(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1−(4−メトキシブチル)−N−(2−メチルプロピル)−N−[(3S,5R)−5−(モルホリン−4−イルカルボニル)ピペリジン−3−イル]−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキサミドまたはその塩が、1−(4−メトキシブチル)−N−(2−メチルプロピル)−N−[(3S,5R)−5−(モルホリン−4−イルカルボニル)ピペリジン−3−イル]−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキサミド塩酸塩である、請求項1記載の錠剤。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、化合物(A)の塩酸塩(一塩酸塩)の25℃における種々の相対湿度における平衡吸湿率を示す。縦軸「Weight(%)」は、平衡吸湿率(重量%)を示し、横軸「RH(%)」は25℃における相対湿度を示す。
【
図2】
図2は、結晶セルロースの25℃における種々の相対湿度における平衡吸湿率を示す。縦軸「Weight(%)」は、平衡吸湿率(重量%)を示し、横軸「RH(%)」は25℃における相対湿度を示す。
【
図3】
図3は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの25℃における種々の相対湿度における平衡吸湿率を示す。縦軸「Weight(%)」は、平衡吸湿率(重量%)を示し、横軸「RH(%)」は、25℃における相対湿度を示す。
【
図4】
図4は、キシリトールの25℃における種々の相対湿度における平衡吸湿率を示す。縦軸「Weight(%)」は、平衡吸湿率(重量%)を示し、横軸「RH(%)」は、25℃における相対湿度を示す。
【0012】
(発明の詳細な説明)
本明細書中、「相対湿度」とは、一定の温度での水蒸気圧と前記温度での飽和水蒸気圧の比を百分率で表したものを意味する。
本明細書中、「平衡吸湿率」とは、試料を完全に乾燥させた重量(乾燥物重量)に対して、一定の温度における一定の相対湿度の条件で試料を吸湿させて試料の重量が平衡に達したときの増加した試料の重量の比を百分率で表したものを意味する。
本明細書中、「潮解性」とは、固体が大気中の水蒸気を吸収してそれに溶解する性質を意味する。
【0013】
本明細書中、「高湿度」とは、相対湿度75%以上を意味する。
本明細書中、「溶出性」とは、医薬活性成分が製剤から溶液へ溶け出す性質を意味する。溶出性は、例えば、日本薬局方第16改正に記載の溶出試験法(例、回転バスケット法、パドル法)により、評価できる。
【0014】
本明細書中の「ハロゲン原子」としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本明細書中の「C
1−4アルキレンジオキシ基」としては、例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリメチレンジオキシ等が挙げられる。
【0015】
本明細書中の「アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。中でも、C
1−6アルキル基が好ましい。
【0016】
本明細書中の「アルケニル基」としては、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル等が挙げられる。中でも、C
2−6アルケニル基が好ましい。
【0017】
本明細書中の「アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニル等が挙げられる。中でも、C
2−6アルキニル基が好ましい。
【0018】
本明細書中の「シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシル、アダマンチル等が挙げられる。中でも、C
3−10シクロアルキル基が好ましい。
本明細書中の「シクロアルキルオキシ基」の「シクロアルキル」部分としては、上記「シクロアルキル基」と同様のものが挙げられる。
【0019】
本明細書中の「アルキルチオ基」としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、1−エチルプロピルチオ、ヘキシルチオ、イソヘキシルチオ、1,1−ジメチルブチルチオ、2,2−ジメチルブチルチオ、3,3−ジメチルブチルチオ、2−エチルブチルチオ等が挙げられる。中でも、C
1−6アルキルチオ基が好ましい。
【0020】
本明細書中の「アルキルスルフィニル基」としては、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec−ブチルスルフィニル、tert−ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、イソペンチルスルフィニル、ネオペンチルスルフィニル、1−エチルプロピルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル、イソヘキシルスルフィニル、1,1−ジメチルブチルスルフィニル、2,2−ジメチルブチルスルフィニル、3,3−ジメチルブチルスルフィニル、2−エチルブチルスルフィニル等が挙げられる。中でも、C
1−6アルキルスルフィニル基が好ましい。
【0021】
本明細書中の「アルキルスルホニル基」としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、1−エチルプロピルスルホニル、ヘキシルスルホニル、イソヘキシルスルホニル、1,1−ジメチルブチルスルホニル、2,2−ジメチルブチルスルホニル、3,3−ジメチルブチルスルホニル、2−エチルブチルスルホニル等が挙げられる。中でも、C
1−6アルキルスルホニル基が好ましい。
【0022】
本明細書中の「アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、1−エチルプロピルオキシ、ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、1,1−ジメチルブチルオキシ、2,2−ジメチルブチルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ等が挙げられる。中でも、C
1−6アルコキシ基が好ましい。
【0023】
本明細書中の「C
1−6アルコキシ−カルボニル基」としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等が挙げられる。
本明細書中の「C
1−6アルキル−カルボニル基」としては、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、イソブタノイル、ペンタノイル、イソペンタノイル、ヘキサノイル等が挙げられる。
本明細書中の「ハロゲン化されていてもよい」は、1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいことを示す。
【0024】
本明細書中の「C
1−6アルキレン基」としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、−CH(CH
3)−、−C(CH
3)
2−、−CH(CH
2CH
3)−、−C(CH
2CH
3)
2−、−CH(CH
3)−CH
2−、−CH
2−CH(CH
3)−、−C(CH
3)
2−CH
2−、−CH
2−C(CH
3)
2−、−CH(CH
3)−(CH
2)
2−、−CH
2−CH(CH
3)−CH
2−、−(CH
2)
2−CH(CH
3)−、−C(CH
3)
2−(CH
2)
2−、−CH
2−C(CH
3)
2−CH
2−、−(CH
2)
2−C(CH
3)
2−等が挙げられる。
【0025】
本明細書中の「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、アラルキル基、アリールアルケニル基、シクロアルキルアルキル基等が挙げられる。好ましくは、C
1−10アルキル基、C
2−10アルケニル基、C
2−10アルキニル基、C
1−3アルキリデン基、C
3−10シクロアルキル基、C
3−10シクロアルケニル基、C
4−10シクロアルカジエニル基、C
6−14アリール基、C
7−16アラルキル基、C
8−13アリールアルケニル基、C
3−10シクロアルキル−C
1−6アルキル基等が挙げられる。上記C
3−10シクロアルキル基、C
3−10シクロアルケニル基およびC
4−10シクロアルカジエニル基は、それぞれベンゼン環と縮合していてもよい。
【0026】
本明細書中の「C
1−10アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等が挙げられる。中でも、C
1−6アルキル基が好ましい。
【0027】
本明細書中の「C
2−10アルケニル基」としては、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニル等が挙げられる。中でも、C
2−6アルケニル基が好ましい。
【0028】
本明細書中の「C
2−10アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニル等が挙げられる。中でも、C
2−6アルキニル基が好ましい。
本明細書中の「C
1−3アルキリデン基」としては、例えば、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデン等が挙げられる。
【0029】
本明細書中の「C
3−10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシル、アダマンチル等が挙げられる。中でも、C
3−6シクロアルキル基が好ましい。上記C
3−10シクロアルキルは、ベンゼン環と縮合していてもよく、このような縮合基としては、例えば、インダニル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル等が挙げられる。
【0030】
本明細書中の「C
3−10シクロアルケニル基」としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル等が挙げられる。上記C
3−10シクロアルケニルは、ベンゼン環と縮合していてもよく、このような縮合基としては、例えば、インデニル等が挙げられる。
【0031】
本明細書中の「C
4−10シクロアルカジエニル基」としては、例えば、2,4−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イル等が挙げられる。上記C
4−10シクロアルカジエニルは、ベンゼン環と縮合していてもよい。
【0032】
本明細書中の「C
6−14アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリル等が挙げられる。中でも、C
6−10アリール基が好ましい。さらに好ましくはフェニルである。上記C
6−14アリールは、C
3−10シクロアルカン(当該C
3−10シクロアルカンとしては、上記のC
3−10シクロアルキル基に対応する環が挙げられる)と縮合していてもよく、このような縮合基としては、例えば、テトラヒドロナフチル、インダニル等が挙げられる。
本明細書中の「C
7−16アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、ビフェニリルメチル等が挙げられる。
本明細書中の「C
8−13アリールアルケニル基」としては、例えば、スチリル等が挙げられる。
本明細書中の「C
3−10シクロアルキル−C
1−6アルキル基」としては、例えば、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル等が挙げられる。
