(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
リソグラフィ装置のための流体ハンドリング構造であって、該構造は、投影システムの最終要素と対向面との間の空間に、該構造に対する該対向面の移動中、液浸流体を閉じ込めるように構成され、該構造は、
ヒータに隣接する前記対向面の部分を加熱するヒータを備え、
さらに、前記構造の内部に配置された流体ヒータを備え、
前記流体ヒータは、前記構造内で流体と接触し、
前記流体ヒータは、加熱された流体が前記構造から前記対向面上の開口を通って流れ、前記部分を加熱するように、前記構造内で流体を加熱する、流体ハンドリング構造。
リソグラフィ装置のための流体ハンドリング構造であって、該構造は、投影システムの最終要素と対向面との間の空間に、該構造に対する該対向面の移動中、液浸流体を閉じ込めるように構成され、該構造は、
ヒータに隣接する前記対向面の部分を加熱するヒータを備え、
さらに、前記構造の内部に配置された流体ヒータを備え、
前記流体ヒータは、前記構造内で流体と接触し、
前記流体ヒータは、加熱された流体が前記空間の周囲の閉じた経路内に配置された複数の開口を通り、前記構造から流出するように、前記構造内で流体を加熱する、流体ハンドリング構造。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0037]
図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを備える。
【0026】
[0038] 照明システムILは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁、静電型等の光学コンポーネント、又はその任意の組合せなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
【0027】
[0039] 支持構造MTはパターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスMAが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスMAを保持するために、機械的、真空、静電式等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスMAが例えば投影システムPSなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0028】
[0040] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0029】
[0041] パターニングデバイスMAは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
【0030】
[0042] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁光学システム及び静電型光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0031】
[0043] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
【0032】
[0044] リソグラフィ装置は、2つ以上のテーブル(又はステージ又は支持体)、例えば2つ以上の基板テーブル、又は1つ又は複数の基板テーブルと1つ又は複数のクリーニング、センサ又は測定テーブルとの組合せなどを有するタイプとすることができる。例えばある実施形態では、リソグラフィ装置は、投影システムの露光側に位置決めされた2つ以上のテーブルを備えるマルチステージ装置であり、各テーブルは1つ又は複数のオブジェクトを備え、及び/又は保持する。ある実施形態では、テーブルのうち1つ又は複数は放射線感応性基板を保持することができる。ある実施形態では、テーブルのうち1つ又は複数は投影システムからの放射を測定するセンサを保持することができる。ある実施形態では、マルチステージ装置は、放射感応性基板を保持するように構成された第1のテーブル(すなわち、基板テーブル)と、放射感応性基板を保持するように構成されていない第2のテーブル(以降は一般に、測定、センサ及び/又はクリーニングテーブルと呼ぶが、これに限定されない)とを備える。第2のテーブルは、放射感応性基板以外に1つ又は複数のオブジェクトを備える、及び/又は保持することができる。このような1つ又は複数のオブジェクトには、以下から選択される1つ又は複数がある。すなわち、投影システムからの放射を測定するセンサ、1つ又は複数の位置合わせマーク、及び/又は(例えば液体閉じ込め構造をクリーニングする)クリーニングデバイスである。
【0033】
[0045] このような「複数ステージ」(又は「マルチステージ」)機械では、複数のテーブルを並列に使用でき、あるいは1つ又は複数の他のテーブルを露光のために使用しながら、1つ又は複数のテーブル上で準備ステップを実施することができる。リソグラフィ装置は、基板、センサ及び測定テーブルと同様に並列に使用できる2つ以上のパターニングデバイステーブル(又はステージ若しくは支持体)を有していてもよい。
【0034】
[0046] ある実施形態では、リソグラフィ装置は装置のコンポーネントの位置、速度などを測定するエンコーダシステムを備えていてもよい。ある実施形態では、コンポーネントは基板テーブルを含んでいる。ある実施形態では、コンポーネントは測定及び/又はセンサ及び/又は洗浄テーブルを含んでいる。エンコーダシステムは本明細書に記載のテーブル用の干渉計システムの追加、又はその代替であってもよい。エンコーダシステムは、センサ、トランスデューサ、又は目盛又はグリッドを有する例えば1対の関連する読み取りヘッドを備えている。ある実施形態では、可動コンポーネント(例えば基板テーブル及び/又は測定及び/又はセンサ及び/又は洗浄テーブル)は1つ又は複数の目盛又はグリッドと、コンポーネントがそれに対して移動するリソグラフィ装置のフレームは1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、又は読み取りヘッドを有している。1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、又は読み取りヘッドは、1つ又は複数の目盛又は1つ又は複数のグリッドと連係してコンポーネントの位置、速度などを判定する。ある実施形態では、コンポーネントがそれに対して移動するリソグラフィ装置のフレームは1つ又は複数の目盛又はグリッドを有し、可動コンポーネント(例えば基板テーブル及び/又は測定及び/又はセンサ及び/又は洗浄テーブル)は1つ又は複数の目盛又は1つ又は複数のグリッドと連係してコンポーネントの位置、速度などを判定する1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、又は読み取りヘッドを有している。
【0035】
[0047]
図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源SOとリソグラフィ装置とは、例えば放射源SOがエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDを用いて、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源SOが水銀ランプの場合は、放射源SOがリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0036】
