【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の方法で製造した発泡積層体が、優れた断熱性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、少なくとも(A)層/紙基材/(B)層をこの順に有する発泡積層体の製造方法であって、少なくとも下記に示す(i)〜(iii)の工程を経ることを特徴とする発泡積層体の製造方法に関するものである。
(i)紙基材の片面または両面に有機溶剤を塗布する工程
(ii)(A)層を構成する熱可塑性樹脂(a)及び(B)層を構成する熱可塑性樹脂(b)を紙基材に積層する工程
(iii)熱可塑性樹脂(a)/紙基材/熱可塑性樹脂(b)からなる積層体に加熱処理を施し、少なくとも熱可塑性樹脂(a)を発泡する工程
また、本発明の方法により製造された発泡積層体に関するものである。
【0010】
また、本発明の方法により製造された発泡積層体からなる容器に関するものである。
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
本発明の製造方法の工程(i)では、得られる発泡積層体の断熱性に優れるため、紙基材の片面または両面に有機溶剤を塗布する。
【0013】
有機溶剤を塗布する手法は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、ロールコート装置、リップコート装置、スプレー装置、ダイコート装置、グラビア装置、ダンプニング装置などを用いた手法が例示することができる。有機溶剤の塗布量が均一になるため、ダンプニング装置を用いた手法が好ましい。
【0014】
このようなダンプニング装置は、例えば、ニッカ(株)より商品名「WEKOローターダンプニング」が、鈴木産業(株)より商品名「ハイローターS」が、東機エレクトロニクス(株)より商品名「TSD−3000」が販売されている。特に、有機溶剤の塗布ムラがなく品質が安定することから、「ハイローターS」を用いることが好ましい。
【0015】
本発明における有機溶剤の塗布量は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はないが、熱可塑性樹脂の発泡倍率が高くでき、かつ、紙基材と熱可塑性樹脂(a)及び/または熱可塑性樹脂(b)との接着強度が低下しないことから、1.5〜30g/m
2が好ましく、15〜25g/m
2の範囲がより好ましい。
【0016】
このような有機溶剤は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、アルカン、アルケン、アルキン、シクロアルカンなどの炭化水素類、及びそれらのハロゲン化物、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、エステル類、エーテル類、アミン類、アミド類、ニトリル類、芳香族類などを例示することができるが、断熱性に優れることからアルコール類が好ましい。
【0017】
このようなアルコール類は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル1−プロパノール、2−メチル2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル1−ブタノール、2−メチル2−ブタノール、ビニルアルコール、1−プロペノール、エチノール、1−プロピノールなどの1価脂肪族アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの2価脂肪族アルコール、シクロプロパノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどの1価脂環式アルコール、シクロプロパンジオールなどの2価脂環式アルコール、ベンジルアルコールなどの芳香族アルコールなどを例示することができるが、ハンドリング性に優れ、かつ、発泡積層体の断熱性に優れることから、1価脂肪族アルコールが好ましい。
【0018】
このような有機溶剤の沸点は、断熱性に優れることから、90〜110℃が好ましく、より好ましくは95〜105℃の範囲である。
【0019】
これらの有機溶剤は、1種単独、または2種以上の組み合わせで用いてもよい。
【0020】
本発明の製造方法の工程(ii)では、紙基材の両面に熱可塑性樹脂(a)及び熱可塑性樹脂(b)を積層する。
【0021】
熱可塑性樹脂(a)及び熱可塑性樹脂(b)を積層する手法は本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、本発明の積層体を成形する方法としては、押出ラミネート成形法、ドライラミネート成形法、ウェットラミネート成形法、サーマルラミネート成形法、ホットメルトラミネート成形法、圧縮成形法などを例示することができる。熱可塑性樹脂(a)の成形方法と熱可塑性樹脂(b)の成形方法は、同一の手法を用いてもよく、異なる手法を用いてもよい。
【0022】
これらの成形方法の中でも生産効率や成形された積層体の品質などの面から、押出ラミネート成形法が好ましい。
【0023】
