特許第6077443号(P6077443)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6077443
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】荷重軸と整列している補強部材
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/04 20060101AFI20170130BHJP
   B62D 25/04 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   B60R19/04 M
   B62D25/04 A
   B62D25/04 B
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-520126(P2013-520126)
(86)(22)【出願日】2011年7月19日
(65)【公表番号】特表2013-530882(P2013-530882A)
(43)【公表日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】EP2011062347
(87)【国際公開番号】WO2012010595
(87)【国際公開日】20120126
【審査請求日】2014年6月26日
(31)【優先権主張番号】10170328.8
(32)【優先日】2010年7月21日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506416400
【氏名又は名称】シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル マイアー
【審査官】 田合 弘幸
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−525813(JP,A)
【文献】 実開昭63−117667(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0167055(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/082677(WO,A1)
【文献】 特表2007−524535(JP,A)
【文献】 再公表特許第2004/020256(JP,A1)
【文献】 特開2004−291835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 19/04
B62D 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 筒状体の列(120)を有し、かつ構造的な荷重(F)を提供する構造体(115)内に配置されるように構成されたキャリヤ(105)であって、前記筒状体(120)の各々が、構造的な荷重(F)と整列している軸(A)を画定し、かつ前記筒状体(120)によって画定された軸(A)が、互いに平行で、かつ1つの面(P)を画定している、キャリヤ;及び
− 前記キャリヤ(105)上に配置され、かつ前記キャリヤ(105)を前記構造体(115)に連結するように構成されている、結合部材(110);
を有する、補強部材(100)であって、
それぞれの前記筒状体(120)が、2つの曲線断面部分と2つの直線断面部分とを有し、前記曲線部分は互いに間隔を空けて配置されており、かつ前記直線部分は互いに実質的に平行であり;
前記構造体(115)が、互いに間隔を空けて配置された少なくとも2つの側壁(130)を含み、かつ前記キャリヤ(105)が、これら2つの側壁(130)の間に配置されており;
それぞれの前記筒状体(120)が、2つの側壁(130)の間の空間(125)の幅(W)よりも、2〜8mm小さい長さ(L)を有し;かつ
前記筒状体(120)が、整列して配置され、単一層を形成する、補強部材(100)。
【請求項2】
前記筒状体(120)の各々が、実質的に中空であり、かつ前記結合部材(110)が、筒状体(120)の少なくとも1つの中に少なくとも部分的に配置されている、請求項1に記載の補強部材(100)。
【請求項3】
前記筒状体(120)のうち少なくとも2つが、それらの間に空隙(140)を画定し、かつ前記結合部材(110)が、少なくとも部分的に、この空隙(140)内に配置されている、請求項1又は2に記載の補強部材(100)。
【請求項4】
前記結合部材(110)が、少なくとも1つの前記筒状体(120)上に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の補強部材(100)。
【請求項5】
前記結合部材(110)が、少なくとも1つであって全部よりも少ない数の前記筒状体(120)上に配置されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の補強部材(100)
