特許第6095108号(P6095108)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095108
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】圧力測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/24 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   G01L1/24 Z
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-22590(P2013-22590)
(22)【出願日】2013年2月7日
(65)【公開番号】特開2014-153169(P2014-153169A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年11月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
(72)【発明者】
【氏名】西川 宏志
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−033331(JP,A)
【文献】 特開2009−121833(JP,A)
【文献】 特開平07−035702(JP,A)
【文献】 特開2005−285085(JP,A)
【文献】 特開2008−241383(JP,A)
【文献】 特開平07−035629(JP,A)
【文献】 特開平05−040088(JP,A)
【文献】 特開2001−228034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/00, 1/24
G01L 5/00
G01L 11/02
G01N 21/17
G01B 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と第1単色干渉フィルタと第1偏光フィルタとビームスプリッタの順に配置されて特定の波長帯の光を発する光源部と、
第2単色干渉フィルタと該第2単色干渉フィルタに付与した1/2位相板層と不透明接触体の順に配置され、加えられた圧力によって前記第2単色干渉フィルタの光透過特性が可逆的に変化する接触部と、
前記ビームスプリッタと第2偏光フィルタとカメラの順に配置されて前記接触部で反射した光を計測して前記圧力を測定する測定部と、
からなることを特徴とする圧力測定装置。
【請求項2】
請求項1において、前記1/2位相板層の前記不透明接触体側に光反射層を付与したことを特徴とする圧力測定装置。
【請求項3】
光源と第1単色干渉フィルタと第1偏光フィルタの順に配置されて特定の波長帯の光を発する光源部と、
第2単色干渉フィルタと該第2単色干渉フィルタに付与した1/2位相板層と光反射層と不透明接触体の順に配置され、加えられた圧力によって前記第2単色干渉フィルタの光透過特性が可逆的に変化する接触部と、
第2偏光フィルタとカメラの順に配置されて前記接触部で反射した光を計測して前記圧力を測定する測定部と、
からなるとともに、前記光源部から前記接触部への光の入射角が90度以下であることを特徴とする圧力測定装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力測定装置に関する。よりくわしく言えば、たとえば、転がり軸受や歯車などの機械部品の接触部などに生じる圧力を測定することが可能な圧力測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機械要素などの接触部の圧力測定に関して、たとえば、
1 接触部表面に形成した感圧素子による測定法(非特許文献1)
2 接触部に感圧塗料を塗布することや感圧紙を挟み込むことで、その発色から圧力を測定する方法(特許文献1、非特許文献2)
3 接触部に油膜がある場合において、油分子のラマンシフト、赤外線分光特性のシフトなどから圧力を測定する方法(非特許文献3、非特許文献4)
4 半透過膜・透過膜・反射膜の3層による干渉光の波長計測から変形量を求め圧力を測定する方法(非特許文献5)
などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−24395号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Influence of surface roughness on pressure distribution and film thickness in EHL−contacts、B.−R.Hoehn、K.Michaelis、O.Kreil、Tribology International、Volume 39、Issue 12、December Pages 1719−1725(2006)
【非特許文献2】富士フイルムビジネスサプライ株式会社 圧力測定フィルム(商品名プレスケール)ホームページ http://fujifilm.JP/business/material/prescale/index.html
【非特許文献3】In situ pressure measurements in dimpled elastohydrodynamic sliding contacts by Raman microspectroscopy、K.Yagi、P.Vergne、t.Nakahara、Tribology International vol.42、No.5、pp.724−730(2009)
【非特許文献4】In−contact IR spectroscopy of hydrocarbon lubricants、Cann、PM、Spikes、HA、TRIBOLOGY LETTERS、Vol.19、No.4、pp.289−297、2005
【非特許文献5】Measurement of Pressure Distribution in EHL Development of Method andApplication to Dry Static Contacts、P.M.Cann、H.A.Spikes、Tribology Trans、Vol.48、No.4、pp.474−483(2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に開示されている感圧素子を用いる方法には、感圧素子により表面に凹凸ができ、その影響で圧力に誤差が生じる、また、感圧素子の大きさにより2次元分解能が制限され細かい分布が計測できない等の問題があった。また、特許文献1、非特許文献2に開示されている従来技術である感圧塗料や感圧紙を用いる方法には、感圧塗料や感圧紙の厚みや変形により正確な圧力が測定できない、時間とともに変動する圧力の測定が困難である、歯車や軸受など機械要素において油膜等が介在する場合の圧力の測定が困難である等の問題があった。非特許文献3、非特許文献4に述べられている油分子のラマンシフト、赤外線分光特性のシフトを利用する方法には、圧力に対する感度が低い、測定がスポットで行われるために分布を得るにはスキャンする必要があり、また、ラマンシフト利用の場合、潤滑油が特殊なものに限定され一般の潤滑油に適用できない等の問題があった。非特許文献5に開示されている半透過膜・透過膜・反射膜の3層による干渉から、透明膜の変形量を求めて圧力を測定する方法には圧力に対する感度が低いという問題があった。
本発明は上記の問題点や制約に鑑みてなされたものであり、本発明により、マイクロメータオーダの高い2次元分解能で正確にMPa〜GPa台の高圧接触部の圧力分布とその時間変化を計測可能とする測定装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明は、特定の波長帯の光を発する光源部と、圧力によって光透過特性が可逆的に変化する単色干渉フィルタに圧力Pが加わる接触部と、接触部を透過し圧力Pによって変化した光を計測することによって圧力Pを測定する測定部で構成されていることを特徴とする圧力測定装置を構成する。すなわち、圧力によって単色干渉フィルタの干渉膜が弾性変形し、膜の厚さが変わるために光の波長に対する透過特性が変化し、測定部で得られる光量が変化することから圧力を求めることができる。さらに、光学的に測定できるため、光学系倍率を適切に選択することで測定対象を広い範囲から顕微鏡的な微小な範囲まで変えることができる。
【0007】
また、第2の発明は、該光源部が光源、特定の波長帯の光を透過させる単色干渉フィルタの順に配置された構成で、該接触部が透明接触体、圧力によって光透過特性が可逆的に変化する該単色干渉フィルタの順に配置された構成で、該測定部がカメラのみの構成であることを特徴とする圧力測定装置を構成する。