押出ラミネート成形法により積層体を得る手法として、シングルラミネート加工法、タンデムラミネート加工法、サンドウィッチラミネート加工法、共押出ラミネート加工法などの各種押出ラミネート加工法を例示することができる。押出ラミネート法における樹脂の温度は260〜350℃の範囲が好ましく、冷却ロールの表面温度は10〜50℃の範囲が好ましい。
【0024】
また、押出ラミネート加工において、熱可塑性樹脂を溶融状態で押出し層とした直後に、該層の基材接着面を含酸素気体又は含オゾン気体に曝し、基材と貼り合わせる手法を用いると、基材層との接着性に優れることから好ましい。含オゾン気体により熱可塑性樹脂と基材との接着性を向上させる場合は、オゾンガスの処理量としては、ダイより押出された熱可塑性樹脂よりなるフィルム1m
2当たり0.5mg以上のオゾンを吹き付けることが好ましい。
【0025】
加熱発泡により本発明の積層体を得る手法における押出ラミネート加工法は、熱可塑性樹脂層と基材層との接着性をさらに向上させるため、熱可塑性樹脂が発泡しない程度の温度、例えば30〜60℃の温度で10時間以上熱処理することができる。また必要に応じて、基材の接着面に対してコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。また、必要であれば基材にアンカーコート剤を塗布しても良い。
【0026】
本発明の製造方法の工程(iii)では、断熱性に優れるため、熱可塑性樹脂(a)/紙基材/熱可塑性樹脂(b)に加熱処理を施し、少なくとも熱可塑性樹脂(a)を発泡させる。
【0027】
加熱方法としては本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、熱風、電熱、電子線の他、積層体を容器状に成形し、高温の物体を内填して充填物の熱を利用するなど、任意の手段を使用できる。加熱は、オーブン内で回分式に行う手法、コンベアなどにより連続的に行う手法などにより行うことができる。
【0028】
加熱温度、加熱時間は、および熱可塑性樹脂の種類に依存して変化するが、一般的に加熱温度は熱可塑性樹脂の融点以上300℃以下であり、加熱時間は10秒〜5分間である。
【0029】
本発明の積層体を構成する紙基材については特に限定はないが、熱可塑性樹脂の発泡倍率を向上させることができるため、紙基材の坪量は150〜400g/m
2が好ましく、更に好ましくは、250〜350g/m
2である。
【0030】
このような紙基材に含まれる水分については特に制限はないが、熱可塑性樹脂の発泡倍率が向上することから、20〜30g/m
2であることが好ましく、より好ましくは20〜28g/m
2である。
【0031】
本発明の製造方法では、本発明の目的が達成される限りにおいては、その他の工程を含んでも構わず、熱可塑性樹脂の表面に紙、熱可塑性樹脂などの他の層を積層する工程、熱可塑性樹脂又は/及び紙に印刷を施す工程、熱可塑性樹脂(a)/紙基材/熱可塑性樹脂(b)を容器の形状に製函する工程などが例示できる。
【0032】
本発明の積層体を構成する熱可塑性樹脂(a)は、本発明の目的が達成される限りにおいては特に限定はなく、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体などのプロピレン系重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6などのポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリル酸などのアクリル樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミドなどを例示することができる。発泡層の厚みに優れることから、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ポリスチレンが好ましく、加工性に優れることから、エチレン系樹脂がより好ましい。
【0033】
これらの熱可塑性樹脂(a)は、1種単独、または2種以上の組み合わせで用いてもよい。
【0034】
これらの熱可塑性樹脂(a)を複数混合する時は、複数の熱可塑性樹脂(a)のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度は熱可塑性樹脂の融点〜300℃程度が好ましい。
【0035】
また、本発明の積層体を構成する熱可塑性樹脂(a)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、熱可塑性樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
【0036】
本発明の積層体を構成する熱可塑性樹脂(b)は、本発明の目的が達成される限りにおいては特に限定はなく、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体などのプロピレン系重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6などのポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリル酸等のアクリル樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミドなどを例示することができる。発泡層の厚みに優れることから、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ポリスチレンが好ましく、加工性に優れることから、エチレン系樹脂がより好ましい。
