(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記直管の内側に一体的に設けられた部位として、前記レール部の下方において前記直管内壁から前記基台部に向かって突出して前記直管の軸方向に沿って形成された突起部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
前記直管の内側に一体的に設けられた部位として、前記直管内壁から前記下方突出端部の先端に向かって突出して前記直管の軸方向に沿って形成された突起部をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
前記直管は、その内側に一体的に設けられ前記直管の軸方向に沿って形成された部位として、前記直管の他側の支持部から延設されて直管内壁に接続した台座補強部を備えていることを特徴とする請求項8に記載の発光装置。
前記直管は、その内側に一体的に設けられ前記直管の軸方向に沿って形成された部位として、前記基台部から延設されて直管内壁に接続した基台補強部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の発光装置。
樹脂成型品からなる直管の内部に、光源が接合された配線基板であって前記直管の軸方向に長い基板と、前記基板を前記直管に固定するための固定具と、を備える発光装置において、前記基板を前記直管に固定する方法であって、
前記直管の内側に一体的に設けられ前記直管の軸方向に沿って形成された台座部の上に前記基板を載置する第1工程と、
前記台座部の上に載置された基板の長手方向に沿った両端側をそれぞれ支持する一側の支持部および他側の支持部のうち少なくとも一方の側に形成されたレール部に対して、前記直管の一方の開口の側から前記固定具を摺動させ、前記固定具により当該レール部側にある前記支持部に前記基板を押さえ付けさせる第2工程と、を有することを特徴とする発光装置の基板固定方法。
前記第2工程では、前記直管の一方の開口の側にて前記固定具によって前記レール部と共に前記基板を挟持させた状態で所定の治具を用いて前記固定具を摺動させることを特徴とする請求項13に記載の発光装置の基板固定方法。
前記第2工程では、所定の形状に屈曲した前記固定具を前記基板から離した状態にて前記レール部に対して摺動させ、前記固定具を所定の位置まで移動させた後、治具を用いて前記固定具を前記支持部側に寄せて前記固定具によって前記基板を押さえ付けさせることを特徴とする請求項13に記載の発光装置の基板固定方法。
前記第2工程では、所定の形状に屈曲した前記固定具の一方の端部を前記基板の上面から離した状態にて前記固定具を前記レール部に対して摺動させ、前記固定具を所定の位置まで移動させた後、治具を用いて前記固定具の他方の端部の側から前記支持部側に寄せて前記固定具の一方の端部を前記基板の上面に押し付けて変形させ、前記固定具によって前記基板を押さえ付けさせることを特徴とする請求項13に記載の発光装置の基板固定方法。
前記第1工程では、前記台座部の上に載置された基板を前記レール部と共に支持する部位であって前記基板が挿入されたときに前記基板の移動方向を基板の長手方向に規制する規制部に前記基板を挿入して前記台座部の上に前記基板を載置することを特徴とする請求項13から請求項16のいずれか一項に記載の発光装置の基板固定方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る発光装置を実施するための形態を、いくつかの具体例を示した図面と共に詳細に説明する。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については、原則として同一もしくは同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略する。
【0012】
(第1実施形態)
[発光装置の構造の概要]
本発明の第1実施形態に係る発光装置1の構造の概要について説明する。
図1に示すように、発光装置1は、樹脂成型品からなる直管2を備える。発光装置1は、直管2の内部に、光源31が接合された基板30と、基板30を直管2に固定するための固定具60とを備えている。直管2の軸方向の一端には給電側キャップ40が嵌合され、他端には接地側キャップ50が嵌合されている。
【0013】
基板(配線基板)30は、光源31が接合された配線基板であって、直管の軸方向に長く形成されている。本実施形態では配線基板は、フレキシブル配線基板であるものとする。
図1に示すように、基板30は、配線基板の上に、一列に所定の間隔で複数の光源31を備えている。
【0014】
光源31は、
図2に示すように、発光素子32と、封止樹脂(好ましくは蛍光体含有樹脂)33とを備える。
発光素子32は、半導体発光素子であって、例えばLEDからなる。
封止樹脂33は、発光素子32を被覆するようにドーム状に形成されている。基板30の一端には接続回路34が設けられている。
接続回路34は、給電側キャップ40の給電端子と配線基板上の配線(不図示)とを接続するものである。接続回路34は、商用電源(交流電圧)を直流電圧に変換する回路を備えている。
【0015】
図2に示すように、給電側キャップ40は、発光装置1の一方の口金であって、例えば樹脂で形成された絶縁本体部と、L字状の2つの給電端子とを備えている。これら給電端子には、発光装置1を装着する装着器具や照明器具から商用電源が給電される。
接地側キャップ50は、発光装置1の他方の口金であって、例えば樹脂で形成された絶縁本体部と、1つの接地端子(不図示)とを備えている。
なお、給電側キャップ40および接地側キャップ50の形状は規格で定められている。
【0016】
図2において破線で囲んだ領域20を直管2の開口から見た側面図を
図3に示す。
図3に示すように、直管2は、その内側に一体的に設けられ直管の軸方向に沿って形成された部位として、台座部3と、基台部4と、一側の支持部5と、他側の支持部6と、基台補強部7と、台座補強部8と、規制部9と、レール部10とを有する。
【0017】
台座部3は、基板30を上に載置する。
基台部4は、台座部3の下方から直管内壁21に接続して当該台座部3を支持する。
一側の支持部5は、台座部3の上に載置される基板30の長手方向に沿った両端側のうちの一方を支持し、他側の支持部6は他方を支持する。
第1実施形態では、直管2は、支持部5の側にレール部10を備え、支持部6の側に規制部9を備えている。
基台補強部7は、基台部4からレール部10の側に延設されて直管内壁21に接続して当該基台部4を支持する。
台座補強部8は、台座部3から規制部9の側に延設されて直管内壁21に接続して当該台座部3を支持する。
規制部9は、基板30が挿入されたときに基板30の移動方向を基板30の長手方向に規制する。
