特許第6095069号(P6095069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095069
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 4/02 20060101AFI20170306BHJP
   C09J 175/14 20060101ALI20170306BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   C09J4/02
   C09J175/14
   C09J11/06
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-521925(P2014-521925)
(86)(22)【出願日】2012年7月20日
(65)【公表番号】特表2014-523472(P2014-523472A)
(43)【公表日】2014年9月11日
(86)【国際出願番号】CN2012078934
(87)【国際公開番号】WO2013013598
(87)【国際公開日】20130131
【審査請求日】2015年6月22日
(31)【優先権主張番号】201110211101.X
(32)【優先日】2011年7月25日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
(73)【特許権者】
【識別番号】514056229
【氏名又は名称】ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100162710
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 真理奈
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】ル・ダオチャン
(72)【発明者】
【氏名】シャビール・アターワラ
【審査官】 ▲吉▼澤 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−503646(JP,A)
【文献】 特開2000−038547(JP,A)
【文献】 特開2008−069239(JP,A)
【文献】 特表2005−530024(JP,A)
【文献】 特開2006−290957(JP,A)
【文献】 特開平02−296879(JP,A)
【文献】 特表2013−514553(JP,A)
【文献】 特開2004−075940(JP,A)
【文献】 特開2008−069307(JP,A)
【文献】 特表2006−521447(JP,A)
【文献】 特表2005−515274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤組成物の全重量に基づき
(1)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマー40.0〜65.0重量%;
(2)多官能(メタ)アクリレートモノマー0.1〜10.0重量%;
(3)単官能(メタ)アクリレートモノマー15.0〜60.0重量%;
(4)光開始剤0.5〜5.0重量%;
(5)シランカップリング剤0.1〜5.0重量%;および
(6)粘着付与剤、増粘剤、難燃剤、レベリング剤および熱開始剤からなる群の一以上から選択される添加剤0〜5.0重量%、
を含む接着剤組成物であって、
ここで、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは、(メタ)アクリロイルオキシ基の平均官能価が2以下であり、
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは-80℃〜0℃のTgを有し、
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは1000 mPa・s〜190000 mPa・sの25℃でのブルックフィールド粘度を有し、
接着剤組成物の硬化生成物はASTM D1003-2007に従い測定して92%より高い透明度を有する、接着剤組成物
【請求項2】
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは、-60℃〜0℃のTgを有し、および、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは、2000 mPa・s〜150000 mPa・sの25℃でのブルックフィールド粘度を有する、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
単官能(メタ)アクリレートモノマーは、単官能アルキル(メタ)アクリレート、単官能アルケニル(メタ)アクリレートおよび単官能ヘテロシクロ(メタ)アクリレートから選択され、
上記アルキルは、一以上の置換基を有してよい1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であり;
上記アルケニルは、一以上の置換基を有してよい2〜20個の炭素原子を有するアルケニル基であり;および、
上記ヘテロシクロは、一以上の置換基を有してよい、2〜20個の炭素原子を有し、かつ窒素と酸素から選択されるヘテロ原子を有する複素環基であり;
一以上の置換基は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキルオキシ基、6〜20個の炭素原子を有するアリールオキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキルオキシ基、およびヒドロキシルから選択してよい、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
