【実施例】
【0040】
実施例
本発明を実施例によって以下に詳細に記載する。しかしながら、本発明の保護範囲はこれらの実施例に限定されない。
【0041】
実施例において使用する材料
- (メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマー1-1:
Genomer 4188/EHA(Rahn AG社製)、平均官能価:1、25℃でのブルックフィールド粘度:100000〜140000mPa・s、Tg= -17℃;
【0042】
- (メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマー1-2:
CN 9021(Sartomer社製)、平均官能価:2、25℃でのブルックフィールド粘度:32000 mPa・s、Tg = -54℃;
【0043】
- 多官能アクリレートモノマー2:
ペンタエリトリトールテトラアクリレート(多官能性)(Sartomer社製)
【0044】
- 単官能アクリレートモノマー3-1:
ヒドロキシプロピルメタクリレート(Sigma-Aldrich社製)
【0045】
- 単官能アクリレートモノマー3-2:
2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート(Sartomer社製)
【0046】
- 光開始剤4-1:
2-ヒドロキシル-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン(BASF社製)
【0047】
- 光開始剤4-2:
ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド(BASF社製)
【0048】
- シランカップリング剤5:
Z-6011(Dow Corning社製);
【0049】
- 熱開始剤6:
1,1-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルヘキサン(J&K Scientific社製)。
【0050】
実施例において使用される他の化合物は、すべて市販で入手可能な化学純剤である。
【0051】
試験方法と条件:
・UV硬化の試験:ガラスとPCの間の接着剤組成物を、照射パワー100mW/cm
2のUV光源によって室温にて200nm〜400nmの波長で照射する。
【0052】
・熱硬化の試験:光から離して、ガラスとPCの間の接着剤組成物をオーブン(80℃、1時間)中で熱的に硬化する。
【0053】
・熱衝撃の試験:接着剤をガラス/PMMA上に置き、通常の熱衝撃装置によって-40〜70℃の高温および低温でそれぞれ1時間、熱衝撃を施し、サイクル時間は240時間である。
【0054】
・高湿下でのエージング試験:高湿条件(60℃&90%RH、240時間、ガラス/PMMA)
【0055】
・結合強度を測定する試験:この試験は、十分に硬化した接着剤によって2つの基材に付与された結合強度の特徴を明らかにすることを目的とするものである。硬化厚みは、一般に、実際的な要件に従って100μmとなるようにコントロールする。基材はガラス板、ポリエステル板あるいはアクリル板であり得る。測定装置は万能引張試験機であり得る。結合強度測定は、万能引張試験機を使用して表面に垂直な方向に2つのプレートを引っ張ることにより、挿入されたサンプルに対して行なう。強度(単位: MPa)は、2つのプレートを引っ張るために要する力を2つのプレートの接触エリアによって割ることにより計算される。本発明では、ガラス板とPMMA板との間の接着剤組成物を100mW/cm
2のUVA光度を有するUV光を30秒間照射することによって硬化した後に、接着剤組成物の結合強度を測定する。
【0056】
・透明度の試験:硬化された接着剤の透明度は、UV分光光度計によって測定する。接着剤の硬化厚みは、2つのガラス板によって100μmとなるようにコントロールする。試験方法はASTM D1003-2007に従う。ガラス板とガラス板との間の接着剤組成物を100mW/cm
2のUVA光度を有するUV光を30秒間照射することによって硬化した後に、接着剤組成物の透明度を測定する。
【0057】
・破断伸びの試験:試験方法はASTM D638に従い、クランプの移動速度は50mm/分である。
【0058】
実施例1
接着剤組成物1を以下の組成物および方法によって調製する。
【0059】
【0060】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0061】
配合方法
上記の成分(合計100g)の各々を容量150gのプラスチックバレル中に計量し、FlackTech社製のSpeedMixer
TMミキサーを使用して、2000〜2400rpmの高速で4分間分散する。以上によって、接着剤組成物1を得る。
【0062】
得られた接着剤組成物1をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することはできない。熱衝撃の試験において気泡は生じず、高湿下でのエージング試験でクラックは生じなかった。結合強度: >1.0MPa、透明度: >92%、破断伸び: 300%。
【0063】
実施例2
接着剤組成物2を、以下の組成物と実施例1の配合方法によって調製する。
【0064】
【0065】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0066】
得られた接着剤組成物2をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することができる。熱衝撃の試験において気泡は生じず、高湿下でのエージング試験でクラックは生じなかった。結合強度: >1.0MPa、透明度: >92%、破断伸び: 800%。
【0067】
実施例3
接着剤組成物3を、以下の組成物と実施例1の配合方法によって調製する。
【0068】
【0069】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0070】
得られた接着剤組成物3をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することはできない。熱衝撃の試験において気泡は生じず、高湿下でのエージング試験でクラックは生じなかった。結合強度: >1.0MPa、透明度: >92%、破断伸び: 800%。
【0071】
実施例4
接着剤組成物4を、以下の組成物と実施例1の配合方法によって調製する。
【0072】
【0073】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0074】
得られた接着剤組成物4をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することはできない。熱衝撃の試験において気泡は生じず、高湿下でのエージング試験でクラックは生じなかった。結合強度: >0.8MPa、透明度: >92%、破断伸び: 400%。
【0075】
実施例5
接着剤組成物5を、以下の組成物と実施例1の配合方法によって調製する。
【0076】
【0077】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0078】
得られた接着剤組成物5をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することができる。熱衝撃の試験において気泡は生じず、高湿下でのエージング試験でクラックは生じなかった。結合強度: >1.2MPa、透明度: >92%、破断伸び: 800%。
【0079】
比較例1
比較用接着剤組成物1を、以下の組成物と実施例1の方法によって調製する。
【0080】
【0081】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0082】
得られた比較用接着剤組成物1をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することができる。熱衝撃の試験において気泡は生じ、高湿下でのエージング試験でクラックは生じなかった。結合強度: >1.0MPa、透明度: >92%、破断伸び: 70%。
【0083】