【0018】
レール部10は、固定具60が直管の軸方向に沿って摺動し且つ基板30を挟持可能に構成されている。
第1実施形態では、レール部10は、第1レール部10Aと、第2レール部11とを備えている。
第1レール部10Aは、支持部5の端部から上方に突出し直管2の軸方向に沿って形成されている。
第2レール部11は、基台部4から延出されて第1レール部10Aの下側に所定間隔をあけて直管の軸方向に沿って形成されている。
【0019】
図3に示すように、一側の支持部5、台座部3および他側の支持部6の合計の幅は、基板30の幅と同じか若干大きく形成されている。言い換えると、基板30の幅は、規制部9と第1レール部10Aとの間の幅と同じか若干小さく形成されている。
【0020】
固定具60は第1レール部10Aおよび第2レール部11を直管の軸方向に沿って摺動する。固定具60は基板30を挟持して第1レール部10Aおよび第2レール部11を摺動する。固定具60は、
図2および
図4に示すように、接触部61と、第1狭持部62と、第2狭持部63と、連結部64と、を備えている。
接触部61は、基板30の上面の端部に接触する。
第1狭持部62は、接触部61に連続して第1レール部10Aを左右方向に挟むように形成されている。第2狭持部63は、第2レール部11を上下方向に挟むように形成されている。
連結部64は、第1狭持部62と第2狭持部63とを連結する。
固定具60の長さは、例えば25〜50mmである。直管2の長さが例えば1198mmの場合、固定具60を、3〜4個用いることが好ましい。3個の固定具60を用いる場合、直管2の両端とその中間とに配設する。
【0021】
[発光装置の構成部材の詳細]
以下、
図1および
図2に示す発光装置1における各構成部材について詳述する。
(直管2)
直管2の材料は、樹脂であり、熱を加えると変形して加工が容易な熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、液晶ポリマー、ポリフタルアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリカーボネート等を挙げることができる。中でも透明性、強度、耐熱性が高いものが好ましく、例えばポリカーボネート等を用いることができる。また、直管2は、押出成型法により成型されることが、簡便で、製造コストを低減することができ、好ましい。
【0022】
(基板30)
配線基板の材料は、一般的な基板材料である。例えば、プリント配線したガラスエポキシ基板やBTレジン基板、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミック基板、銅、アルミニウム又はこれらの合金などの金属基板等を用いることができる。また、基板30は、曲げたり撓ませたりすることのできるフレキシブル配線基板が好ましい。フレキシブル配線基板は、例えばポリイミドフィルムに金属箔が積層されてなる。
【0023】
(光源31)
発光装置1において、台座部3がヒートシンクとして機能するため、また、省電力の観点から、発光装置1のすべての光源31の合計の定格消費電力は40W以下であることが好ましい。
【0024】
(発光素子32)
発光素子32としては、具体的には発光ダイオードを用いるのが好ましく、用途に応じて任意の波長のものを選択することができる。例えば、青色(波長430nm〜490nmの光)の発光素子としては、窒化物系半導体(In
XAl
YGa
1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等を用いることができる。発光素子32は、接合部材(不図示)によって基板30に接合されている。その接合方法としては、例えば接合部材として樹脂や半田ペースト、金バンプなどを用いる接合方法を用いることができる。
【0025】
(封止樹脂33)
封止樹脂33は、基板30に配置された発光素子32を、塵芥、水分、外力等から保護する。封止樹脂33の材料としては、発光素子32からの光を透過可能な透光性を有するものが好ましい。具体的な材料としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等を挙げることができる。また、このような材料に、所望に応じて着色剤、光拡散剤、フィラー等を含有させることもできる。また、封止樹脂33は、蛍光体を含有させてもよい。
【0026】
蛍光体は、発光素子32からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する。例えば青色LEDの発光する青色光を吸収して黄色光を発光する黄色蛍光体を封止樹脂に含有させてもよい。これにより、青色LEDからの青色光と、波長変換された黄色光とが混ざって白色光が得られる。また、例えば青色LEDの発光する青色光を吸収して緑色光を発光する緑色蛍光体と、青色光を吸収して赤色光を発光する赤色蛍光体とを封止樹脂に含有させることができる。これにより、青色LEDからの青色光と、波長変換された緑色光および赤色光とが混ざって、より演色性の高い白色が得られる。なお、緑色蛍光体に代えて黄色蛍光体を用いてもよい。
【0027】
緑色蛍光体としては、例えばクロロシリケートやBaSiO
4:Eu
2+を用いることができる。赤色蛍光体としては、例えば(Sr,Ca)AlSiN
3:EuやCaAlSiN
3:EuのようなCASN系蛍光体、またはSrAlSiN
3:Euを用いることができる。黄色蛍光体としては、例えば、イットリウム、アルミニウムおよびガーネットを混合したYAG系蛍光体を用いることができる。
【0028】
(固定具60)
固定具60は、基板30を固定するものである。固定具60の材料は、例えば金属や合金である。金属の場合、反射率が高く軽量のアルミニウム等の材料で構成することができる。合金の場合、強度や耐食性が高いステンレス鋼等の材料で構成することができる。例えば、ばね鋼材として使用されるSUS301等を用いることができる。なお、固定具60の材料は、樹脂であってもよい。
【0029】
[基板固定方法]
発光装置1において、基板30を直管2に固定する方法について
図5を参照(適宜
図1ないし
図4参照)して説明する。
基板固定方法は、第1工程と第2工程とに大別できる。
第1工程は、台座部3(
図3参照)の上に基板30を載置する工程である。発光装置1においては、第1工程では、作業者が、直管2の内部に基板30を挿入する。このとき、
図5(a)に示すように、規制部9に基板30を挿入して台座部3の上に基板30を載置する。
【0030】
第2工程は、レール部10に対して直管2の一方の開口の側から固定具60を摺動させ固定具60により基板30を挟持させる工程である。発光装置1においては、第2工程では、まず、作業者が、基板30が動かないように、例えば手で基板30の端を押さえながら、直管2の一方の開口の側にて、