[0048] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。放射源SOと同様、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一部を形成すると考えてもよいし、又は考えなくてもよい。例えば、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一体化部分であってもよく、又はリソグラフィ装置とは別の構成要素であってもよい。後者の場合、リソグラフィ装置は、イルミネータILをその上に搭載できるように構成することもできる。任意選択として、イルミネータILは着脱式であり、別に提供されてもよい(例えば、リソグラフィ装置の製造業者又は別の供給業者によって)。
【0037】
[0049] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスMAによってパターニングされる。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)を用いて、基板テーブルWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めできるように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(
図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分Cの間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして知られている)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0038】
[0050] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
【0039】
[0051] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
【0040】
[0052] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分Cの(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分Cの(スキャン方向における)高さが決まる。
【0041】
[0053] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0042】
[0054] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0043】
[0055] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどのマイクロスケール、更にはナノスケールのフィーチャを有するコンポーネントの製造である。
【0044】
[0056] 投影システムPSの最終要素と基板との間に液体を提供する構成は、3つの一般的なカテゴリに分類できる。これらは、浴槽タイプの構成、いわゆる局所液浸システムと、オールウェット液浸システムである。浴槽タイプの構成では、実質的に基板Wの全体と、任意選択で基板テーブルWTの一部が液体の浴槽に浸される。
【0045】
[0057] 局所液浸システムは、液体が基板の局所区域にのみ提供される液体供給システムを使用する。液体によって充填された空間は、基板の上面より平面視で小さく、液体によって充填される区域は、その区域の下を基板Wが移動している間、投影システムPSに対して実質的に静止している。
図2〜
図6は、そのようなシステムで使用することができる異なった供給デバイスを示す。液体を局所区域に封止する封止特徴部が存在する。提案されているこれを配置する方法の1つが、PCT特許出願公開WO99/49504号に開示されている。
【0046】
[0058] オールウェット構成では、液体は閉じ込められない。基板上面の全体と基板テーブルの全部又は一部が液浸液に覆われる。少なくとも基板を覆う液体の深さは小さい。液体は、基板上の液体の薄膜などの膜であってもよい。液浸液は、投影システムと投影システムに対向する対向面(そのような対向面は基板及び/又は基板テーブルの表面であってもよい)に、又はその領域内に供給することができる。
図2〜
図5の液体供給デバイスのいずれもそのようなシステムで使用することができる。しかし、封止特徴部が存在しないか、活性化されていないか、通常より効率が落ちるか、又はその他の点で液体を局所区域にのみ封止する効果がない場合がある。
【0047】
[0059]
図2及び
図3に図示されているように、液体は、少なくとも1つの入口によって基板上に、好ましくは最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給される。液体は、投影システムの下を通過した後に少なくとも1つの出口によって除去される。基板が−X方向にて要素の下でスキャンされると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて取り上げられる。
図2は、液体が入口を介して供給され、低圧源に接続された出口によって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示したものである。
図2の図では、液体が最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給されるが、こうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口の様々な方向及び数が可能であり、一例が
図3に図示され、ここでは両側に出口を持つ4組の入口が最終要素の周囲に規則的パターンで設けられる。液体のフローの方向は、
図2及び
図3に矢印で示されていることに留意されたい。
【0048】
[0060] 局所液体供給システムを備える液浸リソグラフィの別の解決法が
図4に図示されている。液体が、投影システムPSのいずれかの側にある2つの溝入口によって供給され、入口の半径方向外側に配置された複数の別個の出口によって除去される。入口は、投影される投影ビームが通る穴が中心にあるプレートに配置することができる。液体は、投影システムPSの一方側にある1つの溝入口によって供給され、投影システムPSの他方側にある複数の別個の出口によって除去されて、投影システムPSと基板Wの間に液体の薄膜の流れを引き起こす。どの組合せの入口と出口を使用するかの選択は、基板Wの動作方向によって決定することができる(他の組合せの入口及び出口は動作しない)。流体のフローの方向と基板Wの方向は
図4に矢印で示されていることに留意されたい。
【0049】
[0061] 提案されている別の構成は、液体供給システムに液体閉じ込め構造を提供する構成である。液体閉じ込め構造は、投影システムの最終要素と基板テーブルとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する。そのような構成を
図5に示す。
【0050】
[0062] ある実施形態では、リソグラフィ装置は、メッシュ又は同様の多孔質材料で覆われた入口を有する液体除去デバイスを有する液体閉じ込め構造を備えている。メッシュ又は同様の多孔質材料は、投影システムの最終要素と可動テーブル(例えば基板テーブル)との間の空間で液浸液と接触する二次元配列の穴を備えている。ある実施形態では、メッシュ又は同様の多孔質材料はハニカムメッシュ又はその他の多角形メッシュを含んでいる。ある実施形態では、メッシュ又は同様の多孔質材料はリソグラフィ装置の投影システムの画像フィールドの周囲全体に延在する。ある実施形態では、メッシュ又は同様の多孔質材料は液体閉じ込め構造の底面に位置し、テーブルの方向に面する表面を有している。ある実施形態では、メッシュ又は同様の多孔質材料は、テーブルの上面と全体的に平行な底面の少なくとも一部を有している。
