(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリオレフィン系多孔性基材が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、及びポリペンテンからなる群より選択された何れか一つの高分子によって形成されてなることを特徴とする、請求項4に記載のセパレータ。
前記無機物粒子が、誘電率が5以上である無機物粒子、リチウムイオン伝達能を有する無機物粒子、及びこれらの混合物からなる群より選択された無機物粒子であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のセパレータ。
前記無機物粒子とバインダー高分子との組成比が、それぞれ独立して、50:50〜99:1重量比であることを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載のセパレータ。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギー貯蔵技術に対する関心が高まりつつある。携帯電話、カムコーダー、及びノートパソコン、さらには電気自動車のエネルギーまで適用分野が拡がると共に、電気化学素子の研究と開発に対する努力が次第に具体化されている。電気化学素子はこのような面で最も注目される分野であり、その中でも、充放電可能な二次電池の開発に関心が寄せられている。最近にはこのような電池の開発において、容量密度及び比エネルギーを向上させるために、新たな電極と電池の設計に対する研究開発が行われている。
【0003】
1990年代の初めに開発されたリチウム二次電池は、水溶液電解液を用いるNi‐MH、Ni‐Cd、硫酸‐鉛電池などの従来型電池に比べて作動電圧が高くエネルギー密度が格段に大きいという長所から、現在使用されている二次電池のうち最も脚光を浴びている。しかし、このようなリチウムイオン電池は、有機電解液を用いることによる発火及び爆発などの安全問題を抱えており、またその製造に手間がかかるという短所がある。最近のリチウムイオン高分子電池は、前記のようなリチウムイオン電池の短所を改善し、次世代電池の1つとして挙げられているが、未だ電池の容量がリチウムイオン電池と比べて相対的に低く、特に低温における放電容量が不十分であるため、それに対する改善が至急に求められている。
【0004】
前記のような電気化学素子は多くのメーカにおいて生産中であるが、それらの安全性特性は相異なる様相を呈している。電気化学素子の安全性の評価及び安全性の確保は最も重要に考慮すべき事項である。特に、電気化学素子の誤作動によりユーザが傷害を被ることはあってはならなく、ゆえに、安全規格は電気化学素子内の発火及び発煙などを厳格に規制している。電気化学素子の安全性特性において、電気化学素子が過熱し、熱暴走が起きるか又はセパレータが貫通される場合は、爆発が起きる恐れが大きい。特に、電気化学素子のセパレータとして通常使われるポリオレフィン系多孔性基材は、材料的特性と延伸を含む製造工程上の特性によって100℃以上の温度で激しい熱収縮挙動を見せることで、正極と負極間の短絡を起こすという問題点がある。
【0005】
このような電気化学素子の安全性問題を解決するために、特許文献1には、複数の気孔を持つ多孔性基材の少なくとも一面に、無機物粒子とバインダー高分子との混合物をコーティングして形成した多孔性の有機−無機コーティング層を備えるセパレータが提案された。しかし、このような多孔性の有機−無機コーティング層を備えるセパレータは、電解液に対する親和性が高くないため、電解液がセパレータに含浸されるのに多くの時間がかかり、特に大容量の電気化学素子では、電解液の含浸に長時間がかかることから、製造工程上、困難性がある。従って、セパレータの電解液に対する含浸性の改善が至急に求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、含浸性に優れた有機‐無機多孔性コーティング層を備えるセパレータ及びこれを備えた電気化学素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、多孔性基材と、前記多孔性基材の少なくとも一面に形成されており、無機物粒子とバインダー高分子との混合物を含む多孔性コーティング層とを備え、前記多孔性コーティング層の表面には、電解液が染み込むための連続または不連続なパターン層が形成されていることを特徴とするセパレータを提供する。また、本発明の連続または不連続なパターン層は、特にその種類を限定しないが、前記連続または不連続的に形成された溝であるものを使用し得る。
【0009】