図5(b)に示すように、直管2の内部に固定具60を挿入する。このとき、固定具60の第1狭持部62はレール部10を挟み、第2狭持部63は第2レール部11を挟み、接触部61は基板30の上面の端部に接触する。これにより、固定具60は、レール部10および第2レール部11と共に基板30を挟持する。
【0031】
そして、
図5(c)に示すように、固定具60によって基板30を挟持させた状態で、作業者が、基板30が動かないように、例えば手で基板30の端を押さえながら、治具100を用いて固定具60を直管2の軸方向に摺動させる。このときに治具100で固定具60の連結部64を正面から(直管2の開口側から)押すことが好ましい。治具100は、例えば金属の棒であり、その棒の先の大きさは連結部64と同程度であることが好ましい。作業者は、固定具60を所望の位置まで移動させることで基板30を固定し、治具100を戻す。作業者は、第2工程を固定具60の個数と同じ回数だけ繰り返す。
【0032】
具体的には、例えば3個の固定具60を用いる場合、基板30の撓みを少なくするために1番目の固定具60を直管2の中間に配設し、2番目の固定具60を直管2の一端に配設し、直管2の向きを変えて3番目の固定具60を直管2の他端に配設する。このときに用いる治具100は直管2の長さの1/2程度の長さを有していればよい。
【0033】
また、例えば4個の固定具60を用いる場合、1番目の固定具60を直管2の1/3の長さの位置に配設し、直管2の向きを変えて2番目の固定具60を直管2の1/3の長さの位置に配設する。その後、3番目の固定具60を直管2の他端に配設し、直管2の向きを変えて4番目の固定具60を直管2の一端に配設する。このときに用いる治具100は直管2の長さの1/3程度の長さを有していればよい。
【0034】
第1実施形態の発光装置1によれば、固定具60の第1狭持部62がレール部10を挟み、第2狭持部63が第2レール部11を挟み、接触部61が基板30の上面の端部に接触するので、固定具60によって、基板30を挟持して台座部3に固定することができる。また、固定具60が第1レール部10Aおよび第2レール部11を狭持するので、固定具60を挿入するときのガタを少なくすることができる。また、固定具60を摺動させるときに連結部64を押すことで固定具60のずれを少なくすることができる。さらに、発光装置1は、直管2が樹脂成型品からなり、基板30を上に載置する台座部3が直管2と一体に形成されているので、製造コストを低減することができる。
【0035】
直管2の開口から見たレール部の形状や固定具の形状は
図3に示す形状に限定されるものではなく、様々な変形が可能であり、同様に固定具も様々な変形が可能である。これらレール部と固定具との組み合わせの一例を第2〜第4実施形態として以下に説明する。
【0036】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る発光装置は、外観が第1実施形態と同様なので全体斜視図および分解斜視図を省略する。第2実施形態に係る発光装置は、
図6に示す固定具70を備える。また、第2実施形態において
図2の破線で囲んだ領域20に相当する領域を直管2Bの開口から見た側面図を
図7に示す。
図7に示すように発光装置1B(1)は、レール部10(10B,12)および固定具70の組み合わせを備えている。以下では、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0037】
第2実施形態では、レール部10は、第1レール部10Bと、第2レール部12とを備えている。
第1レール部10Bは、支持部5の端部から上方に突出し直管2Bの軸方向に沿って形成されている。
第2レール部12は、支持部5の下面に直管2Bの軸方向に沿って溝状に形成されている。
【0038】
図7に示すように、一側の支持部5、台座部3および他側の支持部6の合計の幅は、基板30の幅と同じか若干大きく形成されている。言い換えると、基板30の幅は、規制部9と第1レール部10Bとの間の幅と同じか若干小さく形成されている。
【0039】
固定具70は第1レール部10Bおよび第2レール部12を直管2Bの軸方向に沿って摺動する。固定具70は基板30を挟持して第1レール部10Bおよび第2レール部12を摺動する。
図6(a)および
図6(b)に示すように、固定具70は、接触部71と、狭持部72と、屈曲部73と、を備えている。
接触部71は、基板30の上面の端部に接触する。
狭持部72は、接触部71に連続して第1レール部10Bの端部を挟むように形成されている。
屈曲部73は、狭持部72に連続して第2レール部12の溝形状に合わせて屈曲されている。なお、固定具70の材料は、固定具60と同様である。
【0040】
発光装置1Bにおいて、基板30を直管2Bに固定する方法は、第1工程では第1実施形態と同様である。第2工程も第1実施形態とほぼ同様なので、
図5を参照(適宜
図6および
図7参照)しながら相違する点のみ説明する。
【0041】
発光装置1Bにおいては、第2工程では、
図5(b)のように直管2Bの内部に固定具70を挿入するとき、固定具70の屈曲部73は第2レール部12に嵌合し、狭持部72は第1レール部10Bを挟み、接触部71は基板30の上面の端部に接触する。これにより、固定具70は、第1レール部10Bおよび第2レール部12と共に基板30を挟持する。
【0042】
発光装置1Bにおいては、第2工程では、
図5(c)のように治具100を用いて固定具70を摺動させる。このときに治具100で固定具70の屈曲部73を正面から(直管2Bの開口側から)押すことが好ましい。治具100は、例えば金属の棒であり、その棒の先の大きさは屈曲部73と同程度であることが好ましい。第2実施形態では、比較的太い治具を使用可能なので、作業者が把持し易く、作業の効率が高い。
【0043】
第2実施形態の発光装置1Bによれば、第1実施形態と同様に製造コストを低減することができる。また、発光装置1Bでは、固定具70によって基板30を挟持して台座部3に固定することができる。また、固定具70が基板30と共に支持部5を挟持する1段の構造なので、固定具をより小型に形成でき、材料および製造コストを低減することができる。
【0044】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る発光装置は、外観が第1実施形態と同様なので全体斜視図および分解斜視図を省略する。第3実施形態に係る発光装置は、
図8に示す固定具80を備える。また、第3実施形態において
図2の破線で囲んだ領域20に相当する領域を直管2Cの開口から見た側面図を
図9に示す。
図9に示すように発光装置1C(1)は、レール部10(10C,13)および固定具80の組み合わせを備えている。以下では、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0045】
