特許第6095405号(P6095405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095405
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】アラインメント方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20170306BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   H01L21/68 F
   H01L21/30 506H
   H01L21/30 506G
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-30482(P2013-30482)
(22)【出願日】2013年2月19日
(65)【公開番号】特開2014-160744(P2014-160744A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2015年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】100102875
【弁理士】
【氏名又は名称】石島 茂男
(74)【代理人】
【識別番号】100106666
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 英樹
(72)【発明者】
【氏名】木村 孔
(72)【発明者】
【氏名】中尾 裕利
(72)【発明者】
【氏名】柴 智志
【審査官】 宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−072115(JP,A)
【文献】 特開2012−089723(JP,A)
【文献】 特開2010−067705(JP,A)
【文献】 特開2009−194147(JP,A)
【文献】 特開2008−059757(JP,A)
【文献】 特開2012−140671(JP,A)
【文献】 特開2004−027291(JP,A)
【文献】 特開2007−207632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工マスクのマスクアラインメントマークと加工対象物の基板アラインメントマークとを同じ撮像装置で一緒に撮像し、撮像結果を得たときの前記加工マスクと前記加工対象物の相対位置と、前記加工マスクと前記加工対象物とが位置合わせがされたときの相対位置との間の誤差を求め、水平移動装置によって前記加工マスクと前記加工対象物のいずれか一方又は両方を移動させて前記誤差を小さくするアラインメント方法であって、
離間した前記加工マスクと前記加工対象物との間の離間距離を短くする近接移動を行いながら、
前記撮像装置を動作させて前記撮像結果を得る撮像工程と、
前記撮像結果から前記誤差を求める誤差検出工程と、
前記水平移動装置により、前記誤差を小さくするように、前記加工マスクと前記加工対象物とを相対移動させる移動工程と、を繰り返し行うアラインメント方法であり、
前記マスクアラインメントマークには、対角場所に位置する二個のマスクアラインメントマークを含ませ、前記基板アラインメントマークには、前記対角場所に位置する二個の前記基板アラインメントマークを含ませておき、
前記誤差検出工程は、前記対角場所の一方に位置する前記マスクアラインメントマークの画像中心と前記基板アラインメントマークの画像中心とのいずれか一方の中心を始点とし、他方の中心を終点とした第一の撮像ベクトルと、前記対角場所の他方に位置する前記マスクアラインメントマークの画像中心と前記基板アラインメントマークの画像中心とのいずれか一方の中心を始点とし、他方の中心を終点とした第二の撮像ベクトルとを求め、
前記移動工程は、前記第一、第二の撮像ベクトルが前記マスクアラインメントマークの中心を結んだ対角線と平行であり、かつ互いの大きさが等しく向きが反対になるように前記加工マスクと前記加工対象物とを相対移動させるアラインメント方法。
【請求項2】
前記加工マスクと前記加工対象物の垂下した部分とが接触した状態で、前記加工マスクと前記加工対象物とが離間した部分に前記近接移動をさせながら、前記撮像工程と、前記誤差検出工程と、前記移動工程とを繰り返し行う請求項記載のアラインメント方法。
【請求項3】
前記誤差検出工程が行われた後、前記移動工程が行われる前に、相対速度を設定する速度設定工程が設けられ、前記速度設定工程では、直前の前記誤差検出工程で求めた前記誤差が、予め設定された主許容誤差量以下のときは前記相対速度はゼロに設定され、前記誤差量が前記主許容誤差量よりも大きいときは、前記相対速度は所定の値に設定され、
前記移動工程は、前記相対速度の前記相対移動を開始させる請求項又は請求項のいずれか1項記載のアラインメント方法。
【請求項4】
前記マスクアラインメントマーク及び前記基板アラインメントマークのいずれか一方のマークは輪郭線に角部を有する形状で、他方のマークは角部の無い円形であって、