【0008】
また、第3の発明は、該接触部の該透明接触体が透明流体であることを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第4の発明は、該光源部が光源のみで構成され、該接触部が透明接触体、圧力によって光透過特性が可逆的に変化する該単色干渉フィルタの順に配置された構成で、該測定部が該単色干渉フィルタと該カメラの順に配置された構成であることを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第5の発明は、該光源部が特定の波長帯の光を発する光源のみの構成で、該接触部が透明接触体、圧力によって光透過特性が可逆的に変化する該単色干渉フィルタの順に配置された構成で、該測定部がカメラのみの構成であることを特徴とする圧力測定装置を構成する。
【0009】
また、第6の発明は、該光源部が光源、単色干渉フィルタ、偏光フィルタ、ビームスプリッタの順に配置された構成で、該接触部が単色干渉フィルタ、該単色干渉フィルタに付与した1/2位相板層、不透明接触体の順に配置された構成で、該測定部がビームスプリッタ、偏光フィルタ、カメラの順に配置された構成であることを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第7の発明は、該接触部の該単色干渉フィルタに付与した1/2位相板層の該不透明接触体側に光反射層を付与したことを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第8の発明は、前記光源部は光源、単色干渉フィルタ、偏光フィルタの順に配置されて構成され、前記接触部は単色干渉フィルタ、該単色干渉フィルタに付与した1/2位相板層、不透明接触体の順に配置されて構成され、前記測定部が偏光フィルタ、カメラの順に配置されて構成され、前記1/2位相板層の不透明接触体側に光反射層が付与され、前記光源部から前記接触部への光の入射角が90度以下であることを特徴とする圧力測定装置を構成する。
【0010】
また、第9の発明は、該光源部が光源、単色干渉フィルタ、ビームスプリッタの順に配置された構成で、該接触部が単色干渉フィルタ、不透明接触体の順に配置された構成で、該測定部がビームスプリッタ、カメラの順に配置された構成であることを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第10の発明は、該接触部の該単色干渉フィルタの該不透明接触体側に光反射層を付与したことを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第11の発明は、前記光源部が光源、単色干渉フィルタの順に配置されて構成され、前記接触部が単色干渉フィルタ、不透明接触体の順に配置されて構成され、前記測定部がカメラからなり、前記単色干渉フィルタの不透明接触体側に光反射層が付与され、前記光源部から前記接触部への光の入射角が90度以下であることを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第12の発明は、該単色干渉フィルタの組合せを、ショートパスフィルタとロングパスフィルタの組合せ、または、単色フィルタとロングパスフィルタの組合せ、または、単色フィルタとショートパスフィルタの組合せ、または、ある波長帯のみをブロックするブロックフィルタとショートパスフィルタの組合せ、または、ブロックフィルタとロングパスフィルタの組合せなど、光の透過領域が重なる組合せとし、あるいは単色光源を使用する場合においては光源の出射光波長と各種フィルタの透過領域が重なる組合せとし、かつ、少なくとも接触部を構成するフィルタを干渉フィルタとするように配置したことを特徴とする圧力測定装置を構成する。
【0011】
また、第13の発明は、該光源部が光源、単色干渉フィルタ、ビームスプリッタの順に配置された構成で、該接触部が単色干渉フィルタ、透明接触体の順に配置された構成で、該測定部がビームスプリッタ、カメラの順に配置された構成であり、圧力Pによって変化した単色干渉フィルタでの反射光を計測することによって圧力Pを測定することを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第14の発明は、該光源部が光源、単色干渉フィルタ、ビームスプリッタの順に配置された構成で、該接触部が透明体・半透過層・透明層・反射層からなる干渉発生板、透明接触体の順に配置された構成で、該測定部がビームスプリッタ、カメラの順に配置された構成であり、透明層の厚みが圧力Pによって変化し、干渉発生板での干渉状態が変化することによる光量の変化を計測することによって圧力Pを測定することを特徴とする圧力測定装置を構成する。
