特許第6086810号(P6086810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6086810
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】加工方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20170220BHJP
【FI】
   H01L21/78 C
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-98700(P2013-98700)
(22)【出願日】2013年5月8日
(65)【公開番号】特開2014-220385(P2014-220385A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(72)【発明者】
【氏名】紀 祐司
【審査官】 内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−321073(JP,A)
【文献】 特開2012−028635(JP,A)
【文献】 特開平07−335722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向に伸長する複数の第一加工予定ラインと該第一方向に直交する第二方向に伸長する複数の第二加工予定ラインとで区画されるチップ領域を複数有した被加工物を該第一加工予定ラインと該第二加工予定ラインとに沿って加工手段で加工する加工方法であって、
被加工物の該第一加工予定ラインと該第二加工予定ラインとを撮像手段の座標系におけるX軸とY軸とにそれぞれ平行に位置付ける位置付けステップと、
該位置付けステップを実施した後、該撮像手段で被加工物を撮像して、少なくとも第一のチップ領域と、該第一のチップ領域を囲繞する第一加工予定ラインと、第二加工予定ラインと、を含む撮像画像を形成する撮像ステップと、
該撮像画像上で該第一のチップ領域の第一頂点と、該第一頂点の対角線の延長線上で該第一のチップ領域に隣接した第二のチップ領域において該第一チップ領域に隣接する第二頂点と、の座標値をそれぞれ検出する座標値検出ステップと、
該座標値検出ステップで検出した該座標値から該第一方向における第二加工予定ラインから隣接する第二加工予定ラインまでのインデックス距離と、該第二方向における第一加工予定ラインから隣接する第一加工予定ラインまでのインデックス距離とをそれぞれ算出するインデックス距離算出ステップと、
該第一方向と該第二方向における加工開始位置を指定する加工開始位置指定ステップと、
該加工開始位置指定ステップで指定された該加工開始位置から、該インデックス距離算出ステップで算出された該インデックス距離で加工手段を割り出し送りして該第一加工予定ラインと該第二加工予定ラインに沿って被加工物に加工を施す加工ステップと、を備えたことを特徴とする加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の加工予定ラインに沿ってウェーハ等の被加工物を加工する加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェーハ等の被加工物は、切削装置やレーザ加工装置等の加工装置で加工される。これらの加工装置は、被加工物に対して相対的に移動可能な切削ブレードやレーザ加工ヘッド等の加工手段を備えている。
【0003】
被加工物の加工においては、加工手段及び被加工物を被加工物の加工予定ラインに沿う方向に相対移動させる加工送りと、加工手段及び被加工物を加工送りの方向に対して垂直な方向に相対移動させる割り出し送りとが繰り返し行われる。
【0004】
上述した加工送りの移動距離や、割り出し送りの移動距離(インデックス距離、インデックス量と呼ばれる)は、被加工物のサイズや加工予定ラインの配置間隔等に応じて決定される。そのため、被加工物を加工する前には、加工送りの移動距離やインデックス距離を測定し、加工装置に記憶させておく必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−117776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
インデックス距離の測定では、まず、カメラ等の撮像手段を対象の加工予定ラインに位置合わせして、対象の加工予定ラインを含む複数の加工予定ラインを撮像する。形成された撮像画像に基づき、対象の加工予定ラインと、これに隣接する加工予定ラインとの間隔を検出することでインデックス距離が算出される。
【0007】
ところで、被加工物には、互いに直交する2方向に加工予定ラインが形成されているので、少なくとも、2方向の加工予定ラインに対応する2種類のインデックス距離を測定する必要がある。
【0008】
しかしながら、撮像手段を位置合わせした後に加工予定ラインを撮像する上述の方法では、2種類のインデックス距離の測定においてそれぞれ位置合わせが必要になるので、作業が煩雑である。
【0009】