前記溝の深さは、多孔性コーティング層厚さの1〜20%であることが望ましく、前記溝の幅は0.1〜50mmであることが望ましい。
【0010】
本発明の多孔性基材は、ポリオレフィン系多孔性基材であるものを使用し得、このようなポリオレフィン系多孔性基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、及びポリペンテンなどを使用することが望ましい。
【0011】
前記無機物粒子は、誘電
率が5以上である無機物粒子、リチウムイオン伝達能を有する無機物粒子、及びこれらの混合物などを使用し得る。このような誘電
率が5以上である無機物粒子としては、その種類を特に限定しないが、BaTiO
3、Pb(Zr
x、Ti
1-x)O
3(PZT、0<x<1)、Pb
1-xLa
xZr
1-yTi
yO
3(PLZT、0<x<1、0<y<1)、(1−x)Pb(Mg
1/3Nb
2/3)O
3−xPbTiO
3(PMN‐PT、0<x<1)、ハフニア(HfO
2)、SrTiO
3、SnO
2、CeO
2、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO
2、SiO
2、Y
2O
3、Al
2O
3、SiC、及びTiO
2などを使用することが望ましい。また、前記リチウムイオン伝達能を有する無機物粒子としては、リチウムフォスフェイト(Li
3PO
4)、リチウムチタンフォスフェイト(Li
xTi
y(PO
4)
3、0<x<2、0<y<3)、リチウムアルミニウムチタンフォスフェイト(Li
xAl
yTi
z(PO
4)
3、0<x<2、0<y<1、0<z<3)、(LiAlTiP)
xO
y系列ガラス(0<x<4、0<y<13)、リチウムランタンチタネート(Li
xLa
yTiO
3、0<x<2、0<y<3)、リチウムゲルマニウムチオフォスフェイト(Li
xGe
yP
zS
w、0<x<4、0<y<1、0<z<1、0<w<5)、リチウムナイトライド(Li
xN
y、0<x<4、0<y<2)、SiS
2系列ガラス(Li
xSi
yS
z、0<x<3、0<y<2、0<z<4)、及びP
2S
5系列ガラス(Li
xP
yS
z、0<x<3、0<y<3、0<z<7)などを使用し得るが、これに限定されるのではない。
【0012】
本発明のバインダー高分子としては、特にその種類を限定しないが、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン(polyvinylidene fluoride−co−hexafluoropropylene)、ポリビニリデンフルオライド−トリクロロエチレン(polyvinylidene fluoride−co−trichloroethylene)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリブチルアクリレート(polybutylacrylate)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ポリビニルアセテート(polyvinylacetate)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、エチレンビニルアセテート共重合体(polyethylene−co−vinyl acetate)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide)、ポリアリーレート(polyarylate)、スチレン・ブタジエンゴム(styrene butadiene rubber)、セルロースアセテート(cellulose acetate)、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate)、セルロースアセテートプロピオネート(cellulose acetate propionate)、シアノエチルプルラン(cyanoethylpullulan)、シアノエチルポリビニルアルコール(cyanoethylpolyvinylalcohol)、シアノエチルセルロース(cyanoethylcellulose)、シアノエチルスクロース(cyanoethylsucrose)、プルラン(pullulan)、カルボキシメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose)、及び分子量10,000g/mol以下の低分子化合物などを使用し得る。
【0013】
前記無機物粒子と第1バインダー高分子との組成比は、それぞれ独立して、50:50〜99:1重量比であるものを使用することが望ましい。
【0014】