【0051】
[0063]
図5は、液体ハンドリング構造12を有する局所液浸システム又は流体ハンドリングシステムを概略的に示す。液体ハンドリング構造12は、投影システムの最終要素と基板テーブルWT又は基板Wとの間に空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する。(以下の説明における基板Wの表面という表現は、明示的に断りのない限り、追加的に又は代替的に、基板テーブルの表面も意味することに留意されたい。基板テーブルWTという表現は、明示的に断りのない限り、基板テーブル上に位置するセンサという表現を含む。)液体ハンドリング構造12はXY平面内で投影システムに対して実質的に静止しているが、Z方向(光軸の方向)には相対運動があってもよい。ある実施形態では、液体ハンドリング構造12と基板Wとの間に封止が形成され、封止はガスシール(ガスシールを備えたこのようなシステムが欧州特許出願公開EP−A−1,420,298号に開示されている)又は液体シールなどの非接触封止であってもよい。
【0052】
[0064] 液体ハンドリング構造12は、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11内に少なくとも部分的に液体を封じ込める。液体が基板Wの表面と投影システムPSの最終要素との間の空間11内に閉じ込められるように、基板Wへの非接触封止16を投影システムPSのイメージフィールドの周囲に形成することができる。空間11は、投影システムPSの最終要素の下に位置しそれを取り囲む液体ハンドリング構造12によって少なくとも部分的に形成される。液体は、液体入口13によって投影システムPSの下の空間及び液体ハンドリング構造12内に流し込まれる。液体は、液体出口13によって除去することができる。液体ハンドリング構造12は、投影システムの最終要素から上に少し延在することができる。液体のバッファが提供されるように、液面は最終要素より上に上昇する。ある実施形態では、液体ハンドリング構造12は、上端で、投影システム又はその最終要素の形状にぴったりと一致する、例えば円形の内周を有する。底部で、内周は、イメージフィールドの形状、例えば矩形にぴったりと一致するが、これはそうでなくてもよい。
【0053】
[0065] 液体は、液体ハンドリング構造12の底部と基板Wの表面との間に使用時に形成されるガスシール16によって空間11内に封じ込められてもよい。ガスシールは気体によって形成される。ガスシール内の気体は、圧力を受けて入口15を介して液体ハンドリング構造12と基板Wの間のギャップに提供される。気体は出口14を介して抽出される。気体入口15での正圧力、出口14の真空レベル、及びギャップのジオメトリは、液体を閉じ込める内側への高速の気体フロー(ガスフロー)16が存在するように構成される。流体ハンドリング12と基板Wとの間の液体にかかる気体の力が液体を空間11に封じ込める。入口/出口は、空間11を取り囲む環状の溝であってもよい。環状の溝は連続していてもよいし、又は不連続であってもよい。気体フロー16は、空間11内に液体を封じ込める効果がある。このようなシステムは、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。ある実施形態では、液体ハンドリング構造12はガスシールを有しない。ある実施形態では、液体ハンドリング構造12は、ガスシールを有していないが、ガスシール以外の非接触シールを有していてもよい。
【0054】
[0066]
図6は、液体供給システムの一部である液体ハンドリング構造12を示す。液体ハンドリング構造12は、投影システムPSの最終要素の周辺(例えば周囲)の周りに延在する。
【0055】
[0067] 部分的に空間11を画定する表面の複数の開口20が液体を空間11に提供する。液体は、空間11に流入する前にそれぞれのチャンバ24、26をそれぞれ通って側壁28、22の開口29、20を通過する。
【0056】
[0068] 液体ハンドリング構造12の底面と、例えば基板W、又は基板テーブルWT、又は両方である対向面の間にシールが設けられる。
図6では、シールデバイスは非接触シールを形成するように構成され、幾つかのコンポーネントから成っている。投影システムPSの光軸から半径方向外側に、空間11内に延在する(任意選択の)フロー制御板51が設けられている。制御板51は、液体がそれを通って流れることができる開口55を有していてもよい。開口55は、制御板51が(例えば投影システムPSの光軸と平行な)Z方向に変位する場合に有利であり得る。例えば基板Wである対向面に面する(例えば反対側)液体ハンドリング構造12の底面上にフロー制御板51の半径方向外側には、開口180があってもよい。開口180は対向面に向かう方向に液体を供給することができる。この液は、結像中に基板Wと基板テーブルWTとの間のギャップを満たすことによって液浸液中に泡が形成されることを防止するのに有用であり得る。
【0057】
[0069] 開口180の半径方向外側に、液体ハンドリング構造12と対向面との間から液体を抽出するための抽出器アセンブリ70があってもよい。抽出器アセンブリ70は単相抽出器として、又は二相抽出器として動作してもよい。抽出器アセンブリ70は液体のメニスカス320のメニスカスピニングフィーチャとして動作する。
【0058】
[0070] 抽出器アセンブリの半径方向外側にはガスナイフ90を設けてもよい。抽出器アセンブリとガスナイフの配置は、参照により全体を本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2006/0158627号に詳細に開示されている。
【0059】
[0071] 単相抽出器としての抽出器アセンブリ70は、参照により全体を本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2006−0038968号に開示されているような液体除去デバイス、抽出器、又は入口を含んでもよい。ある実施形態では、液体除去デバイス70は、単一の液相の液体抽出を可能にするために液体をガスから分離するために使用される多孔質材料111で覆われた入口120を含んでもよい。多孔質材料111の穴内に形成されるメニスカスが、周囲ガスが液体除去デバイス70のチャンバ121内に引き込まれることを実質的に防止するようなチャンバ121内の負圧が選択される。しかし、多孔質材料111の表面が液体と接触すると、フローを制限するメニスカスがなくなり、液体は液体除去デバイス70のチャンバ121内に自由に流入することができる。
【0060】
[0072] ガスナイフ90の径方向外側にガスナイフ90のガス、及び/又はガスナイフ90の先に逃れる液体を除去する1つ又は複数の出口210を提供してもよい。1つ又は複数の出口210は、ガスナイフ90の1つ又は複数の出口の間に位置していてもよい。出口210への流体(気体及び/又は液体)の振り向けを容易にするために、ガスナイフ90の出口及び/又はガスナイフ90の出口の間から出口210へ向かう凹部220を液体閉じ込め構造12内に提供してもよい。
【0061】
[0073] 多孔質材料111は、例えば直径などの幅などが100マイクロメートル、望ましくは5〜50マイクロメートルの範囲の寸法を各々が有する多数の小さな穴を有している。多孔質材料111は、例えば基板Wの表面のような、液体がそこから除去される対向面などの表面から50〜300マイクロメートルの範囲の高さに保持されてもよい。ある実施形態では、多孔質材料111は少なくともやや親液性であり、すなわち例えば水などの液浸液に対するその動的接触角は90°以下、望ましくは85°以下、又は望ましくは80°以下である。
