特許第6092771号(P6092771)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6092771バッテリセルモジュール、バッテリ、及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6092771
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】バッテリセルモジュール、バッテリ、及び車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20170227BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20170227BHJP
   H01M 10/60 20140101ALI20170227BHJP
【FI】
   H01M2/10 J
   H01M2/10 S
   B60L11/18 Z
   H01M10/60
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-518997(P2013-518997)
(86)(22)【出願日】2011年5月17日
(65)【公表番号】特表2013-537683(P2013-537683A)
(43)【公表日】2013年10月3日
(86)【国際出願番号】EP2011057915
(87)【国際公開番号】WO2012007205
(87)【国際公開日】20120119
【審査請求日】2013年1月15日
【審判番号】不服2015-7716(P2015-7716/J1)
【審判請求日】2015年4月24日
(31)【優先権主張番号】102010031462.5
(32)【優先日】2010年7月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501125231
【氏名又は名称】ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000981
【氏名又は名称】アイ・ピー・ディー国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アンガーバウアー、ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ブーベック、コンラート
【合議体】
【審判長】 池渕 立
【審判官】 河本 充雄
【審判官】 土屋 知久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−116438(JP,A)
【文献】 特開2009−26703(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0070110(US,A1)
【文献】 特開2000−285953(JP,A)
【文献】 特開平11−3690(JP,A)
【文献】 特表2011−507172(JP,A)
【文献】 特開2000−195480(JP,A)
【文献】 特開2005−116458(JP,A)
【文献】 特開2009−200051(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/014071(WO,A1)
【文献】 特開2004−227788(JP,A)
【文献】 特開2004−55446(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M10/60
B60L11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状のセルハウジング(10)をそれぞれが有する複数のバッテリセル(1)を備えるバッテリセルモジュールであって、各セルハウジング(10)は、ハウジングの高さ(11)、ハウジングの幅(12)、及びハウジングの奥行き(13)の3つの寸法を有する、前記バッテリセルモジュールにおいて、前記寸法のうちの2つは、前記バッテリセルモジュールの全てのバッテリセル(1)において同一であり、第3の前記寸法は、前記バッテリセルモジュールの少なくとも2つのバッテリセル(1)において異なっており、前記バッテリセル(1)は、前記バッテリセルモジュールの長手方向に隣り合って配置されており、前記第3の寸法は前記長手方向に対して平行であり、前記バッテリセルモジュールは、前複数のバッテリセルにより形成される外面に面的に当接する冷却板(30)を有し、前記外面は、さらに前記長手方向に対して平行であることを特徴とする、バッテリセルモジュール。