本発明のセパレータは、正極、負極、前記正極と負極との間に介在されたセパレータを含む電気化学素子に適しており、特にリチウム二次電池に使用し得る。
【発明の効果】
【0015】
電解液が染み込むための連続的な溝が形成された多孔性コーティング層を備える本発明のセパレータは、連続または不連続なパターン層を備えていることから、電解液に対する濡れ性が向上するので、セパレータに電解液を含浸させるのにかかる時間を短縮させることができる。また、前記セパレータは、多孔性コーティング層を備えていることから、耐熱性に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に対して図面を参照しながら詳しく説明する。本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはいけず、発明者は自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に則して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念とに解釈されなければならない。
【0018】
図1及び
図2には、本発明による望ましい一実施例のセパレータが示されている。しかし、本明細書に記載された実施例と図面に示された構成とは本発明の最も望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想の全てを代弁するものではないため、本出願時点においてこれらに代替できる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0019】
本発明に使用される多孔性基材としては、特にその種類を限定しないが、膜や不織布をすべて使用し得る。また、本発明の多孔性基材としては、ポリオレフィン系多孔性基材であるものを使用し得、このようなポリオレフィン系多孔性基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、及びポリペンテンなどを使用することが望ましい。
【0020】
本発明のセパレータは、多孔性基材の表面に無機物粒子とバインダー高分子との混合物を含む多孔性コーティング層を備える。このような多孔性コーティング層は、バインダー高分子は無機物粒子が互いに結着された状態を維持できるように、これらを互いに付着(すなわち、バインダー高分子が無機物粒子の間を連結及び固定)させており、また多孔性コーティング層は、バインダー高分子によって多孔性基材と結着された状態を維持する。多孔性コーティング層の無機物粒子は、実質的に互いに接触した状態で充填された構造として存在し、無機物粒子が接触された状態で形成される空き空間(interstitial volume:インタースティシャル・ボリューム)が多孔性コーティング層の気孔になる。
【0021】
このような多孔性コーティング層を備えるセパレータは、電極の間に介在されて電気化学素子を形成することになり、このようなセパレータの多孔性基材及び多孔性コーティング層は、電解液に対する親和性が高くないので電気化学素子に電解液を含浸させるのに多くの時間がかかる。従って、本発明のセパレータは、電解液の含浸時間を短縮させるために、多孔性コーティング層の表面に電解液が染み込むための連続または不連続なパターン層を導入した。ここで、連続とは、パターンが前記多孔性基材に全体的に閉鎖された形態の多角形または不規則な図形からなったことを意味し、不連続とは、パターンが閉鎖されていない多角形または不規則な図形であるか、閉鎖された形態であっても多孔性基材の部分にのみパターン層が形成されていることを意味する。そして、このようなパターン層は、電解液が染み込む通路になれるものであれば、本発明の目的を達成するのに適するように変形されたいずれの形態であるものも使用し得る。例えば、このようなパターン層としては、規則的または不規則的に配置されたドット(dot)の集合からなったパターン層も使用し得、連続または不連続な溝からなったパターン層も使用し得る。
【0022】
図1を参照すれば、本発明のセパレータ100は、電解液に対する含浸性を向上させるために、多孔性基材10の少なくとも一面に、電解液が染み込むための連続的な溝30が形成された多孔性コーティング層20を備える。このような連続的な溝30は、特にその形態を限定しないが、セパレータの一方の切断面から他方の切断面まで連結されるように連続的でありながらも長く凹んだ紐の形態を持つことが望ましく、格子柄の形態の溝も持ち得る。電気化学素子のエッジに露出するこのような連続的な溝30を通じて電解液が染み込むようになり、電気化学素子のセパレータの内部まで電解液が容易に到逹できるため、セパレータへの電解液の含浸を助ける。また、このような溝の断面は、三角形、四角形、及び半円形などであり得るが、これは、単に製造方法によって様々な形態の断面を持つことであり、その形態に特に限定されない。但し、電解液の有効な含浸のためには、連続的な溝からなったパターン層を使用することがさらに望ましい。