単官能(メタ)アクリレートモノマーは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メチル)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトンアクリレート、モルホリン(メタ)アクリレートおよびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
多官能(メタ)アクリレートモノマーは、多官能アルキル(メタ)アクリレート、多官能アルケニル(メタ)アクリレートおよび多官能ヘテロシクロ(メタ)アクリレートから選択され、
上記アルキルは、一以上の置換基を有してよい1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であり;
上記アルケニルは、一以上の置換基を有してよい2〜20個の炭素原子を有するアルケニル基であり;および、
上記ヘテロシクロは、一以上の置換基を有してよい、2〜20個の炭素原子を有し、かつ窒素と酸素から選択されるヘテロ原子を有する複素環基であり;
一以上の置換基は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキルオキシ基、6〜20個の炭素原子を有するアリールオキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキルオキシ基、およびヒドロキシルから選択してよい、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
多官能(メタ)アクリレートモノマーは、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレートおよびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
単官能(メタ)アクリレートモノマーの量は20.0〜45.0重量%であり、および多官能(メタ)アクリレートモノマーの量は2.0〜8.0重量%である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項8】
光開始剤は、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1-ヒドロキシシクロヘキシルベンゾフェノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、エチル-2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、2-ヒドロキシル-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドおよびそれらの組み合わせから選択され、および光開始剤の量は2.0〜4.0重量%である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の接着剤の硬化生成物。
【請求項10】
生成物は請求項1〜8のいずれかに記載の接着剤をUV放射へ暴露することより得られる、請求項9に記載の硬化生成物。
【請求項11】
請求項9または10に記載の硬化生成物を含むディスプレイ装置。
【請求項12】
ディスプレイ装置における部品を結合または積層するための、請求項1〜8のいずれかに記載の接着剤の使用。
【請求項13】
透過部品を組み立てるための、請求項1〜8のいずれかに記載の接着剤の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野
本発明は、ディスプレイ装置における各種基材を結合するために使用することができる接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
タッチパネルなどのディスプレイ装置の開発に伴い、それらのディスプレイ装置中で使用することができる新しい接着剤が極めて求められている。そのような接着剤は異様々な要求を満たすべきであって、例えば、接着剤は塗布が容易であるべきであり、容易に硬化でき、また、良好な透明度と良好な接着性を有するべきである。現在、タッチパネルに使用される接着剤の多くは接着テープである。しかしながら、接着テープの光学的透明性は良くない。したがって、タッチパネル用の液体接着剤は接着テープを代替するために開発されている。
【0003】
米国2010/0003425 A1は、画像表示単位と光を伝達する保護部材の間に光硬化性樹脂組成をはさむことにより硬化樹脂層を形成する工程を含んでなり、樹脂組成はポリウレタンアクリレート、ポリイソプレンアクリレートおよびテルペン樹脂などから成る群から選択されるポリマーを含む画像表示装置の製造方法を開示する。
【0004】
WO 2010/111316 A2は、表示パネルを有する光学アセンブリ、並びにその製造および分解方法を開示する。WO 2010/111316 A2は、表示パネルおよび本質的に透明な基材を結合する粘着層を用いており、粘着層は多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと単官能(メタ)アクリレートモノマーを含む反応性希釈剤との反応生成物、および油を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0003425号明細書
【特許文献2】国際公開第2010/111316号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の先行技術文献に開示された接着剤は共通の欠陥を有しており、例えば、基材の凸凹表面間の結合硬化は不満足なものであり、透明度は高くなく、あるいは、結合力は十分に強くない。
【0007】
従って、硬化された後に高い透明性および高い結合強度を有し、-40〜70℃の広い温度領域や高湿条件下などの厳しい条件下でさえ接着が失敗しない或いは接着剤組成物中に気泡が生じることがなく、そのため接着剤と最終生産物の性能が改善される接着剤組成物を開発することが必要である。
