特許第6095486号(P6095486)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6095486
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】画像測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20170306BHJP
【FI】
   G01B11/00 H
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-111187(P2013-111187)
(22)【出願日】2013年5月27日
(65)【公開番号】特開2014-228527(P2014-228527A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】酒井 裕志
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 剛
【審査官】 梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−112705(JP,A)
【文献】 特開2008−309552(JP,A)
【文献】 特開2013−003218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 − 11/30
G01C 3/00 − 3/32
G01N 21/84 − 21/958
G06T 1/00 − 1/40
G06T 3/00 − 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物を載置するステージと、
前記ステージに対して相対移動可能に設けられ、前記測定対象物を測定範囲よりも狭い所定の撮像範囲について撮像し画像情報を出力する撮像装置と、
前記撮像装置を前記測定範囲内の複数の測定位置に移動させ、各測定位置において前記ステージに対して垂直な方向に走査させる位置制御装置と、
前記撮像装置の走査によって得られた前記各測定位置の前記所定の撮像範囲の画像情報に基づいて前記各測定位置における走査方向の変位を算出する演算処理装置と
を備え、
前記撮像装置は、前記各測定位置における走査方向の変位を測定する本測定に先立ち、前記所定の撮像範囲よりも広い予備測定範囲を撮像可能に構成され、
前記演算処理装置は、前記予備測定時において前記予備測定範囲を前記撮像装置が走査して得られた画像情報から前記各測定位置における概略的な走査方向の変位を予備測定し、この予備測定の結果に基づいて本測定時の前記各測定位置における前記撮像装置の走査範囲を設定する
ことを特徴とする画像測定装置。
【請求項2】
前記予備測定範囲は、前記測定範囲に等しいことを特徴とする請求項1記載の画像測定装置。
【請求項3】
前記本測定時の前記各測定位置における走査範囲は、前記予備測定時の前記走査方向の走査範囲よりも狭いことを特徴とする請求項1又は2記載の画像測定装置。
【請求項4】
前記撮像装置は、撮像視野が異なる第1の撮像系と第2の撮像系とを前記予備測定時と前記本測定時とで切り替えて、前記撮像範囲及び前記予備測定範囲を撮像することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の画像測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象を撮像する事によって測定対象を三次元測定する画像測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置によって取得された画像情報に基づいて被測定対象を三次元測定する画像測定装置としては、例えば広域のスペクトル幅を有する白色光を用いるものや、コントラスト情報を用いるもの等がある。このような画像測定装置は、撮像装置をステージに対して垂直方向に走査して各垂直位置で得られた画像情報から被測定対象の三次元形状を測定する。この様な画像測定装置において、例えば被測定対象の大きさが撮像装置の1つの視野に収まらない場合には、撮像装置をステージに対して移動させ、各測定位置における測定結果を取得したのち合成する、いわゆるスティッチング法が用いられることがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−112705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この様な画像測定装置においては、各測定位置において、垂直方向の走査範囲が予め定められた範囲に固定されているので、走査に時間がかかり非効率的であった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、広域な測定範囲を効率的に測定することが可能な画像測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像測定装置は、測定対象物を載置するステージと、前記ステージに対して相対移動可能に設けられ、前記測定対象物を測定範囲よりも狭い所定の撮像範囲について撮像し画像情報を出力する撮像装置と、前記撮像装置を前記測定範囲内の複数の測定位置に移動させ、各測定位置において前記ステージに対して垂直な方向に走査させる位置制御装置と、前記撮像装置の走査によって得られた前記各測定位置の前記所定の撮像範囲の画像情報に基づいて前記各測定位置における走査方向の変位を算出する演算処理装置とを備える。前記撮像装置は、前記各測定位置における走査方向の変位を測定する本測定に先立ち、前記所定の撮像範囲よりも広い予備測定範囲を撮像可能に構成される。前記演算処理装置は、前記予備測定時において前記予備測定範囲を前記撮像装置が走査して得られた画像情報から前記各測定位置における概略的な走査方向の変位を予備測定し、この予備測定の結果に基づいて本測定時の前記各測定位置における前記撮像装置の走査範囲を設定する。