【0023】
図2を参照すれば、本発明の溝の深さ(h)は、多孔性コーティング層厚さの1〜20%であることが望ましい。溝の深さが20%よりも深い場合には、多孔性コーティング層の機械的物性が損なわれて耐熱性が低下し得、不規則な多孔性コーティング層の厚さの偏差によってセパレータにリンクルが発生し得る。また、溝の深さが1%よりも浅い場合には、電解液が染み込みにくい。また、本発明の溝の幅(w)は、0.1〜50mmであることが望ましい。溝の幅が0.1mm未満である場合には、電解液が浸透しにくいため、電解液の濡れ性が改善し難く、溝の幅が50mmを超える場合には、セパレータにリンクルが発生する恐れがある。
【0024】
本発明のセパレータにおいて、使用される無機物粒子は、電気化学的に安定さえしていれば特に制限されない。即ち、本発明で使用できる無機物粒子は、使用される電気化学素子の作動電圧範囲(例えば、Li/Li
+基準で0〜5V)で酸化及び/または還元反応が起きないものであれば特に制限されない。特に、イオン伝達能を有する無機物粒子を用いる場合、電気化学素子内のイオン伝導度を高めて性能向上を図ることができる。
【0025】
また、無機物粒子として誘電率の高い無機物粒子を用いる場合、液体電解質内の電解質塩、例えば、リチウム塩の解離度増加に寄与して電解液のイオン伝導度を向上させることができる。
【0026】
上述のような理由から、前記無機物粒子は、誘電
率が5以上、望ましくは、10以上である高誘電率の無機物粒子、リチウムイオン伝達能を有する無機物粒子、またはこれらの混合体を含むことが望ましい。
【0027】
誘電
率が5以上である無機物粒子の非制限的な例としては、 BaTiO
3、Pb(Zr
xTi
1-x)O
3(PZT、ここで0<x<1)、Pb
1-xLa
xZr
1-yTi
yO
3(PLZT、ここで0<x<1、0<y<1である)、(1−x)Pb(Mg
1/3Nb
2/3)O
3−xPbTiO
3(PMN‐PT、ここで0<x<1)、ハフニア(HfO
2)、SrTiO
3、SnO
2、CeO
2、MgO、NiO、CaO、ZnO、ZrO
2、Y
2O
3、Al
2O
3、SiC、及びTiO
2などをそれぞれ単独で、または2種以上を混合して使用し得る。
【0028】
特に、上述のBaTiO
3、Pb(Zr
xTi
1-x)O
3(PZT、ここで0<x<1)、Pb
1-xLa
xZr
1-yTi
yO
3(PLZT、ここで0<x<1、0<y<1である)、(1−x)Pb(Mg
1/3Nb
2/3)O
3−xPbTiO
3(PMN‐PT、ここで0<x<1)、ハフニア(HfO
2)のような無機物粒子は、誘電
率が100以上である高誘電率の特性を表すだけでなく、一定の圧力を印加して引張または圧縮される場合に電荷が発生して両面の間に電位差が発生する圧電性(piezoelectricity)を有することで、外部衝撃による両電極の内部短絡の発生を防止して、電気化学素子の安全性向上を図ることができる。また、上述の高誘電率の無機物粒子とリチウムイオン伝達能を有する無機物粒子とを混用する場合、これらの上昇効果は倍加される。
【0029】
本発明において、リチウムイオン伝達能を有する無機物粒子とは、リチウム元素を含むがリチウムを貯蔵せずにリチウムイオンを移動させる機能を有する無機物粒子を称するものであって、リチウムイオン伝達能を有する無機物粒子は、粒子構造の内部に存在する一種の欠陥(defect)によってリチウムイオンを伝達及び移動させることができることから、電池内のリチウムイオン伝導度が向上し、これにより電池性能の向上を図ることができる。前記リチウムイオン伝達能を有する無機物粒子の非制限的な例としては、リチウムフォスフェイト(Li
3PO
4)、リチウムチタンフォスフェイト(Li
xTi
y(PO
4)
3、0<x<2、0<y<3)、リチウムアルミニウムチタンフォスフェイト(Li
xAl
yTi
z(PO
4)
3、0<x<2、0<y<1、0<z<3)、14Li
2O‐9Al
2O
3‐38TiO
2‐39P
2O
5などのような(LiAlTiP)
xO
y系列ガラス(0<x<4、0<y<13)、リチウムランタンチタネート(Li
xLa
yTiO
3、0<x<2、0<y<3)、Li
3.25Ge
0.25P
0.75S
4などのようなリチウムゲルマニウムチオフォスフェイト(Li
xGe
yP
zS
w、0<x<4、0<y<1、0<z<1、0<w<5)、Li
