範囲に基づいて放送時刻を更新し、更新された放送時刻に対応した放送番組の映像等のデータを放送番組管理装置から読み出して表示する。よって、閲覧者は、タグ名で特定される興味対象に関連した放送番組の部分を時間的に隣接した順にザッピングしながら閲覧することができる。
【0020】
[5] 本発明の一態様は、上述した放送番組再生装置であって、前記時刻リスト取得部は、受信した前記時刻範囲から得られる表示移動先の放送時刻が前記表示部にデータを表示させている前記放送番組の番組放送時刻の範囲内に含まれる間は、閲覧者が選択した前記タグ名を示す検索対象の情報と、前記表示移動先の放送時刻の情報とを前記放送番組管理装置に出力し、前記タグ名に対応した放送時刻の時刻範囲のうち前記表示移動先の放送時刻が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した時刻範囲を前記放送番組管理装置から受信することを繰り返す、ことを特徴とする。
この態様によれば、放送番組再生装置は、放送番組管理装置から受信した時刻範囲が現在表示部にデータを表示させている放送番組の番組放送時刻の範囲内に含まれる場合、受信した時刻範囲に含まれる時刻を用いて再び放送番組管理装置から、選択されたタグ名に対応した時刻範囲を読み出す。
これにより、放送番組管理装置は、現在閲覧者が閲覧中の放送番組とは異なる放送番組を対象として、選択されたタグ名に対応した部分の時刻範囲を取得し、その時刻範囲の放送番組のデータを放送番組管理装置から読み出して表示させることができる。よって、閲覧者は、タグ名で特定される興味対象に関連した異なる放送番組を時間的に隣接した順にザッピングしながら閲覧することができる。
【0021】
[6] 本発明の一態様は、上述した放送番組再生装置であって、前記放送番組データ取得部が前記表示部にデータを表示させた前記放送番組の再生開始の放送時刻及び再生終了の放送時刻を記録する視聴履歴記録部をさらに備え、前記時刻リスト取得部は、受信した前記時刻範囲から得られる表示移動先の放送時刻が前記視聴履歴記録部により記録された前記再生開始の放送時刻から前記再生終了の放送時刻までに含まれる間、あるいは、含まれない間は、閲覧者が選択した前記タグ名を示す検索対象の情報と、前記表示移動先の放送時刻の情報とを前記放送番組管理装置に出力し、前記タグ名に対応した放送時刻の時刻範囲のうち前記表示移動先の放送時刻が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した時刻範囲を前記放送番組管理装置から受信することを繰り返す、ことを特徴とする。
この態様によれば、放送番組再生装置は、放送番組管理装置から受信した時刻範囲が、閲覧者が過去に閲覧した放送番組に含まれる場合、あるいは、閲覧者がまだ閲覧していない放送番組に含まれる場合に、受信した時刻範囲に含まれる時刻を用いて再び放送番組管理装置から、選択されたタグ名に対応した時刻範囲を読み出す。
これにより、放送番組管理装置は、選択されたタグ名に対応し、過去に閲覧者が閲覧していない放送番組の部分の時刻範囲、あるいは、過去に閲覧者が閲覧した放送番組の部分の時刻範囲を放送番組管理装置から取得し、その時刻範囲の放送番組のデータを放送番組管理装置から読み出して表示させることができる。よって、閲覧者は、過去に閲覧した放送番組に限って、あるいは、過去に閲覧したことがない放送番組に限って、タグ名で特定される興味対象に関連した放送番組の部分を時間的に隣接した順にザッピングしながら閲覧することができる。
【0022】
[7] 本発明の一態様は、上述した放送番組再生装置であって、前記記憶部は、閲覧対象のチャンネルの情報をさらに記憶し、放送番組データ取得部は、所定の時間毎に、放送番組のデータを示す検索対象の情報と、前記記憶部から読み出した前記閲覧対象のチャンネルの情報及び前記放送時刻の情報とを放送番組管理装置に出力し、前記閲覧対象のチャンネルの前記放送時刻における放送番組のデータを前記放送番組管理装置から受信して前記表示部に表示させ、前記タグリスト取得部は、タグリストを示す検索対象の情報と、前記記憶部から読み出した前記閲覧対象のチャンネルの情報及び前記放送時刻の情報とを前記放送番組管理装置に出力し、前記閲覧対象のチャンネルの前記放送時刻におけるタグ名のリストを前記放送番組管理装置から受信して前記表示部に表示させ、前記時刻リスト取得部は、前記閲覧者が選択したタグ名を示す検索対象の情報と、検索対象のチャンネルの情報と、前記記憶部から読み出した前記放送時刻の情報とを前記放送番組管理装置に出力し、前記検索対象のチャンネルと前記タグ名とに対応した放送時刻の時刻範囲のうち前記放送時刻が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した時刻範囲を前記放送番組管理装置から受信し、受信した前記時刻範囲から得られる表示移動先の放送時刻により、前記記憶部が記憶している前記放送時刻の情報を更新するとともに、受信した前記時刻範囲に対応する前記検索対象のチャンネルの情報により、前記記憶部が記憶している前記閲覧対象のチャンネルの情報を更新する、ことを特徴とする。
この態様によれば、放送番組再生装置は、記憶部に記憶している閲覧対象のチャンネル及び放送時刻の情報に対応した放送番組のデータを放送番組管理装置から読み出して表示部に表示させ、取得した放送番組のデータの表示が終了した場合には、記憶している放送時刻の情報を表示が終了した放送時刻により更新する。さらに、放送番組再生装置は、記憶している閲覧対象のチャンネル及び放送時刻の情報に基づいて放送番組管理装置から読み出したタグ名のリストを表示部に表示させる。放送番組再生装置は、表示させたタグ名のリストから閲覧者が選択したタグ名を受けると、検索対象のチャンネルと選択されたタグ名に対応して放送番組管理装置に記憶されている時刻範囲の中から、放送時刻の情報が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した時刻範囲を読み出す。放送番組再生装置は、この読み出した時刻範囲に基づいて、記憶している放送時刻の情報と、閲覧対象のチャンネルを更新する。
これにより、放送番組再生装置は、閲覧対象のチャンネルの放送番組の映像等のデータを放送番組管理装置から読み出して表示するとともに、閲覧している放送番組の部分に対応したタグ名のリストを放送番組管理装置から読み出して表示する。そして、表示したタグ名のリストの中から閲覧者がタグ名を選択した場合、放送番組再生装置は、検索対象のチャンネルの選択されたタグ名に関連した時刻範囲のうち、現在閲覧者が閲覧している放送番組のそのタグ名に関連した部分よりも過去の、あるいは、未来の時刻範囲を放送番組管理装置から読み出す。放送番組再生装置は、読み出した時刻範囲に基づいて放送時刻を更新し、更新された放送時刻に対応した検索対象のチャンネルの放送番組の映像等のデータを放送番組管理装置から読み出して表示する。よって、閲覧者は、タグ名により指定した興味対象に関連した放送番組を、チャンネル間を移動しながらザッピングにより閲覧することができる。
【0023】
[8] 本発明の一態様は、映像を表示する表示部を備えた放送番組再生装置に用いられるコンピュータを、放送時刻の情報を記憶する記憶部、所定の時間毎に、放送番組のデータを示す検索対象の情報と、前記記憶部から読み出した前記放送時刻の情報とを放送番組管理装置に出力し、前記放送番組管理装置から返送された放送番組のデータを前記表示部に表示させる放送番組データ取得部、前記放送番組データ取得部が取得した前記放送番組のデータの表示が終了した場合に前記記憶部に記憶されている前記放送時刻の情報を前記放送番組のデータの表示が終了した放送時刻に更新する放送時刻更新部、タグリストを示す検索対象の情報と、前記記憶部から読み出した前記放送時刻の情報とを前記放送番組管理装置に出力し、前記放送番組管理装置から返送された前記放送時刻におけるタグ名のリストを前記表示部に表示させるタグリスト取得部、前記タグリスト取得部が前記表示部に表示させた前記タグ名のリストの中から閲覧者が選択したタグ名を示す検索対象の情報と、前記記憶部から読み出した前記放送時刻の情報とを前記放送番組管理装置に出力し、前記タグ名に対応した放送時刻の時刻範囲のうち前記放送時刻が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した時刻範囲を前記放送番組管理装置から受信し、受信した前記時刻範囲から得られる表示移動先の放送時刻により前記記憶部が記憶している前記放送時刻の情報を更新する時刻リスト取得部、として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、記録された大量の過去の放送番組の中から閲覧者が興味対象を絞って高速にザッピングしながら放送番組を閲覧することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0027】