【0033】
該「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」は、置換可能な位置に置換基(例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個)を有していてもよい。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0034】
該「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「置換基」としては、例えば、以下の置換基(以下、置換基群Aという。)
が挙げられる。
(1)ハロゲン原子;
(2)ニトロ基;
(3)シアノ(ニトリル)基;
(4)ヒドロキシ基;
(5)置換基を有していてもよいアルコキシ基(特に、置換基を有していてもよいC
1−6アルコキシ基);
(6)置換基を有していてもよいアミノ基;
(7)=O(オキソ基);
(8)=S(チオキソ基);
(9)置換基を有していてもよいメルカプト基(該メルカプト基は酸化されていてもよい);
(10)C
1−4アルキレンジオキシ基;
(11)置換基を有していてもよいアルキル基(特に、置換基を有していてもよいC
1−6アルキル基);
(12)C
7−16アラルキル基;
(13)アシル基;
(14)置換基を有していてもよい3ないし10員環の環状炭化水素基;
(15)置換基を有していてもよい3ないし10員環の複素環基等。
【0035】
置換基群Aの「置換基を有していてもよい3ないし10員環の環状炭化水素基」の「3ないし10員環の環状炭化水素基」としては、C
3−10シクロアルキル基、C
3−10シクロアルケニル基、C
4−10シクロアルカジエニル基、C
6−10アリール基等が挙げられる。該C
3−10シクロアルキル基、C
3−10シクロアルケニル基、C
4−10シクロアルカジエニル基およびC
6−10アリール基は、「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」として例示したC
3−10シクロアルキル基、C
3−10シクロアルケニル基、C
4−10シクロアルカジエニル基およびC
6−10アリール基と同様のものが挙げられる。
【0036】
置換基群Aの「置換基を有していてもよい3ないし10員環の複素環基」の「3ないし10員環の複素環基」としては、後掲の「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」のうち3ないし10員環のものが挙げられる。
【0037】
置換基群Aの「置換基を有していてもよいアルキル基」および「置換基を有していてもよいアルコキシ基」、「置換基を有していてもよい3ないし10員環の環状炭化水素基」、ならびに「置換基を有していてもよい3ないし10員環の複素環基」の「置換基」としては、例えば、以下の置換基(以下、置換基群Bという。)から選ばれる1ないし5個、好ましくは1ないし3個が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0038】
(1)ハロゲン原子;
(2)ニトロ基;
(3)シアノ(ニトリル)基;
(4)ヒドロキシ基;
(5)1ないし3個のハロゲン原子を有していてもよいC
1−6アルコキシ基;
(6)アミノ基;
(7)モノ−またはジ−C
1−6アルキルアミノ基;
(8)C
7−16アラルキルアミノ基;
(9)C
1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基;
(10)C
1−6アルキル−カルボニルアミノ基;
(11)C
1−6アルキル−カルボニルオキシ基;
(12)C
1−6アルキル−カルボニル基;
(13)カルボキシ基;
(14)C
1−6アルコキシ−カルボニル基;
(15)カルバモイル基;
(16)モノ−またはジ−C
1−6アルキルカルバモイル基;
(17)=O(オキソ基);
(18)=S(チオキソ基);
(19)メルカプト基;
(20)C
1−6アルキルチオ基;
(21)C
1−6アルキルスルフィニル基;
(22)C
1−6アルキルスルホニル基;
(23)C
1−4アルキレンジオキシ基;
(24)(a)ハロゲン原子、
(b)ヒドロキシ基、
(c)C
1−6アルコキシ基、
(d)C
6−14アリール基、
(e)アミノ基、
(f)モノ−またはジ−C
1−6アルキルアミノ基、
(g)C
7−16アラルキルアミノ基、および
(h)C
1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基
から選ばれる1ないし3個の置換基を有していてもよいC
1−6アルキル基;
(25)1ないし3個のハロゲン原子を有していてもよいアリール基;
(26)1ないし3個のハロゲン原子を有していてもよい芳香族複素環基(例、ピリジル、ピラゾリル、トリアゾリル);
(27)C
1−6アルキル基およびオキソ基から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基(例、ジオキソリル);
(28)C
7−16アラルキル基;
(29)C
3−10シクロアルキル基;
(30)オキソ基を有していてもよい環状アミノ基(例、ピロリジニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジニル、イミダゾリジン−1−イル、ピラゾリジン−1−イル等)等。
【0039】
置換基群Aの「置換基を有していてもよいアミノ基」の「置換基」としては、例えば、置換基群Bから選ばれる1または2個が挙げられる。置換基が2個である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
置換基群Aの「置換基を有していてもよいメルカプト基」の「置換基」としては、例えば、置換基群Bが挙げられる。当該メルカプト基は1または2個の酸素で酸化されていてもよい。
【0040】
本明細書中、「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、芳香族複素環基および非芳香族複素環基が挙げられる。
該「芳香族複素環基」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する4ないし10員(好ましくは5または6員)の単環式芳香族複素環基および縮合芳香族複素環基が挙げられる。該縮合芳香族複素環基としては、例えば、これら4ないし10員の単環式芳香族複素環基に対応する環と、1または2個の窒素原子を含む5または6員芳香族複素環、1個の硫黄原子を含む5員芳香族複素環およびベンゼン環から選ばれる1または2個とが縮合した環から由来する基等が挙げられる。
【0041】
「芳香族複素環基」としては、例えば、フリル(例、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピラジニル(例、2−ピラジニル)、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)、チアジアゾリル(例、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル)、トリアゾリル(例、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−5−イル)、トリアジニル(例、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,3,5−トリアジン−4−イル、1,2,3−トリアジン−4−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル)等の4ないし7員(好ましくは5または6員)単環式芳香族複素環基;キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、6−キノリル)、イソキノリル(例、3−イソキノリル)、キナゾリル(例、2−キナゾリル、4−キナゾリル)、キノキサリル(例、2−キノキサリル、6−キノキサリル)、ベンゾフラニル(例、2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル)、ベンゾチエニル(例、2−ベンゾチエニル、3−ベンゾチエニル)、ベンズオキサゾリル(例、2−ベンズオキサゾリル)、ベンズイソオキサゾリル(例、7−ベンズイソオキサゾリル)、ベンゾチアゾリル(例、2−ベンゾチアゾリル)、ベンズイミダゾリル(例、ベンズイミダゾール−1−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−5−イル)、ベンゾトリアゾリル(例、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−5−イル)、インドリル(例、インドール−1−イル、インドール−2−イル、インドール−3−イル、インドール−5−イル)、インダゾリル(例、1H−インダゾール−3−イル)、ピロロピラジニル(例、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)、イミダゾピリジニル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル、2H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)、イミダゾピラジニル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−2−イル)、ピラゾロピリジニル(例、1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−3−イル)、ピラゾロチエニル(例、2H−ピラゾロ[3,4−b]チオフェン−2−イル)、ピラゾロトリアジニル(例、ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン−3−イル)等の縮合芳香族複素環基;等が挙げられる。
【0042】
該「非芳香族複素環基」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する3ないし10員(好ましくは5または6員)の単環式非芳香族複素環基および縮合非芳香族複素環基が挙げられる。該縮合非芳香族複素環基としては、例えば、これら3ないし10員の単環式非芳香族複素環基に対応する環と、1または2個の窒素原子を含む5または6員複素環、1個の硫黄原子を含む5員複素環およびベンゼン環から選ばれる1または2個とが縮合した環から由来する基等が挙げられる。