第3実施形態では、レール部10は、第1レール部10Cと、第2レール部13とを備えている。
第1レール部10Cは、支持部5の端部から上方に突出し直管2C(2)の軸方向に沿って形成されている。
第2レール部13は、支持部5と第1レール部10Cの間において、第1レール部10Cから離間した位置に、上方に突出し直管2Cの軸方向に沿って形成されている。第2レール部13の突出した高さは、第1レール部10Cよりもやや低い。第2レール部13の規制部9側(
図9において左)の面は垂直に立設した面または急峻な傾斜面となっている。また、第2レール部13の第1レール部10C側(
図9において右)の面は、規制部9側よりも傾斜が緩やかな傾斜面となっている。
【0046】
図9に示すように、一側の支持部5、台座部3および他側の支持部6の合計の幅は、基板30の幅と同じか若干大きく形成されている。言い換えると、基板30の幅は、規制部9と第2レール部13の規制部9側(
図9において左)の面との間の幅と同じか若干小さく形成されている。
【0047】
図9に示すように、直管2C(2)は、内側に一体的に設けられた部位として、突起部22を備えている。突起部22は、レール部10の下方において、直管内壁21から基台部4に向かって突出して直管2Cの軸方向に沿って形成されている。
【0048】
固定具80は第1レール部10Cおよび第2レール部13の外側(第1レール部10C側)を直管2Cの軸方向に沿って摺動する。
図8(a)および
図8(b)に示すように、固定具80は、接触部81と、狭持部82と、屈曲部85と、を備えている。ここでは、
図8と
図9とを参照しながら固定具80が装着された状態で各部を説明する。
接触部81は、基板30の上面の端部に接触する。
狭持部82は、第1平坦部83と第2平坦部84を含み、第1レール部10Cを挟むように形成されている。
第1平坦部83は、第1レール部10Cの上面に沿って平坦に形成されて接触部81に連続する。
第2平坦部84は、支持部5の下面に沿って第1平坦部83に対して平行に形成されている。
屈曲部85は、第2平坦部84に連続して支持部5の下面に直交する方向に屈曲されている。なお、固定具80の材料は、固定具60と同様である。
【0049】
発光装置1Cにおいて、基板30を直管2Cに固定する方法は、第1工程では第1実施形態と同様である。第2工程では、固定具80の使用法が第1実施形態とは相違する。以下、第2工程について、
図5および
図10を参照(適宜
図8および
図9参照)しながら説明する。
図10は、レール部10に対して固定具80を摺動させるときに直管2Cの開口から見た側面図である。
【0050】
発光装置1Cにおいては、第2工程では、まず、作業者は、直管2Cの一方の開口の側にて、
図5(b)に示すように、直管2C(2)の内部に固定具80を挿入する際に、固定具80を基板30から離しておく。したがって、作業者は、基板30が動かないように、例えば手で基板30の端を押さえるといった作業を省略できる。
【0051】
そして、固定具80を挿入するとき、
図8(b)および
図10に示すように、固定具80の第2平坦部84を支持部5の下面に接触させながら接触部81を第1レール部10Cと第2レール部13との間に配置する。これにより、固定具80は、第1レール部10Cを支持部5と共に挟持する。また、このように配置することで、固定具80の第1平坦部83は、その大部分が第1レール部10Cの外側にはみ出て、狭持部82が例えば第1平坦部83の幅だけ第1レール部10Cから離間し、直管内壁21の側に突き出る。
【0052】
そして、固定具80を基板30から離した状態にて、
図5(c)に示すように、作業者が治具100を用いて固定具80を第1レール部10Cに対して摺動させ、固定具80を所定の位置まで移動させる。このときに、固定具80の接触部81が第2レール部13の外側によって移動方向を規制されて、固定具80の移動がスムーズになる。また、治具100で固定具80の屈曲部85を正面から(直管2Cの開口側から)押して固定具80を移動させることが好ましい。治具100は、例えば金属の棒であり、その棒の先の大きさは屈曲部85の半分程度の大きさであることが好ましい。
【0053】
そして、作業者は、固定具80を所望の位置まで移動させた後、治具100を用いて固定具80を台座部3側に寄せる。これにより、固定具80の狭持部82が第1平坦部83の幅だけ移動して第1レール部10Cを支持部5と共に挟み込む。また、固定具80の第1平坦部83は、その大部分が第1レール部10Cの内側に移動し、接触部81が第2レール部13を乗り越えて基板30の上面に接触する。このとき、第2レール部13の第1レール部10C側(
図10において右)の面は、規制部9側よりも緩やかな傾斜面となっているので、治具100で固定具80を押すと接触部81が第2レール部13を容易に乗り越えることができる。そして、第2レール部13の規制部9側(
図10において左)の面が垂直な面または急峻な傾斜面となっているので、接触部81が後に戻ることを抑止することができる。そして、固定具80の接触部81と第2平坦部84によって基板30と共に支持部5を狭持する。したがって、
図9に示すように、固定具80によって第1レール部10Cと共に基板30を挟持させることができる。
【0054】
固定具80を台座部3側に寄せる際には、治具100で固定具80の屈曲部85を側面から(直管2Cの内壁側から)押すことが好ましい。その際に、突起部22の上に治具100を載せて屈曲部85を押せば、てこの原理によって容易に固定具80を移動させて基板30を固定することができる。作業者は、基板30を固定したら、治具100を戻し、第2工程を固定具60の個数と同じ回数だけ繰り返す。なお、屈曲部85を正面から(直管2Cの開口側から)押す治具と、屈曲部85を側面から(直管2Cの内壁側から)押す治具とは同じものでもよいし、異なるものでもよい。
【0055】
第3実施形態の発光装置1Cによれば、第1実施形態と同様に製造コストを低減することができる。また、発光装置1Cでは、固定具80を基板30の上面から離した状態で第1レール部10Cに沿って摺動させることができるので、固定具80の摺動によって基板30を傷付けることを抑制又は回避できる。
【0056】
また、発光装置1Cでは、所望の位置で固定具80を固定する際に、固定具80の接触部81が第2レール部13を乗り越えて基板30の上面よりも持ち上がってから基板30の上面に着地するので、固定具80のばねの復元力で基板30を強固に固定することができる。なお、第2レール部13を設けることなく、一側の支持部5、台座部3および他側の支持部6において基板30を載置する部位を周囲よりも低くしておいても同様の効果を奏する。
