(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ハロゲン化ポリオレフィンおよびハロスルホン化ポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1つの皮膜形成剤および少なくとも1つの架橋剤と共に少なくとも1つの非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂を含む皮膜形成成分をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物。
前記芳香族ニトロソ化合物は、m−ジニトロソベンゼン、p−ジニトロソベンゼン、m−ジニトロソナフタレン、p−ジニトロソナフタレン、2,5−ジニトロソ−p−シメン、2−メチル−1,4−ジニトロソベンゼン、2−メチル−5−クロロ−1,4−ジニトロソベンゼン、2−フルオロ−1,4−ジニトロソベンゼン、2−メトキシ−1,3−ジニトロソベンゼン、5−クロロ−1,3−ジニトロソベンゼン、2−ベンジル−1,4−ジニトロソベンゼン、2−シクロヘキシル−1,4−ジニトロソベンゼン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項7に記載の硬化性組成物。
前記銅化合物が、Cu(I)化合物、Cu(II)化合物、およびCu(I)またはCu(II)化合物へインサイチュで酸化することができるCu(0)化合物およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14〜16のいずれかに記載の硬化性組成物。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に用いられる用語「適当な条件に曝すことによって硬化する反応性成分」とは、モノマー、オリゴマー、または天然または合成から作られたポリマー、完全に硬化および/または架橋されていない、例えば、該反応性成分を適当な条件、例えば熱等に曝すことにより、さらに硬化および/または架橋することができる変性または未変性の樹脂を意味する。
【0020】
好ましい実施形態において、「適当な条件に曝すことによって硬化する反応性成分」とは、架橋性ポリマー成分(例えば、エラストマー材料、例えば未硬化ゴム等)を意味し、熱に曝すことにより硬化し、それにより熱の適用がポリマーの分子量を増加させる効果を有する架橋の増加をもたらす。好ましくは、これらの成分は約50℃より高い温度で架橋する。
【0021】
前記反応性成分は、前記反応性成分の硬化または架橋反応を促進する添加成分と組み合わせて使用することができる。添加成分の例としては、アルコキシシランおよび芳香族ニトロソ化合物または前駆体化合物(これらの成分および組成物の例は国際公開第WO2011/029752号で開示されており、その内容は参照により本明細書に組み入れられる)が挙げられる。当該技術分野において、そのようなニトロソ構造は、ポリマー基材、例えばエラストマー基材等への望ましい接着の形成を助けると認識される。適当なニトロソシランはまた、本明細書の上記および米国特許出願第12/055908号に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。これらの化合物のための硬化条件は本明細書に記載する。
【0022】
溶媒は、本明細書に記載の本発明の様々な改良組成物のいずれにも利用されてよい適当なキャリアビヒクルの好ましい例である。キャリアビヒクル、例えば溶媒は環境にやさしいことが望ましい。例えば、溶媒は水性系溶媒であってよい。溶媒は、有機溶媒をさらに含んでよい。望ましくは、有機溶媒は水と混和性である。これはニトロソシランの効率的な溶解および加水分解を可能にする。有機溶媒は、アルコール、カルボン酸、アセトン、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランからなる群から選択されてよい。有機溶媒はアルコールであってよい。適当なアルコールとしては、制限はなく、メタノール、エタノール、プロパノールとその異性体、ブタノールとその異性体、およびペンタノールとその異性体が挙げられる。関連のある実施形態において、本発明の改良組成物の溶媒は、0.1〜100%w/wの間で水を含んでよい。本発明の改良組成物の溶媒は、0.5〜50%w/wの間の水を含んでよい。本発明の改良組成物の溶媒は、1〜20%w/wの間で水を含んでよい。適切には、約5%w/wの水を含む溶媒がニトロソシランを十分に加水分解するのに適当である。好ましい実施形態において、改良硬化性組成物は、少なくとも0.1%の水を含む溶媒をさらに含んでよい。そのような組成物の例(しかし本発明の硫黄含浸粒子状固体は含まない)は、国際出願第WO2011/029752号で見出され得るが、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0023】
該固体は、それ自体が固体硫黄または粒子状硫黄材料ではないことが認識される。むしろ、粒子状固体材料が硫黄のためのキャリア材料として働き、硫黄はその中に含浸される。含浸硫黄とは、例えば分散、吸着、捕捉または固定の手段により、硫黄が放出可能なように粒子状固体中に閉じ込められていることを意味することもまた認識されるはずである。固体とは、材料が22℃の温度で固体であることを意味し、好ましくは50℃、60℃、70℃、80℃または100℃である。硫黄は、粒子状固体材料の中に吸着により含浸されていることが好ましい。さらに、含浸とは、硫黄が粒子状固体材料のあらゆる場所に分散されている、すなわち、硫黄の大部分が粒子固体の中(内部)に位置しているが、硫黄の少量は粒子状固体の表面に位置し得ることを意味する。硫黄含浸粒子状固体の表面からの硫黄の放出が潜在的であることを認識することもまた重要である。この潜在性は熱的潜在性であり、硫黄含浸粒子状固体は室温(約22℃)で十分な量の硫黄を放出しないが、加熱により硫黄が粒子状固体材料から放出されることを意味する。硫黄の放出について、そのような放出を生じる粒子状固体材料の破裂または破損の要求はなく、十分な熱の適用が閉じ込められた硫黄の放出のために必要とされることが認識される。50℃より高い温度で少量の硫黄が放出さることは認識されるはずである。適切には、60℃より高い温度で多量の硫黄が放出される。よりさらに適切には、70℃より高い温度でさらに多量の硫黄が放出される。80℃より高い温度が、最適量の硫黄の放出をもたらすことが認識される。適切な温度の選択は硫黄の放出の速度が制御されることを可能にする。硫黄は拡散過程により放出され得るが、それによって硫黄は粒子状固体との会合から解放される。代わりに、硫黄は、十分な高温で硫黄が典型的に昇華する蒸発過程により放出され得る。
【0024】
望ましくは、本発明の組成物に使用される硫黄含浸粒子状固体は、潜在性の硫黄放出性粒子状固体である。典型的には、室温(22℃)で殆どまたは全く硫黄を放出せず、それにより硫黄放出能力が高温で望ましく増加し、典型的には昇華過程を経由する。粒子状固体は、固体、例えば粒状固体等、例えば粉末等の固体であってよい。粒子状固体は非晶質固体であってよい。
【0025】
適切には、使用される粒子状固体の硫黄の含有量は、硫黄含浸粒子状固体の約0.5〜約20%w/wの範囲であり、より好ましくは、硫黄含浸粒子状固体の約1.0〜約15%w/wである。適切には、本発明の様々な改良組成物に使用される硫黄含浸粒子状固体の硫黄の含有量は、約1.5〜12%w/wである。向上した耐久性および接着耐性を与える特に好ましい硫黄の含有量は、硫黄含浸粒子状固体の約12%w/wである。
【0026】
適切には、使用される硫黄含浸粒子状固体は、硬化性組成物の(全重量の)約0.5〜約10%w/wの範囲であり、より好ましくは、硬化性組成物の(全重量の)約1〜約5%w/wである。適切には、本発明の様々な改良組成物に使用される硫黄含浸粒子状固体は、硬化性組成物の(全重量の)約2.5%w/wである。
【0027】
本発明の硫黄含浸粒子状固体は、約1〜200μmの平均粒子径を有する。適切には、平均粒子径は10μm未満である。本明細書に使用する場合、用語「平均粒子径」とは、50体積%の粒子が前記値より小さい直径を有する累積体積分布曲線のD
50値を意味する。本発明において、平均粒子径またはD
50値はレーザー回折法により測定し、好ましくはMalvern Instruments社から入手できるMastersizer 2000を使用する。この技術において、懸濁液またはエマルション中の粒子の大きさは、フランホーファーまたはミー理論のいずれかの適用に基づいて、レーザー光の回折を用いて測定する。本発明において、ミー理論または非球状粒子に対する修正ミー理論を適用し、平均粒子径またはD
50値は入射レーザー光に対して0.02〜135度の角度での散乱測定に関連している。
【0028】
望ましくは、本発明の改良組成物に使用される硫黄含浸粒子状固体は、ASTM法D6556−10により決定された約500m
2/g〜1200m
2/gのBET表面積を有し、より適切には約600m
2/g〜1100m
2/g、よりさらに適切には約700m
2/g〜1000m
2/gである。特に良好な接着耐久性および接着耐性は、ASTM法D6556−10により決定された700m
2/gおよび1000m
2/gのBET表面積を有する硫黄含浸粒子状固体で達成し得る。
【0029】
硫黄含浸粒子状固体の例としては、硫黄含浸粘土、硫黄含浸ケイ酸塩、硫黄含浸アルミン酸塩、硫黄含浸木炭、または例えば硫黄含浸カーボンブラック等の硫黄含浸炭素材料が挙げられる。
【0030】
望ましくは、硫黄含浸粒子状固体は硫黄含浸カーボンブラックまたは硫黄含浸木炭である。好ましくは、硫黄含浸粒子状固体は少なくとも1つの硫黄含浸木炭である。
【0031】
硫黄含浸粒子状固体は、適当な原料、例えば、石炭または生体材料、例えばココナッツの皮等を燃焼することにより形成されてよく、それにより、適切な硫黄の配合量を有する炭素粒子状材料を形成する。
【0032】
本発明の改良された組成物において、単一グレードの硫黄含浸粒子状固体または少なくとも2グレードの硫黄含浸粒子状固体の混合物(粒子径、硫黄の含有量、表面積について上記したもの)を使用することができることもまた認識される。
【0033】
本発明の改良組成物への熱の供給は、粒子または特に本発明の改良硬化性組成物からの制御可能な硫黄の放出に役に立つことができる。該組成物は180℃に加熱してよく、優れた硬化および硬化割合を与える合理的で費用効率が高いプロセス温度である。適切には、該組成物は150〜190℃の間の温度に加熱してよい。適切には、該組成物は100℃より高い温度で硬化してよく、適切には120〜200℃の間である。
【0034】
接着用途の種類および用いる条件(例えば、より高い温度および圧力はより短い硬化時間を必要とする)に応じて、該組成物は最大5時間まで加熱してよい。適切には、例えば中間の温度および/または圧力を伴う条件下で、該組成物は最大3時間まで加熱してよい。望ましくは、組成物は、30分までに加熱してよく、例えば、高い温度および/または圧力を使用する。
【0035】
適切には、組成物は皮膜形成剤をさらに含む。国際特許出願PCT/EP2011/056826に適当な皮膜形成剤は記載される。望ましくは、皮膜形成剤は少なくとも1つのハロゲン化ポリオレフィンである。本発明の改善硬化性組成物に用いるハロゲン化ポリオレフィンは、ポリオレフィンの少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換されていることを除いて非置換ポリオレフィンの構造と同じ構造を有する。ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素あるいはその混合物であり得る。ハロゲンの量は、いずれの場合にもハロゲン化ポリオレフィンの全重量を基準に好ましくは5〜95重量%、より好ましくは55〜90重量%の範囲であってよい。
【0036】
特に良好な接着強度および特に良好な皮膜形成性特性は、ハロゲン化ポリオレフィンの重量平均分子量(Mv)が好ましくは80000g/mol〜600000g/mol、より好ましくは100000g/mol〜500000g/mol、特に好ましくは200000g/mol〜400000g/molの範囲である場合に得ることができる。
【0037】
本発明では、ゲル透過クロマトグラフィー(「GPC」)は、ポリスチレン標準を較正目的に使用しながら、ハロゲン化ポリオレフィンの重量平均分子量Mvを決定し得る。
【0038】
ハロゲン化ポリオレフィンはホモポリマーあるいは2以上の異なったモノマーのコポリマーであってよい。ハロゲン化ポリオレフィンは、重合形態で一以上のα−オレフィンを含み得るが、好適であるα−オレフィンとしては、C
2−C
20α−オレフィン、好ましくはC
2−C
12α−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキセン、オクテン、デケン、ドデケン、ペンテン、ヘプテン、ノネン、4−メチル−ペンテン−1,3−メチルペンテン−1,3,5,5−トリメチル−ヘキセン−1および5−エチル−1−ノネンが挙げられる。ハロゲン化ポリオレフィンのクラスとして挙げられるのは、天然ゴムに基づいたポリマー、および合成ゴムに基づいたポリマー、例えばポリイソプレン、ポリブタジエン、ブタジエンと環状共役ジエンの付加物のポリマー、ブタジエンとスチレンのコポリマー、アクリロニトリルとブタジエンのコポリマー、また様々なそのコポリマー等である。
【0039】
適当なハロゲン化ポリオレフィンとしては、臭素化ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、および2以上の異なった種類のハロゲン原子、例えば臭素および塩素等を含む混合ハロゲン置換ポリオレフィンが挙げられる。
【0040】
塩素化ポリオレフィンまたはその誘導体からハロゲン化されたポリオレフィンが選択される場合、本発明の改良硬化性組成物の接着特性および安定性は改善され得る。用語「塩素化ポリオレフィン」は、本発明では、少なくとも1つの水素原子が塩素原子で置換されたオレフィン系ポリマーをいう。
【0041】
改良硬化性組成物の接着特性をさらに改善するために、少なくとも40重量%の塩素含量を有する塩素化ポリオレフィンを使用することができ、塩素含量が、塩素化ポリオレフィンの総量に基づいて55〜90重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは60〜80重量%、特に好ましくは65〜75重量%の範囲である。
【0042】
ニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)および/またはエチレンアクリルエラストマーなどの極性エラストマー基材を金属基材に接着するために用いた場合に、得られる改良硬化性組成物は特に良好な性能を示すので、本発明の改良硬化性組成物において、前記塩素含量を有する塩素化ポリオレフィンを使用することが有利である。
【0043】
塩素化ポリオレフィンの重量平均分子量(Mw)は、80000g/mol〜600000g/molの範囲であり、より好ましくは100000g/mol〜500000g/molの範囲であり、特に好ましくは200000g/mol〜400000g/molの範囲であり得る。重量平均分子量は上述したとおり決定される。
【0044】
適切な塩素化ポリオレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテンまたは1−オクテンなどのさらなるコモノマーを含み得る、プロピレンおよび/またはエチレンの塩素化コポリマーが挙げられる。
【0045】
塩素化ポリオレフィンの代表的な誘導体としては、無水マレイン酸のような不飽和無水物によりグラフト官能化される、または、1つ以上のエチレン性不飽和モノマー、例えばアクリレート若しくはメタクリレートモノマー、マクロモノマー、ビニル官能性オルガノシランおよび/または液体末端エチレン性ポリジエンポリマーを組み込むことにより変性される、プロピレンおよび/またはエチレン系繰り返し単位を含むポリマーが挙げられる。
【0046】
特に好ましい実施態様において、塩素化ポリオレフィンは塩素化ポリプロピレンホモポリマーまたは塩素化ポリエチレンホモポリマーである。
【0047】
塩素化ポリオレフィンは当業者に既知であり、日本製紙(東京、日本)の名称Superchlon;Eastman Chemical Company(キングスポート、テネシー州)の名称CPO;および東洋化成工業株式会社(大阪、日本)の名称Hardlenを含む、種々の会社から市販されている。
【0048】
本発明の別の実施態様において、ハロゲン化ポリオレフィンはハロスルホネート化ポリオレフィンである。本発明では、用語「ハロスルホネート化ポリオレフィン」は、いくつかの水素原子がハロゲン原子により置換され、他の水素原子が化学式SO
2X〔式中、Xはハロゲン原子である〕を有するスルホニルハライド基により置換されたポリマーを意味する。
【0049】
本発明の改良組成物における使用のための他の適当な皮膜形成剤としては、この系のために下記に述べられた少なくとも1つの架橋剤と一緒に少なくとも1つの非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂を含む皮膜形成剤成分が挙げられる。
【0050】
本発明の第1の実施態様では、上記硫黄含浸粒子状固体に加えて、改良硬化性組成物は、少なくとも1つのアルコキシシラン化合物、および少なくとも1つの芳香族ニトロソまたは少なくとも1つの芳香族ニトロソ前駆体化合物およびその組み合わせをさらに含み得る。
【0051】
これらの組成物は特に好ましいが、硫黄含浸粒子状固体および1つの芳香族ニトロソまたは少なくとも1つの芳香族ニトロソ前駆体化合物(および任意に少なくとも1つのアルコキシシラン化合物の混在物)の組合わせは、任意の高い圧力、温度および/または湿気を含む良好な接着耐性および耐久性を生じる改良組成物を提供する。
【0052】
関連する実施態様では、上記硫黄含浸粒子状固体に加えて、改良硬化性組成物は、
少なくとも1つのアルコキシシラン部分;および
芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分
を含む少なくとも1つの化合物をさらに含み得る。
【0053】
これらの組成物もまた、硫黄含浸粒子状固体およびニトロソシランまたはニトロソシラン前駆体の組合わせが、任意の高い圧力、温度および/または湿気を含む良好な接着耐性および耐久性を提供する改良組成物を提供するので好ましい。
【0054】
上記硫黄含浸粒子状固体を含む改良硬化性組成物はまた、任意の従来用いられる硬化性成分または成分の混合物、例えばアルコキシシラン、芳香族性ニトロソ化合物あるいは前駆体化合物を含み得る(これらの成分および成分の例(しかし硫黄含浸粒子状固体を含まない)は国際公開WO2011/029752に開示され、その内容は参照によりここに組み込まれる)。当該技術分野において、そのようなニトロソ構造は、ポリマー基材、例えばエラストマー基材等への望ましい接着の形成を助けると認識される。これらの従来の成分は良好な品質の接着を形成することで知られており、ある一定の用途において、その接着の耐久性および耐性は上記の硫黄含浸粒子状固体の含有により増加する。
【0055】
本発明の改良組成物がアルコキシシラン部分と芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体部分との両方を同一分子に有する化合物を含む場合、そのような組成物が、ポリマー−基材接着の優れた形成、特にゴム−金属接着の形成を助けるからであることは認識されるだろう。有利なことに、本発明の改良組成物において、特に硫黄含浸粒子状固体と共にそのような両方の部分を同一分子内に有する化合物(dual moiety compounds)(ニトロソシランとして知られている)の含有は、硬化プロセスの間、特に耐久性および耐性を有する接着の進行を助ける。適当なニトロソシランはまた、本明細書の上記および米国特許出願第12/055908号に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。硬化性組成物におけるニトロソシランの使用から生じる1つの利点は、該組成物は従来のジニトロソベンゼン配合物(不含ではないかまたは非制限のニトロソベンゼン化合物が組成物内に配合されている)に比べて低毒性であり得ることである。さらに、これらのニトロソシラン化合物の含有は、従来の適用技術、例えば噴霧および浸漬等のより一液の改良硬化性組成物系の配合も容易にし得る。一液系は、これらの便利で従来の技術を用いる一段階で、基材に直ちに塗布できる。本発明の組成物はまた二液型組成物でもよい。
【0056】
多数の本発明の改良組成物は多数の利点を有する。例えば、従来のジニトロソベンゼンが無い改良硬化性組成物が配合および貯蔵され得る。そのような配合物は、容易にそして便利に基材へ通常の方法で塗布される。さらに、そのように提供された改良組成物は、硬化により、ポリマー材料、例えばエラストマー等、例えばゴム(天然または合成)に対する優れた接着強度も達成できる。例えば、本発明の組成物の接着強度を決定するためのゴム−金属の接着試験において、最大80%のゴムの破壊が観察され得る。さらに、結果として得られた接着は、温水耐性を有し得る。
【0057】
本明細書に使用する場合、用語「エラストマー」、用語「エラストマー基材」または用語「エラストマー材料」は、本発明において区別なく用いられる。該用語は好ましくは、かなりの伸びを経験でき、その後、該材料を伸長する応力の解除により、大体元の寸法に戻る材料を意味する。より好ましくは、22℃の温度で1分間適用された100%の歪から回復して1分後において、エラストマー基材は、50%未満、例えば30%未満、または10%未満等の永久歪を有する。