「非芳香族複素環基」としては、例えば、ピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル)、ピペリジニル(例、ピペリジノ、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、モルホリニル(例、モルホリノ)、チオモルホリニル(例、チオモルホリノ)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル、3−ピペラジニル)、ヘキサメチレンイミニル(例、ヘキサメチレンイミン−1−イル)、オキサゾリジニル(例、オキサゾリジン−2−イル)、チアゾリジニル(例、チアゾリジン−2−イル)、イミダゾリジニル(例、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−3−イル)、オキサゾリニル(例、オキサゾリン−2−イル)、チアゾリニル(例、チアゾリン−2−イル)、イミダゾリニル(例、イミダゾリン−2−イル、イミダゾリン−3−イル)、ジオキソリル(例、1,3−ジオキソール−4−イル)、ジオキソラニル(例、1,3−ジオキソラン−4−イル)、ジヒドロオキサジアゾリル(例、4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)、2−チオキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル、ピラニル(例、4−ピラニル)、テトラヒドロピラニル(例、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル)、チオピラニル(例、4−チオピラニル)、テトラヒドロチオピラニル(例、2−テトラヒドロチオピラニル、3−テトラヒドロチオピラニル、4−テトラヒドロチオピラニル)、1−オキシドテトラヒドロチオピラニル(例、1−オキシドテトラヒドロチオピラン−4−イル)、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラニル(例、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン−4−イル)、テトラヒドロフリル(例、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル)、ピラゾリジニル(例、ピラゾリジン−1−イル、ピラゾリジン−3−イル)、ピラゾリニル(例、ピラゾリン−1−イル)、テトラヒドロピリミジニル(例、テトラヒドロピリミジン−1−イル)、ヘキサヒドロピリミジニル(例、ヘキサヒドロピリミジン−1−イル)、ジヒドロトリアゾリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)、テトラヒドロトリアゾリル(例、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)等の4ないし7員(好ましくは5または6員)単環式非芳香族複素環基;ジヒドロインドリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)、ジヒドロイソインドリル(例、1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)、ジヒドロベンゾフラニル(例、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル)、ジヒドロベンゾジオキシニル(例、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)、ジヒドロベンゾジオキセピニル(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピニル)、テトラヒドロベンゾフラニル(例、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラン−3−イル)、クロメニル(例、4H−クロメン−2−イル、2H−クロメン−3−イル)、ジヒドロキノリニル(例、1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)、テトラヒドロキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)、ジヒドロイソキノリニル(例、1,2−ジヒドロイソキノリン−4−イル)、テトラヒドロイソキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)、ジヒドロフタラジニル(例、1,4−ジヒドロフタラジン−4−イル)等の縮合非芳香族複素環基;等が挙げられる。
【0043】
上記「複素環基」は、置換可能な位置に置換基(例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個)を有していてもよい。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
該「置換基を有していてもよい複素環基」の「置換基」としては、例えば、前記置換基群Aとして例示した基等が挙げられる。
【0044】
本明細書中の「アシル基」としては、例えば、式:−COR
A、−CO−OR
A、−SO
2R
A、−SOR
A、−CO−NR’R’’、−CS−NR’R’’〔式中、R
Aは、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基または置換基を有していてもよい複素環基を示す。R’およびR’’は、それぞれ、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基または置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR’およびR’’は、それらが結合する窒素原子と共に、置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成してもよい〕で表される基等が挙げられる。
【0045】
R
A、R’およびR’’で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、前記「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
R
A、R’およびR’’で示される「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」としては、前記「置換基を有していてもよい複素環基」の「複素環基」と同様のものが挙げられる。
R
Aで示される「置換基を有していてもよいアミノ基」としては、前記置換基群Aの「置換基を有していてもよいアミノ基」と同様のものが挙げられる。
R
A、R’およびR’’で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」および「置換基を有していてもよい複素環基」の置換基としては、それぞれ、前記置換基群Aから選ばれる1ないし5個、好ましくは1ないし3個が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0046】
R’およびR’’が、それらが結合する窒素原子とともに形成する「置換基を有していてもよい含窒素複素環」における「含窒素複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に1個の窒素原子を含有し、さらに酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1または2個含有していてもよい4ないし7員非芳香族含窒素複素環が挙げられる。該非芳香族含窒素複素環は、ベンゼン環と縮合していてもよい。
【0047】
該含窒素複素環としては、例えば、アゼチジン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、ピペラジン、ホモピペラジン、モルホリン、ホモモルホリン、チオモルホリン、チオホモモルホリン、ジヒドロベンゾオキサジン(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン)、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、7−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。
該「含窒素複素環」は、置換可能な位置に(好ましくは1ないし3個、より好ましくは1または2個の)置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、置換基群B等が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0048】
「アシル」の好適な例としては、
(1)ホルミル基;
(2)カルボキシ基;
(3)C
1−6アルキル−カルボニル基;
(4)置換基群Bから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC
1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル);
(5)式:−CO−NR’R’’
(式中、R’およびR’’は、それぞれ水素原子、前記置換基群Bから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい炭化水素基または前記置換基群Bから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい複素環基を示すか、あるいはR’およびR’’は、それらが結合する窒素原子と共に、前記置換基群Bから選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成していてもよい)で表される基等が挙げられる。
【0049】
本明細書中の「アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニリル、2−アンスリル等のC
6−14アリールが挙げられる。中でも、C
6−10アリールが好ましい。さらに好ましくはフェニルである。上記アリールは、C
3−10シクロアルカン(当該C
3−10シクロアルカンとしては、上記のC
3−10シクロアルキルに対応する環が挙げられる)と縮合していてもよく、このような縮合基としては、例えば、テトラヒドロナフチル、インダニル等が挙げられる。
本明細書中の「アリールオキシ基」の「アリール」部分としては、上記「アリール基」と同様のものが挙げられる。
【0050】
本明細書中の「ヘテロアリール基」としては、例えば、前記「置換基を有していてもよい複素環」の「複素環基」のうち、単環式芳香族複素環基および縮合芳香族複素環基が挙げられる。
【0051】
本明細書中、「複素環」としては、単環式複素環および縮合複素環が挙げられる。
該「単環式複素環」としては、単環式芳香族複素環および単環式非芳香族複素環が挙げられる。
【0052】
該「単環式芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する4ないし10員(好ましくは5または6員)の単環式芳香族複素環が挙げられる。
「単環式芳香族複素環」としては、例えば、
フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール)、チアジアゾール(例、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール)、トリアゾール(例、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール)、テトラゾール、トリアジン(例、1,3,5−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン)等の4ないし7員(好ましくは5または6員)単環式芳香族複素環が挙げられる。
【0053】
該「単環式非芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する3ないし10員(好ましくは5または6員)の単環式非芳香族複素環が挙げられる。
「単環式非芳香族複素環」としては、例えば、
ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ヘキサメチレンイミン、オキサゾリジン、チアゾリジン、イミダゾリジン、オキサゾリン、チアゾリン、イミダゾリン、ジオキソール、ジオキソラン、ジヒドロオキサジアゾール(例、4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール)、2−チオキソ−1,3−オキサゾリジン、ピラン、テトラヒドロピラン、チオピラン、テトラヒドロチオピラン、1−オキシドテトラヒドロチオピラン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン、テトラヒドロフラン、ピラゾリジン、ピラゾリン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロトリアゾール、テトラヒドロトリアゾール(例、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール)等の4ないし7員(好ましくは5または6員)単環式非芳香族複素環が挙げられる。