[放送番組管理装置の全体の説明]
図1は、本発明の一実施形態による放送番組管理装置1の機能ブロック図である。同図に示すように、放送番組管理装置1は、タグデータベース記憶部11、時刻データベース記憶部12、ファイル蓄積部13(番組データ記憶部)、タグデータベース更新部14、時刻データベース更新部15、及び読み出しインタフェース部16から構成される。以下、「データベース」を「DB」と記載する。
【0028】
タグDB記憶部11は、タグ名と時刻範囲のリストとを対応付けたデータからなるタグDBを記憶する。時刻範囲は、タグ名と関連した放送番組の部分を、その部分の開始の放送時刻(以下、「開始時刻」と記載する。)と終了の放送時刻(以下、「終了時刻」と記載する。)によって示す。時刻DB記憶部12は、時刻範囲と、その時刻範囲における放送番組の部分に関連したタグ名のリストとを対応付けたデータからなる時刻DBを記憶する。ファイル蓄積部13は、放送番組の閲覧に必要となる映像のデータや音声のデータなどのファイルを記憶する。
【0029】
放送番組管理装置1には、タグDB更新部14を介して、放送番組のタグ情報が追加命令または削除命令とともに入力される。タグDB更新部14は、入力されたタグ情報に基づいて、タグDB記憶部11に記憶されているタグDBを更新する。時刻DB更新部15は、タグDB更新部14に入力されたタグ情報に基づいて、時刻DB記憶部12に記憶されている時刻DBを更新する。読み出しインタフェース部16は、タグDB記憶部11、時刻DB記憶部12、ファイル蓄積部13から共通のインタフェースによりデータを読み出す。
【0030】
[タグ情報のデータ構造の説明]
本実施形態の放送番組管理装置1に入力されるタグ情報には、少なくとも、開始時刻、終了時刻、タグ名の3つのデータが含まれる。つまり、タグ情報は、開始時刻から終了時刻までの範囲の放送時刻が、「タグ名」に関連付けられていることを示している。換言すれば、開始時刻から終了時刻までの時刻範囲における放送番組の部分は、タグ名で示される内容に関連する。
なお、タグ情報は、例えば、特許文献3に記載のように利用者によって作成されたものでもよく、すでに開発されている様々なメタデータ自動抽出方法によって作成されたものでもよい。このように、本実施形態では、任意の方法によって生成されたタグ情報を用いることができるため、タグ情報の生成方法に関しては特に関知しないこととする。
【0031】
図2は、本実施形態におけるタグ情報のデータ構造を示す図である。同図に示すように、タグ情報は、64ビット長の開始時刻と、64ビット長の終了時刻と、可変長のテキストデータのタグ名との情報を含む。以下の説明においては、タグ名を識別するために、先頭に「#」(シャープ記号)を付けてタグ名を表記し、タグ情報を「(開始時刻、終了時刻、#タグ名)」と表記する。
【0032】
[時刻情報のデータ構造の説明]
図3は、本実施形態で用いる時刻情報のデータ構造を示す図である。本実施形態では、時刻情報のデータ構造として、同図に示すように、非特許文献2で使われている64ビット長からなるデータを用いる。同図に示す時刻情報は、20ビット長の修正ユリウス日(MJD)、6ビット長のタイムゾーン(TZ)、33ビット長のPTS(Presentation Time Stamp)の情報を含む。MJDは、修正ユリウス日で数値化された日付情報を表し、タイムゾーンは、地球上における地域を表し、PTSは、1日の00時00分00秒を0とした90KHzのカウンタ値を表す。タグ情報において放送時刻(開始時刻及び終了時刻)を示す情報、タグDBにおいて放送時刻(開始時刻及び終了時刻)を示す情報、時刻DBにおいて放送時刻を示す情報、読み出しインタフェース部16が用いるインタフェースに設定される放送時刻の情報などに、同図に示すデータ構造の時刻情報が使用される。これにより、90KHz(約11ナノ秒)の精度でタイムゾーンごとの日時を指定することができる。
【0033】
[DBの説明]
放送番組管理装置1の内部には、タグDBと時刻DBが構築されている。これらのDBは、外部から放送番組管理装置1に入力されたタグ情報に基づいて、タグDB更新部14、及び時刻DB更新部15によって構築される。
【0034】
図4は、タグ情報と、タグDB記憶部11に記憶されるタグDB及び時刻DB記憶部12に記憶される時刻DBとの関係を示す図である。
図4(a)は、放送番組管理装置1に入力されたタグ情報の関連を示す図である。同図では、放送番組管理装置1に入力されたタグ名A(#A)に関する3つのタグ情報(t1、t3、#A)、(t4、t5、#A)、(t7、t11、#A)と、タグ名B(#B)に関する2つのタグ情報(t1、t2、#B)、(t6、t9、#B)と、タグ名C(#C)に関する1つのタグ情報(t8、t9、#C)との関連を示している。
【0035】
図4(b)は、
図4(a)に示すタグ情報に基づいてタグDB記憶部11に構築されるタグDBを示す図である。
図4(a)に示すタグ情報が放送番組管理装置1に入力された場合、
図4(b)に示すように、タグDBには、各タグ名#A、#B、#Cに対する時刻範囲(開始時刻と終了時刻の組)のリストが、時刻の重複がないように、時刻が古い(時刻情報が小さい)順に記録される。このタグDBを用いることで、タグ名から、そのタグ名がどの時刻範囲に関連付けられているかを高速に検索することができる。
【0036】
図4(c)は、
図4(a)に示すタグ情報に基づいて時刻DB記憶部12に構築される時刻DBを示す図である。
図4(c)に示すように、時刻DB記憶部12には、時刻が古い(時刻情報が小さい)順に、各時刻範囲におけるタグ名のリストが記録されている。同図においては、時刻t1から時刻t2の前までの時刻範囲には#A及び#Bが関連づけられており、時刻t2から時刻t3の前までの時刻範囲には#Aが関連づけられており、時刻t3から時刻t4の前までの時刻範囲にはタグが関連づけられていないことを示す。この時刻DBを用いることで、ある放送時刻にどのようなタグが関連付けられているか、つまり、ある放送時刻における放送番組の部分がどのようなタグに関連しているかを高速に検索することができる。
【0037】
[ファイル蓄積部13の説明]
ファイル蓄積部13は、放送番組の閲覧に必要となる映像、音声などのデータのファイルを記憶している装置である。また、ファイル蓄積部13は、字幕データや番組表などの関連するデータのファイルも記憶する。
【0038】
本実施形態では、ファイル蓄積部13として、非特許文献2に記載の分散ファイルシステムを利用する。この分散ファイルシステムでは、保管された複数のファイルを、論理的に1つのファイルとして扱うことができ、その論理的なファイルに対して、時刻によりフレーム単位のデータの読み出しが可能である。この論理的なファイルは、通常のパーソナルコンピュータ等に実装されるOS(オペレーションシステム)のファイルシステムがファイルへアクセスする際に用いるインタフェースと同じインタフェース(例えば、後述のpread関数など)を使ってアクセスできる。
【0039】
図7は、ファイル蓄積部13により蓄積される番組ファイルの論理的なファイルの例を示す図である。同図では、ディレクトリ(フォルダ)名が「@ch1」である場合、「@ch2」である場合のそれぞれについて、ディレクトリ内のファイルの一覧の例を示している。なお、「@ch1」および「@ch2」は放送チャンネルを表し、「@ch1」ディレクトリには「チャンネル1」の放送番組に関連するファイル、「@ch2」ディレクトリには「チャンネル2」の放送番組に関連するファイルが存在するものとして説明する。同図に示す例では、「@ch1」ディレクトリ内に、映像ファイル「video.h264」、音声ファイル「audio.aac」、副音声ファイル「audio_sub.aac」、字幕ファイル「caption.txt」、番組表ファイル「program.txt」の5つのファイルが存在しており、「@ch2」ディレクトリ内に、映像ファイル「video.h264」、音声ファイル「audio.aac」、字幕ファイル「caption.txt」、番組表ファイル「program.txt」の4つのファイルが存在している。
【0040】
図8は、データの読み出しに用いられるpread関数を説明するための図である。同図に示すpread関数により、