【0057】
(第4実施形態)
図11は、本発明の第4実施形態に係る発光装置の外観を模式的に示す斜視図であり、
図12は、本発明の第4実施形態に係る発光装置の分解斜視図である。以下では、
図1〜
図3に示したのと同じ構成要素には同じ符号を付して説明を適宜省略する。
図11に示すように、発光装置1Dは、樹脂成型品からなる直管2D(2)の内部に、光源31が接合された基板30と、基板30を直管2Dに固定するための固定具90とを備えている。
【0058】
図12において破線で囲んだ領域20Dを直管2Dの開口から見た側面図を
図13に示す。
図13に示すように、直管2Dは、その内側に一体的に設けられ直管2Dの軸方向に沿って形成された部位として、台座部3と、基台部4と、一側の支持部5と、他側の支持部6と、基台補強部7と、2つのレール部10D(10)と、突起部23と、を有する。
【0059】
直管2Dは、一側の支持部5および他側の支持部6の双方の側に、それぞれレール部10Dを備えている。レール部10Dは、
図13に示すように上方突出端部14と、下方突出端部15と、を有している。
【0060】
上方突出端部14は、支持部5の端部から上方に突出し直管2Dの軸方向に沿って形成されている。上方突出端部14は、
図13に示すように、台座部3および支持部5と面一の領域から、途中までは台座部3側(内側)に向かって突出し、先端が台座部3とは反対の側(外側)に向かって斜め上方に突出している。そのため、上方突出端部14の基端には、窪んだ領域がある。そして、上方突出端部14の基端の窪んだ領域の陰となる面一の領域に基板30の端部が載置可能となっている。
【0061】
下方突出端部15は、支持部5の端部から下方に突出し直管2Dの軸方向に沿って形成されている。下方突出端部15は、上方突出端部14の先端と同程度の大きさで形成されている。下方突出端部15の先端は、
図13に示すように台座部3とは反対の側(外側)に向かって斜め下方に突出している。
【0062】
一側の支持部5および他側の支持部6の双方は、溝部16を有している。溝部16は、直管2Dの軸方向に沿って形成されている。溝部16は、例えばV字の溝となっている。溝部16は、上方突出端部14の基端の窪みの近傍に形成されており、
図13に示すように、上方突出端部14の先端の平坦な傾斜面の延長線上に形成されている。
【0063】
突起部23は、直管内壁21から、レール部10Dの下方突出端部15の先端に向かって突出して直管2Dの軸方向に沿って形成されている。突起部23は、2つのレール部10Dの近傍にそれぞれ形成されている。
【0064】
固定具90は、一側の支持部5および他側の支持部6の双方の側のそれぞれレール部10Dに装着され、レール部10Dを直管2Dの軸方向に沿って摺動する。
図12に示す固定具90は、直管2Dに挿入するときの形状(
図14参照)と、基板30を固定しているときの形状(
図13参照)とが異なる。つまり、固定具90は変形によって基板30を狭持する。
固定具90が変形する前に、
図12において破線で囲んだ領域20Dに相当する領域を直管2Dの開口から見た側面図を
図14に示す。固定具90は、
図14に示すように、接触部91と、平坦部92と、狭持部93と、を備えている
【0065】
図14に示す接触部91は、固定具90の一端側に配置され、平坦部92に連続して平坦部92から所定の角度で屈曲されて形成されている。基板30を固定するために固定具90が変形すると、
図13に示すように接触部91は、平坦部92との境界で大きく曲がり、支持部5,6の溝部16の位置で基板30の上面の端部に接触する。
【0066】
図14に示す平坦部92は、平坦に形成されており、その一端が接触部91に連続して形成され、他端が所定の角度で屈曲されて狭持部93に連続して形成されている。基板30を固定するために固定具90が変形すると、
図13に示すように、平坦部92は、上方突出端部14の表面に沿って配置される。すなわち、平坦部92は、上方突出端部14の先端の平坦な傾斜面を覆う。
【0067】
図14に示す狭持部93は、固定具90の他端側に配置され、平坦部92に連続して平坦部92から所定の角度で屈曲されて形成されている。狭持部93は、レール部10Dの上方突出端部14と下方突出端部15とを挟むように形成されている。狭持部93は、
図14に示すように側面の形状が概ねアルファベットのM字の形状となっている。固定具90が変形すると、
図13に示すように、狭持部93は、レール部10Dの上方突出端部14の先端の頂部に係合すると共に、下方突出端部15の先端の頂部に係合する。
【0068】
直管2Dの長さが例えば1198mmの場合、固定具90の長さは、例えば250〜400mmである。このため、1つのレール部10D当たり2個の固定具90を用いることが好ましい。
【0069】
図14に示すように、一側の支持部5、台座部3および他側の支持部6の合計の幅は、基板30の幅と同じか若干大きく形成されている。言い換えると、基板30の幅は、2つのレール部10Dの上方突出端部14の基端の窪んだ領域の間の幅と同じか若干小さく形成されている。
【0070】
発光装置1Dにおいて、基板30を直管2Dに固定する方法は、第1工程と第2工程とに大別できる。第1工程では、作業者が、直管2Dの内部に基板30を挿入し、台座部3の上に基板30を載置する。台座部3の両側では、支持部5,6が基板30の長手方向に沿った両端側を支持する。このとき、
図14に示すように、基板30の端部を、レール部10Dの上方突出端部14の基端の窪んだ領域の陰となる面一の領域に載置する。
【0071】
第2工程は、レール部10D毎に行う。作業者は、まず、例えば支持部5の側のレール部10Dに対して作業を行う。この場合、支持部6の側のレール部10Dにおいて上方突出端部14の基端の窪んだ領域が、
図3に示す規制部9のように、基板30の移動を規制する。作業者は、直管2Dの一方の開口の側にて、
図5(b)に示すように、直管2D(2)の内部に固定具90を挿入する際に、固定具90を基板30から離しておく。
【0072】
固定具90を挿入するとき、
図14に示すように、固定具90の狭持部93をレール部10Dから浮かせた状態で、接触部91を基板30から離間させながら、固定具90をレール部10Dに対して直管2Dの軸方向に摺動させる。そして、作業者は、固定具90を所望の位置まで移動させる。固定具90の長さは、固定具60,70,80に比べて長いので、作業者は、例えば治具を使わずに手で固定具90を挿入してもよい。続いて、作業者は、直管2Dの向きを変えて2番目の固定具90を直管2Dの他方の開口の側から挿入して所望の位置まで移動させる。
【0073】
そして、作業者は、治具100(
