特許第6087499号(P6087499)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087499
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】熱伝導性シリコーン組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/04 20060101AFI20170220BHJP
   C08K 5/5419 20060101ALI20170220BHJP
   C08K 9/06 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   C08L83/04
   C08K5/5419
   C08K9/06
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-229148(P2011-229148)
(22)【出願日】2011年10月18日
(65)【公開番号】特開2013-87088(P2013-87088A)
(43)【公開日】2013年5月13日
【審査請求日】2013年11月25日
【審判番号】不服2015-14876(P2015-14876/J1)
【審判請求日】2015年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】木村 真司
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴大
(72)【発明者】
【氏名】小材 利之
【合議体】
【審判長】 加藤 友也
【審判官】 藤原 浩子
【審判官】 上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−49387(JP,A)
【文献】 特開昭62−81392(JP,A)
【文献】 米国特許第3488319(US,A)
【文献】 特開昭56−26258(JP,A)
【文献】 特開2008−15167(JP,A)
【文献】 特開平6−321965(JP,A)
【文献】 特開昭56−138128(JP,A)
【文献】 米国特許第3546266(US,A)
【文献】 特開2011−11361(JP,A)
【文献】 特開2004−292779(JP,A)
【文献】 特開平6−179822(JP,A)
【文献】 特開2008−56761(JP,A)
【文献】 特開2008−215603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 83/00- 83/16
C08K 9/06
C08K 5/54- 5/549
C07F 1/00- 17/00
CAplus/REGISTRY
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物と、
【化1】
(式中Rは同一または異種の1価有機基であり、j=0,k=1であり、j+k=1であり、mは1〜5の整数であり、nは6〜20の整数である。)
ベースポリマーとしてアリール基を有するシリコーンと、
充填剤と
を含み、該充填剤が、沈降性シリカ、石英粉、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅及びニッケルのいずれかであることを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項2】
前記Rは、非置換または置換の1価炭化水素基またはアシル基であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項3】
前記mが1又は2であり、前記Rがメチル基又はエチル基であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な有機ケイ素化合物に関し、特には、熱伝導性充填材等の充填材が高充填されたシリコーン組成物のウェッター(分散剤)として好適に用いることのできる有機ケイ素化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の多くは使用中に熱を発生させるので、その電子部品を適切に機能させるためには、その電子部品から熱を取り除くことが必要である。特にパーソナルコンピューターに使用されているCPU等の集積回路素子は、動作周波数の高速化により発熱量が増大しており、熱対策が重要な問題となっている。
【0003】
この熱を除去する手段として多くの方法が提案されている。特に発熱量の多い電子部品では、電子部品とヒートシンク等の部材との間に熱伝導性グリースや熱伝導性シートなどの熱伝導性材料を介在させて熱を逃がす方法が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
また、このような熱伝導性材料としては、シリコーンをベースとし、酸化亜鉛やアルミナ粉末を配合した放熱グリースや放熱接着剤が知られている(特許文献3、特許文献4参照)。
【0005】