図7に示すファイルからデータを読み出すことができる。pread関数は、file、buf、size、tstの4つの引数を持つ。
引数fileは、読み出したいファイルのファイル名であり、例えば、チャンネル1の映像ファイルのデータを読み出したい場合には、放送番組や放送時刻等にかかわらず、チャンネル1を表すディレクトリと、映像ファイルの名称とを組み合わせ、「/@ch1/video.h264」を指定する。引数bufは、読み出したデータを格納するためのメモリ領域の先頭アドレスを示し、引数sizeは、引数bufで指定されるメモリ領域のために確保したメモリの領域サイズを指定する。引数tstは、引数fileにより指定したファイルからデータ読み出し対象の放送時刻を指定する。引数tstには、
図3に示す時刻情報が用いられる。
【0041】
図9は、
図8に示すpread関数により読み出されたデータを格納する際のデータ構造を示す図である。読み出しインタフェース部16は、pread関数により読み出したデータを、引数bufにより先頭アドレスが指定されたメモリ領域に格納する。同図に示すように、引数bufで指定されたメモリ領域の先頭32バイトには、読み出されたデータに対応するファイルの部分の開始時刻、終了時刻、読み出されたデータのデータ長が格納され、それらに続いて、読み出されたファイルのデータが格納される。
このように、本実施形態では、pread関数を用いることで、ファイル蓄積部13に蓄積されている放送番組に関連するファイルから、指定した時刻のデータを読み出すことができる。
【0042】
なお、本実施形態のファイル蓄積部13は、非特許文献2の分散ファイルシステムに限定されるものではなく、指定時刻における指定チャンネルの映像ファイル、音声ファイル、副音声ファイル、字幕ファイル、番組表ファイルなど、放送番組に関連するファイルを読み出すことができれば、一般的なパーソナルコンピュータ等で利用されているファイルシステムであってもよい。
【0043】
[タグDB更新部14の動作の説明]
次に、放送番組管理装置1に、タグ情報の追加命令または、すでに入力されているタグ情報の削除命令が入力された場合のタグDBの更新動作について説明する。タグDBの更新は、タグDB更新部14によって実行される。なお、タグDB記憶部11は、タグDBをチャンネル毎に記憶しており、タグDB更新部14は、チャンネル毎に以下の処理を行う。
【0044】
図10は、タグDB更新部14のタグDB更新処理の動作の流れ図を示す。また、
図5、
図6は、タグDB更新部14の具体的な動作を説明するための図である。
図10に示すタグDB更新部14の動作を、
図5および
図6を使って説明する。
【0045】
放送番組管理装置1に、追加命令または削除命令とともにタグ情報が入力されると、タグDB更新部14は、その入力された命令がタグ情報の追加命令であるか削除命令であるかを判断する(ステップS101)。タグDB更新部14は、追加命令であると判断した場合(ステップS101:YES)、入力されたタグ情報が示す時刻範囲をタグDBに追加登録する(ステップS102)。すなわち、タグDB更新部14は、入力されたタグ情報のタグ名と同じタグ名がタグDBにすでに登録されている場合には、タグ情報の開始時刻及び終了時刻で示される時刻範囲を、すでに登録されている同じタグ名の時刻範囲のリストに追加する。同じタグ名が登録されていない場合、タグDB更新部14は、入力されたタグ情報のタグ名を新規のタグ名としてタグDBに追加し、追加したタグ名に対応した時刻範囲のリストに、入力されたタグ情報の開始時刻及び終了時刻で示される時刻範囲を登録する。
【0046】
図5は、
図4の状態から放送番組管理装置1にタグ情報の追加命令が入力された場合のタグDBの更新例を示す図である。
図5(a)に示すように、放送番組管理装置1にタグ情報(t4、t6、#B)の追加命令が入力されたとする。この場合、タグDBにはすでにタグ名「B」が登録されているので、タグDB更新部14は、タグ情報が示す時刻範囲t4−t6を、#Bに対応した時刻範囲のリストに追加する。
図5(b)の左側の図は、ステップS102の処理が終了したときのタグDBの状態を示している。
【0047】
図10に戻り説明を続ける。次に、タグDB更新部14は、ステップS102において時刻範囲を追加する前にすでに登録済みであった前後の時刻範囲を参照し、追加した時刻範囲が、登録済みの時刻範囲と重複があるかを判断する(ステップS103)。タグDB更新部14は、重複がないと判断した場合(ステップS103:NO)、処理を終了し、重複があると判断した場合(ステップS103:YES)、時刻範囲のマージ処理を行う(ステップS104)。
【0048】
図5(b)の左側の図では、#Bに対応して新規に追加された時刻範囲t4−t6は、すでに登録済みであった時刻範囲t6−t9と連続するため、タグDB更新部14は、これらの時刻範囲をマージしてt4−t9としている。結果として、ステップS104の処理が終了したときのタグDBは、
図5(b)の右側の図で示される状態となる。
【0049】
タグ情報の追加命令が入力された場合、タグDB更新部14は、以上の動作によりタグDBの更新処理を実行する。
【0050】
ステップS101において、タグDB更新部14は、入力された命令が削除命令であると判断した場合(ステップS101:NO)、以下の処理を行う。すなわち、タグDB更新部14は、入力されたタグ情報のタグ名に対応付けてタグDBに登録されている時刻範囲のリストから、入力されたタグ情報の開始時刻及び終了時刻で示される時刻範囲を削除する(ステップS105)。
【0051】
図6は、
図5の状態から、放送番組管理装置1にタグ情報の削除命令が入力された場合のタグDBの更新例を示している。
図6(a)に示すように、放送番組管理装置1にタグ情報(t8、t9、#C)の削除命令が入力されたとする。
図6(b)は、ステップS105の処理後のタグDB記憶部11の状態を示している。すなわち、
図5(b)において、タグ名#Cの時刻範囲は、t8−t10であったが、タグDB更新部14は、削除命令によりタグ情報が示す時刻範囲t8−t9を削除し、結果として時刻範囲はt9−t10となっている。
タグ情報の削除命令が入力された場合、タグDB更新部14は、以上の動作によりタグDBの更新処理を実行する。
【0052】
[時刻DB更新部15の動作の説明]
放送番組管理装置1に、タグ情報の追加命令または、すでに入力されているタグ情報の削除命令が入力された場合、タグDB更新部14が
図10に示すタグDB更新処理を実行する一方、時刻DB更新部15は、時刻DB更新処理を実行する。なお、時刻DB記憶部12は、時刻DBをチャンネル毎に記憶しており、時刻DB更新部15は、チャンネル毎に以下の処理を行う。
【0053】
図11は、時刻DB更新部15の時刻DB更新処理の動作の流れ図を示す。以下では、
図5および
図6を使って
図11に示す時刻DB更新部15の具体的な動作の例を説明する。
【0054】
放送番組管理装置1に、追加命令または削除命令とともにタグ情報が入力されると、時刻DB更新部15は、その入力された命令がタグ情報の追加命令であるか削除命令であるかを判断する(ステップS201)。時刻DB更新部15は、追加命令であると判断した場合(ステップS201:YES)、入力されたタグ情報に設定されている開始時刻及び終了時刻で示される時刻DBの時刻範囲に、この入力されたタグ情報に設定されているタグ名を対応付けて追加する(ステップS202)。
【0055】
図5に示す例では、
図4の状態から放送番組管理装置1にタグ情報(t4、t6、#B)の追加命令が入力されたので、時刻DB更新部15は、
図5(c)の左側の図に示すように、時刻DBの時刻t4−t6の時刻範囲にタグ名#Bを追加している。すなわち、時刻DB更新部15は、すでに時刻DBに登録されている時刻t4および時刻t5に対応したタグ名のリストに#Bを追加している。なお、この例では、追加命令の対象である新規のタグ情報の開始時刻t4と終了時刻t6が時刻DBに登録されていたが、登録されていない場合には、それらの時刻に対応したタグ名リストを追加し、タグ名を設定する。
【0056】
図11に戻り説明を続ける。次に、時刻DB更新部15は、追加の時刻範囲t4−t6で、タグ名のリストが重複しているか否かを判断する(ステップS203)。時刻DB更新部15は、重複がないと判断した場合(ステップS203:NO)、処理を終了し、重複があると判断した場合(ステップS203:YES)、時刻DBの時刻範囲のリストのマージ処理を実行する(ステップS204)。
【0057】
