特許第6095325号(P6095325)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095325
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】バンプ付きデバイスウェーハの加工方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20170306BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   H01L21/304 622J
   H01L21/304 631
   H01L21/78 F
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-237642(P2012-237642)
(22)【出願日】2012年10月29日
(65)【公開番号】特開2013-183157(P2013-183157A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2015年9月17日
(31)【優先権主張番号】13/410,794
(32)【優先日】2012年3月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】デヴィン マーティン
(72)【発明者】
【氏名】マーク ブラウン
【審査官】 梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−43824(JP,A)
【文献】 実開平5−30132(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に形成された交差する複数の分割予定ラインで区画された各領域にそれぞれデバイスが形成されたデバイス領域と該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを備え、該デバイスは複数のバンプを有するバンプ付きデバイスウェーハの加工方法であって、
該デバイスウェーハの該デバイス領域に対応する領域に形成された該バンプの高さに相当する深さを有した凹部と、該デバイスウェーハの該外周余剰領域に対応し該凹部を囲繞する環状凸部と、を備え、該環状凸部上面に環状溝が形成された該デバイスウェーハの表面が支持されるキャリアウェーハを準備するキャリアウェーハ準備ステップと、
該キャリアウェーハの該環状溝に該環状凸部上面から突出するよう接着剤を配設する接着剤配設ステップと、
該接着剤配設ステップを実施した後、該キャリアウェーハの表面と該デバイスウェーハの表面を貼り合せ該接着剤で該デバイスウェーハを該キャリアウェーハに固定するとともに該キャリアウェーハの該凹部に該バンプを収容する、ウェーハ貼り合せステップと、
該ウェーハ貼り合せステップを実施した後、該デバイスウェーハの裏面側を研削、又は、研磨して所定厚みへと薄化する薄化ステップと、
該薄化ステップを実施した後、該キャリアウェーハの該環状溝の内周と該凹部の外周との間の領域に対応する該デバイスウェーハの部位に対し切削ブレードで切り込み、該デバイスウェーハの該デバイス領域を該キャリアウェーハから切り離す、切り離しステップと、を備え、
該環状溝に配設される該接着剤の量は、該接着剤が該環状溝からあふれ出ない量に設定されることを特徴とするバンプ付きデバイスウェーハの加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスウェーハの加工方法に関し、より詳しくは、薄化された半導体デバイスウェーハのハンドリングを容易にする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスウェーハや、光デバイスウェーハ等の複数のデバイスを表面に有するウェーハの加工では、例えば、ウェーハの厚みを50μm以下とするように、ウェーハの裏面を研削する薄化が行われる。
【0003】
ウェーハの厚みが50μm以下となるようなものでは、より厚いものと比較して、ハンドリング(取り扱い)が非常に難しくなる。例えば、ウェーハの外周に欠けが生じたり、剛性が著しく低下するという問題が生じる。
【0004】
そこで、ガラスや、シリコンからなるキャリアウェーハ(サポートウェーハ、サポートプレートとも称される)の上に、ウェーハの表面(デバイス面)を接着剤等で貼着した状態として、ウェーハの裏面研削を施す技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−207606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、半導体ウェーハの表面に複数のバンプが形成されるバンプ付きデバイスウェーハでは、バンプにより形成される凹凸部位に接着剤が入り込んでしまい、ウェーハをキャリアウェーハから剥離した後に、この微細な凹凸に入り込んだ接着剤を完全に除去するのは非常に難しいという問題がある。そして、残留した接着剤により、デバイス不良が生じることが懸念される。
【0007】