特に、多品種かつ少量の被加工物を加工する場合等には、被加工物の品種毎にインデックス距離を測定しなくてはならないので、上述の方法を用いると、インデックス距離の測定に多くの時間を費やしてしまうという問題が生じる。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、インデックス距離の測定に要する時間を短縮可能な加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、第一方向に伸長する複数の第一加工予定ラインと該第一方向に直交する第二方向に伸長する複数の第二加工予定ラインとで区画されるチップ領域を複数有した被加工物を該第一加工予定ラインと該第二加工予定ラインとに沿って加工手段で加工する加工方法であって、被加工物の該第一加工予定ラインと該第二加工予定ラインとを撮像手段の座標系におけるX軸とY軸とにそれぞれ平行に位置付ける位置付けステップと、該位置付けステップを実施した後、該撮像手段で被加工物を撮像して、少なくとも第一のチップ領域と、該第一のチップ領域を囲繞する第一加工予定ラインと、第二加工予定ラインと、を含む撮像画像を形成する撮像ステップと、該撮像画像上で該第一のチップ領域の第一頂点と、該第一頂点の対角線の延長線上で該第一のチップ領域に隣接した第二のチップ領域において該第一チップ領域に隣接する第二頂点と、の座標値をそれぞれ検出する座標値検出ステップと、該座標値検出ステップで検出した該座標値から該第一方向における第二加工予定ラインから隣接する第二加工予定ラインまでのインデックス距離と、該第二方向における第一加工予定ラインから隣接する第一加工予定ラインまでのインデックス距離とをそれぞれ算出するインデックス距離算出ステップと、該第一方向と該第二方向における加工開始位置を指定する加工開始位置指定ステップと、該加工開始位置指定ステップで指定された該加工開始位置から、該インデックス距離算出ステップで算出された該インデックス距離で加工手段を割り出し送りして該第一加工予定ラインと該第二加工予定ラインに沿って被加工物に加工を施す加工ステップと、を備えたことを特徴とする加工方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被加工物を撮像した撮像画像から、第一のチップ領域の第一頂点の座標値と、第一のチップ領域に隣接する第二のチップ領域の第二頂点の座標値とを検出し、第一頂点及び第二頂点の座標値から第一方向におけるインデックス距離と第二方向におけるインデックス距離とを一度に算出するので、これら2種類のインデックス距離を個別に測定する必要がない。よって、インデックス距離の測定に要する時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ウェーハの表面側を模式的に示す平面図である。
図2】形成される撮像画像を示す図である。
図3】インデックス距離算出ステップを説明するための図である。
図4】加工ステップを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態では、切削ブレードを用いて被加工物を加工する加工方法を説明するが、本発明の加工方法はこれに限定されない。例えば、レーザビームを照射して被加工物を加工する加工方法でも良い。
【0015】
本実施の形態の加工方法は、位置付けステップと、撮像ステップと、座標値検出ステップと、インデックス距離算出ステップと、加工開始位置指定ステップと、加工ステップとを含む。なお、これらのステップは、カメラ等の撮像手段及び切削ブレード等の加工手段を備える加工装置(切削装置)で実施される。
【0016】
位置付けステップでは、ウェーハ(被加工物)2(図1参照)の表面2a側を撮像できるように加工装置(不図示)の撮像手段(不図示)を位置付ける。撮像ステップでは、ウェーハ2の表面2a側を撮像して、第一のチップ領域8aの周辺を含む撮像画像10を形成する(図2参照)。
【0017】
座標値検出ステップでは、撮像画像10から、第一のチップ領域8aの第一頂点P1の座標値と、第一のチップ領域8aに隣接する第二のチップ領域8bの第二頂点P2の座標値とを検出する(図2参照)。
【0018】
インデックス距離算出ステップでは、第一頂点P1の座標値及び第二頂点P2の座標値から、第一方向D1におけるインデックス距離I1を算出すると共に、第二方向D2におけるインデックス距離I2を算出する(図3参照)。つまり、インデックス距離算出ステップでは、2種類のインデックス距離I1,I2が一度に算出される。
【0019】
加工開始位置指定ステップでは、加工の開始位置を指定する。加工ステップでは、第一加工予定ライン4及び第二加工予定ライン6に沿ってウェーハ2を切削ブレード(加工手段)12で加工する(図4参照)。この時、インデックス距離算出ステップで算出されたインデックス距離I1,I2を、割り出し送りの移動量として用いる。以下、本実施の形態に係る加工方法の各ステップ等について詳述する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る加工方法の被加工物であるウェーハの表面側を模式的に示す平面図である。図1に示すように、ウェーハ(被加工物)2の表面2a側は、第一方向D1に沿う複数の第一加工予定ライン(ストリート)4と、第一方向D1に直交する第二方向D2に沿う複数の第二加工予定ライン(ストリート)6とで、複数のチップ領域8に区画されている。