前記撮像装置は前記輪郭線に角部を有する形状を有するマークに合焦される請求項1乃至3のいずれか1項記載のアラインメント方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアラインメント技術に関し、特に、アラインメント時間を短くする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程や液晶表示装置製造工程等の微細加工を必要とする技術分野に於いて、パターニングされた薄膜を形成するために、加工対象物上に一旦薄膜を形成し、その薄膜をレジストとフォトマスクを使用してエッチングしてパターニングするフォトリソグラフ工程が行われている。
【0003】
しかしながら、エッチングのために用いる化学物質や、レジストを剥離するための化学物質は、パターニング対象の有機薄膜や、パターニング対象の薄膜が有機薄膜上に形成されている場合には、有機薄膜にダメージを与えるため、フォトリソグラフ工程を採用することができない。
【0004】
そこで成膜工程の前に、成膜対象物上にパターニングされた貫通孔を有する加工マスクを配置し、貫通孔を通過した薄膜材料の微粒子を成膜対象物の表面に到達させ、成膜対象物表面上に貫通孔のパターンに従った薄膜を形成する技術が用いられている。
【0005】
この貫通孔を有する加工マスクを使用する工程についても、フォトリソグラフ工程の場合と同様に、加工マスクと成膜対象物との位置合わせを行い、予め定められている相対的な位置に加工マスクと成膜対象物とを置いた状態で、成膜材料微粒子に貫通孔を通過させる必要があり、位置合わせを行うためには、加工マスクと成膜対象物とを離間させた状態で、加工マスクのアラインメントマークと成膜対象物のアラインメントマークとを撮像して、加工マスクと成膜対象物との間の位置誤差を検出し、求めた誤差がゼロになる距離と方向に、加工マスクと成膜対象物とを相対移動させていた。
【0006】
しかしながら、位置の誤差がゼロになるはずの距離と方向に相対移動させても、移動後に加工マスクと成膜対象物とのアラインメントマークを撮像すると、誤差がゼロになっておらず、むしろ、再度アラインメントを行わなければならない程の大きな誤差が検出される。
【0007】
これは、加工マスクと成膜対象物とを相対移動させる移動装置が有する機械的誤差に主として起因しており、再度検出された誤差がゼロになる距離と方向に相対移動させて誤差を検出すると、誤差は未だ大きいことが普通であり、誤差検出と相対移動を多数回数行わなければ所望精度の位置合わせを行うことができない。
【0008】
相対移動と誤差検出とを多数回数行うと、アラインメントに要する時間が長くなるし、基板と加工マスクとが離間した状態で位置合わせが行われても、基板と加工マスクとを接近させ、基板と加工マスクとを密着させようとすると、接近中に誤差が発生し、正確に位置合わせした状態で密着させることができない。
【0009】
本願発明は、上記従来技術の問題点を解決するために創作されたものであり、短時間で高精度に基板と加工マスクとを接近させることができる技術を提供することにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−306761号公報
【特許文献2】特開2011−231384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、基板と加工マスクとを接近させた後も、位置合わせ精度の高いアラインメント方法、アラインメント装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、加工マスクのマスクアラインメントマークと加工対象物の基板アラインメントマークとを同じ撮像装置で一緒に撮像し、撮像結果を得たときの前記加工マスクと前記加工対象物の相対位置と、前記加工マスクと前記加工対象物とが位置合わせがされたときの相対位置との間の誤差を求め、水平移動装置によって前記加工マスクと前記加工対象物のいずれか一方又は両方を移動させて前記誤差を小さくするアラインメント方法であって、離間した前記加工マスクと前記加工対象物との間の離間距離を短くする近接移動を行いながら、前記撮像装置を動作させて前記撮像結果を得る撮像工程と、前記撮像結果から前記誤差を求める誤差検出工程と、前記水平移動装置により、前記誤差を小さくするように、前記加工マスクと前記加工対象物とを相対移動させる移動工程と、を繰り返し行うアラインメント方法であり、前記マスクアラインメントマークには、対角場所に位置する二個のマスクアラインメントマークを含ませ、前記基板アラインメントマークには、前記対角場所に位置する二個の前記基板アラインメントマークを含ませておき、前記誤差検出工程は、前記対角場所の一方に位置する前記マスクアラインメントマークの画像中心と前記基板アラインメントマークの画像中心とのいずれか一方の中心を始点とし、他方の中心を終点とした第一の撮像ベクトルと、前記対角場所の他方に位置する前記マスクアラインメントマークの画像中心と前記基板アラインメントマークの画像中心とのいずれか一方の中心を始点とし、他方の中心を終点とした第二の撮像ベクトルとを求め、前記移動工程は、前記第一、第二の撮像ベクトルが前記マスクアラインメントマークの中心を結んだ対角線と平行であり、かつ互いの大きさが等しく向きが反対になるように前記加工マスクと前記加工対象物とを相対移動させるアラインメント方法である。