【0054】
該「縮合複素環」としては、縮合芳香族複素環および縮合非芳香族複素環が挙げられる。
該「縮合芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する4ないし7員(好ましくは5または6員)の単環式芳香族複素環と、1または2個の窒素原子を含む5または6員芳香族複素環、1個の硫黄原子を含む5員芳香族複素環およびベンゼン環から選ばれる1または2個とが縮合した環等が挙げられる。
【0055】
「縮合芳香族複素環」としては、例えば、
キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、インドール、インダゾール、ピロロピラジン(例、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン)、イミダゾピリジン(例、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、1H−イミダゾ[5,4−b]ピリジン、1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン、イミダゾ[1,2−a]ピリジン)、イミダゾピラジン(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン、イミダゾ[1,2−a]ピラジン)、イミダゾピリミジン(例、イミダゾ[1,2−a]ピリミジン、イミダゾ[1,2−c]ピリミジン)、イミダゾピリダジン(例、イミダゾ[1,2−b]ピリダジン)、ピラゾロピリジン(例、1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン)、チエノピロール(例、4H−チエノ[3,2−b]ピロール)、ピラゾロチオフェン(例、2H−ピラゾロ[3,4−b]チオフェン)、ピラゾロトリアジン(例、ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン)、ピロロピリジン(例、1H−ピロロ[1,2−b]ピリジン)、1,4−ジヒドロピロロ[3,2−b]ピロール、4H−フロ[3,2−b]ピロール、4H−チエノ[3,2−b]ピロール、1H−フロ[2,3−d]イミダゾール、1H−チエノ[2,3−d]イミダゾール等が挙げられる。
【0056】
該「縮合非芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する4ないし7員(好ましくは5または6員)の単環式非芳香族複素環と、1または2個の窒素原子を含む5または6員複素環、1個の硫黄原子を含む5員複素環およびベンゼン環から選ばれる1または2個とが縮合した環等が挙げられる。
「縮合非芳香族複素環」としては、例えば、
ジヒドロインドール(例、1,2−ジヒドロインドール)、テトラヒドロインドール(例、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−インドール)、ジヒドロイソインドール、テトラヒドロイソインドール(例、4,5,6,7−テトラヒドロイソインドール)、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロベンゾジオキシン(例、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン)、ジヒドロベンゾジオキセピン(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン)、テトラヒドロベンズイミダゾール(例、4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンズイミダゾール)、テトラヒドロベンゾフラン(例、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラン)、クロメン(例、4H−クロメン、2H−クロメン)、ジヒドロキノリン(例、1,2−ジヒドロキノリン)、テトラヒドロキノリン(例、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン)、ジヒドロイソキノリン(例、1,2−ジヒドロイソキノリン)、テトラヒドロイソキノリン(例、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン)、ジヒドロフタラジン(例、1,4−ジヒドロフタラジン)、1,4−ジヒドロシクロペンタ[b]ピロール、1,4−ジヒドロシクロペンタイミダゾール、1,4−ジヒドロピロロ[2,3−d]イミダゾール等が挙げられる。
【0057】
本明細書中の「5ないし7員環の含窒素複素環」としては、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジンが挙げられる。
【0058】
「25℃における相対湿度80%以上で潮解性を示す化合物」は、25℃における相対湿度80%以上で潮解性を示せば、特に限定されないが、例えば、25℃における相対湿度80%以上で潮解性を示す、分子量約1000以下、好ましくは約500以下の低分子の非ペプチド性化合物が挙げられる。
「25℃における相対湿度80%以上で潮解性を示す化合物」は、好ましくは「25℃における相対湿度80%〜90%で潮解性を示す化合物」であり、25℃における相対湿度80%〜90%で潮解性を示せば、特に限定されないが、例えば、25℃における相対湿度80%〜90%で潮解性を示す、分子量約1000以下、好ましくは約500以下の低分子の非ペプチド性化合物が挙げられる。
好ましくは、「25℃における相対湿度80%以上で潮解性を示す化合物」は、構造中に2級アミンを有する、分子量約1000以下、好ましくは約500以下の低分子の非ペプチド性化合物である。
より好ましくは、「25℃における相対湿度80%以上で潮解性を示す化合物」は、1−(4−メトキシブチル)−N−(2−メチルプロピル)−N−[(3S,5R)−5−(モルホリン−4−イルカルボニル)ピペリジン−3−イル]−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキサミド(化合物(A))またはその塩である。
【0059】
「25℃における相対湿度80%以上で潮解性を示す化合物」の別の好適な例としては、
式(I):
【0060】
【化2】
【0061】
[式中、
R
1は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、または置換基を有していてもよいシクロアルキル基を示し;
Xは、存在しないか、または、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキル基を示し;
環Aは置換基を有していてもよい複素環を示し;
環Bは置換基を有していてもよい5ないし7員環の含窒素複素環を示し;
nは、0、1または2を示す。]
で表される化合物またはその塩が挙げられる。
【0062】
以下、式(I)中の各記号の定義について詳述する。
R1
式(I)中、R
1は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、または置換基を有していてもよいシクロアルキル基を示す。
R
1で示される「置換基を有していてもよいアルキル基」、「置換基を有していてもよいアルケニル基」および「置換基を有していてもよいシクロアルキル基」の置換基としては、それぞれ、前記置換基群Aから選ばれる1ないし5個、好ましくは1ないし3個が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
R
1として、好ましくは、C
1−6アルキル基(例、イソブチル)である。
【0063】
X
式(I)中、Xは、存在しないか、または水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基もしくは置換基を有していてもよいシクロアルキル基を示す。
Xで示される「置換基を有していてもよいアルキル基」の「アルキル基」は置換可能な位置に、置換基(例えば1ないし5個、好ましくは1ないし3個)を有していてもよい。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、またはアシル基が挙げられる。
【0064】
Xで示される「置換基を有していてもよいアルキル基」の「置換基」として示される「置換基を有していてもよいアルケニル基」、「置換基を有していてもよいアルキニル基」、「置換基を有していてもよいシクロアルキル基」、「置換基を有していてもよいシクロアルキルオキシ基」、「置換基を有していてもよいアルキルチオ基」、「置換基を有していてもよいアルキルスルフィニル基」、「置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基」、「置換基を有していてもよいアルコキシ基」、「置換基を有していてもよいアリール基」、「置換基を有していてもよいヘテロアリール基」、および「置換基を有していてもよいアリールオキシ基」の「置換基」としては、それぞれ、前記置換基群Aから選ばれる1ないし5個、好ましくは1ないし3個が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0065】
Xで示される「置換基を有していてもよいシクロアルキル基」の置換基としては、前記置換基群Aから選ばれる1ないし5個、好ましくは1ないし3個が挙げられる。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0066】
Xとしては、好ましくは、
(1)水素原子;
(2)(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)ヒドロキシ基、
(c)C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)またはハロゲン原子(例、フッ素原子)を有していてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、
(d)C
1−6アルキルチオ基(例、メチルチオ)、
(e)アリール基(例、フェニル)、
(f) C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)またはハロゲン原子(例、フッ素原子)を有していてもよいアリールオキシ基(例、フェニルオキシ)、および
(g)ヘテロアリール基(例、チエニル、チアゾリル)
から選ばれる置換基で置換されても良いC
1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル);または
(3)C
3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)
であり、より好ましくは、C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)で置換されていてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)である。C
1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC
1−6アルキル基の好適な例としては、4−メトキシブチルが挙げられる。
【0067】
環A
式(I)中、環Aは、置換基を有していてもよい複素環を示す。
環Aとしては、好ましくは、
【0068】
【化3】
【0069】
である。
環B
式(I)中、環Bは、置換基を有していてもよい5ないし7員環の含窒素複素環を示し、nは0、1または2を示す。ここで、環Bを構成するNHは、無置換である。