【請求項6】
− 筒状体の列(120)を有し、かつ構造的な荷重(F)を提供する構造体(115)内に配置されるように構成されたキャリヤ(105)であって、前記筒状体(120)の各々が、構造的な荷重(F)と整列している軸(A)を画定し、かつ前記筒状体(120)によって画定された軸(A)が、互いに平行で、かつ1つの面(P)を画定している、キャリヤ;及び
− 前記キャリヤ(105)上に配置され、かつ前記キャリヤ(105)を前記構造体(115)に連結するように構成されている、結合部材(110);
を有する、補強部材(100)であって
それぞれの前記筒状体(120)が、実質的に楕円形の断面形状、又は実質的に六角形の断面形状を有しており;
前記構造体(115)が、互いに間隔を空けて配置された少なくとも2つの側壁(130)を含み、かつ前記キャリヤ(105)が、これら2つの側壁(130)の間に配置されており;
それぞれの前記筒状体(120)が、2つの側壁(130)の間の空間(125)の幅(W)よりも、2〜8mm小さい長さ(L)を有し;かつ
前記筒状体(120)が、整列して配置され、単一層を形成する、補強部材(100)。
【請求項7】
前記キャリヤ(105)が、プラスチックを含み、かつ/又は前記キャリヤ(105)が、金属を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の補強部材(100)。
【請求項8】
前記結合部材(110)が、膨張性材料及び接着剤の少なくとも一方を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の補強部材(100)。
【請求項9】
前記膨張性材料が、構造用発泡体及び吸音用発泡体の少なくとも一方を含む、請求項8に記載の補強部材(100)。
【請求項10】
前記筒状体(120)の少なくとも1つの上に配置された固定要素(135)をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の補強部材(100)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
補強部材は、コスト及び重量の有意な増大なく構造的支持を提供する。例えば、補強部材は、ピラー、バンパー等の自動車のさまざまな部分が形成する空洞を補強するために自動車内で使用され得る。構造体の一方の側からもう一方の側まで荷重を適切に伝達するために、補強部材は、内部に補強部材が設置される空洞の内部表面とほぼ整合する特徴を有する。しかしながら、補強部材におけるこれらの特徴は、製造が困難で高くつく。したがって、これまでの補強部材ほど複雑でなく、かつ空洞内に同じ又は追加の構造的な及び/又は音響的な支持を提供する補強部材が必要とされている。
【発明の概要】
【0002】
したがって、本発明の1つの目的は、これまでの補強部材ほど複雑でなく、かつ空洞内に同じ又は追加の構造的な及び/又は音響的な支持を提供する補強部材を提供することにある。
【0003】
本発明の利点は特に、補強部材が筒状体の列を有するキャリヤを含むという事実に見られる。キャリヤは、構造内に配置されるように構成され、筒状体の各々は、構造に加えられる構造的な荷重と整列している1本の軸を画定している。筒状体によって画定される軸は、互いに平行であり、1つの平面を画定する。結合部材がキャリヤ上に配置され、キャリヤを構造体に連結するように構成されている。本発明のさらなる有利な実施形態は、以下の従属的態様から明らかになる。
《態様1》
− 筒状体の列(120)を有し、かつ構造的な荷重(F)を提供する構造体(115)内に配置されるように構成されたキャリヤ(105)であって、前記筒状体(120)の各々が、構造的な荷重(F)と整列している軸(A)を画定し、かつ前記筒状体(120)によって画定された軸(A)が、互いに平行で、かつ1つの面(P)を画定している、キャリヤ;及び
− 前記キャリヤ(105)上に配置され、かつ前記キャリヤ(105)を前記構造体(115)に連結するように構成されている、結合部材(110);
を有する、補強部材(100)。
《態様2》
前記筒状体(120)の各々が、実質的に中空であり、かつ前記結合部材(110)が、筒状体(120)の少なくとも1つの中に少なくとも部分的に配置されている、態様1に記載の補強部材(100)。
《態様3》
前記筒状体(120)のうち少なくとも2つが、それらの間に空隙(140)を画定し、かつ前記結合部材(110)が、少なくとも部分的に、この空隙(140)内に配置されている、態様1又は2に記載の補強部材(100)。
《態様4》
前記結合部材(110)が、少なくとも1つの前記筒状体(120)上に配置されている、態様1〜3のいずれか一項に記載の補強部材(100)。
《態様5》