また、第15の発明は、該測定部に顕微鏡等の拡大光学系を用いることを特徴とした圧力測定装置を構成する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施により、高い精度で2次元圧力分布の測定が可能となる。
測定に用いる単色干渉フィルタは、表面が平滑であるため、非特許文献1で問題であった感圧素子の厚みにより表面に凹凸ができることに起因する圧力の誤差がなく、光量の分布をカメラでとらえるため、光学系に顕微鏡を使用することでマイクロメータオーダでの精細な2次元圧力分布計測が可能であり、感圧素子の大きさに起因する分解能の問題も解消される。
また、特許文献1、非特許文献2のように感圧塗料や感圧紙を挟む必要がないため、介在物による圧力の誤差などがなく正確な圧力を求めることが可能であり、さらに、画像を取り込むことで測定可能であるため、高速撮影可能なカメラを使用することで圧力分布の高速な時間変化をとらえることができる。また、油膜などが介在する場合の計測も可能である。
本発明の単色干渉フィルタの変形による圧力の検出は、用いる単色干渉フィルタの特性を選択することで、圧力に対する感度や測定範囲も広範囲に設定可能であり、単色干渉フィルタの波長に対する透過率の変化を急峻にすることで、圧力に対する感度を高く選定することができるため、非特許文献3、非特許文献4で問題であった感度不足を解消でき、介在する潤滑油の種類の影響も受けず、あらゆる潤滑油に対して適用できる。また、単色干渉フィルタの波長に対する透過率の変化を急峻にすることで、非特許文献5で問題であった圧力に対する感度不足を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の装置概念を説明する図である。
図2】圧力によるフィルタの透過特性の変化を説明する図である。
図3】圧力による画像の変化の実例である。
図4】圧力と光量の変化の例を説明する図である。
図5】本発明の実施例1を説明する図である。
図6】本発明の実施例2を説明する図である。
図7】本発明の実施例3を説明する図である。
図8】本発明の実施例4を説明する図である。
図9】本発明の実施例5を説明する図である。
図10】本発明の実施例6を説明する図である。
図11】本発明の実施例7を説明する図である。
図12】本発明の実施例8を説明する図である。
図13】本発明の実施例9を説明する図である。
図14】本発明の実施例10を説明する図である。
図15】本発明の実施例11を説明する図である。
図16】本発明の実施例12を説明する図である。
図17】本発明の実施例13を説明する図である。
図18】本発明の実施例14を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、単色干渉フィルタ膜部に対して圧力が加わることでフィルタの光の波長に対する透過特性である分光特性が変化し、変形のないフィルタの分光特性との差が生じることを利用している。図1に示すように、特定の波長帯の光を発する光源部01から出た光は、接触部02を透過し、測定部03で捉えられる。このとき、単色干渉フィルタ4の波長に対する透過率が接触圧力により、図2に例示するように変化する。すなわち、圧力が加わることにより透過光のスペクトルが短波長側へシフトする。図3は測定例の画像を示しており、圧力の大きい場合の光量が減少していることが分かる。図4は、圧力と光量の関係を例示したものである。すなわち、接触圧力が大きく膜の変形の大きい部分ほど光の透過特性の変化が大きく、測定部に至る光量がより減少するなどの変化をすることになる。
【0015】
本発明では、光源部から出る光の分光特性とフィルタの分光特性を選択することにより感度や測定圧力範囲を広範囲に設定できる。狭い透過波長幅を持つフィルタを用いれば高感度にでき、広い透過波長幅を持つフィルタは、広範囲な圧力の測定が可能である。また、光源部と接触部のフィルタの分光特性の選択により、圧力が高いと光量が減少する構成、その逆の構成が可能である。
