【文献】
Ari KILPEL, Juha KOSTAMOVAARA,Laser pulser for a time-of-flight laser radar,Review of Scientific Instruments,1997年 6月,vol. 68, no. 6,pp. 2253-2258,URL,http://scitation.aip.org/docserver/fulltext/aip/journal/rsi/68/6/1.1148133.pdf?expires=1459991552&id=id&accname=2093899&checksum=FD740EEBC735CD2C23131A7F531F0607
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記回路においてコンデンサの容量や抵抗器の抵抗値を変更した場合、これらの定数と発光素子のインダクタンス等の回路定数との関係が変わるため、回路が発振する可能性がある。また、発振を防ぐために回路定数を最適化しようとすると、コンデンサや抵抗器の選択可能な定数が制限され、高分解能での設定や任意のパルス幅への調整が困難になる。
【0006】
また、発光素子を高速駆動させるためには回路のインダクタンスを低くする必要がある。ここで、可変抵抗器は、抵抗値を変更できる素子であるが、固定抵抗器と比較してパッケージのインダクタンスが大きく、また部品サイズも大きいためこれを使用すると回路パターン等のインダクタンスが増加するというおそれがある。そのため、可変抵抗器を用いて抵抗値の変更を実現するのは困難である。また、可変抵抗器では抵抗値のステップ数の制限や精度誤差が大きいといった要因により、高分解能でパルス幅を調整することが困難である場合がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、部品交換や回路定数の調整をすることなくかつ発振を防止しながら、発光素子の光出力のパルス幅を調整することができる発光素子の駆動回路、光源装置および発光素子の駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る発光素子の駆動回路は、コンデンサと、前記コンデンサに充電のために印加する電圧を制御する第1電圧調整部と、スイッチングにより前記コンデンサに充電された電荷を放電させて、前記発光素子にパルス状の駆動電流を供給するためのスイッチング素子と、前記スイッチング素子に印加するスイッチング電圧を制御する第2電圧調整部と、前記第1および第2電圧調整部を制御して前記コンデンサに印加する電圧と前記スイッチング素子に印加するスイッチング電圧とを調整することにより、前記駆動電流のパルス幅を調整する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る発光素子の駆動回路は、上記発明において、前記コンデンサに印加する電圧と前記駆動電流のピーク電流値もしくはパルス幅との関係、および前記スイッチング素子に印加するスイッチング電圧と前記駆動電流のピーク電流値もしくはパルス幅との関係を記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記関係に基づいて、前記コンデンサに印加する電圧および前記スイッチング素子に印加するスイッチング電圧を調整することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る発光素子の駆動回路は、上記発明において、前記制御部は、前記駆動電流のピーク電流値が一定のままパルス幅が変化するように、前記コンデンサに印加する電圧および前記スイッチング素子に印加するスイッチング電圧を調整することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る発光素子の駆動回路は、上記発明において、前記コンデンサと前記発光素子との間で前記発光素子と逆並列接続されたダイオードを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る発光素子の駆動回路は、上記発明において、前記発光素子と並列接続されたスナバ回路を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る光源装置は、発光素子と、前記発光素子に前記駆動電流を供給する上記発明の駆動回路と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