(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
青色光を出射するLED光源と、該LED光源の光軸上に配置され、青色波長成分の光を吸収して赤色波長成分を含む光を発光する蛍光体が分散された樹脂成型体である一の波長変換部材と、上記青色光を吸収して上記一の波長変換部材に含まれる蛍光体とは波長の異なる光を発する黄色蛍光体又は緑色蛍光体を含む他の波長変換部材とを備える発光装置を作製する方法であって、
上記一の波長変換部材を、請求項1又は2記載の方法により作製し、
上記LED光源に対して、上記一の波長変換部材を上記他の波長変換部材より外側に配置することを特徴とする発光装置の作製方法。
少なくとも青色光を発光するLED光源を有し、青色波長成分を含む擬似白色光を出射する発光体と、該発光体の外側に、青色波長成分の光を吸収して赤色波長成分を含む光を発光する蛍光体が分散された樹脂成型体である一の波長変換部材とを備える発光装置を作製する方法であって、
上記一の波長変換部材を、請求項1又は2記載の方法により作製することを特徴とする発光装置の作製方法。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、現在利用可能な光源の中で最も効率的な光源の一つである。このうち、白色発光ダイオードは、白熱電球、蛍光灯、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)バックライト、ハロゲンランプなどに代わる次世代光源として急激に市場を拡大している。白色LED(Light Emitting Diode)を実現する構成の一つとして、青色発光ダイオード(青色LED)と、青色光励起によって、より長波長、例えば黄色や緑色に発光する蛍光体との組み合わせによる白色LED(LED発光装置)が実用化されている。
【0003】
この白色LEDの構造としては、青色LED上又はそのごく近傍に樹脂やガラスなどに混合した状態で蛍光体を配置し、青色光の一部又は全部を、この事実上青色LEDと一体化したこれらの蛍光体層で波長変換して擬似白色光を得る、いわば白色LED素子と呼ぶべき方式が主流である。また、蛍光体を青色LEDから数mm〜数十mm離れたところに配置して青色光の一部又は全部を該蛍光体で波長変換する方式が採られている発光装置もある。特に、LEDから発する熱によって蛍光体の特性が低下しやすい場合、LEDからの距離が遠いことは、発光装置としての効率の向上や色調の変動を抑えるのに有効である。このようにして蛍光体を含む波長変換部材をLED光源から離間して配置した部材をリモートフォスファー、このような発光方式を「リモートフォスファー方式」と呼んでいる。このようなリモートフォスファー方式の発光方式では、照明として用いた場合の全体の色むらが改善されるなどの利点があり、近年急速に検討がなされている。
【0004】
このようなリモートフォスファー方式の発光装置においては、例えば、青色LEDの前面にリモートフォスファーとして黄色発光する蛍光体(以下、黄色蛍光体という)粒子や緑色発光する蛍光体(以下、緑色蛍光体という)粒子、更には赤色発光する蛍光体(以下、赤色蛍光体という)粒子を分散した樹脂又はガラスよりなる波長変換部材を配置することで、入射してくる波長450nm前後の青色光により、中心波長570nm前後の黄色蛍光を発生させ、リモートフォスファーを透過した青色LEDからの光と合わせることで発光装置としているものが一般的である。リモートフォスファーとして使用される蛍光体としては、Y
3Al
5O
12:Ce、(Y,Gd)
3(Al,Ga)
5O
12:Ce、(Y,Gd)
3Al
5O
12:Ce、Tb
3Al
5O
12:Ce、CaGa
2S
4:Eu、(Sr,Ca,Ba)
2SiO
4:Eu、Ca−α−サイアロン(SiAlON):Eu等の他、通常オンチップで使用されにくい硫化物系の蛍光体なども使用されるのが一般的である。
【0005】
しかしながら、このリモートフォスファー方式の発光装置では、発光装置の外観が見える部分に、黄色蛍光体や緑色蛍光体粒子を含む波長変換部材が配置された構成となるため、非発光時の外観として黄色を呈するリモートフォスファーが外から見える状態のままで使用されることが多く、非点灯時に発光装置としての美観が著しく損なわれることになる。そこで、従来の発光装置では、美観を重視する用途では、透明度の低い白色のランプシェード等をかぶせて外観の改善が図られているが、それと引き換えに発光効率の低下が避けられない。