特許第6080614号(P6080614)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6080614金属錯体担持メソポーラス材料の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6080614
(24)【登録日】2017年1月27日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】金属錯体担持メソポーラス材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 79/02 20060101AFI20170206BHJP
   C08K 3/16 20060101ALI20170206BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20170206BHJP
【FI】
   C08L79/02
   C08K3/16
   C08K3/36
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-37927(P2013-37927)
(22)【出願日】2013年2月27日
(65)【公開番号】特開2014-162909(P2014-162909A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年12月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220239
【氏名又は名称】東京応化工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(72)【発明者】
【氏名】平野 勲
(72)【発明者】
【氏名】今岡 享稔
(72)【発明者】
【氏名】山元 公寿
【審査官】 久保 道弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−208900(JP,A)
【文献】 特表2001−508484(JP,A)
【文献】 特開2003−178419(JP,A)
【文献】 特開2003−221441(JP,A)
【文献】 特開2003−221442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 79/00−79/08
C08K 3/00−3/40
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に金属元素を配位させた金属錯体を含む溶液を、メソポーラス材料と接触させる工程を含む、金属錯体担持メソポーラス材料の製造方法。
【化1】
(上記一般式(1)中のAは、フェニルアゾメチンデンドリマーの中核分子基であり、次式
【化2】
の構造で表され、Rは、置換基を有してもよい芳香族基を表し、pは、Rへの結合数を表し;
上記一般式(1)中のBは、前記Aに対して1個のアゾメチン結合を形成する次式
【化3】
の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表し;
上記一般式(1)中のRは、末端基として前記Bにアゾメチン結合を形成する次式
【化4】
の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表し;
nは、フェニルアゾメチンデンドリマーの前記Bの構造を介しての世代数を表し;
mは、フェニルアゾメチンデンドリマーの末端基Rの数を表し、n=0のときはm=pであり、n≧1のときはm=2pである。)
【請求項2】
前記金属元素が、Ga、Au、Fe、Pt、Ti、Sn、Cu、V、Ag、Ir、Tl、Ru、及びRhからなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の金属錯体担持メソポーラス材料の製造方法。
【請求項3】
前記メソポーラス材料が有する細孔の平均径が2〜7nmである、請求項1又は2に記載の金属錯体担持メソポーラス材料の製造方法。
【請求項4】
下記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に金属元素を配位させた金属錯体を担持する、金属錯体担持メソポーラス材料。
【化5】
(上記一般式(1)中のAは、フェニルアゾメチンデンドリマーの中核分子基であり、次式
【化6】
の構造で表され、Rは、置換基を有してもよい芳香族基を表し、pは、Rへの結合数を表し;
上記一般式(1)中のBは、前記Aに対して1個のアゾメチン結合を形成する次式
【化7】
の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表し;
上記一般式(1)中のRは、末端基として前記Bにアゾメチン結合を形成する次式
【化8】
の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表し;
nは、フェニルアゾメチンデンドリマーの前記Bの構造を介しての世代数を表し;