【0058】
1つの実施形態において、エラストマーまたはエラストマー基材は、天然または合成ゴムから選択されてよく、そこで本発明の改良硬化性組成物は、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)および/またはエチレンアクリルエラストマーのような極性ゴムの固い基材、例えば金属基材等への接着に特に適している。合成ゴムはニトリルブタジエンゴムであってよい(HNBR)。ポリマーは、C
2〜C
1,000,000のポリマーであってよく、例えばC
2〜C
10,000のポリマーである。他の適当なポリマーは、それらの間に架橋をもたらすために、ニトロソ基と反応することができるものを含む。そのような反応は、様々な架橋、例えばニトロソ基とゴム材料との間で架橋を生じさせる。本発明の材料は、ニトロソ基が分子構造の中にあるため、自由なニトロソ基が減少すると考えられる。
【0059】
適切には、本発明の改良組成物は、例えば布または皮膜等のような軟質材料、および例えばプラスチック、エンジニアリングプラスチック、木材、金属、ガラスまたは他のヒドロキシル化基材等の硬質材料以外の、例えば他のエラストマー、非エラストマーを含む多種多様の有益な材料のいずれかへのポリマー基材、例えばエラストマー基材等の接着だけでなく、加硫用途にも使用されてよい。本発明の改良組成物は、既知の組成物により与えられる接着性が改良され、それにより基材間の接着の耐久性が、改良組成物中の硫黄放出性粒子状固体の存在により改善される。
【0060】
エラストマー、例えばゴム基材等を利用する例において、エラストマーは、第2基材への接着の前に加硫または架橋されてよい。その代わりに、エラストマー基材は、第2基材への接着と共に同時に加硫または架橋されてよい。第2基材は金属であってよい。本発明の組成物のニトロソ芳香族化合物は、エラストマー基材へ固定された状態になってよい。
【0061】
重合により、該組成物の化合物のニトロソ基は、ポリマー、特にポリマー鎖の中にジエンまたはアリル官能価を有するポリマーと反応することができる。ポリマーにおけるニトロソ基およびアリル基の反応は、アルダー−エン反応により起こる。そのような反応は、様々な架橋、例えばニトロソ基とエラストマー材料との間の架橋を生み出す。
【0062】
適切には、本発明の改良組成物は、極性エラストマー材料、例えばニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)および/またはエチレンアクリルエラストマーの金属基材への接着に好ましく使用されてよい。
【0063】
従来の系とは対照的に、加硫および接着形成の前に、本発明の改良組成物は未加硫ゴム(金属またはガラス基材とは異なるように)に適用することができ、その後の加硫により接着が生じる。これは、改良組成物は、ゴムまたは金属のどちらかまたはヒドロキシル化表面に塗布してよいことを意味する。従来の系は、この方法で塗布した場合は接着を形成しない。
【0064】
代わりに改良組成物は、金属またはヒドロキシル化表面へ塗布してよい。これは、例えばゴム等のポリマー基材等または金属のどちらかまたはガラス基材または未加硫ゴムへの適用は、両方可能であることを意味する。従って、ゴム基材は、金属またはヒドロキシル化表面への接着の前に、加硫または架橋されてよい。ゴム基材は、金属表面への接着と同時に加硫または架橋されてよい。
【0065】
本発明の組成物は、10〜60μmの範囲でコートされ、より好ましくは20〜30μmである。
【0066】
概して、接着は、加硫工程の間に達成されることが望ましい。適当な加硫方法は、圧縮成形、トランスファー成型、射出成形、およびオートクレーブ加熱を含み、例えば蒸気または温風を用いる。例えば、半固体のゴムは金型内へ射出することができる。半固体のゴムはその後に架橋されて完全に硬化したゴムになり、同時に基材との接着が形成される。
【0067】
製造環境において硬化系をうまく用いることができるように、ある一定の要求性能が硬化系により満足されなければならない。例えば、硬化系は加工が容易でなければならない。これは、硬化系は使用に関して安定であるべきであることを意味する。先行技術の組成物の問題は、沈殿の傾向を含んでいる。その代わり、硬化系は沈殿の傾向が低いことが望ましい。
【0068】
さらに、硬化系は適用が容易であるべきである。例えば、硬化系は、任意の適当な計量分配設備による適用に好都合であるべきである。硬化系は速く乾燥して、適用された材料が流れ落ちおよび/または製造設備を汚染することなく、部材を取り扱うことができることも望まれる。例えば、適用および展開を容易にするために、硬化系は良好な湿潤性を示すことも望まれる。
【0069】
また、硬化系は、良好な硬化強度を有することが望ましい。この硬化は、用いられるエラストマー(ゴム)の種類とは無関係に、また基材の種類とは無関係に達成されるべきである。いくつかのゴムは混合物であることは認識され、結果的に良好な硬化がそのような混合物で達成されることが好ましい。適切には、ばらつきのない硬化は、様々なプロセスパラメーターの下で達成される。
【0070】
高圧下、および強烈な雰囲気、例えば、油のような熱い液体であっても、接着および特に基材/金属接着、例えばゴム/金属接合部は耐久性があることが望まれる。高圧、高温および/または高湿のいずれかを伴う条件下で、接着はまた、比較的高い機械的応力に対して耐久性でなければならない。有利なことに、これらの組成物中の硫黄放出性粒子状固体の含有は、特に湿気および/または高温または高圧の条件下で接着の耐久性を増加する。
【0071】
本発明の改良組成物は、ポリマーと基材との間の界面に容易に適用することができ、硬化プロセスの間に強力で耐久性がある接着が進行するのを助け得る。
【0072】
ある実施態様では、本発明の改良組成物は、上記の少なくとも1つの硫黄含浸粒子状固体に加えて、少なくとも1つの非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂を少なくとも1つの架橋剤と共に含む皮膜形成剤成分をさらに含んでなる。適切には、この皮膜形成剤は、本明細書に記載少なくとも1つの硫黄含浸粒子状固体を少なくとも1つの芳香族性ニトロソあるいは少なくとも1つの芳香族ニトロソ前駆体化合物あるいはその組み合わせと組み合わせて含有する改良組成物中に用い得る。
【0073】
少なくとも1つの非ハロゲン化水酸基含有樹脂は直鎖状または分枝状ポリマー鎖を含み得ることが認識される。適切には、少なくとも1つの非ハロゲン化ヒドロキシル基含有樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールおよびポリセルロースアセテートブチレートの少なくとも1つのコポリマーであるコポリマーが挙げられる。好ましくは、少なくとも1つの非ハロゲン化ヒドロキシル基含有樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールおよびポリセルロースアセテートブチレートの少なくとも2つのコポリマーであるコポリマーが挙げられる。樹脂は、同一のモノマーまたは異なったモノマーのコポリマーを含み得る。
【0074】
少なくとも1つの非ハロゲン化水酸基含有樹脂は直鎖状または分枝状ポリマー鎖を含み得ることが認識される。樹脂は、同一のモノマーまたは異なったモノマーのコポリマーを含み得る。オリゴマーもこの定義により包含されることもまた認識される。
【0075】
望ましくは、非ハロゲン化ヒドロキシル基含有樹脂は、一般構造:
【化1】
〔式中、n、oおよびpはそれぞれ、少なくとも5であり、および前記非ヒドロキシル基含有樹脂中のm、oおよびp成分の全%wtは100%である〕
【0076】
適切には、好ましいポリセルロースアセテートブチレートポリマーは、一般構造:
【化2】
〔式中、R
1、R
2、R
3は独立して、アセチル、ブチリルまたはHから選択され、およびnは10より大きい整数である〕
【0077】
非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂は、硬化性組成物の全重量の約0.5〜10%wt/wtの範囲で本発明の硬化性組成物中に存在してよい。適切には、非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂は、硬化性組成物の全重量の約1〜3%wt/wtの範囲で本発明の硬化性組成物中に存在してよく、この範囲は特に良好な皮膜特性を与える。
【0078】
適切には、非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂は、非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂の全重量の約5〜35%wt/wtのヒドロキシ含有量を有してよい。より適切には、非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂は、非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂の全重量の約7〜30%wt/wtのヒドロキシ含有量を有してよく、最適な架橋を提供する。
【0079】
本発明の組成物において、少なくとも1つの架橋剤は、少なくとも2つの反応性部分を有する化合物であってよく、反応性部分のそれぞれが、少なくとも1つの非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂のヒドロキシ基と架橋反応をすることができる。
【0080】
用語「架橋」とは、架橋剤が非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂と反応して、出発成分の非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂よりも大きい分子量を有する架橋された分子をもたらすことを意味する。
【0081】
架橋剤は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート、無水物、アルデヒド、これらのそれぞれは少なくとも2つの反応性部分を有し、およびそれらの混合物からなる群から選択されてよい。そのような架橋剤の例を以下に示す。
【化3】
【0082】
式中、Rは、単一部分または反復単位または官能基が反対の末端に位置する中間鎖で構成されてよい結合基である。そのような鎖Rは、反復の脂肪族基または芳香族基、またはそれらの組み合わせを含んでよいこと、およびこれらの官能基は、さらなる官能基、例えば、1〜6個の炭素を有する分岐または非分岐のアルキル基で置換することができ、または未置換とすることができることが当業者に認識される。
【0083】
好ましい架橋剤は、非ハロゲン化ヒドロキシル基含有樹脂のOH基と化学結合を形成する官能基を含む。そのような架橋剤の例は、フェノールホルムアルデヒド樹脂、多官能性アルデヒド、多官能性エポキシド、メラミン樹脂(例えばホルムアルデヒド樹脂等)および多官能性イソシアネートである。
【0084】
適当なエポキシ樹脂は、化学的同一性の点で異なっていてよい。好ましいエポキシ樹脂は、(a)ビスフェノール−Aのジグリシジルエーテルモノマーを主に含むエポキシ樹脂;(b)ビスフェノール−Fのジグリシジルエーテルモノマーを主に含むエポキシ樹脂;(c)ビスフェノール−Aの水素化ジグリシジルエーテルを主に含むエポキシ樹脂;(d)ポリエポキシ化フェノールノボラック;(e)ポリグリコールのジエポキシド、あるいはエポキシ末端ポリエーテルとして既知;または(f)上記の(a)〜(e)のエポキシ樹脂のいずれかの混合物から選択されてよい。不必要に詳細な記載を省くため、これらの分類のさらなる情報は、Encyclopedia of Polymer Science and Technology、第6巻、1967年、Interscience Publishers、ニューヨークの第209〜271頁とし、参照により本明細書に組み入れられる。
【0085】
特に好ましい架橋剤は、少なくとも2つのオキシラン環系を有するエポキシ樹脂および/またはフェノール樹脂から選択される。望ましくは、架橋剤はフェノール樹脂である。フェノール樹脂は当該技術分野において良く知られている。
【0086】
少なくとも2つの反応性部分を有する化合物の性質に応じて、架橋反応は、例えば線状の非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂のヒドロキシル基(水または他の小さい分子を除く)との縮合反応であってよいことは理解されるだろう。少なくとも1つの架橋剤が少なくとも2つのエポキシド基を有するエポキシド、例えばジエポキシド等である場合、各エポキシド基は、求核置換反応または線状非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂のヒドロキシ基とのエポキシド開環反応をすることができる。
【0087】
望ましくは、本発明の改良組成物において、該組成物は、キャリア、例えば溶媒を上記の化合物のためにさらに含んでよい。任意の適当なキャリアビヒクルは、本明細書に記載された様々な本発明の改良組成物のいずれでも利用されてよいことは認識される。キャリアビヒクルは環境にやさしいことが望ましい。例えば、キャリアビヒクルは水性系ビヒクルであってよい。
【0088】
上記のように、本発明の改良組成物中における水の存在がニトロソシランの十分な加水分解を促進することが認識される。該化合物中の少なくとも1つのアルコキシ部分は、良好な接着を確保するように加水分解されてよい。キャリアは有機溶媒をさらに含んでよい。望ましくは、有機溶媒は水と混和性である。これはニトロソシランの効率的な溶解および加水分解を可能にする。有機溶媒は、アルコール、カルボン酸、アセトン、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランからなる群から選択されてよい。有機溶媒はアルコールであってよい。適当なアルコールとしては、制限はなく、メタノール、エタノール、プロパノールとその異性体、ブタノールとその異性体、およびペンタノールとその異性体が挙げられる。
【0089】
関連のある実施形態において、本発明の改良組成物のキャリア、例えば溶媒は、0.1〜100%w/wの間で水を含んでよい。本発明の改良組成物の溶媒は、0.5〜50%w/wの間の水を含んでよい。本発明の改良組成物の溶媒は、1〜20%w/wの間で水を含んでよい。適切には、約5%w/wの水を含む溶媒がニトロソシランを十分に加水分解するのに適当である。
【0090】
望ましくは、溶媒は水とアルコールとからなる。アルコール:水溶媒はキャリア中のニトロソシランの溶解をもたらし、それにより、皮膜としての該化合物の均一な適用または対象基材へのコーティングを可能にする。組成物の一部としてのニトロソシラン化合物の均一な適用は改良された接着をもたらす。
【0091】
本発明の組成物はさらに酸を含んでよい。適当な酸としては、有機酸、例えば酢酸、シュウ酸、ギ酸、およびプロピオン酸が挙げられる。例えば酢酸、シュウ酸、ギ酸、およびプロピオン酸が挙げられる。
【0092】
概して、アルコキシシラン(シラノール基の構造、すなわちSiOH)の加水分解は3〜7のpH範囲内で効率的に起こるだろう。この範囲より高いまたは低いpHでは、シラノールが自己縮合してシロキサンを形成するプロセスにより、シラン縮合が起こり得る。このプロセスの間に、隣接分子のヒドロキシル分子がお互いと反応して水分子を取り除き、−Si−O−Si−O−Si−官能価を含む架橋シロキサン構造を形成する。加水分解工程の間に、シラン加水分解を促進するため、そしてシラン縮合を抑制するために、シラン溶液のpHは約7より低く保持されてよく、好ましくは約4〜6.5の範囲の弱酸性である。
【0093】
適切には、該組成物の溶媒は、0.1〜100%w/wの間で水を含んでよい。該組成物の溶媒は、0.5〜50%w/wの間で水を含んでよい。溶媒は、1〜20%w/wの間で水を含んでよい。適切には、約5%w/wの水を含む溶媒が、ニトロソシランを十分に加水分解し得る。
【0094】
好ましい第2の実施形態において、上記の硫黄含浸粒子状固体に加えて、改良硬化性組成物は、少なくとも0.1%の水を含む溶媒をさらに含んでよい。そのような組成物の例(しかし本発明の硫黄含浸粒子は含まない)は、国際出願第2011/029752号で見出され得るが、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0095】
そのような組成物は、金属またはヒドロキシル化表面へのポリマーの接着に特に有益である。少なくとも0.1%の水を含む溶媒は、少なくとも1つのアルコキシシラン部分を含む化合物の加水分解を考慮に入れ得る。
【0096】
本明細書では、化合物の加水分解とは、アルコキシシラン部分の加水分解、すなわち、ヒドロキシ部分を生じる任意のアルコキシ部分の加水分解を意味する。該化合物中の少なくとも1つのアルコキシ部分は、良好な接着を確保するように加水分解されてよい。有利なことに、接着前の該化合物の加水分解は、改良された接着性をもたらし得る。接着前の該化合物の加水分解は、改良された接着強度をもたらし得る。接着前の該化合物の加水分解は、ポリマー鎖内にジエンおよび/またはアリル官能価を有するポリマー基材の金属またはヒドロキシル化表面への接着において、改良された接着強度をもたらし得る。
【0097】
本明細書に使用する場合、用語ヒドロキシル化表面とは、ヒドロキシ基へ結合された原子を含む表面を有する任意の基材を意味することは認識されるはずである。適当な非限定的な例としては、含水金属酸化物、Si−OH結合表面を含むガラス基材、またはAl−OH結合表面を含む粘土基材が挙げられる。適当なヒドロキシル化表面としては、珪酸塩のヒドロキシル化表面、アルミン酸塩のヒドロキシル化表面、ゲルマニウム酸塩のヒドロキシル化表面、およびそれらの組み合わせのものが挙げられる。ヒドロキシル化表面は、珪酸塩、アルミン酸塩またはそれらの組み合わせであってよい。本明細書に使用する場合、用語「珪酸塩」とは、Si−OH結合を含む基材を意味する。用語「アルミン酸塩」とは、Al−OH結合を有する基材を意味し、用語「ゲルマニウム酸塩」とは、Ge−OH結合を有する基材を意味する。本発明では、ヒドロキシル化表面は、ヒドロキシル化材料、例えば、珪酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩およびそれらの組み合わせで下塗りされた基材をも包含する。例えば、ヒドロキシル化表面は、ガラス繊維等のガラス、石英、粘土、タルク、ゼオライト、磁器、セラミック、およびシリコンウェファーなどのシリコン基材およびそれらの組み合わせの1つであってよい。
【0098】
様々な本発明の改良組成物は、上記に規定のポリマー基材を第2基材へ接着するのに利用してよく、エラストマー、金属、ガラスまたは上記に規定の他のヒドロキシル化表面であってよい。キャリアおよび水を有する組成物が、金属またはヒドロキシル化表面へのポリマー基材の接着に特に有益である。
【0099】
多くの異なる金属が、様々な本発明の改良組成物で処理され得る。適当な金属は、亜鉛および例えば亜鉛−ニッケル合金および亜鉛−コバルト合金等の亜鉛合金、亜鉛含有コーティングを有する金属基材、鋼および特に冷間圧延鋼および炭素鋼、アルミニウムおよびアルミニウム合金、銅および例えば黄銅等の銅合金、および錫および錫含有コーティングを有する金属基材を含む錫合金を含むが、これらに限定されない。
【0100】
本明細書において、用語「芳香族ニトロソ部分」とは、少なくとも1つのニトロソ基を有する芳香族部分を意味することが、認識される。同様に、用語「芳香族ニトロソ前駆体部分」とは、少なくとも1つのニトロソ基を有する芳香族ニトロソ部分へと変換されることができる任意の化合物を意味する。好ましい芳香族ニトロソ前駆体はオキシムである。用語「芳香族炭化水素」とは、縮合芳香族環および非縮合芳香族環の両方を含む。例えば、本発明により包含される縮合および非縮合芳香族ニトロソ部分の非限定的な選択を以下に詳しく述べる:
【化4】
【0101】
上記ニトロソ化合物または構造は任意に、1回以上、例えばC
1−C
20アルキル、C
1−C
20シクロアルキル、C
1−C
20アルコキシ、C
7−C
20アラルキル、C
7−C
20アルカリール、C
6−C
20アリールアミン、C
6−C
20アリールニトロソ、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲンおよびその組み合わせの少なくとも1つで置換してよい。組成物の効果的な接着または硬化の障害が無い限りは、そのような置換が可能である。
【0102】
芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分は、ニトロソベンゼンまたはニトロソベンゼン前駆体およびそれらの組み合わせから選択されてよい。
【0103】
望ましくは、ニトロソベンゼン化合物は、モノニトロソベンゼン化合物、ジニトロソベンゼン化合物、またはそれらの組み合わせであってよい。適切には、芳香族ニトロソ化合物は、m−ジニトロソベンゼン、p−ジニトロソベンゼン、m−ジニトロソナフタレン、p−ジニトロソナフタレン、2,5−ジニトロソ−p−シメン(cymeme)、2−メチル−1,4−ジニトロソベンゼン、2−メチル−5−クロロ−1,4−ジニトロソベンゼン、2−フルオロ−1,4−ジニトロソベンゼン、2−メトキシ−1,3−ジニトロソベンゼン、5−クロロ−1,3−ジニトロソベンゼン、2−ベンジル−1,4−ジニトロソベンゼン、2−シクロヘキシル−1,4−ジニトロソベンゼン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0104】