【0062】
[0074]
図6には特に図示されていないが、液体供給システムは、液体のレベルの変動に対処する構成を有する。これは、投影システムPSと液体閉じ込め構造12の間に蓄積する(そしてメニスカス400を形成する)液体に対処することができ、これが逃げないようにするためである。この液体に対処する1つの方法は、疎液性(例えば疎水性)コーティングを設けることである。コーティングは、開口を囲む液体ハンドリング構造12の頂部の周囲に、及び/又は投影システムPSの最終光学要素の周囲に帯を形成することができる。コーティングは、投影システムPSの光軸の半径方向外側とすることができる。疎液性(例えば疎水性)コーティングは、液浸液を空間11内に維持するのを助ける。追加的に又は代替的に、構造12に対して特定の高さに到達した液体を除去するために、1つ又は複数の出口201を設けることができる。
【0063】
[0075] 別の局所区域の配置は、気体抗力原理を利用する液体ハンドリング構造である。いわゆる気体抗力原理は、例えば米国特許出願公開US2008−0212046号、US2009−0279060号、及びUS2009−0279062号に記載されている。このシステムでは、抽出穴は望ましくはコーナーを有する形状で配置される。コーナーはステップ方向、又はスキャン方向などの好ましい移動方向と位置合わせされてもよい。これによって、2つの出口が好ましい方向に垂直に位置合わせされた場合と比較して、好ましい方向での所与の速度の場合、液体ハンドリング構造の表面の2つの開口の間のメニスカスに加わる力が低減する。しかし、本発明のある実施形態は、平面図でみて任意の形状を有し、又は任意の形状で配置された抽出口などのコンポーネントを有する流体ハンドリングシステムに適用されてもよい。このような形状としては、円のような楕円、例えば四角形などの矩形のような直線形状、ひし形のような平行四辺形、又は4点星以上の星形のような5つ以上のコーナーを有するコーナー付きの形状が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
[0076] 本発明の実施形態が関連する米国特許出願公開US2008/0212046A1号のシステムの変化形態では、開口が配置されているコーナーを有する幾何形状によって、スキャン方向とステップ方向の両方向に位置合わせされたコーナーにとって鋭角のコーナー(約60°〜90°、望ましくは75°〜90°、最も望ましくは75°〜85°)が存在できる。それによって位置合わせされた各コーナーの方向での速度を高めることが可能になる。これは、例えば臨界速度を超えるなど、スキャン方向での不安定なメニスカスによる液滴の生成が低減するからである。コーナーがスキャン方向とステップ方向の両方向に位置合わせされる場合は、これらの方向で速度上昇を達成し得る。スキャン方向とステップ方向での移動速度は実質的に等しいことが望ましい。
【0065】
[0077]
図7は、一実施例によるリソグラフィ装置の液体ハンドリング構造12の概略底面図である。上記実施形態で説明したように、構造12は、構造12に対する基板Wの移動中に投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11内に液浸流体を閉じ込めるように構成されている。ある実施形態では、液体ハンドリング構造12は、基板Wの表面などの液体ハンドリング構造12に対向する(例えば、その下にある)表面の部分を加熱する少なくとも1つのヒータ34を備える。表面の部分は、その時点でヒータ34に隣接している。
【0066】
[0078] 基板テーブル内にヒータが提供されるシステムでは、対向面の多くの異なる部分を別々に加熱したい場合、比較的多数のヒータが必要になる。
図7の構成では、比較的少数のヒータ34が多数の位置での独立した加熱を提供できる。例えば、異なる時間に加熱を施すようにヒータを構成してもよい。異なる時間の加熱によって、テーブルWTと液体ハンドリング構造12との相対運動のために対向面上の異なる位置で加熱が施される。
【0067】
[0079]
図7に示す構成では、液体ハンドリング構造12は、センサ30の下に及び/又は隣接している基板Wの表面などの対向面の部分の温度を測定する少なくとも1つのセンサ30を備える。別のシステムでは、基板テーブルWT内にセンサが提供される。このようなシステムでは、基板W上の多くの位置で別々に温度を測定したい場合、比較的多数のセンサが必要になる。この実施形態によれば、比較的少数のセンサ34が多数の位置での独立した温度測定を提供できる。センサシステムは、例えば、異なる時間に、又は同時に温度測定を実行できる。異なる時間に温度測定を実行することで、テーブルWTと液体ハンドリング構造12との相対運動のために対向面上の異なる位置で温度測定が実行される。
【0068】
[0080] ある実施形態では、液体ハンドリング構造12は、少なくとも1つのヒータ34を備えるが、センサ30は含まない。このタイプの構成では、ヒータ34からの出力は、例えばテーブルWT内に提供された1つ又は複数の温度センサの出力を参照して制御できる。オプションとして、ヒータ34からの出力は、液体ハンドリング構造12の位置の測定を参照して制御できる。例えば、液体ハンドリング構造12と対向面との間の相対測定位置が、ヒータ34が加熱を要する対向面の位置の上方にある(例えば、液体ハンドリング構造12上にない温度センサの決定により)ときに、液体ハンドリング構造12内のヒータ34を起動してもよい。液体ハンドリング構造12上の温度センサを必要としない実施形態では、液体ハンドリング構造12のより簡単な構造が容易に実現できる。
【0069】
[0081] ある実施形態では、液体ハンドリング構造12は、センサ30の近くの対向面の部分の温度を測定する少なくとも1つのセンサ30を備えるが、ヒータは含まない。このような実施形態では、センサ30からの出力を、例えば、基板テーブルWT内又は上に位置する1つ又は複数のヒータを制御する制御システムの入力として使用することができる。
【0070】
[0082]
図7に示すタイプの構成では、多数の位置での独立した加熱と独立したセンシングがテーブルWTへの追加のハードウェアの装着又は一体化なしに可能になる。これによって、テーブルWTの重量は、低減し、望ましくは、最小限にされる。テーブルWTへの加速と減速が大きくなるため、テーブルWTの重量の最小化は望ましい。大きい加速は、例えば高出力を達成するためのテーブルWTの高速スキャンを達成するために望ましい。
【0071】
[0083] 流体ハンドリング構造12上にセンサが存在しヒータが存在しないことで、液体閉じ込め構造がセンサとヒータの両方を含むときよりも潜在的に低い程度ではあるが、テーブルWTの重量を低減する助けになる。同様に、流体ハンドリング構造上にヒータを提供し温度センサを提供しないことで、センサとヒータの両方が提供される時よりも潜在的に低い程度ではあるが、テーブルWTの重量を低減する助けになる。
【0072】
[0084] ある実施形態では、ヒータ34は赤外線レーザを備える。赤外線レーザを用いることで、基板W又は基板W上にある液体又はセンサの表面などの対向面に、位置及び/又は照射量に関して高精度に加熱を施すことができる。赤外線レーザは、流体ハンドリング構造12の大きな残留加熱なしに基板Wに加熱を提供できる。しかし、代替の構成も可能である。例えば、ヒータ34は、抵抗素子の電流を流すことで熱を提供するように構成された電気ヒータを備えていてもよい。
【0073】
[0085] ある実施形態では、ヒータは流体閉じ込め構造12から基板W上に放出された流体を加熱する流体ヒータを備える。
【0074】
[0086]