本発明はアラインメント方法であって、前記加工マスクと前記加工対象物の垂下した部分とが接触した状態で、前記加工マスクと前記加工対象物とが離間した部分に前記近接移動をさせながら、前記撮像工程と、前記誤差検出工程と、前記移動工程とを繰り返し行うアラインメント方法である。
本発明はアラインメント方法であって、前記誤差検出工程が行われた後、前記移動工程が行われる前に、相対速度を設定する速度設定工程が設けられ、前記速度設定工程では、直前の前記誤差検出工程で求めた前記誤差が、予め設定された主許容誤差量以下のときは前記相対速度はゼロに設定され、前記誤差量が前記主許容誤差量よりも大きいときは、前記相対速度は所定の値に設定され、前記移動工程は、前記相対速度の前記相対移動を開始させるアラインメント方法である。
本発明はアラインメント方法であって、前記マスクアラインメントマーク及び前記基板アラインメントマークのいずれか一方のマークは輪郭線に角部を有する形状で、他方のマークは角部の無い円形であって、前記撮像装置は前記輪郭線に角部を有する形状を有するマークに合焦されるアラインメント方法である。
【発明の効果】
【0013】
加工マスクと加工対象物とが接触した後も相対移動させるため、近接移動による誤差を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のアラインメント装置と成膜装置を説明するための図
図2】誤差速度関係を説明するためのグラフ
図3】(a)〜(c):撮像結果中のマスクアラインメントマークの画像と基板アラインメントマークの画像との位置関係を説明するための図
図4】(a)〜(c):近接移動を説明するための図
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1の符号2は、本発明のアラインメント装置を示しており、このアラインメント装置2は、成膜装置3に設けられている。
成膜装置3は真空槽10を有している。
アラインメント装置2は、マスク保持装置21と基板ホルダ22とを有しており、マスク保持装置21と基板ホルダ22とは真空槽10の内部に配置されている。
【0016】
真空槽10には真空排気装置19が接続されており、真空槽10の内部は真空排気されて真空雰囲気に置かれている。真空排気装置19は継続して動作しており、真空槽10の内部は継続して真空排気されている。マスク保持装置21には、加工マスク31が交換可能に配置されており、加工マスク31の付着物の量が増加したときには、真空槽10から搬出され、他の加工マスクがマスク保持装置21に配置される。
【0017】
図1では、真空槽10の内部に、加工対象物である基板32が搬入され、基板ホルダ22に配置されている。基板32は、ガラス基板等の透明な基板である。
基板32と加工マスク31とは、基板ホルダ22とマスク保持装置21に、それぞれ水平にされている。
【0018】
基板ホルダ22に配置された基板32は、マスク保持装置21に配置された加工マスク31の上方に位置しており、基板32と加工マスク31とは離間されている。加工マスク31の下方には、成膜源11が配置されている。
【0019】
成膜源11は、この例ではスパッタリングターゲットであり、真空槽10には、スパッタガス源18が接続されており、スパッタガス源18から真空槽10内に、スパッタリングガスを導入できるようにされている。
【0020】
加工マスク31は金属製の板であり、その板には所定パターンの貫通孔(貫通溝を含む)33が形成されており、マスク保持装置21に配置された加工マスク31の片面は、基板32と対面し、反対側の面は成膜源11と対面している。
【0021】
基板32が基板ホルダ22に配置される際には、機械的なアラインメントがされており、加工マスク31と基板32とは、低精度の位置合わせが行われた状態になっている。
加工マスク31と基板32との間の位置合わせがされたときの位置関係に対し、機械的な位置合わせが行われた状態では、実際の相対位置の誤差は大きくなっており、従って、位置合わせの精度を高くするために、アラインメント装置2による位置合わせを行う。
【0022】
アラインメント装置2は、移動装置14と、撮像装置12とを有している。
撮像装置12は、二台のカメラ121、122を有している。真空槽10の、基板ホルダ22の上方位置には、透明な窓部151、152が気密に形成されており、二台のカメラ121、122は真空槽10の外部に配置され、窓部151、152を介して、真空槽10の内部の基板ホルダ22に配置された基板32を撮像できるようにされている。
【0023】
加工マスク31と基板32とは、正方形又は長方形の四角形形状であり、加工マスク31と基板32との四隅のうち、対角場所(隣り合っていない角付近の場所)にマスクアラインメントマークと基板アラインメントマークがそれぞれ少なくとも一個ずつ設けられている。
【0024】
基板32は透明であり、カメラ121、122は、基板32を透過した光によって、基板32が重なった加工マスク31を撮像できるようになっており、二台のカメラ121、122は、マスクアラインメントマークと基板アラインメントマークが位置する対角場所が撮像範囲内に入る場所に配置されている。