【請求項2】
同一の前記寸法は、前記ハウジングの高さ(11)と前記ハウジングの幅(12)であり、異なる前記寸法は、前記ハウジングの奥行き(13)である、請求項1に記載のバッテリセルモジュール。
【請求項3】
前記バッテリセルモジュールは、同じ大きさの1対の締付板(20、21)を備え、各一方の締付板(20)は、前記バッテリセルモジュールの外側のバッテリセルのハウジング壁(14)に当接し、当該外側のバッテリセル(1)に対して、各他方の前記締付板(21)の方向に力を加える、請求項1又は2のいずれかに記載のバッテリセルモジュール。
【請求項4】
前記バッテリセル(1)は端子(40)を有し、各バッテリセルモジュールの前記バッテリセル(1)の前記端子(40)は、その形状的寸法が同一に形成される、請求項1〜3のいずれかに記載のバッテリセルモジュール。
【請求項5】
前記バッテリセル(1)は、リチウムイオンバッテリセルである、請求項1〜4のいずれかに記載のバッテリセルモジュール。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の少なくとも1つのバッテリセルモジュールを備えるバッテリ。
【請求項7】
数のバッテリセルモジュールを有し、第1のバッテリセルモジュール(50)は、第2のバッテリセルモジュール(60)の少なくとも1つのバッテリセル(1)の第3の寸法よりも、第3の寸法が大きく又は小さい少なくとも1つのバッテリセル(1)を含み、前記第1及び第2バッテリセルモジュール(50、60)にそれぞれ割り当てられる前記冷却板(30)は、同一の外形寸法及び同一の形状を有する、請求項6に記載のバッテリ。
【請求項8】
複数のバッテリセルモジュールを有し、前記複数のバッテリセルモジュールは、上下に積み重なって配置される、請求項6又は7のいずれかに記載のバッテリ。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれかに記載の少なくとも1つのバッテリを備える車両であって、前記バッテリは前記車両の駆動システムと接続される、車両。
【請求項10】
前記車両は、電動式で駆動可能である、請求項9に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パケット状に配置され、基本的に角柱状のセルハウジングをそれぞれが有する複数のバッテリセルを備えるバッテリセルモジュールであって、各セルハウジングが、ハウジングの高さ、ハウジングの幅、及びハウジングの奥行きという3つの寸法を有する、上記バッテリセルモジュールに関する。
【0002】
さらに、本発明は、本発明に係る少なくとも1つのバッテリセルモジュールを備えるバッテリに関する。
【0003】
本発明は、本発明に係る少なくとも1つのバッテリを有する車両によって補完される。
【背景技術】
【0004】
1つ以上のガルバニバッテリセルを備えるバッテリは、電気化学的なエネルギー貯蓄器又はエネルギー変換器として機能する。バッテリ又は各バッテリセルの放電時には、バッテリに蓄えられた化学的エネルギーが、電気化学的な酸化還元反応によって電気的エネルギーに変換される。この電気的エネルギーは、ユーザからの需要に応じて要求されうる。
【0005】
特にハイブリッド車及び電気自動車においては、直列接続された多数の電気化学的セルから成るリチウムイオンバッテリ又はニッケルメタルハイドライドバッテリが、所謂バッテリパック内で使用される。その際に通常では、バッテリ状態検出部を含むバッテリ管理システムが、安全監視、及び可能な限り長い寿命の保証のために役立つ。
【0006】
リチウムイオン蓄電池技術では、複数の個別バッテリセルが1つのバッテリへと繋ぎ合わされる。その際に各個別セルは、アクティブなバッテリセル構成要素と電解質とを包み込むためにハウジングを有する。バッテリセルハウジングからは、バッテリセルの電気接続部又は極のみが突き出ている。
【0007】
独国特許公報第69022892号明細書には、複数の個別モジュールユニットから成るモジュール型のバッテリ取付システムが開示されている。この種の個別モジュールユニットは、バッテリセルであってもよい。この基本構成ユニットは、組立キットの原則に従って、ほぼ任意の大きさのバッテリ集合体を形成することが可能である。
【0008】