望ましくは、本発明の組成物は、天然または合成ゴムへの基材の接着において有用性が見出され得る。例えば、該組成物は、天然または合成ゴムへの金属の接着が要求される用途に使用され得る。特に、本発明の改良組成物は、ニトロソベンゼン部分またはジニトロソベンゼン部分のインサイチュでの発生をもたらす。例えば、良好な接着を達成するために、該化合物はインサイチュで反応して、ヒドロキシ基を含むニトロソ芳香族部分を形成することが望まれ得る。ヒドロキシ基を含むニトロソ芳香族部分は、パラ−ニトロソフェノール部分であってよい。存在するフェノール部分は、金属表面へのパラニトロソフェノール部分を固定するのを助けることができる。パラニトロソフェノールは、情報目的のために下に示されるようなキノンモノオキシムの酸化からインサイチュで生成し得る:
【化5】
【0105】
当業者に認められるように、ニトロソベンゼンおよびニトロソベンゼン前駆体部分への参照としては、1回以上、例えばC
1−C
20アルキル、C
1−C
20シクロアルキル、C
1−C
20アルコキシ、C
7−C
20アラルキル、C
7−C
20アルカリール、C
6−C
20アリールアミン、C
6−C
20アリールニトロソ、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲンおよびその組み合わせの少なくとも1つで置換し得るニトロソベンゼンおよびニトロソベンゼン前駆体部分が挙げられる。組成物の効果的な接着または硬化の障害が無い限りは、そのような置換が可能である。例えば、インサイチュでニトロソベンゼン部分の発生の障害が無い場合である。
【0106】
ニトロソベンゼン前駆体がインサイチュでニトロソベンゼン構造を形成し得ることは認識されるだろう。ニトロソベンゼン前駆体は、芳香族オキシム、例えばキノンジオキシムまたはキノンオキシムまたはこれらの組み合わせの少なくとも1つであってよい。望ましくは、芳香族ニトロソ化合物前駆体は、p−ベンゾキノンジオキシム(QDO)、ナフトキノンジオキシム、トルキノンジオキシム、ジフェノキノンジオキシム、ジキノイルジオキシム、ジベンゾイルジオキシムおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。上記のリストは一般化された例としての役割果たすだけであり、他のアリールオキシムおよびジオキシムが可能であり、本発明により包含される。望ましくは、ニトロソベンゼン前駆体は、p−ベンゾキノンオキシムまたはp−ベンゾキノンジオキシム(QDO)を含む。QDOは一般にEPDM(エチレン−プロピレンジエンモノマー)のための加硫剤として使用されて、耐熱性を改良する。それはゴムの金属への接着促進剤および硬化剤としても使用される。そのような構造が、望ましい接着の形成を助けることが見出されている。
【0107】
酸化剤、例えばベンゾイルパーオキサイド(BPO)等を用いてのジニトロソベンゼン種へのキノンジオキシムの酸化の一般的なスキームは、情報のために以下に示す:
【化6】
【0108】
少なくとも1つの芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の1〜20%w/wの量で存在してよい。適切には、少なくとも1つの芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の1〜10%w/wの量で存在してよく、例えば2〜7%w/wである。少なくとも1つの芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の3%w/wで存在してよい。
【0109】
例えば、芳香族ニトロソ前駆体部分は、モノ−または:
【化7】
から選択される化合物のジオキシムであってよい。
【0110】
当業者に認識される通り、上記ジケトン構造は、任意に、1回以上、例えばC
1−C
20アルキル、C
3−C
20シクロアルキル、C
1−C
20アルコキシ、C
7−C
20アラルキル、C
7−C
20アルカリール、C
6−C
20アリールアミン、C
6−C
20アリールニトロソ、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲンおよびその組み合わせの少なくとも1つで置換してよい。該組成物の効果的な接着または硬化の障害、例えば、インサイチュでの芳香族ニトロソ化合物の発生の障害が無い限りは、そのような置換が可能である。
【0111】
当業者に認められるように、ニトロソベンゼンおよびニトロソベンゼン前駆体部分への参照としては、1回以上、例えばC
1−C
20アルキル、C
1−C
20シクロアルキル、C
1−C
20アルコキシ、C
7−C
20アラルキル、C
7−C
20アルカリール、C
6−C
20アリールアミン、C
6−C
20アリールニトロソ、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲンおよびその組み合わせの少なくとも1つで置換し得るニトロソベンゼンおよびニトロソベンゼン前駆体部分が挙げられる。組成物の効果的な接着または硬化の障害が無い限りは、そのような置換が可能である。例えば、インサイチュでニトロソベンゼン部分の発生の障害が無い場合である。
【0112】
適切には、本発明の改良組成物において、本発明の改良組成物における上記ニトロソシラン化合物は、一般構造:
【化8】
〔式中、aは1〜3であり、bは0〜2であり、但しa+b=3であり;
各R
1は独立して、H、C
1−C
24アルキルおよびC
3−C
24アシルからなる群から選択され、好ましくはC
1−C
4アルキルであり、a≧1の場合少なくとも1つのR
1は水素ではなく;および
各R
2は独立して、C
1−C
24アルキルおよびC
3−C
24アシルからなる群から選択され、好ましくはC
1−C
4アルキルである〕
で示されるアルコキシシラン部分を有し得る。
【0113】
1つの実施態様では、aは3であり、およびR
1はC
1−C
24アルキルである。R
1はC
1−C
4アルキルであってよく、およびaは3であってよい。
【0114】
該化合物は、イソシアネートまたはイソチオシアネートおよび活性水素化合物、例えば−NH
x(ここでx=1または2)、−SH、または−OH等から誘導される反応生成物であってよい。このように記載される化合物は:
【化9】
〔式中、XはSまたはOであってよく、およびYは−NH
x(ここでx=1または2)、−S、または、−Oを含む〕
により示される少なくとも1つの結合を含有することとなる。
【0115】
上記化合物についての一般的構造は以下:
【0116】
【化10】
〔式中、nは1〜20であり;aは1〜3であり、bは0〜2であり、但しa+b=3であり;
各R
1は独立して、H、C
1−C
24アルキルおよびC
3−C
24アシルからなる群から選択され、好ましくはC
1−C
4アルキルであり、a≧1の場合少なくとも1つのR
1は水素ではなく;および
各R
2は独立して、C
1−C
24アルキルおよびC
3−C
24アシルからなる群から選択され、好ましくはC
1−C
4アルキルであり;XはOまたはSであり;YはO、SまたはN(R
3)であり;およびR
3はニトロソベンゼン、キノンオキシムまたはキノンジオキシムである〕
に示される。
【0117】
R
3は、ニトロソベンゼン、キノンジオキシムまたはキノンオキシムを含む部分であってよい。
【0118】
R
1は、C
1−C
24アルキル、C
3−C
24アシルから選択され得る。R
1は、C
1−C
24アルキル、C
3−C
24アシルから選択されてよく、「a」は3であり得る。XはOであってよい。Yは、Oまたは−NH
x(ここでx=1)であってよい。YはOであってよい。XおよびYは、Oであってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、および「a」は3である。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはOであってよく、および「a」は3であってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはNH
x(式中、x=1)であってよく、および「a」は3であってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはOであってよく、「a」は3であってよく、およびR
3はニトロソベンゼンを含む部分であってよい。
【0119】
R
3についての構造は、「Y」を通じた結合を示し、以下:
【化11】
〔式中、R
4はC
1〜C
10であってよく;および
Zは、上記構造の環が、C
1−C
20アルキル、C
3−C
20シクロアルキル、C
1−C
20アルコキシ、C
7−C
20アラルキル、C
7−C
20アルカリール、C
5−C
20アリールアミン、C
5−C
20アリールニトロソ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲンおよびそれらの組み合わせからなる群で、必要に応じて、1、2、3または4置換されてよく、およびさらに、置換が、環の各炭素原子上で同一かまた異なってよいことを示す〕
を含むことができる。
【0120】
該組成物の効果的な接着または硬化の障害が無い限りは、そのような置換が可能であり得る。例えば、インサイチュでニトロソベンゼン部分の発生の障害が無い場合である。
【0121】
一例としては、本発明の組成物中の該化合物は、一般構造:
【化12】
〔式中、「a」は1〜3であってよく、および「b」は0〜2であってよく;a+b=3であり、および少なくとも1つのアルコキシ基が存在し;
R
1は、H、C
1−C
24アルキル、C
3−C
24アシル、好ましくはC
1−C
4アルキルから選択されることができ、およびa≧1の場合少なくとも1つのR
1は水素ではなく;および
R
2は、C
1−C
24アルキルおよびC
3−C
24アシル、好ましくはC
1−C
4アルキルから選択することができる;
mおよびnは同一または異なることができ、および1〜10であってよく;
Xは、OまたはSであってよく;
Yは、−O、−Sまたは−NHであってよく;
R
4はC
1〜C
10であってよく;および
Zは、上記構造の環が、C
1−C
20アルキル、C
3−C
20シクロアルキル、C
1−C
20アルコキシ、C
7−C
20アラルキル、C
7−C
20アルカリール、C
5−C
20アリールアミン、C
5−C
20アリールニトロソ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲンおよびそれらの組み合わせからなる群で、必要に応じて、1、2、3または4置換されてよく、およびさらに置換が、環の各炭素原子上で同一かまた異なってよいことを示す。該組成物を含む硬化性組成物の効果的な接着または硬化の障害が無い限りは、そのような置換が可能であり得る〕
を有し得る。R
1は、C
1−C
24アルキル、またはC
3−C
24アシルから選択され得る。R
1は、C
1−C
24アルキル、C
3−C
24アシルから選択されてよく、「a」は3であり得る。Yは、OまたはNHであってよい。XはOであってよい。YはOであってよい。XおよびYは、Oであってよい。nは、C
2−C
5アルキルであってよい。mはC
2−C
5アルキルであってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはOであってよく、および「a」は3であってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはOであってよく、および「a」は3であってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはNHであってよく、および「a」は3であってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはOであってよく、「a」は3であってよく、およびR
4はC
1〜C
10であってよい。
【0122】
望ましくは、上記の本発明の組成物中の該化合物は、一般構造:
【化13】
〔式中、nは1〜10であってよく;
「a」は1〜3であってよく、および「b」は0〜2であってよく;a+b=3であり、および少なくとも1つのアルコキシ基が存在し;
cは「a」または1〜3であってよく;dは「b」または1〜3であってよく;
R
1は、H、C
1−C
24アルキル、C
3−C
24アシル、好ましくはC
1−C
4アルキルから選択されることができ、およびa≧1の場合少なくとも1つのR
1は水素ではなく;
R
2は、C
1−C
24アルキルおよびC
3−C
24アシル、好ましくはC
1−C
4アルキルから選択することができる;
Xは、OまたはSであってよく;および
Yは、−O、−Sまたは−NH
x(ここでx=1または2)であってよい〕
を有してよい。
【0123】
R
1は、C
1−C
24アルキル、C
3−C
24アシルから選択され得る。R
1は、C
1−C
24アルキル、C
3−C
24アシルから選択されてよく、「a」は3であり得る。XはOであってよい。Yは、Oまたは−NH
x(ここでx=1)であってよい。YはOであってよい。XおよびYは、Oであってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、および「a」は3である。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはOであってよく、および「a」は3であってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはNH
x(式中、x=1)であってよく、および「a」は3であってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはOであってよく、nは3であってよく、および「a」は3であってよい。
【0124】
さらなる実施態様において、上記の本発明の改良組成物の上記化合物は、一般構造:
【化14】
〔式中、mは1〜100であってよく;nは1〜10であってよく;pは1〜10であってよく;qは0〜50であってよく;およびq=0の場合m≧2であり;
R
1は、C
1−C
24アルキル、C
3−C
24アシル、好ましくはC
1−C
4アルキルから選択することができる;
R
2は、OR
1、C
1−C
24アルキルおよびC
3−C
24アシルから選択されることができ、およびR
2=OR
1の場合少なくとも1つのR
1は水素ではなく
R
4は、アクリレート、アルデヒド、アミノ、無水物、アジド、マレイミド、カルボン酸塩、スルホン酸塩、エポキシド、エステル官能基、ハロゲン、ヒドロキシ、イソシアネートまたはブロックトイソシアネート、硫黄官能基、ビニルおよびオレフィン官能基、またはポリマー構造から選択されることができ;
Xは、OまたはSであってよく;
Yは、−O、−Sまたは−NH
x(ここでx=1または2)であってよく;および
R
3は、本明細書に規定のニトロソ芳香族またはニトロソ芳香族前駆体を含む部分であってよい〕
で示されるオリゴマーまたはコオリゴマー化合物であってよい。
【0125】
R
3は、ニトロソベンゼン、キノンジオキシムまたはキノンオキシムを含む部分であってよい。
【0126】
R
1は、C
1−C
24アルキル、C
3−C
24アシルから選択され得る。R
1は、C
1−C
24アルキル、C
3−C
24アシルから選択されてよく、R
2はOR
1であってよい。XはOであってよい。Yは、Oまたは−NH
x(ここでx=1)であってよい。YはOであってよい。XおよびYは、Oであってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、R
2はOR
1であってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはOであってよく、およびR
2はOR
1であってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはNH
x(式中、x=1)であってよく、およびR
2はOR
1であってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはOであってよく、nは3であってよく、およびR
3はニトロソベンゼンを含む部分であってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはOであってよく、nは3であってよく、およびR
3はニトロソベンゼンを含む部分であってよく、qは0であってよく、およびmは≧2であってよい。R
1は、C
1−C
4アルキルから選択されてよく、XはOであってよく、YはOであってよく、nは3であってよく、およびR
3はニトロソベンゼンを含む部分であってよく、qは0であってよく、およびmは≧2であってよく、R
4はビニルまたはエステルであってよい。
【0127】
本発明の第1の実施形態の改良組成物に使用される上記のニトロソシラン化合物の具体例は、以下を含んでよい:
【化15】
【0128】
望ましくは、本発明の改良組成物は、以下の化合物:
【化16】
を含み得る。
【0129】
上記の本発明の改良組成物において、少なくとも1つのアルコキシシラン部分と、芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体から選択される少なくとも1つの部分とを含む化合物(ニトロソシランとも呼ばれる)は、全組成物の1〜20%w/wの量で存在してよい。適切には、少なくとも1つの芳香族ニトロソ化合物前駆体は、1〜15%w/wの、例えば4〜12%w/wの量で存在してよい。望ましくは、少なくとも1つの芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の6%w/wで存在してよい。
【0130】
添加剤が硬化性組成物の効果的な硬化を妨げない限りは、様々な本発明の改良硬化性組成物は、例えば充填剤、顔料、安定剤、および湿気脱除剤等の従来の添加剤を追加的に含んでよいということは当業者により認識されるだろう。該組成物は、通常のカーボンブラックを含んでよいが、硫黄含浸ではない。そのようなカーボンブラックは、酸性または塩基性であってよい。これらの例としては、強化カーボンブラック;不活性充填剤、例えば炭酸カルシウム、チョーク、タルク、または金属酸化物等;促進系(accelerator systems);加硫遅延剤;促進剤、例えば酸化亜鉛またはステアリン酸等;可塑剤、例えば芳香油、パラフィン系石油および合成鉱油等;エージング、光防護性(light−protecting)、オゾン防護性、疲労、着色、および加工助剤(processing auxiliaries);および硫黄が挙げられる。通常は、これらの添加剤は、ゴム組成物100重量部当たり約0.1重量部〜約80重量部の量で存在してよい。
【0131】
該組成物はシリカを含んでよい。組成物はポリビニルブチラール樹脂を含み得る。
【0132】
適切には、ある一定の本発明の改良組成物は、更なるシランを含み得る。適切には、シラン化合物および同じものを含む組成物(しかし本発明の硫黄含浸粒子/粒子状物質は含まない)は国際出願第2011/029752号に開示されており、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。例となるシランは、一般式:
【化17】
〔式中、
nは1または2であり;
y=(2−n)
各R
1は、C
1−C
24アルキル、またはC
2−C
24アシルから選択されてよく;
各R
2は、C
1−C
30脂肪族基、または置換または未置換のC
6−C
30芳香族基から選択されることができ;
R
5は、水素、C
1−C
10アルキレン、1以上のアミノ基で置換されたC
1−C
10アルキレン、1以上のアミノ基で置換されたC
2−C
10アルケニレン、C
6−C
10アリレン、またはC
7−C
20アルカリレンから選択されてよく;
X−R
5は任意であり、およびXは:
【化18】
のいずれかであり、
〔式中、各R
3は、水素、C
1−C
30脂肪族基、またはC
6−C
30芳香族基から選択されることができ;および
R
4は、C
1−C
30脂肪族基、またはC
6−C
30芳香族基から選択されることができ;および
n=1の場合、R
3およびR
5の少なくとも1つは水素ではない〕
で示されるものであってよい。
【0133】
1つの実施態様において、X−R
5は存在する。R
1はC
1−C
24アルカリから選択されることができ、R
2はC
1−C
30脂肪族基から選択されることができ、XはN−R
3であってよく、およびR
5は、水素またはC
1−C
10アルキレンから選択されることができる。認識されるように、X−R
5が無い場合、シランは、一般式:
【化19】
〔式中、R
1およびR
2は、上記で定義した通りである〕
で示されるものであってよい。
【0134】
好ましいシランとしては、例えば2つの3置換シリル基を有するシラン等のビス−シリルシランが挙げられる。置換基は独立して、C
1−C
20アルコキシ、C
6−C
30アリールオキシおよびC
2−C
30アシルオキシから選択されてよい。本発明の改良組成物に使用される適当なビス−シリルシランとしては:
【化20】
〔式中、各R
1は、C
1−C
24アルキル、またはC
2−C
24アシルから選択されてよく;
各R
2は、C
1−C
20脂肪族基、またはC
6−C
30芳香族基から選択されることができ;