る発光素子の駆動方法は、コンデンサを充電する工程と、スイッチング素子のスイッチングにより前記コンデンサに充電された電荷を放電させて、前記発光素子にパルス状の駆動電流を供給する工程と、を含み、前記コンデンサに印加する電圧と前記スイッチング素子に印加するスイッチング電圧との調整により、前記駆動電流のパルス幅を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、部品交換や回路定数の調整をすることなくかつ発振を防止しながら、発光素子の光出力のパルス幅を調整することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照して本発明に係る発光素子の駆動回路、光源装置および発光素子の駆動方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光源装置の構成を示す図である。
図1に示すように、光源装置100は、発光素子である半導体レーザダイオード(LD)素子101と、スイッチング素子である電界効果トランジスタ(FET)102と、コンデンサ103と、抵抗器104、105と、制御部106と、第1電圧調整部である電圧調整部107と、第2電圧調整部である電圧調整部108と、を備えている。FET102、コンデンサ103、抵抗器104、105、制御部106、および電圧調整部107、108は、半導体LD素子101の駆動回路を構成している。
【0019】
半導体LD素子101は、駆動電流を供給されて所定の波長のレーザ光を出力する。駆動電流がパルス状の電流(パルス電流)である場合は、半導体LD素子101はパルス状のレーザ光を出力する。半導体LD素子101は、たとえば光ファイバレーザの種光源用のものであって、レーザ発振波長は1064nmであるが、特に限定はされない。
【0020】
FET102は、n型チャネル型であって、ドレイン端子側がコンデンサ103を介して半導体LD素子101のカソード端子側と接続している。FET102のソース端子側は接地しており、ゲート端子側は電圧調整部108に接続している。
【0021】
図2は、スイッチング電圧としてFET102のゲートに印加するゲート印加電圧V2とオン抵抗値との関係を示す図である。
図2に示すように、FET102のオン抵抗値は、ゲート印加電圧V2に対して反比例状に変化するので、たとえばゲート印加電圧V2を大きくするとオン抵抗値が小さくなる。
【0022】
抵抗器104は、コンデンサ103の充電用の抵抗器であって、その一端がコンデンサ103および半導体LD素子101のカソード端子側と接続し、他の一端が電圧調整部107に接続している。また、抵抗器105は、半導体LD素子101に流れる駆動電流の時定数を調整するための抵抗器であって、その一端が半導体LD素子101のアノード端子側と接続し、他の一端が接地している。
【0023】
制御部106は、演算部と、記憶部とを備えている。演算部は、電圧調整部107、108の制御のための各種演算処理を行うものであり、たとえばCPU(Central Processing Unit)で構成される。記憶部は、演算部が演算処理を行うために使用する各種プログラムやデータ等が格納される、たとえばROM(Read Only Memory)で構成される部分と、演算部が演算処理を行う際の作業スペースや演算部の演算処理の結果等を記憶する等のために使用される、たとえばRAM(Random Access Memory)で構成される部分とを備えている。
【0024】
電圧調整部107は、制御部106および抵抗器104の一端と接続している。電圧調整部107は、たとえば、アナログ電圧値で電圧を出力し、且つ、この出力電圧が変更可能である安定化電源で構成されている。電圧調整部107は、制御部106からのDAC指示値によって、抵抗器104を介して充電のためにコンデンサ103へ印加する印加電圧V1を出力し、制御する。また、電圧調整部107は、抵抗値によって出力電圧を可変にできるレギュレーターと、デジタルポテンショメーターを用いた抵抗部とで構成されているものでもよい。この場合は、制御部106からのデジタル制御信号により、デジタルポテンショメーターを制御することによって、レギュレーターの出力電圧を変更することができる。
【0025】
電圧調整部108は、制御部106およびFET102のゲート端子側と接続している。電圧調整部108は、たとえば、オペアンプで構成されており、制御部106からのDAC指示値によって、スイッチング電圧としての、FET102のゲート端子への印加電圧V2を出力し、制御する。
