特許第6093232号(P6093232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6093232-有価金属回収方法 図000007
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6093232
(24)【登録日】2017年2月17日
(45)【発行日】2017年3月8日
(54)【発明の名称】有価金属回収方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 11/00 20060101AFI20170227BHJP
   C22B 3/44 20060101ALI20170227BHJP
   C02F 1/58 20060101ALI20170227BHJP
【FI】
   C22B11/00 101
   C22B3/44
   C02F1/58 N
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-91266(P2013-91266)
(22)【出願日】2013年4月24日
(65)【公開番号】特開2014-214333(P2014-214333A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年1月25日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509352945
【氏名又は名称】田中貴金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩安
(72)【発明者】
【氏名】小林 麻美
【審査官】 酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭49−059076(JP,A)
【文献】 友野理平,実用めっきマニュアル,日本,株式会社オーム社,1971年10月25日,第1版,160,243
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 11/00
C02F 1/00
C22B 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアン化合物、無機炭酸塩および有価金属を含有する廃液の濃縮物を400〜650℃で焼成し、シアンをシアンガスとして前記廃液の濃縮物から前記シアンガスを燃焼および分解させることなく分離した後に焼成残渣から有価金属を回収する工程を含む有価金属回収方法。
【請求項2】
有価金属を液相回収する工程を含む請求項1に記載の有価金属回収方法。
【請求項3】
前記無機炭酸塩は炭酸アルカリ金属塩および/または炭酸アルカリ土類金属塩である請求項1または2に記載の有価金属回収方法。
【請求項4】
前記シアン化合物の濃度および無機炭酸塩の炭酸イオン換算濃度が、前記廃液の濃縮物中で夫々2〜200g/kg、20g/kg以上であって1000g/kg未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載の有価金属回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価金属回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
貴金属、希土類元素、その他の金属類等の所謂有価金属は、工業的に非常に有用な材料が多く、幅広い分野で利用されている。例えば、金を用いた電解めっき法や無電解めっき法が広く知られており、そのめっき液としては、金供給源として液中での安定性に優れるシアン系金めっき液が従来から用いられている。
【0003】
しかし、シアン化合物は強い毒性を有するとともに、前記のようなめっき液はシアン化合物の濃度が一般的に中〜高濃度であることから、めっき後の廃液の処理には万全を期す必要がある。一方で、高価な材料である有価金属は、めっき後の廃液から可能な限り回収して再利用することが求められる。
【0004】
従来、中〜高濃度でシアン化合物を含有する廃液(中〜高濃度シアン廃液)の処理方法としては、例えば、炉内噴霧法が知られている。ここで中濃度とは、廃液中のシアン化合物の濃度が例えば100mg/L以上1000mg/L未満であることを意味する。また、高濃度とは、廃液中のシアン化合物の濃度が例えば1000mg/L以上であることを意味する。
【0005】
炉内噴霧方法は、1000℃を超える高温の炉内に該廃液を噴霧し、シアン化合物を分解する方法である。しかしこの方法は、高コストであること、熱溶融性塩である無機炭酸塩、例えば炭酸アルカリ金属塩や炭酸アルカリ土類金属塩が溶融し炉内に付着し炉を破損させること、有価金属を回収できない、等の問題点がある。
【0006】