【0008】
発明の要約
本発明はUV照射によって硬化することができる接着剤組成物を提供するものであって、硬化された接着剤は非常に高い結合強度、非常に高い柔軟性および非常に高い破断時伸びを有し、また、接着剤で接着された部品はエージング条件下でクラックの発生を防ぐ優れた性能を有する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の接着剤組成物は、接着剤組成物の全重量に基づき:
(1)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマー38.0〜75.0重量%;
(2)多官能(メタ)アクリレートモノマー0.1〜10.0重量%;
(3)単官能(メタ)アクリレートモノマー15.0〜60.0重量%;
(4)光開始剤0.5〜5.0重量%;
(5)シランカップリング剤0.1〜5.0重量%;および
(6)任意に、粘着付与剤、増粘剤、難燃剤、レベリング剤および熱開始剤からなる群の一以上から選択される添加剤
を含んでなる。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、本発明の接着剤の硬化生成物、および前記硬化生成物を含んでなるディスプレイ装置に関する。
【0011】
更なる実施形態では、本発明は、ディスプレイ装置中の部品を結合するか積層するための本発明の接着剤の使用、および透過部品を組み立てるための前記接着剤の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な説明
本明細書において使用する専門用語および科学用語はすべて、特記しない限り、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。当業者によって理解される意味が本明細書に定義された意味と矛盾するという場合には、本明細書に定義された意味がその基準として使用されるものとする。
【0013】
本明細書に言及されたパーセンテージ、部、割合その他同種のものはすべて重量に基づく。
【0014】
量、濃度あるいは他の値、もしくはパラメーターを範囲、好ましい範囲あるいは好ましい上限値および好ましい下限値の形で表現する場合、任意の上限値または好適値と任意の下限値または好適値を組み合わせることにより得られる任意の範囲が、得られた範囲が文脈において明確に言及されているかどうかを考慮することなく、具体的に開示されていると理解すべきである。本明細書において言及された数値範囲は、特記しない限り、該範囲の両端値、並びに該範囲に含まれるすべての整数または小数部の両方を含むことを意図する。
【0015】
本発明の接着剤組成物の各成分を以下に記載する。
【0016】
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマー
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは、一以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーである。
【0017】
本明細書において用いる用語「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシとメタクリロイルオキシの両方を指す。
【0018】
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーの平均官能価は2以下である。本明細書において用いる用語「平均官能価」は、オリゴマー1分子当たりの(メタ)アクリロイルオキシ基の平均数を意味する。
【0019】
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは、好ましくは-80℃〜0℃、より好ましくは-60℃〜0℃のガラス転移温度(Tg)を有する。
【0020】
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは、好ましくは1000 mPa・s〜190000 mPa・sの25℃ブルックフィールド粘度を有し、より好ましくは2000 mPa・s〜150000 mPa・sである。
【0021】
本発明の接着剤組成物における(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーの量は、38.0〜75.0重量%、好ましくは40.0〜65.0重量%である。
【0022】
(メタ)アクリレートモノマー
(メタ)アクリレートモノマーは、単官能(メタ)アクリレートモノマーおよび多官能(メタ)アクリレートモノマーを含む。
【0023】
本明細書において用いる用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの両方を指す。
【0024】
単官能(メタ)アクリレートモノマーは、単官能アルキル(メタ)アクリレート、単官能アルケニル(メタ)アクリレート、および単官能ヘテロシクロ(メタ)アクリレートから選択することができ、上記アルキルは、一以上の置換基を有してよい1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であり;上記アルケニルは、一以上の置換基を有してよい2〜20個の炭素原子を有するアルケニル基であり;および、上記ヘテロシクロは、一以上の置換基を有してよい、2〜20個の炭素原子を有し、かつ窒素と酸素から選択されるヘテロ原子を有する複素環基であり;一以上の置換基は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキルオキシ基、6〜20個の炭素原子を有するアリールオキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキルオキシ基、およびヒドロキシルから選択してよい。
【0025】
