(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ペンダント架橋性基が、マレイミド、3−モノアルキルマレイミド、3,4−ジアルキルマレイミド、エポキシ、ビニル、アセチル、インデニル、シンナマート、もしくはクマリン基であるか、または、ペンダント架橋性基が、置換または非置換のマレイミド部分、エポキシド部分、ビニル部分、シンナマート部分もしくはクマリン部分を含む、請求項2または3に記載のゲート絶縁層。
ポリマーまたはポリマー組成物が、溶媒、架橋剤、任意の反応性溶媒、安定剤、UV増感剤および熱増感剤の1または2以上をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のゲート絶縁層。
ポリマーまたはポリマー組成物が、架橋性基を有する1または2以上の繰り返し単位を含み、ゲート絶縁層がさらに、表面活性官能基と、前記ポリマーまたはポリマー組成物の繰り返し単位の前記架橋性基と架橋可能な架橋性官能基とを含む化合物である接着促進剤を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のゲート絶縁層。
接着促進剤の架橋性基が、マレイミド、3−モノアルキル−マレイミド、3,4−ジアルキルマレイミド、エポキシ、ビニル、アセチル、インデニル、シンナマート、もしくはクマリン基から選択されるか、または、架橋性基が、置換または非置換のマレイミド部分、エポキシド部分、ビニル部分、シンナマート部分もしくはクマリン部分を含む、請求項12〜14のいずれか一項に記載のゲート絶縁層。
ポリマーまたはポリマー組成物が、架橋性基を有する1または2以上の繰り返し単位を含み、ゲート絶縁層が、前記ポリマーまたはポリマー組成物の繰り返し単位の前記架橋性基と架橋可能な2または3以上の架橋性官能基を含む化合物である架橋剤を含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載のゲート絶縁層。
架橋剤の架橋性基が、マレイミド、3−モノアルキル−マレイミド、3,4−ジアルキルマレイミド、エポキシ、ビニル、アセチル、インデニル、シンナマート、もしくはクマリン基から選択されるか、または、架橋性基が、置換または非置換のマレイミド部分、エポキシド部分、ビニル部分、シンナマート部分もしくはクマリン部分を含む、請求項17または18に記載のゲート絶縁層。
ノルボルネン系ポリマーが、DMMIMeNB、DMMIEtNB、DMMIPrNBまたはDMMIBuNBから選択されるノルボルネン系モノマーに由来する繰り返し単位を含む、請求項23に記載のゲート絶縁層。
EONB、MGENB、DMMIMeNB、DMMIEtNB、DMMIPrNB、DMMIBuNBおよびDMMIHxNBから選択されるノルボルネン系モノマーに由来する架橋性繰り返し単位を含むポリシクロオレフィンポリマーを含む、請求項1〜28のいずれか一項に記載のゲート絶縁層。
BuNB、HexNB、OctNB,DecNBから選択されるノルボルネン系モノマーに由来する繰り返し単位、および、EONB、MGENB、DMMIMeNB、DMMIEtNB、DMMIPrNB、DMMIBuNBおよびDMMIHxNBから選択されるノルボルネン系モノマーに由来する繰り返し単位を含む、ポリシクロオレフィンポリマーを含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載のゲート絶縁層。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本発明の態様によるトップゲートOFETデバイスを示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の態様によるボトムゲートOFETデバイスを示す図である。
【
図3】
図3は、例C1に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図4】
図4は、例C2に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図5】
図5は、例C3に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図6】
図6は、例C4に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図7】
図7は、例C5に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図8】
図8は、例C6に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図9】
図9は、例C7に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図10】
図10は、例C8に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図11】
図11は、例C9に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図12】
図12は、例C10に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図13】
図13は、例C11に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図14】
図14は、例C12に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図15】
図15は、例C13に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図16】
図16は、例C14に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図17】
図17は、例C15に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図18】
図18は、例C16に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図19】
図19は、例C17に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図20】
図20は、例C18に記載の本発明の態様に従って製造された、トップおよびボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線を示す。
【
図21】
図21は、例C19に記載のように製造されたボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線である。
【
図22】
図22は、例C20に記載のように製造されたボトムゲートOFETデバイスの伝達曲線である。
【
図23】
図23は、例C19およびC20に記載された、それぞれ接着促進剤ありまたはなしの場合の、有機誘電体層のガラス基板上へ接着力を示す。
【0007】
図3〜22において、X軸はゲート電圧を、左のY軸はドレイン電流を、右のY軸は移動度を示す。例として
図3において「c」のラベルを付けた上の2つの曲線は、フォワードおよびリバーススキャン用の電流−電圧特性を示し、デバイスの電流ヒステリシスを表す。例として
図3において「a」および「b」のラベルを付けた下の2つの曲線は、移動度−電圧特性を示し、ここで曲線(a)は線形のレジームにおいて得られた移動度を示し、曲線(b)は、飽和モードにおいて得られた移動度を示す。
【0008】
発明の概要
本発明は、ポリシクロオレフィンポリマーまたはポリシクロオレフィンポリマーを含むポリマー組成物の、電子デバイスにおいて有機半導体層と接触しているゲート絶縁層を形成するための使用に関する。
本発明はさらに、電子デバイスにおいて有機半導体層と接触しており、ポリシクロオレフィンポリマーまたはポリシクロオレフィンポリマーを含むポリマー組成物を含む、ゲート絶縁層に関する。
ポリシクロオレフィンポリマーは、好ましくはノルボルネン系付加重合体である。
電子デバイスは、好ましくは有機電子デバイスであり、例えば無機半導体材料を含む電界効果トランジスタ(FET)であり、または有機半導体材料を含む有機電界効果トランジスタ(OFET)である。
【0009】
有利には、かかるノルボルネン系付加重合体は、既知のデバイスで観察される、前に議論されている欠点を克服するように、構造的に調整することができる。したがって、かかるノルボルネン系付加重合体は、例えば有機半導体材料および有機誘電材料を用いるOFET、または無機半導体材料および有機誘電材料を用いるFETなどの大量生産などの、時間、費用、および材料効果的な電子デバイスの製造を可能とする。さらに、以下に議論されるように、かかるノルボルネン系付加重合体は、有機半導体材料に対して直交溶解性を示す。これらは容易に加工でき、一般的に前述のフルオロポリマーのそれを超える構造的集積性を示し、表面エネルギーの効果的な修飾を可能とし、隣接層に対する改善された接着を提供する。したがって、これらはFETおよびOFETなどの有機電子デバイスのゲート絶縁層での使用に特に好適である。
【0010】
本発明はさらに、かかるノルボルネン系付加重合体またはポリマー組成物をFETおよびOFETなどの電子デバイスまたは有機電子デバイスの製造において用いる方法および/またはプロセスに、およびかかる方法および/またはプロセスによって製造された、および/またはかかるポリマーまたはポリマー組成物を含む、電子デバイスおよび光電子デバイスに関する。
本発明はまた、本明細書中に記載される、新規なポリシクロオレフィンもしくはノルボルネン系ポリマー、またはこれらを含有するポリマーブレンドまたはポリマー組成物にも関する。
【0011】
発明の詳細な説明
本明細書において、用語FETおよびOFETは、薄膜トランジスタ(TFT)および有機薄膜トランジスタ(OTFT)として知られているデバイスのサブクラスを含むものと理解され、ここで、本明細書に記載のFETまたはTFTは、有機誘電材料を含み、OFETまたはOTFTは、有機半導体材料および前述の有機誘電材料の両方を含む。
「誘電性」および「絶縁性」の用語は、本明細書において交換可能に用いられることが理解される。したがって、絶縁層への言及は誘電体層を含む。さらに、本明細書において、用語「有機電子デバイス」は、用語「有機半導体デバイス」および例えば本明細書で議論されるFETおよびOFETなどのデバイスのいくつかの特定の実装も含むことが理解される。
【0012】
本明細書において、「光反応性および/または架橋性」の句は、一定のペンダント基を記述するのに用いる場合、化学線に反応性であり、この反応性のために架橋反応へと進行する基か、または化学線に反応性ではないが、架橋活性剤の存在下で架橋反応へと進行する基を意味するものと理解される。
本明細書において、「ポリマー(重合体)」の用語は、1または2以上の異なるタイプの繰り返し単位(分子の最小構成単位)の主鎖を包含する分子を意味し、一般的に知られている「コポリマー」、「ホモポリマー」などの用語を含むと理解される。さらにポリマーの用語は、ポリマーそれ自体に加えて、開始剤、触媒およびかかるポリマーの合成に付随するその他の要素の残基も含むことが理解されるが、ただしこれはかかる残基が、そこに共有結合的に組み込まれないと理解される場合である。さらに、標準的には重合後精製プロセス中に除去される、かかる残基およびその他の要素は、一般的に、容器間または溶媒もしくは分散培体の間で移動される際にポリマーと共に一般的に残存するような様式で、ポリマーと混合されるかまたは混ざり合わされる。
【0013】
本明細書において、「ポリマー組成物」の用語は、少なくとも1つのポリマーと、該少なくとも1つのポリマーに加えられた1または2以上の別の材料であって、ポリマー組成物またはその中の少なくとも1つのポリマーに対して特定の特性を提供するかまたは修飾するための、前記材料を意味する。ポリマー組成物は、ポリマーを基質へと運び、その上に層または構造を形成することを可能とするための、ビヒクルであると理解される。例示の材料としては、限定はされないが、溶媒、抗酸化剤、光開始剤、光増感剤、架橋部分または剤、反応性希釈剤、酸掃去剤、均展材、および接着促進剤が挙げられる。さらに、ポリマー組成物は、前述の例示の材料に加えて、2種または3種以上のもののブレンドも包含してよいことが理解される。
【0014】
本明細書に規定されるように、「ポリシクロオレフィン」および「ノルボルネン系」の用語は交換可能に用いられ、付加重合可能モノマー、または得られる繰り返し単位を指し、これは、例えば以下の構造A1またはA2のいずれかにより示されるような、少なくとも1つのノルボルネン部分を包含する。最も単純なノルボルネン系またはポリシクロレフィンモノマーであるビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(A1)は、一般的にノルボルネンと呼ばれる。
【化1】
【0015】
本明細書において、「ノルボルネン系モノマー」または「ノルボルネン系繰り返し単位」の用語は、ノルボルネンそれ自体を意味するのみでなく、任意の置換ノルボルネン、またはその置換および非置換の高度な環状誘導体も指すと理解され、例えば以下の構造B1およびB2であり:
【化2】
式中、Zは−CH
2−または−CH
2−CH
2−から選択され、mは0〜3の整数である。
【0016】
ノルボルネンのペンダント基による置換により、ポリマー特性を個別用途の要求を満たすように調整することができる。官能化ノルボルネンを重合するために開発された手順および方法は、優れたフレキシビリティと、ノルボルネン環に結合している種々の部分および基に対する耐容性を示す。特定ペンダント基を有するモノマーの重合に加えて、異なる機能性を有するモノマーをランダムに重合して最終材料を形成することができ、ここでは、用いるモノマーの種類および比率が、得られるポリマーの全体のバルクの特性を決定する。
【0017】
本明細書において、「ヒドロカルビル」とは、炭素骨格を有し、各炭素が1または2以上の水素原子で適切に置換されているラジカルまたは基を指す。「ハロヒドロカルビル」の用語は、1または2以上の、ただし全てではない水素原子がハロゲン(F、Cl、Br、I)で置き換えられた、ヒドロカルビル基を指す。用語ペルハロカルビルは、各水素がハロゲンで置き換えられたヒドロカルビル基を指す。ヒドロカルビルの非限定的例としては、C
1〜C
25アルキル、C
2〜C
24アルケニル、C
2〜C
24アルキニル、C
5〜C
25シクロアルキル、C
6〜C
24アリール、またはC
7〜C
24アラルキルが挙げられる。代表的なアルキル基としては、限定はされないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、およびドデシルが挙げられる。代表的なアルケニル基としては、限定はされないが、プロペニル、ブテニル、およびヘキセニルが挙げられる。代表的なアルキニル基としては、限定はされないが、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、および2−ブチニルが挙げられる。代表的なシクロアルキル基としては、限定はされないが、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロオクチル置換基が挙げられる。代表的なアリール基としては、限定はされないが、フェニル、ビフェニル、ナフチル、およびアントラセニルが挙げられる。代表的なアラルキル基としては、限定はされないが、ベンジル、フェネチルおよびフェンブチルが挙げられる。
【0018】
本明細書において、「ハロヒドロカルビル」の用語は上記のヒドロカルビル部分を含むが、しかし少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置き換えられている(例えばフルオロメチル基)範囲から、ペルハロゲン化と呼ぶ、ヒドロカルビル基の全ての水素原子がハロゲン原子により置き換えられている(例えばトリフルオロメチルまたはペルフルオロメチル)範囲までの、ハロゲン化の程度が存在する。例えば本発明の態様で有用となり得るハロゲン化アルキル基は、部分的または完全にハロゲン化されていることができ、式C
zX
2z+1のアルキル基であって、式中、Xは独立してハロゲンまた水素であり、およびzは1〜25の整数から選択される。いくつかの態様において、各Xは独立して、水素、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素から選択される。別の態様において、各Xは独立して、水素またはフッ素のどちらかである。したがって、代表的なハロヒドロカルビルおよびペルハロカルビルは、前述の例示のヒドロカルビルであって、ここで適切な数の水素原子がそれぞれハロゲン原子で置き換えられているものにより、例示される。
【0019】
さらに、「ヒドロカルビル」、「ハロヒドロカルビル」、および「ペルハロヒドロカルビル」の用語の定義は、1または2以上の炭素原子が、O、N、PまたはSiから独立して選択されるヘテロ原子により置き換えられている部分を含む。かかるヘテロ原子含有部分は、例えば、「ヘテロ原子−ヒドロカルビル」または「ヘテロヒドロカルビル」と呼ぶことができる。1または2以上のヘテロ原子を含有する例示のヒドロカルビルとしては、例えば、エーテル、エポキシ、グリシジルエーテル、アルコール、カルボン酸、エステル、ケトン、無水物、マレイミド、アミン、イミン、アミド、フェノール、アミド−フェノール、シラン、シロキサン、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ホスフィナイト、ホスホナイト、亜リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、リン酸塩などの基を包含する。
【0020】
本発明の好ましい態様において、ポリシクロオレフィンポリマーは、2または3以上の異なるタイプの繰り返し単位であって、かかる繰り返し単位のタイプの少なくとも1つが一定程度の潜在性を有するペンダント架橋性基または部分を含む、前記繰り返し単位を組み込んでいる。「潜在性」とは、かかる基が、周囲条件下またはポリマーの最初の形成の間には架橋しないが、しかし、例えば化学線または熱によってかかる反応が特定的に開始された場合に架橋することを意味する。かかる潜在性架橋性基のポリマー骨格中への組み込みは、例えば、かかるペンダント架橋性基を包含する1または2以上のノルボルネン系モノマー、例えばペンダント基を含有するマレイミドまたは置換マレイミドを、重合反応混合物に供給し、続いてかかるモノマーの重合を引き起こすことによりなされる。
【0021】
ボトムゲートFETおよびOFETに用いるための誘電材料の設計における1つの考慮事項は、堆積された材料が層を形成することができて、この層の後で層の堆積または形成に用いられる可能性のある、続く溶液相加工ステップに耐えることができる、ということである。上記のような、ペンダント架橋性基または部分の繰り返し単位への包含は、本発明のいくつかの態様において有利であることが見出されたが、これは、潜在性架橋性官能基をポリマー骨格に包含させると、溶解性ポリマー鎖を、低レベルのみの架橋を有する不溶性ポリマー鎖に変えることができるからである。しかし、本発明のいくつかの態様においては、溶媒膨張に対する誘電体の抵抗性も望ましく、不溶性を提供するのみのためにも、高レベルの架橋が必要とされ得る。したがって、本発明のいくつかの態様には、別の架橋剤を加えることが有利であることが見出された。
【0022】
したがって、本発明の好ましい態様は、いくつかの架橋方法論の任意のものを利用する。例えば、好ましい態様において、エポキシドの酸触媒開環を架橋に用い、一方別の好ましい態様においては、光誘起二量化(例えば2+2)架橋反応を用いる。別の好ましい態様は、熱活性化架橋を用い、ここでは熱的に活性化された基がポリマー中に存在するか、または多成分混合物(樹脂)、例えばトリフルオロビニルエーテル部分を用いる。後者については、例えばOH基などの反応部位を有するポリシクロオレフィンポリマー、および例えばイソシアネート等の潜在性硬化剤などの架橋剤を用いることができる。
【0023】
本発明による好ましい態様は、上記の架橋方法論に限定されないことが理解され、これは、望ましい程度の架橋を達成する別の方法、例えばビスアジドなどの追加の光活性架橋剤を適当なポリマー組成物と共に用いるなども、用いることができるからである。さらに、本発明の好ましい態様は、上記方法論の組み合わせも含む。例えば、好ましいプロセスとしては、基本的な光パターニングステップ(不溶性および誘電材料のパターニングを提供するため)を含み、さらに、ポリマーの追加の熱活性化架橋部位を介した追加の高温硬化ステップ(架橋密度を増加させるため)を含み、または種々の光活性系、例えばマレイミド、クマリン、シンナマートおよびビスアジドの組み合わせの使用を含んで、光効率(photoefficiency)を増加させる。
好ましい態様において、ポリマー組成物は、1または2以上のタイプの式Iの繰り返し単位を有する第1ポリマーと、1または2以上のタイプの式IIの繰り返し単位を有する第2ポリマーのブレンドである。
【0024】
別の好ましい態様において、ポリマー組成物は、ポリノルボルネン系ポリマーとして、1もしくは2以上のタイプの式Iの繰り返し単位を有する第1ポリマーのみか、または1もしくは2以上のタイプの式IIの繰り返し単位を有する第2ポリマーのみを含む。
別の好ましい態様において、ポリマー組成物は、1または2以上の式Iの繰り返し単位と、1または2以上の式IIの繰り返し単位とを有する単一のノルボルネン系ポリマーを含み:
【化3】
式中、Zは、−CH
2−、CH
2−CH
2−、または−O−から選択され、mは0〜5の整数(両端を含む)であり、R
1、R
2、R
3、およびR
4ならびにR
5、R
6、R
7、およびR
8の各々は、独立してH、C
1〜C
25ヒドロカルビル、C
1〜C
25ハロヒドロカルビル、またはC
1〜C
25ペルハロカルビル基から選択され、ここでかかる基は上記定義の通りであって本明細書中に例示されており、ただしここで第1のポリマーは、第2のポリマーの1または2以上の繰り返し単位とは異なる、少なくとも1つのタイプの繰り返し単位を含むものとする。
【0025】
式IおよびIIの繰り返し単位は、それぞれ対応する式IaおよびIIaのノルボルネン系モノマーにより形成され、ここでZ、m、R
1〜4、およびR
5〜8は、上記定義の通りである:
【化4】
式I、Ia、II、およびIIaの繰り返し単位およびモノマーにおいて、本発明の好ましい態様においては、Zは−CH
2−であり、mは0、1、または2であり、別の好ましい態様においては、Zは−CH
2−であり、mは0または1であり、およびさらに別の好ましい態様においては、Zは−CH
2−であり、mは0である。
【0026】
さらに好ましいのは、R
1〜4の1つのみがHではなく、R
5〜8の1つのみがHではない態様である。
特定の用途についての所望の特性を作り出すために、ノルボルネンモノマーといくつかの異なるクラスのペンダント基との組み合わせを重合して、得られたポリマー(単数または複数)のフレキシビリティ、接着、インターフェイス、および溶解性の制御が可能である。例えば、骨格に結合したアルキル基の長さを変化させると、ポリマーの係数およびガラス転移温度(T
g)の制御が可能である。また、マレイミド、シンナマート、クマリン、無水物、アルコール、エステル、およびエポキシ官能基から選択されたペンダント基を用いて、架橋を促進し、溶解性特徴を改変することができる。極性官能基、エポキシおよびトリエトキシシリル基は、隣接デバイス層の金属、シリコン、および酸化物との接着性を提供するために使用できる。フッ素化基は、例えば、効果的に表面エネルギーを変更し、他の材料に対する溶液の直交性に影響を与えるために用いることができる。
【0027】
したがって、本発明の好ましい態様において、非常に好ましくは、R
1〜4の1つのみがHではなく、R
5〜8の1つのみがHではない場合、R