3Nなどのようなリチウムナイトライド(Li
xN
y、0<x<4、0<y<2)、Li
3PO
4‐Li
2S‐SiS
2などのようなSiS
2系列ガラス(Li
xSi
yS
z、0<x<3、0<y<2、0<z<4)、及びLiI‐Li
2S‐P
2S
5などのようなP
2S
5系列ガラス(Li
xP
yS
z、0<x<3、0<y<3、0<z<7)、またはこれらの混合物などがある。
【0030】
本発明のセパレータにおいて、多孔性コーティング層の無機物粒子のサイズに制限はないが、可能な限り0.001〜10μm範囲であることが望ましい。0.001μm未満である場合、分散性が低下してセパレータの物性調節が容易でなく、10μmを超える場合、機械的物性が低下し得る。
【0031】
また、前記バインダー高分子は、前記無機物粒子に対して1〜50重量%であることが望ましい。前記バインダー高分子の使用量が1重量%未満である場合には、無機物粒子を互いに十分結着できず、50重量%を超える場合には、多孔性コーティング層の多孔性が低下して電解液に対する濡れ性が低下し得る。
【0032】
本発明のバインダー高分子としては、特にその種類を限定しないが、ポリビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオライド−トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリエチレンオキシド、ポリアリーレート、スチレン・ブタジエンゴム、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、及び分子量10,000g/mol以下の低分子化合物などを使用し得る。
【0033】
本発明のセパレータは、次のような工程を通じて製造できる。
【0034】
バインダー高分子を溶媒に溶解させてバインダー高分子溶液を用意し、無機物粒子を混合してスラリーを調製する。このように調製されたスラリーを多孔性基材の表面に間歇コーティングして一定の間隔を持つ連続的な溝を形成し得る。また、他の製造方法としては、多孔性基材の表面に前述のスラリーを塗布して1次的に多孔性コーティング層を形成した後、バインダー高分子溶液を用意して2次的にコーティングして連続的な溝を形成することもできる。このとき、2次的にコーティングされるバインダー高分子溶液は、無機物粒子を選択的に含み得、バインダー高分子を溶融しても使用し得る。ここで、使用されるコーティング方法は、特に限定するのではなく、一般的に使用されるコーティング方法を使用し得る。例えば、スラリーとバインダーとを順次コーティングする方法として、ディップ‐ディップコーティング、ディップ‐スロットコーティング、ディップ‐スライドコーティング、ディップ‐ロールプリンティング、ディップ‐マイクログラビアコーティング、ディップ‐スプレーコーティング、ディップ‐インクジェットコーティング、スロット‐スロットコーティング、スロット‐スライドコーティング、スロット‐ロールプリンティング、スロット‐マイクログラビアコーティング、スロット‐スプレーコーティング、スロット‐インクジェット噴射コーティングなどの方法を使用し得、スラリーとバインダーとを同時にコーティングする方式として、多層スロットダイコーティング、多層スライド‐スロットコーティング、多層スライドコーティングなどのような多様なコーティング方法を使用し得る。特に、パターン形状を具現するにおいて、順次コーティングの場合、1次スラリーを塗布した後、2次コーティング時に、スロットコーティング、スライドコーティング、ロールプリンティング、マイクログラビアコーティング、スプレーコーティング、インクジェット噴射コーティングなどをすることが望ましく、スラリーとバインダーとを同時にコーティングする方式としては、多層スロットダイコーティング、多層スライド‐スロットコーティング、多層スライドコーティングが望ましい。
【0035】
また、このとき使用されるバインダー高分子は、前記で言及されたバインダー高分子を使用し得る。
【0036】
このように製造された本発明のセパレータは、電気化学素子のセパレータとして使用し得る。すなわち、正極と負極との間に介在させたセパレータとして、本発明のセパレータが有用に使用し得る。電気化学素子は、電気化学反応を行うあらゆる素子を含み、その具体的な例を挙げれば、あらゆる種類の一次電池、二次電池、燃料電池、太陽電池、またはスーパーキャパシタ素子のようなキャパシタなどがある。特に、前記二次電池の中で、リチウム金属二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池、またはリチウムイオンポリマー二次電池などを含むリチウム二次電池が望ましい。
【0037】