図5(c)の左側の図に示す例では、時刻t5に登録されているタグ名のリスト#Bと、時刻t5に隣接した時刻t6に登録されているタグ名のリスト#Bとが同じであるため、時刻DB更新部15は、時刻範囲のマージ処理をして1つにしている。結果として、ステップS204の処理が終了したときの時刻DBは、
図5(c)の右側の図で示される状態となる。
タグ情報の追加命令が入力された場合、時刻DB更新部15は、以上の動作により時刻DBの更新処理を実行する。
【0058】
一方、時刻DB更新部15は、入力された命令が削除命令であると判断した場合(ステップS201:YES)、入力されたタグ情報に設定されている開始時刻及び終了時刻で示される時刻範囲に対応して時刻DBに記憶されているタグ名のリストから、この入力されたタグ情報に設定されているタグ名を削除する(ステップS205)。
【0059】
図6に示す例では、タグ情報(t8、t9、#C)の削除命令が入力されたため、時刻DB更新部15は、時刻t8に対応して時刻DBに設定されているタグ名のリストからタグ名#Cを削除している。削除後の状態を
図6(c)の左側の図に示している。
【0060】
削除処理(ステップS205)の実行後、時刻DB更新部15は、追加処理の場合と同様に、タグ名のリストが重複していないかによりマージ処理が必要か否かを判断する(ステップS203)。時刻DB更新部15は、マージ処理が不要と判断した場合(ステップS203:NO)、処理を終了し、マージ処理が必要と判断した場合(ステップS203:YES)、マージ処理(ステップS204)を実行する。これは、すでに説明した追加処理と同じである。例えば、
図6(c)の左側の例では、時刻t7に登録されているタグ名のリストと、時刻t7に隣接した時刻t8に登録されているタグ名のリストが、「#A、#B」と同一であるため、時刻DB更新部15は、マージ処理を行う。
図6(c)の右側の図は、マージ処理(ステップS104)後の結果を示している。
タグ情報の削除命令が入力された場合、時刻DB更新部15は、以上の動作により時刻DBの更新処理を実行する。
【0061】
[読み出しインタフェース部16の動作の説明]
読み出しインタフェース部16は、ファイル蓄積部13からのファイルの読み出し、および、タグDB記憶部11、時刻DB記憶部12からのデータの読み出しを、
図8に示すpread関数を用い、共通化したインタフェースにより実行する。
【0062】
図12は、ファイル蓄積部13のファイルが
図7の状態の場合に、読み出しインタフェース部16により提供されるファイルの例を示す図である。同図に示すように、読み出しインタフェース部16により提供されるファイルとして、「@ch1」ディレクトリについては、「%taglist」、「#A」、「#B」、「#C」の4つのファイルが追加され、「@ch2」ディレクトリについては、「%taglist」、「#A」、「#B」、「#K」、「#L」の5つのファイルが追加される。
なお、ファイル「#A」、「#B」、「#C」、「#K」、「#L」はそれぞれ、タグ名#A、#B、#C、#K、#Lを表しており、読み出しインタフェース部16にこれらの論理的なファイルへのアクセスを要求することで、タグDB内の情報を取得することができる。同様に、読み出しインタフェース部16に、「%taglist」として示される論理的なファイルへのアクセスを要求することで時刻DB内の情報を取得することができる。
【0063】
図13は、読み出しインタフェース部16のデータ読み出し処理の動作を示す流れ図である。
読み出しインタフェース部16は、外部からpread関数によるアクセスを受けると、はじめに引数fileのファイル名から、ファイル蓄積部13内の放送番組に関するファイル、タグDB記憶部11内のタグDB、時刻DB記憶部12内の時刻DBのいずれのデータへのアクセスが必要かを判断する。すなわち、読み出しインタフェース部16は、引数fileのファイル名がタグ名(#で始まるファイル名)を含むファイルである場合(ステップS301:YES)、タグDBからのデータの読み出し要求と判断し、以下に示すステップS302の処理を実行する。また、読み出しインタフェース部16は、引数fileのファイル名が%taglistである場合(ステップS301:NOかつステップS303:YES)、時刻DBからのデータの読み出し要求と判断し、以下に示すステップS304の処理を実行する。読み出しインタフェース部16は、引数fileのファイル名がタグ名(#で始まるファイル名)を含むファイルでもなく、%taglistでもない場合(ステップS301:NOかつステップS303:NO)、放送番組に関するファイルへのアクセス要求であると判断し、以下に示すステップS305の処理を実行する。
【0064】
<ステップS302の処理の説明>
pread関数の引数fileで指定されたファイル名にタグ名が含まれる場合、読み出しインタフェース部16は、ステップS302の処理を実行する。読み出しインタフェース部16は、タグDB記憶部11から、引数fileで指定されたファイル名で特定されるタグ名に対応してタグ名対応時刻範囲データに登録されている時刻範囲のリストの中から、pread関数の引数tstで指定された時刻が含まれる時刻範囲の前後の時刻範囲を読み出し、引数bufで先頭アドレスが指定されたメモリ領域に書き込む。
【0065】
例えば、「@ch1」のタグDBが
図4(b)の状態のときに、読み出しインタフェース部1がpread(”/@ch1/#A”,buf,size,t4)の実行要求を受けたとする。読み出しインタフェース部16は、「@ch1」で示されるチャンネルのタグDBに#Aと対応付けて登録されている時刻範囲リストから、指定時刻t4が含まれる「t4−t5」の前の時刻範囲として「t1−t3」を読み出し、後の時刻範囲として「t7−t11」を読み出す。したがって、放送番組管理装置1が外部からのアクセスを受け、pread(”/@ch1/#A”,buf,size,t4)を実行した場合、読み出しインタフェース部16は、引数bufの先頭32バイトに続くデータ(
図9参照)に、「t1−t3」、「t7−t11」を示す時刻範囲のデータを格納する。さらに、読み出しインタフェース部16は、「@ch1」で示されるチャンネルのタグDBに#Aに対応して記憶されている時刻範囲リストから、指定時刻t4が含まれる時刻範囲「t4−t5」を読み出し、引数bufで示されるメモリ領域の先頭(
図9参照)の開始時刻に、読み出した時刻範囲の開始時刻である「t4」を、終了時刻には読み出した時刻範囲の終了時刻である「t5」を格納する。これにより、アクセス元は、指定された時刻を現在として、指定されたタグ名が関連付けられた、過去(t1−t3)、現在(t4−t5)、未来(t7−t11)の3つの時刻範囲を取得することができる。
【0066】
<ステップS304の処理の説明>
pread関数のファイル名に%taglistが含まれる場合、読み出しインタフェース部16は、ステップS304の処理を実行する。読み出しインタフェース部16は、時刻DB記憶部12から、pread関数の引数tstで指定された時刻が含まれる時刻範囲に対応して時刻DBに登録されているタグ名のリストを読み出し、引数bufで先頭アドレスが指定されたメモリ領域に書き込む。
【0067】
例えば、「@ch1」の時刻DBが
図4(c)の状態のときに、読み出しインタフェース部1がpread(”/@ch1/%taglist”,buf,size,t8)の実行要求を受けたとする。読み出しインタフェース部16は、「@ch1」で示されるチャンネルの時刻DBから時刻t8が含まれる時刻範囲「t8−t9」と、この時刻範囲に対応付けて登録されているタグ名のリスト「#A、#B、#C」を読み出す。したがって、放送番組管理装置1が外部からのアクセスを受け、pread(”/@ch1/%taglist”,buf,size,t8)を実行した場合、読み出しインタフェース部16は、引数bufの先頭32バイトに続くデータ(
図9参照)に、読み出したタグ名のリスト「#A,#B,#C」を格納する。また、読み出しインタフェース部16は、引数bufで示されるメモリ領域の先頭(
図9参照)の開始時刻に、読み出した時刻範囲の開始時刻である「t8」を、終了時刻には読み出した時刻範囲の終了時刻である「t9」を格納する。これにより、アクセス元は、時刻範囲t8−t9に関連付けられている3つのタグ名#A,#B,#Cを取得することができる。
【0068】
<ステップS305の処理の説明>
pread関数のファイル名が通常のファイルの場合、読み出しインタフェース部16は、ステップS305の処理を実行する。読み出しインタフェース部16は、従来と同様の動作によってファイル蓄積部13からファイルを読み出す。すなわち、読み出しインタフェース部16は、pread関数の引数fileによって指定されたファイルにおける引数tstで指定された時刻のデータをファイル蓄積部13から読み出し、引数bufで先頭アドレスが指定されたメモリ領域に格納する。