1〜4の1または2以上、またはR
5〜8の1または2以上は、ハロゲン化またはペルハロゲン化アリールまたはアラルキル基を表し、これには限定することなく、式:−(CH
2)
x−C
6F
yH
5−y、および−(CH
2)
x−C
6F
yH
4−y−pC
zF
qH
2z+1−qであって、式中x、y、qおよびzは独立してそれぞれ0〜5、0〜5、0〜9および1〜4の整数から選択されるものが含まれる。好ましくは、かかる式には、限定はされないが、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタフルオロベンジル、4−トリフルオロメチルベンジル、ペンタフルオロフェニルエチル、ペンタフルオロフェンプロピル、およびペンタフルオロフェンブチルが含まれる。
【0028】
さらにまた、本発明の好ましい態様において、非常に好ましくは、R
1〜4の1つのみがHではなく、R
5〜8の1つのみがHではない場合、Hではない少なくとも1つの基は末端ヒドロキシ、カルボキシまたはオリゴエチレンオキシ部分、例えば末端ヒドロキシアルキル、アルキルカルボニルオキシ(例えばアセチル)、ヒドロキシ−オリゴエチレンオキシ、アルキルオキシ−オリゴエチレンオキシまたはアルキルカルボニルオキシ−オリゴエチレンオキシ部分を有する極性基であり、ここで「オリゴエチレンオキシ」とは、−(CH
2CH
2O)
s−であってsが1、2または3であるものを意味すると理解され;例えば、sが3の、1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)−2,5,8,11−テトラオキサドデカン(NBTODD)、およびsが2の、5−((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(NBTON)である。
【0029】
さらにまた、本発明の好ましい態様において、非常に好ましくは、R
1〜4の1つのみがHではなく、R
5〜8の1つのみがHではない場合、Hではない少なくとも1つの基は、光反応性または架橋性基のどちらかの基である。この種類の好ましい基は、結合部分Lおよび機能性部分Fを含む。好ましくはLは、C
1〜C
12アルキル、アラルキル、アリールまたはヘテロ原子アナログから選択され、一方Fは、好ましくはマレイミド、3−モノアルキル−または3,4−ジアルキルマレイミド、エポキシ、ビニル、アセチレン、シンナマート、インデニルまたはクマリン部分の1または2以上を含み、これは架橋または2+2架橋反応が可能である。
【0030】
上記のようなペンダント光反応性または架橋性基を含む、式IおよびIIの好適で好ましい単位は、1または2以上のノルボルネン系モノマーであって、限定することなく、次の式からなる群から選択されるものを含む:
【化5】
式中、nは1〜8の整数であり、Q
1およびQ
2は互いに独立して−Hまたは−CH
3であり、R’は−Hまたは−OCH
3である。
【0031】
上記のような式IおよびIIのさらなる好ましい繰り返し単位は、次の構造式1〜5からなる群から選択される1または2以上のノルボルネン系モノマーに由来する:
【化6】
【0032】
上の構造式1について、mは0〜3の整数であり、−A−Rは結合基、スペーサー基または架橋基を有するペンダント基であり、基−A−は、(CZ
2)
n、(CH
2)
n−(CH=CH)
p−(CH
2)
n、(CH
2)
n−O、(CH
2)
n−O−(CH
2)
n、(CH
2)
n−C
6Q
4−(CH
2)
n、およびC(O)−Oから選択され、ここで末端基−Rは、H、CZ
3、(CZ
2)
nCZ
3、OH、O−(O)CCH
3、(CH
2CH
2O)
nCH
3、(CH
2)
nC
6Q
5、シンナマート、またはp−メトキシ−シンナマート、クマリン、フェニル−3−インデン、エポキシド、CCSi(C
2H
5)
3またはCCSi(i−C
2H
5)
3から選択され、ここで各nは独立して0〜12の整数であり、pは1〜6の整数であり、Qは独立してH、F、CH
3、CF
3またはOCH
3であり、Zは独立してHまたはFであり、およびR’は、独立して−Hまたは−OCH
3である。構造式2〜5について、−A−は式1で定義の通りである。
【0033】
構造式1〜5による好ましいモノマーとしては、限定はされないが、以下の化学名と利用可能な場合のCAS番号からなる群から選択されるものが挙げられる:5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(BuNB)CAS#22094-81-1、5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(HexNB)CAS#22094-83-3、5−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(OctNB)CAS#22094-84-4、5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(DecNB)CAS#22094-85-5、5−(2−フェニルエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(PENB)CAS#29415-09-6、1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン(TD)CAS#21635-90-5、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチルアセテート(MeOAcNB)CAS#10471-24-6、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメトキシ)エチルアセテート(NBCH
2GlyOAc)、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメトキシ)−エタノール(NBCH
2GlyOH)CAS#754231-21-5 、5−[[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]メチル]−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(NBTON)CAS#544716-19-0、1−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル−2,5,8,11−テトラオキサドデカン(NBTODD)CAS#307923-40-6、5−(ペルフルオロブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(NBC
4F
9)CAS#118777-97-2、5−((ペルフルオロフェニル)メチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(NBMeC
6F
5)CAS#848781-71-5、5−(ペルフルオロフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(NBC
6F
5)、
【0034】
5−(3,4−ジフルオロベンジル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(NBCH
2C
6H
3F
2)、5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(NBCH
2C
6H
4CF
3)、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキシレート(FPCNB)CAS#908372-02-1、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキシレート(FHCNB)CAS#944462-77-5、2,2,3,3,4,4,5,5.オクタフルオロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキシレート(FOCHNB)CAS#99807-26-8、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキシレート(FPCHNB)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチルペルフルオロオクタノエート(C
8PFAcNB)CAS#908372-04-3、5−((1,1,2−トリフルオロ−2−(ペルフルオロプロポキシ)−エトキシ)メチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(PPVENB)、2−(6−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルヘキシル)−オキシラン(EONB)CAS#950896-95-4、2−[(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメトキシ)メチル]−オキシラン(MGENB)CAS#3188-75-8、(4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)ブタ−1−イン−1−イル)トリエチルシラン(AkSiNB)、((4−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)エチル)フェニル)エチニル)トリエチルシラン(ArSiNB)、(E)−1−(4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメトキシ)フェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロプ−2−エン−1−オン(MCHMNB)、(E)−1−(4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメトキシ)フェニル)−3−(ナフタレン−2−イル)プロパ−2−エン−1−オン(NPCHMMNB)、1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル)−3,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジオン(DMMIMeNB)CAS#1031898-89-1、1−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)エチル)−3,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジオン(DMMIEtNB)CAS#1031898-91-5、
【0035】
1−(4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)ブチル)−3,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジオン(DMMIBuNB)、1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル)−3−メチル−1H−ピロール−2,5−ジオン(MMIMeNB)、1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(MIMeNB)CAS#442665 -16-9、1−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)エチル)−1H−ピロール−2,5−ジオン(MIEtNB)、1−(6−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)ヘキシル)−3,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジオン(DMMIHxNB)、1−(4−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)エチル)フェニル)−3,4−ジメチル−1H−ピロール−2,5−ジオン(EtPhDMMIiNB)、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル)−4,5−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e]イソインドール−1,3(2H)−ジオン(DHNMINB)、(E)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル3−(4−メトキシフェニル)アクリレート(MeOCinnNB)CAS#1059706-16-8、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチルシンナマート(CinnNB)CAS#185827-76-3、(E)−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)エチル3−(4−メトキシフェニル)アクリレート(EtMeOCinnNB)、7−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメトキシ)−2H−クロメン−2−オン(MeCoumNB)CAS#192633-28-6、7−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)エトキシ)−2H−クロメン−2−オン(EtCoumNB)、7−(4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)ブトキシ)−2H−クロメン−2−オン(BuCoumNB)、2−(4−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)エチル)フェニル)−1H−インデン(EtPhIndNB)、2−(4−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル)フェニル)−1H−ンデン(PhIndNB)。上記名称の各化学物質については頭字語が提供されているため、以下においては、任意のかかる化学物質について言及する場合、化学物質の頭字語を用いて行うことを指摘する。
【0036】
上述の特に好適で好ましい式IおよびIIの繰り返し単位は、1または2以上のノルボルネン系モノマーにより形成され、該モノマーとしては、限定はされないが、次の式からなる群から選択されるものを含む:
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
式中、「Me」はメチルを意味し、「Et」はエチルを意味し、「OMe−p」はパラメトキシを意味し、「Ph」および「C
6H
5」はフェニルを意味し、「C
6H
4」はフェニレンを意味し、「C
6F
5」はペンタフルオロフェニルを意味し、部分式9および11において「OAc」はアセテートを意味し、部分式25において「PFAc」は−OC(O)−C
7F
15を意味し、および、メチレン架橋基(ノルボルネン環および官能基の両方に共有結合したCH
2)を有する上記部分式の各々であって、限定はされないが11〜14、16、18、19および54を含むものについては、メチレン架橋基は共有結合または−(CH
2)
p−により置き換えることができ、pは1〜6の整数である。
【0043】
上に54個の具体例が提供されているが、本発明の好ましい態様によるその他のモノマーも、式IaおよびIIaにより表されるモノマーに含まれることがさらに理解され、この式中、R
1、R
2、R
3、およびR
4またはR
5、R
6、R
7、およびR
8の少なくとも1つは、ヘテロ原子を含む、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、およびペルハロカルビルであり、これは、−(CH
2)
n−C(CF
3)
2−OH、−(CH
2)
n−C(CF
3)(CH
3)、−OH、−(CH
2)
n−C(O)NHR
*、−(CH
2)
n−C(O)Cl、−(CH
2)
n−C(O)OR
*、−(CH
2)
n−OR
*、−(CH
2)
n−OC(O)R
*、および−(CH
2)
n−C(O)R
*を含み、式中nは独立して0〜10の整数を表し、R
*は独立して水素、C
1〜C
11アルキル、C
1〜C
11ハロゲン化もしくはペルハロゲン化アルキル、C
2〜C
10アルケニル、C
2〜C
10アルキニル、C
5〜C
12シクロアルキル、C
6〜C
14アリール、C
6〜C
14ハロゲン化もしくはペルハロゲン化アリール、C
7〜C
14アラルキル、またはハロゲン化もしくはペルハロゲン化C
7〜C
14アラルキルを表す。好適で好ましいペルハロゲン化アルキル基としては、限定はされないが、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、−C
2F
5、−C
3F
7、−C
4F
9、−C
7F
15、および−C
11F
23が挙げられる。さらに好適で好ましいハロゲン化またはペルハロゲン化アリールおよびアラルキル基としては、限定はされないが、式:−(CH
2)
x−C
6F
yH
5−y、および−(CH
2)
x−C
6F
yH
4−y−pC
zF
qH
2z+1−qを有する基を含み、式中、x、y、qおよびzは、それぞれ独立して0〜5、0〜9、および1〜4の整数から選択される。非常に好ましいペルハロゲン化アリール基としては、限定はされないが、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタフルオロベンジル、4−トリフルオロメチルベンジル、ペンタフルオロフェニルエチル、ペンタフルオロフェンプロピル、およびペンタフルオロフェンブチルが挙げられる。
【0044】
それぞれの式I、Ia、IIおよびIIa、および上に提供されているそれぞれの構造式は、いかなる立体化学を示すことなく表されており、一般的にそれぞれのモノマーは、別の指定がない限り、繰り返し単位に変換された場合にその構造を保持するジアステレオ異性体混合物として得られることを指摘する。かかるジアステレオ異性体混合物のexoおよびendo異性体はわずかに異なる特性を有し得るため、本発明の好ましい態様は、exoまたはendo異性体のどちらかに富む異性体混合物であるモノマーか、または本質的に純粋なexoまたはendo異性体であるモノマーを用いることにより、かかる違いを利用していることも、さらに理解されるべきである。
【0045】
本発明の別の好ましい態様において、ポリシクロオレフィンポリマーは、式Iaのモノマーに由来する繰り返し単位を有し、この式中、R
1〜4の1つ、例えばR
1は、上記のようなフッ素化またはペルフッ素化アルキル、アリールまたはアラルキル基であり、R
1〜4のその他はHである。非常に好ましくは、モノマーはNBC
4F
9、NBCH
2C
6F
5、NBC
6F
5、NBCH
2C
6H
3F
2、NBCH
2C
6H
4CF
3、FPCNB、FHCNB、FHCNB、FPCHNB;C
8PFAcNBまたはPPVENBの1つである。
本発明の別の好ましい態様において、ポリシクロオレフィンポリマーは、式Iaのモノマーに由来する繰り返し単位を有し、この式中、R
1〜4の1つ、例えばR
1は、上記のような光反応性または架橋性基であり、R
1〜4のその他はHである。非常に好ましくは、モノマーは、DCPD、EONB、MGENB、AkSiNB、ArSiNB、MCHMNB、NPCHMMNB、DMMIMeNB、DMMIEtNB、DMMIBuNB、MMMIMeNB、MIMeNB、MIEtNB、DMMIHxNB、EtPhDMMIiNB、DHNMINB、MeOCinnNB、CinnNB、EtgMeOCinnNB、MeCoumNB、EtCoumNB、BuCoumNB、EtPHIndNBまたはPhIndNBの1つである。
【0046】
本発明の別の好ましい態様において、ポリシクロオレフィンポリマーは、式Iaのモノマーに由来する繰り返し単位を有し、この式中、R
1〜4の1つ、例えばR
1は、上記のようなアルキル基であり、R
1〜4のその他はHである。非常に好ましくは、モノマーは、BuNB、HexNB、OctNBおよびDecNBの1つである。
本発明の別の好ましい態様において、ポリシクロオレフィンポリマーは、式Iaのモノマーに由来する繰り返し単位を有し、この式中、R
1〜4の1つ、例えばR
1は、上記のような、ヒドロキシ、カルボキシ、アセトキシ、またはオリゴエチレンオキシ部分を有する極性基であり、R
1〜4のその他はHを示す。非常に好ましくは、モノマーは、MeOAcNB、NBXOH、NBCH
2GlyOAc、NBCH
2GlyOH、NBTON、またはNBTODDの1つである。
【0047】
本発明の1つの例示の好ましい態様は、上記のフッ素化モノマーに由来する第1タイプの繰り返し単位と、これも上記の架橋性モノマーに由来する第2タイプの繰り返し単位とを有するポリマーを包含する。かかる好ましい態様の非常に好ましい例は、NBCH
2C
6F
5によるモノマーに由来する繰り返し単位を有し、さらに、DMMIMeNB、DMMIEtNB、DMMIBuNBおよびDMMIHxNBから選択されるモノマーに由来する繰り返し単位を有する、ポリマーである。
かかる好ましい態様の別の好ましい例は、BuNB、HexNB,OctNB,DecNBおよびMeOAcNMによるモノマーに由来する繰り返し単位を有し、さらに、EONB、MGENB、DMMIMeNB、DMMIMeNB、DMMIEtNB、DMMIBuNB、およびDMMIHxNBから選択されるモノマーに由来する繰り返し単位を有する、ポリマーである。
【0048】
本発明の別の好ましい態様は、式Iまたは式IIによる、2つ、3つまたは4つ以上の異なるタイプの繰り返し単位を有するポリマーに関する。本発明の別の好ましい態様は、式Iによる第1タイプの繰り返し単位を有する第1ポリマーと、少なくとも、第1タイプの繰り返し単位と式IIによる第2タイプの繰り返し単位とを有する第2ポリマーの、ポリマーブレンドに関する。本発明の別の好ましい態様は、前述の第2ポリマーと、式Iによる2または3以上のタイプの繰り返し単位を有する代替的第1ポリマーを含む、ポリマーブレンドに関する。本発明の別の好ましい態様は、前述の代替的第1ポリマーが、式IIによる3つのタイプの繰り返し単位を有する代替的第2ポリマーと混合されて含まれる、ポリマーブレンドに関する。
【0049】
本発明の別の好ましい態様は、式Iによる少なくとも1つの繰り返し単位と式IIによる少なくとも1つの繰り返し単位とを有するポリマーを包含し、ここで、かかる式Iの、式IIの繰り返し単位に対する比率は、95:5〜5:95である。別の好ましい態様において、かかる式Iの、式IIの繰り返し単位に対する比率は、80:20〜20:80である。さらに別の好ましい態様において、かかる式Iの、式Iの繰り返し単位に対する比率は、60:40〜40:60である。さらに別の好ましい態様において、かかる式Iの、式Iの繰り返し単位に対する比率は、55:45〜45:55である。
本発明による別の好ましい態様は、式Iによる少なくとも1つのタイプの繰り返し単位をそれぞれが有する1または2以上のポリマーと、ノルボルネン系繰り返し単位とは異なる繰り返し単位を有する1または2以上のポリマーの、ポリマーブレンドを包含する。これらの別のポリマーは、好ましくは、ただし限定することなく、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリ−4−ビニルフェノール、ポリビニルピロリドン、またはこれらの組み合わせ、例えばPMMA−PSおよびPS−ポリアクリロニトリル(polyacrylnitrile)から選択される。
【0050】
好適なノルボルネンモノマー、ポリマーおよびそれらの合成の方法の例は、本明細書に記載されており、またUS 5,468,819、US 6,538,087、US 2006/0020068 A1、US 2007/0066775 A1およびUS 2008/0194740 A1にも見出すことができ、これらは本明細書に参照によって組み込まれる。例えば、第VIII族遷移金属触媒を用いる例示の重合プロセスは、前述のUS 2006/0020068 A1に記載されている。