多官能(メタ)アクリレートモノマーは、多官能アルキル(メタ)アクリレート、多官能性アルケニル(メタ)アクリレートおよび多官能ヘテロシクロ(メタ)アクリレート選択することができ、上記アルキルは、一以上の置換基を有してよい1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であり;上記アルケニルは、一以上の置換基を有してよい2〜20個の炭素原子を有するアルケニル基であり;および、上記ヘテロシクロは、一以上の置換基を有してよい、2〜20個の炭素原子を有し、かつ窒素と酸素から選択されるヘテロ原子を有する複素環基であり;一以上の置換基は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキルオキシ基、6〜20個の炭素原子を有するアリールオキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキルオキシ基、およびヒドロキシルから選択してよい。
【0026】
(メタ)アクリレートモノマーの代表例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトンアクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメタクリート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレートおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0027】
本発明の接着剤組成物では、単官能(メタ)アクリレートモノマーあるいは多官能(メタ)アクリレートモノマーは単独で使用するか、あるいはそれらを任意に組み合わせて使用することができる。
【0028】
本発明の接着剤組成物中の単官能(メタ)アクリレートモノマーの量は、15.0〜60.0重量%、好ましくは20.0〜45.0重量%であり、また、多官能(メタ)アクリレートモノマーの量は、0.1〜10.0重量%、好ましくは、2.0〜8.0重量%である。
【0029】
光開始剤
本発明において光開始剤に関する特別の制限はない。一般に使用される光開始剤は、ベンジルケタール、ヒドロキシケトン、アミノケトンおよびアシルホスフィン過酸化物である。適当な光開始剤としては、限定されるものではないが、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1-ヒドロキシシクロヘキシルベンゾフェノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、エチル-2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、2-ヒドロキシル-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドおよびそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の例では、ヒドロキシケトンおよびアシルホスフィンオキシドの光開始剤は光開始剤として使用される。一以上の開始剤を、本発明の接着剤において使用することができる。
【0030】
本発明の接着剤組成物における光開始剤の量は、0.5〜5.0重量%、好ましくは2.0〜4.0重量%である。
【0031】
シランカップリング剤
シランカップリング剤は、有機基を有する液体のシランであって、1個より多いアルコキシ基が分子の片端でシリコン原子と結合したものある。シランカップリング剤は、無機材料の表面と反応することができる。シランカップリング剤はさらに、樹脂、例えばビニル樹脂、エポキシ樹脂などと、化学的に相互作用し得る分子の他端に反応性基を含む。シランカップリング剤は、塩化白金酸の存在下で反応性基を有する不飽和アルケンへのHSiCl3の触媒付加とその後のアルコール分解によって得ることができる。
【0032】
本発明の接着剤組成物におけるシランカップリング剤の量は、0.1〜5.0重量%、好ましくは2.0〜4.0重量%である。
【0033】
任意の添加剤
本発明の接着剤における任意的な添加剤は、粘着付与剤、増粘剤、難燃剤、レベリング剤および熱開始剤からなる群の一以上から選択される。
【0034】
粘着付与剤は、接着剤と、結合すべき材料の表面との間に生じる最初の結合力を高め、その結合力を強化することができる。粘着付与剤は、ロジン樹脂、Rosin731D(ヘラクレス化学企業社製)などのテルペン樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのゴム、脂肪アルコール、例えばポリエーテルポリオールのような樹脂であってよい。
【0035】
増粘剤は、接着剤系の粘度を改善し、レオロジーの挙動を調節し、接着剤系を濃厚化することができる。増粘剤はヒュームドシリカ、ゴム、セルロースなどから選択してよい。
【0036】
難燃剤は、接着剤が点火しないように維持でき、あるいは火炎の伝播を遅くして、煙を効果的に抑制することができる。難燃剤は、ジメチルメチルホスホナート(例えばMultiChem社製のFyrol DMMP)、ポリエーテルポリオールホスファイト、リン酸トリフェニル、環式ホスフェートなどのハロゲン不含のホスフェートであり得る。
【0037】
レベリング剤は、液体を基材上に被覆する際に、平らで、滑らかで、むらのない状態を達成するのに役立つ。レベリング剤は、ポリアクリレート、アルキルポリシロキサン、例えばBYK378(BYK(TONGLING)社製)であってよい。
【0038】
熱開始剤(有機過酸化物)は、熱的に開始される硬化を達成することができる。有機過酸化物は、ジ(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカルボナートなどのペルオキシ(ジ)カーボネート、ジラウロイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルヘキサンなどのジアルキルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシベンゾアートなどのペルオキシエステルであってよい。本発明の接着剤では、1以上のペルオキシド熱開始剤を使用することができる。本発明では、エステル過酸化物およびアルキル過酸化物が熱硬化を達成するために採用される。