【0026】
つぎに、光源装置100の基本的な動作の一例について説明する。
図3は、FET102に関するFETゲート印加電圧V2、FETゲート電圧、半導体LD素子101のカソード端子と接続される側のコンデンサ103の電圧Vp(
図1参照、)、および半導体LD素子101に流れるLD電流のタイムチャートを示す図である。
【0027】
はじめに、制御部106は制御のためのDAC指示値を電圧調整部107、108に出力する。電圧調整部107は、DAC指示値を受け付けて、コンデンサ103へ印加する印加電圧V1をV1maxに制御する。一方、電圧調整部108は、DAC指示値を受け付けて、FET102のゲート端子へ印加するゲート印加電圧V2を0Vに制御する。すると、電圧調整部108側から抵抗器104を介してコンデンサ103へ電流が流れ、所定の時定数で充電される。充電完了後はコンデンサ103の両端子間の電圧はV1maxであり、電圧Vpは0Vである。このときFET102はオフ状態である。その結果、時間T1よりも前ではLD電流およびドレイン電流は流れない。
【0028】
つぎに、電圧調整部108が、制御部106からDAC指示値を受け付けて、ゲート印加電圧V2をV2maxに制御する。すると、FETゲート電圧は増加し、FET102のしきい値電圧Vthに達する。
【0029】
FETゲート電圧がしきい値電圧Vthに達するとFET102はオン状態にスイッチングされる。その後FETゲート電圧はターンオン時間T1で飽和条件を与えるゲート電圧であるVgsに達し、その後、V2maxに達する。FET102がオン状態となった後は、コンデンサ103に充電された電荷が放電され、正電荷はドレイン電流としてFET102に流れ、負電荷はLD電流として半導体LD素子101に流れる。FET立ち上がり時間T2経過時にコンデンサ103の電荷が消費されていなければ、電圧Vpは−V1maxとなるが、実際には、時間T2の期間にLD電流が流れ、電荷が消費されるため、電圧Vpは−(V1max−Vα)となる。Vαは時間T2の期間でコンデンサ103が失った電荷によって決まる値である。また、時間T2はLD電流の立ち上がり時間Trである。時間T2終了時点でFET102のドレイン電圧は最小となる。時間T3をかけてコンデンサ103の電荷を放電すると、電圧Vpは最小値となるが、FET102がオン状態となっているためコンデンサ103は充電されない。ここで、時間T3はLD電流の立ち下がり時間Tf(またはコンデンサ放電時間)である。このようにして、LD電流は
図3に示すようなパルス電流となる。
【0030】
つぎに、コンデンサ103の放電が終了した後に、電圧調整部108が、制御部106からDAC指示値を受け付けて、ゲート印加電圧V2を0Vに制御する。すると、コンデンサ103への充電がはじまり、両端子間の電圧はV1maxとなる。その後、上記と同様の制御を繰り返し行なうことで、複数のパルス電流が得られる。
【0031】
この光源装置100では、FET102がオフ状態の時にはコンデンサ印加電圧V1と抵抗器104とによってコンデンサ103に電荷エネルギーが蓄積され、FET102がスイッチングされてオン状態になった時に、コンデンサ印加電圧V1とコンデンサ103の容量CLに応じて、あるパルス幅PW、ピーク電流値IPを有するLD電流が得られる。これらのパラメータについての関係式は式(1)で表すことができる。
CL×V1=IP×PW ・・・ (1)
ここで、回路上の抵抗成分とコンデンサ103とによって微分回路が形成されるため、CLを小さくし、V1を大きくすることによって、より短パルス幅で高ピーク値のパルス電流を得ることができる。たとえば、上記パラメータを適切に設定することによって、最短でサブnsオーダーのパルス幅で、かつ数A以上のピーク電流値のパルス電流が得られる。
【0032】
式(1)からわかるように、CLを一定にしてV1だけを大きくしても、パルス電流のピーク電流値を大きくし、パルス幅を長くすることができる。しかしながら、V1だけの調整では、自由かつ十分にパルス幅を調整することができない。さらに、後述するように、V1のみを調整した場合には、回路が発振してLD電流および半導体LD素子の光出力が振動してしまう場合がある。また、部品交換や回路定数の調整によりパルス幅を調整しようとしても、同様な発振が起こる場合がある。
【0033】