なお、低濃度でシアン化合物を含有する廃液(低濃度シアン廃液)を処理する方法も知られている。ここで低濃度とは、シアン化合物の濃度が例えば100mg/L未満であることを意味する。
【0007】
例えば、特許文献1には、低濃度シアン廃液に水酸化ナトリウムを添加し、pHを10〜11に調整しながら次亜塩素酸ナトリウムを加え、シアン化合物を窒素まで分解するアルカリ塩素法が開示されている。しかし、アルカリ塩素法によって中〜高濃度シアン廃液から有価金属を回収しようとすると、使用する薬品が多量に必要であり処理廃液との体積和が大きくなる、反応熱による顕著な発熱を伴う、自体に有害な塩素が発生する、等の問題点がある。
【0008】
その他、高温高圧下で熱加水分解する方法(例えば特許文献2参照)、オゾンガスの酸化力を利用するオゾン酸化法(例えば特許文献3参照)等が知られている。前者の方法はシアン化合物を十分に分解できず、後者の方法は高コストであるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭50−118962号公報
【特許文献2】特開平1−194997号公報
【特許文献3】特開2006−341229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって本発明の目的は、例えば中〜高濃度シアン廃液を低コストかつ簡単に処理することができ、かつ、廃液に残存する貴金属、希土類元素、その他の金属類等の所謂有価金属を、炉を腐食させることなく十分に回収可能な金属回収方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、シアン化合物、無機炭酸塩および有価金属を含有する廃液の濃縮物を比較的低温で焼成し、シアンをシアンガスとして前記廃液から分離する工程を経ることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち本発明は、以下の通りである。
1.シアン化合物、無機炭酸塩および有価金属を含有する廃液の濃縮物を400〜650℃で焼成し、シアンをシアンガスとして前記廃液の濃縮物から分離した後に焼成残渣から有価金属を回収する工程を含む有価金属回収方法。
2.有価金属を液相回収する工程を含む前記1に記載の有価金属回収方法。
3.前記無機炭酸塩は炭酸アルカリ金属塩および/または炭酸アルカリ土類金属塩である前記1または2に記載の有価金属回収方法。
4.前記シアン化合物の濃度および無機炭酸塩の炭酸イオン換算濃度が、前記廃液の濃縮物中で夫々2〜200g/kg、20g/kg以上であって1000g/kg未満である前記1〜3のいずれか1項に記載の有価金属回収方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、シアン化合物、無機炭酸塩および有価金属を含有する廃液の濃縮物を400〜650℃という比較的低温で焼成することにより、シアン化合物がシアンガスとして分離されるとともに、熱溶融性塩である無機炭酸塩が炉内で溶融せず、炉を腐食させることがない。またアルカリヒュームの発生も防止され、安全性が高まる。さらに焼成温度が低いことにより、低コストが達成される。シアン化合物が分離された焼成残渣は、毒性が低く、その後の金属回収が容易となる。また、分離されたシアンガスをさらに燃焼する形態によれば、シアンガスを水、二酸化炭素および窒素に分解でき、排ガスの更なる処理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の好ましい形態を説明するための工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0016】
本発明で使用される廃液は、シアン化合物、無機炭酸塩および有価金属を含有するものであり、該廃液は、貴金属である金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)及びルテニウム(Ru)、希土類金属であるスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)、その他金属類であるスズ(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、タリウム(TI)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)等の有価金属を含む廃液が挙げられ、特に貴金属を含有する廃液、最適には金を含有する廃液である。
【0017】
例えば貴金属を用いた電解めっき法や無電解めっき法におけるめっき液を由来とするものが挙げられる。例えばAu−Ni系、Pd−Ni系、Au−Pd−Ni系等の公知のめっき液がある。
【0018】
なお本発明における廃液は当該形態に限定されるものではなく、例えば、貴金属回収業、表面処理業、電気・電子部品製造業、医薬品・農薬製造業等により発生するシアン廃液が挙げられるが、以下は、金を含有するめっき液の廃液(以下、金めっき廃液という)を例にとり説明する。