電気化学素子は、当技術分野に知られた通常の方法によって製造でき、一実施例を挙げれば、正極と負極との間に前述のセパレータを介在させて組み立てた後、電解液を注入することで製造できる。
【0038】
本発明のセパレータとともに使用される電極は特に制限されず、当業界に知られた通常の方法によって電極活物質を電極電流集電体に付着させた形態で製造できる。前記電極活物質のうち、正極活物質の非制限的な例としては、従来の電気化学素子の正極に使用できる通常の正極活物質が使用可能であり、特に、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウム鉄酸化物、またはこれらを組み合わせたリチウム複合酸化物を使用することが望ましい。負極活物質の非制限的な例としては、従来の電気化学素子の負極に使用できる通常の負極活物質が使用可能であり、特に、リチウム金属またはリチウム合金、炭素、石油コークス、活性化炭素、グラファイト、またはその他の炭素類などのようなリチウム吸着物質などが望ましい。正極電流集電体の非制限的な例としては、アルミニウム、ニッケル、またはこれらの組み合わせによって製造される箔などがあり、負極電流集電体の非制限的な例としては、銅、金、ニッケルまたは銅合金、またはこれらの組み合わせによって製造される箔などがある。
【0039】
本発明で使用できる電解液は、A
+B
−のような構造の塩であり、A
+はLi
+、Na
+、K
+のようなアルカリ金属陽イオン、またはこれらの組み合わせからなるイオンを含み、B
−はPF
6−、BF
4−、Cl
−、Br
−、I
−、ClO
4−、AsF
6−、CH
3CO
2−、CF
3SO
3−、N(CF
3SO
2)
2−、C(CF
2SO
2)
3−のような陰イオン、またはこれらの組み合わせからなるイオンを含む塩が、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ‐ブチロラクトン、またはこれらの混合物からなる有機溶媒に溶解または解離したものであるが、これに限定されることはない。
【0040】
前記電解液の注入は最終製品の製造工程及び要求物性に応じて、電池製造工程のうち適切な段階で行われ得る。すなわち、電池組立ての前または電池組立ての最終段階などで適用することができる。
【0041】
本発明のセパレータは、二次電池の正極と負極との間に介在され得、複数のセルまたは電極を集合させて電極組立体を構成するとき、隣接するセルまたは電極との間に介在され得る。前記電極組立体は、単純スタック型、ゼリーロール型、スタック‐フォールディング型などの多様な構造を有し得る。
【0042】
一実施例によれば、前記電極組立体は、活物質が塗布された正極と負極との間に本発明のセパレータを介在させ、正極/セパレータ/負極を連続的に巻き取って製造し得る。代案として、正極/セパレータ/負極を一定の間隔を有するように折り曲げて、ジグザグ型の重なった構造を有するように電極組立体を製造し得る。一方、前記巻き取られるか折り曲げられる電極組立体は、容量を増大するために交互に積層された複数の電極とセパレータとを含み得る。
【0043】
また他の一実施例によれば、前記電極組立体は、正極/セパレータ/負極、または負極/セパレータ/正極を繰り返し単位として積層させて製造し得る。ここで、前記セパレータは、本発明のセパレータを使用する。
【0044】
一実施例によれば、フルセルまたはバイセルの構造を有する複数の単位セルをフォールディングフィルムで集合させて製造し得る。ここで、前記フォールディングフィルムは、一般的な絶縁フィルムまたは本発明のセパレータを使用し得る。前記フルセル構造とは、極性が異なる電極の間にセパレータが介在されたセル構造を少なくとも一つ以上含み、かつ最外側に位置した電極の極性が異なるセル構造を意味する。フルセル構造の一例としては、正極/セパレータ/負極または正極/セパレータ/負極/セパレータ/正極/セパレータ/負極などが挙げられる。前記バイセル構造とは、極性が異なる電極の間にセパレータが介在されたセル構造を少なくとも一つ以上含み、かつ最外側に位置した電極の極性が同一であるセル構造を意味する。バイセル構造の一例としては、正極/セパレータ/負極/セパレータ/正極または負極/セパレータ/正極/セパレータ/負極などが挙げられる。
【0045】