環Bで示される「置換基を有していてもよい5ないし7員環の含窒素複素環」の置換基としては、前記置換基群Aから選ばれる1ないし5個、好ましくは1ないし3個が挙げられ、または、環Bの隣接する炭素原子に結合する2つの置換基が、結合して環Bに縮合するC
3−10シクロアルカン(例、シクロペンタン、シクロヘキサン)を形成してもよい。置換基が2個以上である場合、各置換基は同一でも異なっていてもよい。
環Bとしては、好ましくは、
【0070】
【化4】
【0071】
(式中、R
4は、
(1)水素原子、
(2)シアノ(ニトリル)基、
(3)(a)ヒドロキシ基、
(b)C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、
(c)C
1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ)、
(d)1ないし3個のハロゲン原子を有していてもよい芳香族複素環基(例、ピリジル、ピラゾリル、トリアゾリル)、
(e)C
3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、および
(f)オキソ基を有していてもよい環状アミノ基(例、ピロリジニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジニル、イミダゾリジン−1−イル、ピラゾリジン−1−イル等)
から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル)、
(4)C
1−6アルキル基およびオキソ基から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい3ないし10員環の複素環基(1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾリル、テトラゾリル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリル、ピペリジニル、ピロリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル)、
(5)カルボキシ基、
(6)C
1−6アルキル基(例、メチル)およびオキソ基から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基(例、ジオキソリル)から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC
1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル)、または
(7)式:−CO−NR’R’’
(式中、R’およびR’’は、それぞれ
水素原子を示すか、あるいは
R’およびR’’は、それらが結合する窒素原子と共に、ハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい含窒素複素環(例、アゼチジン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、7−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ホモモルホリン、ジヒドロベンゾオキサジン(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン)を形成する)で表される基を示す)で表される環である。
環Bとしては、より好ましくは、
【0072】
【化5】
【0073】
(式中、R
4は上記と同義を示す。)で表される環である。
【0074】
R
4としては、好ましくは、式:−CO−NR’R’’(式中、R’およびR’’は上記と同義を示す。)で表される基、さらに好ましくは、モルホリン−4−イルカルボニルである。
【0075】
化合物(I)またはその塩のさらに好ましい例は以下の通りである。
[化合物I]
環Aが式
【0076】
【化6】
【0077】
で表される環であり、
環Bが、
【0078】
【化7】
【0079】
(式中、R
4は、
(1)水素原子、
(2)シアノ(ニトリル)基、
(3)(a)ヒドロキシ基、
(b)C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、
(c)C
1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ)、
(d)1ないし3個のハロゲン原子を有していてもよい芳香族複素環基(例、ピリジル、ピラゾリル、トリアゾリル)、
(e)C
3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、および
(f)オキソ基を有していてもよい環状アミノ基(例、ピロリジニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジニル、イミダゾリジン−1−イル、ピラゾリジン−1−イル等)
から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC
1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル)、
(4)C
1−6アルキル基およびオキソ基から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい3ないし10員環の複素環基(1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾリル、テトラゾリル、テトラヒドロピリミジニル、オキサゾリル、ピペリジニル、ピロリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル)、
(5)カルボキシ基、
(6)C
1−6アルキル基(例、メチル)およびオキソ基から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい非芳香族複素環基(例、ジオキソリル)から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC
1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル)、または
(7)式:−CO−NR’R’’
(式中、R’およびR’’は、それぞれ
水素原子を示すか、あるいは
R’およびR’’は、それらが結合する窒素原子と共に、ハロゲン原子(例、フッ素原子)から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい含窒素複素環(例、アゼチジン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、7−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ホモモルホリン、ジヒドロベンゾオキサジン(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン)を形成する)で表される基を示す)で表される環であり、
R
1が、C
1−6アルキル基(例、イソブチル)であり、
Xが、
(1)水素原子;
(2)(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)ヒドロキシ基、
(c)C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)またはハロゲン原子(例、フッ素原子)を有していてもよいC
1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、
(d)C
1−6アルキルチオ基(例、メチルチオ)、
(e)アリール基(例、フェニル)、
(f)C
1−6アルコキシ基(例、メトキシ)またはハロゲン原子(例、フッ素原子)を有していてもよいアリールオキシ基(例、フェニルオキシ)、および
(g)ヘテロアリール基(例、チエニル、チアゾリル)
から選ばれる置換基で置換されても良いC
1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル);または
(3)C
3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)
である、式(I)で表される化合物またはその塩。
化合物(I)またはその塩としては、化合物(A)またはその塩が好ましい。
【0080】
化合物(I)またはその塩は、自体公知の方法、例えば、WO2009/154300に記載の製造法あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。
【0081】
化合物(I)および化合物(A)の塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。
金属塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸(例、一塩酸塩、二塩酸塩)、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
化合物(A)の塩としては、塩酸塩が好ましく、なかでも一塩酸塩が好ましい。
【0082】
本発明の錠剤において、「25℃における相対湿度80%以上で潮解性を示す化合物」は、本発明の錠剤1錠中、好ましくは約1〜約40重量%、さらに好ましくは約1.5〜約25重量%の含量となる量が用いられる。
一つの好適な例では、本発明の錠剤において、「25℃における相対湿度80%以上で潮解性を示す化合物」として化合物(I)(特に、化合物(A))またはその塩を用いる場合、化合物(I)(特に、化合物(A))またはその塩は、本発明の錠剤1錠中、化合物(I)(特に、化合物(A))として、好ましくは約1〜約40重量%、さらに好ましくは約1.5〜約25重量%の含量となる量が用いられる。
別の好適な例では、本発明の錠剤において、「25℃における相対湿度80%以上で潮解性を示す化合物」として化合物(A)またはその塩を用いる場合、化合物(A)またはその塩は、本発明の錠剤1錠中、化合物(A)として、好ましくは約3〜約40重量%、さらに好ましくは約3〜約20重量%の含量となる量が用いられる。
【0083】
本発明に用いられる「25℃における相対湿度75%における平衡吸湿率が乾燥物重量に対して7重量%以上の添加物」としては、例えば、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムなどが挙げられる。
本発明の錠剤が裸錠またはフィルムコーティング錠である場合、「25℃における相対湿度75%における平衡吸湿率が乾燥物重量に対して7重量%以上の添加物」はフィルムコーティング層、裸錠のいずれに存在していてもよい。例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えばヒプロメロース2910(信越化学))は、結合剤、崩壊剤、水溶性フィルムコーティング基剤などとして,後掲する含有量の範囲内で用いられていてもよい。
本発明に用いられる「25℃における相対湿度75%における平衡吸湿率が乾燥物重量に対して7重量%以上の添加物」は、1種または2種以上の上記添加物の組み合わせであってもよい。
本発明の錠剤において、「25℃における相対湿度75%における平衡吸湿率が乾燥物重量に対して7重量%以上の添加物」は、本発明の錠剤1錠中、1種または2種以上の当該添加物の合計が、35重量%以上の含量となる量が用いられる。
【0084】
本発明に用いられる結晶セルロースは、医薬品添加物として使用される物であれば特に限定されないが、結晶セルロース、結晶セルロース(粒)、結晶セルロース(微粒子)など1種類を単独であるいは2種以上を混合して用いてもよい。
結晶セルロースの具体例としては、セオラスPH−101(旭化成ケミカルズ(株))、セオラスPH−302(旭化成ケミカルズ(株))、セオラスKG−802(旭化成ケミカルズ(株))などが挙げられる。