即ち、発光効率を考えた場合、このようなランプシェード等を使用しないことが望ましいが、そうすると非点灯時の美観を損なうというジレンマに陥る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、リモートフォスファー方式の発光装置における非点灯時の外観色を改善すると共に、点灯時に好ましい発光色での出射光が得られる波長変換部材の作製方法、及び該波長変換部材を用いた発光装置の作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、発光装置の発光色を改善するために、樹脂に蛍光体を練り込んだ樹脂蛍光板に着目し、蛍光体の種類、練り込み量、蛍光板の厚さ、及びLED装置における配置について鋭意検討を行ったところ、擬似白色光の光軸上に、青色波長成分の光を吸収して赤色波長成分を含む光を発光する蛍光体、特に、特定の複フッ化物蛍光体を含む樹脂成型体の波長変換部材を配置することで、発光装置の発光色を改善できるばかりでなく、この発光色を改善する波長変換部材は、非発光時に透明感のある淡い肌色の好ましい色を呈していることを見出し、本発明を成すに至った。
【0008】
従って、本発明は、下記の波長変換部材及び発光装置の作製方法を提供する。
〔1〕 青色波長成分の光を吸収して赤色波長成分を含む光を発光する蛍光体として、下記式
K
2(Si
1-xMn
x)F
6
(式中、xは0.001〜0.3である。)
で表される複フッ化物蛍光体が分散された樹脂成型体である波長変換部材を作製する方法であって
、
上記式で表され、D50が
10μm以上
40μm以下の粒子状であり、かつ非発光時の色合いが、CIELAB(CIE 1976)において、L
*:60以上70以下、a
*:+1以上+3以下、b
*:+15以上+30以下であるマンガン賦活ケイフッ化カリウムを
選択し、該マンガン賦活ケイフッ化カリウムを、5質量%以上
10質量%以下の含有量
、かつ2mm以上5mm以下の平均厚さで、ポリオレフィンに混練し熱成型して、非発光時の色合いが、CIELAB(CIE 1976)において、L
*:40以上60以下、a
*:0以上+1以下、b
*:+2以上+15以下
の波長変換部材を得ることを特徴とする波長変換部材の作製方法。
〔
2〕 上記ポリオレフィンがポリプロピレンである〔
1〕記載の波長変換部材の作製方法。
〔
3〕 青色光を出射するLED光源と、該LED光源の光軸上に配置され、青色波長成分の光を吸収して赤色波長成分を含む光を発光する蛍光体が分散された樹脂成型体である一の波長変換部材と、上記青色光を吸収して上記一の波長変換部材に含まれる蛍光体とは波長の異なる光を発する黄色蛍光体又は緑色蛍光体を含む他の波長変換部材とを備える発光装置を作製する方法であって、
上記一の波長変換部材を、〔1〕
又は〔2〕記載の方法により作製し、
上記LED光源に対して、上記一の波長変換部材を上記他の波長変換部材より外側に配置することを特徴とする発光装置の作製方法。
〔
4〕 上記黄色蛍光体又は緑色蛍光体が、Y
3Al
5O
12:Ce
3+蛍光体及びLu
3Al
5O
12:Ce蛍光体の一方又は双方を含む〔
3〕記載の発光装置の作製方法。
〔
5〕 上記黄色蛍光体又は緑色蛍光体が、Y
3Al
5O
12:Ce
3+蛍光体のみを含む〔
4〕記載の発光装置の作製方法。
〔
6〕 少なくとも青色光を発光するLED光源を有し、青色波長成分を含む擬似白色光を出射する発光体と、該発光体の外側に、青色波長成分の光を吸収して赤色波長成分を含む光を発光する蛍光体が分散された樹脂成型体である一の波長変換部材とを備える発光装置を作製する方法であって、
上記一の波長変換部材を、〔1〕
又は〔2〕記載の方法により作製することを特徴とする発光装置の作製方法。
〔
7〕 上記一の波長変換部材が、ランプカバー又はランプシェードである〔
3〕〜〔
6〕のいずれかに記載の発光装置の作製方法。
〔
8〕 上記発光装置が、リモートフォスファー方式の発光装置であることを特徴とする〔
3〕〜〔
7〕のいずれかに記載の発光装置の作製方法。
また、本発明は、下記の発光装置が関連する。
〔i〕 青色光を出射するLED光源と、該LED光源の光軸上に配置される一の波長変換部材と、上記青色光を吸収して上記一の波長変換部材に含まれる蛍光体とは波長の異なる光を発する蛍光体を含む他の波長変換部材とを備え、
上記一の波長変換部材が、
青色波長成分の光を吸収して赤色波長成分を含む光を発光する蛍光体として、K
2(Si
1-xMn
x)F
6(xは0.001〜0.3である。)で表され、D50が2μm以上60μm以下の粒子状であるマンガン賦活ケイフッ化カリウムが分散された樹脂成型体であり、かつ
上記マンガン賦活ケイフッ化カリウムを、上記一の波長変換部材の非発光時の色合いが、CIELAB(CIE 1976)において、L
*:40以上60以下、a
*:0以上+1以下、b
*:+2以上+15以下となるように含有してなり、
上記LED光源の光軸上における波長変換部材の配置順が、LED光源側から、他の波長変換部材、一の波長変換部材の順となっていることを特徴とする発光装置。