mは、フェニルアゾメチンデンドリマーの末端基Rの数を表し、n=0のときはm=pであり、n≧1のときはm=2pである。)
【請求項5】
前記金属元素が、Ga、Au、Fe、Pt、Ti、Sn、Cu、V、Ag、Ir、Tl、Ru、及びRhからなる群より選択される1種以上である、請求項4に記載の金属錯体担持メソポーラス材料。
【請求項6】
前記メソポーラス材料が有する細孔の平均径が2〜7nmである、請求項4又は5に記載の金属錯体担持メソポーラス材料。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか1項に記載の金属錯体担持メソポーラス材料中の金属錯体を金属含有ナノ粒子を内包するフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に変換した後に、メソポーラス材料から前記フェニルアゾメチンデンドリマー化合物を除去する工程を含む、金属含有ナノ粒子担持メソポーラス材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属錯体担持メソポーラス材料の製造方法と、金属錯体担持メソポーラス材料と、前述の金属錯体担持メソポーラス材料を用いる金属含有ナノ粒子担持メソポーラス材料の製造方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医薬品、電子機能材料、環境適合材料等のための素材として金属ナノ粒子や金属含有化合物のナノ粒子のような金属含有ナノ粒子が注目されている。金属含有ナノ粒子は、一般に10nm以下の微粒子であり、それ自身が医薬品、電子機能材料、環境適合材料等として有効であるだけでなく、これらを合成するための触媒としても優れた活性を備える。このような特性は、ナノ粒子が10nm以下の微粒子であることに基づく量子効果や、微粒子であることに伴う活性表面積の増大によってもたらされるものである。しかしながら、粒子径が10nm以下である金属含有ナノ粒子の調製は、微粒子化に伴って粒子同士の凝集作用の増大することから一般に困難である。
【0003】
このような背景から、金属含有ナノ粒子の製造方法としてデンドリマー化合物を鋳型として用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。不対電子対を有する窒素原子等を骨格に有するデンドリマー化合物は、ルイス酸との錯形成が可能であり、その分子内に様々な分子や原子を取り込むことができる。
【0004】
例えば、TPM−G4と称されるデンドリマー化合物とPtClとの錯体を溶液中で水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元してPtナノ粒子を内包するデンドリマー化合物を得た後に、Ptナノ粒子を内包するデンドリマー化合物をメソポーラスカーボンの有する細孔内に担持させる方法が知られている(非特許文献1を参照)。TPM−G4と称されるデンドリマー化合物は、非特許文献2に開示される。
【0005】
金属含有ナノ粒子の製造方法としてデンドリマー化合物を鋳型として用いる方法に、非特許文献1に記載される方法を応用すると、Ptナノ粒子を内包するデンドリマー化合物を担持するメソポーラスカーボンから、デンドリマー化合物を除去することで、Ptナノ粒子を担持するメソポーラスカーボンを得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2001−508484号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】今岡享稔、本郷悠史、田旺帝、山元公寿,「デンドリマー内包白金サブナノクラスターの担持による触媒安定化」,第110回触媒討論会A予稿集,2012年9月14日,470頁
【非特許文献2】K. Yamamoto,T. Imaoka,W. Chun,O. Enoki,H. Katoh,M. Takenaga,A. Sonoi,Nature Chem. 1,397,2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、非特許文献1に記載の方法では、TPM−G4と称されるデンドリマー化合物とPtClとの錯体を溶液中で水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元してPtナノ粒子を内包するデンドリマー化合物を得る際に、Ptナノ粒子を内包するデンドリマー化合物の凝集が生じてしまう。Ptナノ粒子を内包するデンドリマー化合物の凝集が生じてしまうと、メソポーラスカーボンが有する細孔のサイズ次第では、Ptナノ粒子を内包するデンドリマー化合物の凝集体が細孔内に担持されたり、Ptナノ粒子を内包するデンドリマー化合物をメソポーラスカーボンが有する細孔内に効率よく取り込めなかったりする問題が生じる。
【0009】