図5(c)参照)を用いて、2番目の固定具90の狭持部93の側から台座部3側に寄せて固定具90の接触部91を基板30の上面に押し付けて、2番目の固定具90によってレール部10Dと共に基板30の端部を挟持させる。固定具90を台座部3側に寄せる際には、治具100で固定具90の狭持部93を側面から(直管2Dの内壁側から)押すことが好ましい。その際に、突起部23の上に治具100を載せて狭持部93を押せば、てこの原理によって容易に固定具90を移動させることができる。これにより、固定具90の接触部91が変形し、基板30の端部を支持部5,6の溝部16に対して押圧して、基板30を台座部3に固定することができる。特に、基板がフレキシブル配線基板である場合には、基板30の端部を巻き込んで折り曲がりながら支持部5,6の溝部16に嵌合し、基板30を台座部3に固定することができる。
【0074】
そして、作業者は、直管2Dの向きを変えて1番目の固定具90についても同様に治具100を用いて台座部3側に寄せることで、1番目の固定具90によってレール部10Dと共に基板30の端部を挟持させる。これにより、支持部5の側のレール部10Dに対する作業を終了する。
【0075】
なお、直管2Dの両端にそれぞれ作業者を配置して、2人の作業者が治具100を用いて、1番目の固定具90と2番目の固定具90とを同時に台座部3側に寄せてもよい。このようにすることで、固定具90の変形に伴う基板30の変形時の撓みを低減し、基板30を台座部3に密着させ易くなる。
【0076】
続いて、作業者は、例えば支持部6の側のレール部10Dに対しても同様の作業を行う。この場合、支持部5の側のレール部10Dにおいて固定具90によって基板30が仮止めされているので、支持部6の側のレール部10Dにおいて固定具90を台座部3側に寄せると引張力が発生する。つまり、基板30は、基板30の長手方向に沿った両端側へ引っ張られる。よって、基板30が台座部3に密着し、放熱性が向上する。
【0077】
第4実施形態の発光装置1Dによれば、第1実施形態と同様に製造コストを低減することができる。また、発光装置1Dでは、固定具90によって基板30を挟持して台座部3に固定することができる。また、発光装置1Dでは、固定具90を基板30の上面から離した状態でレール部10Dに沿って摺動させることができるので、固定具90の摺動によって基板30を傷付けることを抑制又は回避できる。さらに、基板30が台座部3に密着するので、放熱性が優れた発光装置1Dを提供できる。
【0078】
(変形例)
図15は、本発明の第1実施形態に係る発光装置の変形例を模式的に示す斜視図であり、
図2の破線で囲んだ領域20に相当する領域を直管2Aの開口から見た側面図である。この変形例に係る発光装置は、外観が第1実施形態と同様なので全体斜視図および分解斜視図を省略する。また、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。変形例に係る発光装置が備える直管2A(2)は、
図3に示す直管2よりも構造が簡略化されており、基台補強部7および台座補強部8を備えていない点が異なっている。これにより、軽量化および材料コストの低減を可能とすることができる。
【0079】
図15に示す固定具60A(60)は、摺動方向の両側に鍔部65を備えている点が、
図2に示した固定具60とは相違している。直管2Aの長さが例えば1198mmの場合、直管2Aの直径は30mm程度である。作業者が、直管2Aの一方の開口の側にて、直管2Aの内部に固定具60Aを挿入する際には、固定具60Aの鍔部65の基端側が支持部5の縁の部分に当たって案内されるので、第1レール部10Aを第1狭持部62にて挟み易くなり、作業の効率が良くなる。また、2つの鍔部65を備えているので、直管2Aの他方の開口の側においても固定具60Aを挿入し易くなる。
【0080】
前記第1〜第3実施形態に係る発光装置の直管2は支持部6の側に規制部9を備えるものとして説明したが、支持部5,6の双方の側にレール部10をそれぞれ備えることとしてもよい。
また、前記第4実施形態に係る発光装置の直管2は支持部5,6の双方の側にレール部10をそれぞれ備えるものとして説明したが、支持部5の側にレール部10を備えると共に支持部6の側に規制部9を備えることとしてもよい。
【0081】
前記各実施形態では、直管2の長さが1198mmの場合、直径が30mmであるものとして説明したが、直管2の直径は例えば25.5mm、28mm、32.5mmであってもよい。また、直管2の長さは、1198mmに限定されず、通常の直管蛍光ランプに用いられているサイズであってもよい。例えば、588.5mm、580mm、436mm、330mmでもよい。また、直管2の長さが210.5mmで直管2の直径が15.5mmのものでもよい。上記直管2の長さおよび直径に応じて、固定具の長さは適宜変更可能である。
【0082】
上記直管2の長さおよび直径に応じて、固定具の使用個数を適宜変更可能である。つまり、前記第1〜第3実施形態においては固定具の個数を3〜4個、第4実施形態においては一方のレール部10Dに対して2個の固定具を備えるものとして説明したが、固定具の個数はこれらに限定されるものではなく、5〜6個あるいはそれ以上でも構わない。
【0083】
前記各実施形態では、基板30の一端に設けられた接続回路34が、交流電圧を直流電圧に変換する回路を備えているものとしたが、本発明において、交直変換回路を発光装置1に内蔵することは必須ではない。発光装置1を装着する装着器具や照明器具の側に、交直変換回路等の電気回路を設けることとしてもよい。
【0084】
前記各実施形態では、直管2の2つの口金のうち一方に外部電源を接続するものとしたが、これは一例であって、直管2の一方の口金と他方の口金との間に外部電源を接続するようにしてもよい。また、発光装置1を外部の照明器具等に装着する際に、発光装置1を支持するためにだけ給電側キャップ40の端子と接地側キャップ50の端子とを用いて、これらの端子とは別に、外部の器具側から発光装置1の内部の基板30に直接電源を接続するようにしてもよい。
【0085】
以上説明した前記各実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示したものであって、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、各実施形態の部材に特定するものでは決してない。各実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0086】
以上説明したように、本発明に係る発光装置は、直管の内部に、基板と、固定具と、を備える発光装置であって、前記直管は、樹脂成型品からなり、その内側に一体的に設けられ前記直管の軸方向に沿って形成された部位として、台座部と、基台部と、一対の支持部と、前記一対の支持部のうち少なくとも一方の側に形成されたレール部と、を備え、前記固定具は、前記レール部に対して前記直管の軸方向に沿って摺動可能であることを特徴とする。