〔ii〕 上記他の波長変換部材が、上記青色光を吸収して上記一の波長変換部材に含まれる蛍光体とは波長の異なる光を発する蛍光体として、Y
3Al
5O
12:Ce
3+蛍光体及びLu
3Al
5O
12:Ce蛍光体の一方又は双方を含む〔i〕記載の発光装置。
〔iii〕 上記他の波長変換部材が、上記青色光を吸収して上記波長変換部材に含まれる蛍光体とは波長の異なる光を発する蛍光体として、Y
3Al
5O
12:Ce
3+蛍光体のみを含む〔i〕記載の発光装置。
〔iv〕 少なくとも青色光を発光するLED光源を有し、青色波長成分を含む擬似白色光を出射する発光体と、該発光体の外側に一の波長変換部材とを備え、
該一の波長変換部材が、
青色波長成分の光を吸収して赤色波長成分を含む光を発光する蛍光体として、K
2(Si
1-xMn
x)F
6(xは0.001〜0.3である。)で表され、D50が2μm以上60μm以下の粒子状であるマンガン賦活ケイフッ化カリウムが分散された樹脂成型体であり、かつ
上記マンガン賦活ケイフッ化カリウムを、上記一の波長変換部材の非発光時の色合いが、CIELAB(CIE 1976)において、L
*:40以上60以下、a
*:0以上+1以下、b
*:+2以上+15以下となるように含有してなることを特徴とする発光装置。
〔v〕 上記一の波長変換部材におけるマンガン賦活ケイフッ化カリウムの含有量が2質量%以上30質量%以下である〔i〕〜〔iv〕のいずれかに記載の発光装置。
〔vi〕 上記一の波長変換部材の平均厚さが0.05mm以上5mm以下である〔i〕〜〔v〕のいずれかに記載の発光装置。
〔vii〕 上記マンガン賦活ケイフッ化カリウムの非発光時の色合いが、CIELAB(CIE 1976)において、L
*:60以上70以下、a
*:+1以上+3以下、b
*:+15以上+30以下である〔i〕〜〔iv〕のいずれかに記載の発光装置。
〔viii〕 上記樹脂が熱可塑性樹脂である〔i〕〜〔vii〕のいずれかに記載の発光装置。
〔ix〕 上記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン、ポリスチレン及びスチレン共重合体から選ばれる1種又は2種以上である〔viii〕記載の発光装置。
〔x〕 上記一の波長変換部材が、ランプカバー又はランプシェードである〔i〕〜〔ix〕のいずれかに記載の発光装置。
〔xi〕 上記一の波長変換部材を覆って透明保護カバーを備える〔i〕〜〔x〕のいずれかに記載の発光装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明の波長変換部材では、この波長変換部材の非発光時の色合いが、CIELAB(CIE 1976)において、L
*:40以上60以下、a
*:0以上+1以下、b
*:+2以上+15以下であることから、発光装置(照明装置)を覆う配置とすることで、照明装置、特にリモートフォスファー方式の発光装置における非点灯時の外観色が好適なものとなる。
更に、本発明の波長変換部材は、その発光色が波長600〜660nmを中心とした赤色発光であることから、発光装置において点灯時には赤色発光成分が加わり、自然な発光色が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る波長変換部材について説明する。
本発明に係る波長変換部材は、青色波長成分の光を吸収して赤色波長成分を含む光を発光する蛍光体が分散された樹脂成型体であって、非発光時の色合いが、CIELAB(CIE 1976)において、L
*:40以上60以下、好ましくはL
*:42以上52以下、a
*:0以上+1以下、好ましくはa
*:+0.2以上+0.6以下、b
*:+2以上+15以下、好ましくはb
*:+3以上+12以下であることを特徴とするものである。
【0012】
ここで、本発明に用いる蛍光体は、下記式(1)
A
2(M
1-xMn
x)F
6 (1)
(式中、MはSi、Ti、Zr、Hf、Ge及びSnから選ばれる1種又は2種以上の4価元素、AはLi、Na、K、Rb及びCsから選ばれ、かつ少なくともNa及び/又はKを含む1種又は2種以上のアルカリ金属であり、xは0.001〜0.3である。)
で表される複フッ化物蛍光体であることが好ましい。
【0013】
この蛍光体は、A
2MF
6で表される複フッ化物の構成元素の一部がマンガンで置換された構造を有するマンガン賦活複フッ化物蛍光体である。このマンガン賦活複フッ化物蛍光体において、賦活元素のマンガンの価数は特に限定されるものではないが、A
2MF
6で表される4価元素のサイトにマンガンが置換したもの、即ち、4価のマンガン(Mn
4+)として置換したものが好適である。この場合、A
2MF
6:Mn
4+と表記してもよい。このうち、複フッ化物蛍光体が、K
2(M