【0039】
本発明の接着剤組成物は、ディスプレイ装置における様々な部位のような各種基材を結合し又は積層するために、特に透過部品を組み立て、又は透明基材を結合しあるいは積層するために、および透明基材および不透明基材を結合し又は積層するために、使用することができる。例えば、透明基材はガラスまたは透明プラスチック基材などであり、不透明基材は金属、不透明なプラスチック、セラミック、石、革あるいは木製基材である。最も好ましくは、本発明の接着剤はガラス基材を積層するために、もしくは2つのガラス基材を結合するために使用される。
【実施例】
【0040】
実施例
本発明を実施例によって以下に詳細に記載する。しかしながら、本発明の保護範囲はこれらの実施例に限定されない。
【0041】
実施例において使用する材料
- (メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマー1-1:
Genomer 4188/EHA(Rahn AG社製)、平均官能価:1、25℃でのブルックフィールド粘度:100000〜140000mPa・s、Tg= -17℃;
【0042】
- (メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマー1-2:
CN 9021(Sartomer社製)、平均官能価:2、25℃でのブルックフィールド粘度:32000 mPa・s、Tg = -54℃;
【0043】
- 多官能アクリレートモノマー2:
ペンタエリトリトールテトラアクリレート(多官能性)(Sartomer社製)
【0044】
- 単官能アクリレートモノマー3-1:
ヒドロキシプロピルメタクリレート(Sigma-Aldrich社製)
【0045】
- 単官能アクリレートモノマー3-2:
2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート(Sartomer社製)
【0046】
- 光開始剤4-1:
2-ヒドロキシル-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン(BASF社製)
【0047】
- 光開始剤4-2:
ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド(BASF社製)
【0048】
- シランカップリング剤5:
Z-6011(Dow Corning社製);
【0049】
- 熱開始剤6:
1,1-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルヘキサン(J&K Scientific社製)。
【0050】
実施例において使用される他の化合物は、すべて市販で入手可能な化学純剤である。
【0051】
試験方法と条件:
・UV硬化の試験:ガラスとPCの間の接着剤組成物を、照射パワー100mW/cm2のUV光源によって室温にて200nm〜400nmの波長で照射する。
【0052】
・熱硬化の試験:光から離して、ガラスとPCの間の接着剤組成物をオーブン(80℃、1時間)中で熱的に硬化する。
【0053】
・熱衝撃の試験:接着剤をガラス/PMMA上に置き、通常の熱衝撃装置によって-40〜70℃の高温および低温でそれぞれ1時間、熱衝撃を施し、サイクル時間は240時間である。
【0054】
・高湿下でのエージング試験:高湿条件(60℃&90%RH、240時間、ガラス/PMMA)
【0055】
・結合強度を測定する試験:この試験は、十分に硬化した接着剤によって2つの基材に付与された結合強度の特徴を明らかにすることを目的とするものである。硬化厚みは、一般に、実際的な要件に従って100μmとなるようにコントロールする。基材はガラス板、ポリエステル板あるいはアクリル板であり得る。測定装置は万能引張試験機であり得る。結合強度測定は、万能引張試験機を使用して表面に垂直な方向に2つのプレートを引っ張ることにより、挿入されたサンプルに対して行なう。強度(単位: MPa)は、2つのプレートを引っ張るために要する力を2つのプレートの接触エリアによって割ることにより計算される。本発明では、ガラス板とPMMA板との間の接着剤組成物を100mW/cm2のUVA光度を有するUV光を30秒間照射することによって硬化した後に、接着剤組成物の結合強度を測定する。
【0056】
・透明度の試験:硬化された接着剤の透明度は、UV分光光度計によって測定する。接着剤の硬化厚みは、2つのガラス板によって100μmとなるようにコントロールする。試験方法はASTM D1003-2007に従う。ガラス板とガラス板との間の接着剤組成物を100mW/cm2のUVA光度を有するUV光を30秒間照射することによって硬化した後に、接着剤組成物の透明度を測定する。
【0057】
・破断伸びの試験:試験方法はASTM D638に従い、クランプの移動速度は50mm/分である。
【0058】
実施例1
接着剤組成物1を以下の組成物および方法によって調製する。
【0059】
【0060】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0061】
配合方法
上記の成分(合計100g)の各々を容量150gのプラスチックバレル中に計量し、FlackTech社製のSpeedMixerTMミキサーを使用して、2000〜2400rpmの高速で4分間分散する。以上によって、接着剤組成物1を得る。
【0062】
得られた接着剤組成物1をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することはできない。熱衝撃の試験において気泡は生じず、高湿下でのエージング試験でクラックは生じなかった。結合強度: >1.0MPa、透明度: >92%、破断伸び: 300%。