本発明には、図1に示すように単色フィルタとして単色干渉フィルタ4を用いる。単色干渉フィルタは透明体4aと多層干渉層4bで構成されている。多層干渉層に対して圧力が加わることで膜の厚さが弾性変形し、フィルタの分光特性が変化することを利用する。多層干渉層を構成する膜としては、誘電体膜、金属膜などを使うことが可能である。誘電体膜材料としては、酸化シリコン(SiO2)、酸化チタン(TiO2、TiO3、TiO5)、ニオブ(Nb2O5)、タンタル(Ta2O5)、フッ化マグネシウム(MgF2)、酸化ハフニウム(HfO2)、ジルコニア(ZrO2)、酸化亜鉛(ZnO)などを用いることができる。金属膜材料としては、Al、Au、Pt、Cr、Ti、Ni、Mo、Cu、Agなどを用いることができる。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
【実施例1】
【0016】
図5は、本発明の第1の実施例である圧力計測装置を説明する図である。図において、光源部は、光源1と単色干渉フィルタA2で構成され、接触部は、透明接触体3と単色干渉フィルタB4で構成され、測定部は、カメラ5で構成される。
光源1からの光は、単色干渉フィルタA2によってある分布特性を持つ単色光となる。光は、透明接触体3に入射し、透明接触体3と単色干渉フィルタB4の接触部に至る。単色干渉フィルタB4の多層干渉層4bは接触部分の接触圧力により圧縮され変形しているために、単色干渉フィルタB4の透過特性は、非接触時に単色干渉フィルタA2と同一であった特性から図2に例示するように変化している。このとき、接触している各部分により圧力が異なることによりそれぞれの部分でフィルタの透過特性が異なる。よってカメラ5で得られる画像は各部で明るさが変化し、図3に例示するように圧力の高い部分ほど暗くなる。この明るさの分布に対して、各部の光量と圧力との関係を図4に例示したようにあらかじめ校正しておき、この関係を適用することで測定された光量分布から圧力分布を求めることができた。すなわち、ヘルツの接触圧力(GPa、kgf/mm2等)は、荷重、2面の形状、弾性係数などから計算で求まるので、たとえば、平面と球面を用いると、静的に荷重をかけた状態での圧力分布を計算により求めることができる。この状態において、発明の構成によって求めた光の強度分布を調べることで、図4のような圧力と光量の校正曲線を作成し、接触状態で計測された画像の各点の光量から圧力値の分布を求めることができた。
【0017】
本装置は、広い面積の圧力分布計測も可能であるが、カメラ5の光学系として顕微鏡などを用いることで、ミクロンオーダの分解能で圧力測定が可能である。さらに、高速度カメラを使用することで短時間に変化する圧力分布を捉えることが可能である。また、カメラ5のかわりにある面積の光量を検出するセンサを使用することもできる(このことは本実施例以外のすべての実施例においても適用できる)。さらに、本実施例は、透明接触体3と単色干渉フィルタB4の間に油膜や表面凹凸がある場合や、透明接触体3と単色干渉フィルタB4間に相対運動が存在する場合にも測定が可能である。
図5では、単色干渉フィルタB4を平面とし、透明接触体3の接触面を球面としているが、実際の機械要素などの圧力分布測定に適用する場合には、接触部と等価な接触を外部に再現することで実機の圧力分布を模擬した測定が可能である。すなわち、接触する部品の接触部のモデルを透明体で作り、本発明の構成(図1)の3、4のように配置し観察する、あるいは、接触を構成する一方を平面とし、もう一方に両物体表面形状が合成された曲率を持つ等価な曲面を作り、本発明の構成(図1)の3、4のように配置し、観察することで測定を行う。ただし、一方の接触表面に単色干渉フィルタ層を形成することが必要となる。また、片方は透明体でなくとも以下の実施例の中で示すように測定の実施が可能である。接触面それぞれの運動を再現することで、介在する油膜などの影響を受ける場合の圧力分布計測も可能となる。
実際に、たとえば、転がり球軸受の場合は、外輪と転動体である球の接触を再現するには、転動体の転がり方向と回転軸方向の曲率を、外輪と球それぞれについて合成することで片方を平面とすることができる。同様に歯車の場合も可能である。自動車などに使われているCVTにいては、現在主流となっているベルト式CVTでは、プーリとエレメント(ベルトについているコマ)の接触状態を再現することで本発明による圧力分布測定が可能であり、チェーン式もチェーンのピンとプーリの接触を再現することで同様に可能である。また、トロイダル式CVTは転がり軸受と同様な接触状態であるので、軸受と同様な方法で可能である。