このような問題を回避する方法として、TPM−G4とPtClとの錯体を担持させた後に、TPM−G4とPtClとの錯体を還元する方法が考えられる。しかし、メソポーラス材料の細孔内に化合物が担持されるか否かは、化合物のサイズのみならず、化合物とメソポーラス材料の表面との親和性に大きく影響される。そして、種々の錯体について、リガンドと錯体とでは、疎水性表面や親水性表面に対する親和性が大きく異なることも知られている。
【0010】
このような実情から、Ptナノ粒子を内包するデンドリマー化合物がメソポーラスカーボンの有する細孔内に担持される事実があっても、TPM−G4とPtClとの錯体が、メソポーラスカーボンの有する細孔内に担持されることは、当業者でも予測が困難である。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものあって、金属錯体を凝集させることなくメソポーラス材料の細孔内に担持させることができる金属錯体担持メソポーラス材料の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、金属錯体が凝集することなくメソポーラス材料の細孔内に担持された金属錯体担持メソポーラス材料を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前述のメソポーラス材料の細孔内に担持された金属錯体を鋳型として用いる、金属含有ナノ粒子担持メソポーラス材料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、特定の構造のフェニルアゾメチンデンドリマー化合物を用いて形成される金属錯体の溶液をメソポーラス材料と接触させて、メソポーラス材料にフェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体を担持させることで、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
本発明の第一の態様は、下記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に金属元素を配位させた金属錯体を含む溶液を、メソポーラス材料と接触させる工程を含む、金属錯体担持メソポーラス材料の製造方法である。
【0014】
【化1】
(上記一般式(1)中のAは、フェニルアゾメチンデンドリマーの中核分子基であり、次式
【化2】
の構造で表され、Rは、置換基を有してもよい芳香族基を表し、pは、Rへの結合数を表し;
上記一般式(1)中のBは、前記Aに対して1個のアゾメチン結合を形成する次式
【化3】
の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表し;
上記一般式(1)中のRは、末端基として前記Bにアゾメチン結合を形成する次式
【化4】
の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表し;
nは、フェニルアゾメチンデンドリマーの前記Bの構造を介しての世代数を表し;
mは、フェニルアゾメチンデンドリマーの末端基Rの数を表し、n=0のときはm=pであり、n≧1のときはm=2pである。)
【0015】
本発明の第二の態様は、前述の一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に金属元素を配位させた金属錯体を担持する、金属錯体担持メソポーラス材料である。
【0016】
本発明の第三の態様は、第二の態様に係る金属錯体担持メソポーラス材料中の金属錯体を金属含有ナノ粒子を内包するフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に変換した後に、メソポーラス材料からフェニルアゾメチンデンドリマー化合物を除去する工程を含む、金属含有ナノ粒子担持メソポーラス材料の製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、金属錯体を凝集させることなくメソポーラス材料の細孔内に担持させることができる金属錯体担持メソポーラス材料の製造方法と、当該方法で製造される金属錯体担持メソポーラス材料とを提供することができる。また、本発明によれば、前述の方法でメソポーラス材料の細孔内に担持された金属錯体を鋳型として用いる、金属含有ナノ粒子担持メソポーラス材料の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1で得た、DPAG4er−AuCl錯体の溶液と、メソポーラスシリカが加えられたDPAG4er−AuCl錯体の溶液との吸収スペクトルを示す図である。
図2】実施例1で得たAuナノ粒子を内包するDPAG4erを担持するメソポーラスシリカをTEMグリッド上に分散させた状態で、走査透過型電子顕微鏡により観察した像を示す図である。
図3】実施例1で得た、Auナノ粒子を内包するDPAG4erを担持するメソポーラスシリカ(MCM−41)を走査型電子顕微鏡により観察した像を示す図である。
図4】メソポーラスシリカ(MCM−41)を走査型電子顕微鏡により観察した像を示す図である。
図5】実施例2で得たAuナノ粒子を内包するDPAG4erを担持するメソポーラスシリカをTEMグリッド上に分散させた状態で、走査透過型電子顕微鏡により観察した像を示す図である。