【0021】
複数の第一加工予定ライン4は等間隔かつ平行に配置されており、また、複数の第二加工予定ライン6は等間隔かつ平行に配置されている。第一加工予定ライン4と第二加工予定ライン6とは直交している。各チップ領域8には、それぞれIC等のデバイス(不図示)が形成されている。
【0022】
このウェーハ2は、例えば、任意の第二加工予定ライン6に沿って加工された後に、この第二加工予定ライン6に垂直な第一方向D1に割り出し送りされ、隣接する第二加工予定ライン6を加工される。すなわち、隣接する2本の第二加工予定ライン6の間隔(例えば、隣接する2本の第二加工予定ライン6の中心線の間隔)が、第一方向D1における割り出し送りの移動距離を示すインデックス距離I1となる。
【0023】
同様に、ウェーハ2は、任意の第一加工予定ライン4を加工された後に、この第一加工予定ライン4に垂直な第二方向D2に割り出し送りされ、隣接する第一加工予定ライン4を加工される。すなわち、隣接する2本の第一加工予定ライン4の間隔(例えば、隣接する2本の第一加工予定ライン4の中心線の間隔)が、第二方向D2における割り出し送りの移動距離を示すインデックス距離I2となる。
【0024】
本実施の形態の加工方法では、まず、上述のウェーハ2に対して撮像手段を位置付ける位置付けステップを実施する。この位置付けステップでは、後の撮像ステップ、座標値検出ステップ、インデックス距離算出ステップを適切に実施できるように、ウェーハ2に対して撮像手段を位置合わせする。
【0025】
具体的には、ウェーハ2の第一加工予定ライン4と撮像手段(または加工装置)のX軸とが平行になるように、また、ウェーハ2の第二加工予定ライン6と撮像手段(または加工装置)のY軸とが平行になるように、ウェーハ2に対して撮像手段を位置合わせする(図2参照)。その結果、ウェーハ2の第一方向D1は撮像手段のX軸方向に一致し、ウェーハ2の第二方向D2は撮像手段のY軸方向に一致する。
【0026】
位置付けステップの後には、ウェーハ2の表面2a側を撮像して撮像画像10を形成する撮像ステップを実施する。図2は、撮像ステップにおいて形成される撮像画像を示す図である。
【0027】
撮像ステップでは、図2に示すように、任意に選択される第一のチップ領域8aと、第一のチップ領域8aの対角線d1の延長線上において第一のチップ領域8aに隣接する第二のチップ領域8bとを撮像する。
【0028】
その結果、対角線d1の始点となる第一のチップ領域8aの第一頂点P1と、第二のチップ領域8bにおいて第一のチップ領域8aに隣接する第二頂点P2とを含む撮像画像10が形成される。ただし、第一頂点P1は、対角線d1上に位置する第一のチップ領域8aの2個の頂点のうち、第二頂点P2から遠い頂点である。
【0029】
なお、撮像画像10には、第一頂点P1と第二頂点P2とが含まれればよいので、必ずしも第二のチップ領域8bの全体を撮像する必要はない。少なくとも、第一のチップ領域8aと、第一のチップ領域8aを囲む第一加工予定ライン4及び第二加工予定ライン6とを含むように撮像すれば、第一頂点P1と第二頂点P2とを撮像画像10に含ませることができる。
【0030】
撮像ステップの後には、撮像ステップで形成された撮像画像10から、第一頂点P1の座標値と、第二頂点P2の座標値とを検出する座標値検出ステップを実施する(図2参照)。
【0031】
この座標値検出ステップでは、例えば、オペレータにより選択された撮像画像10内の点の座標値を、第一頂点P1または第二頂点P2の座標値として検出する。もちろん、演算処理部(不図示)の画像処理等を用いて、オペレータの手を介さずに第一頂点P1及び第二頂点P2の座標値を検出しても良い。
【0032】
座標値検出ステップの後には、第一頂点P1の座標値及び第二頂点P2の座標値から、第一方向D1におけるインデックス距離I1を算出すると共に、第二方向D2におけるインデックス距離I2を算出する。図3は、インデックス距離算出ステップを説明するための図である。
【0033】
図3に示すように、第一方向D1におけるインデックス距離I1は、第一頂点P1のX座標と第二頂点P2のX座標との差に等しく、第二方向D2におけるインデックス距離I2は、第一頂点P1のY座標と第二頂点P2のY座標との差に等しい。
【0034】
よって、第一頂点P1の座標を(x1,y1)とし、第二頂点の座標を(x2,y2)とすれば、インデックス距離I1は|x1−x2|で求められ、インデックス距離I2は|y1−y2|で求められる。このような演算処理により、インデックス距離I1,I2が一度に算出される。なお、当該演算処理は、演算処理部で行われ、算出されたインデックス距離I1,I2は、記憶部(不図示)に記憶される。
【0035】
インデックス距離算出ステップの後には、加工の開始位置を指定する加工開始位置指定ステップが実施される。加工開始位置指定ステップでは、例えば、オペレータによって、第一方向D1における加工の開始位置となる第二加工予定ライン6が指定され、第二方向D2における加工の開始位置となる第一加工予定ライン4が指定される。
【0036】