【0007】
即ち、本発明に係る画像測定装置は、予め予備測定により取得した広範囲な予備測定範囲の各測定位置における概略的な走査方向の変位に基づいて、本測定時の各測定位置における走査範囲が設定されるため、本測定時の走査範囲の長さを短縮することができ、測定の効率化を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、広域な測定範囲を効率的に測定することが可能な画像測定装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係る画像測定装置の全体図である。
図2】同装置の構成を示すブロック図である。
図3】同装置の動作を説明するフローチャートである。
図4】同装置の動作を説明するための概略図である。
図5】同装置の動作を説明するための概略図である。
図6】従来の画像測定装置の動作を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態に係る画像測定装置の構成]
次に、本発明の第1の実施形態に係る画像測定装置の構成について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る画像測定装置の全体図である。
【0011】
画像測定装置は、ワーク12を撮像する撮像装置としてカメラ17a,17bが搭載された画像測定機10と、この画像測定機10と電気的に接続され、内部に格納されたプログラムによって画像測定機10を駆動制御するコンピュータ(以下、「PC」と呼ぶ。)20とを備えている。
【0012】
画像測定機10は、次のように構成されている。即ち、架台11上には、ワーク12(測定対象物)を載置するためのステージ13が装着されており、このステージ13は、Y軸駆動機構18によってステージ13の上面に平行なY軸方向に駆動される。架台11の両側縁中央部には上方に延びる支持アーム14、15が固定されており、この支持アーム14、15の両上端部を連結するようにX軸ガイド16が固定されている。このX軸ガイド16には、ワーク12を撮像する撮像ユニット17が支持されている。撮像ユニット17は、X軸ガイド16に沿ってX軸駆動機構16aによりステージ13の上面に平行でY軸方向と直交するX軸方向に駆動可能に構成されている。また、撮像ユニット17は、本測定時に使用される所定の撮像範囲を測定視野とする第1の撮像装置17aと、予備測定時に使用され本測定の測定視野よりも広い、測定範囲全体を撮像可能な第2の撮像装置17bとを有している。これらの撮像装置17a,17bは、予備測定時と本測定時とで切り替え可能に構成されている。これらの撮像装置17a,17bは、対物レンズの倍率調整により1つのカメラとして構成されていても良い。撮像ユニット17は、Z軸駆動機構17cによりステージ13の上面と直交するZ軸方向に移動可能に構成されている。以上のように、X軸駆動機構16a、Y軸駆動機構18及びZ軸駆動機構17cは、撮像ユニット17をステージ13に対して互いに直交するX,Y,Z軸方向に相対的に駆動させる位置制御装置を構成している。
【0013】
本実施形態に係る画像測定機10は、カメラ17a,17bをステージ13の上面に対してXY方向に移動させつつ、Z軸方向に走査しながら撮像を行い、カメラ17a,17bのXY方向の測定位置情報とその位置において得られた画像の各微小範囲のコントラスト情報からワーク12の各測定位置におけるZ軸方向の変位(Z値)を検出するものである。なお、Z軸方向の変位は、このようなコントラスト情報から検出する他に、白色干渉計により検出することもできる。白色干渉計は、例えば広帯域スペクトルを有する白色光をワーク12及び参照面に導き、それぞれの反射光を干渉させて画素毎の干渉信号のピーク値が観測される位置を取得し、画素毎のピーク位置と参照面を構成する参照板の位置とに応じてワーク12のZ軸方向の変位を検出する。
【0014】
コンピュータ20は、コンピュータ本体21、キーボード22、ジョイスティックボックス(J/S)23、マウス24、ディスプレイ25及びプリンタ26を有する。コンピュータ本体21は、例えば図2に示すように構成されている。即ち、撮像ユニット17から入力されるワーク12の画像情報は、インタフェース(I/F)31を介して画像メモリ32に格納される。
【0015】
また、ワーク12のCADデータは、I/F33を介してCPU35に入力され、CPU35で所定の処理がなされた後に画像メモリ32に格納される。画像メモリ32に格納された画像情報は、表示制御部36を介してディスプレイ25に表示される。
【0016】
一方、キーボード22、J/S23、及びマウス24から入力されるコード情報及び位置情報は、I/F34を介してCPU35に入力される。CPU35は、ROM37に格納されたマクロプログラム及びHDD38からI/F39を介してRAM40に格納されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0017】