【0025】
機械的なアラインメントがされた状態では、同じ対角場所に位置するマスクアラインメントマークと基板アラインメントマークとは近接しており、対角場所で近接するマスクアラインメントマークと基板アラインメントマークとは、二台のカメラ121、122のうちのいずれかのカメラ121、122の撮像範囲内に位置するようになっている。
【0026】
後述する加工マスク31と基板32とを接近させる近接移動のときに、加工マスク31はカメラ121、122に対して静止されており、カメラ121、122は、マスクアラインメントマークに焦点を位置させている。
【0027】
従って、マスクアラインメントマークは細部も観察することができるのに対し、基板アラインメントマークは、焦点位置よりもカメラ121、122に近い場所に位置することになり、焦点に位置するときよりも画像がぼけやすい。
【0028】
そのため、マスクアラインメントマークの輪郭線は、角の多い十字形形状であり、画像がぼけた場合には角部が検出できず、位置が特定できなくなるが、焦点上では、角部を検出して正確に位置を特定できるようにされている。
【0029】
それに対し、基板アラインメントマークの輪郭線は、角が無く、マスクアラインメントマークよりも大きな円形が採用されており、焦点に位置した場合でも正確に位置を特定しにくいが、画像がぼけた場合でも中心はほぼ特定できるので、低精度でも位置を特定することができる。
なお、十字形形状と円形形状は、輪郭線を黒とすると、輪郭線の内側は黒で塗りつぶしておくことが望ましい。
【0030】
次に、マスクアラインメントマークと基板アラインメントマークとの位置関係について説明すると、先ず、基板32は、基板32の縁部分が基板ホルダ22と接触されており、基板32の中央部分は基板ホルダ22には接触しないようにされている、その結果、基板32の重量により、図4(a)に示すように、基板32は撓んで中央部分が垂下している。
【0031】
加工マスク31には撓みが無いが、基板32にも撓みが無い状態で基板ホルダ22に配置されたときのことを考えると、その場合は、離間した対角場所にそれぞれ位置する二個の基板アラインメントマークとマスクアラインメントマークとを重ねて配置することができるように、マスクアラインメントマークと基板アラインメントマークとが形成されている。つまり、加工マスク31と基板32に撓みが無いときには、対角場所のマスクアラインメントマークの中心間の距離と、対角場所の基板アラインメントマークの中心間の距離は等しく形成されており、重ねて配置されたときには、基板32の薄膜を形成する部分が貫通孔33と対面し、加工マスク31と基板32とは、正確な位置合わせがされた位置関係になっている。
【0032】
基板アラインメントマークの中心間を結ぶ直線の長さは、基板32が撓むと短縮されるから、基板アラインメントマークの中心間の距離は、基板32が撓むと短くなるので、基板32が撓んでいるときには、対角場所の二個の基板アラインメントマークを、対角場所の二個のマスクアラインメントマーク上に一緒に重ねて配置することはできなくなる。
【0033】
基板32が基板ホルダ22に配置された時には、基板ホルダ22に配置された基板32と、マスク保持装置21に配置された加工マスク31とは、基板32の撓みを無視すると、互いに平行に離間して位置している。
加工マスク31と基板32との間の離間距離は、撓みを無視すると、加工マスク31と基板32との間に位置し、加工マスク31と基板32とに垂直に交叉する線分の長さである。
【0034】
基板32の撓みを考慮して、加工マスク31と基板32とが正確に位置合わせされた位置関係を規定すると、加工マスク31と撓んだ基板32とを、離間距離の線分に垂直な方向には移動しないようにして、接近させたときに、先ず、基板32が撓んで垂下した部分の最下点が加工マスク31に接触するので、接触した部分が摺動しないようにして更に接近させて、基板32を加工マスク31に密着させたときに、マスクアラインメントマークと基板アラインメントマークとが重なり合った場合には、接触前の加工マスク31と撓んだ基板32とは、正確に位置合わせがされた位置関係にあったことになる。
【0035】
基板32が撓んだ状態での位置合わせ方法を開始するためには、先ず、撮像工程で、撮像装置12の二台のカメラ121、122を用いて、対角場所のマスクアラインメントマークと基板アラインメントマークとを同時刻に撮像し、撮像結果を得る処理を行う。
【0036】
図3(a)は、撮像結果45a、45bを一台又は二台のディスプレイ上に表示した状態を示しており、一方のカメラ121の撮像結果45aの中と、他方のカメラ122の撮像結果45bの中には、マスクアラインメントマークの画像41a、41bと基板アラインメントマークの画像42a、42bとがそれぞれ一個ずつ含まれている。
【0037】
二台のカメラ121、122の撮影結果45a、45bから、マスクアラインメントマークの画像41a、41b間の距離と、基板アラインメントマークの画像42a、42b間の距離とが同じでなく、マスクアラインメントマークの画像41a、41bと基板アラインメントマークの画像42a、42bとを重ね合わせることはできないことが分かる。