【0069】
[放送番組管理装置1のまとめ]
以上説明したように、本実施形態による放送番組管理装置1により、汎用的なOS(Operation System)と同じ読み出し関数を使って、過去の放送番組の閲覧に必要となる映像ファイルや音声ファイルのデータとともに、タグに関するデータを読み出すことが可能となる。つまり、放送番組管理装置1から、番組の閲覧に必要なデータと時刻情報により同期して、関連付けられたタグの情報を取得することが可能となる。
【0070】
[放送番組閲覧システムの概要]
次に、上述した放送番組管理装置1を利用した放送番組閲覧システムについて説明する。
【0071】
図14は、本発明の一実施形態による放送番組閲覧システム5の構成を示す図である。同図に示すように、放送番組閲覧システム5は、放送番組管理装置1、放送番組再生装置2、及び操作インタフェース3を備えて構成される。
【0072】
放送番組再生装置2は、再生処理部21、操作受信部22、表示部23、及び視聴履歴記録部24を備えて構成される。
再生処理部21は、放送番組管理装置1とインターネット網などの公衆網を介して通信してもよく、LAN(Local Area Network)などの私設網やケーブルなどを介して通信してもよい。再生処理部21は、記憶部211、放送番組データ取得部212、放送時刻更新部213、タグリスト取得部214、時刻リスト取得部215を備えて構成される。
【0073】
記憶部211は、放送番組を閲覧する対象の放送時刻を示すデータ、閲覧対象のチャンネルの情報を示すデータ、放送番組管理装置1から読み出したデータなどの各種データを記憶する。
放送番組データ取得部212は、記憶部211に記憶されている放送時刻のデータが更新された場合に、記憶部211に記憶されているチャンネル及び放送時刻に基づき、pread関数を用いて放送番組管理装置1に放送番組に関するデータを要求する。放送番組データ取得部212は、放送番組管理装置1から返送された放送番組のデータを表示部23に表示させる。また、放送番組データ取得部212は、放送番組のデータに含まれる音声のデータについては、図示しない音声出力部(例えば、スピーカー)により出力する。
放送時刻更新部213は、放送番組データ取得部212が表示部23に表示させている放送番組のデータの表示が終了した場合に、記憶部211に記憶されている放送時刻を示すデータを、表示が終了した時点の放送時刻に更新する。
【0074】
タグリスト取得部214は、表示部23に表示させている放送番組の部分に対応したタグのリストを放送番組管理装置1から読み出して表示部23に表示させる。具体的には、タグリスト取得部214は、記憶部211に記憶されているチャンネル及び放送時刻に基づき、pread関数により放送番組管理装置1にタグ名のリストを要求する。タグリスト取得部214は、放送番組管理装置1から返送されたタグ名のリストを表示部23に表示させる。
【0075】
時刻リスト取得部215は、タグリスト取得部214が表示させたタグのリストの中から閲覧者が選択したタグに対応した時刻範囲を放送番組管理装置1から読み出す。具体的には、時刻リスト取得部215は、検索対象のチャンネルと、タグリスト取得部214が表示させたタグ名のリストの中から閲覧者が選択したタグ名とに対応し、かつ、記憶部211に記憶されている放送時刻が含まれる時刻範囲と時間的に隣接した時刻範囲のリストを、pread関数により放送番組管理装置1に要求する。時刻リスト取得部215は、放送番組管理装置1から返送された時刻範囲に含まれる時刻(例えば、開始時刻)により記憶部211が記憶している放送時刻のデータを更新する。
【0076】
操作受信部22は、操作インタフェース3からデータを受信する。具体的には、操作受信部22は、閲覧者が操作インタフェース3に行った操作を示す操作情報を受信する。操作受信部22と操作インタフェース3との間の通信は、赤外線、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(wireless fidelity)(登録商標)などの無線通信を利用してもよく、RS232C(Recommended Standard 232 C)、USB(Universal Serial Bus)、イーサネット(登録商標)などの有線通信を利用してもよい。
表示部23は、例えば、ディスプレイ装置であり、画像を表示する。
視聴履歴記録部24は、閲覧者が閲覧した放送番組の履歴を示す視聴履歴データを記録する。閲覧者が閲覧した放送番組の履歴は、再生処理部21が表示部23にデータを表示させた放送番組の放送時刻により示される。
【0077】
操作インタフェース3は、操作入力部31、及び操作通知部32を備えて構成される。操作入力部31は、閲覧者による操作を受ける。操作通知部32は、操作入力部31が閲覧者による操作を受けるとただちに、その操作内容を示す操作情報を放送番組再生装置2に出力する。
【0078】
[操作インタフェース3の説明]
図15は、操作インタフェース3が備える操作入力部31を示す図である。同図に示すように、本実施形態の操作インタフェース3が備える操作入力部31には、通常のテレビやハードディスクレコーダーなどのリモートコントローラが備える操作ボタン311に加え、ホイールスイッチ312および選択スイッチ313がある。ホイールスイッチ312は、回転すると同時に、押しボタンとしても動作するスイッチである。ホイールスイッチ312の回転操作は、放送番組再生装置2の表示部23に表示されているタグのリストに対するカーソル移動の指示である。ホイールスイッチ312を押す操作は、カーソル位置のタグの選択である。選択スイッチ313は、トグルスイッチであり、過去方向の放送番組へのジャンプ、あるいは、未来方向の放送番組へのジャンプを選択する。選択スイッチ313は、過去方向または未来方向のいずれかの選択状態を常に保持している。
【0079】
[放送番組閲覧システム5の動作概要]
図16は、放送番組閲覧システム5の動作例を説明するための図である。放送番組の閲覧者は、操作インタフェース3を用いて放送番組再生装置2を操作し、放送番組再生装置2の再生処理部21は、操作に従って放送番組を表示部23に表示する。
【0080】
閲覧者が操作インタフェース3のホイールスイッチ312を回転させると、放送番組再生装置2の操作受信部22は、その操作内容を示す操作情報を受信する。放送番組再生装置2の再生処理部21は、表示部23に現在表示させている放送番組の部分に対応して放送番組管理装置1から取得したタグのリストを表示部23に表示させる。なお、ホイールスイッチ312がしばらく操作されないと、放送番組再生装置2の再生処理部21は、表示部23からタグのリストの表示を消去する。
【0081】
同図では、放送番組再生装置2の表示部23に現在表示されている画面(放送番組の部分)に関連するタグとして、タグ名「歌謡ショー」(番組タイトル)、「Aさん」(出演者名)、「Bさん」(出演者名)、「Cさん」(出演者名)、「夢であいましょう」(曲名)、「歌謡太郎」(作曲者名)、「青空花子」(作詞者名)が表示されている。
【0082】
閲覧者が操作インタフェース3のホイールスイッチ312を前後に回転させると、放送番組再生装置2の操作受信部22は、その操作内容を示す操作情報を受信する。放送番組再生装置2の再生処理部21は、回転の方向に合わせて、タグ名の選択を表すカーソルを移動させて表示部23に表示する。放送番組再生装置2の再生処理部21は、現在表示されていないタグ名がある場合には、それらをスクロールして表示させる。閲覧者は、ホイールスイッチ312を押すことによって、カーソル位置のタグ名を選択する。
このように、閲覧者は、放送番組再生装置2の表示部23により番組を閲覧し、興味を惹く対象があった場合、操作インタフェース3のホイールスイッチ312を回転させてタグのリストを表示させ、目的のタグ名にカーソルを合わせてホイールスイッチ312を押す。
【0083】
タグ名が選択されると、放送番組再生装置2の再生処理部21は、選択されたタグ名と同じタグ名を持つ別の放送時刻を放送番組管理装置1から読み出し、読み出した放送時刻にジャンプする。つまり、再生処理部21は、読み出した放送時刻の放送番組のデータを放送番組管理装置1から読み出し、表示部23に表示させて放送番組の再生を開始する。このとき、タグ名が選択されたときに再生していた放送時刻よりも過去方向にジャンプするか、未来方向にジャンプするかは、選択スイッチ313により指定される。