他方、バンプ付きデバイスウェーハでは、デバイスが形成されるデバイス領域と、デバイスが形成されない外周余剰領域が構成されるが、外周余剰領域にはバンプが形成されないため、デバイス領域と外周余剰領域とでは上面高さ(デバイスウェーハの裏面を基準とした高さ)が異なることになる。
【0008】
このため、保持テーブルでウェーハを保持し、ウェーハの裏面を研削して薄化をする際において、仮に、外周余剰領域を下側から保持しなければ、外周余剰領域が保持テーブルから浮いたままとなるため、ウェーハが破損することが懸念される。
【0009】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バンプ付きデバイスウェーハでも破損させることなく薄化加工することができ、かつ、バンプにより形成される凹凸部部位への接着剤の付着によるデバイス不良を生じさせることのない、バンプ付きデバイスウェーハの加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明によると、表面に形成された交差する複数の分割予定ラインで区画された各領域にそれぞれデバイスが形成されたデバイス領域とデバイス領域を囲繞する外周余剰領域とを備え、デバイスは複数のバンプを有するバンプ付きデバイスウェーハの加工方法であって、デバイスウェーハのデバイス領域に対応する領域に形成されたバンプの高さに相当する深さを有した凹部と、デバイスウェーハの外周余剰領域に対応し凹部を囲繞する環状凸部と、を備え、環状凸部上面に環状溝が形成されたデバイスウェーハの表面が支持されるキャリアウェーハを準備するキャリアウェーハ準備ステップと、キャリアウェーハの環状溝に環状凸部上面から突出するよう接着剤を配設する接着剤配設ステップと、接着剤配設ステップを実施した後、キャリアウェーハの表面とデバイスウェーハの表面を貼り合せ接着剤でデバイスウェーハをキャリアウェーハに固定するとともにキャリアウェーハの凹部にバンプを収容する、ウェーハ貼り合せステップと、ウェーハ貼り合せステップを実施した後、デバイスウェーハの裏面側を研削、又は、研磨して所定厚みへと薄化する薄化ステップと、薄化ステップを実施した後、キャリアウェーハの環状溝の内周と凹部の外周との間の領域に対応するデバイスウェーハの部位に対し切削ブレードで切り込み、デバイスウェーハのデバイス領域をキャリアウェーハから切り離す、切り離しステップと、を備え、環状溝に配設される接着剤の量は、接着剤が環状溝からあふれ出ない量に設定されることを特徴とするバンプ付きデバイスウェーハの加工方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、デバイスウェーハの外周余剰領域に対応した領域のみが、接着剤を介してキャリアウェーハに貼着されるため、デバイスやバンプには接着剤が付着することがなく、接着剤除去の必要性や、接着剤残留によるデバイス不良といった不具合が生じない。
【0013】
更に、デバイスウェーハのデバイス領域に対応するキャリアウェーハの中央領域には凹部が形成されるため、デバイスウェーハの裏面を研削して薄化する際には、バンプは凹部に収容されるとともに、外周余剰領域は、キャリアウェーハの環状凸部に支持されることになり、デバイスウェーハの破損を防止できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ウェーハの斜視図である。
図2】ウェーハ貼り合わせステップを説明する斜視図である。
図3】凹部を形成したキャリアウェーハの断面図である。
図4】環状溝を形成したキャリアウェーハの断面図である。
図5】切削装置の外観の斜視図である。
図6】切削装置による環状溝の形成について示す斜視図である。
図7】切削装置による環状溝の形成について示す一部断面側面図である。
図8】接着剤配設ステップを実施した後のキャリアウェーハの断面図である。
図9】ウェーハ貼り合わせステップを説明する断面図である。
図10】貼り合わされたウェーハとキャリアウェーハの断面図である。
図11】薄化ステップを示す斜視図である。
図12】薄化ステップ後のキャリアウェーハに貼り合わされたウェーハの断面図である。
図13】切り離しステップを説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1に示したデバイスウェーハ11(以下、単に「ウェーハ11」とも記載される)は、例えば厚さが700μmのシリコンウェーハからなっており、表面11aに複数の分割予定ライン(ストリート)13が格子状に形成されているとともに、該複数の分割予定ライン13によって区画された複数の領域にそれぞれデバイス15が形成されている。
【0016】
このように構成されたウェーハ11は、デバイス15が形成されているデバイス領域17と、デバイス領域17を囲繞する外周余剰領域19を備えている。ウェーハ11の外周にはシリコンウェーハの結晶方位を示すマークとしてのノッチ12が形成されている。
【0017】
そして、図1の拡大図に示すように、各デバイス15の4辺には複数の突起状(ボール状)のバンプ52が形成されている。このバンプ52は、デバイス15の表面から突出するように配置されており、これにより、デバイス領域17の上面高さが、外周余剰領域19の上面高さよりも高くなる。
【0018】