【0087】
かかる構成によれば、発光装置において、直管は内側に、一体に形成された台座部と基台部と一側の支持部と他側の支持部とを備える。直管の内側において、直管内壁に接続した基台部が台座部を支持する。台座部の一側には一側の支持部が連続し、台座部の他側には他側の支持部が連続している。これにより、基板が台座部に載置されたときに、基板の一側が一側の支持部に支持され、基板の他側が他側の支持部に支持される。基板の一側にレール部を備えている場合、このレール部に沿って摺動可能な固定具が直管の軸方向に沿った所定の位置で基板を固定することができる。基板の両側にレール部を備えている場合、両側のレール部の所定の位置で固定具によって基板を固定することができる。よって、直管と一体に成型された台座部の上に、直管の軸方向に長い基板を載置した後で、固定具によって基板を台座部に固定することができる。直管は台座部、基台部および支持部と共に一体に形成された樹脂成型品からなるので、ガラスや金属を用いる場合に比べ、製造コストを低減することができる。
【0088】
また、本発明に係る第1の態様の発光装置は、前記レール部が、当該レール部側にある前記支持部の端部から上方に突出し前記直管の軸方向に沿って形成された第1レール部と、前記基台部から延出されて前記第1レール部の下側に所定間隔をあけて前記直管の軸方向に沿って形成された第2レール部と、を備え、前記固定具が、前記基板の上面に接触する接触部と、前記接触部に連続して前記第1レール部を左右方向に挟むように形成された第1狭持部と、前記第2レール部を上下方向に挟むように形成された第2狭持部と、前記第1狭持部と前記第2狭持部とを連結する連結部と、を備えていることが好ましい。
【0089】
かかる構成によれば、発光装置は、台座部の上に載置された基板の上面の端部に、固定具の接触部により接触した状態で、第1レール部および第2レール部を当該固定具が摺動した位置で基板と共に狭持することで基板を台座部に固定することができる。ここで、固定具は例えば金属または合金のばね部材からなることが好ましい。発光装置は、固定具の第1狭持部が第1レール部を左右から挟み、固定具の第2狭持部が第2レール部を上下から挟むので、固定具を挿入するときのガタを少なくすることができる。また、固定具を挿入するときに、固定具の連結部を治具で押すことで第1レール部および第2レール部に沿って固定具を摺動させて所望の位置で基板を台座部に固定することができる。
【0090】
また、本発明に係る第2の態様の発光装置は、前記レール部が、当該レール部側にある前記支持部の端部から上方に突出し前記直管の軸方向に沿って形成された第1レール部と、前記支持部の下面に前記直管の軸方向に沿って溝状に形成された第2レール部とを備え、前記固定具が、前記基板の上面に接触する接触部と、前記接触部に連続して前記第1レール部の端部を上下方向に挟むように形成された狭持部と、前記狭持部に連続して前記第2レール部の溝形状に合わせて屈曲された屈曲部と、を備えていることが好ましい。
【0091】
かかる構成によれば、発光装置は、台座部の上に載置された基板の上面の端部に、固定具の接触部により接触した状態で、第1レール部および第2レール部を当該固定具が摺動した位置で基板と共に狭持することで基板を台座部に固定することができる。ここで、固定具の狭持部は第1レール部を上下から挟む。固定具の屈曲部は、支持部の下面の溝状の第2レール部に嵌合し、固定具の接触部が基板の上面の端部に接触するので、当該固定具はレール部を上下及び左右から挟む。固定具がこのような構造なので固定具を小型化できる。そのため、材料および製造コストを低減することができる。また、固定具を挿入するときに、固定具の屈曲部を治具で押すことで第1レール部および第2レール部に沿って固定具を摺動させて所望の位置で基板を台座部に固定することができる。
【0092】
また、本発明に係る第3の態様の発光装置は、前記レール部が、当該レール部側にある前記支持部の端部から上方に突出し前記直管の軸方向に沿って形成され、前記固定具が、前記基板の上面に接触する接触部と、前記レール部の上面に沿って平坦に形成されて前記接触部に連続する第1平坦部と、前記支持部の下面に沿って前記第1平坦部に対して平行に形成された第2平坦部と、を含み、前記レール部を上下方向に挟むように形成された狭持部と、前記第2平坦部に連続して前記支持部の下面に直交する方向に屈曲された屈曲部と、を備えていることが好ましい。
【0093】
かかる構成によれば、発光装置は、固定具がレール部を摺動した位置で、台座部の上に載置された基板の上面の端部に固定具の接触部により接触した状態で、固定具の狭持部がレール部を狭持することで基板を台座部に固定することができる。また、固定具は、狭持部に第1平坦部を備えるので、固定具を挿入するときに、第1平坦部の幅だけ狭持部を支持部から離間させて、固定具の第1平坦部および第2平坦部によって、レール部を狭持することができる。この状態で固定具を挿入するときに、固定具の屈曲部を治具で押すことで、固定具を基板の上面から離した状態でレール部に沿って摺動させることができる。つまり、固定具を所望の位置に移動させるための固定具の摺動によって基板を傷付けることを抑制又は回避できる。そして、所望の位置で、固定具の屈曲部を基台部の側に治具で押すことで、固定具を例えば第1平坦部の幅だけ移動させ、当該固定具によって基板を台座部に固定することができる。
【0094】
また、本発明に係る第3の態様の発光装置は、前記直管の内側に一体的に設けられた部位として、前記レール部の下方において前記直管内壁から前記基台部に向かって突出して前記直管の軸方向に沿って形成された突起部をさらに備えることが好ましい。
【0095】
かかる構成によれば、発光装置において、固定具を挿入するときに、固定具をレール部に沿って摺動させた所望の位置で、固定具の屈曲部を基台部の側に治具で押して固定するときに、突起部の上に治具を載せることで、屈曲部を押す動作を行い易くなる。
【0096】
また、本発明に係る第4の態様の発光装置は、前記レール部が、当該レール部側にある前記支持部の端部から上方に突出し前記直管の軸方向に沿って形成された上方突出端部と、当該レール部側にある前記支持部の端部から下方に突出し前記直管の軸方向に沿って形成された下方突出端部と、を有し、当該レール部側にある前記支持部は、前記直管の軸方向に沿って形成された溝部を有し、前記固定具が、前記溝部の位置で前記基板の上面に接触する接触部と、前記接触部に連続して前記上方突出端部の表面に沿って平坦に形成された平坦部と、前記平坦部に連続して前記上方突出端部と下方突出端部とを上下方向に挟むように形成された狭持部と、を備えていることが好ましい。
【0097】