本発明のポリマーの態様は、その使用に適した重量平均分子量(M
w)を有して形成される。一般的に、5,000〜500,000のM
wがいくつかの態様について適切と見出され、一方別の態様については、別のM
w範囲が有利となり得る。例えば、好ましい態様において、ポリマーは少なくとも30,000のM
wを有し、一方で別の好ましい態様においては、ポリマーは少なくとも60,000のM
wを有する。別の好ましい態様において、ポリマーのM
wの上限値は400,000までであり、一方で別の好ましい態様においては、ポリマーのM
wの上限値は250,000までである。適切なM
wは、硬化ポリマー、フィルム、層またはこれに由来する構造の所望される物理的特性の関数であるため、これは設計上の選択であり、したがって上記に提供される範囲内の任意のM
wが、本発明の範囲内であることが理解される。
【0051】
本発明による好ましい態様は、有機電子デバイスのゲート絶縁層を形成するためのポリマー組成物の使用を包含する。かかる組成物は、1または2以上のポリシクロオレフィンポリマー成分に加えて、任意にOSC層材料に対して直交溶解性特性を有する注型用溶媒(casting solvent)、および任意に、架橋剤、反応性溶媒、安定剤、UV増感剤、接着促進剤および熱増感剤から選択される、1または2以上の添加剤を含む。
増感剤およびその他の添加剤は典型的には、組成物に対して、前述のゲート絶縁層形成のための使用の前に加えられる。したがって、本発明の好ましい態様は、かかるポリマー組成物を有するかその使用を介して得られる、電子デバイスまたは光電子デバイスを包含する。
【0052】
かかる電子または光電子デバイスには、特に以下が含まれる:電界効果トランジスタ(FET)、有機電界効果トランジスタ(OFET)、薄膜トランジスタ(TFT)および有機薄膜トランジスタ(OTFT)、これらはトップゲートまたはボトムゲート・トランジスタであってよく、および集積回路(IC)、ならびに無線自動識別(RFID)タグなどのデバイス。例えば、かかるポリマー組成物をゲート絶縁体または誘電体層として用いて作製したトランジスタは、
図1および
図2に模式的に示されている。
【0053】
ペンダントマレイミド基を架橋性基として含むポリノルボルネンを使用する場合、本発明の好ましい態様は、例えば1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン(CPTX)などの市販のUV増感剤、または、マレイミド基とは異なる波長で吸収し、これにより吸収された入射光の量を増加させて、マレイミドの励起状態への三重項−三重項エネルギー移動を受ける、その他の市販のUV増感剤を用いる。増感剤は、ポリマー鎖内に組み込むか、または上記のようにポリマー組成物に添加することができる。与えられた波長においてよりよい吸収特性を有する式IaまたはIIaの第1の化合物であって、この第1の化合物と同じ潜在性反応基を有する式IaまたはIIaの第2の化合物から形成されるポリマー内に組み込まれている、前記第1化合物を用いることも可能である。これは、例えば20%などの少量の第1の化合物を、例えば80%などの大量の第2の化合物に加え、与えられた波長において硬化が起こるようにすることで、実現することができる。例えば、化合物DHNMINB(43)は365nmにて良好に吸収し、一方DMMIMeNB(34)はそうではなく、したがって例えば20%のDHNMINBをDMMIMeNBに加えると、さらなるUV増感剤を添加することなく、365nmにおいて硬化が起こる。DMMIMeNBはDHNMINBと反応することができ、または代替的に、第2成分が架橋に関与しない場合、周囲のDHNMINBポリマーネットワークにより不溶化されることができる。
【0054】
エポキシド架橋は、好ましくはペンダントエポキシド官能基を酸触媒と組み合わせて用いることにより、実施される。この酸触媒は、典型的にはUV照射または熱への暴露により分解する、オニウム塩である。光酸発生剤(PAG)の場合、開始には一般的に適当な波長の低UV用量と、続いて80〜180℃の間での熱アニーリングが必要である。一般的に、前述の範囲の低限値の温度がより好ましく、これは、高い温度では、ポリマーの酸化を防ぐために窒素雰囲気が必要だからである。代替的に、架橋を熱的に開始させて、180℃で30分間、窒素雰囲気下でベークすることにより硬化することができる。架橋プロセスに続いて、ポリマーネットワークは、PAGからの残留酸を含むことができる。誘電体を含有する有機トランジスタデバイスにおける、かかる残留酸による望ましくない効果を防止するために、架橋されたポリマーに、水および塩基を溶解した膨張溶媒処理を施す。この様式において、かかる残留酸を捕捉して中性化および/または可溶化し、次に新鮮な膨張溶媒によるさらなる洗浄によってポリマーから除去することができる。
【0055】
本発明の別の好ましい態様において、光架橋に直接関連する成分の添加とは別に、多成分調合物をノルボルネン系付加重合体に加えて、一定の別の特性を改善することができる。これらの追加の成分は好ましくは、抗酸化剤、遊離基捕捉剤(ラジカルスカベンジャー)、接着促進成分、表面修飾成分および形態制御成分から選択される。好適かつ好ましい接着促進化合物としては、特に、シランまたはイオウ含有化合物を含む。
さらにまた、本発明の好ましい態様において、ゲート絶縁層の製造方法において、別の調合物、例えば接着促進剤またはスカベンジング反応性洗浄溶液を含む調合物などを、本明細書に記載のゲート絶縁ポリマー組成物に加えて用いる。
【0056】
本発明はまた、かかるポリマー組成物を有するかその使用を介して得られる、電子デバイスに関する。かかる電子デバイスとしては、特に、有機電界効果トランジスタ(OFET)、薄膜トランジスタ(TFT)、集積回路(IC)、および無線自動識別(RFID)タグを含む。かかる電子デバイスの態様が、かかるポリマー組成物をゲート絶縁層の形成のために用いて作られるトランジスタを含む場合、かかるトランジスタは、トップゲートおよびボトムゲートトランジスタの両方を有利に含む。
添付の図を見ると、
図1および
図2は、それぞれ、本発明の好ましい態様による、トップゲートおよびボトムゲート有機電界効果トランジスタを表す。
【0057】
図1のトップゲートOFETデバイスは、基板(1)、ソースおよびドレイン電極(2)、OSC層(3)、ゲート絶縁層(4)、ゲート電極(5)、および後に提供され得るさらなる層またはデバイスからゲート電極を遮蔽するための光学第2絶縁層または保護層(6)を含む。
本発明の別の主題は、例えば
図1に示したようなデバイスの製造方法あって、ここで、a)ソースおよびドレイン電極(2)を基板(1)上に形成する、b)有機半導体(OSC)材料の層(3)を、基板(1)とソースおよびドレイン電極(2)の一部に重ねて形成する、c)ゲート絶縁層(4)をOSC材料(3)に重ねて形成する、d)ゲート電極(5)を、ゲート絶縁層(4)の少なくとも一部に重ねて形成する、およびe)任意に、別の層(6)を、例えば絶縁層および/または保護層および/または安定化層および/または接着層を、ゲート電極(5)およびゲート絶縁層(4)に重ねて形成する。
【0058】
本発明の好ましい態様において、例えば
図1に示すようなデバイスを上記のような方法により製造するが、ただしOSC層(3)は、ソースおよびドレイン電極(2)の形成の前に基板(1)上に形成される。
図2のボトムゲートOFETデバイスは、基板(1)、ソースおよびドレイン電極(2)、OSC層(3)、ゲート絶縁層(4)、ゲート電極(5)、およびOFET上に提供されるさらなる層またはデバイスからソースおよびドレイン電極を遮蔽するための、任意の第2絶縁層または保護層(6)を含む。
【0059】
本発明の別の主題は、例えば
図2に示したようなデバイスの製造方法であって、ここで、a)ゲート電極(5)を基板(1)上に重ねて形成する、b)ゲート絶縁層(4)を、ゲート電極(5)と基板(1)の一部に重ねて形成する、c)有機半導体(OSC)材料層(3)を、ゲート絶縁層(4)に重ねて形成する、d)ソースおよびドレイン電極(2)を、有機半導体層(3)の少なくとも一部に重ねて形成する、およびe)任意に、別の層(6)を、例えば絶縁層および/または保護層および/または安定化層および/または接着層を、ソースおよびドレイン電極(2)およびOSC層(4)の一部に重ねて形成する。
本発明の好ましい態様において、例えば
図2に示したようなデバイスを、上述などの方法により製造するが、ただし、ソースおよびドレイン電極(2)は、有機半導体層(3)の形成の前に、ゲート絶縁層(4)に重ねられる。
【0060】
本発明の方法において、
図1および
図2に関して上に記載したように、一部またはすべての層の形成は好ましくは溶解処理技術を用いて行う。これは例えば、調合物または組成物、一般的には溶液を、例えばOSCまたはゲート絶縁材料それぞれと少なくとも1種の溶媒とを包含する前記溶液を、前もって堆積された層の上にまたはこれを覆って適用することと、次いで溶媒(単数または複数)を蒸発させることにより、実施することができる。ゲート誘電体層または絶縁層を形成するために、上記のような本発明のポリマー組成物の態様を用いる。非常に好ましい堆積技術としては、限定することなく、浸漬コーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷、ドクターブレードコーティング、ローラー印刷、逆ローラー印刷、オフセットリソグラフィ印刷、フレキソ印刷、ウェブ印刷、スプレーコーティング、ブラシコーティング、またはパッド印刷が挙げられる。最も好ましくは、スピンコーティング、フレキソ印刷、またはインクジェット印刷技術を用いる。
【0061】
任意の上記溶液堆積技術の特定のパラメータは、形成されている特定の層および、かかる層と層がその一部となっているデバイスについての所望の最終特性に合わせて調整されることが理解される。例えば、いくつかの好ましいOFETにおいて0.5ミクロン(μm)の厚さを有するゲート絶縁層が所望される場合、他の好ましいOFETにおいては、かかる層は1.0μmの所望の厚さに形成される場合がある。したがって、1.0μmの層を形成するのに必要な特定のパラメータは当然ながら、0.5μmの層を形成するのに必要なものとは異なる。すなわち、スピンコーティングの堆積技術を採用した場合、本発明のポリマー組成物の態様の適切な量が基板に適用されて、例えば500〜2000rpmで、例えば20〜50秒間スピンされ、例えば0.2〜1.5μmの所望の厚さを有する層が形成される。かかる層を基板上にキャストした後、通常は基板と層を加熱して、残留揮発性溶媒を除去する。かかる加熱はオーブン内で、または70〜130℃の温度に設定した加熱された表面上に基板を1〜30分間の間置くことによって、達成することができる。スピンコーティング技術を用いる場合、一般的にはスピンが完了した後にほとんどが揮発する溶媒を用いるのが好ましく、一方、インクジェットまたはフレキソ印刷技術を用いる場合、設備が関連する処理時間を延長するために高い沸点の有機ケトン溶媒を一般的に用いることに留意すべきである。
【0062】
本発明の好ましい態様は、上記および下記の1または2以上のポリシクロオレフィンポリマーもしくはポリマーブレンド、および、1または2以上の溶媒であって、好ましくは以下:炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤、脂環式エーテル、環状エーテル、エステル、ラクトン、ケトン、アミド、環状カーボネート、フッ素化またはペルフッ素化溶媒または上記の多成分の混合物を含むがこれには限定されない有機溶媒、から選択される前記1または2以上の溶媒を含む、組成物に関する。例示の溶媒としては、シクロヘキサノン、メシチレン、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルn−アミルケトン(MAK)、シクロヘキサノン、4−メチルアニソール、ブチルフェニルエーテル、シクロヘキシルベンゼン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、HFE7500、ペルフルオロメチルデカリン、およびペルフルオロペルヒドロフェナントレンが挙げられる。
【0063】
好ましくは組成物において、ポリシクロオレフィンポリマーまたはポリマーブレンドの濃度は、0.1〜30wt%、非常に好ましくは1〜20wt%、および最も好ましくは2〜12wt%である。
上述のように、本発明の好ましいポリマー組成物は、ゲート絶縁層を形成するための架橋性または架橋ポリシクロオレフィンポリマー、またはその成分を、得られたフィルムの1または2以上の特性を改善するために含む。かかるフィルム特性としては、特に、構造的集積性、耐久性、機械的抵抗性、および耐溶剤性を含む。好適かつ好ましい架橋性ポリマーは、例えば、式Iaのモノマーに由来する1または2以上の繰り返し単位を有するものを含み、この式中、R
1〜4の1または2以上は、上記の架橋性基を表し、例えばDMMI型モノマーの1つか、またはEONBもしくはMGENBの1つである。
【0064】
架橋のために、ゲート絶縁体形成ポリマーは、典型的には電子線またはX線などの電磁(化学)放射線、UVもしくは可視線、または局所的熱架橋のための例えば集束IR(例えばレーザーを使用)などのIR照射に暴露される。例えば化学線を用いて、11nm〜700nm、例えば200〜700nmの波長を用いてポリマーを画像化することができる。暴露用の化学線の用量は、一般的に、25〜5,000mJ/cm
2であるが、ただし適切な場合にはより高いエネルギーを用いることができる。化学線の好適な線源としては、水銀、水銀/キセノン、水銀/ハロゲンおよびキセノンランプ、アルゴンまたはキセノンレーザ光源、X線、または電子ビーム源を含む。化学線へのかかる暴露は、暴露された領域の架橋を引き起こすためである。
好ましい態様において、ゲート絶縁層は、70℃〜300℃の温度で、例えば1〜10分間、暴露後にベークされる。暴露後ベークを用いて、ポリマーの暴露部分内の別の架橋性部分の架橋をさらに促進することができ、ここでかかるベークの温度の増加は、かかる暴露領域内の架橋の程度を高める働きをする。
【0065】
好ましい態様において、架橋性ポリマー組成物は、式IまたはIIの繰り返し単位を含む1または2以上の架橋性ポリシクロオレフィンポリマーを含む、ゲート絶縁層を形成するために用い、ここでかかる繰り返し単位の少なくとも1つは、架橋性ペンダント基を含む。
非常に好ましいのは、CPTXなどの増感剤および、MAK、シクロヘキサノンまたはシクロペンタノンなどの溶媒を含む、ポリマー組成物である。
別の好ましい態様において、架橋性ポリマー組成物は、自発的架橋を防ぎ、ポリマー組成物の保存寿命を改善するための、安定剤材料または部分を含む。好適な安定剤は抗酸化剤であり、例えばカテコールまたはフェノール誘導体であって1または2以上のバルクアルキル基、例えばt−ブチル基を、フェノールOH基のオルト位に任意に含むものなどである。
【0066】
電子デバイスの物理的集積性は、例えばフラットパネル電子工学ディスプレイのアクティブマトリクス・バックプレーンのなどの、より複雑な構造を製造するためのキーとなる要素である。基板と上部層のスタックとの間の接着は、例えばエアカーテン乾燥または有機溶媒を用いる湿式処理などの、さらなる処理に耐えるだけの強度を有さねばならない。接着が十分な強度でない場合、例えばエアカーテン乾燥の場合は上部層がはがれ、または、例えば湿式処理の場合は、溶媒が毛細管力により基板と層の間に入り、上部層が基板上を移動する。これはプラスチック基板を用いる場合にはより重要であり、その理由は、未処理のプラスチックの表面エネルギーは通常低く、接着力が高くないためである。これらの問題を克服するために従来技術で示唆されている、可能性のある解決策としては、例えば酸素プラズマ処理などの、基板表面を化学的に修飾する方法、または例えばプラスチック基板用の金属酸化物層などの、追加の層により前被覆された基板の使用が挙げられる。しかし、例えば誘電性ポリマーなどを化学的修飾する方法は限定されており、その理由は、例えば溶解性などその特性に負の影響を及ぼし得るため、またはデバイス性能に負の影響を及ぼし得るためである。
【0067】
したがって、本発明の好ましい態様においては、ゲート絶縁層形成のための架橋性ポリシクロオレフィンを含む架橋性ポリマー組成物に加えて、反応性接着促進剤を用いる。反応性接着促進剤は、架橋性ポリシクロオレフィンポリマーのペンダント架橋性基と架橋可能な第1架橋官能基と、例えば化学結合などによって隣接デバイス層との相互反応可能な表面活性基である第2官能基とを含む。かかる隣接デバイス層とは、例えばその上にゲート絶縁層を堆積するところの基板もしくは下部の機能デバイス層、または、ゲート絶縁層上に堆積された機能層である。
【0068】
この好ましい態様の第1の型において、接着促進剤を、後にゲート絶縁体をその上に形成する基板または層の上に、絶縁層を形成する架橋性ポリシクロオレフィンポリマー組成物の堆積の前に、堆積する。接着促進剤は、例えば基板を好適な溶媒中の接着促進剤溶液に浸漬し、次に溶媒を除去することにより、基板上に堆積される。接着促進剤は、任意に基板との化学結合の形成のもとで、基板表面上に薄い層を形成する。その後、架橋性ポリマー組成物を、接着促進剤の層で被覆された基板の表面に堆積する。全ての溶媒を除去した後、接着促進剤と架橋性ポリシクロオレフィンポリマーの架橋性基は、例えばUV暴露により架橋される。
【0069】
この第1の型の好ましい態様によるゲート絶縁層は、したがって、以下のステップを含む方法によって製造することができる:a)基板上または、例えば半導体層もしくは電極であるデバイス層上に、上記または下記の接着促進剤であって、任意に1または2以上の有機溶媒に溶解または分散されている前記接着促進剤を堆積すること、b)溶媒が存在する場合、該溶媒を除去して、これにより基板表面上に接着促進剤の層を形成すること、c)上記および下記の架橋性ポリシクロオレフィンポリマー組成物を含みまた任意に溶媒を含む、架橋性ポリシクロオレフィンポリマー組成物の層を、接着促進剤層を含有する基板の表面に堆積すること、d)溶媒が存在する場合、前記溶媒を除去すること、およびe)ポリシクロオレフィンポリマーの層を、接着促進剤の架橋性基とポリシクロオレフィンポリマーの架橋性基の架橋を引き起こす熱または化学線に暴露して、これによりゲート絶縁層を形成すること。
【0070】
この好ましい態様の第2の型において、ゲート絶縁層は、架橋性ポリシクロオレフィンポリマーと接着促進剤添加剤(表面活性官能基および、架橋性ポリシクロオレフィンポリマーの架橋性基と架橋可能な架橋性官能基とを含む)を含む、架橋性ポリマー組成物から形成される。
この好ましい態様の第2の型によるゲート絶縁層は、以下のステップを含む方法により製造することができる:a)基板上または、例えば半導体層もしくは電極であるデバイス層上に、接着促進剤、架橋性ポリシクロオレフィンポリマーおよび溶媒を含む、架橋性ポリマー組成物の層を堆積すること、b)溶媒を除去すること、および、c)ポリマー組成物の層を、接着促進剤の架橋性基とポリシクロオレフィンポリマーの架橋性基の架橋を引き起こす熱または化学線に暴露して、これによりゲート絶縁層を形成すること。
【0071】
本発明の架橋性ポリマー組成物におけるかかる反応性接着促進剤の使用は、それから形成される層の、下の層への接着を有利に改善することができる。
これによって、ゲート絶縁層の接着を、層形成のために用いるポリマーを変更することなく、また層の性能に潜在的に負の効果を及ぼすことなく、改善することができる。
反応性接着促進剤の表面活性基は、好ましくは、シランまたはシラザン基である。好ましくは、表面活性基は、式:−SiR
12R
13R
14のシラン基、または式:−NH−SiR
12R
13R
14のシラザン基であって、式中、R
12、R
13およびR
14は、各々独立して、ハロゲン、シラザン、C
1〜C
12−アルコキシ、C
1〜C
12−アルキルアミノ、任意に置換されたC
5〜C
20−アリールオキシ、および任意に置換されたC
2〜C
20−ヘテロアリールオキシから選択され、および式中、1または2以上のR
12、R
13およびR
14はまた、C
1〜C
12−アルキル、任意に置換されたC
5〜C
20−アリール、または任意に置換されたC
2〜C
20−ヘテロアリールを表してもよい。
【0072】
反応性接着促進剤の架橋性基は好ましくは、マレイミド、3−モノアルキル−マレイミド、3,4−ジアルキルマレイミド、エポキシ、ビニル、アセチル、インデニル、シンナマート、もしくはクマリン基から選択されるか、または、置換もしくは非置換のマレイミド部分、エポキシド部分、ビニル部分、シンナマート部分もしくはクマリン部分を含む。
非常に好ましくは、反応性接着促進剤は、式III:
G−A’−P III
式中、Gは、好ましくは上または下に定義の表面活性基であり、A’は単結合または結合基、スペーサー基、もしくは架橋基であり、およびPは、好ましくは上または下に定義の架橋性基である、
から選択される。
【0073】
Gは、好ましくは式:−SiR
12R
13R
14の基、または式:−NH−SiR
12R
13R
14の基であって、式中、R
12、R
13およびR
14は、各々独立して、ハロゲン、シラザン、C
1〜C
12−アルコキシ、C
1〜C
12−アルキルアミノ、任意に置換されたC
5〜C
20−アリールオキシ、および任意に置換されたC
2〜C
20−ヘテロアリールオキシであり、および式中、1または2以上のR
12、R
13およびR
14はまた、C
1〜C
12−アルキル、任意に置換されたC
5〜C
20−アリール、または任意に置換されたC
2〜C
20−ヘテロアリールであってもよい。
Pは好ましくは、マレイミド、3−モノアルキル−マレイミド、3,4−ジアルキルマレイミド、エポキシ、ビニル、アセチル、インデニル、シンナマート、もしくはクマリン基から選択されるか、または、置換もしくは非置換のマレイミド部分、エポキシド部分、ビニル部分、シンナマート部分もしくはクマリン部分を含む。
【0074】
好ましくは、A’は(CZ
2)
n、(CH
2)
n−(CH=CH)
p−(CH
2)
n、(CH
2)
n−O、(CH
2)
n−O−(CH
2)
n、(CH
2)
n−C
6Q
4−(CH
2)
n、(CH
2)
n−C
6Q
10−(CH
2)
n、およびC(O)−Oから選択され、この式中、nは独立して0〜12の整数であり、pは1〜6の整数であり、Zは独立してHまたはFであり、C
6Q
4はQで置換されているフェニルであり、C
6Q
10はQで置換されているシクロヘキシルであり、Qは独立して、H、F、CH
3、CF
3またはOCH
3である。
好適かつ好ましい化合物は、式A1から選択され:
【化14】
式中、SiR
12R
13R
14は、上記定義のシラン基であり、A’は本明細書中で定義の通りであり、およびR
10およびR
11は、各々独立してHまたはC
1〜C
6アルキル基である。特に好ましいのは、DMMI−プロピル−(Si(OEt)
3、DMMI−ブチル−(Si(OEt)
3、DMMI−ブチル−(Si(OMe)
3、DMMI−ヘキシル−(Si(OMe)
3である。
【0075】
本明細書において、用語「スペーサー基」、「結合基」および「架橋基」は、当業者に知られている(例えばPure Appl. Chem. 73(5), 888 (2001).参照)。
スペーサー基A’は好ましくは、直鎖C
1〜C
30アルキレンまたは分枝C
3〜C
30アルキレンまたは環状C
5〜C
30アルキレンを表し、これらの各々は非置換か、またはF、Cl、Br、IもしくはCNにより単置換もしくは多置換されており、ここで任意に、1または2以上の隣接していないCH
2基は、各々の場合に互いに独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR
18−、−SiNR
18R