【0038】
図3(a)の撮像結果45a、45b(及び同図(b)の撮像結果46a、46b、同図(c)の撮像結果47a、47b)中の符号49は、加工マスク31上で、対角場所に位置するマスクアラインメントマークの中心を結んだ対角線を示している。
【0039】
撓みにより基板32が変形するときは、基板32の中心が撓みの最下点になるものとすると、撓んだ基板32を真上から見たときの形状は、基板32の最下点を中心にして縮小されたように見え、撓みの無い状態の基板32と、撓んだ基板32とは相似の関係にあるものとすると、マスクアラインメントマークと基板アラインメントマークとの間が正確に位置合わせされた位置関係にあるときには、図3(b)の撮像結果46a、46bのように、基板アラインメントマークの画像42a、42bの中心が、対角線49上に位置し、且つ、一方の撮像結果46a中の基板アラインメントマークの画像42aの中心とマスクアラインメントマークの画像41aの中心との間の距離と、他方の撮像結果46b中の基板アラインメントマークの画像42bの中心とマスクアラインメントマークの画像41bの中心との間の距離とが等しくなる。
【0040】
低精度で位置合わせされたときの図3(a)の撮像結果45a、45bでは、基板アラインメントマークの画像42a、42bの中心と、マスクアラインメントマークの画像41a、41bの中心とは、正確に位置合わせがされた位置関係のときに示される関係にはならない。
撮像工程によって、撮像結果45a、45bが得られた後、処理は誤差検出工程に移行される。
【0041】
撮像装置12は、制御装置13に接続されており、撮像結果45a、45bは制御装置13に出力され、撮像結果45a、45bから、撮像結果45a、45bを求めたときの加工マスク31と基板32との位置関係と、正確に位置合わせがされたときの位置関係との間の誤差を求めるために、制御装置13により、撮像結果45a、45b中のマスクアラインメントマークの画像41a、41bの中心と、基板アラインメントマークの画像42a、42bの中心とのいずれか一方の中心を始点とし、他方の中心を終点とした第一、第二の撮像ベクトルがそれぞれ求められる。
【0042】
そのような第一、第二の撮像ベクトルは、加工マスク31と基板32との間の位置関係が、正確に位置合わせがされた位置関係になっているときは、対角線49と平行であり、互いの大きさが等しく、また、向きが反対になっている。
【0043】
図3(a)の符号51a、51bは、撮像結果45a、45bから得られた第一、第二の撮像ベクトルであり、正確な位置合わせがされたときの撮像結果46a、46bから得られる撮像ベクトル52a、52bと、実際の撮像結果45a、45bから求めた第一、第二の撮像ベクトル51a、51bとの差から、撮像工程で撮像結果45a、45bが得られたときの加工マスク31と基板32との位置関係と、正確に位置合わせされたときの加工マスク31と基板32との位置関係との間の誤差角度と誤差距離及び誤差方向とが求められる。
【0044】
加工マスク31と基板32とを相対的に移動させ、誤差角度と誤差距離とがゼロになるように誤差方向に基づいて相対位置を変えれば、加工マスク31と基板32とは位置合わせされたことになる。
誤差検出工程で誤差距離と誤差角度と誤差方向とが求められると、相対移動の速度である相対速度を決定するために、処理は求速度工程に移行する。
【0045】
制御装置13には、主許容誤差量と副許容誤差量とが記憶されており、求速度工程では、算出した誤差の値(ここでは誤差距離の値)と副許容誤差量とが比較され、比較結果が、誤差の値が副許容誤差量以下を示している場合には、後述する近接工程に移行し、誤差の値が副許容誤差量よりも大きいことを示している場合には、相対速度を次の手順で求める。なお、誤差距離に関する大小の比較は、絶対値で行うものとする。
【0046】
相対移動の速度を相対速度とすると、制御装置13には、誤差距離と相対速度とが関連づけられた誤差速度関係(誤差の値と相対速度の関係)が記憶されている。
図2は、誤差速度関係の一例を示したグラフであり、横軸は誤差の値、縦軸は相対速度である。誤差の値は誤差距離である。
【0047】
誤差速度関係には、所定の値を有する最大誤差距離±Dと、許容距離±Fとが設定されており、誤差距離Eが最大誤差距離±D以上の範囲(E≦−D,D≦E)では、誤差距離Eは、ゼロではない一定の相対速度Sに関連付けられており、誤差距離Eが許容距離±F以下の範囲(−F≦E≦F)では、誤差距離Eは、ゼロの相対速度Sに関連付けられている。相対速度Sがゼロの場合は、加工マスク31と基板32とは相対的に静止される。
【0048】
誤差距離Eが許容距離±Fよりも大きく、最大誤差距離±Dよりも小さい高精度範囲内では(−D<E<−F,F<E<D)、異なる値の相対速度が設定されていて、大きい相対速度と関連付けられた誤差距離は、小さい相対速度に関連付けられた誤差距離よりも大きいようにされている。
【0049】
この高精度範囲内では、誤差距離が小さくなると、相対速度が小さくなるように設定されており、特に、誤差距離と相対速度は一次関数の関係にされており、高精度範囲内では、誤差距離が小さくなるほど、相対速度はゼロに近づく。