【0063】
実施例2
接着剤組成物2を、以下の組成物と実施例1の配合方法によって調製する。
【0064】
【0065】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0066】
得られた接着剤組成物2をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することができる。熱衝撃の試験において気泡は生じず、高湿下でのエージング試験でクラックは生じなかった。結合強度: >1.0MPa、透明度: >92%、破断伸び: 800%。
【0067】
実施例3
接着剤組成物3を、以下の組成物と実施例1の配合方法によって調製する。
【0068】
【0069】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0070】
得られた接着剤組成物3をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することはできない。熱衝撃の試験において気泡は生じず、高湿下でのエージング試験でクラックは生じなかった。結合強度: >1.0MPa、透明度: >92%、破断伸び: 800%。
【0071】
実施例4
接着剤組成物4を、以下の組成物と実施例1の配合方法によって調製する。
【0072】
【0073】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0074】
得られた接着剤組成物4をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することはできない。熱衝撃の試験において気泡は生じず、高湿下でのエージング試験でクラックは生じなかった。結合強度: >0.8MPa、透明度: >92%、破断伸び: 400%。
【0075】
実施例5
接着剤組成物5を、以下の組成物と実施例1の配合方法によって調製する。
【0076】
【0077】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0078】
得られた接着剤組成物5をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することができる。熱衝撃の試験において気泡は生じず、高湿下でのエージング試験でクラックは生じなかった。結合強度: >1.2MPa、透明度: >92%、破断伸び: 800%。
【0079】
比較例1
比較用接着剤組成物1を、以下の組成物と実施例1の方法によって調製する。
【0080】
【0081】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0082】
得られた比較用接着剤組成物1をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することができる。熱衝撃の試験において気泡は生じ、高湿下でのエージング試験でクラックは生じなかった。結合強度: >1.0MPa、透明度: >92%、破断伸び: 70%。
【0083】
上記結果は、成分1-1が35.0の重量%である場合、エージングによって部分的に不都合が生じる可能性があり、破断伸びは70パーセントまで著しく低下したことを示している。
【0084】
比較例2
比較用接着剤組成物2を、以下の組成物と実施例1の方法によって調製する。
【0085】
【0086】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0087】
得られた比較用接着剤組成物2をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することができる。熱衝撃の試験において気泡は生じ、高湿下でのエージング試験で僅かにクラックを生じた。結合強度: >0.8MPa、透明度: >92%、破断伸び: 800%。
【0088】
上記結果は、シランカップリング剤を添加しなかった場合、エージングによって部分的に不都合が生じる可能性があることを示している。
【0089】
比較例3
比較用接着剤組成物3を、以下の組成物と実施例1の方法によって調製する。
【0090】
【0091】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0092】
得られた比較用接着剤組成物3をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することができる。熱衝撃の試験において気泡は生じ、高湿下でのエージング試験で僅かにクラックを生じた。結合強度: >1.0MPa、透明度: >92%、破断伸び: 800%。
本明細書の当初の開示は、少なくとも下記の態様を包含する。
〔1〕接着剤組成物の全重量に基づき
(1)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマー38.0〜75.0重量%;
(2)多官能(メタ)アクリレートモノマー0.1〜10.0重量%;
(3)単官能(メタ)アクリレートモノマー15.0〜60.0重量%;
(4)光開始剤0.5〜5.0重量%;
(5)シランカップリング剤0.1〜5.0重量%;および
(6)粘着付与剤、増粘剤、難燃剤、レベリング剤および熱開始剤からなる群の一以上から選択される添加剤0〜5.0重量%、
を含む接着剤組成物。