図6】実施例3で得た、Gaのナノ粒子を担持するメソポーラスシリカと、市販品のGa粒子との蛍光スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
≪金属錯体担持メソポーラス材料の製造方法≫
【0020】
金属錯体担持メソポーラス材料の製造方法は、下記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に金属元素を配位させた金属錯体を含む溶液を、メソポーラス材料と接触させる工程を含む。以下、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体の溶液と、メソポーラス材料と、メソポーラス材料への金属錯体の担持方法とについて順に説明する。
【0021】
(フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体の溶液)
フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体は、下記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物と、金属元素を含む金属化合物と溶液中で混合して調製することができる。
【0022】
【化5】
【0023】
上記一般式(1)中のAは、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の中核分子基であり、フェニルアゾメチンデンドリマー分子は、この中核分子基を中心として、外側に向かって上記一般式(1)中のBで表される単位の連鎖を成長させる。その結果、成長後のフェニルアゾメチンデンドリマー分子は、上記Aを中心として、上記Bが連鎖して放射状に成長した構造を有する。B及び後述するRが連鎖する回数を「世代」と呼び、中核分子基Aに隣接する世代を第1世代として、外側に向かって世代数が増加していく。上記一般式(1)中のAは、次式
【化6】
の構造で表され、Rは、置換基を有してもよい芳香族基を表し、pは、Rへの結合数を表す。
【0024】
上記一般式(1)中のBは、上記Aに対して1個のアゾメチン結合を形成させる次式
【化7】
の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表す。このBは、フェニルアゾメチンデンドリマー分子の世代を構成し、中核分子基Aに直接結合するBが第1世代となる。
【0025】
上記一般式(1)中のRは、末端基として上記Bにアゾメチン結合を形成する次式
【化8】
の構造で表され、Rは、同一又は異なって置換基を有してもよい芳香族基を表す。Rは、フェニルアゾメチンデンドリマー分子の放射状に伸びた構造の末端に位置することになり、上記Bと同様に世代を構成する。
【0026】
上記一般式(1)において、nは、フェニルアゾメチンデンドリマーの上記Bの構造を介しての世代数を表し、mは、フェニルアゾメチンデンドリマーの末端基Rの数を表し、n=0のときはm=pであり、n≧1のときはm=2pである。
【0027】
置換基を有してもよい芳香族基であるR、R及びRは、それぞれ独立に、その骨格構造として、フェニル基又はその類縁の構造であってよく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ビフェニルアルキレン基、ビフェニルオキシ基、ビフェニルカルボニル基、フェニルアルキル基等の各種のものが挙げられる。これらの骨格は、置換基として、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、メトキシエチル基等のアルコキシアルキル基、アルキルチオ基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基等の各種の置換基が例示される。上記骨格は、これらの置換基を、任意に1又は複数有することができる。
【0028】
上記置換基の中でも、メトキシ基、アミノ基のような電子供与性の高い置換基、又はシアノ基、カルボニル基のような電子受容性の高い置換基が好ましい。
【0029】
上記式R(−N=)で表される中核部分において、pとしては、特に限定されないが、例えば1〜4の整数が挙げられる。また、上記一般式(1)におけるnは、0又は1以上の整数であるが、例えば2〜6であることが好ましく例示される。
【0030】
このようなフェニルアゾメチンデンドリマー化合物の一形態として、下記式で表される化合物を挙げることができる。下記式で表される化合物は、世代数が4のフェニルアゾメチンデンドリマー化合物である。
【化9】
【0031】
上記一般式(1)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物は、単分子化合物としては比較的大きな分子(例えば、4世代(n=3)のフェニルアゾメチンデンドリマー化合物であれば、直径約2nm程度である。)であり、分子内に、金属原子が配位することのできる窒素原子を所定の間隔で複数保有する。このため、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物は、単分子化合物としては比較的大きな分子サイズの内部に、複数個の金属元素を1原子ずつ規則的に配置させることができる。