Xは任意であり、および:
【化21】
のいずれかであり、
式中、各R
3は、水素、C
1−C
20脂肪族基、またはC
6−C
30芳香族基から選択されることができ;および
R
4は、C
1−C
20脂肪族基またはC
6−C
30芳香族基から選択されることができる〕
が挙げられる。
【0135】
1つの実施形態において、Xは存在する。R
1はC
1−C
24アルキルから選択されることができ、R
2はC
1−C
30脂肪族基から選択されることができ、XはN−R
3であってよい。認識されるように、Xが無い場合、ビス−シランは、一般式:
【化22】
〔式中、R
1およびR
2は、上記で定義した通りである〕
で示されるものであってよい。
【0136】
本発明の改良組成物に使用される幾つかのビス−シリルアミノシランの例としては以下のものが挙げられる:ビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−[2−(ビニルベンジルアミノ)エチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、およびアミノエチル−アミノプロピルトリメトキシシラン。
【0137】
そのようなシランは、ニトロソシラン化合物に対して1:3〜3:1の範囲で含まれてよい(化学量論的に)。当該技術分野において理解されるように、シランおよびニトロソシランのそのような混合は、ゴム基材への優れた接着をもたらすことができる。
【0138】
シランは、全組成物の1〜10%w/wの量で存在してよい。適切には、シランは、1〜5%w/wの量、例えば1〜3%w/wで存在してよい。シランは、全組成物の約3%w/wで存在してよい。
【0139】
特に、ニトロソシランに加えて、アミノビス(プロピルトリメトキシシラン)の含有は、ゴムへの接着強度を著しく高める。アミノビス(プロピルトリメトキシシラン)が構造中に多くの官能基(functiоn)を有することが考えられる。これは、フィルム形成および金属表面の「湿潤」を助けることを含む。
【0140】
概して、対象基材へ適用された最終的な溶液は、広い範囲にわたって全シラン濃度および比率(シランのニトロソシランへの)が異なってよく、それでも有益な結果をもたらす。最終的な溶液は、少なくとも約0.1体積%の全シラン濃度、すなわち、最終的な溶液中のシランとニトロソシランの合計の濃度を含むはずである。約0.1体積%と約10体積%との間の全シラン濃度を有する溶液は、高価なシランの浪費なく強力な接着を一般的にもたらす。
【0141】
望ましくは、実施態様において、上記の硫黄含浸粒子状固体に加えて、本発明の組成物は:
(a)少なくとも1つのホスホン酸塩部分;または
(b)少なくとも1つのホスフィン酸塩部分;および
(c)上に規定の、芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分
を含む化合物をさらに含んでよい。
【0142】
これらのリン化合物および同じものを含む組成物の例(しかし、本発明の硫黄含浸粒子/粒子状物質は含まない)は、国際出願第2011/032998号に見出され得るが、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。硬化の間、ニトロソ基およびホスホン酸塩/ホスフィン酸塩の反応において、ニトロソは天然ゴム中のアリル官能価と反応し得るが、ホスホン酸塩/ホスフィン酸塩は、第2基材、例えばヒドロキシル化表面または金属等との接着を形成する。
【0143】
適切には、ホスホン酸塩部分は:
【化23】
〔式中、R
1およびR
2は同一または異なり、およびH、C
1−C
24アルキル、およびC
3−C
24アシルから選択される〕
で示される構造のものであってよい。
【0144】
R
1およびR
2は同一または異なり、およびC
1−C
4アルキルから選択されてよい。
【0145】
適切には、ホスホン酸塩部分は、構造:
【化24】
〔式中、R
1は、C
1−C
24アルキル、またはC
3−C
24アシルから選択され、R
2は、C
1−C
24アルキル、またはC
3−C
24アシルから選択され;およびR
1およびR
2はC
1−C
4アルキルから選択されてよい〕
で示されるものであってよい。
【0146】
上記構造のそれぞれにおいて、短い不規則な曲線は、以上に規定の、芳香族ニトロソ、芳香族ニトロソ前駆体またはそれらの組み合わせを含む部分への結合を示す。
【0147】
適切には、本発明の改良組成物で用いる化合物は、一般構造:
【化25】
〔式中、uは0〜20であり;
Aは、直接結合、O、またはSであり;
R
4は、H、C
1−C
24アルキル、およびC
3−C
24アシルからなる群から選択され、好ましくはC
1−C
4アルキルであり;
R
5は、C
1−C
24アルキル、およびC
1−C
24アルコキシルおよびC
3−C
24アシルからなる群から選択され;および
R
6は、ニトロソベンゼン、キノンオキシムまたはキノンジオキシムを含む部分である〕で示されるものであってよい。
【0148】
R
1、R
2およびR
3は、同一または異なることができ、およびC
1−C
4アルキルから選択されてよい。nは0〜5であってよい。nは1〜4であってよい。R
4は、上に規定の、ニトロソベンゼン、キノンジオキシムまたはキノンオキシムを含む部分であってよい。Xは、C、OまたはNであってよい。Xは、CまたはOであってよい。XはOであってよい。
【0149】
上記のR
4の構造は:
【化26】
〔式中、R
5はC
1〜C
10アルキルであってよく:および
Zは、上記構造の環が、C
1−C
20アルキル、C
3−C
20シクロアルキル、C
1−C
20アルコキシ、C
7−C
20アラルキル、C
7−C
20アルカリール、C
5−C
20アリールアミン、C
5−C
20アリールニトロソ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲンおよびそれらの組み合わせからなる群で、必要に応じて1、2、3または4置換されてよく、およびさらに、置換が、環の各炭素原子上で同一かまた異なってよいことを示す。該組成物の効果的な接着または硬化の障害が無い限りは、そのような置換が可能であり得る。例えば、インサイチュでニトロソベンゼン部分の発生の障害が無い場合である。
から選択されてよい(Xを通じた結合を示す)。
【0150】
改良組成物において、適当な化合物は、一般式:
【化27】
〔式中、R
3は、C
1−C
24アルキル、C
3−C
24アシルまたはOR
2であってよく;
R
1およびR
2は同一または異なり、およびH、C
1−C
24アルキル、およびC
3−C
24アシルから選択されてよい〕
で示される構造であってよい。
【0151】
R
1、R
2およびR
3は、同一または異なることができ、およびC
1−C
4アルキルから選択されてよい。
【0152】
さらに適切には、化合物は、以下の一般構造:
【化28】
〔式中、R
3は、C
1−C
24アルキル、C
3−C
24アシルまたはOR
2であってよい〕
で示されるものであってよい。
【0153】
R
1およびR
2は同一または異なり、およびH、C
1−C
24アルキル、およびC
3−C
24アシルから選択される。
【0154】
R
1、R
2およびR
3は、同一または異なっていてよく、およびC
1−C
4アルキルから選択されてよい。
【0155】
本発明は、本発明による化合物のポリマーまたはコポリマーを提供する。
【0156】
本発明の他の例において、本発明の改良組成物は:
(a)少なくとも1つのホスホン酸塩部分;
(b)少なくとも1つのホスフィン酸塩部分;および
(c)芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分
を含むオリゴマーまたはコオリゴマーをさらに含み得る。
【0157】
ここで、コオリゴマー化合物は異なるモノマーから構成される。
【0158】
オリゴマーまたはコオリゴマーは、以下の一般構造式:
【化29】
〔式中、mは1〜100であってよくき;nは0〜20であってよく;pは1〜10でであってよく;qは0〜50であってよく;およびq=0の場合、m≧2であり;
R
3およびR
6は同一または異なってよく、およびC
1−C
24アルキル、およびC
3−C
24アシルまたはOR
2から選択されてよい〕で示される構造のものであってよい。
R
2は、H、C
1−C
24アルキル、およびC
3−C
24アシルから選択されることができ;Xは、C、O、N、またはSであってよく;
R
4は、(上に規定の)芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体を含む部分であってよく;および
R
7は、アクリレート、アルデヒド、アミノ、無水物、アジド、マレイミド、カルボン酸塩、スルホン酸塩、エポキシド、エステル官能基、ハロゲン、ヒドロキシ、イソシアネートまたはブロックトイソシアネート、硫黄官能基、ビニルおよびオレフィン官能基、またはポリマー構造から選択されることができる〕
を有してよい。
【0159】
R
2、R
3およびR
6は、同一または異なることができ、およびC
1−C
4アルキルから選択されてよい。nは0〜5であってよい。nは1〜4であってよい。pは1〜5であってよい。qは1〜5であってよい。R
4は、ニトロソベンゼン、キノンジオキシムまたはキノンオキシムを含む部分であってよい。Xは、C、OまたはNであってよい。Xは、CまたはOであってよい。XはOであってよい。
【0160】
本発明の改良組成物の一部を形成する好ましい化合物(ニトロソホスホン酸塩またはニトロソホスフィン酸塩とも呼ばれる)は、全組成物の1〜20%w/wの量で存在してよい。適切には、該化合物は、1〜15%w/wの量、例えば4〜12%w/wで存在してよい。該化合物は、全組成物の6%w/wで存在してよい。
【0161】
本発明の化合物は、本発明の組成物において十分に加水分解されてよい。上記のように、水を含むキャリアは、少なくとも1つのホスホン酸塩またはホスフィン酸塩部分を含む化合物の加水分解を可能とすることができる。
【0162】
本明細書では、化合物の加水分解とは、ホスホン酸塩またはホスフィン酸塩部分のアルコキシ(またはアシルオキシ)基の加水分解、すなわち、ヒドロキシ部分を生じる任意のアルコキシ部分の加水分解を意味する。該化合物中の少なくとも1つのアルコキシ部分は、良好な接着を確保するように加水分解されてよい。有利なことに、接着前の該化合物の加水分解は、改良された接着性をもたらし得る。接着前の該化合物の加水分解は、改良された接着強度をもたらし得る。接着前の該化合物の加水分解は、ポリマー鎖内にジエンおよびまたはアリル官能価を有するポリマー基材の金属またはヒドロキシル化表面への接着において、改良された接着強度をもたらし得る。
【0163】
熱の供給は、本発明の改良組成物のホスホン酸塩/ホスフィン酸塩部分の加水分解を助け得る。該組成物は、30〜100℃の間の温度に加熱してよい。適切には、該組成物は、40〜60℃の間の温度に加熱してよい。該組成物は、50℃に加熱してよい。該組成物は、1〜2時間の間加熱してよい。該組成物は最大2時間加熱してよい。該組成物は対象基材に直接適用してよい。該組成物は対象基材への適用前に冷却してよい。
【0164】
本発明の該化合物を十分に加水分解する工程は、本発明の化合物のホスホン酸塩/ホスフィン酸塩部分の加水分解を促進するように該組成物の加熱を含んでよい。該組成物は、30〜100℃の間の温度に加熱してよい。適切には、該組成物は、40〜60℃の間の温度に加熱してよい。該組成物は、50℃に加熱してよい。該組成物は、1〜2時間の間加熱してよい。該組成物は最大2時間加熱してよい。該組成物は対象基材に直接適用してよい。該組成物は対象基材への適用前に冷却してよい。
【0165】
接着において、該化合物のホスホン酸塩/ホスフィン酸塩部分は、金属の表面またはヒドロキシル化表面へ固定するだろう。芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体から選択される部分は一般的に、ポリマー、例えばゴム材料へ固定された状態となる。その結果、分子の各末端が官能基を有し、強力で耐久性がある接着を伴って材料の接着を助ける。
【0166】
望ましくは、本発明の実施態様において、上記の硫黄含浸粒子状固体に加えて、本発明の組成物は:
(a)少なくとも1つの銅化合物;および
(b)少なくとも1つの芳香族ニトロソ化合物前駆体
を含む化合物をさらに含み得る。
【0167】
銅化合物は、少なくとも1つの(上記に規定の)芳香族ニトロソ化合物前駆体を酸化してよく、芳香族ニトロソ化合物をインサイチュで発生させる。
【0168】
当業者により認識されるように、本発明の組成物は、接着促進剤をさらに含んでよい。接着促進剤は、芳香族ニトロソ化合物とエラストマー基材との間の架橋を促進し得えて、また基材に対する改良された接着性を提供し得る。例えば、接着促進剤は、上記に規定のシランであってよい。
【0169】
本発明のこの実施形態の改良組成物において、酸化剤は銅化合物である。銅酸化剤を用いてのキノンジオキシムのジニトロソベンゼン種への酸化の一般的なスキームを、情報のために以下に示す:
【化30】
【0170】
例えば、銅化合物は、Cu(I)化合物またはCu(II)化合物であってよい。銅化合物は、Cu(I)化合物またはCu(II)化合物へインサイチュで酸化し得るCu(0)化合物であってよい。適当な銅化合物は、国際公開第WO2010/106030号で開示されており、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。銅化合物は、金属銅、銅塩、酸化銅またはそれらの組みあわせであってよい。適当な銅化合物は、銅ナノ粉末、CuO、Cu
2O、CuSCN、Cu(SCN)
2およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。銅化合物は、CuSCN、Cu(SCN)
2またはそれらの組み合わせであってよい。銅化合物はCuSCNであってよい。酸化剤はチオサン酸銅であってよい。その結果、上記の硫黄含浸粒子状固体と併せて、適切な量の本発明による銅酸化剤を利用して、ゴムへの金属の接着に適している改良組成物が配合され得る。
【0171】
銅化合物は、全組成物の1〜20%w/wの量で存在してよい。適切には、銅化合物は、1〜10%w/wの量、例えば2〜7%w/wで存在してよい。銅化合物は、4%w/wで存在してよい。
【0172】
望ましくは、銅化合物(または酸化剤)はカプセル化されていてよい。
【0173】
本発明の化合物は、芳香族ニトロソ化合物前駆体およびまたは銅塩のための適当なキャリアビヒクルをさらに含んでよい。
【0174】
芳香族ニトロソ化合物前駆体を銅酸化剤と共に含む組成物はまた、上記の先行技術と関連している問題を克服し得る。さらに、本発明の組成物は、低毒性であるかもしれない。これは、加硫適用前に特に重要である。
【0175】
さらなる態様において、本発明は、上記のような基材を共に接着するための改良組成物を提供し、該組成物は:
i)少なくとも1つの本明細書に規定の本発明による化合物
を含む。
【0176】
本発明の改良組成物は以下をさらに含み得る:
i)該化合物のための適当なキャリアビヒクル。
【0177】
上記のように、任意の適当なキャリアビヒクルを用い得ることが認識される。キャリアビヒクルが環境にやさしくあるべきことが特に望まれる。
【0178】
望ましくは、実施態様において、上記の硫黄含浸粒子状固体に加えて、本発明の組成物は、少なくとも1つのカプセル化芳香族ニトロソ化合物を含み得る。
【0179】
本発明は、少なくとも1つのカプセル化された芳香族ニトロソ化合物前駆体を含む改良接着性組成物をさらに提供する。
【0180】
さらなる態様において、本発明は、少なくとも1つの芳香族ニトロソ化合物前駆体と、芳香族ニトロソ化合物前駆体のための少なくとも1つの酸化剤とを含む改良接着性組成物を提供し、ここで、少なくとも1つの前駆体および酸化剤はカプセル化されている。酸化剤はカプセル化されてよい。その代わりに、前駆体および酸化剤の両方がカプセル化されてよい。
【0181】
カプセル化された芳香族ニトロソ化合物は、全組成物の1〜20%w/wの量で存在してよい。適切には、カプセル化された芳香族ニトロソ化合物は、1〜10%w/wの量、例えば1〜6%w/wで存在してよい。カプセル化された芳香族ニトロソ化合物は、全組成物の2%w/wで存在してよい。
【0182】
カプセル化された芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の1〜20%w/wの量で存在してよい。適切には、カプセル化された芳香族ニトロソ化合物前駆体は、1〜10%w/wの量、例えば1〜6%w/wで存在してよい。カプセル化された芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の2%w/wで存在してよい。
【0183】
カプセル化されていない芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の1〜20%w/wの量で存在してよい。適切には、カプセル化されていない芳香族ニトロソ化合物前駆体は、1〜10%w/wの量、例えば1〜6%w/wで存在してよい。カプセル化されていない芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の2%w/wで存在してよい。
【0184】
本発明の組成物において、酸化剤は過酸化物であってよい。例えば、酸化剤は過酸化ベンゾイルであってよい。酸化剤はまた金属塩、例えば銅塩であってよい。適切な量の本発明によるカプセル化された酸化物を利用して、ゴムへの金属の接着に適している組成物が配合され得る。
【0185】
カプセル化された酸化剤は、全組成物の1〜20%w/wの量で存在してよい。適切には、カプセル化された酸化剤は、1〜10%w/wの量、例えば3〜8%w/wで存在してよい。カプセル化された酸化剤は、4%w/wで存在してよい。カプセル化された酸化剤は、8%w/wで存在してよい。
【0186】
カプセル化されていない酸化剤は、全組成物の1〜20%w/wの量で存在してよい。適切には、カプセル化されていない酸化剤は、1〜10%w/wの量、例えば3〜8%w/wで存在してよい。カプセル化されていない酸化剤は、4%w/wで存在してよい。カプセル化されていない酸化剤は、8%w/wで存在してよい。
【0187】
成分をカプセル化することにより、本発明の組成物は、改良硬化性組成物中に自由なニトロソ基を含む化合物を配合するという望ましくない必要性を取り除く。酸化剤をカプセル化することによって、カプセル化された芳香族ニトロソ化合物前駆体またはそれらの組み合わせは、接着形成が起こる段階である加硫工程の間に前駆体の酸化によりニトロソ基のみが形成することを確保する。
【0188】
望ましくは、本発明の組成物において、封入剤は、熱的または機械的方法を用いて破裂することにより活性な心材を放出する安定なカプセルを含む。カプセル化された材料は、芳香族ニトロソ化合物または芳香族ニトロソ化合物前駆体の1つであってよい。カプセル化された材料は、芳香族ニトロソ化合物前駆体を芳香族ニトロソ化合物へインサイチュで酸化するために十分な量で存在する酸化剤であってよい。カプセル化された材料は、ニトロソ芳香族化合物と、ポリマー基材、例えばエラストマー等に存在するジエン部分またはアリル部分との間の反応速度を高めるための触媒であってよい。
【0189】
封入剤材料は、固い、ポリマー化材料、ゼラチンまたは樹脂からなる群から選択されてよい。例えば、適当な樹脂は、尿素/ホルムアルデヒド樹脂であってよい。カプセル/封入剤材料は構造的に堅固であるべきであり、カプセルは周囲媒体と反応すべきでなく、カプセル化された材料は封入剤材料から浸出すべきでなく、および封入剤材料は、カプセル化されなければ自発的に酸化し得るまたは吸湿性であり得る心材をカプセル化することができるべきである。カプセルの壁はまた、その中に含有されている材料による化学的攻撃に対して耐久性がなければならない。適当なカプセル/封入剤材料が当業者により選択されてよく、カプセルの従来の製造方法が使用されてよい。
【0190】
カプセル/マイクロカプセルは、20〜100マイクロメーターの範囲の平均直径を有してよい。好ましくは、マイクロカプセルは、約1.0kg/cm
2より大きい加重下で破裂可能な壁を有しており、好ましくは2.0kg/cm
2より大きい。適切には、カプセルは、3〜5kg/cm
2の荷重下で破裂する。
【0191】
本発明の組成物は、カプセル化された芳香族ニトロソ化合物、(カプセル化された)芳香族ニトロソ化合物前駆体、および/または(カプセル化された)酸化剤の1つのためのキャリアビヒクルをさらに含んでよい。
【0192】
本発明の組成物は、基材−エラストマー接着、例えばエラストマー−金属接着を提供する。本発明の組成物は、少なくとも1つのカプセル化された成分、例えばカプセル化された酸化剤、カプセル化された芳香族ニトロソ化合物前駆体、または芳香族ニトロソおよび芳香族ジニトロソ材料のエラストマーとの架橋を促進するカプセル化された接着促進剤を含む。本発明は、上記のカプセル化された材料の組み合わせも提供する。
【0193】
望ましくは、一実施態様において、上記の硫黄含浸粒子状固体に加えて、本発明の組成物は:
i)少なくとも1つのハロゲン化ポリオレフィン;
ii)少なくとも1つの末端アルコキシシラン基を有する少なくとも1つのエポキシシラン;
iii)少なくとも1つのビス−シラン、および
iv)必要に応じて少なくとも1つの有機溶媒
を更に含み得る。
【0194】