図8は、少なくとも1つのヒータが流体ヒータを含む実施例による流体ハンドリング構造12の一部の概略側面図である。開示された構成では、流体ヒータは、流体閉じ込め表面42と対向面(例えば、基板W)との間のギャップ内に流体を提供するように構成されたギャップ流体ヒータ40を備える。この実施形態では、流体は、流体閉じ込め表面42の開口180から提供される。流体閉じ込め表面42は、対向面にほぼ平行な表面である。流体閉じ込め表面42は、例えば、液体ハンドリング構造12の最下部にある液体閉じ込め構造の下面であってもよい。流体閉じ込め表面42は、幾分、ガスシール16(
図8に示さず)などの封止が液浸液を空間11内に有効に留めるギャップを画定する(例えば
図5を参照)。
【0075】
[0087] ある実施形態では、開口180から流体閉じ込め表面42と対向面との間のギャップ内に液体を供給して、例えば、泡が空間11内に侵入することを防止し、及び/又は開口180内部の流体閉じ込め表面のディウェッティングを防止する助けになることが望ましい。ある実施形態では、液体ハンドリング構造12は、開口180から液体の連続するカーテンを提供するように構成できる。開口180は、複数の離散的な開口を有していてもよく、又は例えば連続的なスリットとして形成してもよい。液体の連続するカーテンは、空間11を取り囲む閉じた経路(基板Wの平面に平行な平面から見た時に)を形成してもよい。
【0076】
[0088]
図8は、ギャップ流体ヒータ40が開口180に供給された液体41の温度を制御システム44からの信号に基づいて適応させるように構成された実施例を示す。ある実施形態では、制御システム44は、液体ハンドリング構造12内の温度センサ30からの入力を受信する。温度センサは、複数のセンシング素子を有していてもよい。ある実施形態では、複数の温度センサが存在する。ある実施形態では、制御システム44は、液体ハンドリング構造内の温度センサと基板テーブルなどのテーブル内又は上にあるセンサなどの、液体ハンドリング構造内に形成されていない別のセンサからの入力を受信する。図示の例では、基板テーブルWTの上面に複数のセンサ60が提供されている。センサは、固定搭載されていてもよく、又はテーブルに接続されていてもよい。ある実施形態では、制御システム44は、テーブル内又は上にある1つ又は複数のセンサからの入力のみを受信する。
【0077】
[0089] ある実施形態では、複数の開口180が、(例えば流体閉じ込め表面42の平面内に)空間11を取り囲む閉じた経路を形成できる。ギャップ流体ヒータ40は、閉じた経路上の周辺部の(例えば、周縁の)位置の関数として構成可能な開口180の流体に施される加熱を変化させられるように構成できる。例えば、閉じた経路は、複数のセグメントに細分化できる。各セグメントは、一定、例えば、所定数の開口180を有していてもよい。ギャップ流体ヒータは、各セグメント又は各セグメントの開口を通過する液体を別々に加熱することができる。
【0078】
[0090]
図9〜
図11は、3つの実施例による開口180の位置を示す液体ハンドリング構造12の概略底面図である。
【0079】
[0091]
図9の構成では、液浸空間11への開口を取り囲む単一の閉じた経路182を形成する複数の開口180が提供される。(開口は流体閉じ込め表面42の縁である)。ある実施形態では、開口180は接近して配置されている。例えば、隣接する開口180の離間距離は約1mm程度であってもよい。開口180は、空間11への泡の流入を少なくとも部分的に阻止する効果がある任意の離間距離を空けて配置することができる。泡の流入を阻止する具体的な離間距離はいくつかの要因によって変化することがある。これらの要因は、例えば、開口180を通して供給される液体の粘度、開口180の寸法、開口180の形状、及び/又は液体が開口180を通して送達される速度から選択された1つ又は複数の要因を含んでいてもよい。
【0080】
[0092]
図10の構成では、開口180は、2つの異なる閉じた経路184、186に沿って配置される。2つの異なる閉じた経路184、186は、径方向に互いに離間している。ある実施形態では、開口180の3つ以上の閉じた経路を提供できる。開口180の複数の閉じた経路を有するある実施形態では、開口180の最も外側の閉じた経路が、主として(又は全面的に)、泡が空間11に流入するのを阻止する助けになる。このタイプのある実施形態では、基板の温度を制御できる程度を増加させるためだけに、最も外側の閉じた経路(閉じた経路186などの)以外の開口の閉じた経路を提供できる。より一般的には、開口180の複数の閉じた経路の提供によって、開口180を通過する液体の全体のフローを増加させることができる。全体のフローを増加させることで、対向面により多くの加熱を施すことができる。開口180の複数の閉じた経路の提供によって、加熱を任意の所与の時間に実施できる表面積を増加させることができる。
【0081】
[0093]
図11は、開口180の閉じた経路と連続するスリット185とを有するある実施形態を示す。閉じた経路186は、
図9に示す閉じた経路と同様である。この例では、連続するスリット185は、開口180の閉じた経路186の径方向外側に形成されている。しかし、これは必須ではない。連続するスリット185は、開口180の閉じた経路186の径方向内側に配置してもよい。3つ以上の経路が提供される場合、連続するスリット又は開口180の閉じた経路の任意の組み合わせを提供できる。
【0082】
[0094] 図示の例では、円形の断面を有する開口180が示されているが、その他の形態も可能である。例えば、1つ又は複数の開口180を細長い形態で提供してもよい。細長い形態は、例えば、細長い開口の付近の閉じた経路の方向に整列できる。代替的に又は追加的に、細長い経路を閉じた経路に対して垂直に、又は他の任意の方向に整列させることができる。細長い開口のアライメントは、閉じた経路に対して垂直の方向との間の角度をなしていてもよい。細長い開口は、液体閉じ込め構造の下の基板表面などの対向面の移動方向に関して互いに重畳していてもよい。開口は、その他の任意の形状を有していてもよい。開口は、すべて同じ形状を有していてもよく、異なる形状を有していてもよく、又は、例えば閉じた経路の少なくとも一部に沿った、一連の繰り返しの場合には、直線又は2次元アレイである形状を有していてもよい。
【0083】
[0095]
図9〜
図11に示す実施形態では、開口180のすべてが閉じた経路の形で提供される。しかし、これは必須ではない。最も外側の閉じた経路に沿った開口180が所望の程度まで泡を阻止する効果がある場合、閉じた経路の最も外側の回路の内側に提供された追加の開口は、閉じた経路に沿って提供する必要はない。また、これらの追加の開口を泡を阻止できる程度に短い離間距離を空けて配置する必要もない。しかし、所望であれば、追加の開口の離間距離を短くしてもよい。所望であれば、追加の開口を閉じた経路に沿って配置することもできる。追加の開口を閉じた経路に沿って配置することは、閉じた経路が泡を阻止するために必要ないとしても、追加の開口に液体などを供給する際に好都合である。開口のこのような構成を提供して基板に与える液浸液の効果の調整を最適化することができる。
【0084】
[0096] 開口180が複数の閉じた経路に沿って提供されるある実施形態では、第1の温度の第1の閉じた経路に沿った開口180と第2の温度の第2の閉じた経路に沿った開口180とに液体を供給するようにギャップ流体ヒータ40を構成できる。第1の温度は第2の温度と同じであってもよく、それとは、異なっていてもよい。2つの異なる閉じた経路に沿って配置された開口を有するある実施形態では、最も外側の経路に提供された液体の温度を最も内側の経路に提供された液体の温度よりも高くなるように構成できる。この構成は、液体ハンドリング構造12の外縁部に向かって冷却が増加する場合に特に効果的である。
【0085】
[0097]