独国特許出願公開第102007052375号明細書には、効果的な冷却が行われるエネルギー貯蓄器と、顧客の様々な要望に従って当該エネルギー貯蓄器を製造することが可能な、当該エネルギー貯蓄器を安価に製造する方法と、が記載されている。独国特許出願公開第102007052375号明細書で記載される実施形態でも、組立キットシステムの枠組みにおいて使用することが可能な、コンパクトで安価なモジュール型の構成形態が実現される。この場合も、ほぼ任意の数のセルが、モジュールへと相互に接続される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上、同じ使用目的のために構想されたバッテリセル又は同種のバッテリセルが、モジュールへとまとめられることが公知である。しかしながらその際に、様々な種類のバッテリセル、又は利用目的が異なるバッテリセルのことは考慮されていない。例えば、異なる種類の電気自動車で使用されるバッテリは、その構造的な構成及び全体寸法が比較的様々である。これは、一方では、出力に対する様々な要求、他方では、提供される設置空間の様々な状況又は配置位置が原因である。さらに、様々なバッテリセル又はバッテリは、例えば異なる大きさのねじ等の、互いに異なる接合部を有している。バッテリ又はバッテリセルの上記相違によって、その輸送、保管、取扱い、及び組立に比較的コストが掛かることになる。さらに、供給システム、位置決めシステム、固定システム、保守システム、温度調整システム、及び操作システムは、様々なバッテリセル又はバッテリタイプのために使用出来るように、比較的複雑に形成する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
パケット状に配置され、基本的に角柱状のセルハウジングをそれぞれが有する複数のバッテリセル、特にリチウムイオンバッテリセルを備えるバッテリセルモジュールであって、各セルハウジングが、ハウジングの高さ、ハウジングの幅、及びハウジングの奥行きという3つの寸法を有する、上記バッテリセルモジュールが提供される。本発明に基づいて、寸法のうちの2つは、バッテリセルモジュールの全てのバッテリセルにおいて基本的に同一に構成され、第3の寸法は、バッテリセルモジュールの少なくとも2つのバッテリセルにおいて異なるように構成される。
【0011】
即ち、第3の寸法の大きさは、バッテリセルごとに異なっていてもよく、その際に、第1の寸法及び第2の寸法の大きさは、各バッテリセルで同じである。
【0012】
その際に本発明は、リチウムイオンバッテリセルに限定されず、代替的に、他のバッテリセル、例えばニッケルメタルハイドライドバッテリセルも、本発明に基づいて構成し配置することが可能である。
【0013】
底面上に配置される角柱状のバッテリセルという前提から出発すると、バッテリセルのハウジングの高さは、底面から、最上端でバッテリセルハウジングを閉鎖する上面までの距離である。ハウジングの幅は、底面の稜の長さに相当し、ハウジングの高さに対して直交している。ハウジングの奥行きは、ハウジングの高さ及びハウジングの幅に対して直交しており、方形の底面を有する角柱状のバッテリセルの場合には、底面の第1の稜に対して直交する底面の第2の稜の長さに対応して伸びている。
【0014】
ハウジング、例えばハウジングの高さの等級において、当該等級に応じたハウジングは、様々な高さを有する。本発明に基づいて、ここでのモジュールのバッテリセルの同一の高さとは、モジュールの全バッテリセルが、高さに関して同一の等級を有し、好適に幅も同一の等級を有することを意味している。
【0015】
本発明に基づいて、通常のバッテリセルであって、その底面を並べて配置し又は配置することが可能であり、好適に方形の底面を有する角柱状のセルハウジングをそれぞれが有する上記通常のバッテリセルいう前提から出発して、上記底面は、可変的な第3の大きさとしてハウジングの奥行きがバッテリセルごとに異なる場合に、少なくとも2つのバッテリセルにおいて異なる大きさである。これに対して、好適に底面に対して直交する前方の側面及び後方の側面は、各バッテリセルで同じ大きさである。好適に、上記3つの寸法、即ちハウジングの高さ、ハウジングの幅、及びハウジングの奥行きは、バッテリセルの、容積を決定する寸法であり、即ちバッテリセルは、本来の角柱状のセルハウジング以外の容積エレメントを有さない。バッテリセルはパケット状に配置され、その際に場合によっては、バッテリセル間に1つ以上の中間層を設けることが可能である。しかしながら、この中間層は、バッテリセルの奥行きとの関係で比較的薄く実現され、従って、パケット状に配置されたバッテリセルは、コンパクトなモジュールを形成する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の利点は特に、バッテリセルの少なくとも2つの形状的寸法を統一することに基づき、その適用、保管、取扱い、輸送、組立におけるバッテリセルモジュールの周辺の形状的パラメータを統一する可能性が生じることである。