シリコーンをベースとし、高い熱伝導性を有する熱伝導性材料とするためには、熱伝導性充填剤を高充填することが必要である。しかし、ただ単に高充填しようとすると、熱伝導性材料の流動性が著しく低下し、塗布性(ディスペンス性、スクリーンプリント性)等の作業性が悪くなり、さらには電子部品やヒートシンク表面の微細な凹凸に追従できなくなるという問題が生じる。そこで、この問題を解決するために、熱伝導性充填剤をシランカップリング剤(ウェッター)で表面処理してベースポリマーであるシリコーンに分散させ、熱伝導性材料の流動性を保つという方法が提案されている。
【0006】
現在、頻繁に用いられるウェッターとして、アルキル基を有するアルコキシシラン(特許文献5、特許文献6)がある。これらのウェッターはメチルシリコーンをベースポリマーとした場合、粘度を低くすることが可能であるが、ベースとなるシリコーンにメチル基以外の置換基が導入されている場合、必ずしもその効果は充分でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭56−28264号公報
【特許文献2】特開昭61−157587号公報
【特許文献3】特公昭52−33272号公報
【特許文献4】特公昭59−52195号公報
【特許文献5】特許3290127号公報
【特許文献6】特許3372487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、シリコーンに充填材を高充填することを可能とし、良好な作業性を付与することができるウェッターとして好適な有機ケイ素化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は下記一般式(1)で表されるものであることを特徴とする有機ケイ素化合物を提供する。
【化1】
(式中Rは同一または異種の1価有機基であり、jおよびkは0または1であり、mは1〜5の整数であり、nは6〜20の整数である。)
【0010】
このような有機ケイ素化合物はシリコーンに充填材を高充填することを可能とするウェッターとして好適なものとなる。特に、ベースとなるシリコーンにアリール基などの有機基が導入されていてもフィラーを高充填することができるものとなる。
【0011】
また、前記Rは、非置換または置換の1価炭化水素基またはアシル基であることが好ましい。
【0012】
このようなRであれば、合成がしやすく、経済性の観点から好ましいものとなる。
【0013】
さらに、前記j及び前記kは、j+k=1を満たすことが好ましい。
【0014】
このようなj及びkであれば、本発明の有機ケイ素化合物はエステル結合を有するものとなり、合成がしやすく、経済性の観点から特に好ましいものとなる。
【0015】
また、mが1又は2であり、Rがメチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0016】
このようなm、Rであれば、特に合成のしやすさ、経済性、反応性の観点から好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明の有機ケイ素化合物を配合することにより、シリコーンに対する充填材の濡れ性を向上させることができるため、シリコーンに充填材を高充填することができる。そのため、本発明の有機ケイ素化合物が配合された熱伝導性シリコーン組成物は、充填材が高充填されていても、粘度の上昇が抑えられ、流動性が保たれる。さらに、本発明の有機ケイ素化合物はベースとなるシリコーンにアリール基等の有機基が導入されていても充分な効果を発揮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本発明において、部は「質量部」で表わされる量、粘度および動粘度は25℃における値である。また、「Me」はメチル基、「Ph」はフェニル基を表す。
【0019】
本発明者等は鋭意検討を行なった結果、下記一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物であればシリコーンに充填材を高充填することができ、シリコーンに対する充填材の濡れ性を向上させるウェッターとして好適となり、特に、ベースとなるシリコーンにアリール基など有機基が導入されていても充分な効果を有することを見出し、本発明に想到した。
【0020】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるものであることを特徴とする有機ケイ素化合物である。
【化2】
(式中Rは同一または異種の1価有機基であり、jおよびkは0または1であり、mは1〜5の整数であり、nは6〜20の整数である。)
【0021】