〔2〕 (メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは、(メタ)アクリロイルオキシ基の平均官能価が2以下である、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔3〕(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは-80℃〜0℃、好ましくは、-60℃〜0℃のTgを有し、および、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは1000 mPa・s〜190000 mPa・s、好ましくは、2000 mPa・s〜150000 mPa・sの25℃でのブルックフィールド粘度を有する、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔4〕 (メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーの量は40.0〜65.0重量%である、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔5〕単官能(メタ)アクリレートモノマーは、単官能アルキル(メタ)アクリレート、単官能アルケニル(メタ)アクリレートおよび単官能ヘテロシクロ(メタ)アクリレートから選択され、
上記アルキルは、一以上の置換基を有してよい1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であり;
上記アルケニルは、一以上の置換基を有してよい2〜20個の炭素原子を有するアルケニル基であり;および、
上記ヘテロシクロは、一以上の置換基を有してよい、2〜20個の炭素原子を有し、かつ窒素と酸素から選択されるヘテロ原子を有する複素環基であり;
一以上の置換基は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキルオキシ基、6〜20個の炭素原子を有するアリールオキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキルオキシ基、およびヒドロキシルから選択してよい、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔6〕単官能(メタ)アクリレートモノマーは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メチル)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトンアクリレート、モルホリン(メタ)アクリレートおよびそれらの組み合わせから選択される、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔7〕多官能(メタ)アクリレートモノマーは、多官能アルキル(メタ)アクリレート、多官能アルケニル(メタ)アクリレートおよび多官能ヘテロシクロ(メタ)アクリレートから選択され、
上記アルキルは、一以上の置換基を有してよい1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であり;
上記アルケニルは、一以上の置換基を有してよい2〜20個の炭素原子を有するアルケニル基であり;および、
上記ヘテロシクロは、一以上の置換基を有してよい、2〜20個の炭素原子を有し、かつ窒素と酸素から選択されるヘテロ原子を有する複素環基であり;
一以上の置換基は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキルオキシ基、6〜20個の炭素原子を有するアリールオキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキルオキシ基、およびヒドロキシルから選択してよい、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔8〕多官能(メタ)アクリレートモノマーは、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレートおよびそれらの組み合わせから選択される、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔9〕単官能(メタ)アクリレートモノマーの量は20.0〜45.0重量%であり、および多官能(メタ)アクリレートモノマーの量は2.0〜8.0重量%である、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔10〕光開始剤は、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1-ヒドロキシシクロヘキシルベンゾフェノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、エチル-2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、2-ヒドロキシル-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドおよびそれらの組み合わせから選択され、および光開始剤の量は2.0〜4.0重量%である、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔11〕前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の接着剤の硬化生成物。
〔12〕生成物は前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の接着剤をUV放射へ暴露することより得られる、前記〔11〕に記載の硬化生成物。
〔13〕前記〔11〕または〔12〕に記載の硬化生成物を含むディスプレイ装置。
〔14〕ディスプレイ装置における部品を結合または積層するための、前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の接着剤の使用。
〔15〕透過部品を組み立てるための、前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の接着剤の使用。