【実施例】
【0026】
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
【0027】
(実施例1)
原料粉末として、FePt合金粉末、C粉末、AuCu合金粉末を用意し、これらの粉末を60(45Fe−45Pt−5Au−5Cu)−40C(mol%)となるように秤量した。
次に、FePt合金粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAuCu合金粉末とC粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填しホットプレスした。
【0028】
ホットプレスの条件は、真空雰囲気、昇温速度300℃/時間、保持温度850℃、保持時間2時間とし、昇温開始時から保持終了まで30MPaで加圧した。保持終了後はチャンバー内でそのまま自然冷却させた。
次にホットプレスの型から取り出した焼結体に熱間等方加圧加工を施した。熱間等方加圧加工の条件は、昇温速度300℃/時間、保持温度850℃、保持時間2時間とし、昇温開始時からArガスのガス圧を徐々に高めて、750℃で保持中は150MPaで加圧した。保持終了後は炉内でそのまま自然冷却させた。
【0029】
このようにして得られた焼結体の端部(スパッタ面に対する垂直断面に相当)を切り出し、これを鏡面研磨した後、研磨面をレーザー顕微鏡によって観察した。その顕微鏡像を
図1の左図に示す。この図において、濃いグレーの領域がAuCu合金粒子に相当する。その後、これを二値化して、AuCu合金粒子の面積率(平均)を求めた。その結果、10.8%であった。なお、FE−EPMA像を用いて、これらの粒子がAuCu合金からなることを確認した(
図2参照)。また、この焼結体の他の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、95.8%であった。
【0030】
次にこの焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工した後、マグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、投入電力1kW、Arガス圧1.7Paとし、2kWhrのプレスパッタリングを実施した後、4インチ径のシリコン基板上に20秒間成膜した。そして基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのパーティクル個数は65個であった。
【0031】
【表1】
【0032】
(比較例1)
原料粉末として、FePt合金粉末、C粉末、Au粉末を用意し、これらの粉末を60(45Fe−45Pt−10Au)−40C(mol%)となるように秤量した。
次に、FePt合金粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAu粉末とC粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0033】
このようにして得られた焼結体の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、93.2%であった。次にこの焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工した後、マグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1と同様とした。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は184個と実施例に比べて増加した。
【0034】
(比較例2)
原料粉末として、FePt合金粉末、C粉末、Cu粉末を用意し、これらの粉末を60(45Fe−45Pt−10Cu)−40C(mol%)となるように秤量した。
次に、FePt合金粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とCu粉末とC粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0035】
このようにして得られた焼結体の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、93.5%であった。次にこの焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工した後、マグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1と同様とした。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は179個と実施例1と比べて大幅に増加した。
【0036】
(比較例3)
原料粉末として、FePt合金粉末、C粉末を用意し、これらの粉末を60(50Fe−50Pt)−40C(mol%)となるように秤量した。
次に、FePt合金粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とC粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0037】
このようにして得られた焼結体の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、92.8%であった。次にこの焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工した後、マグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1と同様とした。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は261個と実施例1と比べて大幅に増加した。
【0038】
(実施例2)
原料粉末として、Fe粉末、Pt粉末、BN粉末、AuCu合金粉末を用意し、これらの粉末を66(54Fe−40Pt−3Au−3Cu)−34BN(mol%)となるように秤量した。
次に、Fe粉末、Pt粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAuCu合金粉末とBN粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0039】
このようにして得られた焼結体の端部(スパッタ面に対する垂直断面に相当)を切り出し、これを鏡面研磨した後、その研磨面をレーザー顕微鏡によって観察した結果、AuCu合金粒子の面積率は2.4%であった。また、このようにして得られた焼結体の他の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、95.4%であった。次に、この焼結体を実施例1と同様の条件で、スパッタリングを行った。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は94個であった。
