【実施例】
【0027】
以下、実施例及び比較例について説明する。
【0028】
以下の試験では、下記(1)〜(3)の洗浄剤と、スラリーと、下記(a)〜(d)の添加剤とを用いた。
(1) EDTA−4Na・4H
2O
(2) L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸四ナトリウム
(3) EDTA
スラリー:転炉集塵水シックナー引き抜き後の鉄を主体としたスラリー(SS濃度:25w/v%)
(a) トリエタノールアミン
(b) ヒドロキシエチルイミノ二酢酸二ナトリウム
(c) N−メチル−ジエタノールアミン
【0029】
[洗浄剤を添加したスラリーの濾布に対する影響試験]
下記方法により洗浄剤を添加したスラリーの濾布に対する影響を試験した。
【0030】
実施例1
洗浄剤(1)及び添加剤(a)をそれぞれ濃度10wt%となるように上記スラリーに添加して洗浄液とした。
【0031】
比較例1
洗浄剤(
2)及び添加剤(
a)をそれぞれ濃度10wt%となるように上記スラリーに添加して洗浄液とした。
【0032】
比較例2
洗浄剤(2)及び添加剤(b)をそれぞれ濃度10wt%となるように上記スラリーに添加して洗浄液とした。
【0033】
比較例3(添加剤無添加)
洗浄剤(1)のみを濃度10wt%となるように上記スラリーに添加して洗浄液とした。
【0034】
比較例4(添加剤無添加)
洗浄剤(2)のみを濃度10wt%となるように上記スラリーに添加して洗浄液とした。
【0035】
比較例5(純水のみ)
洗浄剤、添加剤及びスラリーをいずれも使用せず、純水のみを用いた。
【0036】
実施例2
洗浄剤(3)及び添加剤(a)をそれぞれ濃度10wt%となるように上記スラリーに添加して洗浄液とした。
【0037】
実施例3
洗浄剤(1)及び添加剤(c)をそれぞれ濃度10wt%となるように上記スラリーに添加して洗浄液とした。
【0038】
試験方法は次の通りである。
i) 洗浄液100gを100mLビーカーに投入する。(比較例5では純水100gのみを投入する。)
ii) この液を18時間撹拌する。
iii) 新品の濾布を用いて、撹拌後の液の減圧濾過時間を測定する。
【0039】
減圧濾過時間の測定結果を表1に示す。
【0040】
[濾板に付着したスケールの溶解試験]
上記実施例1〜3、比較例1〜5の液を用いて(ただし比較例5は純水のみ)使用済み濾板を洗浄し、洗浄効果を観察した。
【0041】
洗浄方法は次の通りである。
1) 上記各洗浄液100gを100mLビーカーに投入する。(比較例5では純水100gのみを投入する。)
2) スケールが付着した濾板を105℃で2時間乾燥させ、乾燥スケールが0.5g付着したテストピースとする。
3) 各テストピースをスケールが全浸漬状態となるように1)のビーカー内に固定し、18時間撹拌する。
4) 撹拌後、テストピースを取り出し、105℃で2時間乾燥させる。
5) 乾燥後、テストピースの重量を測定し、スケールの重量溶解率(wt%)を計算する。
【0042】
結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
表1より明らかな通り、EDTA又はその塩、懸濁物質およびアルカノールアミンを含んだ洗浄液により、濾布を詰まらせることなくフィルタープレスの濾布および濾板全体を洗浄することができる。