例えばハウジングの高さ及びハウジングの幅が同一で、バッテリセルモジュールの個々のバッテリセルの奥行きのみが異なる場合には、バッテリセルモジュール全体の2つの形状的寸法、即ち、モジュールの幅及びモジュールの高さも固定的に設定される。個々のバッテリセルの様々な奥行きにより定められるバッテリセルモジュールの長さにのみ、バッテリセルモジュールのバリエーションが現れる。特別な構成において、利用される個々のバッテリセルの奥行きが異なるにも関わらず、当該バッテリセルから形成されるモジュールは、同一の長さを有しうる。同一のモジュール幅及び同一のモジュールの高さを確実に遵守することにより、輸送システム、保管システム、供給システム、位置決めシステム、固定システム、保守システム、温度調整システム、及び操作システムを統一的に設定し、場合によっては、奥行き又は長さのみ可変的に構成することが可能である。これにより、輸送システム、保管システム、供給システム、及び操作システムが、統一的に又はより簡単に形成される。上記システムにより実施されるプロセスは、より予測可能である。温度調整システム及び監視システムは、より僅かな部分コストで構想される。寸法の統一によってさらに、バッテリセル又はバッテリの開発プロセスに対して加速度的に作用する更なるバッテリ開発のための制限が設けられる。
【0017】
好適に、同一の寸法は、ハウジングの高さとハウジングの幅であり、少なくとも2つのバッテリセルを区別する寸法は、ハウジングの奥行きである。従って、ハウジングの奥行きは、各バッテリセル間の容積差について決定的である。セルの所望の容量が大きいほど、バッテリセルの奥行きは大きいべきであろう。
【0018】
好適に、本発明に係るバッテリセルモジュールは、基本的に同じ大きさの1対の締付板を備え、各一方の締付板は、バッテリセルモジュールの外側のバッテリセルの外側のハウジング壁に当接し、当該外側のバッテリセルに対して、各他方の締付板の方向に力を加える。締付力は、例えば、締付ボルト又は締付ベルトのような適切な締付装置を用いて、場合によってはばねエレメントを援用して実現される。本発明の本実施形態の利点は、様々なバッテリセルを利用するにも関わらず、同じ締付板を利用出来ることである。
【0019】
更なる別の有利な構成において、本発明に係るバッテリセルモジュールが、バッテリセルのパケットにより形成される外面に当接する少なくとも1つの冷却板を有することが構想される。この共通の外面は、個々のバッテリセルの各外面によって、従って例えばバッテリセルのパケットの下面上に形成され、従って、バッテリセルの複数の下面、好適に全ての下面が冷却板に接触する。同一の寸法、例えばバッテリセルの同一の幅に基づいて、好適に、この基準幅に対して調整された各幅を有する冷却板が使用される。冷却板の長さのみ、各バッテリセルモジュールの長さに応じて異なってもよい。この種の規格化された冷却板を製造するために、より僅かな製造及び組立コストが掛かり、より簡単でより少ない製造手段が使用されることは明らかである。
【0020】
さらに、各バッテリセルモジュールのバッテリセルの端子は、その形状的寸法が基本的に同一に形成されうる。好適に、端子は、例えばねじの形状をした接合オプションのような、同一の形状エレメントを含む。例えば、全端子にねじM8を備えることが構想されうる。その際に、端子という概念において、バッテリセルの内部の巻線と導電接続された、バッテリセルハウジングから突き出たバッテリセル極が解される。本発明の本構成の利点は、様々な種類のセルコネクタの数が減り、セルコネクタの組立が簡素化されることである。
【0021】
本発明はさらに、本発明に係る少なくとも1つのバッテリセルモジュールを備えたバッテリ、特にリチウムイオンバッテリに関する。出力に対する要求に応じて、バッテリは、本発明に係るこの種のバッテリセルモジュールを複数有することが可能である。
【0022】
その際にこのようなバッテリは、第1のバッテリセルモジュールが、第2のバッテリセルモジュールの少なくとも1つのバッテリセルの第3の寸法よりも、第3の寸法が大きく又は小さい少なくとも1つのバッテリセルを含み、かつ、上記2つのバッテリセルモジュールに割り当てられる冷却板が基本的に同一の外形寸法及び同一の形状を有するように構成されてもよい。一変形例において、モジュールの全バッテリセルは同一の第3の寸法を有し、即ち、この第3の寸法の大きさはモジュールの全バッテリセルで同じである。その際、1のモジュールのバッテリセル全体を、他のモジュールに割り当てられた冷却板と基本的に同じ外形寸法を有する冷却板上に配置しうるように、様々な数のバッテリセルをモジュールへと繋ぎ合わせることが可能である。本構成の利点は、第3の寸法が異なるにも関わらず、例えば、個々のモジュール内の個々のバッテリセルの奥行きが異なり、バッテリセルの数が異なるにも関わらず、同じ冷却板が使用出来ることである。