【0037】
これらの熱可塑性樹脂(b)は、1種単独、または2種以上の組み合わせで用いてもよい。
【0038】
これらの熱可塑性樹脂(b)を複数混合する時は、複数の熱可塑性樹脂(b)のペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度は熱可塑性樹脂の融点〜300℃程度が好ましい。
【0039】
また、本発明の積層体を構成する熱可塑性樹脂(b)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、熱可塑性樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
【0040】
本発明の積層体を構成する熱可塑性樹脂のうち、発泡層の厚み及び加工性に優れることから、少なくとも熱可塑性樹脂(a)は、JIS K6922−1(1997年)により測定した密度(以下、単に密度と略す。)が915〜930kg/m
3である高圧法低密度ポリエチレン(c)が好ましい。発泡層厚みに優れることから、910〜925kg/m
3の範囲であれば、より好ましい。
【0041】
このような高圧法低密度ポリエチレン(c)は、従来公知の高圧法ラジカル重合法により得ることができる。
【0042】
また、高圧法低密度ポリエチレン(c)のJIS K6922−1(1997年)により測定したメルトマスフローレート(以下、単にMFRと略す。)は、6〜30g/10分の範囲であると、発泡性に優れるため好ましく、より好ましくは8〜30g/10分、更に好ましくは10〜24g/10分、最も好ましくは13〜18g/10分の範囲である。
【0043】
本発明を構成する高圧法低密度ポリエチレン(c)には、エチレン・α−オレフィン共重合体などの他のポリオレフィンを配合してもよい。
【0044】
本発明の積層体を構成する高圧法低密度ポリエチレン(c)にポリオレフィンを混合する時は、高圧法低密度ポリエチレン(c)のペレットとポリオレフィンのペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリオレフィン系樹脂の融点〜300℃程度が好ましい。
【0045】
また、本発明の積層体を構成する高圧法低密度ポリエチレン(c)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
【0046】
更に、本発明の積層体を構成する熱可塑性樹脂(b)が、密度が935〜970kg/m
3であるポリエチレン系樹脂(d)であると、断熱性、発泡の安定性に優れるため好ましく、より好ましくは945〜970kg/m
3、最も好ましくは950〜965kg/m
3である。
【0047】
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂(d)としては、エチレン単独重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、又は、これらの組成物を用いることができ、その分子鎖の形態は直鎖状でもよく、炭素数6以上の長鎖分岐を有していてもよい。このようなポリエチレン系樹脂(d)は、特に限定されるものではない。
【0048】
このようなエチレン単独重合体としては、低圧法エチレン単独重合体、また、高圧法低密度ポリエチレンが例示することができる。
【0049】
エチレン・α−オレフィン共重合体に用いるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上が用いられる。
【0050】
エチレン・α−オレフィン共重合体を得るための方法は特に限定するものではなく、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができる。このような共重合体は、市販品の中から便宜選択することができる。
【0051】
このような、低圧法エチレン単独重合体は、従来公知の低圧イオン重合法により得ることができる。
【0052】
このような高圧法低密度ポリエチレンは、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる。
【0053】
これらの中で、ラミネート成形性に優れることから、高密度ポリエチレン(e)10〜90重量%と高圧法低密度ポリエチレン(f)90〜10重量%((e)と(f)の合計は100重量%)を含むエチレン系樹脂組成物(g)であることが好ましい。
【0054】
高密度ポリエチレン(e)としては、低圧法エチレン単独重合体やエチレン・α−オレフィン共重合体などが挙げられる。
【0055】
また、高密度ポリエチレン(e)において、エチレン系樹脂組成物(g)のラミネート加工性に優れることから、MFRは6〜100g/10分の範囲が好ましく、より好ましくは8〜60g/10分の範囲である。
【0056】
さらに、高密度ポリエチレン(e)において、エチレン系樹脂組成物(g)のラミネート加工性、生産性に優れるため、密度は935〜980kg/m