上記一般式(1)中、Rは、同一または異種の1価有機基であり、SiORが加水分解性となるものであれば特に制限されない。好ましくは炭素原子数が1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜3の1価有機基である。より具体的には、Rは、例えば、独立に、非置換または置換の1価炭化水素基、アシル基等であり、好ましくは炭素原子数が1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2の1価炭化水素基、アシル基等である。Rが1価炭化水素基である場合、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基;フェニル基等のアリール基等が挙げられる。更に、Rがアシル基である場合、その例としては、アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等のアシル基が挙げられる。これらの中でも、合成のしやすさ、経済性、反応性の観点から、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基およびエチル基が好ましい。
【0022】
上記一般式(1)中、mは1〜5の整数であり、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。より具体的には、C2m+1はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基などが挙げられる。これらの中でも、本発明の有機ケイ素化合物の合成のしやすさおよび経済性の観点から、特にメチル基およびエチル基が好ましい。
【0023】
特に、mが1又は2であり、Rがメチル基又はエチル基であることが好ましい。このようなm、Rであれば、特に合成のしやすさ、経済性、反応性の観点から好ましいものとなる。
【0024】
上記一般式(1)中、jおよびkは、0または1であり、好ましくは、どちらか一方が0、他方が1で、j+k=1を満たす場合である。すなわち、本発明の有機ケイ素化合物はエステル結合を有するものが好ましい。
【0025】
上記一般式(1)中、nは、6〜20の整数であり、好ましくは6〜15の整数であり、特に好ましくは8〜12の整数である。nが6未満であるとウエッティング(分散性向上)効果が不十分となり、20を超えると合成し難くなることがある。
【0026】
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、下記の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化3】
【0027】
本発明の一般式(1)で示される有機ケイ素化合物は、例えば下記反応式のように製造される。
【0028】
【化4】
(式中R、j、k、mおよびnは前記の通りである。)
【0029】
上記反応式で示されるように、本発明の有機ケイ素化合物は、カルボニル基、および末端に不飽和基を有する有機化合物と、ケイ素に結合した水素原子を有するシラン化合物をヒドロシリル化反応させることによって得られる。ここで、不飽和基含有有機化合物とケイ素に結合した水素原子を有するシラン化合物との反応モル比は、特には制限されないが、反応効率を考慮すると、1.5/1〜1/1.5、特には1.2/1〜1/1.2であることが好ましい。
【0030】
上記の反応は、通常、触媒の存在下で行われる。該触媒としては、ヒドロシリル付加反応に従来公知の白金族金属系触媒、例えば白金系、パラジウム系およびロジウム系のものが挙げられ、白金系のものが好適である。白金系金属触媒としては、白金黒;アルミナ、シリカ等の担体に固体白金を担持させたもの;塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体;白金とビニルシロキサンとの錯体等が挙げられる。これらの使用量は、いわゆる触媒量でよく、前記アクリル基含有アルコキシシランとヒドロシリル基含有アルコキシシランとの合計量に対して、白金族金属換算で、通常、0.1〜1000ppm、好ましくは1〜100ppmの量である。
【0031】
上記反応の温度は、通常、室温〜200℃の温度でよく、好ましくは30〜120℃の範囲である。反応時間は、製造規模および反応温度に応じて適宜決めることができる。上記反応において、溶媒を使用しなくともよく、また、必要に応じて反応に悪影響を与えない範囲で溶媒を使用してもよい。
【0032】
本発明の有機ケイ素化合物は、充填材を含むシリコーン組成物のウエッターとして好適に適用することができる。シリコーン組成物としては、付加反応硬化型シリコーン組成物、有機過酸化物硬化型シリコーン組成物、縮合反応硬化型シリコーン組成物等の硬化タイプは制限されず適用でき、また、シリコーングリース等の非硬化タイプのシリコーン組成物にも適用することができる。シリコーン組成物に充填される充填材としては、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、石英粉、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、金、銀、銅、ニッケル等公知の充填材に適用することができる。
【実施例】
【0033】
以下、本発明を実施例、比較例及び応用例にて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
[調製例1]白金触媒の調製