以上のように、本発明において加工の対象となるウェーハ11は、表面に形成された交差する複数の分割予定ライン13で区画された各領域にそれぞれデバイス15が形成されたデバイス領域17とデバイス領域17を囲繞する外周余剰領域19とを備え、デバイス15は複数のバンプ52を有するバンプ付きデバイスウェーハとして構成される。
【0019】
そして、本発明のデバイスウェーハの加工方法では、後に説明する薄化ステップにおいて、例えば、50μm以下に薄化されるウェーハ11の欠けや、剛性低下による不具合発生を防止するために、図2に示すようなキャリアウェーハ61を準備するキャリアウェーハ準備ステップが実施される。
【0020】
キャリアウェーハ61は円盤状の部材にて構成され、裏返されたウェーハ11の表面11aを支持するためのものである。
【0021】
キャリアウェーハ61は、例えば、シリコン、ガラス、セラミックス、金属(例えばステンレス)、合成樹脂などの材料により形成され、後に説明する薄化ステップにおいて、例えば50μm以下に薄化されたウェーハ11でも安定的に支持できるように構成される。
【0022】
キャリアウェーハ61には、図3に示すように、デバイスウェーハ11のデバイス領域17に対応する領域に形成されたバンプの高さH(図9参照)に相当する深さを有した凹部67が形成される。この凹部67は、キャリアウェーハ61のセンター部分、及びその周囲を、図示せぬ旋削装置にて旋削することで形成することができる。
【0023】
そして、凹部67が形成されることによって、デバイスウェーハ11の外周余剰領域19に対応し凹部67を囲繞する環状凸部62が形成される。
【0024】
さらに、図4に示すように、このように形成された環状凸部62の上面に溝加工を施すことにより、環状溝63が形成される。この環状溝63は、例えば、図5に示される切削装置30を用いることで行うことができる。
【0025】
この切削装置30は、回転可能且つX軸方向に往復動可能に構成されるチャックテーブル31と、Y軸方向及びZ軸方向に往復動可能に構成される切削ユニット32を備えている。
【0026】
切削ユニット32は、図6に示されるようにスピンドル34の先端に装着された切削ブレード36を備え、切削ブレード36は図示せぬモータにて矢印A方向に高速で回転する。一方、チャックテーブル31は、キャリアウェーハ61を吸引保持し、図示せぬモータにて矢印B方向に回転する。
【0027】
そして、図7に示すように、切削ブレード36を環状凸部62の位置において下方に移動させ、切削ブレード36をキャリアウェーハ61の表面61aに到達させるとともに、チャックテーブル31を少なくとも一回転させる。これにより、環状凸部62において、環状に連続する環状溝63が形成される。
【0028】
また、図5に示される切削装置30は、撮像ユニット35を備えるアライメント機構37や、撮像ユニット35によって取得された画像を表示するための表示モニタ38や、オペレータが必要な情報を入力するための操作パネル39が設けられ、図1に示す分割予定ライン13に沿ったウェーハ11の切削加工も行える構成としている。
【0029】
なお、本実施形態では、環状凸部62に設ける凹部の形態として、図5に示される切削装置30を利用して環状溝63を形成することとしたが、このほかにも、例えば、エッチングや別形態の装置などを用いることにより、環状凸部62に有底の縦穴部を複数箇所に形成する形態なども考えられる。このように、凹部の具体的な形態については、本実施形態に限定されるものではない。
【0030】
以上のようにして、デバイスウェーハ11のデバイス領域17に対応する領域に形成されたバンプの高さに相当する深さを有した凹部67と、デバイスウェーハ11の外周余剰領域19に対応し凹部67を囲繞する環状凸部62と、を備え、環状凸部62上面に環状溝63が形成されたデバイスウェーハ11の表面が支持されるキャリアウェーハ61を準備するキャリアウェーハ準備ステップが実施される。
【0031】
以上のようにして、キャリアウェーハ準備ステップが実施され、その後に、図8に示すように、キャリアウェーハ61の環状溝63に環状凸部62から突出するように接着剤64を環状溝63に配設する接着剤配設ステップが実施される。
【0032】
接着剤64は、キャリアウェーハ61の素材に応じて適宜選定されるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ接着剤などの熱硬化性樹脂を使用することが考えられる。また、接着剤64は塗布により環状溝63に配設する形態とするほか、予め円環状に構成されたものを環状溝63に挿入するなどして配設することも考えられ、具体的な手法については、特に限定されるものではない。
【0033】
なお、接着剤配設ステップにおいて、環状溝63に配設される接着剤64の量は、後述するウェーハ貼り合わせステップを実施した際、つまりは、図10に示す状態において、接着剤64がデバイスウェーハ11のデバイス領域17に到達しない量に設定されることが好ましい。換言すれば、接着剤64がデバイスウェーハ11の外周余剰領域19(あるいはキャリア余剰領域69)に納まる量に設定されることが好ましい。さらに好ましくは、接着剤64が環状溝63からあふれ出ない量に設定されることが好ましい。