1-xMn
x)F
6(M及びxは上記と同じ)で表されるものが好ましく、K
2(Si
1-xMn
x)F
6(xは上記と同じ)で表されるマンガン賦活ケイフッ化カリウムであることが特に好ましい。
【0014】
このようなマンガン賦活複フッ化物蛍光体は、波長420〜490nm、好ましくは波長440〜470nmの青色光により励起されて、波長600〜660nmの範囲内に発光ピーク、あるいは最大発光ピークを有する赤色光を発する。
【0015】
また、上記複フッ化物蛍光体の非発光時の色合いは、CIELAB(CIE 1976)において、例えば、L
*:60以上70以下、a
*:+1以上+3以下、b
*:+15以上+30以下である。
【0016】
非点灯時の外観色が好適なものとなる技術的理由としては、本発明で主に使用される上記式(1)で表される複フッ化物蛍光体が、一般的にLED用蛍光体として使用されている窒化物の赤色蛍光体と異なり、可視光のうち波長500nm以上700nm以下の光の吸収が非常に少なく、また、白色LEDで一般的に使用される青色LEDの発光波長である430nm以上470nm以下の光についても吸収率が低いため、蛍光体自体のもつボディカラーが弱い(薄い)ことが挙げられる。更に、通常のリモートフォスファーやその照明器具で使用されている窒化物の赤色蛍光体は、緑色や黄色である波長500nm以上570nm以下の光を吸収してしまうため、黄色や緑色に発光する蛍光体もしくは発光部材の外側に配置することは、照明装置としての効率低下や、発光色の調整の困難さを生じるが、本発明で主に使用される上記複フッ化物蛍光体は500nm以上700nm以下の光の吸収が非常に少なく、上記のような欠点を生じない。
【0017】
なお、上記式(1)で表される複フッ化物蛍光体は、従来公知の方法で作製したものでよく、例えば、金属フッ化物原料をフッ化水素酸に溶解又は分散させ、加熱して蒸発乾固させて得たものを用いるとよい。
【0018】
また、蛍光体は、粒子状であることが好ましく、その粒径としては、粒度分布における体積累計50%の粒径D50が2μm以上60μm以下であり、好ましくは10μm以上40μm以下である。D50値が2μm未満の場合は蛍光体としての発光効率が低下してしまうおそれがある。一方、蛍光体粒子が大きい場合は、発光には本質的に問題はないが、樹脂との混合時に、あまり大きい場合は、蛍光体の分布が不均一になりやすいなどの欠点が生じやすくなるため、D50で60μm以下であるものが使いやすいという利点がある。
なお、本発明における粒径の測定方法は、例えば、空気中に対象粉末を噴霧、あるいは分散浮遊させた状態でレーザー光を照射して、その回折パターンから粒径を求める乾式レーザー回折散乱法が、湿度の影響を受けず、なお且つ粒度分布の評価までできるため好ましい。
【0019】
本発明の波長変換部材における上記蛍光体と樹脂との混合比率(蛍光体としての含有量)は、波長変換部材の厚さや励起するLED光との配置関係、目標にする発光色により異なるものの、概ね2質量%以上30質量%以下の範囲が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましく、5質量%以上12質量%以下が更に好ましい。蛍光体含有量が30質量%超となると、この蛍光体による着色が強くなりすぎて、非発光時の外観色が発光装置としての美観を損なうおそれがある。一方、2質量%未満では、赤色光の発光量が少なく、演色性改善効果が低くなってしまう場合があるが、2質量%未満の含有量で全く使えないわけではない。
【0020】
本発明で用いる蛍光体を分散させる樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれでもよいが、酸、アルカリへの化学的耐性が高く、防湿性にも優れている熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は射出成型等により比較的短時間で成型できることからマンガン賦活複フッ化物蛍光体等の蛍光体を均一に分散させた状態で成型することが可能であることからも好ましい。
【0021】
本発明で用いる光透過性の熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン、汎用ポリスチレン(GPPS)等のポリスチレン、及びスチレン・マレイン酸共重合体、スチレン・メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)等のスチレン共重合体が挙げられ、これらの中から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
【0022】