そのような組成物の例(しかし本発明の硫黄含浸粒子状固体/粒子状物質は含まない)は、国際出願番号PCT/EP2011/056826号に提供されており、その内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0195】
本発明のこの実施形態の改良硬化または改良硬化性組成物は、好ましくは一液型改良硬化性組成物であり、1以上のエポキシシランおよび1以上のビスシランが1以上のハロゲン化ポリオレフィンと使用前に混合されるということを意味する。
【0196】
上記の成分は好ましくは、少なくとも1つの上記の本発明の有機溶媒の存在下で混合される。
【0197】
一液系として本発明の改良硬化性組成物を配合することは好都合であり、従来の技術、例えば噴霧、ロール塗、浸漬等を用いる一段階で、そのような系が速やかに基材に適用されるからである。
【0198】
本発明の改良硬化性組成物は好ましくは貯蔵に安定であり、22℃で少なくとも約1日の期間シール容器中に貯蔵された場合に、非強化目視検査により測定されたとき、改良硬化性組成配合物が均質のままであることを意味する。
【0199】
本明細書に使用する場合、用語「エポキシシラン」とは、1分子当たり少なくとも1つのエポキシ基および少なくとも1つの末端アルコキシシラン基を有する化合物を意味する。望ましくは、本発明の接着剤における使用を考慮されたエポキシシランは、1分子当たり単一エポキシ基および単一末端アルコキシシラン基を有する化合物から選択される。
【0200】
本明細書に使用する場合、用語「末端アルコキシシラン基」とは、分子の1つの末端の官能基を意味し、そこで該官能基が厳密に1つのケイ素原子を含み、そこで少なくとも1つのアルコキシ残基が末端アルコキシシラン基のケイ素原子に結合されている。エポキシシランはまた、キャリア材料、例えばシリカキャリア等に結合されてよいことは、認識され得る。
【0201】
本発明の改良硬化性組成物は、任意の混合物または上記の皮膜形成剤の組み合わせを含むことができ、適切にはハロゲン化ポリオレフィンである。1以上のハロゲン化ポリオレフィンは、本発明の改良硬化性組成物中に存在してよく、本発明の改良硬化性組成物の全重量にそれぞれ基づいて、1〜30wt%の範囲の量で十分な皮膜特性を提供し、より好ましくは3〜20wt%の量であり、および特に好ましくは7〜15wt%の量である。
【0202】
ハロゲン化ポリオレフィンが、塩素化ポリオレフィンから選択される場合、塩素化ポリオレフィンは、それぞれ本発明の改良硬化性組成物の全重量に基づいて、約1〜約30重量%の範囲の量で存在することが好ましく、より好ましくは約3〜約20重量%の量であり、および特に好ましくは約7〜約15重量%の量である。
【0203】
本発明の改良硬化性組成物は、少なくとも1つの末端アルコキシシラン基を有する少なくとも1つのエポキシシラン(本明細書で以下、エポキシシランと呼ぶ)をさらに含む。
【0204】
他のエポキシ樹脂、例えば末端アルコキシシラン基を有しないエポキシ樹脂等の利用は、特に熱老化および形成した接着の後硬化に関して、結果として生じる改良硬化性組成物の接着性能の著しい低下を引き起こすかもしれないため、本発明の改良硬化性組成物におけるエポキシシランの使用が本質的である。
本発明の1つの実施形態において、エポキシシランの末端アルコキシシラン基は、式
【化31】
〔式中、uは、0、1または2であり、各R
Iは独立して、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールまたはアシルから選択され、および各R
IIは独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールまたはアシルから選択される〕
で表される。特に好ましい実施形態において、uは0であり、およびR
IIはアルキルから選択され、好ましいアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソ−プロピルが挙げられる。
【0205】
適当な末端アルコキシシラン基としては、トリメトキシシラン基、トリエトキシシラン基、トリ−n−プロポキシシラン基および/またはトリ−イソ−プロポキシシラン基が挙げられる。
【0206】
本発明の改良硬化性組成物の接着特性を高めるために、本発明の改良硬化性組成物に使用されるエポキシシランが非ポリマー化合物であることが有利であり、該エポキシシランの分子量は、好ましくは1000g/mоlより小さく、より好ましくは750g/mоlより小さく、および特に好ましくは500g/mоlより小さいということを意味する。
【0207】
本発明の実施における使用を考慮されたエポキシシランは、モノシランであってよい。本明細書に使用する場合、用語「モノシラン」とは、1分子当たり厳密に1つのケイ素原子を有するシラン化合物を意味し、そこでモノシランは、3つのアルコキシ残基がケイ素原子に結合されているモノシラン好ましい。
【0208】
適当なエポキシシランは、式(I):
【化32】
〔式中、R
aは二価の結合基であり、1〜24、好ましくは2〜20およびより好ましくは3〜10個の炭素原子を含み、R
1およびR
3は互いに独立して、C
1−24アルキル、例えばC
1−5アルキル、C
2−24アルケニル、C
1−24アルコキシルまたはC
3−24アシルから選択され、および、R
2は、C
1−24アルキル、例えばC
1−5アルキル等、またはC
3−24アシルから選択され、およびAは、
【化33】
【化34】
のいずれかである〕
で表され得る。
【0209】
望ましくは、R
b、R
cおよびR
dはハロゲンである。
【0210】
二価の結合基R
aは、直線型または分岐の1〜24個の炭素原子のアルキレン基であってよく、好ましくは2〜20個の炭素原子、およびより好ましくは3〜10個の炭素原子である。該アルキレン基は、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは酸素、硫黄または窒素から選択されるヘテロ原子で中断されてよい。
【0211】
式(I)で示されるR
1およびR
3は互いに独立して、C
1−5アルコキシルから選択され、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシまたはイソ−プロポキシ等であり、および/または式(I)のR
2は、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソ−プロピルのようなC
1−5アルキルであることは、さらに好ましい状態である。より好ましくは、式(I)のR
1およびR
3は両方、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシまたはイソ−プロポキシから選択され、および式(I)のR
2は、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソ−プロピルである。
【0212】
特に好ましいエポキシシランは、式(II):
【化35】
〔式中、nは1〜10の整数であり、mは0〜14の整数であり、R
1aおよびR
3aは互いに独立して、C
1−24アルキル、例えばC
1−5アルキル等、C
2−24アルケニル、C
1−24アルコキシルまたはC
3−24アシルから選択され、および、R
2aは、C
1−24アルキル、例えばC
1−5アルキル等、またはC
3−24アシルから選択される〕
で表される。望ましくは、nは1、2または3であり、および/またはmは2、3または4であり、そこでnが1であり、およびmが3であることが特に好ましい。
【0213】
式(II)のR
1aおよびR
3aは互いに独立して、C
1−5アルコキシルから選択され、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシまたはイソ−プロポキシ等であり、および/または式(II)のR
2aはメチル、エチル、n−プロピルまたはイソ−プロピルのようなC
1−5アルキルであることは、さらに好ましい状態である。より好ましくは、式(II)のR
1aおよびR
3aはいずれも、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシまたはイソ−プロポキシから選択され、および式(II)のR
2’は、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソ−プロピルである。
【0214】
本発明の実施における使用を考慮された他の特に好ましいエポキシシランは、式(IIa):
【化36】
〔式中、vは1〜10の整数であり、R
1bおよびR
3bは互いに独立して、C
1−24アルキル、例えばC
1−5アルキル等、C
2−24アルケニル、C
1−24アルコキシル、例えばC
1−5アルコキシル等、またはC
3−24アシルから選択され、および、R
2bは、C
1−24アルキル、例えばまたはC
3−24アシル等から選択される〕
で表される。望ましくは、vは1、2または3である。
【0215】
式(II)のR
1bおよびR
3bは互いに独立して、C
1−5アルコキシルから選択され、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシまたはイソ−プロポキシ等であり、および/または式(II)のR
2bはメチル、エチル、n−プロピルまたはイソ−プロピルのようなC
1−5アルキルであることは、さらに好ましい状態である。より好ましくは、式(II)のR
1bおよびR
3bはいずれも、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシまたはイソ−プロポキシから選択され、および式(IIa)のR
2’’は、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソ−プロピルである。
【0216】
本発明の1つの実施形態において、エポキシシランは、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン(GLYEO)、3−グリシジルオキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリ−イソ−プロポキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリ−n−ブトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリ−イソ−ブトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリエトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリ−n−プロポキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリ−イソ−プロポキシシラン、ガンマ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−プロピルトリメトキシシラン、ガンマ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−プロピルトリエトキシシラン、ガンマ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、ガンマ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−プロピルトリ−イソ−プロポキシシラン、および/またはそれらの組み合わせから選択される。
【0217】
上記のエポキシシランは、当該技術分野において公知であり、Evonik Industries AG、Wacker Chemie AG、信越化学およびGelest Inc.を含む様々な会社から市販されている。
【0218】
単一エポキシシランまたは2以上のエポキシシランの混合物は、本発明の改良硬化性組成物に使用されることができる。
【0219】
基材、特に金属基材への十分な接着性を確保するために、それぞれ本発明の改良硬化性組成物の全重量に基づいて、1以上のエポキシシランが、0.2〜5wt%の量で存在することが望ましく、好ましくは0.5〜2wt%の量であり、およびより好ましくは0.75〜1.25wt%の量である。
【0220】
本発明の改良硬化性組成物は、少なくとも1つのビス−シランをさらに含んでよい。本明細書に使用する場合、用語「ビス−シラン」とは、1分子当たり厳密に2つのケイ素原子を有するシラン化合物を意味し、そこで2つのケイ素原子は、二価の結合基により互いに結合されており、および各ケイ素原子が3つの追加の置換基を有しており、そこで3つの追加の置換基の少なくとも1つが、アルキルまたはアルコキシ残基である。その結果として、本発明の改良硬化性組成物に使用されるビス−シランは、2つの末端オルガノシリル基を含む。本発明の改良硬化性組成物における使用を考慮されたビス−シランが、少なくとも1つの上記に規定の末端アルコキシシラン基を含む条件下では、該ビス−シランは、少なくとも1つのエポキシ基を含まない。
【0221】
本発明の1つの実施態様において、ビス−シランの末端オルガノシリル基は、式
【化37】
〔式中、wは0、1、2または3であり、好ましくはwは3であり、各R
IIIは独立して、水素、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールまたはアシルから選択され、各R
IVは独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールまたはアシルから選択される〕
で表される。特に好ましい実施形態において、wは0であり、およびR
IVはアルキルから選択され、好ましいアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソ−プロピルが挙げられる。
【0222】
本発明の改良硬化性組成物の接着特性を高めるために、本発明の改良硬化性組成物に使用されるビス−シランはが非ポリマー化合物であることは有利であり、該ビス−シランはの分子量は、好ましくは1000g/molより小さく、より好ましくは750g/molより小さく、および特に好ましくは500g/molより小さいということを意味する。
【0223】
本発明の改良硬化性組成物における使用を考慮された適当なビス−シランは式(III)、
【化38】
〔式中、pは0〜3であり、qは0〜3であり、Bは1〜24個の炭素原子およびN,SまたはOから選択される少なくとも1つのハロゲン原子を含む二価の結合基を表し、各R
4および各R
6は独立して、水素、ハロゲン、C
1−24アルキル、C
2−24アルケニル、C
1−24アルコキシルまたはC
3−24アシルから選択され、および各R
5および各R
7は独立して、C
1−24アルキルまたはC
3−24アシルから選択される〕
で表されてよい。
【0224】
式(III)の二価の結合基Bが、以下の構造要素:
【化39】
〔式中、R
8は、水素、C
1−24アルキル、例えばC
1−4アルキル等、またはC
6−18アリールから選択される〕;
【化40】
〔式中、各R
9は独立して、水素、C
1−24アルキル、例えばC
1−4アルキル等、またはC
6−18アリールから選択され、およびR
10は、C
1−24アルキレンまたはC
6−18アリレンから選択される〕;または
【化41】
〔式中、Yは、O、S、および−NR
11−から選択され、Zは、O、S、および−NR
12−から選択され、そこでR
11およびR
12は互いに独立して、水素またはC
1−24アルキル、例えばC
1−4アルキル等、またはC
6−18アリールから選択され;Xは、O、Sから選択され、但しYおよびZの両方が、OまたはSではなく、好ましくはYはNHであり、ZはNHであり、XはOである〕
の1つを含む場合、特に良好な接着および乾燥特性が達成される。
好ましくは、YはNH、ZはNH、およびXはOである。
【0225】
代わりの実施形態において、式(III)の二価の結合基Bは、以下の構造要素:
【化42】
〔式中、R
13は、C
1−24アルキル、例えばC
1−4アルキル等である〕
を含む。
【0226】
好ましいビス−シランとしては、2つの3置換シリル基を有するビス−シランが挙げられる。置換基は独立して、C
1−24アルコキシ、C
6−18アリールオキシおよびC
2−24アシルオキシから選択されてよい。
【0227】
本発明の範囲内での使用のための適当なビス−シランとしては、式(IV):
【化43】
[式中、kは0または1であり、各R
15は独立して、C
1−4アルキルまたはC
1−4アシルから選択され、および各R
14は独立して、C
1−6アルキレンまたはC
6−12アリレンから選択され、およびDは、以下の二価基:
【化44】
〔式中、R
8は、水素、C
1−24アルキル、例えばC
1−4アルキル等、またはC
6−18アリールから選択される〕;
【化45】
〔式中、各R
9aは独立して、水素、C
1−24アルキル、例えばC
1−4アルキル等、またはC
6−18アリールから選択され、およびR
10aは、C
1−24アルキレンまたはC
6−18アリレンから選択される〕;
【化46】
〔式中、Yは、O、S、および−NR
11a−から選択され、Zは、O、S、および−NR
12a−から選択され、そこでR
11aおよびR
12aは互いに独立して、水素またはC
1−24アルキル、またはC
6−18アリールから選択され;Xは、OまたはSから選択され、但しYおよびZの両方が、OまたはSではない。好ましくはYはNHであり、ZはNHであり、XはOである〕
で示されるものが挙げられる。
【0228】
本発明の改良硬化性組成物の範囲内での使用のための適当なビス−シランの例としては:
【化47】
〔式中、rは1〜10であり、例えば1〜4等であり、およびR
16は、C
1−4アルキルまたはC
1−4アシルから選択される〕、および/または
【化48】
〔式中、rは1〜10であり、例えば1〜4等であり、およびR
16aは、C
1−4アルキルまたはC
1−4アシルから選択される〕
が挙げられる。
【0229】
本発明の1つの実施形態において、ビス−シランは、ビス−(トリメトキシシリルエチル)アミン、ビス−(トリエトキシシリルエチル)アミン、ビス−(トリ−n−プロポキシシリルエチル)アミン、ビス−(トリ−イソ−プロポキシシリルエチル)アミン、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス−(トリ−n−プロポキシシリルプロピル)アミン、ビス−(トリ−イソ−プロポキシシリルプロピル)アミン、ビス−(トリメトキシシリルエチル)ウレア、ビス−(トリエトキシシリルエチル)ウレア、ビス−(トリ−n−プロポキシシリルエチル)ウレア、ビス−(トリ−イソ−プロポキシシリルエチル)ウレア、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)ウレア、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)ウレア、ビス−(トリ−n−プロポキシシリルプロピル)ウレア、ビス−(トリ−イソ−プロポキシシリルプロピル)ウレア、および/またはそれらの組み合わせから選択される。好ましくは、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)ウレアおよび/またはビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミンが本発明において使用されるが、他のビス−シランも使用されてよい。
【0230】
他の望ましいビス−シランとしては、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N,O−ビス(トリエチルシリル)アセトアミド、1,3−ビス(トリメチルシリル)ウレア、1,3−ビス(トリエチルシリル)ウレア、1,3−ビス(トリメチルシリル)チオウレア、1,3−ビス(トリエチルシリル)チオウレア、および/またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0231】
上記のビス−シランは、当該技術分野において公知であり、Evonik Industries AG、Wacker Chemie AG、信越化学およびGelest Inc.を含む様々な会社から市販されている。
【0232】
単一ビス−シランまたは2以上のビス−シランの混合物は、本発明の改良硬化性組成物に使用されることができる。
【0233】
1以上のビス−シランは、それぞれ本発明の改良硬化性組成物の全重量に基づいて、0.1〜2wt%の量で存在することが望ましく、好ましくは0.15〜1wt%の量であり、より好ましくは0.2〜0.4wt%の量である。
【0234】
本発明の改良硬化性組成物において、上記のハロゲン化ポリオレフィン、エポキシシランおよびビスシランの組み合わせを使用することにより、本発明の改良硬化性組成物のエラストマー−金属の接着特性は、相当する先行技術の相乗的な組み合わせを含まない改良硬化性組成物を超えて著しく改良される。加えて、本発明の改良硬化性組成物のコーティング特性は、相当する先行技術の接着剤組成配合物を超えて改善される。従来の硬化性組成物は、基材、例えば金属基材等に適用された後、高温での乾燥時間が通常は必要である。それとは対照的に、本発明の改良硬化性組成物は、22℃で短い期間で乾燥することができ、結果として生じるコーティングは固く粘着性がない。したがって、異なる基材、例えば金属基材等の下塗りおよび貯蔵が可能であり、これらの下塗りされた基材を、後の接着作業において、そのまま使用することができる。
【0235】