前記結合部材(110)が、少なくとも1つであって全部よりも少ない数の前記筒状体(120)上に配置されている、態様1〜4のいずれか一項に記載の補強部材。
《態様6》
それぞれの前記筒状体(120)が、2つの曲線断面部分と2つの直線断面部分とを有し、前記曲線部分は互いに間隔を空けて配置されており、かつ前記直線部分は互いに実質的に平行である、態様1〜5のいずれか一項に記載の補強部材(100)。
《態様7》
それぞれの前記筒状体(120)が、実質的に楕円形の断面形状を有し、かつ/又はそれぞれの前記筒状体(120)が、実質的に六角形の断面形状を有する、態様1〜6のいずれか一項に記載の補強部材(100)。
《態様8》
前記キャリヤ(105)が、プラスチックを含み、かつ/又は前記キャリヤ(105)が、金属を含む、態様1〜7のいずれか一項に記載の補強部材(100)。
《態様9》
前記結合部材(110)が、膨張性材料及び接着剤の少なくとも一方を含む、態様1〜8のいずれか一項に記載の補強部材(100)。
《態様10》
前記膨張性材料が、構造用発泡体及び吸音用発泡体の少なくとも一方を含む、態様9に記載の補強部材(100)。
《態様11》
前記構造体(115)が、互いに間隔を空けて配置された少なくとも2つの側壁(130)を含み、かつ前記キャリヤ(105)が、これら2つの側壁(130)の間に配置されている、態様1〜10のいずれか一項に記載の補強部材(100)。
《態様12》
それぞれの前記筒状体(120)が、2つの側壁(130)の間の空間(125)の幅(W)よりも小さい長さ(L)を有する、態様11に記載の補強部材(100)。
《態様13》
前記筒状体(120)の少なくとも1つの上に配置された固定要素(135)をさらに含む、態様1〜12のいずれか一項に記載の補強部材(100)。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、構造体上に配置されている例示的な補強部材を示す。
図2A-2C】図2A〜2Cは、補強部材で使用される例示的な筒状体の例示的な断面図を示す。
図3図3は、整列して配置され、かつその中に結合部材が配置されている複数の筒状体を含むキャリヤを有する例示的な補強部材を示す。
図4図4は、筒状体の一部が空隙を画定し、かつ膨張性材料がこの空隙内に配置されている例示的なキャリヤを示す。
図5図5は、整列している筒状体を有するキャリヤを伴う例示的な補強部材の上面図を示す。
図6図6は、複数の軸が1つの平面を画定するような形で整列している筒状体であって、各々1本の軸を有する複数の筒状体を含むキャリヤを有する例示的な補強部材の背面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
構造体の1つの部分から構造体の別の部分に荷重を伝達する例示的な補強部材は、筒状体の列を有するキャリヤを含む。整列している各筒状体は、他のキャリヤに対して平行な方向に延在し、筒状体は一般に一平面内に整列されている。すなわち各筒状体は1本の軸を画定し、かつ筒状体により画定される軸は、互いに平行であり、かつ一つの平面を画定する。キャリヤは、1つの構造体内に配置されるように構成され、筒状体のうち少なくとも1本は、構造体に付加される可能性のある構造的な荷重と整列している軸を画定する。結合部材はキャリヤ上に配置され、かつ構造体に対しキャリヤを連結するために使用される。この配置を有する補強部材は、充分な性能対重量比で、ただし手のかかる製造上の複雑性及びコストなく、構造体の側壁間で構造荷重を伝達することができる。
【0006】
図1は、構造体の1つの側壁から構造体の別の側壁まで荷重を伝達することのできる例示的な補強部材100を示す。補強部材100は、多くの異なる形態をとることができ、かつ多数の及び/又は代替の構成要素及び機関を有することができる。例示的な補強部材100が示されているものの、図中に示されている例示的な構成要素は、限定的であるように意図されていない。実際、追加の又は代替的な構成要素及び/又は器具の使用が可能である。
【0007】
図1に示されているように、補強部材100は、構造体115上に配置されたキャリヤ105と結合部材110を含む。キャリヤ105は、構造体115に対し構造的な支持を提供する任意の材料で形成されていてよい。例えば、キャリヤ105は、ナイロン等のプラスチックで形成されていてよい。さらに、キャリヤ105の製造材料には、ガラス繊維を含んでもよい。あるいは、キャリヤ105は、鋼、アルミニウム又はマグネシウム等の金属で形成されていてよい。キャリヤ105は、オーバーモールドプロセス又はダイカットプロセス等のさまざまなプロセスで形成され得る。
【0008】