また、本発明で用いる熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン及び/又はポリスチレンを40質量%以上含む熱可塑性樹脂であることがより好ましい。更に、ポリプロピレンとしては、エチレン単位を共重合体中に2質量%以上6質量%以下の少量含有するランダムコポリマータイプのものが好ましく、JIS K 7210で規定されるメルトフローレート(MFR)が5〜30g/10min程度の射出成型可能なものがより好ましい。
【0023】
本発明の波長変換部材では、従来の熱可塑性プラスチック材と同様に、酸化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤をはじめとした安定化剤並びに成型滑剤を用途に応じて、0.1〜0.3質量%の範囲で配合することができる。また、特に、ポリプロピレンを用いた場合において長期間の使用による強度の低下が問題となるときには、最大0.3質量%を目安に重金属不活性化剤を添加してもよい。
【0024】
このほか、マンガン賦活複フッ化物蛍光体等の蛍光体の含有量(練り込み濃度)が低い場合、あるいはヘイズを増加させ、当該部材を透過する光の均一化を図る目的などで、光拡散剤を練り込み配合することで、波長変換部材の光拡散性を改善することもできる。光拡散剤としては、タルク、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、酸化イットリウム等の無機セラミックス微粉体が挙げられ、光学的な透明度が高く、樹脂への練り込み時の透過光の損失が小さい、酸化アルミニウム又は酸化ケイ素が好ましい。また、光拡散剤の粒径D50値は0.005μm以上5μm以下が好ましい。また、光拡散剤の配合量は、蛍光体の含有量及び波長変換部材の厚さにより異なるが、例えば、厚さ2mmでマンガン賦活複フッ化物蛍光体としてK
2(Si
1-xMn
x)F
6(但し、xは0.001〜0.3)を4質量%練り込んだポリプロピレンからなる波長変換部材の場合、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.05〜1.5質量%、更に好ましくは0.1〜0.5質量%である。配合量0.05質量%未満では光拡散効果が十分でない場合があり、5質量%超では波長変換部材における光透過性が低下するおそれがある。
【0025】
また、本発明の波長変換部材における波長450nmの励起光の透過率は20%以上90%以下が好ましく、50%以上70%以下がより好ましい。透過率が20%未満では後述する発光装置に適用した場合、出射光として青色光が不足するおそれがあり、90%超では出射光としての青色光が過多となる場合がある。
【0026】
本発明では、蛍光体を封止する樹脂が熱可塑性樹脂の場合、上記熱可塑性樹脂、その他助剤等を原料樹脂とし、蛍光体を粉体として、二軸混練押出機に投入して、加熱した原料樹脂に、この粉体を練り込む形で両者を混練し、汎用のプラスチック材料と同様に、用途に応じた任意の形状に熱成型する。例えば、両者を混練し、そのままLED装置の波長変換部材に適した目的の厚さ、形状に成型してもよいし、とりあえずペレット状に成型しておき、必要なときにこのペレットから目的の厚さ、形状の波長変換部材に成型してもよい。
【0027】
波長変換部材の平均厚さは、0.05mm以上5mm以下が好ましい。厚さ0.05mm未満では、波長変換部材の機械強度が不足し、波長変換部材単体での自立が困難となる場合がある。一方、厚さ5mm超では、波長変換部材の透過性が低下してしまうおそれがある。なお、平均厚さとは、波長変換部材の発光装置において発光部分となる領域の厚さの平均である。
【0028】
このようにして得られた樹脂成型体は、マンガン賦活複フッ化物蛍光体粒子等の蛍光体粒子が変質することなく所定の樹脂に含有された波長変換部材となる。また、該波長変換部材は波長420〜490nm、好ましくは波長440〜470nmの青色光により、波長約600〜660nmの赤色波長領域の蛍光を発する。従って、本発明の波長変換部材を擬似白色LED装置に適用することで、発光装置のスペクトルに波長約600〜660nmの赤色波長成分が加わり、色再現力の高い発光装置となる。
【0029】
このような本発明の波長変換部材の非発光時の色は、上記複フッ化物蛍光体等の蛍光体の含有量や波長変換部材の厚さ等により変化するが、概ね淡い肌色の外観を呈する。具体的には、本発明の波長変換部材の非発光時の色合いが、CIELAB(CIE 1976)において、L
*:40以上60以下、a
*:0以上+1以下、b
*:+2以上+15以下であり、本発明の波長変換部材の非発光時の色合いの範囲は、上述した複フッ化物蛍光体等の蛍光体の含有量や、同時添加される光拡散剤などの添加物によって決まる。
【0030】
従来のリモートフォスファーで一般的に使用される蛍光体であるY
3Al
5O
12:Ce