フォールディングフィルムを使用して単位セルを集合させる方式には様々な方法がある。一例として、長手方向に延長されたフォールディングフィルムの一面に複数の単位セルを所定の間隔で配列した後、配列された単位セルとともにフォールディングフィルムを一方向に巻き取って電極組立体を製造し得る。このように製造された電極組立体は、巻き取られたフォールディングフィルムの間に単位セルが挿入された構造を有する。他の例として、長手方向に延長されたフォールディングフィルムの両面に複数の単位セルを所定の間隔で配列した後、配列された単位セルとともにフォールディングフィルムを一方向に巻き取って電極組立体を製造し得る。このように製造された電極組立体は、巻き取られたフォールディングフィルムの間に単位セルが挿入された構造を有する。前記単位セルの配置間隔と各単位セルの最外郭に位置する電極の極性とは、フォールディングフィルムに接した上部セルの電極と下部セルの電極との極性が反対になるように選択される。一例として、正極/セパレータ/負極/フォールディングフィルム/正極/セパレータ/負極/フォールディングフィルム/正極…のような電極組立体の構造が形成されるように、単位セルの配置間隔と各単位セルの最外郭に位置する電極の極性とが選択され得る。
【0046】
また、他の例として、長手方向に延長されたフォールディングフィルムの一面に複数の単位セルを所定の間隔で配列し、配列された単位セルとともにフォールディングフィルムをジグザグ型に折り曲げ、折り曲げられたフォールディングフィルムの間に単位セルが配置された構造として電極組立体を製造し得る。このように製造された電極組立体は、折り曲げられ積層されたフォールディングフィルムの間に単位セルが挿入された構造を有する。他の例として、長手方向に延長されたフォールディングフィルムの両面に複数の単位セルを所定の間隔で配列した後、配列された単位セルとともにフォールディングフィルムをジグザグ型に折り曲げ、折り曲げられたフォールディングフィルムの間に単位セルが配置された構造として電極組立体を製造し得る。このように製造された電極組立体は、折り曲げられ積層されたフォールディングフィルムの間に単位セルが挿入された構造を有する。前記単位セルの配置間隔と各単位セルの最外郭に位置する電極の極性とは、フォールディングフィルムに接した上部セルの電極と下部セルの電極との極性が反対になるように選択される。一例として、正極/セパレータ/負極/フォールディングフィルム/正極/セパレータ/負極/フォールディングフィルム/正極…のような電極組立体の構造が形成されるように、単位セルの配置間隔と各単位セルの最外郭に位置する電極の極性とが選択され得る。
【0047】
そして、フォールディングフィルムを使用して電極を集合させる方式には様々な方法がある。一例として、フォールディングフィルムの一面に負極、正極、負極、正極…を交互に配置し、一方向にフォールディングフィルムとともに配置された電極を巻き取って電極組立体を製造し得る。このように製造された電極組立体は、巻き取られたフォールディングフィルムの間に電極が挿入された構造を有する。他の例として、長手方向に延長されたフォールディングフィルムの両面に複数の電極を所定の間隔で配列した後、配列された電極とともにフォールディングフィルムを一方向に巻き取って電極組立体を製造し得る。このように製造された電極組立体は、巻き取られたフォールディングフィルムの間に電極が挿入された構造を有する。前記電極の配置間隔と前記電極の極性とは、フォールディングフィルムに接した上部電極と下部電極との極性が反対になるように選択される。一例として、正極/フォールディングフィルム/負極/フォールディングフィルム/正極…のような電極組立体の構造が形成されるように、電極の配置間隔と各電極の極性とが選択され得る。
【0048】
さらに他の例としては、フォールディングフィルムの一面に負極、正極、負極、正極…を交互に配置し、一方向にフォールディングフィルムとともに配置された電極を折り曲げ、折り曲げられたフォールディングフィルムの間に電極が配置された構造として電極組立体を製造し得る。このように製造された電極組立体は、折り曲げられ積層されたフォールディングフィルムの間に電極が挿入された構造を有する。他の例として、長手方向に延長されたフォールディングフィルムの両面に複数の電極を所定の間隔で配列した後、配列された電極とともにフォールディングフィルムを折り曲げ、折り曲げられたフォールディングフィルムの間に単位セルが配置された構造として電極組立体を製造し得る。このように製造された電極組立体は、折り曲げられ積層されたフォールディングフィルムの間に電極が挿入された構造を有する。前記電極の配置間隔と前記電極の極性とは、フォールディングフィルムに接した上部電極と下部電極との極性が反対になるように選択される。一例として、正極/フォールディングフィルム/負極/フォールディングフィルム/正極…のような電極組立体の構造が形成されるように、電極の配置間隔と各電極の極性とが選択され得る。
【0049】