上記結果は、成分1-1が35.0の重量%である場合、エージングによって部分的に不都合が生じる可能性があり、破断伸びは70パーセントまで著しく低下したことを示している。
【0084】
比較例2
比較用接着剤組成物2を、以下の組成物と実施例1の方法によって調製する。
【0085】
【0086】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0087】
得られた比較用接着剤組成物2をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することができる。熱衝撃の試験において気泡は生じ、高湿下でのエージング試験で僅かにクラックを生じた。結合強度: >0.8MPa、透明度: >92%、破断伸び: 800%。
【0088】
上記結果は、シランカップリング剤を添加しなかった場合、エージングによって部分的に不都合が生じる可能性があることを示している。
【0089】
比較例3
比較用接着剤組成物3を、以下の組成物と実施例1の方法によって調製する。
【0090】
【0091】
各成分のパーセントは、接着剤組成物の全重量に基づく重量パーセントである。
【0092】
得られた比較用接着剤組成物3をUV硬化の試験において30秒以内で硬化したところ、熱硬化の試験で硬化することができる。熱衝撃の試験において気泡は生じ、高湿下でのエージング試験で僅かにクラックを生じた。結合強度: >1.0MPa、透明度: >92%、破断伸び: 800%。
本明細書の当初の開示は、少なくとも下記の態様を包含する。
〔1〕接着剤組成物の全重量に基づき
(1)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマー38.0〜75.0重量%;
(2)多官能(メタ)アクリレートモノマー0.1〜10.0重量%;
(3)単官能(メタ)アクリレートモノマー15.0〜60.0重量%;
(4)光開始剤0.5〜5.0重量%;
(5)シランカップリング剤0.1〜5.0重量%;および
(6)粘着付与剤、増粘剤、難燃剤、レベリング剤および熱開始剤からなる群の一以上から選択される添加剤0〜5.0重量%、
を含む接着剤組成物。
〔2〕 (メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは、(メタ)アクリロイルオキシ基の平均官能価が2以下である、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔3〕(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは-80℃〜0℃、好ましくは、-60℃〜0℃のTgを有し、および、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは1000 mPa・s〜190000 mPa・s、好ましくは、2000 mPa・s〜150000 mPa・sの25℃でのブルックフィールド粘度を有する、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔4〕 (メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーの量は40.0〜65.0重量%である、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔5〕単官能(メタ)アクリレートモノマーは、単官能アルキル(メタ)アクリレート、単官能アルケニル(メタ)アクリレートおよび単官能ヘテロシクロ(メタ)アクリレートから選択され、
上記アルキルは、一以上の置換基を有してよい1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であり;
上記アルケニルは、一以上の置換基を有してよい2〜20個の炭素原子を有するアルケニル基であり;および、
上記ヘテロシクロは、一以上の置換基を有してよい、2〜20個の炭素原子を有し、かつ窒素と酸素から選択されるヘテロ原子を有する複素環基であり;
一以上の置換基は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキルオキシ基、6〜20個の炭素原子を有するアリールオキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキルオキシ基、およびヒドロキシルから選択してよい、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔6〕単官能(メタ)アクリレートモノマーは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メチル)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトンアクリレート、モルホリン(メタ)アクリレートおよびそれらの組み合わせから選択される、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔7〕多官能(メタ)アクリレートモノマーは、多官能アルキル(メタ)アクリレート、多官能アルケニル(メタ)アクリレートおよび多官能ヘテロシクロ(メタ)アクリレートから選択され、
上記アルキルは、一以上の置換基を有してよい1〜20個の炭素原子を有するアルキル基であり;
上記アルケニルは、一以上の置換基を有してよい2〜20個の炭素原子を有するアルケニル基であり;および、
上記ヘテロシクロは、一以上の置換基を有してよい、2〜20個の炭素原子を有し、かつ窒素と酸素から選択されるヘテロ原子を有する複素環基であり;
一以上の置換基は1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキルオキシ基、6〜20個の炭素原子を有するアリールオキシ基、3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキルオキシ基、およびヒドロキシルから選択してよい、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔8〕多官能(メタ)アクリレートモノマーは、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレートおよびそれらの組み合わせから選択される、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔9〕単官能(メタ)アクリレートモノマーの量は20.0〜45.0重量%であり、および多官能(メタ)アクリレートモノマーの量は2.0〜8.0重量%である、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔10〕光開始剤は、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1-ヒドロキシシクロヘキシルベンゾフェノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、エチル-2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、2-ヒドロキシル-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドおよびそれらの組み合わせから選択され、および光開始剤の量は2.0〜4.0重量%である、前記〔1〕に記載の接着剤組成物。
〔11〕前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の接着剤の硬化生成物。
〔12〕生成物は前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の接着剤をUV放射へ暴露することより得られる、前記〔11〕に記載の硬化生成物。
〔13〕前記〔11〕または〔12〕に記載の硬化生成物を含むディスプレイ装置。
〔14〕ディスプレイ装置における部品を結合または積層するための、前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の接着剤の使用。
〔15〕透過部品を組み立てるための、前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の接着剤の使用。