【0084】
図17は、タグ選択後の放送番組再生装置2の表示例を示す図である。画面G1は、放送時刻「2012年10月9日(火)20時12分10秒」の放送番組の画面が表示さているときに、閲覧者が操作インタフェース3のホイールスイッチ312を押すことによって、タグ名のリストを表示させたときの画面である。閲覧者が、操作インタフェース3のホイールスイッチ312を回転させて目的のタグ名「Cさん」にカーソルを合わせ、ホイールスイッチ312を押すと、選択スイッチ313が過去方向になっている場合には画面G2が、未来方向になっている場合には画面G3が表示される。
【0085】
選択スイッチ313が過去方向になっている場合、放送番組再生装置2の再生処理部21は、タグ名「Cさん」のタグがついており、画面G1により閲覧していた放送番組の放送時刻に最も近い過去の別の放送番組の放送時刻にジャンプする。つまり、放送番組再生装置2の再生処理部21は、ジャンプ先である過去の放送時刻における放送番組のデータを放送番組管理装置1から取得して表示部23に表示させ、再生を開始する。
同様に、選択スイッチ313が未来方向になっている場合、放送番組再生装置2の再生処理部21は、タグ名「Cさん」のタグがついており、画面G1により閲覧していた放送番組の放送時刻に最も近い未来の別の放送番組の放送時刻にジャンプする。つまり、放送番組再生装置2の再生処理部21は、ジャンプ先である未来の放送時刻における放送番組のデータを放送番組管理装置1から取得して表示部23に表示させ、再生を開始する。
【0086】
ジャンプ先の放送番組の再生開始後、閲覧者は、さらに、操作インタフェース3のホイールスイッチ312によってタグ名の選択を行うことができる。放送番組再生装置2は、選択されたタグ名がついており、再生中の放送時刻に最も近い過去または未来の放送時刻にジャンプし、放送番組を再生する。
このように、閲覧者は、放送番組閲覧システム500により、タグ名をハイパーリンクとして用い、動画間を移動しながら放送番組を閲覧することができる。
【0087】
[放送番組再生装置2の動作の説明]
図18は、放送番組再生装置2の再生処理部21の再生処理の動作の流れを示している。放送番組の閲覧においては、放送番組再生装置2の再生処理部21が中心となって動作する。
【0088】
はじめに、再生処理部21は、再生を開始するチャンネルと時刻をそれぞれ、記憶部211内のメモリch、メモリtstに設定する(ステップS401)。これらの設定値は、前回再生したときの状態を記録したものを使ってもよいし、あらかじ利用者が設定する方法などでもよく、特にその方法は限定されない。
ステップS402以降の処理は、ループによる繰り返し処理である。再生処理部21は、このループを、例えば、再生する放送番組の映像や音声のフレーム単位で繰り返す。本実施形態では、映像の再生のフレーム時間(約33ミリ秒)のループであるとして説明する。
【0089】
<閲覧者がホイールスイッチ312を操作していない場合の動作>
再生処理部21の放送番組データ取得部212は、操作インタフェース3を使ったチャンネル変更の操作があったかどうかを、操作受信部22に問い合わせる(ステップS402)。操作受信部22は、操作インタフェース3からチャンネルの変更の操作を示す操作情報を受信していた場合、チャンネル変更があった旨と、変更後のチャンネルを示す応答を放送番組データ取得部212に通知する。放送番組データ取得部212は、チャンネル変更があった旨の応答を操作受信部22から受信した場合(ステップS402:YES)、チャンネル設定用のメモリchを、応答により受信した変更先のチャンネルに書き換える(ステップS403)。再生処理部21は、ループの最初に戻り、ステップS402からの処理を行う。
【0090】
放送番組データ取得部212は、チャンネル変更がなかった旨の応答を操作受信部22から受信した場合(ステップS402:NO)、操作インタフェース3のホイールスイッチ312が押されたかどうかを操作受信部22に問い合わせる(ステップS404)。
【0091】
放送番組データ取得部212は、ホイールスイッチ312が押されていない旨の応答を操作受信部22から受信した場合(ステップS404:NO)、放送番組管理装置1の読み出しインタフェース部16を使って、メモリch、メモリtstで示される現在のチャンネル及び放送時刻の映像データ取得する(ステップS405)。例えば、現在のチャンネルが「@ch1」の場合、放送番組データ取得部212は、放送番組管理装置1にアクセスし、読み出しインタフェース部16にpread(”/@ch1/video.h264”,buf,size,tst)を実行させ、引数bufで指定したメモリ領域に映像のフレームデータを取得する。引数fileは、メモリchから読み出したチャンネルと、映像データを表すファイル名とに基づいて設定される。引数tstには、メモリtstの内容が設定され、引数bufには、読み出したデータの書き込み先となる記憶部211内のメモリ領域の先頭アドレスが設定される。引数sizeは、データ書き込み先のメモリ領域の大きさに応じて設定される。放送番組管理装置1は、
図13のステップS305の処理を行い、指定チャンネルの指定時刻の映像データを放送番組再生装置2に出力する。
【0092】
次に、放送番組データ取得部212は、放送番組管理装置1から取得した映像データを、引数bufにより示されるメモリ領域より読み出して表示部23へ出力し、表示させる(ステップS406)。なお、一般に、映像データは圧縮方式により符号化されているので、映像データを表示するにはデコード処理が必要であるが、本実施形態には関係しないため、その説明は省略する。また、映像データの圧縮方式にはさまざまな方式があるが、本実施形態は圧縮方式に限定されるものではないので、その説明は省略する。
【0093】
次に、放送番組データ取得部212は、ある一定の決められた時間内にホイールスイッチ312の操作がなされたか否かを操作受信部22に問い合わせる(ステップS407)。例えば、一定時間を10秒とすると、タグリスト取得部214は、過去10秒以内にホイールスイッチ312に何らかの操作がなされていた場合には、画面にタグを表示し、過去10秒以内にホイールスイッチ312の操作が全くなされなかった場合には、画面にタグ情報を表示しない。
【0094】
放送番組データ取得部212がホイールスイッチ312の操作が行われていない旨の応答を操作受信部22から受信した場合(ステップS407:NO)、放送時刻更新部213は、メモリtstに次のフレーム時刻を設定する(ステップS410)。具体的には、再生処理部21は、ステップS405において引数bufで指定したメモリ領域に書き込まれたデータの先頭から終了時刻(
図9を参照)を読み出し、読み出した終了時刻を次のフレーム時刻としてメモリtstに設定する。
【0095】
以上が、閲覧者が操作インタフェース3を特に操作していない場合の、1ループの動作である。なお、本実施形態では、説明を簡単にするため、過去の放送番組の再生処理として、映像の再生のみを説明したが、実際には、音声、字幕データ、番組情報なども必要である。それらのデータは、引数fileのファイル名「video.h264」の部分を、「audio.aac」、「caption.txt」、「program.txt」などに変えることで、ステップS405で映像ファイルからデータを取得したときと同じ処理によって、必要なこれら各ファイルのデータを放送時刻により同期して取得できる。
【0096】
<閲覧者がホイールスイッチ312を回転させた場合の動作>
閲覧者が操作インタフェース3のホイールスイッチ312を回転させた場合の動作は以下となる。
ステップS407において問い合わせを受けた操作受信部22は、ある一定の決められた時間内に操作インタフェース3からホイールスイッチ312の操作がなされたことを示す操作情報を受信していた場合、その操作内容を放送番組データ取得部212に通知する。放送番組データ取得部212が、ホイールスイッチ312が操作された旨の応答を受信すると(ステップS407:YES)、タグリスト取得部214は、表示中の映像に関連するタグ名のリストを取得するため、放送番組管理装置1にアクセスし、読み出しインタフェース部16にpread関数を実行させ、タグ名のリストを取得する(ステップS408)。
【0097】