本発明の錠剤において、結晶セルロースは、本発明の錠剤1錠中、「25℃における相対湿度75%における平衡吸湿率が乾燥物重量に対して7重量%以上の添加物」が結晶セルロースのみであれば約35重量%以上の含量となる量、あるいは、結晶セルロースと他の上記添加物との組み合わせであれば、結晶セルロースの量が約30重量%以上、好ましくは約30〜約50重量%、より好ましくは約30〜約40重量%の含量となる量が用いられる。
【0085】
本発明に用いられる低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、医薬品添加物として使用される物であれば特に限定されず、1種類を単独であるいは2種以上を混合して用いてもよい。
本明細書中、低置換度とは、乾燥後、ヒドロキシプロポキシル基を5.0%〜16.0%含有していることを意味する。
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの具体例としては、LH−11(信越化学)、LH−21(信越化学)、LH−22(信越化学)などが挙げられる。
本発明の錠剤において、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、本発明の錠剤1錠中、「25℃における相対湿度75%における平衡吸湿率が乾燥物重量に対して7重量%以上の添加物」が低置換度ヒドロキシプロピルセルロースのみであれば約35重量%以上の含量となる量、あるいは、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと他の上記添加物との組み合わせであれば約5重量%以上、好ましくは約5〜約20重量%、より好ましくは約7〜約9重量%の含量となる量が用いられる。
【0086】
「25℃における相対湿度75%における平衡吸湿率が乾燥物重量に対して7重量%以上の添加物」は、好ましくは、結晶セルロースである。
本発明の錠剤において、「25℃における相対湿度75%における平衡吸湿率が乾燥物重量に対して7重量%以上の添加物」が結晶セルロースである場合、好ましくは、本発明の錠剤1錠中、結晶セルロースが約30重量%以上の含量となる量が用いられる。より好ましくは、本発明の錠剤1錠中、結晶セルロースが約30〜約50重量%の含量となる量が用いられる。さらに好ましくは、本発明の錠剤1錠中、結晶セルロースが約30〜約40重量%の含量となる量が用いられる。
「25℃における相対湿度75%における平衡吸湿率が乾燥物重量に対して7重量%以上の添加物」は、好ましくは、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである。
本発明の錠剤において、「25℃における相対湿度75%における平衡吸湿率が乾燥物重量に対して7重量%以上の添加物」が低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである場合、好ましくは、本発明の錠剤1錠中、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが約5重量%以上の含量となる量が用いられる。より好ましくは、本発明の錠剤1錠中、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが約5〜約20重量%の含量となる量が用いられる。さらに好ましくは、本発明の錠剤1錠中、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが約7〜約9重量%の含量となる量が用いられる。
「25℃における相対湿度75%における平衡吸湿率が乾燥物重量に対して7重量%以上の添加物」は、結晶セルロースおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが組合せて使用されることがさらに好ましい。
本発明の錠剤において、「25℃における相対湿度75%における平衡吸湿率が乾燥物重量に対して7重量%以上の添加物」が結晶セルロースおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである場合、好ましくは、本発明の錠剤1錠中、結晶セルロースが約30重量%以上、かつ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが約5重量%以上の含量となる量が用いられる。より好ましくは、本発明の錠剤1錠中、結晶セルロースが約30〜約50重量%、かつ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが約5〜約20重量%の含量となる量が用いられる。さらに好ましくは、本発明の錠剤1錠中、結晶セルロースが約30〜約40重量%、かつ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが約7〜約9重量%の含量となる量が用いられる。
【0087】
本発明の錠剤は、さらに製剤分野において慣用の添加剤を含有していてもよい。該添加剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、着色剤、pH調整剤、界面活性剤、安定化剤、酸味料、香料、流動化剤、滑沢剤、コーティング基剤、コーティング添加剤などが挙げられる。これら添加剤は、特に述べない限り、製剤分野において慣用の量が用いられる。
【0088】
賦形剤の好適な例としては、マンニトール;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギデンプン、コメデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、有孔デンプン等のデンプン類;無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。なかでも、マンニトールが好ましい。
本発明の錠剤において、賦形剤は、本発明の錠剤1錠中、好ましくは約20〜約60重量%、さらに好ましくは約30〜約50重量%の含量となる量が用いられる。
【0089】
結合剤の好適な例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、アラビアゴムなどが挙げられる。
【0090】
崩壊剤の好適な例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。
【0091】
着色剤の好適な例としては、食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号などの食用色素、食用レーキ色素、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる。
pH調整剤の好適な例としては、クエン酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、アミノ酸塩などが挙げられる。
界面活性剤の好適な例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールなどが挙げられる。
安定化剤の好適な例としては、トコフェロール、エデト酸四ナトリウム、ニコチン酸アミド、シクロデキストリン類などが挙げられる。
酸味料の好適な例としては、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。
香料の好適な例としては、メントール、ハッカ油、レモン油、バニリンなどが挙げられる。
【0092】
流動化剤の好適な例としては、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、タルクなどが挙げられる。なかでも、軽質無水ケイ酸が好ましい。
流動化剤は、本発明の錠剤1錠中、好ましくは約0.1〜約1重量%、さらに好ましくは約0.2〜約0.5重量%の含量となる量が用いられる。
【0093】
滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、蔗糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。なかでも、ステアリン酸マグネシウムが好ましい。
滑沢剤は、本発明の錠剤1錠中、好ましくは約0.1〜約5重量%、さらに好ましくは約1〜約3重量%の含量となる量が用いられる。
【0094】
コーティング基剤の好適な例としては、糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤、徐放性フィルムコーティング基剤などが挙げられる。
糖衣基剤としては、白糖が用いられ、さらに、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナバロウなどから選ばれる1種または2種以上を併用してもよい。
水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例、ヒプロメロース2910(信越化学))、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE(例、オイドラギットE(商品名))、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プルランなどの多糖類などが挙げられる。
腸溶性フィルムコーティング基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL(例、オイドラギットL(商品名))、メタアクリル酸コポリマーLD(例、オイドラギットL−30D55(商品名))、メタアクリル酸コポリマーS(例、オイドラギットS(商品名))などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物などが挙げられる。
徐放性フィルムコーティング基剤としては、例えば、エチルセルロースなどのセルロース系高分子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS(例、オイドラギットRS(商品名))、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体懸濁液(例、オイドラギットNE(商品名))などのアクリル酸系高分子などが挙げられる。
コーティング添加剤の好適な例としては、酸化チタンなどの遮光剤;タルクなどの流動化剤;三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄などの着色剤;ポリエチレングリコール(例、マクロゴール6000)、クエン酸トリエチル、ヒマシ油、ポリソルベート類などの可塑剤;クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸などの有機酸などが挙げられる。
上記添加剤は、2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
【0095】
本発明の錠剤の好適な具体例としては、以下が挙げられる:
(錠剤A)
以下の(i)〜(iii)を含む錠剤:
(i)化合物(A)(好ましくは、化合物(A)の塩酸塩、より好ましくは化合物(A)の一塩酸塩)、
(ii)錠剤中(1錠剤の重量あたり)、30重量%以上の結晶セルロース、および
(iii)錠剤中(1錠剤の重量あたり)、5重量%以上の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース。
(錠剤B)
以下の(i)〜(iii)を含む錠剤:
(i)化合物(A)(好ましくは、化合物(A)の塩酸塩、より好ましくは化合物(A)の一塩酸塩)、
(ii)錠剤中(1錠剤の重量あたり)、30〜50重量%の結晶セルロース、および
(iii)錠剤中(1錠剤の重量あたり)、5〜20重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース。
(錠剤C)
以下の(i)〜(iii)を含む錠剤:
(i)錠剤中(1錠剤の重量あたり)、1.5〜25重量%の化合物(A)(好ましくは、化合物(A)の塩酸塩、より好ましくは化合物(A)の一塩酸塩)、
(ii)錠剤中(1錠剤の重量あたり)、30〜50重量%の結晶セルロース、および
(iii)錠剤中(1錠剤の重量あたり)、5〜20重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース。
(錠剤D)
以下の(i)〜(iii)を含む錠剤:
(i)錠剤中(1錠剤の重量あたり)、1.5〜25重量%の化合物(A)(好ましくは、化合物(A)の塩酸塩、より好ましくは化合物(A)の一塩酸塩)、
(ii)錠剤中(1錠剤の重量あたり)、30〜40重量%の結晶セルロース、および
(iii)錠剤中(1錠剤の重量あたり)、7〜9重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース。
【0096】
本発明の錠剤は、服用性、製剤強度などの観点から、フィルムコーティングされていてもよい。フィルムコーティングに用いられる、コーティング基剤およびコーティング添加剤の好適な例としては、前記本発明の錠剤に用いられるのと同様のものが挙げられる。
本発明の錠剤がフィルムコーティングされる場合、フィルムコーティング層は、該コーティング前の本発明の錠剤(裸錠)100重量部に対して、通常、1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部の割合で形成される。
【0097】
本発明の錠剤は、化合物(I)またはその塩、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、および必要に応じてその他の添加剤を造粒、混合し、ついで混合物を打錠することによって製造することができる。
本発明の錠剤の製造工程において、造粒、混合、打錠、コーティングなどの操作は、製剤技術分野において慣用の方法にしたがって行われる。
造粒は、例えば、高速攪拌造粒機、流動層造粒乾燥機、押し出し造粒機、ローラーコンパクターなどの造粒機を用いて行われる。混合は、例えば、V型混合機、タンブラー混合機などの混合機を用いて行われる。
打錠(パンチング)は、例えば、単発錠剤機、ロータリー式打錠機などを用いて行われる。
単発錠剤機、ロータリー式打錠機などを用いる際には、通常1〜45kN/cm
2(好ましくは5〜40kN/cm
2)の打錠圧を採用することが好ましく、さらに、キャッピング防止を目的として、テーパー形状の臼を用いることが好ましい。
コーティングは、例えば、フィルムコーティング装置などを用いて行われる。
【0098】
本発明の錠剤は、硬度が約50〜約200Nである錠剤であることが好ましい。
【0099】
本発明の錠剤は、服用性、製剤強度などの観点から、フィルムコーティングされていることが好ましい。また上記錠剤を、カプセル(例、ゼラチンカプセル)に充填することによってカプセル剤としてもよい。
【0100】
また、本発明の錠剤には、識別性のための刻印あるいは文字を印刷してあってもよく、分割用の割線を付してあってもよい。
【0101】
本発明の錠剤は、哺乳動物(例、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、サル、ヒト)に対して、経口的に安全に投与することができる。
【0102】
また、本発明において、医薬活性成分として化合物(I)を含む錠剤は、レニン−アンジオテンシン系(RA系)に起因する各種の疾患の安全な予防または治療剤として有用である。
RA系に起因する各種の疾患としては、例えば、高血圧症(例、本態性高血圧症、腎血管性高血圧症、腎実質性高血圧症、原発性アルドステロン症、クッシング症候群)、血圧日内変動異常、心疾患(例、心肥大、急性心不全、うっ血性を含む慢性心不全、拡張不全、心筋症、狭心症、心筋炎、心房細動、不整脈、頻脈、心筋梗塞)、脳血管障害(例、無症候性脳血管障害、一過性脳虚血発作、脳血管性痴呆、高血圧性脳症、脳梗塞)、脳浮腫、脳循環障害、脳血管障害の再発および後遺症(例、神経症候、精神症候、自覚症状、日常生活動作障害)、虚血性末梢循環障害、心筋虚血、静脈機能不全、心筋梗塞後の心不全進行、腎疾患(例、腎炎、糸球体腎炎、糸球体硬化症、腎不全、ネフローゼ症候群、血栓性微小血管症、透析の合併症、放射線照射による腎症を含む臓器障害)、アテローム性を含む動脈硬化症(例、動脈瘤、冠動脈硬化症、脳動脈硬化症、末梢動脈硬化症)、血管肥厚、インターベンション(例、経皮的冠動脈形成術、ステント留置、冠動脈内視鏡、血管内超音波、冠注血栓溶解療法)後の血管肥厚または閉塞および臓器障害、バイパス手術後の血管再閉塞・再狭窄、移植後の赤血球増加症・高血圧・臓器障害・血管肥厚、移植後の拒絶反応、眼疾患(例、緑内障、高眼圧症)、血栓症、多臓器不全、内皮機能障害、高血圧性耳鳴り、その他の循環器系疾患(例、深部静脈血栓症、閉塞性末梢循環障害、閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓性血管炎、虚血性脳循環障害、レイノー病、バージャー病)、代謝・栄養障害(例、糖尿病、耐糖能異常、インスリン抵抗性、高インスリン血症、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、肥満症、高脂血症、高コレステロール血症、高尿酸血症、高カリウム血症、高ナトリウム血症)、代謝症候群、非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholic steatohepatitis, NASH)、非アルコール性脂肪性肝疾患 (nonalcoholic fatty liver disease, NAFLD)、神経変性疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、クロイツフェルト−ヤコブ病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、エイズ脳症)、中枢神経障害(例、脳出血および脳梗塞等の障害およびその後遺症・合併症、頭部外傷、脊椎損傷、脳浮腫、知覚機能障害、知覚機能異常、自律神経機能障害、自律神経機能異常)、認知症、偏頭痛、記憶障害、意識障害、健忘症、不安症状、緊張症状、不快精神状態、睡眠障害、不眠症、精神疾患(例、うつ病、てんかん、アルコール依存症)、炎症性疾患(例、慢性関節リウマチ、変形性関節炎、リウマチ様脊髄炎、骨膜炎等の関節炎;手術・外傷後の炎症;腫脹の緩解;咽頭炎;膀胱炎;肺炎;アトピー性皮膚炎;クローン病、潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患;髄膜炎;炎症性眼疾患;肺炎、珪肺、肺サルコイドーシス、肺結核等の炎症性肺疾患)、アレルギー疾患(例、アレルギー性鼻炎、結膜炎、消化管アレルギー、花粉症、アナフィラキシー)、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、カリニ肺炎、膠原病(例、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発動脈炎)、肝臓疾患(例、慢性を含む肝炎、肝硬変)、門脈圧亢進症、消化器疾患(例、胃炎、胃潰瘍、胃癌、胃手術後障害、消化不良、食道潰瘍、膵炎、大腸ポリープ、胆石症、痔疾患、食道や胃の静脈瘤破裂)、血液・造血器疾患(例、赤血球増加症、血管性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、播種性血管内凝固症候群、多発性骨髄症)、骨疾患(例、骨折、再骨折、骨粗鬆症、骨軟化症、骨ページェット病、硬直性脊髄炎、慢性関節リウマチ、変形性膝関節炎およびそれらの類似疾患における関節組織の破壊)、固形腫瘍、腫瘍(例、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、消化器(例、胃、腸)癌)、癌およびそれに伴う悪液質、癌の転移、内分泌疾患(例、アジソン病、褐色細胞腫)、泌尿器・男性性器疾患(例、膀胱炎、前立腺肥大症、前立腺癌、性感染症)、婦人科疾患(例、更年期障害、妊娠中毒、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣疾患、乳腺疾患、性感染症)、環境・職業性因子による疾患(例、放射線障害、紫外線・赤外線・レーザー光線による障害、高山病)、呼吸器疾患(例、かぜ症候群、肺炎、喘息、肺高血圧症、肺血栓・肺塞栓)、感染症(例、サイトメガロウイルス、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス等のウイルス感染症、リケッチア感染症、細菌感染症)、毒血症(例、敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性敗血症、トキシンショック症候群)、耳鼻咽喉疾患(例、メヌエル症候群、耳鳴り、味覚障害、めまい、平衡障害、嚥下障害)、皮膚疾患(例、ケロイド、血管腫、乾癬)、眼疾患(例、白内障、緑内障)、透析低血圧、重症筋無力症、慢性疲労症候群等の全身疾患等が挙げられる。
RA系に起因する各種の疾患としては、循環器系疾患、高血圧に起因する各種臓器障害等も含まれる。
循環器系疾患としては、例えば、高血圧症、血圧日内変動異常、心疾患、脳血管障害、脳浮腫、脳循環障害、脳血管障害の再発および後遺症、虚血性末梢循環障害、心筋虚血、静脈機能不全、心筋梗塞後の心不全進行、腎疾患、アテローム性を含む動脈硬化症、血管肥厚、インターベンション後の血管肥厚または閉塞および臓器障害、バイパス手術後の血管再閉塞・再狭窄、移植後の高血圧・臓器障害・血管肥厚、血栓症、多臓器不全、内皮機能障害、高血圧性耳鳴り、偏頭痛、血液・造血器疾患、透析低血圧等が含まれる。
高血圧症に起因する各種臓器障害としては、例えば、心疾患、脳疾患、腎疾患、多臓器不全等が含まれる。
【0103】
具体例として、化合物(I)の有効量は、例えば、成人(体重60kg)1人あたり、通常、化合物(I)(フリー体)として、0.01〜1000mg/日、好ましくは1〜500mg/日、より好ましくは5〜250mg/日、さらにより好ましくは5〜100mg/日である。また、医薬活性成分として化合物(I)を含む錠剤の前記哺乳動物への1日あたりの投与回数は、好ましくは1日あたり1〜3回である。
【0104】
医薬活性成分として化合物(I)を含む錠剤の特に好ましい具体例としては、
「1錠あたり、化合物(A)(フリー体)として5mgを含有する錠剤」;
「1錠あたり、化合物(A)(フリー体)として10mgを含有する錠剤」;
「1錠あたり、化合物(A)(フリー体)として20mgを含有する錠剤」;
「1錠あたり、化合物(A)(フリー体)として40mgを含有する錠剤」;および
「1錠あたり、化合物(A)(フリー体)として50mgを含有する錠剤」;
が挙げられる。
【0105】
本発明の錠剤は、1以上の別の種類の薬剤(以下、併用薬剤と略記することがある)と組み合わせて用いることができる。
【0106】
併用薬剤の具体例としては、以下が挙げられる:
(1)降圧剤
アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、アラセプリル、塩酸デラプリル、塩酸イミダプリル、塩酸キナプリル、シラザプリル、塩酸テモカプリル、トランドラプリル、塩酸ベナゼプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ラミプリル)、アンジオテンシンII拮抗剤(例、カンデサルタン シレキセチル、カンデサルタン、ロサルタン、ロサルタン カリウム、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン、オルメサルタン、オルメサルタン メドキソミル、アジルサルタン、アジルサルタン メドキソミル)、アルドステロン受容体拮抗薬(スピロノラクトン、エプレレノン)、カルシウム拮抗剤(例、塩酸ベラパミル、塩酸ジルチアゼム、ニフェジピン、ベシル酸アムロジピン、アゼルニジピン、アラニジピン、塩酸エホニジピン、シルニジピン、塩酸ニカルジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニルバジピン、塩酸バルニジピン、フェロジピン、塩酸ベニジピン、塩酸マニジピン)、βブロッカー(例、酒石酸メトプロロール、アテノロール、塩酸プロプラノロール、フマル酸ビソプロロール)、αβブロッカー(例、カルベジロール)、クロニジン、利尿剤(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチアジド、ポリ5チアジド、メチクロチアジド、アセタゾラミド、トリパミド、メチクラン、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド)等。