3+蛍光体等の黄色蛍光体を用いた波長変換部材は、非発光時の外観色として黄色い蛍光色を呈しており、発光装置においてこの黄色系波長変換部材を、擬似白色光を出射する発光体の外側に用いた場合、非点灯時の発光装置としての美観やデザイン性を著しく制限され、外観を重視する用途では透明度の低い白色ランプシェード等のカバーをかぶせることが一般的であった。その場合、このようなカバーが原因での、発光の透過率減少を招くため、照明としての効率が低下してしまうという欠点があった。
これに対して、本発明の波長変換部材は、非発光時の外観色として透明感のある淡い肌色を呈することから、後述する発光装置において、発光体の外側に用いた場合、そのままでも非点灯時の発光装置としての美観を損なうことはなく、発光効率の低下の原因となる上述した従来のランプシェード等のカバーを省略することもできる。
【0031】
[発光装置]
次に、本発明に係る発光装置について説明する。
図1は、本発明に係る発光装置の第1の実施形態における構成を示す斜視図である。
本発明に係る発光装置10は、
図1に示すような、青色光を出射するLED光源11と、該LED光源11の光軸A上に配置される、上述した本発明の波長変換部材(赤色系波長変換部材)13と、青色光を吸収して該波長変換部材13に含まれる蛍光体とは波長の異なる光を発する蛍光体を含む他の波長変換部材(黄色系又は緑色系波長変換部材)12とを備える。また、LED光源11の光軸上における波長変換部材の配置順が、LED光源11側から、他の波長変換部材12、本発明の波長変換部材13の順となっている。即ち、LED光源11及び波長変換部材12からなる青色波長成分を含む擬似白色光を出射する発光体の外側に、波長変換部材13が配置されている。
【0032】
ここで、LED光源11は、発光装置10に配置される全ての波長変換部材12,13の蛍光体を励起することが可能な発光を含む必要があり、例えば、発光波長420〜490nm、好ましくは440〜470nm程度の青色光を出射するものがよい。また、LED光源11は、LED発光装置として、単体もしくは複数のLEDチップからなるものが好ましい。
【0033】
発光装置10の発光色は、波長変換部材12,13それぞれの厚さ、蛍光体含有量等によって調整することができる。
【0034】
他の波長変換部材12は、黄色蛍光体又は緑色蛍光体が分散された樹脂成型体であり、例えば、Y
3Al
5O
12:Ce
3+やLu
3Al
5O
12:Ce、(Ba,Sr)
2SiO
5:Eu
2+等の従来公知の黄色蛍光体や緑色蛍光体を熱可塑性樹脂に練り込んだ黄色系もしくは緑色系波長変換部材であることが好ましい。
【0035】
波長変換部材12における蛍光体の含有量は、入射する青色光の光量、黄色又は緑色波長領域の光の発光量、青色光の透過率等を考慮して決定され、例えば、Y
3Al
5O
12:Ce蛍光体を練り込んだ厚さ2mmの板材の場合、練り込み濃度は0.5〜5質量%が好ましく、2〜4質量%がより好ましい。
【0036】
波長変換部材13は、上述した本発明の波長変換部材であり、LED光源11及び波長変換部材12からの光が入射し、発光装置として効率的に光を出射する形状を有し、発光装置10において独立して単独で扱える部材(自立部材)である。波長変換部材13の形状は、
図1に示す円盤形状に限定されず、白熱電球のような球形状であってもよい。
【0037】
また、波長変換部材13とLED光源11との間隔は2〜100mmとすることが好ましく、5〜10mmとすることがより好ましい。上記範囲を超える場合でも使用可能であるが、上記間隔が2mm未満ではLED光源11からの熱影響を受けて波長変換部材が劣化するおそれがあり、100mm超では波長変換部材13が大きくなりすぎる場合がある。
【0038】
上記構成の発光装置10では、発光体(LED光源11、波長変換部材12)の外側に配置された波長変換部材13が、発光装置10の外観として見える構成となっている。従って、発光装置10が非点灯の時には、波長変換部材13は非発光状態であって、上述したCIELAB(CIE 1976)において、L
*:40以上60以下、a
*:0以上+1以下、b
*:+2以上+15以下で表される淡い肌色を呈することから、発光装置10が、設置空間(例えば、一般住宅の室内空間等)の美観を損なうようなことがなくなる。なお、波長変換部材13を覆って透明保護カバーを備えるようにしてもよい。
【0039】
本発明の発光装置10によれば、波長変換部材12,13中の双方の蛍光体を、同じLED光源11からの励起光が順次励起する構成となっていることから、複数のLED光源に基づいた発光装置におけるようなLEDの出力のばらつきによる発光色の違いは生じず、色度が安定し、かつ均一な発光が得られる。また、本発明の発光装置10によれば、該発光装置10の組み立ての最終段階で、目的の色度の発光に対応させて、それぞれにおいて蛍光体含有量を調整した波長変換部材12,13を組み付ければよく、簡単な調整で自由度の高い発光調色が可能となる。なお、本発明の波長変換部材13について、赤色蛍光体としてマンガン賦活複フッ化物蛍光体を用いた場合、緑色波長領域(又は黄色波長領域)の光の大部分を透過するため、発光装置10としての調光が容易である。