これに対して、本実施の形態1に係る光源装置100の駆動回路では、制御部106が、電圧調整部107、108を制御して、コンデンサ103へ印加する電圧V1を調整するとともに、FET102のゲート端子へ印加する電圧V2を調整する。その結果、上記した発振を防止しつつ、パルス電流のパルス幅を自由且つ十分に調整することができる。これによって、半導体LD素子101の光出力のパルス幅を調整することができる。
【0034】
たとえば、上述した
図3の時間T2である立ち上がり時間Trは以下の式(2)で表すことができる。
Tr=Cin×Rg×ln((V2−Vth)/(V2−Vgs)) ・・・(2)
ここで、Cin、RgはそれぞれFET102の入力容量、ゲート抵抗である。また、FET102のFETゲート印加電圧V2とゲート・ソース間電圧は同じとする。また、V2>Vgs>Vthである。
また、
図3の時間T3である立下り時間Tfは、コンデンサ103の放電時間であるため式(3)で表すことができる。
Tf=−CL×Rs×ln[V0/{−(V1max−Vα)}] ・・・ (3)
ここで、Rsは抵抗105の抵抗やFET102のON抵抗である。V0は≦0Vであり、放電後の電圧Vpの値である。
【0035】
式(2)より、V2を小さくするとTrを大きくすることができる。これによって、LD電流および光出力のパルス幅を大きくすることができる。また、
図2に示すように、V2を小さくすると、FET102のオン抵抗が大きくなるので、式(3)より、LD電流の時定数を大きくすることができる。このことから、V2を小さくすると、パルス幅が大きくなるため、式(1)の関係からピーク電流値が小さくなるが、電流の立ち上がり・立ち下がり時間が大きくなるため、発振を抑制しつつ、パルス幅を大きくするができる。
【0036】
ここで、本実施の形態1の実施例1として、
図1に示す構成を有する光源装置を作製した。また、比較例として、
図13に示す構成を有する光源装置を作製した。
図13に示すように、比較例の光源装置200は、
図1に示す本実施の形態1に係る光源装置100と同様に、半導体LD素子101、FET102、コンデンサ103、および抵抗器104、105を備えるが、制御部106、電圧調整部107、および電圧調整部108は備えないものである。なお、光源装置200の抵抗器104には外部からコンデンサ印加電圧V1を印加し、FET102のゲート端子へはゲート印加電圧V2を印加する。
【0037】
つぎに、実施例1および比較例の光源装置において、駆動回路により半導体LD素子をパルス駆動した。そして、パルス駆動により半導体LD素子から出力されたパルス光をO/E変換器にて受光して電圧信号を得た。
【0038】
図4は、実施例1および比較例の光源装置にて得られた、半導体LD素子からの出力光の波形(LD出力光波形)を示す図である。なお、縦軸はO/E変換器の出力電圧であるが、
図4に示す波形はほぼLD出力光波形を表している。
図4に示すように、出力光のパルス幅は750psであった。また、ピーク強度はO/E変換器出力電圧で80mVに相当する値であった。このとき、V1=6.6V、V2=15.0Vである。
【0039】
つぎに、比較例の光源装置において、パルス幅を大きくすべく、コンデンサ印加電圧V1の値のみを調整した。その結果、
図5に示すように、パルス幅を1.5nsまで大きくできたものの、回路が発振し、LD出力光波形の立下り後に振動が見られた。このとき、V1=16.0V、V2=15.0Vである。
【0040】
これに対して、実施例1の光源装置において、パルス幅を大きくすべく、電圧調整部の制御によって、コンデンサ印加電圧V1およびゲート印加電圧V2の両方の値を調整した。その結果、
図6に示すように、サブnsオーダー(750ps)であったパルス幅を数nsオーダーである2.8nsにまで大きくでき、かつ回路の発振やこれに伴うLD出力光波形の振動が抑制された。このとき、V1=17.8V、V2=5.0Vである。
なお、上述のV1、V2の電圧値は、例示であって、回路パターン、使用部品、回路定数により変わる値である。
【0041】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る光源装置の構成を示す図である。
図7に示すように、光源装置100Aは、実施の形態1に係る光源装置100に、駆動回路を構成する記憶部109をさらに追加した構成を有する。
【0042】
記憶部109は、演算部が下記の演算処理を行うために使用するプログラムやデータ等が格納される、たとえばROMで構成される部分を備えている。
【0043】
ここで、コンデンサ印加電圧V1と、パルス電流のパルス幅やピーク電流値との関係は、回路構成や使用部品にもよるが、式(1)から、