【0032】
フェニルアゾメチンデンドリマー化合物のサイズは、世代数、末端に結合する芳香族基のサイズ、末端に結合する芳香族基が有する置換基のサイズを適宜選択することで調整できる。その構造に基づいてフェニルアゾメチンデンドリマー化合物のサイズを調整することで、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物を用いて形成されるデンドリマーの金属錯体のサイズを調整することができる。
【0033】
フェニルアゾメチンデンドリマーを合成するには、公知の方法を使用することができる。このような方法として、例えば、ベンゾフェノンとジアミノベンゾフェノンとを、クロロベンゼン溶媒中において、塩化チタン及び塩基の存在下で反応させ、さらに、順次ジアミノベンゾフェノンと反応させて世代数を増加させる方法が挙げられるが、特に限定されない。
【0034】
以上説明したフェニルアゾメチンデンドリマー化合物と、金属化合物とを溶液中で混合することで、金属化合物中の金属元素がフェニルアゾメチンデンドリマー化合物中の窒素原子に配位し、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体を形成させることができる。
【0035】
フェニルアゾメチンデンドリマー化合物に配位させる金属元素の種類はデンドリマー化合物の金属錯体を形成可能であれば特に限定されない。好ましい金属元素としては、Ga、Au、Fe、Pt、Ti、Sn、Cu、V、Ag、Ir、Tl、Ru、及びRh等を例示することができる。これらの金属元素は、2種以上を組み合わせてもよい。フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体の調製に好適に使用される金属化合物としては、上記の好ましい金属元素の塩化物、臭化物、ヨウ化物等が挙げられる。また、上記の好ましい金属元素のアセチルアセトナートもフェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体の調製に使用できる。
【0036】
フェニルアゾメチンデンドリマー化合物を溶解させる溶媒の好適な例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、四塩化炭素等の含塩素系有機溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソール、アセトフェノン等の芳香族系有機溶媒、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、リモネン、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の有機溶媒が挙げられる。
【0037】
このようにして形成されるフェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体の粒子径は、後述するメソポーラス材料の細孔径に応じて適宜選択される。フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体の粒子径は、典型的には、2〜6nmが好ましい。このような粒子径のフェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体を用いる場合、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体を、メソポーラス材料の細孔内に良好に担持させやすい。金属錯体の粒子径は、サイズ排除クロマトグラフィー(GPC/SEC)により測定して得られる流体力学半径により決定される分子サイズとして求めることができる。
【0038】
(メソポーラス材料)
メソポーラス材料の材質や形状は特に限定されない。メソポーラス材料の典型的な形状としては、粒子形状や膜形状が挙げられる。メソポーラス材料の材質としては、シリカ、金属、又は金属酸化物が好ましい。金属としては、ニッケル、コバルト、パラジウム、銅、金、白金、銀、及びこれらの合金が挙げられる。金属酸化物に含まれる金属種としては、Ce、Zr、Al、Ti、Mg、W、Fe、Sr、Y等が挙げられる。メソポーラス材料の材質が金属酸化物である場合、金属酸化物は2種以上の金属元素を含んでいてもよい。メソポーラス材料の材質としては、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、白金、及びゼオライトがより好ましい。
【0039】