【0040】
なお、LED光源11の背後に、LED光源11からの光や波長変換部材12,13で反射もしくは波長変換された光を、波長変換部材12,13側に反射する反射部材15を設けてもよい。波長変換部材12及び13では、入射光の一部が波長変換部材によって反射もしくは波長変換されるが、LED光源11側に出てくるこれらの光を反射するための反射部材15を設けることにより、発光効率を向上させることができる。
【0041】
図2は、本発明に係る発光装置の第1の実施形態における他の構成を示す斜視図である。
本発明に係る発光装置10Aは、
図2に示すように、青色波長成分を含む擬似白色光を出射するLED光源11Aと、該LED光源11Aの光軸A上に配置される、上述した本発明の波長変換部材13とを備える。
【0042】
ここで、LED光源11Aは、例えば、波長420〜490nm、好ましくは440〜470nmの青色光を発光する青色LEDと、青色LED表面に黄色蛍光体又は緑色蛍光体を含む樹脂塗料を塗布した波長変換部とからなる擬似白色光を出射する光源である。
【0043】
波長変換部材13及び反射板15は、
図1に示したものと同様である。
【0044】
上記構成の発光装置10Aにおいても、発光体(LED光源11A)の外側に配置された波長変換部材13が、発光装置10Aの外観として見える構成となっていることから、発光装置10A非点灯時には波長変換部材13は非発光状態であって、上述した色合い(CIELAB(CIE 1976))において、L
*:40以上60以下、a
*:0以上+1以下、b
*:+2以上+15以下で表される淡い肌色を呈することから、発光装置10Aが、発光装置として配置空間の美観を損なうようなことはない。また、発光装置10A点灯時には、LED光源11Aから擬似白色光(例えば、青色光及び黄色光)が出射されると、擬似白色光が波長変換部材13に入射し、擬似白色光における青色光の一部が波長変換部材13に含まれる複フッ化物蛍光体等の蛍光体に吸収され、赤色波長領域を含む光(赤色光)に変換され、波長変換部材13を透過した残りの青色光及び黄色光と共に出射される。その結果、青色光、黄色光、赤色光が所定の比率で出射されることになり、演色性の高い白色光が得られる。
【0045】
図3は、本発明に係る発光装置の第2の実施形態における構成を示す斜視図である。
図3では、中央から左側の部分の一部において内部の構成がわかるような透視図としてある。
本発明に係る発光装置20は、
図3に示すように、電球タイプのものであり、本発明の波長変換部材23からなる略半球形状の電球カバーと、該電球カバー内部に収納される、支持部材を兼ねた上部が細くなった円柱状の反射部材25、及び反射部材25の外周面上に配置される青色波長成分を含む擬似白色光を出射するLED光源21Aとを備える。また、口金26からLED光源21Aに電力が供給される。
【0046】
上記構成の発光装置20においても、発光体(LED光源21A)の外側に配置された波長変換部材23が、発光装置20の外観(電球カバー)として見える構成となっていることから、発光装置20非点灯時には波長変換部材23は非発光状態であって、上述した色合い(CIELAB(CIE 1976))において、L
*:40以上60以下、a
*:0以上+1以下、b
*:+2以上+15以下で表される淡い肌色を呈することから、発光装置20が、配置空間(例えば、一般住宅の室内空間等)の美観を損なうようなことはない。また、発光装置20点灯時には、LED光源21Aから白色光(例えば、青色光及び黄色光)が出射されると、擬似白色光が波長変換部材23に入射し、擬似白色光における青色光の一部が波長変換部材23により赤色光に変換され、演色性の高い擬似白色光が得られる。
【0047】
なお、本発明に係る発光装置は、少なくとも青色光を発光するLED光源を有し、青色波長成分を含む擬似白色光を出射する発光体の外側に本発明の波長変換部材を備える構成であればよく、上記実施形態の発光装置(
図1〜
図3)に限定されるものではない。
【0048】
このような発光装置20を、
図4〜
図6に示す従来の電球タイプの発光装置と、非点灯時外観、演色性、発光効率の観点で相対評価すると、表1に示すようになる。
なお、
図4〜
図6では、中央から左側の部分の一部において内部の構成がわかるような透視図としてある。
図4の発光装置90A(比較品(1))は、
図3の発光装置20において波長変換部材23を、蛍光体を含まない白色樹脂のランプシェード92に代えたものである。