(2)抗血栓剤
血液凝固阻止薬(例、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ワルファリンカルシウム(例、ワーファリン)、抗トロンビン薬(例、アルガトロバン、ダビガトラン)、活性化血液凝固第Xa因子阻害薬ならびに凝固線溶系のバランス是正機能を有する薬剤(例、リバロキサバン、アピキサバン、エドキサバン、YM-150、WO02/06234、WO2004/048363、WO2005/030740、WO2005/058823、WO2005/113504またはWO2004/048363に記載の化合物))、血栓溶解薬(例、tPA、ウロキナーゼ(urokinase)、チソキナーゼ(tisokinase)、アルテプラーゼ(alteplase)、ナテプラーゼ(nateplase)、モンテプラーゼ(monteplase)、パミテプラーゼ(pamiteplase))、抗血小板薬(例、アスピリン、スルフィンピラゾン(アンツーラン)、ジピリダモール(ペルサンチン)、塩酸チクロピジン(パナルジン)、シロスタゾール(プレタール)、GPIIb/IIIa拮抗薬(例、レオプロ等)、クロピドグレル、プラスグレル(prasugrel)、チカグレロール(ticagrelor)、E5555、SHC530348、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム(beraprost sodium)、塩酸サルポグレラート(sarpogrelate hydrochloride))等。
(3)糖尿病治療剤
インスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌、イーストを用い遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤;インスリン亜鉛;プロタミンインスリン亜鉛;インスリンのフラグメントまたは誘導体(例、INS-1)、経口インスリン製剤)、インスリン抵抗性改善剤(例、ピオグリタゾンまたはその塩(好ましくは、塩酸塩)、ロシグリタゾンまたはその塩(好ましくは、マレイン酸塩)、メタグリダセン(Metaglidasen)、AMG-131、バラグリタゾン(Balaglitazone)、MBX-2044、リボグリタゾン(Rivoglitazone)、アレグリタザール(Aleglitazar)、チグリタザール(Chiglitazar)、ロベグリタゾン(Lobeglitazone)、PLX-204、PN-2034、GFT-505、THR-0921、WO2007/013694、WO2007/018314、WO2008/093639またはWO2008/099794記載の化合物)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート)、ビグアナイド剤(例、フェンホルミン、メトホルミン、ブホルミンまたはそれらの塩(例、塩酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩)等)、インスリン分泌促進剤(例、スルホニルウレア剤(例、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド、グリピザイド、グリブゾール)、レパグリニド、ナテグリニド、ミチグリニドまたはそのカルシウム塩水和物)、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(例、アログリプチン(Alogliptin)またはその塩(好ましくは、安息香酸塩)、ヴィルダグリプチン(Vildagliptin)、シタグリプチン(Sitagliptin)、サクサグリプチン(Saxagliptin)、BI1356、GRC8200、MP-513、PF-00734200、PHX1149、SK-0403、ALS2-0426、TA-6666、TS-021、KRP-104、2-[[6-[(3R)-3-アミノ-1-ピペリジニル]-3,4-ジヒドロ-3-メチル-2,4-ジオキソ-1(2H)-ピリミジニル]メチル]-4-フルオロベンゾニトリルまたはその塩)、β3アゴニスト(例、N-5984)、GPR40アゴニスト(例、WO2004/041266、WO2004/106276、WO2005/063729、WO2005/063725、WO2005/087710、WO2005/095338、WO2007/013689またはWO2008/001931記載の化合物)、GLP-1受容体アゴニスト(例、GLP-1、GLP-1MR剤、リラグルチド(Liraglutide)、エキセナチド(Exenatide)、AVE-0010、BIM-51077、Aib(8,35)hGLP-1(7,37)NH
2、CJC-1131、アルビグチド(Albiglutide)、アミリンアゴニスト(例、プラムリンチド)、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸ナトリウム)、糖新生阻害剤(例、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース-6-ホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤、FBPase阻害薬)、SGLT2(sodium-glucose cotransporter2)阻害剤(例、Depagliflozin、AVE2268、TS-033、YM543、TA-7284、Remogliflozin、ASP1941)、SGLT1阻害薬、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬(例、BVT-3498、INCB-13739)、アジポネクチンまたはその作動薬、IKK阻害薬(例、AS-2868)、レプチン抵抗性改善薬、ソマトスタチン受容体作動薬、グルコキナーゼ活性化薬(例、Piragliatin、AZD1656、AZD6370、TTP-355、WO2006/112549、WO2007/028135、WO2008/047821、WO2008/050821、WO2008/136428またはWO2008/156757記載の化合物)、GIP(Glucose-dependent insulinotropic peptide)、GPR119アゴニスト(例、PSN821)、FGF21、FGFアナログ等。
【0107】
(4)糖尿病性合併症治療剤
アルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタット、ゾポルレスタット、フィダレスタット、CT-112、ラニレスタット(AS-3201)、リドレスタット)、神経栄養因子およびその増加薬(例、NGF、NT-3、BDNF、WO01/14372に記載のニューロトロフィン産生・分泌促進剤(例、4-(4-クロロフェニル)-2-(2-メチル-1-イミダゾリル)-5-[3-(2-メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾール)、WO2004/039365記載の化合物)、PKC阻害剤(例、ルボキシスタウリン メシレート(ruboxistaurin mesylate))、AGE阻害剤(例、ALT946、N-フェナシルチアゾリウム ブロマイド(ALT766)、EXO-226、ピリドリン(Pyridorin)、ピリドキサミン)、GABA受容体作動薬(例、ギャバペンチン、プレギャバリン)、セロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬(例、デュロキセチン)、ナトリウムチャンネル阻害薬(例、ラコサミド)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸)、脳血管拡張剤(例、チアプリド、メキシレチン)、ソマトスタチン受容体作動薬(例、BIM23190)、アポトーシスシグナルレギュレーティングキナーゼ−1(ASK-1)阻害薬等。
【0108】
(5)抗高脂血症剤
HMG-CoA還元酵素阻害剤(例、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチンまたはそれらの塩(例、ナトリウム塩、カルシウム塩))、スクアレン合成酵素阻害剤(例、WO97/10224号に記載の化合物(例、N-[[(3R,5S)-1-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イル]アセチル]ピペリジン-4-酢酸))、フィブラート系化合物(例、ベザフィブラート、クロフィブラート、シムフィブラート、クリノフィブラート)、陰イオン交換樹脂(例、コレスチラミン)、プロブコール、ニコチン酸系薬剤(例、ニコモール(nicomol)、ニセリトロール(niceritrol)、ナイアスパン(niaspan))、イコサペント酸エチル、植物ステロール(例、ソイステロール(soysterol)、ガンマオリザノール(γ-oryzanol))、コレステロール吸収阻害剤 (例、ゼチア)、CETP阻害剤(例、ダルセトラピブ(dalcetrapib)、アナセトラピブ(anacetrapib))、ω-3脂肪酸製剤(例、ω-3-acid ethyl esters 90)等。
その他、骨疾患治療薬、心筋保護薬、冠動脈疾患治療薬、慢性心不全治療薬、甲状腺機能低下治療薬、ネフローゼ症候群治療薬、慢性腎不全治療薬、腎性貧血治療剤(例、エリスロポエチン製剤、ペジネサタイド(peginesatide))、婦人科疾患治療薬または感染症治療薬を含む他の医薬成分等と共に使用できる。
さらに、併用薬剤は、抗体医薬または核酸医薬であってもよい。
さらに、本発明の製剤は、遺伝子治療とともに使用することもできる。
【0109】
本発明の錠剤と併用薬剤とを組み合わせて用いる場合、これらの投与時期は限定されず、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。
また、投与対象に対して、本発明の錠剤と併用薬剤とを別々の製剤として投与してもよいし、本発明の錠剤と併用薬剤とを含む単一の製剤として投与してもよい。
【0110】
併用薬剤の投与量は、各薬剤の臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明の錠剤と併用薬剤の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明の錠剤1重量部に対し、併用薬剤を0.01ないし100重量部用いればよい。
このように、併用薬剤を用いることにより、
1)本発明の錠剤または併用薬剤の作用の増強効果(薬剤作用の相乗効果)、
2)本発明の錠剤または併用薬剤の投与量の低減効果(単独投与時と比較した場合の薬剤投与量の低減効果)、3)本発明の錠剤または併用薬剤の二次的な作用の低減効果などの優れた効果が得られる。
【0111】
以下に、実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、製剤添加物としては、日本薬局方第16改正、日本薬局方外医薬品規格または医薬品添加物規格2003の収載品を用いた。