【0050】
なお、シミュレーションによると、一次関数の傾きは、大きい方が誤差距離Eが許容距離±F以下の範囲になる時間は短かった。
なお、一次関数などの関数に従って、徐々に小さくなる設定に限らず、相対速度は、段階的に小さくなるように設定してもよい。
【0051】
なお、求速度工程では、制御装置13が、加工マスク31と基板32とを、誤差角度が無くなる角度だけ加工マスク31と基板32とを相対的に回転移動させて誤差角度を解消した後の誤差方向と誤差距離とを求めて記憶し、記憶された誤差距離と誤差速度関係とから相対速度を求めるようにしてもよい。
【0052】
求速度工程では、制御装置13は、直前の撮像結果から求めた誤差距離と設定された誤差速度関係とから相対速度を求めた後、処理は移動工程に移行される。
移動工程では、移動装置14によって、次のように、加工マスク31と基板32とが相対移動される。
【0053】
移動装置14は、水平移動装置14aと、近接移動装置14bとを有している。
水平移動装置14aは、マスク保持装置21と基板ホルダ22とを、離間距離の線分に対して垂直な方向に相対的に移動させ、マスク保持装置21に配置された加工マスク31と、基板ホルダ22に配置された基板32との間を、離間距離の線分と垂直な平面内で、相対的に直線移動と回転移動とをさせることができるように構成されている。
移動装置14は制御装置13によって制御されており、水平移動装置14aの動作と、近接移動装置14bの動作とは、制御装置13によって制御されている。
【0054】
制御装置13は、予め近接移動装置14bの動作は停止させておき、移動工程では、水平移動装置14aを動作させ、マスク保持装置21と基板ホルダ22との間の相対的な移動の移動方向を、直前の誤差検出工程で求めた誤差距離と誤差角度とが小さくなるように、直前の誤差検出工程で求めた誤差方向に基づいて変更し、相対的な移動を、直前の求速度工程で求めた相対速度の値で移動するようにする。
【0055】
相対移動の速度が、直前の求速度工程で求めた相対速度になったところで、移動工程は終了するが、移動工程が終了しても加工マスク31と基板32との間の相対移動は、直前の求速度工程で求めた相対速度に維持される。
加工マスク31と基板32との間の相対的な移動の速度が、直前の求速度工程で求めた相対速度になると、その相対速度での相対移動を維持しながら、移動工程は終了し、処理は撮像工程に移行される。
【0056】
撮像工程では、上述したように、撮像装置12が二台のカメラ121、122を用いて、マスクアラインメントマークと基板アラインメントマークとの組を対角場所で同時刻に撮像し、撮像結果を得る。
撮像工程中も、加工マスク31と基板32とは、直前の求速度工程で求めた相対速度で相対移動しており、その状態で、撮像して求められた撮像結果は、制御装置13に出力されて撮像工程は終了し、処理は撮像工程から誤差検出工程に移行される。
【0057】
誤差検出工程では、直前の撮像結果から誤差距離が求められ、求めた誤差距離と副許容誤差量とが比較される。ここでは比較結果から、処理は求速度工程に移行されたものとすると、直前の誤差検出工程では、誤差距離と、誤差角度と、誤差方向とが求められており、求速度工程では、上述した手順によって、加工マスク31と基板32とが相対移動しながら誤差距離と誤差速度関係とから相対速度を求めると、求速度工程は終了し、処理は移動工程に移行される。
【0058】
移動工程では、マスク保持装置21と基板ホルダ22との相対的な移動を、直前の誤差検出工程で求めた誤差角度と誤差距離とが小さくなる方向にして、相対移動の速度が直前の求速度工程で求めた相対速度になったところで、終了し、処理を撮像工程に移行させる。
【0059】
このように、マスク保持装置21と基板ホルダ22とを相対的に移動させることで、加工マスク31と基板32とを相対的に移動させながら、撮像工程と、誤差検出工程と、求速度工程と、移動工程とが繰り返し行われており、誤差距離と誤差角度は小さくなる。
【0060】
なお、撮像工程での処理が行われた後、次の撮像工程での処理が行われるまでに、加工マスク31と基板32とは、相対移動しているので、撮像工程で撮像結果が求められた後、一旦誤差が許容距離よりも小さくなったとしても、次の撮像工程で撮像結果が求められたときには、誤差が増大し、副許容誤差量よりも大きくなっている場合がある。
つまり、加工マスク31と基板32とが近づいて位置合わせが行われても、位置合わせされた位置を通り過ぎてしまう場合があり、通り過ぎる距離が大きいと、いつまでも誤差を副許容誤差量以下の大きさにすることができない。
【0061】
本発明では、誤差量が小さくなると、相対速度が小さくなるので、通り過ぎたとしても、その距離は相対速度が大きい場合よりも短くなっており、短時間で誤差量を許容距離以下にすることができる。
誤差検出工程で求めた誤差距離が、許容距離以下になったときには、上記誤差速度関係に従って、相対速度をゼロに設定することで、マスク保持装置21と基板ホルダ22との相対移動を停止させた状態で、処理を下記の近接工程に移行させる。
【0062】