もちろん、演算処理部の画像処理等を用いて、オペレータの手を介さずに、第一方向D1における加工の開始位置となる第二加工予定ライン6と、第二方向D2における加工の開始位置となる第一加工予定ライン4とが指定されても良い。
【0037】
第一方向D1における加工の開始位置となる第二加工予定ライン6としては、例えば、第一方向D1においてウェーハ2の最も外側に位置する第二加工予定ライン6が選択される。第二方向D2における加工の開始位置となる第一加工予定ライン4としては、例えば、第二方向D1においてウェーハ2の最も外側に位置する第一加工予定ライン4が選択される。
【0038】
加工開始位置指定ステップの後には、第一加工予定ライン4及び第二加工予定ライン6に沿ってウェーハ2を切削ブレード12で加工する加工ステップが実施される。図4は、加工ステップを示す斜視図である。
【0039】
加工ステップでは、まず、加工開始位置指定ステップで指定された開始位置に切削ブレード12を位置合わせする。図4に示すように、切削ブレード12は、水平に配置されたスピンドル14の一端側に固定されている。スピンドル14の他端側は、モータ(不図示)と連結されており、切削ブレード12はモータの回転力で回転される。
【0040】
この切削ブレード12を、例えば、開始位置として指定された第一加工予定ライン4に位置付ける。なお、図4に示すように、ウェーハ2は、環状のフレーム16に張られたテープ18を介して保持テーブル(不図示)に保持されている。
【0041】
次に、回転させた切削ブレード12をウェーハ2に切り込ませ、加工送りする。つまり、保持テーブルと切削ブレード12とをX軸方向に相対移動させる。その結果、ウェーハ2は、対象の第一加工予定ライン4に沿って切削される。
【0042】
続いて、切削ブレード12を上昇させて、割り出し送りする。つまり、保持テーブルと切削ブレード12とをY軸方向に相対移動させる。ここでは、インデックス距離算出ステップで算出されたインデックス距離I2を、割り出し送りの移動距離として用いる。これにより、切削ブレード12は、隣接する第一加工予定ライン4に位置づけられる。
【0043】
さらに加工送りと割り出し送りとを繰り返し、全ての第一加工予定ライン4に沿ってウェーハ2を切削加工する。全ての第一加工予定ライン4の加工が終了すると、ウェーハ2を90°回転させ、ウェーハ2の第二方向D2をX軸方向に一致させる。
【0044】
そして、第一加工予定ライン4の加工と同様に、第二加工予定ライン6を加工する。なお、第二加工予定ラインの加工では、インデックス距離算出ステップで算出されたインデックス距離I1を、割り出し送りの移動距離として用いる。全ての第二加工予定ライン6に沿ってウェーハ2が切削加工されると、加工ステップは終了する。
【0045】
このように、本実施の形態の加工方法によれば、ウェーハ(被加工物)2を撮像した撮像画像10から、第一のチップ領域8aの第一頂点P1の座標値と、第一のチップ領域8aに隣接する第二のチップ領域8bの第二頂点P2の座標値とを検出し、第一頂点P1及び第二頂点P2の座標値から第一方向D1におけるインデックス距離I1と第二方向D2におけるインデックス距離I2とを一度に算出するので、これら2種類のインデックス距離I1,I2を個別に測定する必要がない。よって、インデックス距離I1,I2の測定に要する時間を短縮できる。
【0046】
なお、本発明は上記実施の形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施の形態では、切削ブレード12を用いてウェーハ2を加工する加工方法を示しているが、レーザビームを照射してウェーハを加工する加工方法としても良い。この場合には、レーザビームを照射可能なレーザ加工ヘッドを備える加工装置(レーザ加工装置)が用いられる。
【0047】
また、上記実施の形態では、第一加工予定ライン4を加工した後に第二加工予定ライン6を加工する加工方法を示しているが、第二加工予定ライン6を加工した後に第一加工予定ライン4を加工するようにしても良い。
【0048】
また、上記実施の形態では、長方形状のチップ領域8,8a,8bを示しているが、4個の角がすべて直角の直角四角形であれば、例えば、正方形状でも良い。ただし、4個の角は厳密に直角である必要はなく、例えば、製造時に生じる誤差程度のずれは許容される。
【0049】
また、上記実施の形態では、ウェーハ2の表面2a側の一部の領域のみを撮像しているが、ウェーハ2の表面2a側の全体を撮像するようにしても良い。さらに、上述の撮像ステップは、加工装置の保持テーブル上で実施されても良いし、ウェーハ2を格納するカセットからウェーハ2を搬出する際に実施されても良い。
【0050】
その他、上記実施の形態に係る構成、方法などは、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0051】
2 ウェーハ(被加工物)
2a 表面
4 第一加工予定ライン(ストリート)
6 第二加工予定ライン(ストリート)
8,8a,8b チップ領域
10 撮像画像
12 切削ブレード
14 スピンドル
16 フレーム
18 テープ
D1 第一方向
D2 第二方向
I1,I2 インデックス距離
P1 第一頂点
P2 第二頂点
図1
図2
図3
図4