キャリヤ105は、構造体115により画定される空間125内に配置される1本以上の筒状体120を含み得る。1つの例示的なアプローチにおいては、筒状体120は、互いに一体化して形成される。あるいは、筒状体120を別個に形成し、接着剤又は機械的固定具を用いて相互に付着させてもよい。筒状体はほぼ1つの平面内に整列させられている。すなわち、各筒状体120は、例えば筒状体120の中心を通って延在する軸Aを画定し、かつ筒状体120の軸Aは互いにほぼ平行である。
【0009】
筒状体120は、構造体115により画定される空間125よりもわずかに小さく、筒状体120の一方又は両方の端部を構造体115上に配置してもよい。筒状体120はほぼ中空であり、かつ筒状体120の中心近くに軸Aを画定する。筒状体120は、それにより画定される軸Aが、構造体115の一方の側又は両側に加えられる力Fとほぼ整列するような形で、構造体115の内部に設置されるように構成されている。これによって、筒状体120は、構造体115の一方の側に加えられた力Fを分布させることができる。すなわち、構造体115の片側に加えられた力Fは、構造体115の他方の側まで、筒状体120を通して移行できる。
【0010】
筒状体120は、空間125の幅Wよりもわずかに小さい長さLを有する。1つの例示的なアプローチにおいて、筒状体120は、構造体115の幅Wよりも約2〜8mm短くてよい。補強部材100は、構造体115によって画定される任意の空間125の内部に配置されてよく、それは、その空間125のサイズ又は形状の如何に関わらない。したがって、キャリヤ105において多数の筒状体120が使用される場合、筒状体120の一部は、他の筒状体と異なる長さLを有していてよい。例えば、構造体115により画定される空間125にテーパがついている場合、筒状体120は、テーパのついた空間125の内部に適合する適切な長さLを有し得る。さらに、テーパのついた形状を収容するためには、筒状体120の端部は互いに平行である必要なはい。すなわち、筒状体120の一端部が1つの平面を画定し、キャリヤ105の他方の端部が、傾斜平面を画定していてよい。さらに、キャリヤ105は、任意の数の筒状体120を含み得る。例えば、図1は、理解を容易にするため、1本の筒状体120のみを伴う例示的なキャリヤ105を示している。図2〜5に示されているように、キャリヤ105は、整列された2本以上の筒状体120を含んでいてよい。
【0011】
結合部材110は、構造体115に対してキャリヤ105を付着させるために使用される。結合部材110は、キャリヤ105上に配置されてよい。例えば、図1に示された結合部材110は、筒状体120の外部表面上に配置されている。代替的には、結合部材110を筒状体120の内部表面上(例えば空洞内)に配置してもよい。結合部材110は、接着剤、又は構造発泡体若しくは吸音発泡体等の膨張性材料を含んでいてよい。結合部材110は、硬化された時点で構造体115に対してキャリヤ105を接着させるように構成されてよい。結合部材110の硬化は、結合部材110に対する硬化剤の塗布、又は結合部材110の加熱が含まれてよい。
【0012】
構造体115は、空間125を画定するあらゆる物体を含み得る。例えば、構造体115は、間に空間125を画定するような形で互いに間隔を空けて配置されている2つの側壁130を含んでいてよい。側壁130は少なくとも部分的に、平行方向に延在していてよい。一方又は両方の側壁130が、空洞内部でキャリヤ105をさらに支持する固定要素135(図3参照)を収容するための開口部(図示せず)を画定していてもよい。これらの開口部は、側壁130の平行な部分上にあってよい。しかしながら、側壁130は、平行である必要はなく、構造体115の平行でない部分がキャリヤ105を受け取るように構成されていてよい。1つの例示的な実施において、構造体115は車両の一部分を含み、空間125は、車両により画定される空洞である。したがって、構造体115は、車両のピラー、バンパー、ドア等であってよい。
【0013】
図2A〜2Cは、キャリヤ105内の筒状体120の例示的な断面図を示す。図示されているように、筒状体120は実質的に中空であり、かつ軸Aを画定している。筒状体120は、軸Aが1つの面Pを画定するような形で実質的に整列されている。すなわち、面Pは、整列している筒状体120の軸Aを横方向に通って延在していてよい。図2Aは、図1のライン2−2に沿って切り取ったキャリヤの例示的な断面図を示す。図2Aでは、筒状体120は、断面が実質的に曲線である2つの部分と、断面が実質的に直線である2つの部分とを含む。曲線部分は、互いに間隔を空けて配置され、直線部分は互いに間隔を空けて配置されかつ平行である。図2Bは、断面が実質的に楕円形である例示的な筒状体120を示す。図2Cは、実質的に六角形の断面形状を有する例示的な筒状体120を示す。当然のことながら、筒状体120は、他の断面形状を有していてよい。例えば、筒状体120は断面がおおよそ、円形、矩形、台形、三角形等であり得る。
【0014】