【0019】
金めっき廃液におけるシアン化合物の濃度は、一般的に中〜高濃度であり、前述のように従来の炉内噴霧法を採用して金めっき廃液を処理すると、高温加熱を必要とするため高コストであったり、溶融した無機炭酸塩(熱溶融性塩)の付着により炉を破損させたり、金の回収が不可となる等の問題点があった。
【0020】
なお、金めっき廃液中の無機炭酸塩は、めっき液に適宜添加される添加剤を由来とする;電気めっきの作業時にCNの一部が陽極酸化され炭酸イオンに分解される;空気中の二酸化炭素が吸収され、炭酸イオンがビルドアップする;等の理由により存在し、その濃度は例えば炭酸イオンとして1〜100g/Lである。
【0021】
そこで本発明では、シアン化合物、無機炭酸塩および有価金属を含有する廃液の濃縮物を400〜650℃という比較的低温で焼成し、シアン化合物をシアンガスとして分離する工程を経ることにより、前記課題を解決したものである。
【0022】
まず、本発明では、シアン化合物、無機炭酸塩および有価金属を含有する廃液の濃縮物を調製する。該廃液を濃縮する方法としては、例えば、100〜110℃で蒸発乾燥させる方法、蒸発皿で加熱、自然風乾する方法が挙げられる。これら各種手段によって廃液を粉末状や塊状などの固形物になるまで濃縮すれば、その後の処理操作が容易となるため好ましい。
【0023】
本発明では、廃液濃縮物中のシアン化合物の濃度が2g/kg以上であってもシアン化合物をシアンガスとして効率的に分離することが可能であり、2〜200g/kgで好ましく、より好ましくは5〜200g/kgで実施できる。
【0024】
また、無機炭酸塩は、炭酸アルカリ金属塩および/または炭酸アルカリ土類金属塩を含む廃液濃縮物で好ましく実施でき、より好ましくは融点が700〜1000℃である炭酸アルカリ金属塩を含む廃液濃縮物で実施される。
【0025】
廃液濃縮物中の無機炭酸塩は、炭酸イオン換算の濃度が、20g/kg以上の高濃度であってもシアン化合物をシアンガスとして効率的に分離することが可能であり、20g/kg以上であって1000g/kg未満の範囲で好ましく実施できる。
【0026】
また、廃液濃縮物中の有価金属の濃度は1000mg/kg以下の中濃度以下であってもシアン化合物をシアンガスとして効率的に分離し有価金属を効率よく回収することが可能であり、10mg/kg以上で好ましく実施できる。
【0027】
次に、濃縮物を400〜650℃で焼成する。焼成は、密閉条件、大気圧下または加圧下または減圧下(例えば−60〜−10Pa下)で行うことができる。昇温速度は、例えば1〜10℃/分であり、好ましくは1〜5℃/分である。焼成の高温保持時間は例えば30〜120分である。
【0028】
この焼成により廃液中に含まれる有機物が燃焼して二酸化炭素と水を発生する。シアン化合物はこの二酸化炭素や水と反応し、例えば次の反応式(1)によりシアンガスとして分離される。また、金などの有価金属とシアンとの錯体を形成している場合は、その一部または全部が熱分解により有価金属とシアンガスに分解し分離される。
【0029】
金などの有価金属とシアンとが錯体を形成している場合は、低温では分解が困難なため、400℃未満では金などの有価金属とシアンとの錯体は分解せずに、シアンガスとして分離することが困難である。650℃を超える場合は、炭酸アルカリ金属塩が溶融し炉内に付着し炉を破損させること、有価金属を回収できない、等の問題点がある。
【0030】
本発明におけるシアンガスとしての分離とは、既述のシアン化合物の分解により生成したシアンガスの廃液濃縮物からの放出による分離を含む。
【0031】
2NaCN+CO+HO→NaCO+2HCN ↑ (1)
【0032】
一般的に、シアンの分解は約600〜850℃で開始されるが、本発明では比較的低い温度で濃縮物を焼成することにより、シアンガスを生成せしめ、濃縮物からシアン化合物を除去することができる。
【0033】
上記反応式(1)において、金めっき廃液に通常含まれるNaCNやKCNは、光、熱、湿気、COにより容易に反応しHCNを生成する。前記の焼成温度範囲において、これらの反応が促進され、HCNの生成が増大する。
【0034】
続いて本発明では、シアンをシアンガスとして前記廃液の濃縮物から分離した後に、無機炭酸塩が熱溶融による硬い焼結ではなく、柔らかでポーラス状の焼成残渣から有価金属を液相回収する。この際、焼成残渣は無機炭酸塩が熱溶融による焼結が無く細かい粉末状態となっているため、無機炭酸塩の水への溶解性が高く通液性に優れており、無機炭酸塩を水洗除去した後の残渣からの有価金属の液相回収に適切である。有価金属の液相回収方法としては、例えば、王水溶解し、還元剤で還元する方法が挙げられる。
【0035】