19−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−OC(O)−O−、−S−C(O)−、−C(O)−S−、−CH=CH−またはC≡Cによって、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合されない様式で置き換えられており、R
18およびR
19は互いに独立して、H、メチル、エチルまたはC
3〜C
12直鎖もしくは分枝アルキル基である。
【0076】
好ましいA’基は、−(CH
2)
p−、−(CH
2CH
2O)
q−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−S−CH
2CH
2−または−CH
2CH
2−NH−CH
2CH
2−または−(SiR
18R
19−O)
p−であり、ここでpは2〜12の整数であり、qは1〜3の整数であり、およびR
18およびR
19は、上記の意味を有する。
さらに好ましいA’基は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレン−チオエチレン、エチレン−N−メチル−イミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンから選択される。
式A1のものなどの接着促進剤の合成は、例AD1およびUS 4,565,873に開示されている。
【0077】
別の好ましい態様において、ゲート絶縁層は、架橋性基を有する好ましくは式IまたはIIの1または2以上の繰り返し単位を含み、ゲート絶縁層はさらに、ポリマーまたはポリマー組成物の前記繰り返し単位の架橋性基と反応することができる、2または3以上の架橋性官能基を含む化合物である、架橋剤を含む。
機能層の処理および電子デバイスの集積性を改善するために、形成される層の物理的特性を維持または改善しつつ、処理に必要な時間を減少させることが望ましい。これは、かかる層を形成するために用いる次の層と溶媒が直交性であり、したがって互いに溶解しない場合に維持可能である。かかる直交性を得ることが困難な場合、第1機能層を架橋、典型的にはUV架橋して、かかる第1層を第2機能層のポリマー組成物に対して不溶性にすることが、どちらかの層の特性の、別の層に対する任意の影響を防ぐであろう。
【0078】
処理に必要な時間の短縮は、例えば被覆プロセスの調節により行うことができ、一方でUV架橋に必要な時間を短縮することは、誘電性ポリマーの化学的調節によるか、または処理を変更することの両方によって、実現可能である。
しかし、誘電性ポリマーの化学的修飾は、UV感受性がポリマー誘電体の一定の特性に関連するために限られており、例えばUV感受性の増加への変化は、溶解性を低減させ得る。処理の変更、例えば高いUV力の使用は、オゾン雰囲気を生成する可能性があり、したがってポリマー誘電体の表面に望ましくない変化を引き起こす可能性がある。
【0079】
したがって、本発明の好ましい態様において、ポリマー組成物は1または2以上の架橋添加剤を含む。かかる添加剤は、ゲート絶縁層形成に用いるポリシクロオレフィンポリマーのペンダント架橋性基と反応することができる、2または3以上の官能基を含む。かかる架橋添加剤の使用はまた、前述のポリマーの架橋も強化できることが理解されるであろう。
UV照射への暴露による架橋が好ましい。
架橋剤の使用は、適切な波長および用量のUV照射に対する、像様(imagewise)の暴露の使用を介して、ゲート絶縁層をパターニングする能力を強化する。
【0080】
架橋剤の架橋性基は好ましくは、マレイミド、3−モノアルキルマレイミド、3,4−ジアルキルマレイミド、エポキシ、ビニル、アセチル、インデニル、シンナマート、もしくはクマリン基、または、置換もしくは非置換のマレイミド部分、エポキシド部分、ビニル部分、シンナマート部分もしくはクマリン部分を含む基から選択される。
非常に好ましくは、架橋剤は、式IV1またはIV2から選択され:
P−X−P IV1
H
4−mC(A”−P)
m IV2
式中、Xは、A”−X’−A”であり、X’はO、S、NH、または単結合であり、A”は、単結合またはスペーサー基、結合基もしくは架橋基であって、これは好ましくは(CZ
2)
n、(CH
2)
n−(CH=CH)
p−(CH
2)
n、(CH
2)
n−O、(CH
2)
n−O−(CH
2)
n、(CH
2)
n−C
6Q
4−(CH
2)
n、およびC(O)−Oから選択され、ここで各nは、独立して0〜12の整数であり、pは、1〜6の整数であり、Zは独立してH、F、CH
3、CF
3またはOCH
3であり、およびPは、式IIIの意味または上記および下記の好ましい意味の1つを有し、およびmは2、3または4である。
【0081】
好適で好ましい化合物は、式C1から選択される:
【化15】
式中、R
10およびR
11は、各々独立してHまたはC
1〜C
6アルキル基であり、A”は式に定義の通りであり、およびnは1〜10の整数である。特に好ましいのは、DMMI−ブチル−DMMI、DMMI−ペンチル−DMMI、およびDMMI−ヘキシル−DMMIである。
【0082】
スペーサー基A”は好ましくは、直鎖C
1〜C
30アルキレンまたは分枝C
3〜C
30アルキレンまたは環状C
5〜C
30アルキレンを表し、これらの各々は非置換か、またはF、Cl、Br、IもしくはCNにより一もしくは多置換されており、ここで任意に、1または2以上の隣接していないCH
2基は、各々の場合に互いに独立して、−O−、−S−、−NH−、−NR
18−、−SiNR
18R
19−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−OC(O)−O−、−S−C(O)−、−C(O)−S−、−CH=CH−またはC≡Cによって、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合されない様式で置き換えられており、R
18およびR
19は、互いに独立してH、メチル、エチルまたはC
3〜C
12直鎖もしくは分枝アルキル基である。
【0083】
好ましいA”基は、−(CH
2)
p−、−(CH
2CH
2O)
q−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−S−CH
2CH
2−または−CH
2CH
2−NH−CH
2CH
2−または−(SiR
18R
19−O)
p−であり、ここでpは2〜12の整数であり、qは1〜3の整数であり、およびR
18およびR
19は、上記の意味を有する。
さらに好ましいA”基は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレン−チオエチレン、エチレン−N−メチル−イミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンから選択される。
式C1のものなどの架橋剤の合成は、例えば、例AD2およびAD3、およびUS 3,622,321に記載されている。
【0084】
本発明の別の好ましい態様において、ゲート絶縁層または電子デバイスを製造する前述のプロセスにおいて、ゲート絶縁層は、上記および下記の架橋性ポリシクロオレフィンポリマーと架橋剤とを含むポリマー組成物から形成され、ゲート絶縁層を形成するプロセスは、架橋剤と架橋性ポリマーの架橋性基を、好ましくはUV暴露によって架橋するステップを含む。
電子デバイスのその他の成分または機能層、例えば基板、電極およびOSC層は、標準材料から選択することができ、標準法によって製造されてデバイスに適用することができる。これらの成分および層のための好適な材料および製造方法は、当業者に知られており、文献に記載されている。
【0085】
例えばガラスまたはプラスチック基板などの種々の基板が、有機電子デバイスの製造のために用いられるが、かかるプラスチック基板は一般的により普及している。好ましいプラスチック基板としては、限定はされないが、アルキド樹脂、アリルエステル、ベンゾシクロブテン、ブタジエン−スチレン共重合体、セルロース、酢酸セルロース、エポキシ樹脂、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ガラス繊維強化プラスチック、フルオロカーボンポリマー、ヘキサフルオロプロピレンビニリデン−フルオリド共重合体、高密度ポリエチレン、パリレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアラミド、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリケトン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、シリコーンゴム、およびシリコーンが挙げられる。一般的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、およびポリエチレンナフタレートが、通常用いられる基板材料であるが、有用な基板はまた、上記のプラスチック材料のいずれかで被覆された金属またはガラス成分を包含することができる。さらに、均一かつ均質な表面の基板を採用すると、一般的に良好なパターン鮮明度が得られることは、驚くべきことではない。トップゲートの態様の場合、基板はまた、押出し、引伸ばし、またはラビングによって一様に予め整列させて、有機半導体の配向性に影響を与え、キャリア移動度を向上させることができる。
【0086】
電極は、例えばスプレーコーティング、浸漬コーティング、ウェブ被覆、スピンコーティングなどの液体コーティングにより、または真空蒸着または化学蒸着法により、堆積することができる。好適な電極材料および堆積法は、当業者に知られている。好適な電極材料としては、限定はされないが、無機または有機材料、またはこれら2つの複合材料が含まれる。
好適な導体または電極材料の例としては、ポリアニリン、ポリピロール、PEDOTまたはドープされた共役高分子、さらにグラファイトの分散物またはペースト、またはAu、Ag、Cu、Al、Niなどの金属の粒子またはこれらの混合物、ならびにCu、Cr、Pt/Pdなどのスパッター被覆もしくは蒸着金属、またはインジウムスズ酸化物(ITO)などの金属酸化物が含まれる。有機金属前駆体もまた、液相から堆積させて用いることができる。
【0087】
OSC材料およびOSC層を適用するための方法は、当業者に知られている標準の材料および方法から選択することができ、これらは文献に記載されている。
OFETデバイスの場合でOFET層がOSCである場合、これはn型またはp型OSCであってよく、これは真空蒸着または化学蒸着により蒸着するか、または溶液から蒸着することができる。望ましいOSCは、1×10
−5cm
2V
−1s
−1より大きいFET移動度を有する。
OSCは例えば、OFETにおける活性チャネル材料として、または有機整流ダイオードの層要素として用いられる。OSCは一般的に、液体コーティングによって堆積されて、周囲条件での加工を可能とする。例示の液体コーティング法としては、限定はされないが、スプレーコーティング、浸漬コーティング、ウェブ被覆、スピンコーティングが挙げられる。本発明によるいくつかの態様において、インクジェット手段による堆積が用いられる。さらに、いくつかの態様において、OSCは真空または化学蒸着されることもできる。
【0088】
半導体チャネルもまた、2または3以上の同一の型の半導体の複合材料である。さらに、p型チャネル材料は、例えば層をドーピングする効果のためにn型材料と混合してもよい。多層半導体層も用いることができる。例えば、半導体は絶縁体インターフェース近くでは真性であり、真性層の隣に高度にドープした領域を追加してコーティングすることができる。
OSC材料は、任意の共役分子であってよく、例えば少なくとも3個の芳香環を含有する芳香族分子である。本発明のいくつかの好ましい態様において、OSCは、5員、6員、または7員芳香環から選択される芳香環を含有し、別の好ましい態様において、OSCは、5員、または6員芳香環から選択される芳香環を含有する。OSC材料は、モノマー、オリゴマー、またはポリマーであってよく、1または2以上のモノマー、オリゴマー、またはポリマーの混合物、分散物およびブレンドを含む。
【0089】
OSCの芳香環の各々は、Se、Te、P、Si、B、As、N、OまたはSから選択される1または2以上のヘテロ原子を任意に含むことができ、ここで一般的にかかるヘテロ原子は、N、O、またはSから選択される。
芳香環は、以下によって任意に置換されていてもよい:アルキル、アルコキシ、ポリアルコキシ、チオアルキル、アシル、アリールまたは置換アリール基、ハロゲン、特にフッ素、シアノ、ニトロ、または置換された第二級もしくは第三級アルキルアミンもしくはアリールアミンであって、−N(R
15)(R
16)で表されるものであり、式中、R
15およびR
16のどちらか1つ以下はHであり、およびこの一方または両方は、独立して置換アルキル、任意に置換されたアリール、アルコキシもしくはポリアルコキシ基であり、および式中、R
15およびR
16のどちらかはアルキルまたはアリールであり、これらはフッ素化もしくは過フッ素化されていてもよい。
環は、例えば−C(T
1)=C(T
2)−、−C≡C−、−N(R’)
2−、−N=N−、−N=C(R’)−などの共役結合基に、任意に融合または結合することができる。T
1およびT
2は、各々独立して、H、Cl、F、−C≡Nまたは低級アルキル基、特にC
1〜4アルキル基を表す;R’はH、任意に置換されたアルキルまたは任意に置換されたアリールを表す。R’がアルキルまたはアリールの場合、これらは任意にフッ素化されていてもよい。
【0090】
本発明で用いることのできる、その他の好ましいOSC材料としては、以下からなる群から選択される化合物、オリゴマーおよび化合物の誘導体が挙げられる:共役炭化水素ポリマー、例えばポリアセン、ポリフェニレン、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリフルオレンであって、これら共役炭化水素ポリマーのオリゴマーを含むもの;縮合芳香族炭化水素、例えばテトラセン、クリセン、ペンタセン、ピレン、ペリレン、コロネン、またはこれらの可溶性置換誘導体;オリゴマーパラ−置換フェニレン、例えばp−クアテルフェニル(p−4P)、p−キンキフェニル(p−5P)、p−セキシフェニル(p−6P)、またはこれらの可溶性置換誘導体;共役複素環ポリマー、例えばポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、任意に置換されたポリチエノ[2,3−b]チオフェン、任意に置換されたポリチエノ[3,2−b]チオフェン、ポリ(3−置換セレノフェン)、ポリベンゾチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)、ポリフラン、ポリピリジン、ポリ−1,3,4−オキサジアゾール、ポリイソチアナフテン、ポリ(N−置換アニリン)、
【0091】
ポリ(2−置換アニリン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−二置換アニリン)、 ポリアズレン、ポリピレン、ピラゾリン化合物;ポリセレノフェン;ポリベンゾフラン;ポリインドール;ポリピリダジン;ポリトリアリールアミン;ベンジジン化合物;スチルベン化合物;トリアジン;置換メタロ−または金属−フリーポルフィン、フタロシアニン、フルオロフタロシアニン、ナフタロシアニンまたはフルオロナフタロシアニン;C
60およびC
70フラーレン;N,N’−ジアルキル、置換ジアルキル、ジアリールまたは置換ジアリール−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドおよびフルオロ誘導体;N,N’−ジアルキル、置換ジアルキル、ジアリールまたは置換ジアリール−3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド;バソフェナントロリン;ジフェノキノン;1,3,4−オキサジアゾール;11,11,12,12−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン;α,α’−ビス(ジチエノ[3,2−b2’3’−d]チオフェン);2,8−ジアルキル、置換ジアルキル、ジアリールまたは置換ジアリールアントラジチオフェン;2,2’−ビベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン。いくつかの態様において、上記のOSC化合物およびその誘導体は、直交溶媒に可溶性である。
【0092】
本発明によるいくつかの好ましい態様において、OSC材料は、チオフェン−2,5−ジイル、3−置換チオフェン−2,5−ジイル、任意に置換されたチエノ[2,3−b]チオフェン−2,5−ジイル、任意に置換されたチエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、セレノフェン−2,5−ジイル、または3−置換セレノフェン−2,5−ジイルから選択される1または2以上の繰り返し単位を含む、ポリマーまたはコポリマーである。
本発明による別の好ましい態様において、OSC材料は、ペンタセン、テトラセンまたはアントラセンなどの置換オリゴアセン、またはその複素環誘導体、例えばビス(トリアルキルシリルエチニル)オリゴアセンまたはビス(トリアルキルシリルエチニル)ヘテロアセンであり、これらは例えばUS 6,690,029、WO 2005/055248 A1またはUS 7,385,221に開示されている。
【0093】
本発明の別の好ましい態様において、OSC層は、例えばWO 2005/055248 A1に記載されているように、レオロジー特性を調整するために1または2以上の有機結合剤を含む。
文脈により明白に別の規定がない限り、本明細書において用いる場合、複数形の用語は単数形も包含するものと解釈され、またその逆も真である。
本発明の前述の態様の変形も、本発明の範囲内にありつつ作製可能であることが理解される。本明細書に開示された特徴の各々は、別の規定がない限り、同一、同等または類似の目的を果たす代替的特徴で置き換えることができる。したがって、別の規定がない限り、開示された各特徴は単に例示としてみなされるべきであり、すなわち、かかる特徴は全部の種を包含する一般的表現である。
【0094】
本明細書に開示された特徴を組み合わせて、本発明による態様を作製することができるが、ただし、組み合わせが互いに排他的な特徴および/またはステップを含む場合を除くことが理解される。さらに、上記の特徴の多くはそれ自体が独創的であり、本発明の態様の一部としてではないことが理解される。
本発明をここにさらに詳細に、以下の例を参照して記載するが、これらは例示のみであり、本発明の範囲を限定するものではない。
別の規定がない限り、パーセンテージは重量パーセント、温度は摂氏温度で与えられる。
【0095】
以下の例において、いくつかの例示のモノマーへの合成経路およびかかるモノマーの重合の方法が実証される。これらの例は、いかなる方法においても本発明による態様の範囲を限定しない。さらに、合成経路および重合の各々は、一般的に、別の指摘がない限り、無水物および酸素非含有状態を用いることを指摘する。すなわち、例において、反応器に溶媒を入れるように指示されている場合、この溶媒は上記の条件を満たし、および/または、窒素などの不活性ガスが注入されて全ての溶解酸素および水が除去される。
例
【0096】
A:モノマー合成
例A1.DMMIMeNBの合成
ジメチルマレイン酸無水物(679g、5.39mol)および6Lのトルエンを、メカニカルスターラー、ディーンスタークトラップ、冷却器、および熱電対を取り付けた12Lのフラスコに入れた。ジメチルマレイン酸無水物がトルエンに溶解するにつれて、混合物は16℃に冷却された。機械的に攪拌されている混合物に、663gの99%アミノメチルノルボルネン(5.39モル)を600mlのトルエンのリンスと共に加えた。34℃の発熱が直ちに観察され、混合物を、還流が観察されるまで(過剰な泡立ちを避けるために)ゆっくり加熱した。昇温を開始してから約1.5時間、109℃において、溶液は透明になった。98mlの水(理論値の>100%)がディーンスタークトラップに収集され、反応が完了したことを示し、これはGC分析によって確認された。混合物を次に室温まで冷却させ、ろ過し、ろ液を回転蒸発させて、1656gの淡褐色の液体(収率>100%)、純度98.9%(GC)を生成した。これに、前のバッチからの128gの粗材料の残りを加え、両方のバッチを次に真空蒸留した。132gの前留が収集され、純度96.8%の生成物および未反応のジメチルマレイン酸無水物を含有することが分かった。さらに、第1画分である281gの99.4%純度の生成物は、146〜149℃(0.78〜1.15Torr)で収集され、第2画分である920gの99.8%純度の生成物は、149℃(1.15〜1.55Torr)で収集された。合わせた第1および第2画分の>99%純度の生成物は1201gであり、収率は87%であった。
【0097】
例A2.MIEtNBの合成
乳鉢で粉砕した無水マレイン酸(389g、3.96mol)、および6300mlのキシレンを、メカニカルスターラー、冷却器、ディーンスタークトラップおよび熱電対を備えた反応器に入れた。温度は19℃まで低下するのが観察され、この間、濁った溶液が得られた。アミノエチルノルボルネン(90.1%純度、600g、3.94mol)を、撹拌混合物に20分かけて滴下し、これにより温度を49℃に上昇させて、深い琥珀色の溶液を得た。溶液を加熱して還流させ、5時間40分後に、ディーンスタークトラップへの水の移動が本質的に停止するのが見られた;49mlの水(理論値の68%)を回収した。反応混合物のプロトンNMR分析は、6.3〜6.45ppmにて非常に弱いアミド酸シグナルを示し、GC分析は、86.8%の所望の生成物を示した。反応液を室温まで冷却させ、ろ過して72gの白色固体を除去した。
【0098】
反応混合物の半分、3500mlを、シリカゲル(1280g)のカラムに直接負荷し、反応溶液をシリカカラムから溶出した。溶離液の最初の1000mlは、生成物を示さなかったが(2.5%メタノール/ジクロロメタンを用いたTLCにより)、主にキシレンである2番目の1000mlは、TLCに1つのスポットが示され、これを回転蒸発させて61gの生成物を得た(A2)。シリカゲルをジクロロメタンで洗い流し、不純な生成物150gを含有する3つの連続した1000mlの画分(それぞれA3、A4、およびA5)を得た。キシレン中の3500mlの残りの反応液を1273gのシリカに負荷し、リサイクルされたキシレンで洗い流した。最初の3つの1000mlのキシレン画分(B1〜B3)はそれぞれ、TLCに1スポットを示した。溶離液としてトルエンを用いて得られた、次の1000ml画分であるB4は、TLCで1スポットを示したが、次の2つの1000mlのトルエン画分(B5およびB6)は、別の副生成物の存在下で弱いレベルの生成物を示した。画分A2、B1、B2、B3およびB4を合わせて回転蒸発させ、223gの油を得、これは放置すると結晶化した。これは、GCにより97.4%の純度であった。これを150mlの熱ヘプタンから再結晶化して、99.9%の純度で124gを産生した。第2のクロップは、99.7%の純度で22gを産生した。
【0099】
例A3.MIMeNBの合成
メカニカルスターラー、冷却器、ディーンスタークトラップおよび熱電対を備えた反応器に入れた無水マレイン酸(117g、1.19mol)を、860mlのo−キシレンと混合して、温度を17℃まで低下させ、この間、濁った溶液を得た。 アミノメチルノルボルネン(98%純度、1.17mol)を144mlのo−キシレンに溶解し、撹拌混合物に15分かけて滴下し、これにより温度を64℃に上昇させて白色のスラリーを得た。混合物を機械的に撹拌しつつ、還流まで5時間加熱した。ディーンスタークトラップへの水の移動は、4.5時間後に13.5ml(理論値の64%)で停止した。TLC(2.5%メタノール/ジクロロメタン)およびNMRにより、生成物の存在と非結晶化アミド酸の不在を確認した。