図3は、整列して配置された複数の筒状体120と、筒状体120のうちの1つ以上から延在する固定要素135(例えばクリップ)とを有する例示的なキャリヤ105を示す。各筒状体120は軸Aを画定し、この軸Aは、構造体115内に配置された場合(図1参照)に、側壁130の1つの上に付加され得る構造的な荷重と整列する。
【0015】
固定要素135は、構造体115の側壁130にキャリヤ105を締結するために使用されてよい。例えば、構造体115は、固定要素135を収容するように構成されている開口部(図示せず)を画定していてよい。固定要素135は、開口部内に固定要素135が設置された場合に構造体115との関係において所定の位置にキャリヤ105を保持するような形で、偏向されていてよい。例えば、固定要素135は、開口部内に押込まれている間は収縮するクリップであって、穴の中に設置された後に展開するクリップを含んでいてよい。各々の固定要素135は、1本の筒状体120上に配置されていてよく、あるいは代替的には2本の筒状体120の間に配置されてもよい。
【0016】
図3及び4を参照すると、結合部材110は、筒状体120内に配置されている。詳細には、結合部材110は、部分的に、筒状体120の内側表面をライニングし得る。しかしながら、結合部材110は、筒状体120の内部表面全体をライニングする必要はない。図示されているように、結合部材110は、側壁130の一方に最も近い筒状体120の内部表面の一部をライニングしていてよい。結合部材110は、一方又は両方の側壁の近くの筒状体120の内部表面上に配置されていてよい。さらに、結合部材110は、整列している各筒状体120の上に又は内部に配置される必要はない。図示されているとおり、結合部材110は、筒状体120のいくつかの内部にのみ配置される。結合部材110を担持する筒状体120の数を減らし、筒状体120内に設置された結合部材110の量を削減することにより、製造コストの削減を助けることができる。
【0017】
筒状体120のうちの1本以上が、例えばそれらの周囲に、空隙140を画定していてよく、この空隙が、1本の筒状体120内部に配置された結合部材110を、別の筒状体120内の結合部材110に連結することを可能にする。したがって、空隙140は、少なくとも筒状体120が空間125内に配置されるまで、筒状体120間に結合部材110の機械的連結を提供する。
【0018】
図5は、例示的なキャリヤ105の上面図であり、図6は、例示的なキャリヤ105の背面図である。図示されているように、筒状体120は、整列して配置され、単一層を形成する。したがって、筒状体120の軸Aは、単一面Pを画定する。構造体115内に設置された時点で、筒状体120の各々により画定される軸Aは、一方又は両方の側壁130に加えられる可能性のある構造的な荷重と実質的に整列する。この構成により、キャリヤ105は、側壁130の間で構造的な荷重を分配することができる。
【0019】
本明細書中で記述されているプロセス、システム、方法、経験則等に関しては、このようなプロセスのステップ等は一定の秩序立った順序にしたがって発生するものとして記述されてきたが、本明細書中で記述された順序以外の順序で記述されたステップを実施してこのようなプロセスを実践できるということを理解すべきである。さらに、一部のステップは同時に実施可能であると考えられること、他のステップを追加できると考えられること、あるいは本明細書に記述されている一部のステップを省くことができると考えられることを理解すべきである。換言すると、本明細書中のプロセスの記述は、一部の実施形態を例示する目的で提供されており、いかなる形であれ、特許請求されている発明を限定するものとみなされるべきではない。
【0020】
したがって、以上の記述は例示的かつ非限定的であるように意図されている。提供されている実施例以外の数多くの実施形態及び利用分野が、以上の記述を読むことによって明らかになると思われる。本発明の範囲は、以上の記述を参照して決定されるべきではなく、むしろ特許請求の範囲と共に、このような特許請求の範囲の全範囲の均等物を参照して決定されるべきである。本明細書中に論述されている技術において将来の開発が行なわれるはずであること、そして開示されたシステム及び方法がこのような将来の実施形態の中に取込まれるはずであることが予想され意図されている。要するに、本発明は、修正及び変更の可能性があることを理解すべきである。
【0021】
本明細書中に別段の明示的指示のないかぎり、特許請求の範囲中に使用されている全ての用語には、当該技術の当業者が理解するそれらの通常の意味及びその最大限に広い合理的構文が与えられるものと意図されている。詳細には、「a」、「the」、「said」等の単数冠詞の使用は、特許請求の範囲が別段の明示的限定を記しているのでないかぎり、指示された要素の1つ以上を表わすものとして理解すべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6