CPU35は、プログラムに従ってI/F41を介して画像測定機10を制御する。HDD38は各種データを格納する記録媒体である。RAM40は各種処理のワーク領域を提供する。
【0018】
[従来の画像測定装置の動作]
次に、本実施形態に係る画像測定装置を使用した画像測定方法についての説明に先立ち、従来の画像測定方法を説明する。図6は、従来の画像測定方法を説明するための概略図である。
【0019】
図6に示すように、カメラ17aの撮像範囲IR1よりも広い測定範囲IR0の三次元形状を測定する場合、カメラ17aを測定位置P1→P2→…→P9のようにテーブル13の上面と平行なXY軸方向に順次移動させ、各測定位置P1,P2,…,P9において、テーブル13の上面と直交するZ軸方向にカメラ17aをスキャンさせ、各測定位置P1,P2,…,P9におけるワーク12のZ軸方向の変位(Z値)を検出する。より具体的には、例えば、カメラ17aの撮像範囲IR1における各微小部位のコントラスト情報から各微小部位のZ値を求める。従来の画像測定方法においては、各測定位置P1,P2,…,P9におけるZ軸方向のスキャン範囲SR1が全て同一であるため、ワーク12の最も低い位置から最も高い位置までを含むようにスキャン範囲SR1を設定する必要があった。このため、全体のスキャン範囲が長く、スキャンに時間がかかり、非効率的であった。
【0020】
[本実施形態に係る画像測定装置の動作]
次に、本実施形態に係る画像測定装置の測定方法について説明する。図3は、本実施形態に係る画像測定装置を使用した画像測定方法について説明するためのフローチャートである。
【0021】
ステップS11においては、図4に示す通り、予備測定として、第1のカメラ17aよりも広い視野を有し、好ましくは測定範囲IR0全体を撮像可能な第2のカメラ17bを用いた予備測定としてのオートフォーカスを行う。以下、予備測定による広範囲にわたって行われるオートフォーカスをマルチポイントオートフォーカスと呼ぶ。マルチポイントオートフォーカスにおいては、第2のカメラ17bをZ軸方向にスキャン範囲SR0内で走査しつつ、測定範囲IR0について各Z軸方向位置における2次元画像を、予備測定画像情報として取得する。そして、取得された予備測定画像情報から各測定点P1〜P9におけるZ軸方向の変位(Z値)を検出する。ここで、予備測定の範囲は全測定範囲IR0と必ずしも一致させる必要は無く、例えばそれよりも狭い範囲で必要に応じて設定することも可能である。
【0022】
また、ステップS11におけるマルチポイントオートフォーカスは、概略的なZ値を求めれば良いため、第2のカメラ17bのフレームレートを、第1のカメラ17aのフレームレートと比較して低く設定する等、後述する本測定と比較して低い精度で行う事も可能である。従って、スキャン範囲SR0を従来と同様の長さに設定しても、従来よりも高速のスキャンが可能である。
【0023】
ステップS12においては、ステップS11において取得した測定範囲IR0の予備測定における各測定位置P1〜P9のZ値から、本測定の為の第1のカメラ17aのZ軸方向のスキャン範囲SR1を算出する。本測定のスキャン範囲SR1は、各測定位置P1〜P9のZ値を中心、始点又は終点として設定することができる。例えば図5に示す通り、測定範囲IR0をXY軸方向に3×3の撮像範囲IR1で分割し、各撮像範囲IR1を各測定位置P1〜P9の本測定範囲とした場合、各測定位置P1〜P9におけるZ軸方向のスキャン範囲SR1は、それぞれ予備測定で検出された各測定位置P1〜P9でのZ値(測定位置P1′,P2′,…,P9′)を始点とする範囲となる。本測定時のスキャン範囲SR1は、予備測定時のスキャン範囲SR0よりも狭い範囲となり、その分、全体のスキャンに要する時間が短縮できる。
【0024】
ステップS13においては、ステップS12において算出したスキャン範囲SR1に基づいて、本測定、即ち、各撮像範囲IR1におけるオートフォーカスを行う。即ち、ステップS13においては、図5に示すように、第1のカメラ17aを、測定位置P1′→P2′→…→P9′のようにXYZ軸方向に移動させて、第1のカメラ17aの撮像範囲IR1毎に、Z軸方向にスキャン範囲SR1のスキャンを行って、各Z位置における2次元画像を取得し、各部のZ軸方向の変位を検出する。
【0025】
この本測定は、ステップS11のマルチポイントオートフォーカスと比較して高精度に行う。しかしながら、本測定時のスキャン範囲SR1は、ワーク12のおおよそのZ値が把握されているので、スキャン範囲SR0と比較して極めて狭く設定する事が可能であり、従来技術と比較して効率的な測定を行う事が可能である。
【0026】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、画像の合焦位置によりZ値を求めるようにしているが、非接触でワークのZ軸変位を検出可能な他の画像測定装置にも適用可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0027】
1…画像測定機、2…コンピュータ(PC)、3…ワーク、4…記憶装置、5…表示装置、6…入力装置、11…撮像ユニット、12…位置制御装置、111…撮像装置、112…予備撮像装置、121…平面位置制御装置、122…合焦位置制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6