図8に示すように線形の関係になる。一方、FETゲート印加電圧V2と、パルス電流のパルス幅やピーク電流値の関係は、式(2)で表される立ち上がり時間Trや
図2に示すV2とオン抵抗値との関係から、
図9に示すように非線形の関係になる。この関係のもとでは、ピーク電流値が小さくなるとパルス幅が小さくなる。しかしながら、
図9の関係においてピーク電流値を規格化した場合は、
図10に示すように、V2とパルス幅との関係において、V2を小さくすると、パルス幅は大きくなる。その理由はV2を小さくするとオン抵抗値が大きくなるため、LD電流の時定数が大きくなるからである。
【0044】
そこで、本実施の形態2では、記憶部109が、
図8〜
図10に示すような、予め測定しておいたコンデンサ印加電圧V1とパルス電流のパルス幅やピーク電流値との関係、FETゲート印加電圧V2とパルス電流のパルス幅やピーク電流値の関係、およびピーク電流値を規格化したときのV2とパルス幅との関係を、関係式またはデータテーブルの形式で記憶している。
【0045】
そして、制御部106は、記憶部109が記憶している関係式またはテーブルデータを読み出し、これに基づいて所定の演算を行い、電圧調整部107、108にDAC指示値を出力して制御し、電圧V1、V2を調整する。これによって、光源装置100Aでは、ピーク電流値を一定にしたままパルス幅を変更したパルス電流を半導体LD素子101に供給して、半導体LD素子101の光出力のピーク強度を一定にしたままパルス幅を変更することができる。このとき、電圧調整部107、108が制御する電圧V1、V2の設定分解能を適切にすることで、パルス幅をサブnsオーダーの分解能でサブnsオーダーから数nsオーダーまで変更することができる。たとえば、V1とV2の設定分解能が0.1V程度であれば、100ps以下の分解能でパルス幅を変更することができる。
【0046】
ここで、本実施の形態2の実施例2として、
図7に示す構成を有する光源装置を作製した。そして、実施例2の光源装置において、駆動回路により半導体LD素子をパルス駆動した。そして、パルス駆動により半導体LD素子から出力されたパルス光をO/E変換器にて受光して電圧信号を得た。
【0047】
図11は、実施例2の光源装置のLD出力光波形を示す図である。なお、縦軸はO/E変換器の出力電圧であるが、
図11に示す波形はほぼLD出力光波形を表している。制御部が、記憶されたデータテーブルに基づいて、コンデンサ印加電圧V1とFETゲート印加電圧V2とを調整して、ピーク電流値を一定にしたままパルス幅を変更させたパルス電流を半導体LD素子に供給するようにした。その結果、
図11(a)、(b)、(c)に示すように、ピーク強度80mVで一定にしつつ、パルス幅を750psから800ps、さらには2nsまで変更することができた。このとき、
図11(a)では、V1=6.6V、V2=15.0V、(b)では、V1=6.8V、V2=9.0V、(c)では、V1=10.8V、V2=5.0Vである。
なお、上述のV1、V2の電圧値は、例示であって、回路パターン、使用部品、回路定数により変わる値である。
【0048】
なお、上記実施の形態1、2において、駆動回路は図示した構成に限定されず、ショットキーダイオードや、スナバ回路を備える構成としてもよい。
図12は、本発明の実施の形態3に係る光源装置の構成を示す図である。光源装置100Bは、実施の形態1に係る光源装置100に、駆動回路を構成するショットキーダイオード110およびスナバ回路111をさらに追加した構成を有する。
【0049】
ショットキーダイオード110は、コンデンサ103と半導体LD素子101との間で半導体LD素子101と逆並列接続されている。ショットキーダイオード110によりコンデンサ103の充電時の電圧Vpがはっきりした値となるため、複数のLD電流を発生させる場合に、1発目のLD電流波形と同じLD電流波形が2発目以降も得ることができる。また、FET102のスイッチングの繰り返し周波数を変更しても同じLD電流波形を得ることができる。また、半導体LD素子101の抵抗成分、インダクタンス成分、またはコンデンサ成分と回路定数の関係で、LD電流の立ち下がり時にリンギングや発振する可能性がある。しかしながら、光源装置100Bでは、半導体LD素子101のアノード‐カソード間に並列接続されたスナバ回路111が追加されているため、上記リンギングや発振の問題が解決される。
【0050】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。