一方、電極組立体の製造に使用されるフォールディングフィルムの長さは、最後の単位セルまたは電極を上述の方式で集合させた後、電極組立体を少なくとも1回以上包むことができるように選択し得る。但し、前記電極組立体は、様々な形態に変形され得、また本発明の範囲はこれに限定されるのではない。
【0050】
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例を挙げて詳しく説明する。しかし、本発明による実施例は多様な形態に変形され得、本発明の範囲が下記実施例に限定されると解釈されてはいけない。本発明の実施例は当業界で平均的な知識を持つ者に本発明をより完全に説明するために提供されるのである。
【実施例】
【0051】
実施例1.溝が形成された多孔性コーティング層を備えるセパレータの製造
ポリビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン共重合体(PVdF‐CTFE)及びシアノエチルプルランを10:2の重量比でそれぞれアセトンに添加し、50℃で約12時間溶解させて高分子溶液を調製した。Al
2O
3粉末を高分子/無機物粒子=5/95の重量比になるように前記調製された高分子溶液に添加し、12時間ボールミル法を利用して無機物粒子を破砕及び分散してスラリーを調製した。このように調製されたスラリーの無機物粒子の粒径は平均600nmであった。
【0052】
厚さ16μmのポリオレフィン多孔性膜(Celgard社、C210)を基材とし、多層スロットダイコーターを利用して、下層部には、前記調製されたスラリーを供給して一面に4μm厚さで連続的にコーティングした。上層部には、アセトンに4重量%で調製したPVdF‐CTFE溶液を12mm幅のスリットを通過させることで、縞模様の溝を有する非コーティング部が形成されるようにした。このとき、バインダー溶液がコーティングされた領域の厚さは0.5μmであるので、溝の深さは、多孔性コーティング層厚さの11%に該当し、溝の幅は11mmであった。このように形成された縞模様の溝は、
図3に示した。
図4は、セパレータの溝境界面におけるSEM観察結果である。
【0053】
実施例2.溝が形成された多孔性コーティング層を備えるセパレータの製造
厚さ16μmのポリオレフィン多孔性膜(Celgard社、C210)を基材とし、多層スロットダイコーターを利用して、水に5重量%で調製したスチレン・ブタジエンゴム(SBR)溶液を、上層部のコーティング液として使用したことを除いては、前記実施例1と同一の方法でセパレータを製造した。このように形成されたセパレータの溝境界面におけるSEM観察結果は、
図5に示した。
【0054】
比較例1.溝が形成されていない多孔性コーティング層を備えるセパレータの製造
ポリビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン共重合体(PVdF‐CTFE)及びシアノエチルプルランを10:2の重量比でそれぞれアセトンに添加し、50℃で約12時間溶解させて高分子溶液を調製した。Al
2O
3粉末を高分子/無機物粒子=5/95の重量比になるように前記調製された高分子溶液に添加し、12時間ボールミル法を利用して無機物粒子を破砕及び分散してスラリーを調製した。このように調製されたスラリーの無機物粒子の粒径は平均600nmであった。
【0055】
厚さ16μmのポリオレフィン多孔性膜(Celgard社、C210)を基材とし、多層スロットダイコーターを利用して、下層部には、前記調製されたスラリーを供給して一面に4μm厚さで連続的にコーティングすることで多孔性コーティング層を形成した。上層部には、4重量%のPVdF‐CTFE溶液を使用して、厚さは0.5μmであり、かつ連続的なコーティング層を形成した。したがって、このような上層部のコーティング層の厚さは、多孔性コーティング層の11%に該当する。
【0056】
試験例1.電池の電解液に対する濡れ性の測定
実施例1〜2及び比較例1で製造されたセパレータを使用してスタックセル(stack cell)を製造した。まず、前記セパレータを2枚を用意し、これらセパレータの間に負極を介在させた後、これらセパレータの外面の両面に正極をそれぞれ位置させ、100℃の温度でラミネーションすることで、実施例1〜2及び比較例1で製造されたセパレータを使用したスタックセルをそれぞれ製造した。
【0057】
前記製造されたスタックセルの一方のエッジを電解液に浸し、2時間後に電解液の含浸される高さを測定して下記表1に示した。
【表1】
【0058】
前記表1から分かるように、実施例1〜2及び比較例1のセパレータを使用した場合、電解液が含浸された高さは、それぞれ92mm、84mm、67mmであって、セパレータの表面に溝が形成された実施例1〜2のほうが、比較例1に比べて電解液に対する濡れ性が優れていることが分かる。