【0100】
反応液を室温まで冷却させ、ろ過して析出した白色固体を除去し、これを2つの600mlの部分に分けた。各部分を独立して1000〜1,100gのシリカ上に負荷し、6000mlのジクロロメタンで洗い流した。合わせた溶出物の回転蒸発により89gの結晶生成物を得、これを40mlの熱ヘプタンから再結晶化して、81gの生成物を99.4%の純度で得た。NMR分析により、生成物が5.7mol%ものo−キシレンを含有することが示された。結晶を高真空下45℃で回転蒸発してo−キシレンを除去し、しかし続くNMR分析により、1.8%の無水マレイン酸の存在が明らかにされた(前の分析ではo−キシレンによりマスクされたと考えられている)。結晶を高真空下65〜75℃で再度回転蒸発して生成物を得、NMRによって<0.6wt%の無水マレイン酸と示された。GC分析により99.4%の純度が示され、検出可能な無水マレイン酸はなかった。収率は77g(33%の収率)、mp69.1〜71.3℃(ガラスは66.1〜68.6℃)であった。
【0101】
例A4.exo−DMMIEtNBの合成
ジメチルマレイン酸無水物(18.75g、0.149mol)を、メカニカルスターラー、ディーンスタークトラップ、冷却器、および熱電対を備えた反応器に入れ、120mlのトルエンに溶解することにより、溶液を18℃に冷却させた。固体のexo−アミノエチルノルボルネン(20.4g、0.149mol)のトルエンスラリーをジメチルマレイン酸無水物溶液に加えると、直ちに白色固体の析出が生じた。反応混合物を機械的に撹拌しつつ、反応を還流まで加熱した。102℃において還流が開始され、溶液が透明になった。17分の還流の後、理論値の量の水がディーンスタークトラップに収集された。反応を還流にてさらに2時間加熱し、次に9℃に冷却した。混合物を次にろ過して固体を除去し、ろ液を回転蒸発させて、43.7gを産生した。これをクーゲルロールオーブン中で蒸留し、175〜185℃(<1mbar)にて17.9g(収率46%)を収集した。GC分析により、純度99.0%であった。
【0102】
例A5.MMIMeNBの合成
シトラコン酸無水物(352g、3.15mol)および1500mlのトルエンを、メカニカルスターラー、ディーンスタークトラップ、冷却器、および熱電対を取り付けた5Lのフラスコに入れた。混合物は、シトラコン酸無水物がトルエン中に溶解するにつれて、16℃に冷却されるのが観察された。機械的に攪拌されている混合物に、99%アミノメチルノルボルネン(387g、3.15mol)および600mlのトルエンのリンスを加えた。混合物は直ちに固体塊となり、39℃の発熱を示した。混合物を還流までゆっくりと(過剰な泡立ちを避けるために)加熱した。昇温を開始してから約1.5時間、110℃において溶液は透明になり、56mlの水(理論値の>100%)がディーンスタークトラップに収集された。GC分析により、反応が完了したことが示された。混合物を次に室温まで冷却させ、ろ過した。次にろ液を回転蒸発させて、672g(98.2%)の淡褐色の液体を産生した(GCにより純度97.9%)。粗材料を真空蒸留して、125〜128℃(1.15〜1.2Torr)にて642g、純度99.1%を得た。
【0103】
例A6.DMMIBuNBの合成
サーモウェル、窒素注入口付き冷却器、添加漏斗およびメカニカルスターラーを備えた1Lの4つ口RBFに、200mLのトルエンと、続いてDMMIカリウム(35g、0.21mol)および18− クラウン−6(5.7g、0.021mol、10mol%)を攪拌しながら入れた。添加漏斗に、200mLのトルエン中のendo−lexo−NBBuBr(45g、0.20mol)を入れ、5分間かけて添加した。混合物を100℃に加熱し、オフホワイトのスラリーを観察した。混合物はさらに6.5時間撹拌を続け、色は、最初に観察されたオフホワイトから濃い緑色に、次いで赤褐色に変化した。反応をGCによりモニタリングし、反応が、73.6%の生成物と、15.6%の未反応のendo−lexo−NBBuBrで完了したことがわかった。次いで、反応混合物を室温まで冷却させた後、250mLの水を加えてクエンチし、次に150mLのトルエンで希釈した。水層をCH
2Cl
2(2×200mL)で抽出し、有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、ろ過および蒸発させて、55gの粗生成物を茶色油として得た。粗生成物を55gのSiO
2上に吸着させ、330gのSiO
2上のクロマトグラフィにかけて、ペンタン(3L)、ペンタン(5L)中の2%EtOAc、ヘプタン(3L)中の3%EtOAc、およびヘプタン(2L)中の4%EtOAcを用いて溶出した。濃縮精製した画分から、31gの生成物を、無色の粘性油(収率58%)としてHPLCによる純度99.3%で、および別の画分として7.0gの生成物(収率13.1%)をHPLCによる純度99.09%で得た。反応についての合わせた収率は71%であった。
1H NMRおよびMSは、DMMIBuNBの構造と整合した。
【0104】
例A7.MeOCinnNBの合成
4−メトキシシンナモイルクロリド:第1の、3Lの4つ口丸底フラスコ(RBF)に、メカニカルスターラー、サーモウェル、および窒素アダプター付き冷却器を装備した。このRBFに、4−メトキシケイ皮酸(175g、982mmol)および2Lの乾燥トルエン中の0.1mLの乾燥ピリジンを入れた。添加漏斗に、107.2mL(1.473mol)のSOCl
2を入れ、これを次に反応混合物に室温でゆっくり加えた。反応混合物を還流まで加熱し、GC分析によりモニタリングした(アリコートを定期的に取り出してMeOHでクエンチし、分析した)。5時間後、GC分析により反応の完了が示され、反応混合物を室温まで冷却させた。過剰なSOCl
2およびトルエンを回転蒸発により除去し、粗生成物を蒸留により精製し、182gの4−メトキシシンナモイルクロリド(収率94%)をGCによる純度98.9%で得た。
【0105】
NBCH2O2CCH=CHC6H4OMe(MeOCinnNB):第2の、3Lの4つ口RBFに、サーモウェル、窒素アダプター付き冷却器、添加漏斗、およびメカニカルスターラーを装備し、NBCH
2O
2(100g、805mmol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)(4.9g、40mmol、5mol%)、563mLのトリエチルアミン(4.03mol)および1.2Lのジクロロメタンを入れた。混合物を室温で45分間撹拌し、この間、添加漏斗に、上で得た4−メトキシシンナモイルクロリド(174g、0.885mol)を400mLのジクロロメタンに溶解して入れた。4−メトキシシンナモイルクロリドを室温で添加後、混合物を25℃で一晩撹拌した。GCにより反応の完了を確認後、反応混合物を1Lのジクロロメタンで希釈し、得られた溶液をNaHCO
3溶液(2×2L)、NH
4Cl溶液(2×1L)、ブライン(2×2L)で洗浄し、次にNa
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、ろ液を蒸発させて、208gの粗生成物を収集した。これを次に200gのシリカ上に吸着させ、600gのシリカゲル上のクロマトグラフィにかけて、クロロヘキサン中0%〜30%のEtOAcで溶出した。濃縮精製画分から、133gの生成物を無色の粘性油(収率58%)としてGCによる純度98.1%で得た。追加の画分を合わせて、別の72gの生成物をGCによる純度>96%で得て、全収率は88%(205g)であった。
【0106】
例A8.MeCoumNBの合成
NBCH2OTs:メカニカルスターラー、サーモウェル、添加漏斗、および窒素アダプター付き冷却器を備えた第1の3Lの4つ口RBFに、塩化トシル(377g、1.93mol)および800mLの乾燥ジクロロメタン中のNBCH
2OH(200g、1.61mol)を入れた。添加漏斗に、270mL(1.93mol)のトリエチルアミンを入れ、これを次にゆっくりと0℃で反応混合物に加えた。反応混合物を室温で撹拌し、この間、反応をTLC/GCでモニタリングした。TLCモニタリングにより、反応は48時間後に完了したことが示された。反応混合物を次に1Lのジクロロメタンで希釈し、続いて1Lの水、NaHCO
3溶液(2×1L)、ブライン(2×1L)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥してろ過した。ろ液を蒸発させて、463gの粗生成物を得、これを次に450gのシリカ上に吸着させ、1600gのシリカゲル上のクロマトグラフィにかけて、シクロヘキサン中0%〜10%のEtOAcで溶出した。クロマトグラフィの濃縮精製画分から、427gの生成物を無色の粘性油(収率95%)としてGCによる純度95.3%で得た;プロトンNMRは、構造と整合した。
【0107】
MeCoumNB:サーモウェル、窒素アダプター付き冷却器、およびメカニカルスターラーを備えた第2の3Lの4つ口RBFに、7−ヒドロキシクマリン(168g、1.04mol)、炭酸カリウム(179g、1.29mol)、NBCH
2OTs(300g、1.08mol)を入れ、1.5Lの乾燥NMPですすいだ。混合物を100℃に加熱し、撹拌して、この間反応をTLC/
1H NMRによりモニタリングした。プロトンNMRにより、反応が54時間後に完了したことが示され、反応混合物を次に室温に冷却させた。反応混合物を次に24Lの1NのHClでクエンチさせ、その結果析出したオフホワイトの固体をろ過し、4Lの水で洗浄し、乾燥して、268gの粗生成物を得た。この生成物を5LのRBFに入れ、2Lのヘプタン:トルエン(3:1比率)に溶解し、26.8gのチャコールと共に還流させ、シリカのパッドを通してろ過した。ろ液を濃縮し、過剰なヘプタン:トルエン(3:1比率)に添加して、158g(収率57%)の純粋な結晶生成物を、HPLCによる純度98.2%で得た。
【0108】
例A9.EtMeOCinnNBの合成
5−ノルボルネン−2−エタノ−ル(NBCH2CH2OH):19LのParr反応器に、611g(4.6mol)のジクロロペンタジエンおよび2000g(27.7mol)の3−ブテン−1−オールを入れた。撹拌しながら反応器を窒素で3回フラッシュし、次に10psiの窒素圧力下で密封した。反応物を2時間17分かけて220℃にし、圧力が最大の185psiとなるのを観察した。反応物を220℃で4時間撹拌し、圧力は130psiに下降した。次に反応混合物を室温まで冷却させて排水し、2603gの反応混合物を収集した。GC分析により、生成混合物は65.6%のNBEtOHアイソマーを含有することがGCにより示された(3−ブテン−1−オールも存在するが、これは溶媒のフロントにあるために計算されなかった)。過剰な3−ブテン−1−オール1260gを、50℃での回転蒸発により除去した。得られた濃縮物を、高真空下で、ガラスらせんを充填した14”のカラムを通した蒸留により精製した。画分4および5は、96.1%および95.6%の純度であることが見出され、収集された。それぞれの画分に、DCPDのトリマー、F4−3.4%およびF5−3.5%も存在することが見出された。全収率、純度>95%(F4+F5)=722g。収率%=56%。
【0109】
NBCH2CH2O2CCH=CHC6H4OMe(EtMeOCinnNB):サーモウェル、添加漏斗、およびメカニカルスターラーを備えた100mLの3つ口RBFに、NBCH
2OH(2g、14.47mmol)、DMAP(88.4mg、0.72mmol、5mol%)、10.1mLのトリエチルアミン(72.4mmol)および25mLのジクロロメタンを入れた。混合物を室温で45分間撹拌し、その後添加漏斗からの、5mLのジクロロメタン中の4−メトキシシンナモイルクロリド(3.1g、15.9mmol)の添加を開始した。この添加が完了後、混合物を25℃で一晩撹拌した。GCにより反応の完了を確認後、反応混合物を20mLのジクロロメタンで希釈し、続いて、NaHCO
3溶液(2×25mL)、NH
4Cl溶液(2×15mL)、ブライン(2×25mL)で洗浄し、次にNa
2SO
4上で乾燥してろ過した。ろ液の濃縮により、3.9gの粗生成物を無色の粘性油(粗収率93%)としてGCによる純度96%で得た。
【0110】
例A10.EtCoumNBの合成
NBCH2CH2OTs:メカニカルスターラー、サーモウェル、添加漏斗、および窒素アダプター付き冷却器を備えた5Lの4つ口RBFに、塩化トシル(CH
3C
6H
4SO
2Cl=TsCl)(745g、3.9mol)およびNBCH
2CH
2OH(450g、3.26mol)および2Lの乾燥ジクロロメタンを入れた。添加漏斗に、547mL(3.9mol)のトリエチルアミンを入れ、これを次に前もって0℃に冷却した反応混合物にゆっくり加えた。反応混合物を室温で撹拌し、この間、反応をTLC/
1H NMRでモニタリングした。24時間後に、プロトンNMR解析により、反応が完了したことが示された。反応混合物を次に4Lのジクロロメタンで希釈し、続いて2Lの水、NaHCO
3溶液(2×1L)、ブライン(2×1L)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥してろ過し、ろ液を蒸発させて、1064gの粗生成物を無色の粘性油(収率110%)として
1H NMRによる純度>95%で得た(構造と整合)。粗生成物は、さらなる精製なしで次の反応に用いた。
【0111】
EtCoumNB:サーモウェル、窒素アダプター付き冷却器、およびメカニカルスターラーを備えた12Lの4つ口RBFに、7−ヒドロキシクマリン(450g、2.77mol)、3.5Lの乾燥NMP、炭酸カリウム(498.6g、3.6mol)、NBCH
2CH
2OTs(932.6g、3.19mol)、および1Lの乾燥NMPを入れた。混合物を撹拌しつつ100℃に加熱し、TLC/NMRによりモニタリングした。TLC/
1H NMRのモニタリングにより、反応が24時間後に完了したことが示され、反応混合物を室温に冷却させた。反応混合物を次に50Lの1NのHClでクエンチさせることにより、生成物をオフホワイトの固体として析出させ、これをろ過し、水(5×4L)で洗浄し、乾燥して、1394gの粗生成物を得た。この1394gの粗生成物を、4Lのジクロロメタンに溶解した。約500mLの水を分離して除去した;残りのジクロロメタン溶液を次にNa
2SO
4上で乾燥してろ過し、蒸発させて、864gの粗生成物を得た。この864gの粗生成物を、60gのパイロット反応の粗生成物と合わせて、ジクロロメタンに溶解し、1000gのシリカに吸着させ、4kgのシリカゲル上のクロマトグラフィにかけて、シクロヘキサン中0%〜25%のEtOAcで溶出した。濃縮精製画分から、508gの生成物をふわふわした明るい黄色の固体として、HPLCによる純度>97%で得た;生成物を次に1.6Lの還流ヘプタン:トルエン(4:1比率)から再結晶化させて、480g(収率57%)の純粋な白色結晶粉末生成物を、HPLCによる純度99.3%で得た;
1H NMRは構造と整合した。
【0112】
例A11.AkSiNBの合成
NBCH2CH2OMs:サーモウェル、窒素アダプター、添加漏斗、およびメカニカルスターラーを備えた12Lの4つ口RBFに、5−(2−ヒドロキシエチル)ノルボルネン(420g、3.03mol)、4Lのジクロロメタン、およびメタンスルホニルクロリド(CH
3SO
2ClまたはMsCl)(369g、3.22mol)を入れた。余分の500mlジクロロメタンを加えてCH
3SO
2Cl中ですすいだ。撹拌したこの混合物を−16℃に冷却し、トリエチルアミン(371g、3.64mol)を1.5時間かけて滴下し、この添加中に温度が0℃に上昇するのを観察した。得られたスラリーを、4時間かけて189℃まで連続して温め、次に2Lの水を撹拌しつつ加えた。水の添加が完了した後、相を分離させ、水相を2Lのジクロロメタンで抽出した。合わせたジクロロメタン抽出物を、NaHCO
3溶液(2×2L)と続いて1600mLの1NのHClで洗浄し、次にブラインで2000mLの部分ずつ、洗浄液のpH=6が観察されるまで洗浄した。ジクロロメタン溶液を次に硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、回転蒸発させて、613gの赤色液体を得た。NMRは構造と整合した。GC分析により、メシレート含量93.2%を得た。さらなる精製は試みなかったが、これは、物質が蒸留中に不安定であったからである。
【0113】
NBCH2CH2Br:サーモウェル、窒素アダプター、添加漏斗、およびメカニカルスターラーを備えた22Lの反応器に、臭化リチウム(369g、4.25mol)、および4Lの2−ペンタノンを入れ、LiBrが溶解するまで撹拌し、その後溶液を30℃に温めた。2Lの2−ペンタノンに溶解したノルボルネンエチルメタンスルホネート(613g、2.83mol)を次にLiBr溶液に撹拌しながら加え、次いでさらに追加の2Lの2−ペンタノン(2−ペンタノンの総容量=8L)を入れて溶解した。溶液を次に還流まで加熱し、白色スラリーになるのを観察した。92℃に到達すると、GC分析は<0.8%の出発物質が残っていることを示し、1時間後の還流において、GC分析は出発物質が残っていないことを示した。混合物を27℃に冷却し、4Lの蒸留水を加えて混合物を透明にした。相を分離し、水相を酢酸エチル(2×2L)により抽出した。有機部分を合わせて<30℃で回転蒸発させた。残留物を、4Lのジクロロメタンを清浄溶媒として用いて分液漏斗に移した。生成物を飽和重炭酸ナトリウム(2×1L)で洗浄し、続いて1Lのブライン洗浄を、最終洗浄液のpH=7が得られるまで行った。生成物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、ろ液を回転蒸発させて、440gの粗生成物(GCにより純度93.6%)を得た。次に粗生成物を14インチのVigreuxカラムを用いて真空蒸留して、次の画分を収集した:1.17℃(10Torr)〜43℃(1.15Torr)、20.6g、GCにより97.5%、NMRにより2−ペンタノンなし;2.42℃(0.83Torr)〜44℃(0.33Torr)、334.2g、GCにより98.0%;3.32℃(0.3Torr)〜44℃(0.32Torr)、53g、GCにより93.5%、3.5%CPDトリマー。純度>93%の生成物の全収率は408g(71.6%収率)であった;
【0114】
NBCH2CH2C≡CSiEt3:3Lの4つ口RBFに、サーモウェル、窒素アダプター、添加漏斗、およびメカニカルスターラーを備えた。このRBFに、800mLの乾燥THF中のトリエチルエチニルシラン(128.4g、915mmol)を入れた。反応混合物を−78℃に冷却し、359mLのn−BuLi(ヘキサン中2.5M、899mmol)をゆっくり加え、−78℃で1時間撹拌した。反応混合物を次に0℃に温め、添加漏斗に640mLの乾燥DMSO中のNBCH
2CH
2Br(160g、795.6mmol)を入れた。NBCH
2CH
2Br溶液をゆっくり添加した後、反応混合物を室温に温め、2時間撹拌した。GC分析により、反応は、室温における2時間の撹拌後に完了した。反応混合物を4Lの水でクエンチし、8Lのヘプタンで希釈し、次に水(3×8L)、ブライン(2×4L)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥してろ過し、蒸発させた。GC分析により、粗生成物は62%の生成物と27%の副産物(Et
3SiCCSiEt
3)を含むことが示された。178gの粗生成物を、高真空下でガラスらせんを満たした14”のカラムを通して蒸留し、トリエチルシリルアセチレンとEt
3SiCCSiEt
3副産物を分離した。生成物は、>99%の純度で(88.8g、収率43%)、0.20〜0.21mmHgにおける沸点=93〜97℃で得た。
【0115】
例A12.EtPhDMMINBの合成
ブロモフェニル−2,3−ジメチルマレイミド(BrC6H4DMMI):1LのRBFに、磁気撹拌棒、窒素アダプター付き冷却器を装備した。このRBFに、4−ブロモアニリン(150.1g、872mmol)および600mLの氷酢酸中のジメチルマレイン酸無水物(DMMA)(100g、792mmol)を入れた。反応混合物を6時間還流し、TLCを、ヘプタン中30%EtOAcでチェックした。TLCにより、反応は完了し、反応混合物を一晩冷却させた。生成物はオフホワイトの結晶として固化し、これをろ過してMeOHで洗浄した。結晶をEtOAcに溶解し、NaHCO
3溶液で洗浄した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、濃縮後に、ブロモフェニル−2,3−ジメチルマレイミド(BrC
6H
4DMMI、170g、収率76.5%)をGCによる純度99.7%で得た。
【0116】
NBCH2CH2C6H4DMMI(EtPhDMMINB):3Lの4つ口RBFに、サーモウェル、窒素アダプター付き冷却器、添加漏斗およびメカニカルスターラーを装備した。このRBFに、Zn(82.0g、1.26mol)、ヨード(10.6g、0.04mol)、および800mLの脱気N−メチルピロリドン(NMP)を入れた。反応混合物を、ヨードの赤色が消えるまで室温で撹拌した(およそ2分間)。添加漏斗に、100mLの脱気NMP中のNBCH
2CH
2Br(169g、0.84mol)を入れた。NBCH
2CH
2Br溶液を滴下し、混合物を80℃で3時間撹拌した。亜鉛挿入の完了は、加水分解した反応混合物のGC分析により示した。混合物を60℃に冷却し、BrC
6H
4DMMI(157g、0.56mol)およびPd(PPh
3)
4(51.8g、0.045mol)を続けて60℃で加えた。次に反応混合物を80℃で2時間30分加熱した。反応は、アリコートを1NのHClでクエンチし、EtOAcで抽出して次いでGCによりモニタリングした。2時間30分後、GCにより38.8%のみの生成物が存在し、このためさらに2mol%のPd(PPh
3)
4を加え、80℃でさらに1時間撹拌したが、生成物に顕著な変化は観察されなかった。反応混合物を室温に冷却させ、2Lの1NのHClでクエンチし、シクロヘキサン中50%EtOAc(2×4L)で抽出した。合わせた有機相をNaHCO
3、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥してろ過し、蒸発させた。200gの粗生成物を、200gのシリカに吸着させ、800gのシリカゲル上のクロマトグラフィにかけて、シクロヘキサン中0〜20%のEtOAcで溶出した。濃縮精製画分から、30.4gのオフホワイトの固体生成物(収率17%)をGCによる純度>94%で得た。
【0117】
例A13.exo−ArSiNBの合成
exo−ノルボルネニルフェニルブロミド:400mLの無水DMF中の1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(250g、84mmol)およびPdCl
2(PPh
3)
2(6.20g、8.84mmol)に、ノルボルナジエン(360mL、3.54mmol)、トリエチルアミン(Et
3N)(398mL、2.85mmol)を、窒素をパージした3Lの5つ口ガラスジャケット付反応器内に加えた。反応器を50℃の設定値の湯浴を介して加熱した。反応器内部温度50℃において、ギ酸(88%、80mL、1.86mmol)を添加漏斗を介して滴下して、発熱反応が起こるのを防いだ。溶液を、50℃で1.25時間加熱および撹拌し、15分毎にサンプリングしてGCモニタリングし、全ての1−ブロモ−4−ヨードベンゼンが反応したことを確認した。反応混合物を冷却し、分液漏斗に移し、500mLの10%HClおよび470mLのヘプタンで抽出した。合わせた水層を廃棄した。合わせた有機層を5gのMgSO
4で乾燥し、30分撹拌した。混合物を、クロマトグラフィカラムを介してシリカゲル(200〜425メッシュ)を通してろ過し、これをヘプタンで溶出した。exo−ノルボルネニルフェニルブロミドの粗生成物(169g、収率77%)を、90℃および0.2Torrの短路蒸留セットアップを通して精製した。蒸留カットは、62g(>80%)、80g(>99%)を含み、およびこれらは無色の液体であった。純粋な(>99%)exo−ノルボルネニルフェニルブロミドを