本発明の改良硬化性組成物は有利なことに、1以上の上記のエポキシシランを、0.2〜5wt%の量、好ましくは0.5〜2wt%の量、および特に好ましくは0.75〜1.25wt%の量で含んでよく、1以上の上記のビス−シランを0.1〜2wt%の量、好ましくは0.15〜1wt%の量、および特に好ましくは0.2〜0.4wt%の量で含んでよく、そこで各量は本発明の改良硬化性組成物の全重量に基づく。
【0236】
本発明の改良硬化性組成物が、エポキシシランおよびビス−シランを1:0.2〜1:0.8の重量比、好ましくは1:0.3〜1:0.7の重量比で含む場合、特に耐久性があるエラストマー−金属接着が、本発明の改良硬化性組成物の硬化生成物により形成される。
【0237】
本明細書に用いる場合、エポキシシランのビス−シランに対する重量比とは、本発明の改良硬化性組成物中に存在する全てのエポキシシラン全量の、本発明の改良硬化性組成物中に存在する全てのビスシラン全量に対する重量比を意味する。
【0238】
本発明の改良硬化性組成物の接着性能は、以下のエポキシシランとビス−シランとの組み合わせ:
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、および、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミン;
・3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、および、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)ウレア;
・3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、および、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミン;
・3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、および、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)ウレア;
・3−グリシジルオキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、および、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミン;
・3−グリシジルオキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、および、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)ウレア;
・3−グリシジルオキシプロピルトリ−イソ−プロポキシシラン、および、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミン;
・3−グリシジルオキシプロピルトリ−イソ−プロポキシシラン、および、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)ウレア
を使用することにより、より改良されることができる。
【0239】
特に良好な接着性能は、エポキシシランおよびビスシランの以下の組合わせを、所定量で用いる場合に得られ、各量は、本発明の向上した硬化性組成物の全量を基準とする:
・0.5〜2wt%の3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、および、0.15〜1wt%のビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミン;
・0.5〜2wt%の3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、および、0.15〜1wt%のビス−(トリメトキシシリルプロピル)ウレア;
・0.5〜2wt%の3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、および、0.15〜1wt%のビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミン;
・0.5〜2wt%の3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、および、0.15〜1wt%のビス−(トリメトキシシリルプロピル)ウレア;
・0.5〜2wt%の3−グリシジルオキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、および、0.15〜1wt%のビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミン;
・0.5〜2wt%の3−グリシジルオキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、および、0.15〜1wt%のビス−(トリメトキシシリルプロピル)ウレア;
・0.5〜2wt%の3−グリシジルオキシプロピルトリ−イソ−プロポキシシラン、および、0.15〜1wt%の−(トリメトキシシリルプロピル)アミン;
・0.5〜2wt%の3−グリシジルオキシプロピルトリ−イソ−プロポキシシラン、および、0.15〜1wt%のビス−(トリメトキシシリルプロピル)ウレア。
【0240】
本発明に使用されるエポキシシランおよびビス−シランは好ましくは、本発明の改良硬化性組成物の自由な可動性の成分であり、前記シラン化合物は、キャリア材料、例えば固体表面等に固定化されないことを意味する。
【0241】
しかしながら、特定の用途については、本発明に使用されるエポキシシランおよび/またはビス−シランは、キャリア材料、例えば固体表面等に固定化されることが望ましいことがある。
【0242】
本発明の改良硬化性組成物は、従来の方法により準備できる。適用の容易性のために、本発明の改良硬化性組成物の成分は、液体キャリア、例えば有機溶剤または異なる有機溶剤の混合物等に分散または溶解されることができる。改良硬化性組成物が適用されるとすぐに、液体キャリアは蒸発する。
【0243】
1つの実施形態において、本発明の改良硬化性組成物は、少なくとも1つの有機溶媒を液体キャリアとして含む。有機溶剤は、水または水混和性溶剤を含んでよく、そこで、有機溶媒中の水の量は、それぞれ有機溶媒の全重量に基づいて、10wt%より少なく、好ましくは5wt%より少なく、より好ましくは1wt%より少なく、および特に好ましくは0.1wt%より少ない。
【0244】
有機溶媒中に存在する水の量に応じて、本発明に使用されるエポキシシランおよび/またはビス−シランは、部分的にまたは完全に加水分解される。
【0245】
有機溶媒の適当な例としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、およびジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素およびハロゲン化芳香族炭化水素;例えばトリクロロエチレン、パークロロエチレン、および二塩化プロピレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素;例えばメチルエチルケトン、およびメチルイソブチルケトン等のケトン;エーテル、ナフサ等が挙げられ、そのような溶媒の混合物が挙げられる。
【0246】
好ましい有機溶媒は、キシレンおよびトルエン、オルト−クロロトルエンおよびパラ−クロロトルエンであり、必要に応じてテトラクロロエチレンと組み合わさる。
【0247】
本発明の改良硬化性組成物は、前述の有機溶媒の任意の混合物を含むことができ、そこで少なくとも1つの芳香族溶媒と少なくとも1つの非芳香族溶媒との混合物が好ましく、乾燥して粘着性がない皮膜が形成されることを確保する。用いられる有機溶媒の量は、それぞれ本発明の改良硬化性組成物の全重量に基づいて、好ましくは約50〜約90重量パーセントの範囲であり、より好ましくは約60〜約80重量パーセントの範囲であり、特に好ましくは約65〜約75重量パーセントの範囲である。
【0248】
本発明の改良硬化性組成物は、ポリマー−金属、例えばゴム−金属等のエラストマー−金属の接着用途への使用に適している改良硬化性組成配合物に慣習的に使用される任意の添加剤を追加的に含んでよい。
【0249】
そのような添加剤の実例としては、強化カーボンブラック;充填剤、例えば炭酸カルシウム、チョーク、タルク、シリカ、または金属酸化物等;促進剤系;加硫遅延剤;促進剤、例えば酸化亜鉛またはステアリン酸等;可塑剤、例えば芳香油、パラフィン系石油、ナフテン系石油および合成鉱油等;光防護剤;オゾン防護剤;工程助剤、硫黄および/またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0250】
通常は、これらの添加剤は、それぞれ本発明の改良硬化性組成物の全重量に基づいて、約0.1〜約80重量パーセントの量、より好ましくは約0.1〜約40重量パーセントの量で存在してよい。
【0251】
本発明の改良硬化性組成物の他の典型的な配合物は、改良硬化性組成物の全重量に基づいて:
i)1〜30wt%の少なくとも1つのハロゲン化ポリオレフィン;
ii)少なくとも1つの末端アルコキシシラン基を有する0.2〜5wt%の少なくとも1つのエポキシシラン
iii)0.1〜2wt%の少なくとも1つのビス−シラン;および
iv)40〜90wt%の少なくとも1つの有機溶媒;
v)0〜50wt%の少なくとも1つの添加剤
を含むか、またはこれらから構成される。
【0252】
本発明の改良硬化性組成物の他の典型的な配合物は、改良硬化性組成物の全重量に基づいて:
i)1〜30wt%の少なくとも1つの塩素化ポリオレフィン;
ii)0.2〜5wt%の、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリ−イソ−プロポキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリ−n−ブトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリ−イソ−ブトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリエトキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリ−n−プロポキシシラン、ベータ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリ−イソ−プロポキシシラン、ガンマ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−プロピルトリメトキシシラン、ガンマ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−プロピルトリエトキシシラン、ガンマ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、およびガンマ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−プロピルトリ−イソ−プロポキシシランからなる群から選択される少なくとも1つの末端アルコキシシラン基を有する少なくとも1つのエポキシシラン;
iii)0.1〜2wt%の少なくとも1つのビス−シラン;および
iv)40〜90wt%の少なくとも1つの有機溶媒;
v)0〜50wt%の少なくとも1つの添加剤
を含むか、またはこれらから構成される。
【0253】
本発明の改良硬化性組成物のさらなる典型的な配合物は、改良硬化性組成物の全重量に基づいて:
i)1〜30wt%の少なくとも1つの塩素化ポリオレフィン;
ii)少なくとも1つの末端アルコキシシラン基を有する0.2〜5wt%の少なくとも1つのエポキシシラン
iii)ビス−(トリメトキシシリルエチル)アミン、ビス−(トリエトキシシリルエチル)アミン、ビス−(トリ−n−プロポキシシリルエチル)アミン、ビス−(トリ−イソ−プロポキシシリルエチル)アミン、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス−(トリ−n−プロポキシシリルプロピル)アミン、ビス−(トリ−イソ−プロポキシシリルプロピル)アミン、ビス−(トリメトキシシリルエチル)ウレア、ビス−(トリエトキシシリルエチル)ウレア、ビス−(トリ−n−プロポキシシリルエチル)ウレア、ビス−(トリ−イソ−プロポキシシリルエチル)ウレア、ビス−(トリメトキシシリルプロピル)ウレア、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)ウレア、ビス−(トリ−n−プロポキシシリルプロピル)ウレア、およびビス−(トリ−イソ−プロポキシシリルプロピル)ウレアからなる群から選択される、0.1〜2wt%の少なくとも1つのビス−シラン;
iv)40〜90wt%の少なくとも1つの有機溶媒;
v)0〜50wt%の少なくとも1つの添加剤
を含むか、またはこれらから構成される。
【0254】
本発明の改良硬化性組成物の他の典型的な配合物は、改良硬化性組成物の全重量に基づいて:
i)1〜30wt%の少なくとも1つの塩素化ポリオレフィン;
ii)3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリ−イソ−プロポキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリ−n−ブトキシシラン、および3−グリシジルオキシプロピルトリ−イソ−ブトキシシランからなる群から選択される少なくとも1つの末端アルコキシシラン基を有する0.2〜5wt%の少なくとも1つのエポキシシラン;
iii)ビス−(トリメトキシシリルプロピル)ウレアおよび/またはビス−(トリメトキシシリルプロピル)アミンから選択される0.1〜2wt%の少なくとも1つのビス−シラン;および
iv)40〜90wt%の少なくとも1つの有機溶媒;
v)0〜50wt%の少なくとも1つの添加剤
を含むか、またはこれらから構成される。
【0255】
これに関連して、本発明の改良硬化性組成物は、ニトロソ含有化合物が実質的に無いことが好ましい。本明細書に使用する場合、用語「ニトロソ含有化合物」とは、少なくとも1つのニトロソ官能基*−N=Oを含む任意の化合物を意味する。用語「ニトロソ含有化合物が実質的に無い」とは、本発明の改良硬化性組成物が、それぞれ本発明の改良硬化性組成物の全重量に基づいて、1wt%より少ないニトロソ含有化合物を含み、好ましくは0.1wt%より少なく、より好ましくは0.01wt%より少なく、および特に好ましくは0.001wt%より少ないことを意味する。他の実施形態において、本発明の改良硬化性組成物は、ニトロソ含有化合物が完全に無い。さらなる実施形態において、本発明の改良硬化性組成物は、イソシアネート含有化合物が実質的に無い。本明細書に使用する場合、用語「イソシアネート含有化合物」とは、少なくとも1つのイソシアネート官能基*−NCOを含む任意の化合物を意味する。用語「イソシアネート含有化合物が実質的に無い」とは、本発明の改良硬化性組成物が、それぞれ本発明の改良硬化性組成物の全重量に基づいて、1wt%より少ないイソシアネート含有化合物を含み、好ましくは0.1wt%より少なく、より好ましくは0.01wt%より少なく、および特に好ましくは0.001wt%より少ないことを意味する。全イソシアネート含有化合物および全ニトロソ含有化合物の全量が、それぞれ本発明の改良硬化性組成物の全量に基づいて、1.5wt%より少なく、好ましくは0.15wt%より少なく、より好ましくは0.015wt%より少なく、および特に好ましくは0.0015wt%より少ないニトロソ含有化合物であることも望ましい。他の実施形態において、本発明の改良硬化性組成物は、イソシアネート含有化合物を完全に含まない、またはイソシアネート含有化合物およびニトロソ含有化合物を完全に含まない。
【0256】
本発明による改良硬化性組成物の他の利点は、特に、極性エラストマー基材、例えばニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)および/またはエチレンアクリルエラストマーの金属基材への接着に使用される場合、該改良硬化性組成物は、優れた接着強度を提供する硬化が可能であることである。
【0257】
例えば、本発明の改良硬化性組成物の接着強度を決定するためのゴム−金属接着の試験において、85%〜100%のゴムの破損が観察された。さらに、結果として生じた接着は、優れた温水耐性を有する。
【0258】
さらなる局面では、本発明は、本発明の硫黄含浸粒子状固体を含む改良硬化性組成物を、少なくとも1つの基材へ適用する工程および接着を形成するように基材を置く工程を含む2つの基材を接着する方法におよぶ。
【0259】
適切には、基材へ材料を接着する方法が提供され、以下の工程:
a)本発明に規定の硬化性組成物を供給する工程;
b)接着する材料を未硬化形態で供給する工程、および
c)前記組成物および接着する材料を同時に硬化して、該材料を基材へ接着する工程
を含む。
【0260】
適切には、接着する材料は硬化してエラストマー、例えばゴム等を形成する。
【0261】
他の態様において、第1基材を第2基材に接着するプロセスが提供され、以下の工程:
a)本発明に規定の硬化性組成物を供給する工程;
b)該硬化性組成物を該第1基材の表面の少なくとも一部に適用する工程、および
c)前記第1基材の表面と硬化組成物を必要に応じて適用した該第2基材の表面とを十分な熱および圧力の条件下で接触して、2つの基材の間で硬化接着を生じさせる工程
を含む。
【0262】
望ましくは、請求項26の方法は、第1基材が第2基材へ接着する前に加硫処理されるか、または架橋されたエラストマーであり、適切には、第1基材は、ゴムであり、および第2基材は、金属表面である。ゴムは、金属表面への接着と同時に加硫または架橋され得る。
【0263】
更なる局面では、エラストマー材料を架橋する方法は、以下の工程を含む:
a)少なくとも1つの硫黄含浸粒子状固体を未硬化形態で供給する工程、
b)該組成物と少なくとも1つのエラストマー材料とを混合して、硬化性混合物を形成する工程、および
c)硬化性混合物を十分な熱および圧力の条件に曝してエラストマーを架橋する工程。
【0264】
適切には、エラストマー材料はゴムであってよい。
【0265】
適切には、未硬化組成物は、
(i)少なくとも1つの芳香族ニトロソまたは少なくとも1つの芳香族ニトロソ前駆体化合物またはそれらの組み合わせ;および
(ii)少なくとも1つの非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂を少なくとも1つの架橋剤と共に含む皮膜形成剤成分
の少なくとも1つをさらに含む。
【0266】
好ましくは、該混合物は、約50℃より高い温度で熱に曝され、より適切には約50℃より高く、よりさらに適切には約80℃より高い。最も好ましい温度範囲は、約150と約180℃との間である。
【0267】
必要に応じて、1バールを超える圧力を適用してよい。
【0268】
他の局面において、本発明は、第1基材を第2基材に接着する方法が提供され、以下の工程を含む:
a)本発明に規定の硫黄含浸粒子状固体を含む改良硬化性組成物を供給する工程;
b)本発明に規定の改良硬化性組成物を第1基材の表面の少なくとも一部に適用する工程、および
c)前記第1基材の表面と本発明において規定の改良硬化性組成物を必要に応じて適用した該第2基材の表面とを十分な熱および/または圧力の条件下で接触して、2つの基材の間で硬化または改良硬化性組成物接着を生じさせる工程。
【0269】
更なる局面では、本発明は、以下の工程を含むエラストマー材料を架橋する方法に関する:
a)少なくとも1つの硫黄含浸粒子状固体を供給する工程、
b)前記組成物と少なくとも1つのエラストマー材料とを混合して混合物を形成する工程、および
c)前記混合物を硬化を行うのに適した条件に暴露する工程。
【0270】
そのような架橋を行う典型的な効果条件は、上記50℃の温度へおよび任意に約1バールを超える圧力下で加熱する工程を含む。適切には、この方法では、少なくとも1つの硫黄含浸粒子状固体を上述の少なくとも1つのニトロソ化合物と組み合わせて用いる。
適切には、第1基材は、金属表面である第2基材に結合する前に加硫または架橋されるゴム基材であり得る。
【0271】
ゴムは、金属表面への接着と同時に加硫または架橋され得る。
【0272】
接着の前に、金属基材の表面は、例えば脱脂、グリットブラスト仕上、リン酸亜鉛処理(zinc−phоsphatizing)等の当該技術分野で公知の1以上の方法により洗浄してよい。
【0273】
上記のように、本発明の改良硬化性組成物が、上記のような金属材料への極性エラストマー材料の接着に使用されることができることは、特に有利である。
【0274】
本発明の方法の1つの実施形態において、第1基材は金属基材であってよく、および/または第2基材は、極性エラストマー材料のようエラストマー材料、例えばニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)および/またはエチレンアクリルエラストマーおよび/またはそれらの任意の組み合わせまたは混合物を含んでよいか、または、これらからなる。
【0275】
上記のプロセスの工程b)において、本発明の改良硬化性組成物は、第1基材の表面の少なくとも一部、例えば、金属表面の少なくとも一部に、噴霧、浸漬、はけ塗、および/または塗り付けにより適用してよい。改良硬化性組成物を適用した後、形成したコーティングを乾燥することが可能であることが好ましい。いくつかの場合において、本発明の改良硬化性組成物の適用の前に、第1基材、例えば金属基材等を予熱して改良硬化性組成物の乾燥を助けることが望ましいかもしれない。本発明の改良硬化性組成物が、約3μm〜約20μmの範囲、より好ましくは約6μm〜約12μmの範囲の膜厚を有する皮膜を形成するのに十分な量で適用される場合、耐久性がある改良硬化性組成物の接着が好ましく得られる。