【実施例2】
【0018】
図6は、本発明の第2の実施例である圧力計測装置を説明する図である。この例は、実施例1において該光源と該接触部との間にあった該単色干渉フィルタAを該接触部と該カメラの間に移したものである。実施例1と同様にカメラ5で得られる画像は圧力に応じて明るさが変化し、あらかじめ校正しておいた関係を適用することで圧力分布を求めることができた。
【実施例3】
【0019】
図7は、本発明の第3の実施例である圧力計測装置を説明する図である。本実施例は該光源部に単色光源6のみを用い、実施例1、2で用いた該単色干渉フィルタA2を使用しない構成としたものである。単色光源6としては、レーザー光源、LED光源、放電などを利用した多色光源とフィルタの組合せたものを用いることができる。本実施例においても実施例1と同様に、得られる画像より圧力分布を求めることができた。また、他の実施例においても光源とフィルタの組合せのかわりに単色光源を用いることができる。
【実施例4】
【0020】
図8は、本発明の第4の実施例である圧力計測装置を説明する図である。光源部は光源1、単色干渉フィルタA2、偏光フィルタ7、ビームスプリッタ9で構成され、接触部は単色干渉フィルタB4、単色干渉フィルタに付与した1/2位相板層11、不透明接触体10で構成され、測定部はビームスプリッタ9、偏光フィルタ8、カメラ5で構成される。本実施例では、ビームスプリッタ9を使用して単色干渉フィルタB4側から不透明接触体10の表面へ光を導くことを特徴としている。
光源1の光は、単色干渉フィルタA2、偏光フィルタ7、ビームスプリッタ9、単色干渉フィルタB4、1/2位相板層11を通り、不透明接触体10で反射する。この反射光は、1/2位相板層11、単色干渉フィルタB4、ビームスプリッタ9、偏光フィルタ8を通り、カメラ5へ取り込まれ、得られた画像から接触圧力を測定することができる。
【実施例5】
【0021】
図9は、本発明の第5の実施例である圧力計測装置を説明する図である。本実施例は、実施例4において、該接触部を構成する該単色干渉フィルタB4の下面に反射層12を付加したものであり、該不透明接触体10の反射率や表面形状、潤滑油13などの存在に影響を受けることなく圧力分布を測定可能とするものである。接触体の表面状態に影響されずに測定可能であり、さらに機械要素などにおける潤滑油などの介在物がある場合には、介在物による圧力に対する影響を測定することができる。介在するものとしては潤滑油等のほか、水などの各種流体、あるいは摩耗粉、各種粒子などの異物などもあり得る。また、不透明接触物体10の表面凹凸による圧力への影響を測定することや、接触部を構成する不透明接触物体10や単色干渉フィルタB4の接触面に平行方向あるいは垂直方向などの運動による表面の圧力分布への影響を測定することもなども可能である。
【実施例6】
【0022】
図10は、本発明の第6の実施例である圧力計測装置を説明する図である。本実施例は、実施例5において、該光源部側から該接触部への光の入射角を90度以下とすることで該ビームスプリッタ9を使用しない構成としたものである。
【実施例7】
【0023】
図11は、本発明の第7の実施例である圧力計測装置を説明する図である。本実施例は、実施例4において、該単色干渉フィルタB4の多層干渉層に関して特定波長帯付近の光の反射が無いものを使用することで、偏光フィルタ7、1/2位相板層11、偏光フィルタ8を用いない構成としたものである。
【実施例8】
【0024】
図12は、本発明の第8の実施例である圧力計測装置を説明する図である。本実施例は、実施例5において、該単色干渉フィルタB4の多層干渉層に関して特定波長帯付近の光の反射が無いものを使用することで、偏光フィルタ7、1/2位相板層11、偏光フィルタ8を用いない構成としたものである。
【実施例9】
【0025】
図13は、本発明の第9の実施例である圧力計測装置を説明する図である。本実施例は、実施例6において、該単色干渉フィルタB4の多層干渉層に関して特定波長帯付近の光の反射が無いものを使用することで、偏光フィルタ7、1/2位相板層11、偏光フィルタ8を用いない構成としたものである。
【実施例10】
【0026】
図14は、本発明の第10の実施例である圧力計測装置を説明する図である。本実施例は、接触部が流体(透明接触体3)と単色干渉フィルタB4で構成される。