近接移動装置14bは、マスク保持装置21と基板ホルダ22とを接近させ、マスク保持装置21と基板ホルダ22との間の離間した距離を短くするように構成されている。近接移動装置14bは、マスク保持装置21と基板ホルダ22とのうち、いずれか一方だけ、又は両方を移動させることができる。
【0063】
近接工程に移行する前は、加工マスク31と基板32との間は離間しているが、近接工程では、加工マスク31と基板32とを密着した状態にするために、制御装置13は近接移動装置14bを動作させ、マスク保持装置21と基板ホルダ22とのいずれか一方、又は両方を移動させ、マスク保持装置21と基板ホルダ22とが接近する近接移動を開始させる。
【0064】
近接工程によって、加工マスク31と基板32との近接移動を開始したときには、加工マスク31と基板32とは、離間距離を短縮させる方向に移動されるが、離間距離に対して垂直な方向には移動されないため、近接移動が開始されても、加工マスク31と基板32との間の誤差距離と誤差方向の大きさは変わらないと考えることができる。
【0065】
近接移動が開始される際には、誤差距離は、副許容誤差量以下であったから、近接移動が開始されても、誤差距離が、副許容誤差量以下である状態は維持されるべきものである。
しかしながら近接移動装置14bの動作には、機械精度、振動、摩耗などに起因する不正確性があり、その場合には、近接移動に伴って、加工マスク31と基板32とが相対移動し、誤差距離や誤差角度の大きさは変化する。近接移動が開始された後、誤差距離や誤差角度が大きくなると、位置合わせが必要になる。
【0066】
誤差距離や誤差角度の大きさを監視するために、近接工程は、近接移動が開始された後、終了し、処理が撮像工程に移行される。
撮像は、撮像結果が得られた後、終了し、処理は誤差検出工程に移行される。
誤差検出工程は、誤差距離と、誤差角度と、誤差方向とが求められた後、終了し、処理は速度設定工程に移行される。
【0067】
アラインメント装置2には、所定の値の定速値が相対速度として記憶されており、速度設定工程では、誤差の値(ここでは、誤差距離の大きさ)と、主許容誤差量とが比較され、比較結果が、誤差検出量が主許容誤差量よりも大きいことを示しているときは、相対速度は記憶された定速値に設定され、誤差検出量が主許容誤差量以下の時は、相対速度はゼロに設定されて終了し、処理は移動工程に移行される。
【0068】
移動工程では、上述したように、誤差距離と誤差方向とが小さくなるように、マスク保持装置21と基板ホルダ22とを、離間距離の方向とは垂直な方向への、相対移動を設定された相対速度にする。
マスク保持装置21と基板ホルダ22との相対的な移動速度が、設定された相対速度になると、移動工程は終了し、処理は撮像工程に移行される。
【0069】
このように、近接移動をしながら、撮像工程と、誤差検出工程と、速度設定工程と、移動工程とが繰り返し行われており、誤差量が主許容誤差量以下の時は、離間距離とは垂直な方向には相対移動されず、誤差量が主許容誤差量よりも大きいことが検出されると、誤差量が小さくなるように、相対移動されるようになっている。
主誤差許容量は、副誤差許容量と同じ値であってもよいし、異なる値であっても良い。
【0070】
撮像工程と、誤差検出工程と、速度設定工程と、移動工程とが繰り返し行われている間、マスク保持装置21と基板ホルダ22との近接移動は継続して行われており、近接移動前の、基板32の垂下部分の下端と、加工マスク31の表面との間の距離を移動すると、基板32の垂下部分の下端と、加工マスク31の表面とは、図4(b)に示すように、接触する。
【0071】
接触した後も近接移動がされており、接触部分43の面積は、近接移動に従って、徐々に大きくなる。
接触した後も、撮像工程と、誤差検出工程と、速度設定工程と、移動工程とは繰り返し行われており、移動工程では、直前の誤差検出工程で検出された誤差量が主誤差許容量よりも大きいときに、基板32と加工マスク31とは、接触部分43が摺動しながら、離間距離と垂直な方向に、設定された相対速度で相対移動される。
従って、接触面積は近接移動に伴って増加し、それに伴い、基板32が垂下した部分は次第に減少する。
垂下部分の減少に伴い、基板32の対角場所に位置する基板アラインメントマーク間の距離は大きくなり、撓みの無い状態に近づく。
【0072】
図4(c)には、接触部分43の面積が増加したときの状態が示されており、図3(c)には、この状態のときに、加工マスク31と基板32との間が正確に位置合わせされた位置関係になったときの撮像結果47a、47bが示されており、接触面積が増加しても、基板32を上方から見たときの形状は、撓みがないときの形状の相似であり、撮像ベクトル53a、53bは、対角線49と平行で、大きさが等しく、方向が反対であり、基板アラインメントマークの画像42a、42bは、マスクアラインメントマークの画像41a、41bに近づいているため、接触する前の正確な位置合わせがされたときの撮像ベクトル52a、52bよりも大きさが小さくなっている。
【0073】
接触面積が大きくなると、加工マスク31と基板32とを相対的に移動させる際に必要な力が大きくなり、水平方向移動装置14aの負担が大きくなるため、近接移動は継続しても、接触面積が所定値よりも大きくなる前に、相対速度をゼロに設定して、離間距離の線分とは垂直な方向の相対移動を終了させることができる。