図12は、ギャップ流体ヒータ40が封止16などのガスフロー(気体フロー)43に供給されるガス(気体)を加熱するように構成された一実施例の概略図である。液体閉じ込め構造の下面の開口を通して供給されるガスフローは、ガスシールでなくてもよいことに留意されたい。ガスは、異なる理由、例えば、二酸化炭素濃度が高い環境などのメニスカス付近の環境内で異なる雰囲気を形成するために供給できる。(本明細書に参照によりその全体を組み込むものとする米国特許出願US2011/0134401A1号を参照)。このようなガスフローは、ガスシールに関して述べた方法で熱調整が可能である。ある実施形態では、ガス流体ヒータ40は、ガス流体ヒータ40に関する前述の制御システム44から制御信号を受信して液体フローを加熱するように構成されている。
【0086】
[0098] ある実施形態では、制御システム44は、基板W、テーブル上のセンサ、基板を支持する、又は基板に隣接する基板テーブル、あるいは、これらの場所の任意の組み合わせなどの対向面上の複数の異なる位置の温度測定値に基づいて少なくとも1つのヒータからの出力を制御するように構成されている。これらの場所の基板を例にとると、基板W上の複数の異なる位置の基板Wの温度測定値は、異なる場所の温度センサ30からの入力を受信することで入手できる。液体ハンドリング構造12上の異なる地点にある温度センサ30は、それぞれのセンサの下を通過する基板の部分の温度を表す測定信号を制御システム44に供給できる。基板Wの固定位置の温度を検知する温度センサ、例えば、基板テーブル上にあるセンサ、基板の下のセンサは、基板Wのスキャン中の適当な時期に制御システム44に信号を送信する。制御システムは、各センサ(及び基板)が液浸空間11の下を通過する前に、また通過中に、基板テーブルWT上のセンサからの信号を受信することができる。制御システム44は、基板テーブル上にあるか、基板に接触しているか、液体閉じ込め構造上にあるか、テーブル上のセンサ(光センサなどの)に関連付けられているかを問わず、センサからの信号を基づいてガス流体ヒータ40を制御する。それによって、液体閉じ込め構造の下の表面は、基板の熱調整を改善できる。
【0087】
[0099] 上記の説明は、露光ツール内でより大きい基板を使用することによる熱の非安定性の増加という問題を扱っている。この説明は、能動加熱とセンシング技法とに言及している。以下に記載する別の解決策をこの方法と組み合わせて、又は代替的に使用できる。
【0088】
[00100] 現在、標準よりも大きい幅(例えば、直径)、例えば、450mmの直径を有する基板は、300mmの直径を有する基板と比較して、表面積が大きい。この表面は、2倍以上、例えば、2.25倍の大きさであってもよい。しかし、液体閉じ込め構造の設計を変更しない限り、液体閉じ込め構造に閉じ込められた液体のウェットフットプリントの表面積(すなわち、液浸空間の下の基板などの対向面の面積)は、既存の市販品の設計と同じである。
【0089】
[00101] 液浸空間内の液体は、指定の精度内に調整されている。例えば、液体は、約3mK以内に制御できる。空間を通過する液浸液のフローによって、液浸空間の下の表面を熱調整することができる。しかし、基板の表面積が約2倍に増加しウェットフットプリントの下の基板の最大の部分が変わらない場合、ウェットフットプリントによって覆われる基板の割合は低減する。基板に与える熱調整の効果も300mmの基板をハンドリングする現在の市販の液浸ツールよりも小さい。
【0090】
[00102] 基板に与える液浸空間の熱調整の効果は、基板が液浸空間の下を通過する頻度に応じて変化してもよい。この頻度は、基板が液浸空間の下でたどる経路に応じて変化してもよい。ある実施形態では、基板は、基板全体にわたる数列のダイが基板上で連続して結像されるように液浸空間の下を通過する。基板の幅(例えば、直径)が大きいほど、所与のスキャン速度で基板が液浸空間の下を通過する頻度は減少する。例えば、300mmの基板に対して450mmの基板の場合、基板の直径は50%大きく、所与の速度で基板全体の一列のダイを露光する時間がかかる。基板上の後続のダイの列の露光後に液体閉じ込め構造によって除去される液体は除去されるまで基板上にある。液体の蒸発時間は、より長い。蒸発する液滴によって引き起こされる熱変形のリスクは、増加すると予想できる。
【0091】
[00103] この問題に対する可能な解決策は、液浸空間のフットプリントのサイズを大きくすることである。フットプリント(「ウェットフットプリント」とも呼ばれる)は、液浸流体が液浸空間の下の対向面と接触している面積である。
【0092】
[00104] フットプリントの概略拡大図を
図13に示す。図の左側では、既存の市販の液体閉じ込め構造の(すなわち、300mm液浸システムの)ウェットフットプリント67が示されている。図の右側には、ある実施形態によるウェットフットプリント69の拡大図が示されている。スキャン方向の例が矢印65で示されている。放射が対向面(例えば、基板Wの表面)に入射する際に通過するウェットフットプリント67、69の部分62(「露光スリット」)が各ウェットフットプリント67、69の中央部に示されている。ある実施形態では、露光スリット62は、矩形である。300mm基板の既存の市販の液浸システムでは、露光スリット62は、26mm×5mmの矩形であってもよい。
【0093】
[00105] 露光スリットの寸法が同じ(
図13に示す実施形態のように)であっても、フットプリント69の表面積を増やすと対向面の熱調整を改善する助けになる。例えば、より大きいフットプリントでは、基板の熱調整が長持ちする。これを、標準と拡大フットプリントのそれぞれの露光スリットの所与の部分とウェットフットプリント67、69との境界との間のスキャン方向の距離を表す
図13の長さ66及び68で示す。長さ68は、長さ66よりも長い。これは、所与のスキャン速度で、対向面の所与の部分がより長い時間液浸液に接触しているということを意味する。大きいフットプリントは、対向面の大きい面積にわたって液滴を収集でき、液滴が除去される前に対向面の表面で液滴が蒸発せずに残っている時間を低減する助けになる。
【0094】
[00106] ある実施形態では、300mmの液浸システムのための既存の市販の液体閉じ込め構造のウェットフットプリントと比較して少なくとも50パーセント大きいウェットフットプリントを有する液体閉じ込め構造を使用する時に大幅な改善が注目される。望ましくは、フットプリント表面積は、300mmの液浸システムの少なくとも2倍以上、望ましくは、2.25倍大きい。このような表面積の場合、フットプリント表面積に対する規範表面積の割合は、300mmの基板の液浸システムと450mmの基板の液浸システムとで同じである。このような300mmの液浸システムのウェットフットプリントは、通常約65mm×65mmで、これは、約4200mm
2のフットプリント面積に対応する。ウェットフットプリントの幅(例えば、直径)を50パーセント増やすということは、ウェットフットプリントの面積を約9500mm
2より大きくすることに対応する。望ましくは、ウェットフットプリントの面積は、約9500mm
2以上、又は12000mm
2以上である。
【0095】
[00107] ある実施形態では、ウェットフットプリントの面積は、所与の時間に放射にさらされる基板Wの領域(露光スリット62)のサイズをそれに合わせて増やすことなく増加する。露光スリット62のサイズは、ウェットフットプリントの面積の増加と同じであってもよく、又は異なる倍数で増加してもよい。ある実施形態では、ウェットフットプリントの面積に対する露光スリット62の面積の比率は、60以上、又は90以上である。例えば、露光スリットを26mm×5mmの寸法を有する矩形として維持し、ウェットフットプリントの面積を9500mm