メソポーラス材料が有する細孔の平均径は、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体のサイズに応じて適宜選択される。フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体の凝集を防ぎつつ、細孔内に金属錯体を担持しやすいことから、メソポーラス材料が有する細孔の平均径は、2〜15nmが好ましく、2〜7nmがより好ましく、2〜5nmが特に好ましい。メソポーラス材料の細孔の平均径は、ガス吸着法及びTEM観察で測定することができる。
【0040】
(メソポーラス材料への金属錯体の担持方法)
以上説明した、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体の溶液と、メソポーラス材料とを接触させることで、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物をメソポーラス材料の細孔内に担持させることができる。フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体の溶液と、メソポーラス材料とを接触させる方法は特に限定されず、通常、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体の溶液に、メソポーラス材料を浸漬するのが好ましい。この場合、必要に応じて、メソポーラス材料を加えられたフェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体の溶液を撹拌してもよい。メソポーラス材料の使用量は特に限定されず、メソポーラス材料の比表面積や細孔容積等を勘案して適宜選択される。
【0041】
このようにして溶液中で形成される金属錯体担持メソポーラス材料は、ろ過等の方法により溶液中から回収された後に、乾燥されてもよい。
【0042】
≪金属錯体担持メソポーラス材料≫
以上のようにして製造される、細孔内にフェニルアゾメチンデンドリマー化合物の金属錯体を担持する金属錯体担持メソポーラス材料は、金属含有ナノ粒子担持メソポーラス材料を製造するための前駆体として好適に使用される。また、金属錯体担持メソポーラス材料は、金属錯体に含まれる金属化合物の種類に応じて、触媒等の用途に好適に使用することができる。
【0043】
≪金属含有ナノ粒子担持メソポーラス材料の製造方法≫
以上説明した方法により得られる、金属錯体担持メソポーラス材料中の金属錯体を金属含有ナノ粒子を内包するフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に変換した後に、メソポーラス材料からフェニルアゾメチンデンドリマー化合物を除去することで、金属含有ナノ粒子担持メソポーラス材料を製造することができる。
【0044】
金属錯体を金属含有ナノ粒子を内包するフェニルアゾメチンデンドリマー化合物に変換する方法は特に限定されず、化学薬品を用いる化学的処理であっても、熱や光等を用いる物理的処理であってもよい。
【0045】
例えば、金属錯体がフェニルアゾメチンデンドリマーとGaClとからなる錯体である場合、デンドリマーの錯体を、塩酸水の蒸気と接触させる方法等により加水分解することで、Ga(OH)を含むデンドリマーを生成させることができる。このようにして生成するGa(OH)をさらに加熱することで、Gaを生成させることができる。
【0046】
金属錯体がフェニルアゾメチンデンドリマーとPtClとからなる錯体である場合、デンドリマーの錯体を還元剤により処理することでPtClが還元され、フェニルアゾメチンデンドリマーの内部に白金のナノ粒子が形成される。還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素、ヒドラジン類、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素テトラn−ブチルアンモニウム、水素化ホウ素メチルアンモニウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、ボラン錯体類、トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化トリブチルホウ素リチウム、水素化トリブチルホウ素カリウム、Schwartz試薬、Stryker試薬、水素化トリブチルスズ、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム、ナトリウムベンゾフェノンケチル、及び過酸化水素等を用いることができる。
【0047】
デンドリマーの金属錯体がフェニルアゾメチンデンドリマー化合物とAuClとからなる錯体である場合、デンドリマーの錯体に紫外光のような光線を照射することでAuClが還元され、フェニルアゾメチンデンドリマーの内部に金のナノ粒子が形成される。デンドリマーの錯体を還元剤により処理することでAuClが還元され、フェニルアゾメチンデンドリマーの内部に白金のナノ粒子が形成される。還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素、ヒドラジン類、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素テトラn−ブチルアンモニウム、水素化ホウ素メチルアンモニウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、ボラン錯体類、トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化トリブチルホウ素リチウム、水素化トリブチルホウ素カリウム、Schwartz試薬、Stryker試薬、水素化トリブチルスズ、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム、ナトリウムベンゾフェノンケチル、及び過酸化水素等を用いることができる。