例えば、メモリchで示される現在のチャンネルが「@ch1」の場合、タグリスト取得部214は、放送番組管理装置1にアクセスし、読み出しインタフェース部16にpread(”/@ch1/%taglist”,buf,size,tst)を実行させ、引数bufで指定したメモリ領域にタグ名のリストを取得することができる。このように、引数fileは、メモリchから読み出したチャンネルと、タグリストを表すファイル名とに基づいて設定される。引数tstには、メモリtstの内容が設定され、引数bufには、読み出したデータの書き込み先となる記憶部211内のメモリ領域の先頭アドレスが設定される。引数sizeは、データ書き込み先のメモリ領域の大きさに応じて設定される。
【0098】
タグリスト取得部214は、取得したタグ名のリストを、
図16で示したように、表示部23で表示中の映像に上書きして表示させる(ステップS409)。
図16の例では、引数bufにより示されるメモリ領域に、「#歌謡ショー、#Aさん、#Bさん、#Cさん、#夢であいましょう、#歌謡太郎、#青空花子」というタグ名リストが書き込まれる。なお、前のループ処理ですでにタグ名のリストを表示させていた場合、タグリスト取得部214は、ホイールスイッチ312の回転方向に合わせてカーソル位置を1つ分ずらして表示させる。
【0099】
<閲覧者がホイールスイッチ312を押してタグを選択した場合の動作>
続いて、閲覧者が、ホイールスイッチ312を押してタグ名を選択した場合の動作を説明する。
操作受信部22は、ホイールスイッチ312が押されたことを示す操作情報を受信していた場合、ステップS402において、ホイールスイッチ312が押された旨を放送番組データ取得部212に通知する。放送番組データ取得部212が、ホイールスイッチ312が押された旨の通知を受けると(ステップS404:YES)、時刻リスト取得部215は、その時点で表示部23に表示させていたタグ名のリストのうちカーソルがあるタグ名を閲覧者が選択したタグ名とする。時刻リスト取得部215は、閲覧者が選択したタグ名に基づいて、メモリchおよびメモリtstのそれぞれに次のジャンプ先(表示移動先)であるチャンネルおよび放送時刻を設定する(ステップS411)。
本実施形態による放送番組閲覧システム5では、ステップS411における次のジャンプ先の設定に、さまざまな方法が考えられる。以下では、それらの方法の一例としてA〜Dの4つの方法について説明する。
【0100】
<ジャンプ先の設定の方法A>
方法Aでは、閲覧中の放送チャンネルのうち、選択されたタグに関連した、最も近い過去または未来の放送時刻にジャンプする方法である。
【0101】
図19は、方法Aによりジャンプを行う場合のステップS411におけるジャンプ先放送時刻取得処理の詳細な動作を示す流れ図である。
はじめに、時刻リスト取得部215は、閲覧者が選択したタグ名を取得する(ステップS501)。次に、時刻リスト取得部215は、ジャンプ先の時刻を取得するため、放送番組管理装置1の読み出しインタフェース部16にアクセスし、選択されたタグに対応した時刻範囲のリストを取得する(ステップS502)。すでに説明したように、メモリchが示す現在のチャンネルが「@ch1」、選択されたタグ名が「Cさん」の場合、時刻リスト取得部215は、読み出しインタフェース部16にアクセスし、pread(”/@ch1/#Cさん”,buf,size,tst)を実行させる。引数tstには、メモリtstの内容が設定される。これにより、チャンネル「@ch1」においてタグ名「Cさん」に対応づけられた時刻範囲のうち、メモリtstが示す放送時刻を含んだ時刻範囲と時間的に隣接する過去及び未来の時刻範囲が、引数bufで指定されたメモリ領域に書き込まれる。これより、タグ名「Cさん」の前後のジャンプ先を取得できる。
【0102】
次に、時刻リスト取得部215は、操作インタフェース3の選択スイッチ313の状態を操作受信部22から取得し、過去方向に設定されているか否かを判断する(ステップS503)。選択スイッチ313が過去方向に設定されていると判断した場合(ステップS503:YES)、時刻リスト取得部215は、引数bufで指定されるメモリ領域から過去の時刻範囲の先頭時刻を読み出し、メモリtstに設定する(ステップS504)。例えば、pread関数により取得した過去の時刻範囲が「t1−t3」、未来の時刻範囲が「t6−t8」であった場合、時刻リスト取得部215は、メモリtstに時刻t1を設定して更新する。一方、選択スイッチ313が未来方向に設定されていると判断した場合(ステップS503:NO)、時刻リスト取得部215は、引数bufで指定されるメモリ領域から未来の時刻範囲の開始時刻を読み出し、メモリtstに設定する(ステップS505)。すなわち、前述の例の場合には、メモリtstに時刻t6を設定して更新する。
ステップS504またはステップS505の処理の後、再生処理部21は、
図18のステップS402からの処理を実行する。
以上の動作により、閲覧者が放送番組を閲覧中のチャンネル内から、同一のタグ名の直近の過去または未来の放送時刻の放送番組へジャンプすることができる。
【0103】
<ジャンプ先の設定の方法B>
方法Bは、閲覧中の放送チャンネルのうち、閲覧中の番組とは異なる番組の中で、選択されたタグに関連した、最も近い過去または未来の放送時刻にジャンプする方法である。
【0104】
図20は、方法Bによりジャンプを行う場合のステップS411におけるジャンプ先放送時刻取得処理の詳細な動作を示す流れ図である。
はじめに、時刻リスト取得部215は、閲覧者が選択したタグ名を取得する(ステップS601)。次に、時刻リスト取得部215は、メモリtstが示す放送時刻の番組情報を取得し、現在閲覧中の放送番組の開始時刻と終了時刻を取得する(ステップS602)。番組情報の取得は、映像や音声のフレームデータの取得と同様にpread関数により取得できる。すなわち、番組情報のファイル名をprogram.txtとすると、時刻リスト取得部215は、pread(”/@ch1/program.txt”,buf,ize,tst)を呼び出すことで、放送番組管理装置1の読み出しインタフェース部16にアクセスし、引数tstが示す時刻が含まれる時刻の番組情報を取得する。つまり、引数fileは、メモリchから読み出したチャンネルと、番組情報のファイル名とに基づいて設定される。また、引数tstには、メモリtstの内容が設定される。放送番組管理装置1から読み出した番組情報には、放送番組の放送開始時刻と放送終了時刻が含まれる。
【0105】
次に、時刻リスト取得部215は、
図19のステップS502〜S505と同様の処理を行う。すなわち、時刻リスト取得部215は、ジャンプ先の放送時刻を取得するため、放送番組管理装置1の読み出しインタフェース部16にアクセスし、選択されたタグに対応した時刻範囲のリストをpread関数により取得する(ステップS603)。引数fileは、メモリchが示すチャンネルと、選択されたタグ名に基づいて設定され、引数tstにはメモリtstの内容が設定される。時刻リスト取得部215は、操作インタフェース3の選択スイッチ313の状態を操作受信部22から取得する。時刻リスト取得部215は、選択スイッチ313が過去方向に設定されている場合には(ステップS604:YES)、ステップS603で取得した過去の時刻範囲の先頭時刻をメモリtstに設定し(ステップS605)、選択スイッチ313が未来方向に設定されている場合には(ステップS604:NO)、ステップS603で取得した未来の時刻範囲の先頭時刻をメモリtstに設定する(ステップS606)。
【0106】
次に、時刻リスト取得部215は、ステップS605またはステップS606で新たにメモリtstに設定した時刻が、ステップS602において取得した放送開始時刻から放送終了時刻までに含まれるか否かにより、現在閲覧中の放送番組の番組放送時刻の範囲内か否かを判断する(ステップS607)。時刻リスト取得部215は、新しくメモリtstに設定した時刻が、現在閲覧中の放送番組の番組放送時刻の範囲内であると判断した場合(ステップS607:YES)、ステップS603に戻り、再度ジャンプ先の時刻を取得する。
そして、時刻リスト取得部215が、新しくメモリtstに設定した時刻が、現在閲覧中の放送番組の番組放送時刻の範囲外であると判断した場合(ステップS607:NO)、再生処理部21は、
図18のステップS402からの処理を実行する。
以上の動作により、閲覧者が選択したタグ名と同一のタグ名がついた、現在閲覧中の放送番組とは異なる直近の放送番組にジャンプすることができる。
【0107】
<ジャンプ先の設定の方法C>
方法Cは、放送番組管理装置1のファイル蓄積部13に記録されている全チャンネルの中から、選択されたタグに関連した、最も近い過去または未来の放送時刻にジャンプする方法である。
【0108】
図21は、方法Cによりジャンプを行う場合のステップS411におけるジャンプ先放送時刻取得処理の詳細な動作を示す流れ図である。