【0040】
(比較例4)
原料粉末として、Fe粉末、Pt粉末、BN粉末、Au粉末を用意し、これらの粉末を66(54Fe−40Pt−6Au)−34BN(mol%)となるように秤量した。
次に、Fe粉末、Pt粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAg粉末とBN粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0041】
このようにして得られた焼結体の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、93.9%であった。次にこの焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工した後、マグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1と同様とした。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は256個と実施例2と比べて大幅に増加した。
【0042】
(実施例3)
原料粉末として、Fe粉末、Pt粉末、C粉末、Au粉末、Cu粉末を用意し、これらの粉末を50(60Fe−30Pt−1.5Au−8.5Cu)−50C(mol%)となるように秤量した。
次に、Fe粉末、Pt粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAu粉末とCu粉末とC粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0043】
このようにして得られた焼結体の端部(スパッタ面に対する垂直断面に相当)を切り出し、これを鏡面研磨した後、その研磨面をレーザー顕微鏡によって観察した結果、AuCu合金粒子の面積率は4.8%であった。また、このようにして得られた焼結体の他の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、95.1%であった。次に、この焼結体を実施例1と同様の条件で、スパッタリングを行った。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は82個であった。
【0044】
(比較例5)
原料粉末として、Fe粉末、Pt粉末、C粉末、Au粉末を用意し、これらの粉末を50(60Fe−30Pt−10Au)−50C(mol%)となるように秤量した。
次に、Fe粉末、Pt粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAu粉末とC粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0045】
このようにして得られた焼結体の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、93.3%であった。次にこの焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工した後、マグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1と同様とした。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は439個と実施例3と比べて大幅に増加した。
【0046】
(実施例4)
原料粉末として、Fe粉末、Pt粉末、BN粉末、Au粉末、Cu粉末を用意し、これらの粉末を80(20Fe−70Pt−9Au−1Cu)−20BN(mol%)となるように秤量した。
次に、Fe粉末、Pt粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAg粉末とCu粉末とBN粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0047】
このようにして得られた焼結体の端部(スパッタ面に対する垂直断面に相当)を切り出し、これを鏡面研磨した後、その研磨面をレーザー顕微鏡によって観察した結果、AuCu合金粒子の面積率は9.7%であった。また、このようにして得られた焼結体の他の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、96.0%であった。次に、この焼結体を実施例1と同様の条件で、スパッタリングを行った。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は83個であった。
【0048】
(比較例6)
原料粉末として、Fe粉末、Pt粉末、BN粉末、Cu粉末を用意し、これらの粉末を80(20Fe−70Pt−10Cu)−20C(mol%)となるように秤量した。
次に、Fe粉末、Pt粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とCu粉末とBN粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0049】
このようにして得られた焼結体の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、93.2%であった。次にこの焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工した後、マグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1と同様とした。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は307個と実施例4と比べて大幅に増加した。
【0050】
(実施例5)
原料粉末として、Fe粉末、Pt粉末、C粉末、AuCu粉末、SiO
2粉末を用意し、これらの粉末を77(35Fe−45Pt−10Au−10Cu)−8SiO
2−15C(mol%)となるように秤量した。
次に、Fe粉末、Pt粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAuCu合金粉末とSiO
2粉末とC粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0051】
このようにして得られた焼結体の端部(スパッタ面に対する垂直断面に相当)を切り出し、これを鏡面研磨した後、その研磨面をレーザー顕微鏡によって観察した結果、AuCu合金粒子の面積率は14.3%であった。また、このようにして得られた焼結体の他の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、97.1%であった。次に、この焼結体を実施例1と同様の条件で、スパッタリングを行った。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は47個であった。