【0048】
メソポーラス材料からフェニルアゾメチンデンドリマー化合物を除去する方法は特に限定されない。好適な除去方法としては、焼成のような熱分解や、好ましくはオゾン処理のような酸化分解が挙げられる。
【0049】
このようにしてメソポーラス材料の細孔内に形成された金属含有ナノ粒子に対して、さらに化学的処理や物理的処理を施してもよい。例えば、金属含有ナノ粒子がGaのナノ粒子である場合、Gaのナノ粒子を担持するメソポーラス材料と、アンモニアや窒素ガスのような含窒素ガスとを接触させることで、Gaのナノ粒子と含窒素化合物とを加熱下に反応させて、GaNのナノ粒子を生成させることができる。含窒素ガスは、キャリアガスと共に反応装置内に供給されてもよい。キャリアガスの好適な例としては、窒素、アルゴン等が挙げられる。これらの中では、アルゴンがもっとも好ましい。この時の加熱温度は、典型的には、500〜1200℃が好ましく、650〜1100℃がより好ましく、750〜1050℃が特に好ましい。加熱下での含窒素ガスとの反応に変えて、窒素ガスと水素ガスとを用いるプラズマイオン処理や、アンモニアと水素ガスとを用いるラジカル窒化処理を適用することもできる。
【0050】
以上のようにして製造される金属含有ナノ粒子担持メソポーラス材料は、金属含有ナノ粒子の種類に応じて、触媒、量子ドット、蛍光材料等の種々の用途に使用される。
【実施例】
【0051】
次に、実施例を示すことにより本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0052】
以下、実施例では、フェニルアゾメチンデンドリマー化合物として、下記構造のDPAG4erを用いた。
【化10】
【0053】
[実施例1]
DPAG4er(5μmol/L)をクロロホルム/アセトニトリル(体積比1:1)の混合溶媒に溶解させた溶液3mLに対し、AuClのアセトニトリル溶液(4.68mmol/L)150μLを加えて、DPAG4er−AuCl錯体の濃度5μmol/Lの溶液を得た。DPAG4erに対するAuClの等量は14等量である。なお、AuClの等量とは、DPAG4er1molに対する、AuClのモル数を意味する。得られたDPAG4er−AuCl錯体の溶液に、メソポーラスシリカ(MCM−41、細孔径2〜3nm)20mgを加えて、メソポーラスシリカにDPAG4er−AuCl錯体を担持させた。
【0054】
DPAG4er−AuCl錯体の溶液と、メソポーラスシリカが加えられたDPAG4er−AuCl錯体の溶液とについて波長300〜500nmの光線に対する吸収スペクトルを測定した。図1中、メソポーラスシリカが加えられたDPAG4er−AuCl錯体の溶液のスペクトルを(a)として、DPAG4er−AuCl錯体の溶液のスペクトルを(b)として示す。図1によれば、DPAG4er−AuCl錯体の溶液にメソポーラスシリカを加えることにより吸収が消失していることが分かる。これにより、メソポーラスシリカが加えられたDPAG4er−AuCl錯体の溶液では、メソポーラスシリカにDPAG4er−AuCl錯体が担持されていることが分かる。
【0055】
メソポーラスシリカが加えられたDPAG4er−AuCl錯体の溶液を乾固して、DPAG4er−AuCl錯体を担持したメソポーラスシリカの粉体を得た。得られた粉体に、紫外線を照射して、Auナノ粒子を内包するDPAG4erが担持されたメソポーラスシリカを調製した。
【0056】
紫外線を照射された粉体を、クロロホルムとアセトニトリルとの体積比1:1の混合溶媒に分散させた。得られた分散液をポリマー担持カーボンメッシュTEMグリッド上にキャストし、HAADF−STEM(走査透過型電子顕微鏡、JEM−2100F、日本電子株式会社製)を用いてTEMグリッドの表面を観察した。HAADF−STEMで観察したTEMグリッドの表面の像を図2に示す。図2中で、Auナノ粒子の微小な黒点が観察されており、メソポーラスシリカには、Auナノ粒子を内包するDPAG4erが担持されていることが分かる。
【0057】
次に、紫外線を照射された粉体をSEM(走査型電子顕微鏡、SU8000、株式会社日立ハイテクソリューションズ製)により観察した像を図3に示す。また、メソポーラスシリカ(SBA−15)をSEMにより観察した像を図4に示す。
【0058】