はじめに、時刻リスト取得部215は、閲覧者が選択したタグ名を取得する(ステップS701)。次に、ジャンプ先の時刻の候補を取得するため、放送番組管理装置1の読み出しインタフェース部16にアクセスし、全チャンネルについて、選択されたタグに対応した時刻範囲のリストを取得する(ステップS702)。すなわち、全放送チャンネルが「ch1」、「ch2」の2チャンネルである場合、時刻リスト取得部215は、pread(”/@ch1/#Cさん”,buf,size,tst)とpread(”/@ch2/#Cさん”,buf,size,tst)によって2回、読み出しインタフェース部16にアクセスする。引数tstには、メモリtstの内容が設定される。
【0109】
次に、時刻リスト取得部215は、操作インタフェース3の選択スイッチ313の状態を操作受信部22から取得し、過去方向に設定されているか否かを判断する。選択スイッチ313が過去方向に設定されていると判断した場合(ステップS703:YES)、時刻リスト取得部215は、取得した全チャンネルの過去の時刻範囲が示す先頭時刻の中から、メモリtstに設定されている時刻に最も近い先頭時刻を選択してメモリtstに設定し、その先頭時刻を取得したチャンネルをメモリchに設定する(ステップS704)。一方、選択スイッチ313が未来方向に設定されていると判断した場合(ステップS703:NO)、時刻リスト取得部215は、取得した全チャンネルの未来の時刻範囲が示す先頭時刻の中から、メモリtstに設定されている時刻に最も近い先頭時刻をメモリtstに設定し、その先頭時刻を取得したチャンネルをメモリchに設定する(ステップS705)。ステップS704またはステップS705の処理の後、再生処理部21は、
図18のステップS402からの処理を実行する。
以上の動作により、閲覧者が選択したタグ名により、放送番組管理装置1のファイル蓄積部13に保管された全放送チャンネルの放送番組の中から、同一タグ名に対応した直近の放送時刻の放送番組にジャンプすることができる。
【0110】
<ジャンプ先の設定の方法D>
方法Dは、閲覧者が放送番組再生装置2を使ってこれまでに閲覧した放送番組の中から、選択されたタグに関連した、最も近い過去または未来の放送時刻にジャンプする方法である。
【0111】
放送番組再生装置2の視聴履歴記録部24は、視聴履歴データを記録している。視聴履歴データは、放送番組閲覧システム5がこれまでに再生したことがある放送番組の放送時刻及びチャンネルの情報を含む。すなわち、時刻リスト取得部215により再生された放送番組のチャンネル、再生開始時刻、及び再生終了時刻を対応付けたデータのリストが視聴履歴データに記録される。
なお一般には、放送番組再生装置2は複数の閲覧者により共用されるものであるため、視聴履歴データは閲覧者の名前等と関連付けて保管されうる。ただし、閲覧者の管理方法は本実施形態とは関係しないので説明は省略する。
【0112】
図22は、方法Dによりジャンプを行う場合のステップS411におけるジャンプ先放送時刻取得処理の詳細な動作を示す流れ図である。
同図におけるステップS801からステップS805までの動作は、方法Aで説明した
図19におけるステップS501からステップS505までの動作と全く同じである。そのため、ここでは説明を省略する。
【0113】
方法DのステップS806において、時刻リスト取得部215は、視聴履歴記録部24に保管された視聴履歴データのリストとメモリchが示すチャンネルと基づいて、メモリtstに設定されている次のジャンプ先候補の時刻が、これまでに再生したことがある放送時刻かどうかを判断する。
時刻リスト取得部215は、これまでに再生したことがない放送時刻であると判断した場合(ステップS806:NO)、ステップS802に戻り、次のジャンプ先候補の時刻を取得する。
そして、時刻リスト取得部215が、ジャンプ先候補の時刻がこれまでに再生したことがある放送時刻であると判断した場合(ステップS806:NO)、再生処理部21は、
図18のステップS402からの処理を実行する。
以上の動作により、これまでに閲覧したことがある放送番組の中から、直近の同一タグ名のついた放送時刻にジャンプすることができる。
【0114】
<その他のバリエーション>
以上、方法A〜Dの例を説明したが、本実施形態はこれに限定するものではない。例えば、方法Dでは過去に閲覧した放送番組の中から、同一のタグ情報に対応する部分にジャンプしたが、逆に、ジャンプ先をこれまでに見ていない放送番組の放送時刻に限定することもできる。その場合、
図22の処理において、時刻リスト取得部215がステップS806においてYESと判断した時にステップS802からの処理を行い、NOと判断したときに
図18のステップS402からの処理を実行する。
また、方法Dの説明では、ジャンプ先を閲覧中の放送番組のチャンネルと同一のチャンネル内で説明したが、方法Cと同様に、ジャンプ先の対象を全チャンネルとすることもできる。
また、方法Cではジャンプ先の対象を全チャンネルとしたが、閲覧者が対象のチャンネルを設定し、その設定されたチャンネルだけに限定することもできる。
さらに、方法Bで現在閲覧中とは異なる他の放送番組をジャンプ先の候補としたが、番組情報を使って特定の番組の放送時間を取得し、その特定の時間帯だけ(例えばシリーズ番組内だけなど)に検索を限定することも可能である。
また、本実施形態では、閲覧者の視聴履歴を放送番組再生装置2内の視聴履歴記録部24に保持することで説明したが、それに限定されるものではなく、放送番組管理装置1内で視聴履歴を管理してもよい。
また、上記実施形態において、時刻リスト取得部215は、放送番組管理装置1から受信した時刻範囲が示す先頭時刻をメモリtstに設定しているが、時刻範囲における任意の時間をメモリtstに設定してもよい。
【0115】
[本実施形態による放送番組閲覧システム5のまとめ]
以上説明したように、放送番組閲覧システム5を用いることで、時系列に並べられたタグ名をハイパーリンクとして利用し、関連した過去の放送番組を提供することができる。これにより閲覧者は、興味のあるタグに関連した過去の放送番組をザッピングしながら閲覧することが可能となる。
【0116】
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態による放送番組管理装置1を用いることで、映像や音声等のファイルの読み出しと、映像や音声の時間的な範囲に関連付けられたタグ情報を、ファイルの読み出しという共通のインタフェースを用いて取得することができるようになる。すなわち、放送番組管理装置1を利用する外部の装置は、タグ情報に関係するデータベースへのアクセスのために、専用のインタフェースを必要とせずに、パーソナルコンピュータ等で使われているオペレーティングシステムが標準的に提供する読み出しインタフェース(例えば、preadシステムコール)を使って、タグに関する情報を読み出すことが可能となる。これにより、読み出したタグに関する情報を用いたアプリケーションが容易に作成することができるようになる。
【0117】
また、本実施形態による放送番組管理装置1により、時刻情報を利用して、映像、音声などの番組閲覧に必要となるフレームデータ等に同期して、タグ名のリストや、閲覧者により選択したタグ名に対応した放送番組の放送時刻など、タグに関する情報を取得することが可能となる。
【0118】
さらに、本実施形態による放送番組再生装置2により、番組の閲覧中に閲覧者が興味をもったタグ名を選択させ、時系列に並べられたタグ名をハイパーリンクとして利用し、選択されたタグ名と同一のタグ名で関連付けられた時間的に近隣の放送番組にジャンプして表示させることができるようになる。これにより、閲覧者は、大量の過去の放送番組をザッピングしながら閲覧することが可能となる。つまり、閲覧者は、興味の対象として選択したタグ名と同じタグ名で関連付けられた放送番組を、次々と移動させながら閲覧することができる。
【0119】
[その他]
上述した放送番組管理装置1及び放送番組再生装置2は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、放送番組管理装置1のタグDB更新部14、時刻DB更新部15、及び読み出しインタフェース部16、ならびに、放送番組再生装置2の再生処理部21、視聴履歴記録部24の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0120】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。