図14において圧力導入口17から容器18に導入された圧力は、単色干渉フィルタB4を変形させる。光源1からの光は、単色干渉フィルタA2を通過し単色光となり、透明窓19、単色干渉フィルタB4を通過し、カメラ5に入射する。得られた画像より容器内の圧力を計測することが可能である。本実施例でも、カメラ5のかわりに光量を計測できるセンサとする構成も可能である。
【実施例11】
【0027】
図15は、本発明の第11の実施例である圧力計測装置を説明する図である。本実施例は、単色干渉フィルタB4の多層干渉層を容器18の外部に設けたものであり、容器壁の静圧あるいは、流体の衝突などによって発生する圧力Pの計測が可能である。
【実施例12】
【0028】
図16は、本発明の第12の実施例である圧力計測装置を説明する図である。本実施例は、実施例1において、該単色干渉フィルタA2をロングパスフィルタ15で、該単色干渉フィルタB4をショートパスフィルタ(干渉フィルタ)16で置き換えた構成としたものである。両フィルタの透過波長領域が重なる組み合わせにしておき、接触圧力によりショートパスフィルタ(干渉フィルタ)16の光の透過特性が変化するためカメラ5で得られる画像の明るさが変化し、光量と圧力との関係をあらかじめ校正しておくことで圧力を求めることができる。
フィルタの組み合わせは、ショートパスフィルタとロングパスフィルタの組み合わせ、または、単色フィルタとロングパスフィルタの組み合わせ、または、単色フィルタとショートパスフィルタの組み合わせ、または、ある波長帯のみをブロックするブロックフィルタとショートパスフィルタの組み合わせ、または、ブロックフィルタとロングパスフィルタの組み合わせなど、光の透過領域が重なる、または近接した組み合わせとし、かつ、少なくとも接触部を構成するフィルタを干渉フィルタとする。また、ある特定の波長帯の光を発する光源を使用することで光源部のフィルタを用いない構成も可能である。
【実施例13】
【0029】
図17は、本発明の第13の実施例である圧力計測装置を説明する図である。本実施例は、単色干渉フィルタ4の波長に対する光の反射特性が圧力Pによって変化することを利用する。すなわち接触部の圧力による単色干渉フィルタA4からの光の反射をカメラ5で測定することで接触圧力を計測する。このとき、単色干渉フィルタA4を透過した光は、透明接触体3を透過し、カメラ5には入射しない。同様に、単色干渉フィルタA4の透明接触体3側に光を吸収する層を付与することや、透明接触体3のかわりに光を吸収する接触体を使用することも可能である。
【実施例14】
【0030】
図18は、本発明の第14の実施例である圧力計測装置を説明する図である。図において、光源部は、光源1と単色干渉フィルタA2、ビームスプリッタ9で構成され、接触部は、不透明接触体10と干渉発生板14で構成され、測定部は、ビームスプリッタ9、カメラ5で構成される。
光源1からの光は、単色干渉フィルタA2によってある分布特性を持つ単色光となる。光は、干渉発生板14の透明体14aに入射し、半透過層14bを透過する。このとき、光の一部、たとえば25%が反射するようにしておく。透過した光は、透明層14cを透過して反射層14dで反射する。この2カ所からの反射光が干渉によって強め合う波長が、単色干渉フィルタA2による単色光の波長と同程度になるように透明層14cの厚さを設定しておく。
接触圧力によって透明層14cが圧縮されることによって2つの反射光による干渉状態が変化し、カメラ5で得られる画像の明るさが変化する。これを利用して接触圧力を計測することが可能である。
【符号の説明】
【0031】
01 光源部
02 接触部
03 測定部
1 光源
2 単色干渉フィルタA
2a 透明体
2b 多層干渉層
3 透明接触体
4 単色干渉フィルタB
4a 透明体
4b 多層干渉層
5 カメラ
6 単色光光源
7 偏光フィルタA
8 偏光フィルタB
9 ビームスプリッタ
10 不透明接触体
11 反射層
12 1/2位相板層
13 潤滑油
14 干渉発生板
14a 透明体
14b 半透過層
14c 透明層
14d 反射層
15 ロングパスフィルタ
16 ショートパスフィルタ(干渉フィルタ)
17 圧力導入口
18 容器
19 透明窓

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18