【0074】
また、その相対速度は、相対移動に必要な力が所定値よりも大きくなったときにゼロに設定してもよいし、また、マスク保持装置21と基板ホルダ22との間の距離を検出して、近接移動によって、所定距離よりも短くなったときに、相対速度をゼロに設定しても良い。
【0075】
以上説明したように、本発明によれば、加工マスク31と基板32とが接触していても、加工マスク31と基板32との間の位置合わせが行われるから、加工マスク31と基板32とが密着したときの位置合わせ精度は向上するので、基板32の表面の薄膜を形成する場所を、加工マスク31の貫通孔33上に正確に配置することができる。
【0076】
従って、加工マスク31と基板32とが全面的に接触して密着されたときには、加工マスク31と基板32とは、主許容誤差の範囲内で、正確に位置合わせがされた状態に近い状態になるので、その状態で成膜源11から成膜材料の粒子を放出させ、加工マスク31の貫通孔33を通過した成膜材料の粒子(蒸気を含む)を基板32の表面に到達させる。その結果、基板32の表面には、薄膜を形成すべき位置に主許容誤差量の範囲内で、正確に薄膜が形成される。
【0077】
薄膜が所定膜厚に成長したところで、成膜源11からの成膜材料の粒子の放出を停止し、加工マスク31と基板32との間を離間させ、基板32を基板ホルダ22から取り外し、真空槽10の外部に搬出すると共に、未成膜の基板を基板ホルダ22に配置し、上記と同じ手順でアラインメントを行い、基板表面に成膜する。
【0078】
<他の例>
上記速度設定工程では、誤差距離が主許容誤差量よりも大きいときに、一定値にしていたが、速度設定工程に替え、求速度工程を行い、近接移動させないときの誤差速度関係と同じ関係又は異なる関係を用いて、誤差距離の値に関連した大きさの相対速度を、近接移動するときの、相対移動の値にしてもよい。この場合、誤差が小さくなると、加工マスクと加工対象物との間の相対速度も小さくなるので、加工マスクと加工対象物とが通り過ぎる距離が小さくなり、高精度の位置合わせを短時間ですることができる。
【0079】
また、近接移動しないときの誤差速度関係と近接移動するときの誤差速度関係とには、高精度範囲よりも誤差距離が大きい範囲に、初期範囲が設定されている。初期範囲の誤差距離は、その大きさによらず、一定値の相対速度に関連づけられていて、その一定値の相対速度は、高精度範囲に設定された最大の相対速度と等しいか、又は、それよりも大きな値にされている。従って、撮像された撮像結果から求めた誤差距離が小さくなった場合でも、求められた誤差距離が初期範囲に含まれる場合は、相対速度は変わらない。従って、上記アラインメント装置2では、撮像結果から求められた誤差距離が初期範囲に含まれている間は、一定の相対速度で直線移動することになる。
【0080】
なお、本発明の撮像結果は、加工マスクのマスクアラインメントマークと、基板の基板アラインメントマークとの両方を含む視野内の画像であり、撮像結果は、動画であっても、静止画であってもよい。また、動画から抽出された静止画でも撮像結果に含まれる。
【0081】
また、本発明において、加工マスク31と基板32とが相対移動するときには、加工マスク31と基板32とが回転移動した後、相対移動として直線移動する場合と、回転移動しながら直線移動することが相対移動である場合とが含まれる。要するに、相対移動は直線移動に限定されるものでもない。
【0082】
上記成膜源11は、スパッタリングターゲットであり、真空雰囲気にされた真空槽10中に、スパッタガス源18からスパッタリングガスを導入し、成膜源11にスパッタ電圧を印加してスパッタリングガスのプラズマを発生させ、成膜源11の表面からスパッタリング粒子である成膜材料の粒子を放出させ、パターニングされた薄膜を形成している。
【0083】
従って、上記成膜源11はスパッタリングターゲットであるが、本発明の成膜源はスパッタリングターゲットに限定されるものではなく、例えば、成膜源は蒸着源であって、蒸着源のるつぼ内に配置された成膜材料を加熱して、成膜材料の蒸気である成膜材料の粒子を放出させるようにしてもよい。
【0084】
更に、本発明のアラインメント方法は、基板と加工マスクとを位置合わせして成膜する場合に限定されるものではなく、基板と加工マスクとを位置合わせし、基板の表面を、加工マスクの貫通孔33の形状に従って加工する工程に用いることができ、例えば、貫通孔33の形状に従ってエッチングするエッチング方法にも適用することができる。
【0085】
なお、上記誤差速度関係や許容距離などに用いられる数値は、制御装置13に接続された外部記憶回路に記憶させておいてもよく、また、記録媒体に記録しておいて、制御装置13によって内部記憶回路に読み込むものであってもよい。要するに、アラインメント装置2に誤差速度関係が設定されていればよい。
【符号の説明】
【0086】
3……成膜装置
10……真空槽
11……成膜源
12……撮像装置
13……制御装置
14……移動装置
21……マスク保持装置
22……基板ホルダ
31……加工マスク
32……基板
図1
図2
図3
図4