なお、分離された排ガス106中のシアンガスは、アルカリで捕集し、公知のアルカリ塩素法・オゾン・電解法などの酸化分解法、または800℃以上の高温で燃焼させ処理することができる。本発明では、前述の400〜650℃での焼成する工程の後シアンガスを完全に燃焼させる為に800℃以上の高温で燃焼する工程を更に含むことが好ましい。
【0036】
燃焼温度は、例えば、好ましくは800〜950℃である。昇温速度は、例えば、好ましくは1℃/分〜10℃/分であり、より好ましくは1℃/分〜5℃/分である。燃焼時間は、例えば、好ましくは指定温度に達してから30〜120分である。この工程により、シアンガスは例えば下記反応式(2)によって水、二酸化炭素および窒素に分解され、排ガスの更なる処理が容易となる。
【0037】
4HCN+5O→2HO+4CO+2N (2)
【0038】
図1は、本発明の好ましい形態を説明するための工程図である。図1において、金めっき廃液100は、蒸発乾燥され、濃縮物101が得られる。得られた濃縮物101は、400〜650℃で焼成され、焼成残渣102とシアンガス103とに分離される。
【0039】
焼成残渣102は、水洗され、水洗残渣と廃アルカリ105とに分離される。このときの水洗は、水洗浴に焼成残渣102の5〜10質量倍程度の、水、好ましくは温水を入れ、両者を攪拌する等の方法により行われる。
【0040】
得られた水洗残渣104は、必要に応じて500〜800℃で1〜4時間焼成後、上記で例示したような方法により、金が回収される。廃アルカリ105は、シアン化合物濃度が低濃度となっているため、従来の例えばアルカリ塩素法により無害化することができる。
【0041】
一方、シアンガス103は、燃焼炉に導入され、前記のように燃焼され、排ガス106となる。排ガス106は、苛性アルカリ水による飽和水蒸気型急冷塔または完全蒸発型急冷塔で冷却し、電気集塵機で集塵する方法等により無害化され、大気中に放出される。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
【0043】
[実施例1]
下記組成を有する金めっき廃液を準備した。下記表1に金めっき廃液中の組成の測定結果を示す。
【0044】
【表1】
【0045】
前記金めっき廃液を、図1に示す工程により処理した。まず、金めっき廃液100を、装置として回転円盤式蒸発濃縮装置を用い、110℃で蒸発乾燥させ、濃縮物101を得た。濃縮物101について、定量分析を行なった。その結果を下記表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
続いて、前記濃縮物101の10kgを矩形の焼成用容器中に厚さ10cmとして入れ、焼成炉に導入し、500℃で焼成した。焼成は、減圧下で行い、昇温速度は3℃/分、焼成時間は500℃に達してから30分とした。得られた焼成残渣102について、定量分析を行なった。その結果を下記表3に示す。
【0048】
次に、得られた焼成残渣102から200gを採取し、1リットルの水とともに水洗浴に入れ、両者を攪拌することにより水洗を行なった。不溶分として得られた水洗残渣104について600℃、減圧下(−10Pa)にて高温保持時間1時間にて焼成後、定量分析を行なった。その結果を下記表4に示す。
【0049】
続いて、得られた水洗残渣104に対して、王水溶解し、還元剤で還元する方法により、9mgの金を液相回収した。なお、金以外のその他の有価金属についても、必要に応じて常法により回収が可能となる。
【0050】
また、廃アルカリ105についても定量分析を行なった。その結果を下記表5に示す。なお下記表5において、T−CNは廃アルカリ105中の錯体シアン化合物と遊離シアン化合物のCN量の合計を示している。
【0051】
[実施例2]
焼成条件以外は、水洗前まで実施例1と同様に実施した。焼成は、400℃減圧下で行い、昇温速度は3℃/分、焼成時間は400℃に達してから120分とした。得られた焼成残渣102について、定量分析を行なった。その結果を表3に示す。
【0052】
[実施例3]
焼成条件以外は、水洗前まで実施例1と同様に実施した。焼成は、650℃減圧下で行い、昇温速度は3℃/分、焼成時間は650℃に達してから60分とした。得られた焼成残渣102について、定量分析を行なった。その結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
[比較例]
前記実施例1で使用した金めっき廃液の濃縮物101を焼成炉に導入し、800℃で焼成した。焼成は、減圧下で行い、昇温速度は3℃/分、焼成時間は800℃に達してから30分とした。
【0057】
その結果、炭酸アルカリ金属塩が溶融し炉の壁面にガラス状に付着し、炉を腐食させてしまうことが確認された。
【0058】
なお上記実施例では、金の回収方法について説明したが、その他の貴金属、希土類元素等の所謂有価金属も回収可能であることは勿論である。
図1