【0023】
本発明に係るバッテリの特別な実施形態において、バッテリセルモジュールを上下に積み重ねて配置することが構想される。底面の同一の外形寸法に基づいて、特に、個々のバッテリセルの奥行きが異なるにも関わらずモジュールが同じ長さを有するようにバッテリセルがモジュールへとまとめられる場合に、バッテリセルモジュールは、積み重ねられることに特に良好に適している。場合によってモジュールの長さが異なる際には、ずらした積み重ねが実現され、バッテリセルの積み重ねの安定が改善される。即ち、本発明に基づいて、バッテリセルは、同様に組立キットシステムにおいて、上下に配置されてバッテリへと構成されうる。
【0024】
本発明はさらに、本発明に係るバッテリセルモジュールを備えた少なくとも1つのバッテリを有する車両、特に電動式で駆動可能な車両であって、バッテリが車両の駆動システムと接続される、上記車両に関する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の実施例が、図面及び以下の明細書の記載によって、より詳細に解説される。
図1】バッテリセルモジュールの透視図を示す。
図2】2つのバッテリセルモジュールを上から眺めた図を示す。
図3】1つのバッテリセルモジュールを上から眺めた図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1から、本発明に係るバッテリセルモジュールの概略的な構成が分かる。本発明に係るバッテリセルモジュールは、個々のバッテリセル1から構成される。各バッテリセル1は、容積を定めるセルハウジング10を有する。バッテリセル1がそれぞれ、同一のハウジングの高さ11及び同一のハウジングの幅12を有することが明確に分かる。
【0027】
示される各バッテリセルはそれぞれ、異なるハウジングの奥行き13を有する。従って、示される各バッテリセル1は異なる容積を有する。容積が異なり、従って容量が異なるバッテリセル1を利用するにも関わらず、バッテリセル1は図1に示すように配置され、従って、例えば簡単な形態で一緒に輸送し、保管し、又は組み立てることが可能である。バッテリセル1は、上面にそれぞれ端子40を有する。この端子40は、好適にその形状的な外形寸法、及び/又は、接合オプションに関して同様に同一に実現され、従って、バッテリセルを互いに接続するために、及び他のバッテリと接続するために同種のコネクタを使用することが可能である。
【0028】
パケットにまとめられた個々のバッテリセル1は、モジュールとして冷却板30上に配置され、及び/又は、当該冷却板30により覆われる。図2に示すように、例えば冷却板30上に、第1のバッテリセルモジュール50、及び、第2のバッテリセルモジュール60を配置することが可能である。しかしながら、図3によれば、図2の冷却板と同じ形状的な外形寸法を有する冷却板30上に、バッテリセルモジュールを1つだけ配置することも可能である。図2で利用されるバッテリセル1のハウジングの奥行き13がより小さいため、冷却板30上には、図3の冷却板30上のバッテリセルの2倍の数のバッテリセルが配置される。
【0029】
しかしながら本発明は、より長い冷却板30上に2つのバッテリセルモジュール50、60が配置されることに限定されず、当該冷却板30上に、2倍の数のバッテリセル1を有する、図3のようなバッテリセルモジュールを1つだけ配置することも可能であろう。
【0030】
従って各モジュール長70は、個々のバッテリセル1の様々な奥行き13によって、及びモジュールごとに配置されるバッテリセル1の数によって決定される。
【0031】
図2及び図3で示されるバッテリセルは、図1で示したように、様々なハウジングの奥行き13を有することが可能であり、従ってモジュール長70の更なるバリエーションが生れうる。
【0032】
有利に、バッテリモジュール内の所定数のバッテリセル1が、第1の締付板20及び第2の締付板21を用いて1つにまとめられる。各締付板20、21は、各外側のバッテリセル14のハウジング壁に当接し、適切な締付手段によって、それぞれ他方の締付板の方向に引っ張られ又は押圧される。同一のハウジングの高さ11及び同一のハウジングの幅12を有するバッテリセル1を利用することにより、同様に同じ大きさの締付板が利用され、従って、締付板の製造及び組立に関してより少ないコストが必要となる。
図1
図2
図3