2に増やした場合、ウェットフットプリントの面積に対する露光スリットの面積の比率は73になる。
【0096】
[00108] ある実施形態では、ウェットフットプリントのサイズを増やすことで達成される調整の改善とより大きいフットプリントを収容することに伴う潜在的な技術上の困難との均衡を達成することが望ましい。例えば、ある実施形態では、ウェットフットプリントのどの部分もテーブルWTの縁部より先に進めないので、フットプリントを増やすとテーブルWTのサイズを増やす必要がある。ある実施形態では、テーブルWTは、ウェットフットプリントが基板が位置する、又は位置する予定の領域と重ならないように配置される時に、ウェットフットプリントの全面積を収容できる領域を有する必要がある。
【0097】
[00109] 液浸フットプリントを拡張した液体閉じ込め構造の液浸システムの一構成では、液体閉じ込め構造は、熱制御及び安定性を改善する役に立つ本明細書に記載する1つ又は複数のセンサを備える。
【0098】
[00110] 上記の特徴は、いずれも他の任意の特徴と併用でき、本出願の範囲は、明示する組み合わせに限定されない。例えば、本明細書の実施形態を
図2〜
図4の実施形態に適用してもよい。
【0099】
[00111] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0100】
[00112] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組合せを指す。
【0101】
[00113] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。さらに機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実現することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
【0102】
[00114] 1つ又は複数のコンピュータプログラムがリソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内にある1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって読み出される時に、本明細書に記載するあらゆるコントローラは各々、又は組み合わせて動作可能になる。コントローラは各々、又は組み合わせて、信号を受信、処理、送信するのに適した任意の構成を有する。1つ又は複数のプロセッサは、コントローラの少なくとも1つと通信するように構成されている。例えば、各コントローラは、上記方法のための機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。コントローラは、そのようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はそのような媒体を収容するハードウェアを含むことができる。したがって、コントローラは、1つ又は複数のコンピュータプログラムの機械読み取り式命令に従って動作することができる。
【0103】
[00115] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、任意の液浸リソグラフィ装置に、特に液浸液が槽の形態で提供されるか、基板の局所的な表面領域のみに提供されるか、基板及び/又は基板テーブル上に閉じ込められないかにかかわらず、上述したタイプに適用することができるが、それに限定されない。閉じ込められない構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上に流れることができ、したがって実質的に基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面全体が濡れる。このように閉じ込められていない液浸システムでは、液体供給システムが液浸液を閉じ込めることができない、又はある割合の液浸液閉じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の閉じ込めを完成しない。
【0104】
[00116] 本明細書で想定するような液体供給システムは、広義に解釈されたい。特定の実施形態では、これは、液体を投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に提供する機構又は構造の組合せでよい。これは、1つ又は複数の構造、1つ又は複数の液体入口、1つ又は複数の気体入口、1つ又は複数の気体出口、及び/又は液体を空間に提供する1つ又は複数の液体出口の組合せを備えてよい。実施形態では、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの一部でよいか、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆ってよいか、空間が基板及び/又は基板テーブルを囲んでよい。液体供給システムは任意選択で、液体の位置、量、品質、形状、流量又は任意の他の特徴を制御する1つ又は複数の要素をさらに含むことができる。
【0105】
[00117]
1.リソグラフィ装置のための流体ハンドリング構造であって、該構造は、投影システムの最終要素と対向面との間の空間に、該構造に対する該対向面の移動中、液浸流体を閉じ込めるように構成され、該構造は、
ヒータに隣接する前記対向面の部分を加熱するように構成されたヒータを備え、該ヒータは、前記構造から前記対向面上への流体フローを加熱する流体ヒータを備え、該加熱された流体フローは前記部分を加熱する、流体ハンドリング構造。
2.リソグラフィ装置のための流体ハンドリング構造であって、該構造は、投影システムの最終要素と対向面との間の空間に、該構造に対する該対向面の移動中、液浸流体を閉じ込めるように構成され、該構造は、
ヒータに隣接する対向面の部分を加熱するように構成されたヒータを備え、該ヒータは、前記空間の周囲の閉じた経路内に配置された複数の要素を備える、流体ハンドリング構造。
3.前記センサに隣接する前記対向面の部分の温度を測定するように構成されたセンサをさらに備える、条項1又は2に記載の流体ハンドリング構造。
4.前記対向面に向き合い且つ開口を有する流体閉じ込め表面を備える、条項1から3のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
5.前記ヒータは、前記開口を通して流れる流体を加熱するように構成されたギャップ流体ヒータを備える、条項4に記載の流体ハンドリング構造。
6.前記開口は、閉じた経路に配置される、条項5に記載の流体ハンドリング構造。
7.前記開口は、複数の開口である、条項5又は6に記載の流体ハンドリング構造。
8.前記流体フローの温度が閉じた経路に沿った位置の関数として選択的に変化するように前記ギャップ流体ヒータが前記複数の開口からの流体フローを加熱するように構成された、条項6に従属する条項7に記載の流体ハンドリング構造。
9.前記複数の開口は、複数の閉じた経路に沿って配置され、各閉じた経路が他の閉じた経路から径方向に離間する、条項7又は条項8に記載の流体ハンドリング構造。
10.前記ヒータは、前記複数の開口から出力された流体を加熱するように構成されたギャップ流体ヒータを備え、該ギャップ流体ヒータは、前記複数の閉じた経路のうちの第1の経路に沿った前記複数の開口に、前記複数の閉じた経路のうちの第2の経路に沿った前記複数の開口に提供される流体と温度が異なる流体を提供するように構成される、条項9に記載の流体ハンドリング構造。
11.前記第1の閉じた経路が前記第2の閉じた経路の径方向外側にあり、前記第1の閉じた経路に沿った前記複数の開口に供給される流体の温度が前記第2の閉じた経路に沿った前記複数の開口に供給される流体の温度よりも高い、条項10に記載の流体ハンドリング構造。