1H NMRで分析し、これは提唱された構造および文献の値と一致した。
【0118】
exo−NBCH2CH2C6H4C≡CSiEt3(exo−ArSiNB):750mLの無水DMF中のexo−ノルボルネニルフェニルブロミド(103.8g、0.417mol)およびトリエチルシリルアセチレン(70.2g、0.5mol)に、ジブチルアミン(Bu2NH)(77.5g、0.6mol)、PdCl
2(PPh
3)
2(10.53g、0.015mmol)、およびヨウ化銅(I)(2.86g、0.015mol)を、窒素をパージした1Lの3つ口ガラスジャケット付反応器内に加えた。反応器を65℃の設定値の湯浴を介して加熱した。溶液を、65℃で27時間、加熱および撹拌し続け、3時間毎にGCモニタリングして、全てのexo−ノルボルネニルフェニルブロミドが反応したことを確認した。反応混合物を冷却し、200mLの10%HClおよび410gのヘプタンで抽出した。合わせた水層を廃棄した。合わせた有機層を、クロマトグラフィカラムを介してシリカベッド(200〜425メッシュ)を通してろ過し、ヘプタンで溶出した。粗生成物は、122gのexo−ノルボルネニルフェニルエチニルトリエチルシランを含んでいた。試料中の主な不純物は反応副産物であり、これはGCMSにより、アセチレンダイマーEt
3SiC≡C−C≡CSiEt
3として同定された。粗物質が蒸留によって精製できなかったため、これをクロマトグラフィカラムを介してシリカゲルで再処理し、ヘプタンで再度溶出した。最終物質(43g、収率35%)は淡黄色の油(純度>98%)であった。
1H NMRにより、最終生成物はexo−ノルボルネニルフェニルエチニルトリエチルシランとして同定された。
【0119】
例A14.EONBの合成
1,2−エポキシ−9−デセン(EPD)(≧96%(31.5kg))を、専用の熱油ユニットを備えたジャケット付反応器に入れた;これは、スプリットレンジ圧力制御方式および、計量ポンプを装備した供給計量タンク(feed weigh tank)を提供する装置である。ジクロロペンタジエン(DCPD)(≧98%)とEPDのプレミックス(9:1のモル比)(4.32kg)を調製し、供給計量タンクに入れた。反応器の上部空間から、(3)圧力/真空スイングと窒素を用いて酸素を除去し、次いで窒素を用いて5psigに加圧した。反応器内容物を210℃に加熱し、この温度で、プレミックスを一定の割合で6時間かけて反応器に計量して入れた。計量添加の完了後、反応器内容物を迅速に25℃に冷却した。
【0120】
下の表Aを参照すると:エポキシオクチルノルボルネン(EONB)の既知の重量の粗反応混合物を次に、熱マントル付蒸留ポット(still pot)、充填蒸留塔(3理論段数)、還流スプリッタ、水冷冷却器、凝縮物受け器および真空ポンプから構成される、真空蒸留セットアップに入れた。蒸留システムの真空は所望の設定値に調整し、油浴を用いて蒸留ポットを加熱し、蒸留塔の還流条件を確立した。これらの条件が確立されたら、次に還流スプリッタを所望の還流比で起動させ、オーバーヘッド受け器から液体留分を定期的に除去することにより、分留を進行させた。GC分析を用いて、オーバーヘッド液体留分の組成を決定した。蒸留還流比を必要に応じて調節して、オーバーヘッドストリームの構成に影響を与えた。初期オーバーヘッド画分は、主にシクロペンタジエン(CPD)、ジシクロペンタジエン(DCPD)およびエポキシデセン(EPD)である「軽い」成分に富んでいる。「軽い」成分の除去後、中程度の純度のEONB(≧92%)を、残りのシクロペンタジエントリマー(CPDT)およびエポキシオクチルテトラシクロドデセン(EOTD)から分離する。EOTDおよびその他のより重いものは、蒸留ポットに残される。蒸留プロセスは、EONBの大半が蒸留ポット残留物から除去されたら、終了となる。
【0121】
下の表Bを参照すると:最初の蒸留から得られた中程度の純度のEONBの第2パスの蒸留を用いて、高純度のEONB(≧98%)の生成物を得た。
【表1】
【表2】
【0122】
例A15.DHNMINBの合成
57.5gのトルエン中のノルボルネンメチルアミン(60.0mL、0.49mol)を、約290gのトルエンに溶解した3,4−ジヒドロナフタル酸無水物(80.1g、0.40mol)に、激しく撹拌しながら滴下した。淡黄褐色の固体が形成された。混合物を加熱した。65〜95℃で固体は溶解して、透明な暗褐色の溶液を得た。溶液を加熱して還流し、水を6時間かけて、ディーン・スターク・トラップ(8.6g)を用いて除去した。反応混合物を冷却し、次に回転蒸発器を用いて濃縮して、非常に粘性のある褐色の油(170g)を得た。油の一部(80g)を、ヘキサンと酢酸エチルの5:1混合物を溶離剤として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。25の125mL画分を集めた。画分4〜12を合わせ、回転蒸発器を用いて濃縮乾固し、粘稠な黄色の油(19.7g)を得た。
1H NMRにより、生成物のDHNMINBとしての同定を確認した。
【0123】
例A16.NBCH2GlyOAcの合成
アリルオキシエチルアセテートの最初の投入量5.51kgを反応器に秤量して入れ、210℃に加熱した。0.07kgのアリルオキシアセテートと0.32kgのジシクロペンタジエンを予混合して計量容器に充填し、反応温度に到達した後に5時間かけて、一定流量で反応器に計量して入れた。計量期間の終了時に投入量を室温まで冷却し、GCにより分析して、29%のノルボルネンメトキシエチルアセテートと約0.6%のシクロペンタジエントリマーおよび0.9%のテトラシクロドデセンメトキシエチルアセテートが示された;残りはほとんどがアリルオキシエチルアセテート(全ての結果はGC面積%)である。ノルボルネンメトキシエチルアセテートの精製は、充填されたカラムに真空分留することによって達成される。高純度蒸留は、150〜200mTorr範囲の真空下で65〜67℃のオーバーヘッド温度で行った。含まれるノルボルネンの約80%が、99%を超える純度(GC面積%に基づく)で回収された。
【0124】
例A17.MCHMNBの合成
4’−ヒドロキシ−4−メトキシカルコン:水とメタノールの10:8混合物1.8L中の水酸化ナトリウム(100g、2.50mol)の溶液に、4−ヒドロキシアセトフェノン(136g、1.00mol)を加えた。室温で30分間攪拌した後、4−メトキシベンズアルデヒド(136g、1.00mol)をこの混合物に添加した。反応混合物を50℃の油浴中で16時間撹拌した。透明な黄色の溶液が得られ、これを室温で30分間攪拌した。1NのHCl水溶液(500mL)およびジクロロメタンとTHFの1:1混合物600mLを、得られた2つの層に加えた。有機層を飽和NaHCO
3水溶液(300mL×2)および水(300mL×3)で洗浄し、蒸発させて、オレンジ色の固体を得た。この固体を300mLのEtOAcで2回洗浄した。得られた黄色の固体を真空下で乾燥した。収率133g(52%)。
1H NMR (CDCl
3): δ3.85 (s, 3H), 6.93 (m, 4H), 7.47 (d, 1H), 7.50 (d, 2H), 7.75 (d, 1H), 7.96 (d, 2H)。
【0125】
1−(4−ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−5−エン−2−メトキシフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−2−プロペン−1−オン(MCHMNB):200mLのDMF中のK
2CO
3溶液(18.0g、0.130mol)に、4’−ヒドロキシ−4−メトキシカルコン(25.4g、0.100mol)およびビシクロ[2,2,1]ヘプタ−5−エン−2−メチルトリフルオロメタンスルホンネート(23.3g、0.115mol)を加えた。この反応混合物を100℃の油浴中で24時間撹拌した。オレンジ色の懸濁液が得られ、これを室温で1時間撹拌した。300mLのジクロロメタンと300mLの1NのHCl水溶液を、得られた2つの層に加えた。有機層を飽和NaHCO
3水溶液(200mL)および水(200mL×5)で洗浄し、次いで蒸発させて、オレンジ色の固体を得た。この固体を300mLのEtOAcで2回洗浄した。得られた淡黄色の固体を真空下で乾燥した。収率16g(44%)。構造は
1H NMR(CDCl
3)により決定した。
【0126】
例A18.DMMIEtNBの合成
シアノメチルノルボルネン:1Lの4つ口RBFに、サーモウェル、窒素注入口付き冷却器、ストッパーおよびメカニカルスターラーを備えた。このRBFに、クロロメチルノルボルネン(120g、0.84mol、純度95.6%)、400mLのDMSOおよび固体NaCN(74.2g、1.51mol)を入れた。余分な20mLのDMSOを加えて、NaCN中ですすいだ。反応混合物を、〜90℃で72時間攪拌した。アリコートのGC分析により、全ての出発物質が消費され、反応が完了したことが示された。反応混合物を室温に冷却した。約200mLの水をフラスコに注ぎ、200mLのMTBEで希釈した。有機相を分離し、水層をMTBE(3×300mL)で再抽出した。有機相を合わせ、水性洗浄水がpH=6となるまで、水道水(3×500mL)で洗浄した。MTBE溶液を無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥し、ろ過し、回転蒸発させ、高真空(0.94Torr)下で3時間、浴温度50℃で乾燥して、112g(収率100%)、GCによる純度95.8%を得た。プロトンNMR分析により、物質が〜1%のMTBEを含有することが示された。暗褐色の粗生成物を、さらに精製することなく次の反応に用いた。データ:GC分析はDB5カラム上、30m、内径0.32mm、0.25μmのフィルム、25℃/分で75℃〜300℃、300℃で2分間保持、インジェクタ温度:275℃、検出器温度:350℃。
【0127】
NBCH2CH2DMMI:3Lの4つ口RBFに、サーモウェル、窒素注入口付き冷却器に接続されたディーンスタークトラップ、添加漏斗およびメカニカルスターラーを装備した。このRBFに、600mLのトルエンと、続いてジメチルマレイン酸無水物(DMMA、92g、0.73mol)を攪拌しながら入れた。ジメチルマレイン酸無水物がトルエンに溶解するにつれて、混合物は14℃まで冷却した。混合物を25℃に加温して、溶液を透明にした。添加漏斗に、100mLのトルエン中のアミノエチルノルボルネン(104g、0.73mol、純度96.4%)を入れ、15分間かけて滴下した。追加の130mLのトルエンを加えてアミノエチルノルボルネン中でリンスし、添加漏斗をストッパーに置き換えた。混合物は直ちに50℃に発熱し、白く厚い沈殿物が観察された。混合物を30分間かけて還流までゆっくり加熱し(過剰な泡立ちを避けるため)、2時間還流した。
【0128】
透明な溶液が観察され、13.1mLの水(理論値の99.5%)がディーンスタークトラップに収集された。 GC分析により、反応の完了が示された(7.8分において、94.9%の生成物、1.8%のDCPDおよび1.7%の未知の不純物)。反応混合物を室温に冷却し、5Lのフラスコに移し、回転蒸発器で濃縮した。粗生成物を、高真空下(0.94Torr)、75℃の浴温度で回転蒸発器でさらに5時間乾燥し、179gの粗生成物を濃いオレンジ色の粘性の油として得た。GC分析により、高真空下での乾燥後の粗生成物の純度は97.4%で、0.3%のDCPDおよび1.8%の未知の不純物が示された。179gの粗生成物を179gのシリカゲルに吸着させ、500gのシリカゲル上でのクロマトグラフィにかけて、ヘプタン(8L)、ヘプタン(2L)中2%のEtOAc、ヘプタン(2L)中2.5%のEtOAc、ヘプタン(4L)中3%のEtOAc、およびヘプタン(1L)中5%のEtOAcで溶出した。濃縮精製した画分は、164gの生成物を無色の粘性油(収率91%)として、GCによる純度99.8%で得た。
1H NMRおよび質量スペクトルは、構造と一致した。データ:GC分析はDB5カラム上、30m、内径0.32mm、0.25μmフィルム、15℃/分で75℃〜300℃、300℃で2分間保持、インジェクタ温度:275℃、検出器温度:350℃、保持時間:11.893分。
【0129】
例A19.DMMIPrNBの合成
シアノエチルノルボルネン:1Lの4つ口RBFに、サーモウェル、窒素注入口付き冷却器、ストッパーおよびメカニカルスターラーを装備した。このRBFに、シクロエチルノルボルネン(100g、0.64mol)、300mLのDMSOおよび固体のNaCN(43.8g、0.89mol)を入れた。余分な20mLのDMSOを加えて、NaCN中ですすいだ。反応混合物を、〜80℃で2時間攪拌した。アリコートのGC分析により、全ての出発物質が消費され、反応が完了したことが示された。反応混合物を室温に冷却した。約200mLの水をフラスコに注ぎ、100mLのMTBEで希釈した。有機相を分離し、水層をMTBE(3×200mL)で再抽出した。有機相を合わせ、水性洗浄水がpH=6となるまで水道水(3×500mL)で洗浄した。MTBE溶液を無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥し、ろ過し、回転蒸発させ、93.5g(収率99.5%)、GCによる純度99.3%を得た。NMR分析により、物質が〜1%のMTBEを含有することが示された。粗生成物は、さらに精製することなく次の反応に用いた。データ:GC分析はDB5カラム上、30m、内径0.32mm、0.25μmのフィルム、25℃/分で75℃〜300℃、300℃で2分間保持、インジェクタ温度:275℃、検出器温度:350℃。
【0130】
アミノプロピルノルボルネン:3Lの4つ口RBFに、サーモウェル、窒素注入口付き冷却器、添加漏斗およびメカニカルスターラーを装備した。このRBFに、LAHペレット(50.6g、1.33mol)を入れ、800mLのMTBEと共に機械的に一晩撹拌した。溶媒の一部喪失のために、濃厚なペーストが得られた。追加の200mLのMTBEを加え、得られた懸濁液をメタノール氷浴で−6℃に冷却した。添加漏斗に500mLのMTBE中のシアノエチルノルボルネン(93.5g、0.635mol)を入れ、反応温度を−2℃より低くかつ−5℃より高く維持するような速度で滴下した。シアノエチルノルボルネンの添加は1時間以上の時間をかけて行った。冷却浴を除去し、次いで、この混合物を1.5時間かけて35℃に加熱し、GC分析により出発物質が残っていないことが示されるまで、さらに30分間35℃で撹拌した。混合物を−15℃に冷却し(メタノール/氷浴)、150mLの蒸留水を3時間30分にわたって非常にゆっくりと加えて、温度を0℃未満に維持した。次いで、この混合物を250mLのMTBEで希釈し、水の第2の250mL部分を加えて、リチウムおよびアルミニウム副産物を自由に流動する白色固体として析出させた。10分撹拌した後、リチウムおよびアルミニウム副産物を沈降させ、MTBE相をデカントした。リチウムおよびアルミニウム残留物を追加の500mLのMTBEで覆い、混合し、沈降させ、MTBEをデカントした。MTBEのデカントを合わせて硫酸ナトリウム上で乾燥し、次にろ過し、回転蒸発させて、92g(収率95.8%)の無色の粘性油を得た。GC分析により純度99.7%が示された。
1H NMR分析は、物質が〜1%のMTBEを含有することを示した。粗NB(CH
2)
3NH
2生成物は、さらに精製することなく次の反応に用いた。データ:GC分析はDB5カラム上、30m、内径0.32mm、0.25μmのフィルム、15℃/分で75℃〜300℃、インジェクタ温度:275℃、検出器温度:350℃、保持時間:6.225分。
【0131】
NBCH2CH2CH2DMMI:3Lの4つ口RBFに、サーモウェル、窒素注入口付き冷却器に接続されたディーンスタークトラップ、添加漏斗およびメカニカルスターラーを装備した。このRBFに、500mLのトルエン、続いてジメチルマレイン酸無水物(DMMA、76.7g、0.60mol)を攪拌しながら入れた。ジメチルマレイン酸無水物がトルエンに溶解するにつれて、混合物を約14℃まで自然に冷却させた。混合物を25℃に加温して、溶液を透明にした。添加漏斗に100mLのトルエン中のアミノプロピルノルボルネン(92g、0.60mol)を入れ、15分間かけて滴下した。追加の100mLのトルエンを加えてアミノプロピルノルボルネン中でリンスし、添加漏斗をストッパーに置き換えた。混合物は直ちに53℃に発熱し、白い沈殿物が観察された。混合物を20分間かけて還流までゆっくり加熱し(過剰な泡立ちを避けるため)、3時間還流した。透明な溶液が観察され、10.7mLの水(理論値の98.2%)がディーンスタークトラップに収集された。GC分析により、反応の完了が示された(98.2%の生成物および0.95%のDMMA)。反応混合物を室温に冷却し、5Lのフラスコに移し、回転蒸発器で濃縮した。粗生成物を、高真空下(0.94Torr)、50℃の浴温度で回転蒸発器で一晩乾燥し、122gの粗生成物を淡黄色の粘性の油として得た。GC分析により、粗生成物の純度は98.8%で、主な不純物として0.68%のDMMAが示された。122gの粗生成物を122gのシリカゲルに吸着させ、360gのシリカゲル上でのクロマトグラフィにかけて、ヘプタン(4L)、ヘプタン(4L)中2%のEtOAc、ヘプタン(4L)中2.5%のEtOAc、およびヘプタン(4L)中3%のEtOAcで溶出した。濃縮精製した画分は、115gの生成物を無色の粘性油(収率73.2%)として、GCによる純度100%で得た。
1H NMRおよび質量スペクトルは、構造と一致した。データ:GC分析はDB5カラム上、30m、内径0.32mm、0.25μmフィルム、15℃/分で75℃〜300℃、300℃で2分間保持、インジェクタ温度:275℃、検出器温度:350℃、保持時間:12.634分。
【0132】
例A20.DiOxoTCNの合成
ノルボルナジエン(77g、0.84mol)およびペルフルオロ(5−メチル−3,6−ジオキサノン−1−エンまたは3−(ペンタフルオロフェニル)ペンタフルオロプロプ−1−エン(93g、0.21mol)を250mLのガラス瓶に予備混合し、0.5Lのステンレス製反応器に移した。反応器を密封し、窒素ブランケット下で攪拌しながら、190℃に24時間加熱した。反応器を周囲温度に冷却し、反応混合物(169g)をrotovapにより濃縮して、140gの粗生成物を得た。粗生成物を分留して、65gの所望の生成物(収率57%)をGC面積百分率で87%より高い純度で得た。
【0133】
例A21.PFBTCNの合成
ノルボルナジエン(1.2g、0.013mol)および3−(ペンタフルオロフェニル)ペンタフルオロプロプ−1−エン(0.99g、0.0033mol)をガラス瓶に予備混合し、ガラスインサートを装備したステンレス製反応器に移した。反応器を密封し、190℃に24時間加熱した。反応器を周囲温度に冷却し、反応混合物を、ガスクロマトグラフィ(GC)およびガスクロマトグラフィ−質量分析(GC−MS)により生成物の同定について分析した。反応混合物中の所望の生成物は、GC面積百分率により反応混合物の45.6%を構成していた。
【0134】
例A22.NBTODDの合成
8Lのステンレス製オートクレーブ反応器に、3.75kg(18.4mol)のアリルトリエチレングリコールメチルエーテルを入れた。攪拌を開始し、反応器から空気を排気して5psigの窒素を充填した。200℃への加熱を開始し、200℃を達成すると、反応器をこの温度で3.75時間保持した。この間、0.06kg(0.3mol)のアリルトリエチレングリコールメチルエーテルおよび、0.21kg(1.6mol)のジシクロペンタジエンの混合物を、1.19g/分の一定速度で反応器に添加した。添加終了後、反応器を周囲温度まで冷却して空にした。内容物の主な同定成分は、GC面積での測定により、以下であった:75%アリルトリエチレングリコールメチルエーテル、および23%ノルボルネニルテトラオキサドデカン。内容物を蒸留し、約0.4kgのノルボルネニルテトラオキサドデカンが、98%(GC面積)を超えるアッセイで生成された。
【0135】
例A23.NBTONの合成
8Lのステンレス製オートクレーブ反応器に、3.4kg(21.2mol)のアリルジエチレングリコールメチルエーテルを入れた。攪拌を開始し、反応器から空気を排気して5psigの窒素を充填した。200℃への加熱を開始し、200℃を達成すると、反応器をこの温度で4.25時間保持した。この間、0.06kg(0.4mol)のアリルジエチレングリコールメチルエーテルおよび、0.24kg(1.8mol)のジシクロペンタジエンの混合物を、1.17g/分の一定速度で反応器に添加した。添加終了後、反応器を周囲温度まで冷却して空にした。内容物の主な同定成分は、GC面積での測定により、以下であった:72%アリルジエチレングリコールメチルエーテル、および26%ノルボルネニルトリオキサドデカン。内容物を蒸留し、約0.5kgのノルボルネニルトリオキサノナンが、99%(GC面積)を超えるアッセイで生成された。
【0136】
B.ポリマー合成
以下に提供される表の各々において、特に別の指摘がない限り、報告される触媒および各モノマーの量はグラム(g)で表される;収率はパーセント(%)で報告され、分子量(M
w)が報告され、M
w/M
n比としてのPDI(多分散指数)およびポリマーのモル組成(A/BまたはA/B/C)は、
1H NMRにより決定される。
例B1〜B5のそれぞれについて、指示された具体的なモノマーの量は、撹拌子付きのバイアル内のトルエンとメチルエチルケトン(それぞれ72.9mLおよび12.8mL)の混合物中に溶解した。B6について、モノマーおよび触媒は両方とも無水ααα−トリフルオロトルエン(それぞれ98.4mLおよび6.3mL)中に溶解した。バイアルに窒素を注入し、残留酸素を除去し、密封した。表1に示した触媒、(η
6−トルエン)Ni(C
6F
5)
2(以下ではNiAr
f)の量は、窒素パージしたグローブボックス内のトルエン(5mL)に溶解した。
【0137】
例B1.MeOAcNBとDMMIMeNBの共重合
モノマー溶液を45℃に加熱し、上記の触媒混合物を加熱したバイアルに注入した。溶液を温度に17時間、撹拌しつつ維持し、その後室温に冷却させた。残留触媒を除去し、反応混合物を過剰のエタノールに注ぎ入れることにより、ポリマーを沈殿させた。ポリマーをろ過により単離した後、60℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0138】
例B2.BuNBとDMMIMeNBの共重合
モノマー溶液を45℃に加熱し、上記の触媒混合物を加熱したバイアルに注入した。溶液を温度に1.5時間、撹拌しつつ維持し、その後室温に冷却させた。残留触媒を除去し、混合物を過剰の75/25のアセトン/メタノールに注ぎ入れることにより、ポリマーを沈殿させた。ポリマーをろ過により単離した後、65℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0139】
例B3.DecNBとDMMIMeNBの共重合
モノマー溶液を45℃に加熱し、上記の触媒混合物を加熱したバイアルに注入した。溶液を温度に1.5時間、撹拌しつつ維持し、その後室温に冷却させた。残留触媒を除去し、混合物を過剰の75/25のアセトン/メタノールに注ぎ入れることにより、ポリマーを沈殿させた。ポリマーをろ過により単離した後、65℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0140】
例B4.DMMIMeNBの単独重合
モノマー溶液を45℃に加熱し、上記の触媒混合物を加熱したバイアルに注入した。溶液を温度に1.5時間、撹拌しつつ維持し、その後室温に冷却させた。残留触媒を除去し、混合物を過剰の75/25のアセトン/メタノールに注ぎ入れることにより、ポリマーを沈殿させた。ポリマーをろ過により単離した後、65℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0141】