かかる構成によれば、発光装置は、固定具がレール部を摺動した位置で、台座部の上に載置された基板の上面の端部に固定具の接触部により接触した状態で、固定具の狭持部がレール部の上方突出端部および下方突出端部を狭持することで基板を台座部に固定することができる。また、固定具を挿入するときには、固定具の接触部を基板から離間させると共に固定具の平坦部をレール部の上方突出端部から離間させた状態とすることで、固定具の挟持部をレール部の上方突出端部および下方突出端部に仮止めする。この状態で固定具を挿入することで、固定具を基板の上面から離した状態でレール部に沿って摺動させることができる。そして、所望の位置で、固定具の狭持部の端部を基台部の側に向かって治具で押すことで、固定具の平坦部を上方突出端部に密着させることができる。これにより、固定具の接触部が変形し、基板の端部を支持部の溝部に対して押圧して、基板を台座部に固定することができる。特に、基板がフレキシブル配線基板である場合には、固定具の接触部が基板の端部を折り曲げながら支持部の溝部に嵌合し、基板を台座部に固定することができる。
【0098】
また、本発明に係る第4の態様の発光装置は、前記直管の内側に一体的に設けられた部位として、前記直管内壁から前記下方突出端部の先端に向かって突出して前記直管の軸方向に沿って形成された突起部をさらに備えることが好ましい。
かかる構成によれば、発光装置において、固定具を挿入するときに、固定具をレール部に沿って摺動させた所望の位置で、固定具の狭持部を基台部の側に向かって治具で押して固定するときに、突起部の上に治具を載せることで、狭持部を押す動作を行い易くなる。
【0099】
また、本発明に係る発光装置は、前記直管の一側の支持部の側に前記レール部を備えており、前記直管の他側の支持部の側には、前記基板が挿入されたときに前記基板の移動方向を基板の長手方向に規制する規制部を備えていることが好ましい。
かかる構成によれば、発光装置において、規制部に基板を挿入することで台座部の上に基板を載置した状態で固定具を挿入しやすくすることができる。
【0100】
また、本発明に係る発光装置は、規制部を備えている態様において、前記直管が、その内側に一体的に設けられ前記直管の軸方向に沿って形成された部位として、前記直管の他側の支持部から延設されて直管内壁に接続した台座補強部を備えていることが好ましい。
かかる構成によれば、台座補強部によって、直管の横方向(左右方向)への曲げに対する剛性を高めて、台座部に基板を安定して固定することができる。
【0101】
また、本発明に係る発光装置は、前記直管の一側の支持部および他側の支持部の双方の側に前記レール部を備えていることが好ましい。
かかる構成によれば、発光装置において、一側のレール部にて基板を固定する固定具と、他側のレール部にて基板を固定する固定具とによって、基板を両側に引っ張る力が作用し、基板が台座部に密着する。したがって、基板に接合された光源からの熱を台座部側から放出し易くなる。
【0102】
また、本発明に係る発光装置は、前記直管が、その内側に一体的に設けられ前記直管の軸方向に沿って形成された部位として、前記基台部から延設されて直管内壁に接続した基台補強部を備えていることが好ましい。
かかる構成によれば、基台補強部によって、直管の横方向(左右方向)への曲げに対する剛性を高めて、台座部に基板を安定して固定することができる。
また、本発明に係る発光装置は、前記配線基板がフレキシブル配線基板であることが好ましい。
かかる構成によれば、直管の内側に一体に形成された台座部に、形状が変化しやすいフレキシブル配線基板を比較的広い面積で密着させることができる。また、フレキシブル配線基板を用いれば、比較的安価な発光装置が得られる。
【0103】
また、本発明に係る発光装置の基板固定方法は、樹脂成型品からなる直管の内部に、基板と、固定具と、を備える前記発光装置において、前記基板を前記直管に固定する方法であって、第1工程と、第2工程と、を有することを特徴とする。
【0104】
かかる手順によれば、第1工程にて、直管の中の台座部の上に基板を載置する。これにより、基板の長手方向に沿った両端側が支持部で支持される。そして、第2工程にて、一側の支持部および他側の支持部のうち少なくとも一方の側に形成されたレール部に固定具を摺動させ、固定具により基板を押さえ付けさせる。これにより、基板が台座部に固定される。
【0105】
また、本発明に係る発光装置の基板固定方法は、前記第2工程では、前記直管の一方の開口の側にて前記固定具によって前記レール部と共に前記基板を挟持させた状態で所定の治具を用いて前記固定具を摺動させることが好ましい。
かかる手順によれば、基板を挟持した固定具をレール部に沿って摺動させ、目的の位置に到達したら、治具を戻すだけで基板の固定が完了する。
【0106】
また、本発明に係る発光装置の基板固定方法は、前記第2工程では、所定の形状に屈曲した前記固定具を前記基板から離した状態にて前記レール部に対して摺動させ、前記固定具を所定の位置まで移動させた後、治具を用いて前記固定具を前記支持部側に寄せて前記固定具によって前記基板を押さえ付けさせることが好ましい。
かかる手順によれば、固定具を基板から離した状態にて固定具をレール部に対して摺動させるので、固定具の摺動によって基板を傷付けることを抑制又は回避できる。
【0107】
また、本発明に係る発光装置の基板固定方法は、前記第2工程では、所定の形状に屈曲した前記固定具の一方の端部を前記基板の上面から離した状態にて前記固定具を前記レール部に対して摺動させ、前記固定具を所定の位置まで移動させた後、治具を用いて前記固定具の他方の端部の側から前記支持部側に寄せて前記固定具の一方の端部を前記基板の上面に押し付けて変形させ、前記固定具によって前記基板を押さえ付けさせることが好ましい。
かかる手順によれば、固定具をレール部に対して摺動させて所定の位置まで移動させた後、治具を用いて固定具の一方の端部を基板の上面に押し付けるので、固定具によって基板を強固に固定することができる。また、固定具の摺動によって基板を傷付けることを抑制又は回避できる。
【0108】
また、本発明に係る発光装置の基板固定方法は、前記第1工程では、前記台座部の上に載置された基板を前記レール部と共に支持する部位であって前記基板が挿入されたときに前記基板の移動方向を基板の長手方向に規制する規制部に前記基板を挿入して前記台座部の上に前記基板を載置することが好ましい。
かかる手順によれば、固定具を挿入する前に基板の一端側の移動が規制されるので、基板の一他端側に対して固定具を挿入し易くなる。
また、本発明に係る発光装置の基板固定方法は、前記配線基板としてフレキシブル配線基板を用いることが好ましい。
かかる手順によれば、台座部が一体に形成された直管内に、形状が変化しやすいフレキシブル配線基板を、比較的容易に固定することができる。また、フレキシブル配線基板を用いれば、比較的安価に発光装置を製造することができる。