【0052】
(比較例7)
原料粉末として、Fe粉末、Pt粉末、C粉末、Au粉末、SiO
2粉末を用意し、これらの粉末を77(35Fe−45Pt−20Au)−8SiO
2−15C(mol%)となるように秤量した。
次に、Fe粉末、Pt粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAu粉末とSiO
2粉末とC粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0053】
このようにして得られた焼結体の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、93.6%であった。次にこの焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工した後、マグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1と同様とした。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は142個と実施例5と比べて大幅に増加した。
【0054】
(実施例6)
原料粉末として、Fe粉末、Pt粉末、C粉末、AuCu粉末、TiO
2粉末、Cr
2O
3粉末を用意し、これらの粉末を73(53Fe−45Pt−1Au−1Cu)−1TiO
2−1Cr
2O
3−25C(mol%)となるように秤量した。
次に、Fe粉末、Pt粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAuCu合金粉末とTiO
2粉末とCr
2O
3粉末とC粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0055】
このようにして得られた焼結体の端部(スパッタ面に対する垂直断面に相当)を切り出し、これを鏡面研磨した後、その研磨面をレーザー顕微鏡によって観察した結果、AuCu合金粒子の面積率は0.8%であった。また、このようにして得られた焼結体の他の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、96.2%であった。次に、この焼結体を実施例1と同様の条件で、スパッタリングを行った。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は59個であった。
【0056】
(比較例8)
原料粉末として、Fe粉末、Pt粉末、C粉末、Au粉末、TiO
2粉末、Cr
2O
3粉末を用意し、これらの粉末を73(53Fe−45Pt−2Au)−1TiO
2−1Cr
2O
3−25C(mol%)となるように秤量した。
次に、Fe粉末、Pt粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAg粉末とTiO
2粉末とCr
2O
3粉末とC粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0057】
このようにして得られた焼結体の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、92.9%であった。次にこの焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工した後、マグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1と同様とした。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は227個と実施例6と比べて大幅に増加した。
【0058】
(実施例7)
原料粉末として、FePt合金粉末、BN粉末、Au粉末、Cu粉末、MnO粉末、Ta
2O
5粉末を用意し、これらの粉末を78.5(45Fe−45Pt−4Au−6Cu)−0.5MnO−1Ta
2O
5−20BN(mol%)となるように秤量した。
次に、FePt合金粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAu粉末とCu粉末とMnO粉末とTa
2O
5粉末とBN粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0059】
このようにして得られた焼結体の端部(スパッタ面に対する垂直断面に相当)を切り出し、これを鏡面研磨した後、その研磨面をレーザー顕微鏡によって観察した結果、AuCu合金粒子の面積率は6.1%であった。また、このようにして得られた焼結体の他の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、95.2%であった。次に、この焼結体を実施例1と同様の条件で、スパッタリングを行った。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は97個であった。
【0060】
(比較例9)
原料粉末として、FePt合金粉末、BN粉末、Cu粉末、MnO粉末、Ta
2O
5粉末を用意し、これらの粉末を78.5(45Fe−45Pt−10Cu)−0.5MnO−1Ta
2O
5−20BN(mol%)となるように秤量した。
次に、FePt合金粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とCu粉末とMnO粉末とTa
2O
5粉末とBN粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0061】
このようにして得られた焼結体の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、94.0%であった。次にこの焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工した後、マグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1と同様とした。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は398個と実施例7と比べて大幅に増加した。
【0062】
(実施例8)
原料粉末として、FePt合金粉末、C粉末、AuCu合金粉末、SiO
2粉末を用意し、これらの粉末を80(45Fe−45Pt−5Au−5Cu)−15SiO
2−5C(mol%)となるように秤量した。
次に、FePt合金粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAuCu合金粉末とSiO
2粉末とC粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0063】