12.前記ギャップ流体ヒータが少なくとも2つの異なる閉じた経路に沿って配置された複数の開口に同じ温度の流体を提供するように構成された、条項5から11のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
13.前記開口が連続的なスリットを有するか又は複数の開口である、条項4から12のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
14.前記構造からの前記流体フローが液体を含む、条項1から13のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
15.前記構造からの前記流体フローが気体を含み、前記流体が液体を含む場合、前記液体流体フローは、前記気体流体フローとは異なる前記流体ハンドリング構造の開口を通して供給される、条項1から14のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
16.前記対向面の温度測定値に基づいて前記ヒータからの出力を制御するように構成された制御システムを備える、条項1から15のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
17.前記制御システムは、前記対向面の複数の異なる位置における前記対向面の温度測定値に基づいて前記ヒータからの出力を制御するように構成される、条項16に記載の流体ハンドリング構造。
18.前記制御システムは、複数の異なる時間における前記対向面の温度測定値に基づいて前記ヒータからの出力を制御するように構成される、条項16又は17に記載の流体ハンドリング構造。
19.センサに隣接する前記対向面の部分の温度を測定するように構成されたセンサを含み、前記制御システムが前記センサから出力される前記対向面の温度の測定値に基づいて前記ヒータからの出力するように構成された、条項16から18のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
20.前記ヒータが赤外線レーザを備える、条項1から19のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
21.リソグラフィ装置のための流体ハンドリング構造であって、該構造は、投影システムの最終要素と対向面との間の空間に、該構造に対する該対向面の移動中、液浸流体を閉じ込めるように構成され、該構造は、センサの下の前記対向面の部分の温度を測定するセンサを備える、流体ハンドリング構造。
22.前記センサが前記空間の周囲の閉鎖ループに配置された複数の要素を備える、条項21に記載の流体ハンドリング構造。
23.リソグラフィ装置のための流体ハンドリング構造であって、投影システムの最終要素と対向面との間の空間に、該構造に対する該対向面の移動中、液浸流体を閉じ込めるように構成され、且つ、該空間における該対向面との該液浸流体の接触面積が9500mm
2より大きくなるように構成された、流体ハンドリング構造。
24.リソグラフィ装置のための流体ハンドリング構造であって、投影システムの最終要素と対向面との間の空間に、該構造に対する該対向面の移動中、液浸流体を閉じ込めるように構成され、且つ、所与の時間に放射にさらすことができる基板の面積に対する該空間における該対向面との該液浸流体の接触面積の比率が60よりも大きくなるように構成された、流体ハンドリング構造。
25.450mmの直径を有する基板を露光するように構成されたリソグラフィ装置と併用するように構成された、条項23又は24に記載の流体ハンドリング構造。
26.前記対向面が放射を感知する基板の表面を備える、条項1から25のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
27.前記対向面が前記基板を支持する基板テーブルの表面を備える、条項1から26のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
28.前記対向面が前記基板テーブルによって支持されるセンサの表面を備える、条項1から27のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
29.前記対向面がセンサを支持するテーブルの表面を備える、条項1から28のいずれかに記載の流体ハンドリング構造。
30.条項1から29のいずれかに記載の前記流体ハンドリング構造を備える、液浸リソグラフィ装置。
31.リソグラフィ装置を操作する方法であって、
流体ハンドリング構造によって投影システムの最終要素と対向面との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターン付放射ビームを投影するステップと、
前記液浸液の閉じ込めを維持しながら、前記流体ハンドリング構造に対して前記対向面を移動させるステップと、
ヒータを用いて、該ヒータに隣接する前記対向面の部分を加熱するステップと、
を含み、
前記ヒータは、前記構造から前記対向面上への流体フローを加熱する流体ヒータを備え、該加熱された流体フローが前記部分を加熱する、方法。
32.リソグラフィ装置を操作する方法であって、
流体ハンドリング構造によって投影システムの最終要素と対向面との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターン付放射ビームを投影するステップと、
前記液浸液の閉じ込めを維持しながら流体ハンドリング構造に対して対向面を移動させるステップと、
ヒータを用いて前記ヒータに隣接する対向面の部分を加熱するステップと、
を含み、
前記ヒータは、前記空間の周囲の閉じた経路内に配置された複数の要素を備える、方法。
33.リソグラフィ装置を操作する方法であって、
流体ハンドリング構造によって投影システムの最終要素と対向面との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターン付放射ビームを投影するステップと、
前記液浸液の閉じ込めを維持しながら、流体ハンドリング構造に対して対向面を移動させるステップと、
前記流体ハンドリング構造の一部を形成するセンサを用いて前記少なくとも1つのセンサの下の対向面の部分の温度を測定するステップと、
を含む方法。
34.リソグラフィ装置を操作する方法であって、
流体ハンドリング構造によって投影システムの最終要素と対向面との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターン付放射ビームを投影するステップと、
前記液浸液の閉じ込めを維持しながら、前記流体ハンドリング構造に対して前記対向面を移動させるステップと、を含み、
前記構造が、前記空間における前記対向面との前記液浸流体と接触面積が9500mm
2より大きくなるように構成された、方法。
35.リソグラフィ装置を操作する方法であって、
流体ハンドリング構造によって投影システムの最終要素と対向面との間の空間に閉じ込められた液浸液を通してパターン付放射ビームを投影するステップと、
前記液浸液の閉じ込めを維持しながら、前記流体ハンドリング構造に対して前記対向面を移動させるステップと、を含み、
前記構造が、所与の時間に放射にさらすことができる基板の面積に対する前記空間における前記対向面との前記液浸流体の接触面積の比率が60よりも大きくなるように構成された、方法。
【0106】
[00118] 上記説明は、例示的であって限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、上記のように本発明をさまざまに変形できることは、当業者には明らかであろう。