【0034】
このような接着剤64の量の設定によれば、デバイス領域17まで接着剤64が到達することが防がれ、デバイス15やバンプ52への接着剤64の付着を防ぐことができる。換言すれば、接着剤64を外周余剰領域19(あるいはキャリア余剰領域69)に留めることが可能となるのである。なお、接着剤64の量が、環状溝63からあふれ出ない量に設定されることによれば、デバイス15への接着剤64の付着を確実に防ぐことが可能となる。
【0035】
以上のようにして、接着剤64の上端部が、キャリアウェーハ61の環状凸部62から突出するように、環状溝63内に接着剤64が配設される。これにより、図9に示すように、ウェーハ11を裏返し、表面11aをキャリアウェーハ61の表面61aに近づけた際には、まずはウェーハ11の外周余剰領域19が、キャリアウェーハ61の環状凸部62から突出する接着剤64に対して接触することになる。そして、図10に示すように、接着剤64を介してウェーハ11の外周余剰領域19とキャリアウェーハ61の環状凸部62が結合される。
【0036】
さらに、この際、キャリアウェーハ61の凹部67には、デバイスウェーハ11の表面11aから突出するバンプ52,52が収容される。ここで、凹部67には接着剤が存在しないため、バンプ52,52やデバイス15の表面に接着剤が付着することはない。
【0037】
以上のようにして、接着剤配設ステップを実施した後、キャリアウェーハ61の表面61aとデバイスウェーハ11の表面11aを貼り合せ接着剤64でデバイスウェーハ11をキャリアウェーハ61に固定するとともにキャリアウェーハ61の凹部67にバンプ52を収容する、ウェーハ貼り合せステップが実施され、図10に示される状態となる。
【0038】
以上のようにウェーハ貼り合わせステップが実施された後に、キャリアウェーハ61と一体になったデバイスウェーハ11の裏面11b側を研削、又は、研磨して所定厚みへと薄化する薄化ステップを実施する。
【0039】
この薄化ステップは、図11に示される研削装置2を用いて行うことができる。スピンドル22の先端部にはホイールマウント24が固定されており、このホイールマウント24には研削ホイール26が螺子27で装着されている。研削ホイール26は、環状基台28の自由端部に例えば粒径4〜6μmのダイアモンド砥粒をビトリファイドボンドやレジンボンド等で固めた複数の研削砥石29が固着されて構成されている。
【0040】
そして、この薄化ステップにおいては、デバイスウェーハ11は剛性を呈するキャリアウェーハ61に支持された状態で研削されるため、例えば、反りの発生やウェーハ11の外周部に欠けが発生するなどといった不具合の発生を防止することが可能となる。なお、薄化ステップによる研削によって生じた研削歪を除去するために、薄化ステップの後にウェーハ11の裏面に研磨を施すこととしてもよい。
【0041】
さらに、デバイスウェーハ11の外周余剰領域19が環状凸部62によって下側から保持されるため、外周余剰領域19が浮いた状態となることはない。これにより、外周余剰領域19が保持されないことを起因とするデバイスウェーハ11の破損を防止できる。
【0042】
以上のようにして、図12に示すように、所定の厚さとなるまでデバイスウェーハ11の裏面11bが薄化される。薄化されたデバイスウェーハ11はキャリアウェーハ61と一体とされているため、キャリアウェーハ61からデバイスウェーハ11を切り離す切り離しステップが実施される。
【0043】
この切り離しステップでは、図13に示すように、上述したキャリアウェーハ準備ステップにおける環状溝63の形成と同様に、切削ユニット32を用いた加工が行われる。
【0044】
具体的には、切り離しステップでは、薄化ステップを実施した後、キャリアウェーハ61の環状溝63の内周と凹部67の外周との間の領域68に対応するデバイスウェーハ11の部位11cに対し切削ブレード36で切り込み、デバイスウェーハ11のデバイス領域17をキャリアウェーハ61から切り離すことが行われる。
【0045】
これにより、デバイスウェーハ11においては、切削ブレード36で切り込みがなされる部位11cを境としてデバイス領域17を含む内側の部位と、デバイス領域17を含まない外側の部位に分断され、デバイス領域17を含む内側の部位をキャリアウェーハ61から切り離すことができる。
【0046】
そして、キャリアウェーハ61から切り離されたデバイスウェーハ11においては、バンプ52やデバイス15について接着剤が付着していることがないため、接着剤にともなうデバイス不良が発生することがない。
【0047】
以上のようにして、キャリアウェーハ61から分離されたデバイスウェーハ11は、切削装置やレーザ加工装置を用いることにより、分割予定ライン13(図1参照)に沿って個々のデバイス15(図1参照)に分割される。
【符号の説明】
【0048】
2 研削装置
11 デバイスウェーハ
11a 表面
11b 裏面
12 ノッチ
15 デバイス
17 デバイス領域
19 外周余剰領域
52 バンプ
61 キャリアウェーハ
61a 表面
62 環状凸部
63 環状溝
64 接着剤
67 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13