例B5.FPCNBの単独重合
モノマー溶液を45℃に加熱し、上記の触媒混合物を加熱したバイアルに注入した。溶液を温度に1.5時間、撹拌しつつ維持し、その後室温に冷却させた。残留触媒を除去し、混合物を過剰の75/25のアセトン/メタノールに注ぎ入れることにより、ポリマーを沈殿させた。ポリマーをろ過により単離した後、65℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0142】
例B6.C8AcNBの単独重合
モノマー溶液を45℃に加熱し、上記の触媒混合物を加熱したバイアルに注入した。溶液を温度に1.5時間、撹拌しつつ維持し、その後室温に冷却させた。残留触媒を除去し、混合物を過剰の75/25のアセトン/メタノールに注ぎ入れることにより、ポリマーを沈殿させた。ポリマーをろ過により単離した後、65℃の真空オーブンで乾燥させた。
【表3】
【0143】
例B7〜B19のそれぞれについて、下の表2に示したNBC
4F
9(例B13におけるNBCH
2C
6F
5)の量は、撹拌子付きのバイアル内の無水トリフルオロトルエン(例B8およびB9におけるトリフルオロトルエンおよびトルエン)の表示された量中に溶解した。バイアルに窒素を注入して残留酸素を除去し、密封した。例B11、B12およびB17〜B19について、DANFABA(ジメチルアニリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)および(アセトニトリル)ビス(t−ブチルジシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(アセテート)テトラキス(ペルフルオロフェニル)ボレート(Pd1394)の表示された量を、窒素注入後に、ただしバイアル密封前に、バイアルに加えた。例B7〜B10およびB13〜16について、触媒NiAr
fの表示された量は、窒素パージしたグローブボックス内の表示された量のトルエンに溶解し、密封したバイアルに注入した。例12および17〜19について、触媒ではなく表示された量のギ酸を注入した。表2はまた、それぞれのポリマーの収率(%)ならびに、可能な場合はM
wおよびPDIも提供する。
【0144】
例B7.NBC4F9の単独重合
次にモノマー溶液を周囲温度で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に2時間、撹拌しつつ維持し、その後2mLの蒸留水をバイアルに加えた。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
例B8.NBC4F9の単独重合
次にモノマー溶液を60℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に1.5時間、撹拌しつつ維持し、その後2mLの蒸留水をバイアルに加えた。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0145】
例B9.NBC4F9の単独重合
次にモノマー溶液を60℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に1.5時間、撹拌しつつ維持し、その後2mLの蒸留水をバイアルに加えた。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
例B10.NBC4F9の単独重合
次にモノマー溶液を60℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に1.5時間、撹拌しつつ維持し、その後2mLの蒸留水をバイアルに加えた。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0146】
例B11.NBC4F9の単独重合
次にモノマー溶液を90℃で16時間撹拌した。残留触媒を除去し、ポリマーを90/10のメタノール/水中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
例B12.NBC4F9の単独重合
次にモノマー溶液を90℃で16時間撹拌した。残留触媒を除去し、ポリマーを90/10のメタノール/水中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0147】
例B13.NBCH2C6F5の単独重合
次にモノマー溶液を周囲温度で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に5分間、撹拌しつつ維持し、その後2mLの蒸留水をバイアルに加えた。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
例B14〜16.NBC4F9の単独重合
次にモノマー溶液を65℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に2時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0148】
例B17〜19.NBC4F9の単独重合
次にモノマー溶液を90℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に16時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーを90/10のメタノール/水中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
【表4】
【0149】
例B20〜B41のそれぞれについて、下の表3に示した量のモノマーを下に示した溶媒量中に溶解し、撹拌子付きのバイアルに入れた(例B31については、ガラスの反応器を用いた)。バイアル/反応器には窒素を注入して残留酸素を除去し、密封した。触媒NiAr
fの表示された量は、窒素パージしたグローブボックス内の表示された量のトルエンに溶解し、密封したバイアル/反応器に注入した。表3はまた、それぞれの合成で得たポリマーの収率ならびに、M
wおよびPDIも提供する。
【0150】
例B20〜21.NBC4F9とDMMIMeNBの重合
モノマー溶液(B20について60.0gのトルエン、およびB21について75.0g)を周囲温度で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物B20を温度に3時間、撹拌しつつ維持し、その後2mLの蒸留水をバイアルに加えた。B21反応混合物を温度に16時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0151】
例B22.NBC4F9とDMMIMeNBの重合
モノマー溶液(トルエン(56.3g)およびトリフルオロトルエン(18.8g))を周囲温度で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に16時間、撹拌しつつ維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
例B23.NBCH2C6F5とDMMIMeNBの重合
モノマー溶液(トルエン60.0g)を周囲温度で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に2時間、撹拌しつつ維持し、その後2mLの蒸留水をバイアルに加えた。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0152】
例B24.NBC4F9とPPVENBBの重合
モノマー溶液(トリフルオロトルエン(40.0g)、トルエン(32.0g)およびメチルエチルケトン(8.0g))を45℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に16時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
例B25.NBC4F9とMeCoumNBの重合
モノマー溶液(トリフルオロトルエン(75g))を55℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に16時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0153】
例B26〜B29.BuNBまたはDecNBとMeOCinnNBの重合
モノマー溶液(トルエン(103.8g)およびメチルエチルケトン(18.3g))を周囲温度で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に16時間、撹拌しつつ維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜80℃の真空オーブンで乾燥させた。
例B30.DecNBとPhIndNBの重合
モノマー溶液(トルエン(68.0g)およびメチルエチルケトン(12.0g))を50℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に16時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70〜8℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0154】
例B31.BuNBとDMMIMeNBの重合
モノマー溶液(トルエン(48g)およびメチルエチルケトン(90.0g))を45℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に3時間維持した。残留触媒を除去した後、生成物を、50/50のエタノール/i−ブタノール混合物の2つのバッチに分け、2つのバッチは、2−ヘプタノンに溶媒交換した。
例B32〜33.DMMIMeNBとHexNBまたはOctNBの重合
モノマー溶液((98.0g)およびメチルエチルケトン(18.0g))を45℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に3時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーを95/5のメタノール/水中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、60〜70℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0155】
例B34〜37.DMMIMeNB、DecNBおよびAkSiNBの重合
モノマー溶液(トルエン(76.5g)およびメチルエチルケトン(13.5g))を周囲温度で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に45時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、65〜70℃の真空オーブンで乾燥させた。
例B38〜39.DMMIMeNB、DecNBおよびNBTODDの重合
モノマー溶液(トルエン(63.8g)およびメチルエチルケトン(11.3g))を45℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に、B38については3.5時間、B39については16時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0156】
例B40〜41.DMMIMeNB、NBCH2C6F5およびMeOAcNBの重合
モノマー溶液(トルエン(195g))を45℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に4.75時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーを95/5のメタノール/水中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0157】
【表5】
【0158】
例B42〜B47のそれぞれについて、下の表4に示した量のモノマーを下に示した溶媒量中に溶解し、撹拌子付きのバイアルに入れた。バイアル/反応器に窒素を注入して残留酸素を除去し、密封した。触媒NiAr
fの表示された量は、窒素パージしたグローブボックス内の表示された量のトルエンに溶解し、密封したバイアル/反応器に注入した。表4はまた、それぞれの合成で得たポリマーの収率ならびに、M
wおよびPDIも提供する。
【0159】
例B42.DMMIMeNB、DecNB、およびNBXOHの重合
下の表4に示した量のモノマーを、撹拌子付きのバイアルに入れたトルエンとメチルエチルケトン(それぞれ65.02mLおよび12.75mL)の混合物に溶解した。バイアルに窒素を注入して残留酸素を除去し、密封した。表4に示した量の触媒NiAr
fを、窒素パージしたグローブボックス内のトルエン(2.59mL)に溶解した。モノマー溶液を次に45℃に加熱し、触媒溶液を加熱したバイアルに注入した。混合物を温度に5時間、撹拌しつつ維持し、その後室温まで冷却させた。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、60℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0160】
例B43.DMMIMeNB、DecNB、およびNBXOHの重合
下の表4に示した量のモノマーを、撹拌子付きのバイアルに入れたトルエンとメチルエチルケトン(それぞれ59.76mLおよび12.03mL)の混合物に溶解した。バイアルに窒素を注入して残留酸素を除去し、密封した。表4に示した量の触媒NiAr
fを、窒素パージしたグローブボックス内のトルエン(4.07mL)に溶解した。モノマー溶液を次に45℃に加熱し、触媒溶液を加熱したバイアルに注入した。混合物を温度に16時間、撹拌しつつ維持し、その後室温まで冷却させた。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、60℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0161】
例B44.PPVENBとDMMIMeNBの重合
下の表4に示した量のモノマーを、撹拌子付きのバイアルに入れた無水トリフルオロトルエン(49.13mL)に溶解した。バイアルに窒素を注入して残留酸素を除去し、密封した。表4に示した量の触媒NiAr
fを、窒素パージしたグローブボックス内の無水トリフルオロトルエン(7.50mL)に溶解した。モノマー溶液を室温に維持し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を1時間撹拌した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、60℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0162】
例B45.PPVENBとDMMIMeNBの重合
下の表4に示した量のモノマーを、撹拌子付きのバイアルに入れた無水トリフルオロトルエン(56.15mL)に溶解した。バイアルに窒素を注入して残留酸素を除去し、密封した。表4に示した量の触媒NiAr
fを、窒素パージしたグローブボックス内の無水トリフルオロトルエン(7.50mL)に溶解した。モノマー溶液を室温に維持し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を1時間撹拌した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、60℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0163】
例B46.BuNBとMeOCinnNBの重合
下の表4に示した量のモノマーを、撹拌子付きのバイアルに入れたトルエン(140.7mL)と酢酸エチル(25.3mL)の混合物に溶解した。バイアルに窒素を注入して残留酸素を除去し、密封した。表4に示した量の触媒NiAr
fを、窒素パージしたグローブボックス内のトルエン(9.69mL)に溶解した。モノマー溶液を45℃に加熱した。次に触媒溶液を反応器に注入し、混合物を撹拌した(45℃、3時間)。残留触媒を除去し、ポリマーをアセトンとメタノールの混合物中(75:25)に沈殿させた後、ポリマーを単離して、60℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0164】
例B47.EtCoumNBの単独重合
窒素パージしたグローブボックスにおいて、下の表4に示した量のモノマーを、撹拌子付きのバイアルに入れた無水ジクロロエタン7(21.9mL)に溶解した。表4に示した量の触媒NiAr
fを、窒素パージしたグローブボックス内のトルエン(1.61mL)に溶解した。モノマー溶液を45℃に加熱した。次に触媒溶液を反応器に注入し、混合物を撹拌した(45℃、3時間)。
【0165】
【表6】
【0166】
例B48〜B55のそれぞれについて、下の表5に示した量のモノマーを下に示した溶媒量中に溶解し、撹拌子付きのバイアルに入れた。バイアル/反応器に窒素を注入して残留酸素を除去し、密封した。表示された量の触媒NiAr
f、(η
6−トルエン)Ni(C
6F
5)
2、は、窒素パージしたグローブボックス内の表示された量のトルエンに溶解し、密封したバイアル/反応器に注入した。表5はまた、それぞれの合成で得たポリマーの収率ならびに、M
wおよびPDIも提供する。
【0167】
例B48〜B53.DMMIMeNBと、BuNBまたはDecNBどちらかの重合
下の表5に示した量のモノマーを、撹拌子付きのバイアルに入れたトルエン(170g)およびメチルエチルケトン(31g)に溶解した。バイアルに窒素を注入して残留酸素を除去し、密封した。表5に示した量の触媒NiAr
fを、窒素パージしたグローブボックス内のトルエン(7〜9g)に溶解した。モノマー溶液を次に45℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に1〜2時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、70℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0168】
例B54〜B55.BuNBとDCPDの重合
下の表5に示した量のモノマーを、撹拌子付きのバイアルに入れたトルエン(30g)に溶解した。バイアルに窒素を注入して残留酸素を除去し、密封した。グローブボックスにおいて、[Li(OEt
2)
2.5][B(C
6F
5)
4](LiFABA)(Boulder Scientific Company, Mead, CO)(0.009g)をバイアルに加えた。次にヘキセン−1(1.85g)をバイアルに加えた。次にバイアルを80℃に加熱した。このバイアルに、2gのトルエン中の表5に示された量の(アリル)パラジウム(トリナフチルホスフィン)(トリフルオロアセテート)加えた。混合物を温度に17時間維持した。反応混合物を冷却した後、これらをTHF(150mL)で希釈した。メタノールを用いて沈殿したポリマーを単離して、70℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0169】
【表7】
【0170】
例B56〜B63のそれぞれについて、下の表6に示した量のモノマーを反応バイアルに入れ、166gのトルエンと29gのメチルエチルケトンに溶解した。次にバイアルに窒素を注入して残留酸素を除去し、密封した。それぞれの実験について表6に示した量の触媒NiAr
fを、示した量のトルエンに溶解した。下の表6はまた、それぞれの合成で得たポリマーの収率ならびに、M
w、PDIおよび繰り返し単位率も提供する。
【0171】
例B56〜B57.DecNBとMGENBの重合
次にモノマー溶液を40℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に3時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、80℃の真空オーブンで乾燥させた。
例B58〜B59.BuNBとMGENBの重合
次にモノマー溶液を40℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に3時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、80℃の真空オーブンで乾燥させた。下の表6は、それぞれの合成で得たポリマーの収率ならびに、M
wおよびM
w/M
nも提供する。
【0172】
例B60〜B61.DecNBとEONBの重合
次にモノマー溶液を40℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に3時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、80℃の真空オーブンで乾燥させた。
例B62〜B63.BuNBとMGENBの重合
次にモノマー溶液を40℃で撹拌し、触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を温度に3時間維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、80℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0173】
例B64.DMMIBuNBの単独重合
DMMIBuNB、トルエン(68.68g)およびMEK(13.04g)を共に混合し、窒素を30分注入して、次に45℃に加熱した。表6に示した量の触媒NiAr
fおよび溶媒(トルエン)を、モノマー混合物に加えた。混合物を一晩撹拌し、次に室温に冷却した。残留触媒を除去し、混合物を過剰のメタノールに注いでポリマーを沈殿させた。ポリマーをろ過により単離した後、50℃の真空オーブンで乾燥させた。
例B65.PPVENBの単独重合
モノマーを、表示された量のトリフルオロトルエン中に溶解した。次に溶液を室温で撹拌し、トリフルオロトルエン触媒溶液をバイアルに注入した。混合物を室温で一晩維持した。残留触媒を除去し、ポリマーをメタノール中に沈殿させた後、ポリマーを単離して、80℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0174】
例B66.HexNBの単独重合
HexNB、トルエン(81.31g)およびMEK(15.98g)を共に混合し、窒素を30分注入して、次に45℃に加熱した。表6に示した量の触媒NiAr
fおよび溶媒(トルエン)を、モノマー混合物に加えた。混合物を16時間撹拌し、次に室温に冷却した。残留触媒を除去し、混合物を過剰のメタノールに注いでポリマーを沈殿させた。ポリマーをろ過により単離した後、60℃の真空オーブンで乾燥させた。
【0175】
例B67.BuNBの単独重合
BuNB、トルエンおよびMEKを共に混合し、窒素を注入し、次に45℃に加熱した。表6に示した量の触媒NiAr
fおよび溶媒(トルエン)を、モノマー混合物に加えた。混合物を2時間撹拌し、次に室温に冷却した。残留触媒を除去し、混合物を過剰のメタノールに注いでポリマーを沈殿させた。ポリマーをろ過により単離した後、真空オーブンで一晩乾燥させた。
【0176】
【表8】
【0177】
AD.添加剤調製物
例AD1:接着促進剤3,4−ジメチル−1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−1H−ピロール−2,5−ジオン(DMMIPrTEOS)の製造