図5の発光装置90B(比較品(2))は、
図3の発光装置20においてLED光源21Aを、青色光を出射するLED光源21に代え、波長変換部材23を、黄色蛍光体が分散された樹脂成型体である波長変換部材22に代えたものである。
図6の発光装置90C(比較品(3))は、
図5の発光装置90Bにおいて、発光体(LED光源21及び波長変換部材22)の外側に、更に、蛍光体を含まない白色樹脂のランプシェード92を配置したものである。
【0050】
表1において、
図4の比較品(1)は、非点灯時の外観は白色のランプシェード92により良好であるが、赤色波長成分が少ないために演色性は劣り、発光効率もランプシェードがあるため、やや劣る。また、
図5の比較品(2)は、非点灯時に黄色系の波長変換部材22が外観として見えるために好ましくなく、発光色は赤色波長成分が少なく本発明品に劣る。また、
図6の比較品(3)は、非点灯時の外観は白色のランプシェード92により良好となるが、演色性は赤色波長成分が少なく、やや良であり、発光効率はランプシェード92により低下するために、やや劣る。
これに対して、
図3の本発明品(発光装置20)は、これらの全ての観点で良好である。
【0051】
本発明の波長変換部材は、リモートフォスファーとして、ランプシェードやランプカバーに好適であり、本発明の発光装置は、波長変換部材をランプシェード又はランプカバーとして適用したリモートフォスファー方式の発光装置、特に照明装置に好適である。
【実施例】
【0052】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0053】
[実施例1〜3、比較例1〜3]
以下の条件で、LED発光装置を作製した。
二軸押出機を用いて、透明ポリプロピレンペレットに、粒径D50値17.6μmのK
2(Si
0.97Mn
0.03)F
6蛍光体の混合を行い、K
2(Si
0.97Mn
0.03)F
6粉体の濃度を5質量%、10質量%としたK
2(Si
0.97Mn
0.03)F
6含有ポリプロピレンペレットを得た。
次に、得られたK
2(Si
0.97Mn
0.03)F
6含有ポリプロピレンペレットを用いて、20t横型射出成型機により成型を行い、厚さ2mm、直径100mmの円盤状の赤色系の波長変換部材を得た。
また、ポリカーボネート樹脂に、Y
3Al
5O
12:Ce
3+蛍光体を含有量5質量%又は10質量%で、又はLu
3Al
5O
12:Ce
3+蛍光体を含有量10質量%で混合したペレットを作製し、これを原料として射出成型を行い、厚さ2mm、直径100mmの円盤状の黄色系の波長変換部材を得た。
図7に示すように、得られた2種類の波長変換部材32,33を、LEDチップ(LED光源)31を備えるLED投光機(GL−RB100(Cree社製2W型青色LEDチップXT−Eロイヤルブルー6個使用)、日野電子(株)製)3の前面の光軸上にLED投光機3側から黄色系波長変換部材(Y
3Al
5O
12:Ce
3+蛍光体含有量5質量%、又はLu
3Al
5O
12:Ce
3+蛍光体含有量10質量%)32、赤色系波長変換部材(蛍光体含有量5質量%又は10質量%)33の順に配置し、LED発光装置とした。また、比較用として、赤色系波長変換部材33を配置せず、黄色系波長変換部材(Y
3Al
5O
12:Ce
3+蛍光体含有量5質量%又は10質量%、又はLu
3Al
5O
12:Ce
3+蛍光体含有量10質量%)32のみを配置したものも作製した。
作製したLED発光装置の発光体外側について、非点灯時の白色光下での外観色(色合い)を色彩色差計CR200(コニカミノルタオプティクス(株)製)で測定し、CIELABにより評価し、また、目視観察した。その結果を表2に示した。目視外観は、最も外側に配置された波長変換材料で決まり、実施例1〜3では薄い肌色を呈していたが比較例1〜3では黄色い色を呈していた。
【0054】
【表2】
【0055】
これらのLED発光装置から20cm離れた位置に、分光放射照度計CL−500A(コニカミノルタオプティクス(株)製)を設置して、それぞれ平均演色評価数Ra、特殊演色評価数△R9を測定した。その結果を表3に記載した。
【0056】
【表3】
【0057】
以上のように、本発明のLED発光装置によれば、黄色系波長変換部材のみを用いたLED発光装置の平均演色評価数Ra及び特殊演色評価数△R9を改善することができ、更に非点灯時に発光体の外側が薄い肌色を呈し、そのままでも非点灯時の発光装置としての美観を損なうことはなく、発光効率を阻害する従来のランプシェード等を省略することができる。
【0058】
なお、これまで本発明を、実施形態をもって説明してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。