このようにして得られた焼結体の端部(スパッタ面に対する垂直断面に相当)を切り出し、これを鏡面研磨した後、その研磨面をレーザー顕微鏡によって観察した結果、AuCu合金粒子の面積率は7.2%であった。また、このようにして得られた焼結体の他の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、97.3%であった。次に、この焼結体を実施例1と同様の条件で、スパッタリングを行った。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は13個であった。
【0064】
(比較例10)
原料粉末として、FePt合金粉末、C粉末、Au粉末、SiO
2粉末を用意し、これらの粉末を80(45Fe−45Pt−10Au)−15SiO
2−5C(mol%)となるように秤量した。
次に、FePt合金粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAu粉末とSiO
2粉末とC粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0065】
このようにして得られた焼結体の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、92.2%であった。次にこの焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工した後、マグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1と同様とした。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は285個と実施例8と比べて大幅に増加した。
【0066】
(実施例9)
原料粉末として、FePt合金粉末、BN粉末、Au粉末、Cu粉末、SiO
2粉末を用意し、これらの粉末を85(45Fe−45Pt−4Au−6Cu)−10SiO
2−5BN(mol%)となるように秤量した。
次に、FePt合金粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAg粉末とCu粉末とSiO
2粉末とBN粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0067】
このようにして得られた焼結体の端部(スパッタ面に対する垂直断面に相当)を切り出し、これを鏡面研磨した後、その研磨面をレーザー顕微鏡によって観察した結果、AuCu合金粒子の面積率は5.9%であった。また、このようにして得られた焼結体の他の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、97.0%であった。次に、この焼結体を実施例1と同様の条件で、スパッタリングを行った。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は31個であった。
【0068】
(比較例11)
原料粉末として、FePt合金粉末、BN粉末、Cu粉末、SiO
2粉末を用意し、これらの粉末を85(45Fe−45Pt−10Cu)−10SiO
2−5BN(mol%)となるように秤量した。
次に、FePt合金粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とCu粉末とSiO
2粉末とBN粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0069】
このようにして得られた焼結体の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、93.8%であった。次にこの焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工した後、マグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1と同様とした。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は213個と実施例9と比べて大幅に増加した。
【0070】
(実施例10)
原料粉末として、Fe粉末、Pt粉末、C粉末、BN粉末、AuCu合金粉末を用意し、これらの粉末を60(50Fe−40Pt−5Au−5Cu)−30C−10BN(mol%)となるように秤量した。
次に、Fe粉末、Pt粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAuCu合金粉末とC粉末とBN粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0071】
このようにして得られた焼結体の端部(スパッタ面に対する垂直断面に相当)を切り出し、これを鏡面研磨した後、その研磨面をレーザー顕微鏡によって観察した結果、AuCu合金粒子の面積率は5.5%であった。また、このようにして得られた焼結体の他の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、95.9%であった。次に、この焼結体を実施例1と同様の条件で、スパッタリングを行った。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は97個であった。
【0072】
(比較例12)
原料粉末として、Fe粉末、Pt粉末、C粉末、BN粉末、Au粉末を用意し、これらの粉末を60(50Fe−40Pt−10Au)−30C−10BN(mol%)となるように秤量した。
次に、Fe粉末、Pt粉末を粉砕媒体のジルコニウムボールと共に容量5Lの媒体撹拌ミルに投入し、2時間、回転数300rpmで処理した。そして、媒体撹拌ミルから取り出した粉末とAg粉末とC粉末とBN粉末とをV字型混合機で混ぜ合わせた後、さらに150μm目の篩を用いて混合し、この混合粉末をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様の条件でホットプレスした。次に、ホットプレスの型から取り出した焼結体に実施例1と同様の条件で熱間等方加圧加工を施した。
【0073】
このようにして得られた焼結体の端部について、アルキメデス法を用いて密度を測定した結果、92.7%であった。次にこの焼結体を直径180.0mm、厚さ5.0mmの形状へ旋盤で切削加工した後、マグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ製C-3010スパッタリングシステム)に取り付け、スパッタリングを行った。スパッタリングの条件は、実施例1と同様とした。基板上へ付着した粒子径が0.25μm以上のパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した結果、パーティクル個数は421個と実施例10と比べて大幅に増加した。