【0276】
その後、本発明の方法の工程c)において、該2つの基材の間で改良硬化組成物接着を生じさせるのに十分な熱および圧力の条件下で、第1基材の表面を、改良硬化性組成物を必要に応じて塗布した第2基材の表面と接触する。
【0277】
本発明の好ましい実施形態において、約100℃〜約200℃、好ましくは約160℃〜約190℃の温度で、約20MPa〜約200MPa、好ましくは約25MPa〜50MPaの圧力下で、該2つの基材を合わせることに由来する本発明の方法の工程c)で該2つの基材の間の改良接着が形成される。形成した部品は好ましくは、約1分〜60分の間、適用された圧力および温度下で保持するべきであり、より好ましくは約3分〜約20分の間である。
【0278】
2つの基材の間で改良接着を生じさせるのに十分な熱および圧力の条件下は、本発明の改良硬化性組成物の化学組成に応じて、および/またはエラストマー基材の加硫速度に応じて変化し得る。本発明の1つの実施形態において、本発明の方法の工程c)で、エラストマー基材は、金属基材の表面へ接着すると同時に加硫される。
【0279】
代わりの実施形態において、エラストマー基材は、接着プロセスの前に既に加硫されており、本発明の方法の工程c)で、エラストマー基材の加硫が実質的に起こらないことを意味する。
【0280】
一般に、接着は、エラストマー基材の加硫の間に達成されることが望ましい。
【0281】
本発明の方法は、半溶融材料としてのエラストマー基材を改良硬化性組成物がコートされた金属表面に適用することにより、例えば射出成形プロセス等により行われてよい。本発明の方法はまた、圧縮成形、トランスファー成形またはオートクレーブ硬化技術の利用により行われてよい。プロセスが完了した後、完全に加硫された材料が、上記の硫黄含浸粒子状固体を含む本発明の改良硬化性組成物の硬化生成物により金属基材へ接着され、接着した部品が形成される。
【0282】
したがって、本発明の他の態様は、上記の硫黄含浸粒子状固体を含む本発明の改良硬化性組成物の硬化生成物により共に接着した少なくとも2つの基材を含む物品または部品である。
【0283】
さらなる態様において、本発明は、上記の硫黄含有粒子状固体を含む本発明の硬化された改良硬化性組成物の硬化生成物により共に接着した第1基材および第2基材を含む部品に関する。
【0284】
望ましくは、基材の1つはエラストマー、例えば天然または合成ゴム等である。第2基材は、エラストマー、金属、ガラスまたは他のヒドロキシル化基材であってよい。本発明はさらに、ポリマー、例えばエラストマー、例えば天然または合成ゴム等および本発明による組成物を含む硬化生成物にまで及ぶ。
【0285】
本発明の物品は好ましくは、本発明の改良硬化組成物の硬化生成物により少なくとも1つのエラストマー基材へ接着された少なくとも1つの金属基材を含む接着した部品であり、そこでエラストマー基材は好ましくは、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルブタジエンゴム(HNBR)および/またはエチレンアクリルエラストマーから選択される。
【0286】
本発明の物品または接着した部品は、限定するものではないが、エンジンマウント、ダンパー、またはベルトを含む最終用途に使える状態である。本発明のさらなる態様は、第1基材の第2基材への接着のための本発明の改良硬化性組成物の使用であり、そこで1つの基材はエラストマー基材である。適当な金属基材および適当なポリマー基材、エラストマー基材、および極性エラストマー基材は上述されている。
【0287】
上記のように、ポリマー材料、例えばエラストマー材料等、例えばゴム組成物と金属またはヒドロキシル化表面との間の優れた接着性は、本明細書に規定の硫黄含浸カーボンブラックを含む本明細書に記載の改良組成物の使用により実現し得る。
【0288】
その上さらなる態様において、本発明は、基材および本発明による改良組成物を含む硬化生成物を提供する。
【0289】
本発明の他の態様は物品に関連し、本発明の改良組成物の硬化生成物により共に接着される少なくとも2つの基材を含む。
【0290】
そのような記載の改良硬化性組成物でコートされた金属基材は、改良硬化性組成物でコートされた金属上に未硬化状態でポリマー材料を適用し、ポリマー材料を硬化してその後直ちに金属に接着することにより、ポリマー材料、例えばゴム組成物に接着され得る。
【0291】
ゴムポリマー材料の場合において、未硬化ゴムは、ゴムを硬化するための期間にわたって熱および圧力を用いて加硫されてよく、結果としてゴムの金属への接着が生じる。
【0292】
該方法は、第1基材および第2基材を合わせた後に加熱する工程をさらに含んでよい。有利なことに、加熱は接着形成の速度を増加し得る。加熱は接着強度を向上し得る。
【0293】
硫黄含浸粒子状固体を含む本発明の改良組成物は、薄膜またはコーティングとして対象基材に適用され得る。これは、対象基材への組成物の均一(または平らな)適用を可能とし得る。該組成物の対象基材への均一な適用は、改良硬化を可能とし得る。
【0294】
本発明の方法は、本発明の組成物のニトロシラン成分を実質的に加水分解する工程をさらに含み得る。
【0295】
該組成物中の少なくとも1つのアルコキシ(またはアシルオキシ)部分は、良好な接着を確保するために加水分解されてよい。当業者により認識されるように、工程a)およびb)の順序は入れ替えてよい。例えば、生成物は少なくとも1つの基材に適用され、その後加水分解されてよく、または生成物は、少なくとも1つの基材への適用の前に加水分解されてよい。
【0296】
さらなる局面において、本発明は2つの基材を共に接着する方法を提供し、該方法は、硫黄含浸粒子状固体を含む組成物を供給する工程、および
以下の成分を実質的に加水分解する工程:
a)少なくとも1つのアルコキシシラン部分;および
b)芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分
少なくとも1つの基材へのステップ1の実質的に加水分解された化合物を適用する工程;および
第1および第2基材をその間で接着が形成されるように貼り合わせる工程
を含む。
【0297】
該化合物中の少なくとも1つのアルコキシ部分は、良好な接着を確保するように加水分解されてよい。当業者により認識されるように、工程1および2の順序は重要ではない。例えば、生成物は少なくとも1つの基材に適用され、その後加水分解されてよく、または生成物は、少なくとも1つの基材への適用の前に加水分解されてよい。該方法は、第1基材および第2基材を合わせた後に加熱する工程をさらに含んでよい。有利なことに、加熱は接着形成の速度を増加し得る。加熱は接着強度を向上し得る。
【0298】
更なる局面において、本発明は、
a)少なくとも1つのアルコキシシラン部分;および
b)芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分
を含む化合物;
該化合物のためのキャリア、該キャリアは少なくとも0.1%w/wの水を含む、
を含有およびさらに含む(本発明の)硫黄含浸粒子状固体を含む組成物を供給する工程:
組成物を加熱する工程;および
少なくとも1つの基材の接着表面へ組成物を適用する工程および基材の接着表面を共に合わせる工程
を含む2つの基材を共に接着する方法を提供する。
【0299】
当業者により認識されるように、工程2および3の順序は重要ではない。例えば、該組成物は少なくとも1つの基材に適用され、その後加熱されてよく、または、該組成物は、少なくとも1つの基材への適用の前に加熱されてよい。
【0300】
熱の供給は化合物のアルコキシシラン部分の加水分解を助け得る。該組成物は30〜100℃の間の温度に加熱してよい。適切には、該組成物は40〜60℃の間の温度に加熱してよい。該組成物は50℃に加熱してよい。該組成物は1〜2時間の間加熱してよい。該組成物は最大2時間加熱してよい。該組成物は対象基材に直接適用してよい。該組成物は対象基材への適用前に冷却してよい。
【0301】
改良硬化性組成物は、薄膜またはコーティングとして対象基材に適用し得る。これは、対象基材への組成物の均一(または平らな)適用を可能とし得る。該組成物の対象基材への均一な適用は、改良硬化を可能とし得る。
【0302】
該方法は、表面を合わせた後に加熱する工程をさらに含んでよい。有利なことに、加熱は接着形成の速度を増加し得る。加熱は、上記のいくつかの条件下での接着強度、耐久性、および耐性を改良し得る。
【0303】
従って、そのような記載の接着性組成物でコートされた金属は、接着組成物でコートされた金属上に未硬化状態でポリマー材料を適用し、ポリマー材料を硬化してその後直ちに金属に接着することにより、ポリマー材料、例えばゴム組成物に接着され得る。ゴムポリマー材料の場合において、未硬化ゴムは、ゴムを硬化するための期間にわたって熱および圧力を用いて加硫されてよく、結果としてゴムの金属への接着が生じる。
【0304】
金属およびまたはヒドロキシル化表面へのそのような接着は、ポリマーと反応することができるニトロソ基により達成される。ポリマーは、ポリマー鎖内にアルケン/アリル官能価を含んでよい。例えば、ポリマー鎖内のジエンまたはアリル官能価である。
【0305】
ポリマー材料、例えばゴム組成物等と、金属またはヒドロキシル化表面との間の優れた接着性は、シラン溶液の最小限の浪費で、そのような記載の化合物と組成物の使用により実現し得る。粘着用途におけるそれらの使用に関して、本発明の組成物は一般に、性能特性を失わずに、ゴム接着のための伝統的な接着系中に存在する組成物より薄い。
【0306】
さらなる態様において、本発明は、本発明による組成物を有する基材を提供し、第2基材への後の接着のために該組成物が該基材に予備適用される(pre−applied)。本明細書に使用する場合、用語「予備適用」とは、本発明の組成物が基材に固定されたままであるように、本発明の組成物を適用してよいことを示し、結果として生じる前処理基材は、貯蔵に適している。組成物は、長い期間その有効性を維持するはずである。前処理基材は、第2基材への後の接着のために貯蔵してよい。有利なことに、基材は、前処理プロセスにおいて組成物でコートでき、必要に応じて貯蔵でき、その後に(自動)製造プロセスにおいて利用することができる。組成物は、ポリマー基材(例えばエラストマー等、例えば天然または合成ゴム)、金属またはヒドロキシル化表面に予備適用してよい。組成物は、金属またはヒドロキシル化表面に予備適用してよい。
【0307】
さらなる態様において、本発明は:
a)少なくとも1つのアルコキシシラン部分;および
b)芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分
を含む化合物;
該化合物のためのキャリア、該キャリアは少なくとも0.1%w/wの水を含む、
を含む(本発明の)硫黄含浸粒子状固体を含む組成物を有する容器を提供する。該化合物は、十分に加水分解されてよい。
【0308】
さらなる態様において、本発明は、2つの基材を共に接着するために30〜100℃に加熱された(本発明による)硫黄含浸粒子状固体を含む組成物を供給することの使用を提供し、(本発明による)組成物は:
a)少なくとも1つのアルコキシシラン部分;および
b)芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分
を含む化合物;
該化合物のためのキャリア、該キャリアは少なくとも0.1%w/wの水を含む、
を含む。
【0309】
本発明の組成物は、40〜60℃の間の温度に加熱してよい。該組成物は50℃に加熱してよい。加熱した該組成物は対象基材に直接適用してよい。該組成物は対象基材への適用前に冷却してよい。
【0310】
更なる局面において、本発明は、以下の工程を含む2つの基材を共に接着する方法を提供する:
(i)本発明に規定の硫黄含浸粒子状固体を含む改良硬化性組成物を供給する工程;
(ii)珪酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩またはそれらの組み合わせを含むプライマーを少なくとも1つの基材に適用する工程;
(iii)a)少なくとも1つのアルコキシシラン部分;および
b)芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分
を含む化合物を少なくとも1つの基材へ適用する工程、および
(iv)第1および第2基材を組成物で接着が形成されるよう貼り合わせる工程。
本明細書に使用する場合、用語「珪酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩またはそれらの組み合わせを含む下塗剤を適用」とは、少なくとも1つのアルコキシシラン部分および少なくとも1つの芳香族ニトロソ(前駆体)部分を含む化合物のその後の適用ために、珪酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩またはそれらの組み合わせのある量を表面に適用することを意味する。例えば、珪酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩またはそれらの組み合わせを含む下塗剤は、付着層、単分子層、薄膜、被膜等として適用してよい。適切には、第2基材への後の接着のために第1基材を下塗することを目的として、珪酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩またはそれらの組み合わせを含む下塗剤を該第1基材の表面に適用してよい。プライマーは、珪酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩またはそれらの組み合わせを含んでよい。
【0311】
珪酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩またはそれらの組み合わせを含む下塗剤は、1つの基材または両方の基材に適用してよい。有利なことに、珪酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩またはそれらの組み合わせを含む下塗剤の基材への適用は、改良された硬化強度を生じるかもしれず、製造および自動プロセスにおいて特にそうである。
【0312】
珪酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩またはそれらの組み合わせを含む下塗剤は、適当なキャリアで少なくとも1つの基材に適用してよい。例えば、キャリアは溶媒、湿潤剤または分散媒であってよい。
【0313】
プライマーは、例えばガラス繊維等のガラス、石英、粘土、タルク、ゼオライト、磁器、セラミック、シリコン基材およびそれらの組み合わせを含む群から選択される成分を含んでよい。プライマーはケイ酸塩であってよい。
【0314】
上記のように、第1基材および/または第2基材は、金属基材、ガラス基材または布製の基材であってよい。その代わりに、第1基材およびまたは第2基材は、ポリマー材料、例えば天然または合成ゴムのようなエラストマー材料等を含む、または、これらからなる、ことが可能である。本発明の好ましい改良硬化性組成物は、ポリマー、例えばエラストマー材料等の他の基材、例えばプライマーを使用していない金属基材等への接着に採用されるワンコートの改良硬化性組成物である。適当なエラストマー材料は以上に記載している。
【0315】
本発明の方法に用いられる本発明のプライマーおよび化合物(および組成物)は、予備適用の構成で使用することができる。本明細書に使用する場合、用語「予備適用」とは、本発明のプライマーまたは化合物または組成物を、それらが基材に固定されたままであるように適用してよいことを示し、結果として生じる前処理は、貯蔵に適している。プライマーまたは化合物または組成物は、長い期間その有効性を維持するはずである。前処理基材は、第2基材への後の接着のために貯蔵してよい。
【0316】
例えば、これは、珪酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩またはそれらの組み合わせを含む下塗剤を、下塗剤が基材に固定されたままであるように、第1基材に予備適用する(pre−applying)ことを含んでよい。有利なことに、基材は、前処理プロセスにおいて下塗りでき、必要に応じて貯蔵でき、その後に(自動)製造プロセスにおいて利用できる。
【0317】
その結果、本発明は、基材を下塗することを目的として、珪酸塩、アルミン酸塩、ゲルマニウム酸塩またはそれらの組み合わせを含む下塗剤を有する基材をさらに提供し、少なくとも1つのアルコキシシラン部分;および、芳香族ニトロソまたは芳香族前駆体およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分を含む化合物を用いての第2基材への後の接着のために、該下塗剤が該基材に予備適用される。基材の少なくとも1つは、ポリマー鎖内にジエンまたはアリル官能価を含むポリマーを含んでよく、例えば、ポリマーはエラストマー、例えば天然または合成ゴム等であってよい。合成ゴムはニトリルブタジエンゴムであってよい。合成ゴムはHNBRであってよい。
【0318】
本発明は、少なくとも1つのアルコキシシラン部分;および、芳香族ニトロソまたは芳香族前駆体およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分を含む化合物を含む基材をさらに提供し、第2基材への後の接着のために該化合物が該基材に予備適用される。第1基材は、本明細書に規定のヒドロキシル化表面を含んでよい。第2基材は、ポリマーを含んでよい。ポリマーは、ポリマー鎖内にジエンまたはアリル官能価を含むポリマーを含んでよく、例えば、ポリマーはエラストマー、例えば天然または合成ゴム等であってよい。合成ゴムはニトリルブタジエンゴムであってよい。合成ゴムはHNBRであってよい。有利なことに、基材は、下処理でき、その後に(自動)製造プロセスにおいて利用することができる。
【0319】
本発明のプライマーまたは該化合物または該組成物は、ポリマー基材(例えばエラストマー等、例えば天然または合成ゴム)、またはヒドロキシル化表面に予備適用してよい。該組成物は、ヒドロキシル化表面に予備適用してよい。
【0320】
さらなる局面において、本発明は、硬化性組成物の製造における硫黄のための放出剤として硫黄含浸粒子状固体の使用に関する。本発明は、硬化性組成物の製造における硫黄のための放出剤として本明細書に規定の硫黄含浸粒子状固体を含む組成物の使用にまで及ぶ。そのような使用において、硬化性組成物は、基材、例えばエラストマー、金属、ガラスまたは他のヒドロキシル化基材へのエラストマー材料の接着のための組成物である。適切には、硬化性組成物は、加硫プロセスの間に硬化する。硫黄含浸粒子状固体または硫黄含浸粒子状固体を含む硬化性組成物は、架橋剤としてエラストマー材料に使用してよい。
【0321】
本発明は、本明細書に記載の硬化性組成物の硬化生成物または本明細書に記載の使用にまで及ぶ。
【0322】
本発明の方法、本発明の化合物および組成物は、以下の非限定的な用途において実用性が見出され得る:自動車用タイミングベルトの製造、ガラス/ガラスファイバー強化プラスチックおよび複合部品への接着、強化ゴムの製造、タイヤ製造、コンベヤーベルト製造および例えば被服等の織布の製造、例えば保護被服である。
【0323】
適当である場合には、本発明の1つの実施形態の全ての任意のおよび/または好ましい特徴は、本発明の別の/他の実施形態の任意のおよび/または好ましい特徴と調和し得ることは、認識されるだろう。特に硫黄含浸粒状固体材料は、上記の通り、本発明の全ての可能性のある組成物に用いることができる。
【0324】
本明細書の以下に開示される実施例は一般化された実施例を示すのみであり、本発明を再現することができる他の配合および方法が可能であり、本発明により包含されることは、当業者にとって直ちに明らかなはずである。
【実施例】
【0325】
用いた硫黄含浸粒子状固体
本発明の実施例に用いた硫黄含浸粒子状固体は、硫黄含浸粉末活性化炭素または硫黄含浸木炭である。
【0326】
適当な材料の第1例はDesorex DY 700 S(Donau Carbon)である。これは木炭の選択品位に基づく蒸気活性化粉末炭素である。活性炭は、特別な熱製造方法において硫黄で含浸させ、良好な吸着容量を有する。
【0327】
【表1】
【0328】
適当な材料の第2例はDesorex HGC 8×16 Sであり、これはヤシシェルに基づく粒子状硫黄含浸活炭である。材料を煙道ガス、天然ガスあるいは他の廃ガスからの水銀の除去に使用することができる。
【0329】
【表2】
【0330】
適当な材料の第3例はDesorex HGD 4Sであり、これは石炭に基づく硫黄含浸炭素であり、Desorex HGD 4Sは、高い活性炭に基づき、有機不純物と同様に水銀について高い吸着容量を有する。
【0331】
【表3】
【0332】
比較例のためにここで用いたCK3(CAS RN 1333−86−4)は、ゴム化合物中の補強充填剤を要求する応用のためのカーボンブラックである。ここで用いるCK 3は工業上生成されたカーボンブラックである。CK 3は、硬化の発現を遅らせることによりゴム化合物に相当な焼け(スコーチ)安全性を与えるガスブラックである。
【0333】
【表4】
【0334】