サーモウェル、窒素注入口付き冷却器に接続されたディーンスタークトラップ、添加漏斗およびメカニカルスターラーを備えた適切なサイズの反応器に、2.2Lのシクロヘキサンと、続いてジメチルマレイン酸無水物(DMMA、107.8g、0.85mol)およびピリジン(3.5mL,0.042mol)を撹拌しつつ入れた。ジメチルマレイン酸無水物がシクロヘキサンに溶解するにつれて、わずかな発熱が観察された(20〜14℃)。混合物を25℃に加温し、濁った溶液が観察された。添加漏斗に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(189.2g、200mL、0.85mol)を、15分かけてゆっくりと加えた。追加の300mLのシクロヘキサンを添加して3−アミノプロピルトリエトキシシラン中ですすぎ、添加漏斗をストッパーに置き換えた。混合物は直ちに24℃まで発熱し、白濁液が観察された。混合物をゆっくりと(過剰な泡立ちを避けるために)30分かけて還流まで加熱した。透明な溶液が40℃で観察され、70℃で再び白濁液となった。反応混合物を70℃で1時間還流させ、アリコートを分析して、反応の完了が示された(88%の生成物、11%DMMA、および3−アミノプロピルトリエトキシシランなし)。反応混合物を室温に冷却し、シクロヘキサン層を5Lのフラスコにデカントして、白色ポリマー残留物(120g)が残された。シクロヘキサン層を、60℃の浴温度で回転蒸発器で濃縮した。残留物を500mLのRBFに移し、7℃の浴温度で2時間高真空下で乾燥し、132gの粗生成物を粘性油(粗純度96.5%、3.2%DMMA)として得た。粗生成物をさらにクーゲルロール蒸留により、150〜170℃のオーブン温度、0.15〜2Torrの真空下で精製し、64.4g(収率23%)の生成物をガスクロマトグラフィ(GC)による純度99.7%で透明液体として得た。
1H NMRおよび質量は、所望の構造と一致した。ポット残留物は60.6g、総ポリマー残留物は180.1g(64%)であった。データ:GC分析はDB−5MSカラム上、25m、内径0.32mm、0.52μmフィルム、加熱は15℃/分で75℃〜200℃、次に200℃〜300℃、300℃で2分間保持、インジェクタ温度:200℃、検出器温度:350℃、保持時間:9.250分。
【0178】
例AD2:架橋剤1,4−ビス(ジメチルマレイミド)ブタンの製造
サーモウェル、隔壁、窒素注入口付き冷却器およびメカニカルスターラーを備えた適切なサイズの反応器に、110mLの氷酢酸中のDMMA(28.6g、0.226mol)を入れた。反応混合物を35℃に加熱すると、透明な溶液を観察した。次に、未希釈の(neat)ブタン−1,4−ジアミン(10g、0.113mol)を30mLの氷酢酸にゆっくり加えてすすいだ。反応混合物は75℃に発熱し、これを次に118℃に加熱してそこで3時間維持し、この間、淡黄色溶液が生じた。反応はGCによりモニタリングし(アリコートを氷/水でクエンチし、沈殿物をろ過してCH
2Cl
2に溶解した)、118℃で3時間の撹拌後に完了したことが見出された。反応物を室温に冷却し、500gの角氷でクエンチし、500mLの水で希釈して30分撹拌した。沈殿物として白色の生成物をろ過し、1Lの水で洗浄し、真空下で乾燥させた。白色沈殿物を1Lの水を用いた1時間の超音波浴で粉砕した。白色沈殿物を再度ろ過し、真空下で乾燥させて、29.8gの生成物(収率87%)をGCによる純度99.03%で白色粉末として得た。MS、
1H NMR、および
13CNMRは、所望の構造と一致した。生成物の融点は127〜130℃であった。データ:GC分析はDB−5MSカラム上、25m、内径0.32mm、0.52μmフィルム、加熱は30℃/分で75℃〜300℃、300℃で6分間保持、インジェクタ温度:200℃、検出器温度:350℃、保持時間:7.745分。
【0179】
例AD3:架橋剤1,6−ビス(ジメチルマレイミド)ヘキサンの製造
サーモウェル、隔壁、窒素注入口付き冷却器およびメカニカルスターラーを備えた適切なサイズの反応器に、100mLの氷酢酸中のDMMA(26g、0.206mol)を入れた。反応混合物を35℃に加熱すると、透明な溶液を観察した。次に、未希釈のヘキサン−1,6−ジアミン(12g、0.103mol)を20mLの氷酢酸にゆっくり加えてすすいだ。反応混合物は75℃に発熱し、これを次に118℃に加熱してそこで3時間維持し、この間、淡黄色溶液が生じた。反応はGCによりモニタリングし(アリコートを氷/水でクエンチし、沈殿物をろ過してCH
2Cl
2に溶解した)、118℃で3時間の撹拌後に完了したことが見出された。反応物を室温に冷却し、500gの角氷でクエンチし、500mLの水で希釈して30分撹拌した。沈殿物として白色の生成物をろ過し、1Lの水で洗浄し、真空下で乾燥させた。白色沈殿物を1Lの水を用いた1時間の超音波浴で粉砕した。白色沈殿物をろ過し、真空下で乾燥させて、30.4gの生成物(収率88.6%)をGCによる純度99.02%で白色粉末として得た。MS、
1H NMR、および
13CNMRは、所望の構造と一致した。生成物の融点は122〜125℃であった。データ:GC分析はDB−5MSカラム上、25m、内径0.32mm、0.52μmフィルム、加熱は30℃/分で75℃〜300℃、300℃で6分間保持、インジェクタ温度:200℃、検出器温度:350℃、保持時間:8.590分。
【0180】
C:デバイス製造
トップゲートOFETを次のように製造する。Corning 1737ガラスの基板を、70℃で30分間、3%のDecon90中で超音波処理し、水で2回洗浄し、MeOH中で超音波処理し、その後スピンコーターでスピンオフにより乾燥させる。30nm厚さの金のソースおよびドレイン電極を、シャドウマスクを介して基板に熱的に蒸着し、L=50μmおよびW=1000μmのチャネルを作製する。基板を、表面処理調合物Lisicon(登録商標)M001(Merck KGaA, Darmstadt, Germanyより入手可能)で1分間処理し、イソプロピルアルコールで洗浄し、スピンコーターでスピンオフにより乾燥させる。
上記の処理の後、OSC調合物Lisicon(登録商標)S1200またはSP320(Merck KGaA, Darmstadt, Germanyより入手可能)を基板上にスピンコートした後、100℃で1分間、ホットプレート上でアニールする。次のステップでは、誘電体層を、下の例C13〜20に記載の条件に従ってスピンコートする。30nmの金層を誘電体層上にシャドウマスクを介して熱的に蒸着し、ゲート電極を形成する。
【0181】
ボトムゲートOFETを次のように製造する。Corning EAGLE XGガラスの基板を、70℃で30分間、3%のDecon90中で超音波処理し、水で2回洗浄し、MeOH中で超音波処理し、その後スピンコーターでスピンオフにより乾燥させす。次に30nmのアルミニウム層をシャドウマスクを介して基板に熱的に蒸着し、ゲート電極を形成する。誘電体は、例C1〜12に記載の条件に従ってスピンし、アニールし、硬化させる。EONBまたはMGENB部分により提供される潜在的反応性の場合(例C1〜4)、ポストアニーリングの後に、誘電体をM008で1分間被覆する、Lisicon(登録商標)M008(Merck KGaA, Darmstadt, Germanyより入手可能)を使用した反応洗浄ステップを用い、TFHで2回すすぎ、次にスピンして乾燥させることが必要である。誘電体蒸着の後、30nm厚さの銀のソースおよびドレイン電極を誘電体上に蒸着し、L=50μmおよびW=1000μmのチャネルを作製する。基板を、表面処理調合物Lisicon(登録商標)M001(Merck KGaA, Darmstadt, Germanyより入手可能)で1分間処理し、イソプロピルアルコールで洗浄し、スピンコーターでスピンオフにより乾燥させる。
【0182】
上記の処理の後、OSC調合物Lisicon(登録商標)S1200およびS1036(Merck KGaA, Darmstadt, Germanyより入手可能)を基板上にスピンし、次にホットプレート上で100℃で30秒間アニーリングする。
電気的特徴づけのために、試料をプローブステーションに置き、Suess PH100プローブヘッドを介してAglient 4155C半導体アナライザーに接続する。直線移動度および飽和移動度を、それぞれVD=−5VおよびVD=−60V(またはVD=−40V)にて、次の式を用いて計算する:
【数1】
式中、LおよびWは、チャネルの長さおよび幅であり、Cox=誘電キャパシタンス[F/cm
2]、ID=ドレイン電流、sqrtID=IDの絶対値の平方根、VG=ゲート電圧、VD=ドレイン電圧。
【0183】
例C1.例B56のゲート絶縁層を含むOFET
DecNBとMGENBの50:50比率のコポリマーを、365nmのPAG 0.7%(ポリマーの重量による)を含む2−ヘプタノン中の15%w/w溶液として配合する。溶液を1500rpmで30秒間スピンし、ホットプレート上120℃で2分間アニーリングし、365nmのUV光(11mW/cm
2)で30秒間照射し、その後ホットプレート上120℃で3分間、ポストアニーリングする。スピンコートしたMerck Lisicon S1200(登録商標)調合物を、この例で用いる。伝達曲線を
図3に示す。
【0184】
例C2.例B56のゲート絶縁体を含むOFET
DecNBとMGENBの50:50比率のコポリマーを、365nmのPAG 0.7%(ポリマーの重量による)を含む2−ヘプタノン中の15%w/w溶液として配合する。溶液を1500rpmで30秒間スピンし、ホットプレート上120℃で2分間アニーリングし、365nmのUV光(11mW/cm2)で30秒間照射し、その後ホットプレート上120℃で3分間、ポストアニーリングする。インクジェットプリントしたMerck Lisicon S1200(登録商標)調合物を、この例で用いる。伝達曲線を
図4に示す。
【0185】
例C3.例B56のゲート絶縁体を含むOFET
DecNBとMGENBの50:50比率のコポリマーを、p−イソプロピルフェニル(p−メチルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.7%(ポリマーの重量による)を含む2−ヘプタノン中の15%w/w溶液として配合する。溶液を1500rpmで30秒間スピンし、ホットプレート上120℃で2分間アニーリングし、254nmのUV光(1mW/cm2)で30秒間照射し、その後ホットプレート上120℃で3分間、ポストアニーリングする。スピンコートしたMerck Lisicon S1200(登録商標)調合物を、この例で用いる。伝達曲線を
図5に示す。
【0186】
例C4.例B57のゲート絶縁体を含むOFET
DecNBとMGENBの69:31比率のコポリマーを、0.5%(ポリマーの重量による)のp−イソプロピルフェニル(p−メチルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを含む2−ヘプタノン中の15%w/w溶液として配合する。溶液を1500rpmで30秒間スピンし、ホットプレート上120℃で2分間アニーリングし、254nmのUV光(1mW/cm2)で30秒間照射し、その後ホットプレート上120℃で3分間、ポストアニーリングする。トルエン中のスピンコートしたMerck Lisicon S1036(登録商標)を、この例で用いる。伝達曲線を
図6に示す。
【0187】
例C5.例B64のゲート絶縁体を含むOFET
DMMIBuNBホモポリマーを、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン0.5%(ポリマーの重量による)を含む2−ヘプタノン中の17%w/w溶液として配合する。溶液を1500rpmで30秒間スピンし、ホットプレート上120℃で2mアニーリングし、365nmのUV光(11mW/cm2)で200秒間照射する。スピンコートしたMerck Lisicon S1200(登録商標)を、この例で用いる。伝達曲線を
図7に示す。
【0188】
例C6.例B47のゲート絶縁体を含むOFET
EtCoumNBホモポリマーを、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン0.7%(ポリマーの重量による)を含む2−ヘプタノン中の14%w/w溶液として配合する。溶液を1500rpmで30秒間スピンし、ホットプレート上120℃で2mアニーリングし、365nmのUV光(11mW/cm2)で200秒間照射する。スピンコートしたMerck Lisicon S1200(登録商標)を、この例で用いる。伝達曲線を
図8に示す。
例C7.例B30のゲート絶縁体を含むOFET
DecNBとPhIndNBの54:46比率のコポリマーを、2−ヘプタノン中の15%w/w溶液として配合する。溶液を1500rpmで30秒間スピンし、ホットプレート上120℃で2mアニーリングし、365nmのUV光(11mW/cm2)で120秒間照射する。スピンコートしたMerck Lisicon S1200(登録商標)を、この例で用いる。伝達曲線を
図9に示す。
【0189】
例C8.例B26のゲート絶縁体を含むOFET
BuNBとMeOCinnNBの55:45比率のコポリマーを、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン1.0%(ポリマーの重量による)を含む2−ヘプタノン中の13%w/w溶液として配合する。溶液を1500rpmで30秒間スピンし、ホットプレート上120℃で2mアニーリングし、365nmのUV光(11mW/cm2)で200秒間照射する。スピンコートしたMerck Lisicon S1200(登録商標)をこの例で用いる。伝達曲線を
図10に示す。
例C9.例B2のゲート絶縁体および増感剤としてB26を含むOFET
MeDMMINBとBuNBの65:35比率のコポリマーおよび、BuNBとMeOシンナマートNBの55:45比率のコポリマーを4:1の比率で合わせ、2−ヘプタノン中の13%w/w溶液として配合する。溶液を1500rpmで30秒間スピンし、ホットプレート上120℃で2mアニーリングし、UVA(320〜400nm)のUV光(0.35W/cm2)で20秒間照射する。スピンコートしたMerck Lisicon S1200(登録商標)をこの例で用いる。伝達曲線を
図11に示す。
【0190】
例C10.例B4のゲート絶縁体を含むOFET
MeDMMINBホモポリマーを、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン0.7%(ポリマーの重量による)を含む2−ヘプタノン中の13%w/w溶液として配合する。この溶液を1500rpmで30秒間スピンし、ホットプレート上120℃で2mアニーリングし、302nmのUV光(7W/cm2)で120秒間照射する。スピンコートしたMerck Lisicon S1200(登録商標)をこの例で用いる。伝達曲線を
図12に示す。
例C11.例B2のゲート絶縁体を含むOFET
BuNBおよびMeDMMINBの35:65コポリマーを、1−クロロ−4−プロポキシチオ−キサントン0.5%(ポリマーの重量による)を含む2−ヘプタノン中の13%w/w溶液として配合する。溶液を1500rpmで30秒間スピンし、ホットプレート上120℃で2mアニーリングし、302nmのUV光(7mW/cm2)で300秒間照射する。スピンコートしたMerck Lisicon S1200(登録商標)をこの例で用いる。伝達曲線を
図13に示す。
【0191】
例C12.例B1のゲート絶縁体を含むOFET
MeOAcNBとMeDMMINBの51:49比率のコポリマーを、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン0.5%(ポリマーの重量による)を含む2−ヘプタノン中の13%w/w溶液として配合する。溶液を1500rpmで30秒間スピンし、ホットプレート上120℃で2mアニーリングし、UVA(320〜400nm)のUV光(0.35W/cm2)で30秒間照射する。スピンコートしたMerck Lisicon S1200(登録商標)をこの例で用いる。伝達曲線を
図14に示す。
【0192】
例C13.例B15のゲート絶縁体を含むOFET
NBC
4F
9ホモポリマーを、80/20のペルフルオロペルヒドロフェナントレンとHFE750の混合物中に10%の固体重量で配合し、500rpmで10秒間、次に1000rpmで20秒間スピンし、続いてホットプレート上100℃で2分間アニーリングする。Merck Lisicon S1200(登録商標)OSC調合物をこの例で用いる。伝達曲線を
図15に示す。
例C14.例B65のゲート絶縁体を含むOFET
NBCH
2CF
2CHFOC
3F
7(PPVENBB)ホモポリマーを、80/20のペルフルオロペルヒドロフェナントレンとHFE500の混合物中に10%の固体重量で配合し、500rpmで10秒間、次に1000rpmで20秒間スピンし、続いてホットプレート上100℃で2分間アニーリングする。Merck Lisicon S1200(登録商標)OSC調合物をこの例で用いる。伝達曲線を
図16に示す。
【0193】
例C15.例B66のゲート絶縁体を含むOFET
HexNBホモポリマーを、デカン中に12.5%の固体重量で配合し、500rpmで10秒間、次に1500rpmで30秒間スピンし、続いてホットプレート上100℃で1分間アニーリングする。Merck Lisicon SP320(登録商標)OSC調合物をこの例で用いる。伝達曲線を
図17に示す。
例C16.例B67のゲート絶縁体を含むOFET
BuNBホモポリマーを、デカン中に12.5%の固体重量で配合し、500rpmで10秒間、次に1500rpmで30秒間スピンし、続いてホットプレート上100℃で1分間アニーリングする。Merck Lisicon SP320(登録商標)OSC調合物をこの例で用いる。伝達曲線を
図18に示す。
【0194】
例C17.例B48のゲート絶縁体を含むOFET
BuNB/DMMIMeNBの0.9/0.1比率のコポリマーを、デカン中に15%の固体重量で配合し、500rpmで10秒間、次に1500rpmで30秒間スピンし、続いてホットプレート上100℃で1分間アニーリングする。Merck Lisicon SP320(登録商標)OSC調合物をこの例で用いる。伝達曲線を
図19に示す。
例C18.例B61のゲート絶縁体を含むOFET
DecNB/EONBの0.7/0.3比率のコポリマーを、デカン中に16%の固体重量で配合し、500rpmで10秒間、次に1500rpmで30秒間スピンし、続いてホットプレート上100℃で1分間アニーリングする。Merck Lisicon SP320(登録商標)OSC調合物をこの例で用いる。伝達曲線を
図20に示す。
例C1〜C18は、本発明によるゲート絶縁体が、有機電界効果トランジスタにおける使用に好適であることを示し、ここで該ゲート絶縁体は、有機半導体材料に対して良好な湿潤性および直交溶解特性を示し、良好なトランジスタ性能を実現させる。
【0195】
例C19.接着促進剤を有するゲート絶縁体を含むOFET
ボトムゲートOFETを次のように製造する:Corning Eagle XGガラスの基板を、3%Decon90中70℃で30分超音波処理し、水で2回洗浄し、MeOH中で超音波処理し、次にスピンコーターでスピンオフして乾燥させる。次に30nmのアルミニウム層を、シャドウマスクを介して基板に熱的に蒸着して、ゲート電極を形成する。
基板をPGMEA中DMMI−プロピルトリエトキシシランの1%溶液に浸し、スピンオフし、IPAで洗浄する。
MAK中0.7%(ポリマーに対してw/w)の感作剤CPTXを含有する、DMMIBuNB(例B64参照)のホモポリマーの17%溶液を、スピンコートにより塗布し、11mW/cm
2および365nmでの4分間の照射でUV硬化させる。
【0196】
30nmの厚さの銀のソースおよびドレイン電極を、シャドウマスクを介して基板に熱的に蒸着し、チャネル長さL=50μmおよびチャネル幅W=1000μmを作製する。次に、表面処理調合物Lisicon(登録商標)M001(Merck KGaA, Darmstadt, Germanyから入手可能)を1分間適用し、イソプロピルアルコールで洗浄し、スピンコーターでスピンオフして乾燥させる。次にOSC調合物Merck Lisicon(登録商標)S1200(Merck KGaA, Darmstadt, Germanyから入手可能)を、上記処理後の基板上にスピンし、次にホットプレート上100℃で1分間アニーリングする。
図21は、有機誘電体pDMMIBuNBと接着促進剤DMMI−プロピルトリエトキシシランを含むトランジスタの特性を示す。
【0197】
例C20.接着促進剤なしのゲート絶縁体を含むOFET
ボトムゲートOFETを、例D3に記載のようにして、ただし基板をDMMI−プロピルトリエトキシシランに浸すステップを除いて製造する。
図22は、接着促進剤なしの有機誘電体pDMMIBuNBを含むトランジスタの特性を示す。
図21と
図22を比較すると、トランジスタ性能が接着促進剤の使用に影響を受けないことがわかる。
機械的特徴づけのために、ガラス基板をPGMEA中DMMI−プロピル−トリエトキシシランの1%溶液に浸し、スピンオフし、IPAで洗浄する。MAK中0.7%w/wのCPTXを含有する、DMMIBuNB(例B64参照)のホモポリマーの17%溶液を、スピンコートにより塗布し、11mW/cm
2および365nmでの4分間の照射でUV硬化させる。
【0198】
参照試料を、上記のプロセスにより、ただし基板をPGMEA中のDMMI−プロピル−トリエトキシシランの1%溶液に浸すステップを除いて製造する。
機械試験を両方の試料について、Mecmesinマシン(Multitest 1-i)を用いる180°形状接着試験において実施する。
図23は、両試料についての接着力vs.距離のグラフを示す。ガラス基板と接着促進剤DMMI−プロピル−トリエトキシシランを含有するDMMIBuNBポリマー層との間の接着は、接着促進剤なしのDMMIBuNBポリマー層と比べて、顕著に改善されていることがわかる。
【0199】
例C21.架橋剤を有するゲート絶縁体を含むOFET
ボトムゲートOFETを次のように製造する:Corning Eagle XGガラスの基板を、3%Decon90中70℃で30分超音波処理し、水で2回洗浄し、MeOH中で超音波処理し、次にスピンコーターでスピンオフして乾燥させる。次に30nmのアルミニウム層を、シャドウマスクを介して基板に熱的に蒸着して、ゲート電極を形成する。
0.7%CPTX(ポリマーに対してw/w)か、もしくはMAK中の0.5%ビス−DMMI−ブチル(ポリマーに対してw/w)のどちらかを含有するか、または添加剤なしの、DMMIBuNBホモポリマー(例B64参照)の17%溶液を、スピンコートにより塗布し、11mW/cm2および365nmにて異なる時間の照射によってUV硬化させる。
【0200】
30nmの厚さの銀のソースおよびドレイン電極を、シャドウマスクを介して基板に熱的に蒸着し、チャネル長さL=50μmおよびチャネル幅W=1000μmを作製する。次に、表面処理調合物Lisicon(登録商標)M001を(Merck KGaA, Darmstadt, Germanyから入手可能)を1分間適用し、イソプロピルアルコールで洗浄し、スピンコーターでスピンオフして乾燥させる。次にOSC調合物Merck Lisicon(登録商標)S1200(Merck KGaA, Darmstadt, Germanyから入手可能)を、上記処理後の基板上にスピンし、次にホットプレート上100℃で1分間アニーリングする。
異なるUV硬化時間で製造したボトムゲートトランジスタから得られた電荷キャリア移動度を、下の表C1に示す。表C1の時間は秒(s)で報告され、ポリマー層を架橋するのに必要な、および存在する場合は各添加剤について示された移動度を実現するのに必要な、最小時間および最適時間(MinおよびOpt)を表す。
【表9】
例C19〜C21はさらに、接着促進剤または架橋剤の使用により、デバイスの性能は負の影響を受けず、一方、UV照射時間の短縮および接着の改善などの一定の効果が達成されることを実証する。