六塩化白金酸とsym−テトラメチルジビニルジシロキサンとの反応生成物を、白金含量が0.5質量%となるようにトルエンで希釈して、本実施例および比較例で使用する白金触媒(触媒A)を調製した。
【0035】
[実施例1]
攪拌機、還流冷却管、温度計および滴下ロートを備えた1リットルの4つ口フラスコに、10−ウンデセン酸メチル50.0g(252ミリモル)、トルエン50.0g、触媒A0.10gを入れ、攪拌しながら温度を75℃に上げた。次いで、該混合物に、トリメトキシシラン37.0g(303ミリモル)を攪拌下で滴下した。滴下後、80℃の温度で3時間反応を行った。反応終了後、未反応原料およびトルエンを減圧留去し、74.3g(収率92%)の下記のような生成物が得られた。
【0036】
【化5】
【0037】
上記化合物の同定は、H NMRによって行った。NMRデータを下記に示す。なお、対応する水素原子については下線を引いた。
H NMR (CDCl
3.67ppm(s,3H,CO−)
3.52ppm(s,9H,−Si(OC
2.25ppm(t,2H,−COC−)
1.55ppm(tt,2H,−COCH−)
1.34−1.17ppm(br,14H,−(CH(CCHSi≡)
0.60ppm(t,2H,−CSi≡)
【0038】
[実施例2]
攪拌機、還流冷却管、温度計および滴下ロートを備えた1リットルの4つ口フラスコに、10−ウンデセン酸エチル50.0g(235ミリモル)、トルエン50.0g、触媒A0.10gを入れ、攪拌しながら温度を75℃に上げた。次いで、該混合物に、トリメトキシシラン34.5g(282ミリモル)を攪拌下で滴下した。滴下後、80℃の温度で3時間反応を行った。反応終了後、未反応原料およびトルエンを減圧留去し、70.9g(収率90%)の下記のような生成物が得られた。
【0039】
【化6】
【0040】
上記化合物の同定は、H NMRによって行った。
H NMR (CDCl
4.08ppm(q,2H,CH−)
3.52ppm(s,9H,−Si(OC
2.24ppm(t,2H,−COC−)
1.57ppm(tt,2H,−COCH−)
1.37ppm(t,3H,CCH−)
1.35−1.16ppm(br,14H,−(CH(CCHSi≡)
0.60ppm(t,2H,−CSi≡)
【0041】
[実施例3]
攪拌機、還流冷却管、温度計および滴下ロートを備えた1リットルの4つ口フラスコに、酢酸8−ノネニル50.0g(271ミリモル)、トルエン50.0g、触媒A0.10gを入れ、攪拌しながら温度を75℃に上げた。次いで、該混合物に、トリメトキシシラン39.7g(325ミリモル)を攪拌下で滴下した。滴下後、80℃の温度で3時間反応を行った。反応終了後、未反応原料およびトルエンを減圧留去し、76.5g(収率92%)の下記のような生成物が得られた。
【0042】
【化7】
【0043】
上記化合物の同定は、H NMRによって行った。
H NMR (CDCl
3.98ppm(t,2H,−OC−)
3.50ppm(s,9H,−Si(OC
1.98ppm(s,3H,CCO−)
1.55ppm(tt,2H,−OCH−)
1.44−1.23ppm(br,12H,−(CH(CCHSi≡)
0.58ppm(t,2H,−CSi≡)
【0044】
[応用例1、2]
次に、本発明の有機ケイ素化合物を含む組成物を形成するための以下の各成分(A)〜(C)を用意した。
【0045】
(A)オルガノポリシロキサン
A−1:下記式(6)で表され、粘度が2.0Pa・sのオルガノポリシロキサン
【化8】
【0046】
(B)シランカップリング剤(ウェッター)
B−1:下記式(7)で表される有機ケイ素化合物
B−2:下記式(4)で表される有機ケイ素化合物(実施例2で合成したもの)
【化9】
【0047】
(C)充填剤
C−1:アルミナ粉末(平均粒径10.0μm)
C−2:アルミナ粉末(平均粒径1.5μm)
【0048】
〔有機ケイ素化合物を含む組成物の製造方法〕
上記(A)〜(C)成分を表1に示すとおりに混合して応用例1〜2および比較例1〜2の組成物を得た。即ち、表1に示す組成比(質量部)で各成分を量り取り、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製)を用いて混合した。得られた組成物を常温まで冷却した。
【0049】
〔試験方法〕
その後、得られた組成物を25℃の恒温室に24時間放置後、回転粘度計を用いて回転数5rpmでの粘度を測定した。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1に示されるように、本発明の有機ケイ素化合物を含まない比較例1〜2では充填材を高充填すると粘度が高くなり、熱伝導性材料の流動性が著しく低下し、塗布性(ディスペンス性、スクリーンプリント性)等の観点から実用に耐えないものとなった。これに比べ、応用例1、2では本発明の有機ケイ素化合物であれば組成物の粘度上昇を抑えることができ、充填材を高充填できるウエッターとして好適となることが示された。
【0052】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。