3の範囲が好ましく、より好ましくは945〜975kg/m
3の範囲である。
【0057】
高圧法低密度ポリエチレン(f)としては、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる。
【0058】
また、高圧法低密度ポリエチレン(f)において、エチレン系樹脂組成物(g)の押出ラミネート加工性に優れるため、MFRは0.1〜20g/10分の範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜10g/10分、最も好ましくは1〜4g/10分の範囲である。
【0059】
さらに、高圧法低密度ポリエチレン(f)において、エチレン系樹脂組成物(g)の製膜安定性に優れることから、密度は910〜935kg/m
3の範囲が好ましい。
【0060】
このようなエチレン系樹脂組成物(g)のMFRは、ラミネート成形性に優れるため、1〜50g/10分の範囲が好ましく、さらに好ましくは3〜20g/10分の範囲である。
【0061】
また、本発明を構成するポリエチレン系樹脂(d)には、ポリプロピレンなどの他のポリオレフィンを配合してもよく、これらのポリオレフィンの配合比は1〜30重量%がラミネート成形性と積層体外観の点から好ましい。
【0062】
本発明の積層体を構成するポリエチレン系樹脂(d)にポリオレフィンを混合する時は、ポリエチレン系樹脂(d)のペレットとポリオレフィンのペレットを固体状態で混合したペレット混合物であってもよいが、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリー等で溶融混練した混合物の方が、品質の安定した製品が得られるので好ましい。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はポリエチレン系樹脂の融点〜300℃程度が好ましい。
【0063】
さらに、本発明を構成するポリエチレン系樹脂(d)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
【0064】
本発明の積層体を構成する(A)層の発泡前の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に制限はないが、発泡性に優れ、破損などの問題が小さいことから、30μm〜5mmの厚みであることが好ましく、発泡外観に優れることから、60〜200μmがより好ましく、最も好ましくは80〜150μmである。
【0065】
本発明の積層体を構成する(B)層の発泡前の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に制限はないが、発泡性に優れ、破損などの問題が小さいことから、30μm〜5mmの厚みであることが好ましく、経済性の観点から、30〜150μmの範囲が最も好適である。
【0066】
本発明の積層体について、断熱性に優れるため、発泡層の厚みの総計は900μm以上が好ましく、より好ましくは1000μm以上、最も好ましくは1100μm以上である。
【0067】
本発明の積層体は、少なくとも(A)層/紙基材/(B)層が積層されてなることを特徴とするものであり、(A)層、紙基材、(B)層はこの順に隣接して存在している。(A)層と紙基材と(B)層の3成分のみからなるものだけでなく他の成分、例えば(C)層を含んでいてもよい。具体的には、(A)層/紙基材/(B)層、(A)層/紙基材/(B)層/(A)層、(B)層/紙基材/(A)層/(B)層、(A)層/紙基材/(B)層/(B)層、(A)層/(A)層/紙基材/(B)層、(A)層/紙基材/(B)層/(C)層、(B)層/紙基材/(A)層/(C)層、(C)層/(B)層/紙基材/(A)層/(B)層/(C)層、(A)層/紙基材/(B)層/(C)層/(B)層/(A)層、(B)層/紙基材/(A)層/(C)層/(A)層/(B)層などが例示される。
【0068】
(C)層としては、合成高分子重合体から形成される層や織布、不織布、金属箔、紙類、セロファン等が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロース系樹脂など合成高分子重合体から形成される層等が挙げられる。更に、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着、アクリル処理されたものでもよい。また、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが例示でき、また、紙類としてはクラフト紙、上質紙、伸張紙、グラシン紙、カップ原紙や印画紙原紙等の板紙などが挙げられる。
【0069】
本発明の容器は、所定の大きさに打ち抜かれた少なくとも胴部材と底部材からなり、断熱性に優れることから、本発明の製造方法により製造された発泡積層体を少なくとも胴部材に使用することが好ましい。容器を製函する手法は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に制限はない。
【0070】
また、容器を製函する工程の順序は特に限定はないが、生産効率が高いことから、工程(ii)と工程(iii)の間に行われることが好ましい。