SEMでは試料に電子線を照射して発生する2次電子を観測しているため、絶縁体試料をSEMにより観察する場合、試料表面から電子が失われる影響によって絶縁体試料の像が白く浮き上がる「チャージアップ」と呼ばれる現象が生じる。図3ではこのようなチャージアップが観察されるが、図4ではチャージアップが観察されない。このことから、紫外線を照射された粉体では、Auナノ粒子を内包するDPAG4erがメソポーラスシリカの細孔内に分散していることが分かる。
【0059】
得られたAuナノ粒子を内包するDPAG4erを担持するメソポーラスシリカに、熱処理又はオゾン等を用いる酸化処理を施して、DPAG4erを除去することで、Auナノ粒子を細孔内に担持するメソポーラスシリカを得ることができる。
【0060】
[実施例2]
DPAG4er(5μmol/L)をクロロホルム/アセトニトリル(体積比1:1)の混合溶媒に溶解させた溶液3mLに対し、AuClのアセトニトリル溶液(4.68mmol/L)150μLを加えて、DPAG4er−AuCl錯体の濃度5μmol/Lの溶液を得た。DPAG4erに対するAuClの等量は14等量である。なお、AuClの等量とは、DPAG4er1molに対する、AuClのモル数を意味する。得られたDPAG4er−AuCl錯体の溶液に、メソポーラスシリカ(SBA−15、細孔径5〜7nm)5mgを加えて、メソポーラスシリカにDPAG4er−AuCl錯体を担持させた。
【0061】
次いで、実施例1と同様にして、Auナノ粒子を内包するDPAG4erが担持されたメソポーラスシリカを調製した。得られた、Auナノ粒子を内包するDPAG4erが担持されたメソポーラスシリカを実施例1と同様の方法でポリマー担持カーボンメッシュTEMグリッド上にキャストした。実施例1と同様にしてHAADF−STEMでTEMグリッド表面を観察した像を図5に示す。図5中で、Auナノ粒子の微小な黒点が観察されており、メソポーラスシリカには、Auナノ粒子を内包するDPAG4erが担持されていることが分かる。
【0062】
[実施例3]
DPAG4er(5μmol/L)をクロロホルム/アセトニトリル(体積比1:1)の混合溶媒に溶解させた溶液3mLに対し、GaClのアセトニトリル溶液(3mol/L)120μLを加えて、DPAG4er−GaCl錯体の濃度5μmol/Lの溶液を得た。DPAG4erに対するGaClの等量は14等量である。なお、GaClの等量とは、DPAG4er1molに対する、GaClのモル数を意味する。得られたDPAG4er−GaCl錯体の溶液3mLに、メソポーラスシリカ(MCM−41、細孔径2〜3nm)5.0mgを加え、メソポーラスシリカにDPAG4er−GaCl錯体を担持させた。DPAG4er−GaCl錯体の溶液と、メソポーラスシリカを加えられた溶液とについて、波長300〜600nmの光線に対する吸収スペクトルを測定した。その結果、メソポーラスシリカを加えられた溶液のスペクトルでは、DPAG4er−GaCl錯体の溶液のスペクトル中に観察されるDPAG4er−GaCl錯体に由来するピークが消失していることが分かった。これにより、メソポーラスシリカを加えられた溶液では、DPAG4er−GaCl錯体がメソポーラスシリカに担持されていることが分かる。
【0063】
DPAG4er−GaCl錯体を担持するメソポーラスシリカを含む溶液から、ろ過により固形分を回収した後、回収された粉体を十分に乾燥させて、DPAG4er−GaCl錯体を担持するメソポーラスシリカの黄色の粉体を得た。得られた粉体を、濃度10質量%の塩酸雰囲気下に1時間暴露し、DPAG4er−GaCl錯体中のGaClを加水分解して、Ga(OH)を生成させた。次いで、粉体を100℃で1時間加熱して、Ga(OH)をGaに変換した。その後、粉体をオゾン処理して、粉体中の有機物を除去して、白色の粉末を得た。
【0064】
得られた白色の粉末の、波長300〜550nmの蛍光スペクトルを蛍光スペクトル測定装置(Spectrofluorometer、FP−8300 JASCO社製)を用いて波長230nmの励起光により測定した。また、熱処理の温度を、100℃から300℃又は500℃に変えて調製したGaを担持するメソポーラスシリカと、市販品のGa粉末(和光純薬株式会社製)との蛍光スペクトルを測定した。これらの試料の蛍光スペクトルを図6に示す。図6中、100℃で熱処理して得た試料の蛍光スペクトルを(a)として、300℃で熱処理して得た試料の蛍光スペクトルを(b)として、500℃で熱処理して得た試料の蛍光スペクトルを(c)として、市販品のGa粉末の蛍光スペクトルを(d)として示す。
【0065】
図6中の(a)〜(c)によれば、DPAG4er−GaCl錯体をメソポーラスシリカに担持させて調製したGaの蛍光スペクトルのピークは、市販品のGa粉末の蛍光スペクトルのピークよりも、短波長側に大きくシフトしていることが分かる。このピークシフトは、メソポーラスシリカに担持されたGaのナノ粒子の結晶構造に何らかの欠陥が生じているためと考えられる。また、図6中の(a)〜(c)によれば、DPAG4er−GaCl錯体をメソポーラスシリカに担持させて調製したGaの蛍光スペクトル形状は、Gaを調製する際の熱処理温度の影響で変化しないことが分かる。
図1
図6
図2
図3
図4
図5