DesorexとCK3等級のBET表面積は次のとおりである:DesorexおよびCK3グレードのBET表面積は:Desorex HGC 8 x16S=硫黄の含浸前の全表面積約1000m
2/g(TDSから);Desorex HGD−4S=硫黄の含浸前の全表面積約1000m
2/g(TDSから);Desorex DY700S=約700m
2/g(TDSから);Carbopal MB4S(対照実験のための硫黄無しの活性炭)=約900m
2/g(TDSから);およびCK3=約88m
2/g(BET ASTM試験に置き換えられたCTAB試験法を経由してTDSから);である。
【0335】
ゴム−金属接着試験
WDK(Association of German Rubber Manufacturing Industry)の以下に概説されるガイドライン2000(Assessment of Rubber to Metal Boding Agents for NVH Apprications)に従って、接着部品を破壊するように引っ張った。
【0336】
本発明の組成物により生成した接着の性能を試験するため、P−25緩衝パーツ(buffer parts)が用いられ、それはASTM−D429−方法Fの試験手順の一部である。
【0337】
結果
硫黄含浸炭素の例は標準カーボンブラック粒子(CK3)と同等であった。以下の表における結果(例1〜4)は、CK3のカーボンブラック例の接着効果を超える硫黄含浸炭素の向上した接着効果を明らかに示す。蒸気へ24時間暴露した後の接着強度(WDKガイドライン2000の通り)は、5MPa〜9.5MPaまで改良される。
【0338】
【表5】
【0339】
硫黄含浸炭素を有する異なった等級の塩素化ポリマーを用いる更なる例。等級HPE1515、Superchlon HE1200およびHPE2200Hはすべて>65%の塩素含有率を含有する。分子量は50〜150,000g/molである。
【0340】
【表6】
【0341】
皮膜形成剤成分
ゴムの加硫の前に、接着剤でコートされた金属部分(例えば金属部品へのゴムの接着において)が高温(>160℃)に曝される場合、予備焼成が起こる。ゴム−金属の接着剤が、その組成物の一部として塩素化ポリオレフィンおよび特に塩素化ポリエチレンを高い塩素濃度で含有する場合、この予備焼成プロセスの後に不十分な接着強度が観察できる。本発明の皮膜形成剤成分、例えば、遊離イソシアネートかブロックイソシアネートのどちらかまたは両方の組み合わせ、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂の含有により、予備焼成された接着の強度が著しく増加する。
【0342】
塩素化ポリオレフィンが配合物から完全に取り除かれる、および本発明の皮膜形成剤成分で置き換えられる場合、頑強、不粘着性なコーティングが生成され得る。例えばポリビニルブチラールおよびセルロースアセテートブチレート等のヒドロキシル基を含むポリマー樹脂は、本明細書で使用されている。そのようなポリマーを含む配合物に対する本発明の皮膜形成剤成分の追加は、接着強度を著しく増加させる。
【0343】
予備焼成された接着の問題を解決する他の方法は、塩素化ポリオレフィンを系から完全に取り除くことまたは置き換えることであり、接着特性が低下することにつながるかもしれず、そのため本発明の皮膜形成剤成分が優れた代替手段を提供する。
【0344】
本発明の皮膜形成剤を含む組成物の実施例である。
【0345】
【表7】
【0346】
【表8】
【0347】
【表9】
【0348】
【表10】
【0349】
【表11】
【0350】
すべての部は組成物の重量による%重量である。
*全ての部は重量部である。
【0351】
【表12】
【0352】
【表13】
【0353】
【表14】
【0354】
【表15】
【0355】
1)ヒドロキシル官能性ポリマー、例えばMowital B60HHまたはEastman CAB 381−20(PCAB)等
2)本明細書に規定のニトロソシラン分子(WO2009/118255を参照)
を含有するゴム−金属接着剤の処方物へのイソシアネート(例えばDesmodur XP2714など)の添加は、実施例8および9において示されるように架橋することにより、接着性能を著しく向上させる。
【0356】
用いた成分
ポリイソシアネート
説明:ヘキサメチレンジイソシアネートに基づいたアロファネート構造とのシラン官能性ポリイソシアネート;形態:100%固体;NCO含有量:約16%。Desmodur XP2714:Bayer Material Scienceから供給
【0357】
酢酸酪酸セルロースポリマー
本発明に用いる酢酸酪酸セルロースポリマーは次のものを含有する:
ヒドロキシル含有量−0.5〜5wt%、アセチル含量−1〜30、ブチリル含量−15〜65wt%。
好適な等級、CAB381−20は、Eastmanにより供給される。
【0358】
ポリビニルブチラール(PVB)ポリマー
PVBポリマーの平均モル質量:〜12,000−100,000。適当なPVB等級としては以下のものが挙げられる:
【0359】
【表16】
【0360】
PVBの多くの好適である等級は、Kurarayにより供給される。本発明の組成物に使用に適当なPVBの好適である等級の1つの例は、コポリマーとして含有する:ポリビニルアルコール含量:12−16%およびポリ酢酸ビニル含量:1−4
【0361】
硫黄含浸粒子状固体
用いることができる硫黄含浸粒子状固体は、硫黄含浸粉末活性化炭素または硫黄含浸木炭である。
【0362】
適当な材料の第1例はDesorex DY 700 S(Donau Carbon)である。これは木炭の選択品位に基づく蒸気活性化粉末炭素である。活性炭は、特別な熱製造方法において硫黄で含浸させ、良好な吸着容量を有する。
【0363】
【表17】
【0364】
適当な材料の第2例はDesorex HGC 8×16 Sであり、これは椰子殻に基づく粒子状硫黄含浸活炭である。材料を煙道ガス、天然ガスあるいは他の廃ガスからの水銀の除去に使用することができる。
【0365】
【表18】
【0366】
適当な材料の第3例はDesorex HGD 4Sであり、これは石炭に基づく硫黄含浸炭素である。特別の熱含浸法は高い濾過効率および活性炭の長い寿命を保証する。Desorex HGD 4Sが、高い活性炭に基づき製造され、有機不純物と同様に水銀について高い吸着容量を有する。
【0367】
【表19】
【0368】
CK3(CAS RN 1333−86−4)は、ゴム化合物中で補強充填剤として使用される応用のためのカーボンブラックである。ここで用いるCK 3は工業上生成されたカーボンブラックである。CK 3は、硬化の発現を遅らせることによりゴム化合物に相当な焼け(スコーチ)安全性を与えるガスブラックである。
【0369】
【表20】
【0370】
DesorexとCK3等級のBET表面積は次のとおりである:
DesorexおよびCK3グレードのBET表面積は:Desorex HGC 8 x16S=硫黄の含浸前の全表面積約1000m
2/g(TDSから);Desorex HGD−4S=硫黄の含浸前の全表面積約1000m
2/g(TDSから);Desorex DY700S=約700m
2/g(TDSから);Carbopal MB4S(対照実験のための硫黄無しの活性炭)=約900m
2/g(TDSから);およびCK3=約88m
2/g(BET ASTM試験に置き換えられたCTAB試験法よりTDSから);である。
【0371】
ゴム−金属接着試験
WDK(Association of German Rubber Manufacturing Industry)の以下に概説されるガイドライン2000(Assessment of Rubber to Metal Boding Agents for NVH Apprications)に従って、接着部品を破壊するように引っ張った。
【0372】
本発明の組成物により生成した接着の性能を試験するため、P−25緩衝パーツが用いられ、それはASTM−D429−方法Fの試験手順の一部である。
【0373】
硫黄含浸炭素の例は標準カーボンブラック粒子(CK3)と比較した。
【0374】
【表21】
【0375】
硫黄含浸炭素での異なった等級の塩素化ポリマーの例。等級HPE1515、Superchlon HE1200およびHPE2200Hはすべて>65%の塩素含有率を含有する。分子量は50〜150,000g/molである。
【0376】
【表22】
【0377】
接着強度は、標準カーボンブラック粒子(CK3)と比べて、本発明の硫黄含浸粒子状固体を含む硬化性組成物の使用がカーボンブラック(CK3)を用いる組成物の接着強度を超える向上した接着効果を示す。さらに、蒸気へ24時間暴露した後の接着強度(WDKガイドライン2000の通り)は、向上した接着耐久性および耐性を示す実施例において5MPa〜9.5MPa改良される。これらの組成物は、操作条件が高い圧力および/または温度および/または湿気を包含する用途に特に有用であり得る。
【0378】
皮膜形成成分が非ハロゲン化ヒドロキシル化樹脂および適当な架橋剤をニトロソ含有材料と組み合わせて含む実施態様では、初期および5分間予備焼成試験においていずれにおいても接着性能の契約性能に実証可能な増加がある。特に、予備焼成結果は、本発明の組成物中の皮膜形成システムの優れた性能を実証する。硬化性組成物中の皮膜形成剤の強健さは、組成物が輸送または貯蔵前に基材へ適用することができ、必要に応じてすぐに使用することができ、硬化について減少した接着品質を示さないことを意味する。
【0379】
硫黄含浸粒子状固体のこれらの組成物の含浸は、向上した接着耐久性及び耐性が後硬化で改良される観点から有利である。さらに有利なことには、本発明の皮膜形成剤は、非ハロゲン化ヒドロキシル樹脂の性質および所定の適用、硬化および操作条件について選択された適当な架橋剤に応じて適合可能な特性を有する。
本明細書の当初の開示は、少なくとも下記の態様を包含する。
〔1〕a)適当な条件に曝すことによって硬化する1以上の反応性成分、および
b)硬化過程の間に硫黄のための放出剤として働く硫黄含浸粒子状固体;および
c)必要に応じて溶媒
を含んでなる硬化性組成物。
〔2〕前記硫黄含浸粒子状固体は、硫黄含浸粘土、硫黄含浸ケイ酸塩、硫黄含浸アルミン酸塩、硫黄含浸木炭、硫黄含浸カーボンブラックおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔1〕に記載の硬化性組成物。
〔3〕硫黄含浸粒子状固体は硫黄含浸木炭である、前記〔1〕または〔2〕に記載の硬化性組成物。
〔4〕前記粒子状固体の硫黄含有量は、前記硫黄含浸粒子状固体の全重量の約0.5〜約20%wt/wtの範囲である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の硬化性組成物。
〔5〕前記硫黄含浸粒子状固体は、前記硬化性組成物の全重量の約0.5〜約10%wt/wtの範囲で硬化性組成物中に存在する、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔6〕前記硫黄含浸粒子状固体は、ASTM法D6556−10により決定された700m
2/gおよび1000m
2/gのBET表面積を有する、前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔7〕ハロゲン化ポリオレフィンおよびハロスルホン化ポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1つの皮膜形成剤および少なくとも1つの架橋剤と共に少なくとも1つの非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂を含む皮膜形成成分をさらに含む、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔8〕a)少なくとも1つの芳香族ニトロソ化合物または少なくとも1つの芳香族ニトロソ前駆体化合物またはそれらの組み合わせ;または
i.少なくとも1つのアルコキシシラン部分;および
ii.芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分
を含む化合物の少なくとも1つ
をさらに含む、前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔9〕前記芳香族ニトロソ化合物は、m−ジニトロソベンゼン、p−ジニトロソベンゼン、m−ジニトロソナフタレン、p−ジニトロソナフタレン、2,5−ジニトロソ−p−シメン、2−メチル−1,4−ジニトロソベンゼン、2−メチル−5−クロロ−1,4−ジニトロソベンゼン、2−フルオロ−1,4−ジニトロソベンゼン、2−メトキシ−1,3−ジニトロソベンゼン、5−クロロ−1,3−ジニトロソベンゼン、2−ベンジル−1,4−ジニトロソベンゼン、2−シクロヘキシル−1,4−ジニトロソベンゼン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔8〕に記載の硬化性組成物。
〔10〕前記芳香族ニトロソ化合物はカプセル化されている、前記〔8〕または〔9〕に記載の硬化性組成物。
〔11〕一般構造:
〔化1〕
〔式中、aは1〜3であり、bは0〜2であり、但しa+b=3であり;
各R
1は独立して、H、C
1−C
24アルキルおよびC
3−C
24アシルからなる群から選択され、好ましくはC
1−C
4アルキルであり、a≧1の場合少なくとも1つのR
1は水素ではなく;および
各R
2は独立して、C
1−C
24アルキルおよびC
3−C
24アシルからなる群から選択され、好ましくはC
1−C
4アルキルである〕
で示されるアルコキシシラン部分をさらに含む、前記〔7〕に記載の硬化性組成物。
〔12〕アルコキシシラン部分は、一般構造:
〔化2〕
〔式中、nは1〜20であり;aは1〜3であり、bは0〜2であり、但しa+b=3であり;
各R
1は独立して、H、C
1−C
24アルキルおよびC
3−C
24アシルからなる群から選択され、好ましくはC
1−C
4アルキルであり、a≧1の場合少なくとも1つのR
1は水素ではなく;および
各R
2は独立して、C
1−C
24アルキルおよびC
3−C
24アシルからなる群から選択され、好ましくはC
1−C
4アルキルであり;XはOまたはSであり;YはO、SまたはN(R
3)であり;およびR
3はニトロソベンゼン、キノンオキシムまたはキノンジオキシムである〕
で示される、前記〔11〕に記載の硬化性組成物。
〔13〕
(i)少なくとも1つのホスホン酸塩部分;または
(ii)少なくとも1つのホスフィン酸塩部分;および
(iii)芳香族ニトロソまたは芳香族ニトロソ前駆体およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの部分
を含む化合物をさらに含む、前記〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔14〕
前記化合物は、
〔化3〕
〔式中、uは0〜20であり;
Aは、直接結合、O、またはSであり;
R
4は、H、C
1−C
24アルキル、およびC
3−C
24アシルからなる群から選択され、好ましくはC
1−C
4アルキルであり;
R
5は、C
1−C
24アルキル、およびC
1−C
24アルコキシルおよびC
3−C
24アシルからなる群から選択され;および
R
6は、ニトロソベンゼン、キノンオキシムまたはキノンジオキシムを含む部分である〕
で示される、前記〔13〕に記載の組成物。
〔15〕
(a)少なくとも1つの銅化合物;および
(b)少なくとも1つの芳香族ニトロソ前駆体
をさらに含む、前記〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔16〕
芳香族ニトロソ前駆体は、ニトロソベンゼン前駆体であるか、または芳香族オキシムまたは芳香族ジオキシムまたはそれらの組み合わせを含む、前記〔8〕〜〔15〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔17〕
前記芳香族ニトロソ前駆体はカプセル化されている、前記〔8〕〜〔16〕のいずれかに記載の組成物。
〔18〕
前記銅化合物が、Cu(I)化合物、Cu(II)化合物、およびCu(I)またはCu(II)化合物へインサイチュで酸化することができるCu(0)化合物およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔15〕〜〔17〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔19〕
必要に応じてカプセル化された接着促進剤、例えばシランなどをさらに含む、前記〔1〕〜〔18〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔20〕
d)少なくとも1つのハロゲン化ポリオレフィンまたは少なくとも1つの架橋剤と共に少なくとも1つの非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂を含む皮膜形成剤成分;
e)少なくとも1つの末端アルコキシシラン基を有する少なくとも1つのエポキシシラン;
f)少なくとも1つのビス−シラン
をさらに含む、前記〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
〔21〕前記エポキシシランは、1分子当たり少なくとも1つの単一エポキシ基および単一末端アルコキシシラン基を含む、前記〔20〕に記載の硬化性組成物。
〔22〕前記ビス−シランは、
〔化4〕
〔式中、pは0〜3であり、qは0〜3であり、Bは1〜24個の炭素原子およびN,SまたはOから選択される少なくとも1つのハロゲン原子を含む二価の結合基を表し、各R
4および各R
6は独立して、水素、ハロゲン、C
1−24アルキル、C
2−24アルケニル、C
1−24アルコキシルまたはC
3−24アシルから選択され、および各R
5および各R
7は独立して、C
1−24アルキルまたはC
3−24アシルから選択される〕
で表される、前記〔20〕または〔21〕に記載の組成物。
〔23〕溶媒は、溶媒の全重量を基準として少なくとも0.1重量%の水を含む、前記〔1〕〜〔22〕のいずれかに記載の組成物。
〔24〕材料を基材へ接着する方法であって、以下の工程:
a)前記〔1〕〜〔23〕のいずれかに規定の硬化性組成物を供給する工程;
b)接着する材料を未硬化形態で供給する工程;および
c)前記組成物および接着する材料を同時に硬化して、該材料を基材へ接着する工程
を含む、方法。
〔25〕前記接着する材料を硬化してエラストマー、例えばゴム等を形成する、前記〔24〕に記載の方法。
〔26〕第1基材を第2基材に接着する方法であって、以下の工程:
a)前記〔1〕〜〔23〕のいずれかに規定の硬化性組成物を供給する工程;
b)該硬化性組成物を該第1基材の表面の少なくとも一部に適用する工程;および
c)前記第1基材の表面と硬化組成物を必要に応じて適用した該第2基材の表面とを十分な熱および圧力の条件下で接触して、2つの基材の間で硬化接着を生じさせる工程
を含む、方法。
〔27〕前記第1基材は、前記第2基材へ接着する前に、加硫または架橋されたエラストマーである、前記〔26〕に記載の方法。
〔28〕前記第1基材はゴムであり、および前記第2基材は金属表面である、前記〔26〕または〔27〕に記載の方法。
〔29〕前記ゴムは、前記金属表面へ接着すると同時に加硫または架橋される、前記〔28〕に記載の方法。
〔30〕エラストマー材料を架橋する方法であって、以下の工程:
a)少なくとも1つの硫黄含浸粒子状固体を未硬化形態で供給する工程;
b)該組成物と少なくとも1つのエラストマー材料とを混合して、硬化性混合物を形成する工程;および
c)該硬化性混合物を十分な熱および圧力の条件に曝してエラストマー材料を架橋する工程
を含む、方法。
〔31〕前記エラストマー材料はゴムである、前記〔30〕に記載の方法。
〔32〕未硬化組成物は、
(i)少なくとも1つの芳香族ニトロソ化合物または少なくとも1つの芳香族ニトロソ前駆体化合物またはそれらの組み合わせ;および
(ii)少なくとも1つの非ハロゲン化ヒドロキシ基含有樹脂を少なくとも1つの架橋剤と共に含む皮膜形成剤成分
の少なくとも1つをさらに含む、前記〔30〕または〔31〕に記載の方法。
〔33〕前記硬化性組成物または硬化性混合物は、約50℃より高い温度において熱へ、および必要に応じて1バールより大きい圧力へ曝される、前記〔26〕または〔32〕のいずれかに記載の方法。
〔34〕前記〔1〕〜〔23〕のいずれかに記載の硬化性組成物の硬化生成物により共に接着する少なくとも2つの基材を含む、物品または部品。
〔35〕前記〔1〕〜〔23〕のいずれかに記載の硬化性組成物の、第1基材を第2基材へ接着するための使用であって、一つの基材は、エラストマー材料、金属、ガラスまたは他のヒドロキシル化基材である、使用。
〔36〕硬化性組成物の製造における硫黄のための放出剤としての硫黄含浸粒子状固体の使用。
〔37〕硬化性組成物の製造における硫黄のための放出剤としての前記〔1〕〜〔23〕のいずれかに記載の硫黄含浸粒子状固体を含む硬化性組成物の使用。
〔38〕硬化性組成物は、基材、例えばエラストマー、金属、ガラスまたは他のヒドロキシル化基材へのエラストマー材料の接着のための組成物である、前記〔35〕〜〔37〕のいずれかに記載の使用。
〔39〕前記硬化性組成物を加硫方法の間に硬化する、前記〔35〕〜〔38〕のいずれかに記載の使用。
〔40〕硫黄含浸粒子状固体または硫黄含浸粒子状固体を含む硬化性組成物のエラストマー材料用架橋剤としての使用。
〔41〕前記〔1〕〜〔23〕のいずれかに記載の硬化性組成物の硬化生成物。