特許第6097837号(P6097837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6097837コアレス基板内に埋め込みRFダイを有するシステムインパッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6097837
(24)【登録日】2017年2月24日
(45)【発行日】2017年3月15日
(54)【発明の名称】コアレス基板内に埋め込みRFダイを有するシステムインパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/065 20060101AFI20170306BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20170306BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20170306BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20170306BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20170306BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20170306BHJP
【FI】
   H01L25/08 Z
   H01L23/12 N
   H01L23/12 501W
   H01L23/12 501B
   H05K3/46 Q
   H05K1/02 P
【請求項の数】19
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-534478(P2015-534478)
(86)(22)【出願日】2013年6月28日
(65)【公表番号】特表2015-536046(P2015-536046A)
(43)【公表日】2015年12月17日
(86)【国際出願番号】US2013048780
(87)【国際公開番号】WO2014051816
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2015年3月25日
(31)【優先権主張番号】13/631,982
(32)【優先日】2012年9月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ナイアー、ビジェイ、ケー.
(72)【発明者】
【氏名】グゼク、ジョン、エス.
(72)【発明者】
【氏名】スワン、ジョアンナ、エム.
【審査官】 井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第08264849(US,B2)
【文献】 特開2004−128029(JP,A)
【文献】 特開2011−077430(JP,A)
【文献】 特開2003−188340(JP,A)
【文献】 特開2007−188920(JP,A)
【文献】 特開2012−124465(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0001339(US,A1)
【文献】 特開2011−181861(JP,A)
【文献】 特開2008−091418(JP,A)
【文献】 特開2007−123797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/065
H01L 23/12
H01L 25/07
H01L 25/18
H05K 1/02
H05K 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の誘電体層及び複数の導電性パスを含むコアレス基板であって、第1面及び前記第1面の反対側の第2面を含むコアレス基板と、
前記コアレス基板内に埋め込まれた第1のダイであって、RFダイを含み、前記コアレス基板の前記第1面に延びる誘電体層内に位置する第1のダイと、
前記第1面上に位置する第2のダイであって、前記第1のダイ上に位置する前記第2のダイと、
を備え、
前記第2のダイは、前記第1のダイと積層し、且つ、前記第1面上の窪み領域において、前記コアレス基板に電気的に接続され
前記第2のダイは、アクティブ面と裏面とを含み、前記第2のダイの前記アクティブ面は、前記第1のダイの前記裏面に対向し、前記コアレス基板の前記第1面と接しているアセンブリ。
【請求項2】
前記ダイの面上に位置するモールド材料と、
前記第1面の上方に位置する電気遮蔽層と
をさらに備え、
前記第1のダイ及び前記第2のダイは、前記モールド材料に覆われる
請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記コアレス基板内に埋め込まれた第3のダイであって、前記第1のダイと同一の誘電体層内に位置する第3のダイと、
前記コアレス基板の前記第1面上の前記第3のダイ上に位置する第4のダイと
をさらに備える請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記コアレス基板のランド面上の複数の相互接続パッドとプリント回路基板とをさらに備え、
前記コアレス基板は、前記複数の相互接続パッドを介して前記プリント回路基板に電気的に結合される
請求項1から3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のダイは、アクティブ面と裏面とを含み、前記第1のダイの前記アクティブ面は、前記第1のダイの前記裏面と前記コアレス基板の前記第2面との間に位置する
請求項1から4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第2のダイは、電力増幅器を備え、前記第2のダイは、前記第1のダイに電気的に結合する
請求項1からのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記第2のダイの少なくとも一部は、前記第1のダイの上方に直接位置する
請求項1からのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記第2のダイと、前記コアレス基板の裏面との間に間隙をさらに備える
請求項1からのいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記第1のダイは、その前記裏面上の金属被膜層を含む
請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項10】
第1面と第2面とを含むコアレス基板と、
前記コアレス基板内の誘電体層に埋め込まれた第1のダイであって、RFダイを含む第1のダイと、
前記コアレス基板の前記第1面上に位置する第2のダイであって、前記第1のダイに電気的に結合する第2のダイと、
を備え、
前記第1のダイは、複数の誘電体層によって前記第2面と分離され、
上から見た場合に、前記第2のダイが前記第1のダイの少なくとも一部を覆うように、前記第2のダイが前記第1のダイと位置合わせされ、
前記第2のダイは、前記第1のダイと積層し、且つ、前記第1面上の窪み領域において、前記コアレス基板に電気的に接続され
前記第2のダイは、アクティブ面と裏面とを含み、前記第2のダイの前記アクティブ面は、前記第1のダイの前記裏面に対向し、前記コアレス基板の前記第1面と接しているアセンブリ。
【請求項11】
前記第1面上に位置するモールド材料と、
前記第1面上の前記モールド材料に連結される電気遮蔽構造と
をさらに備え、
前記第1のダイ及び前記第2のダイは、前記モールド材料に覆われる
請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第1のダイは、金属被膜層と、その上にダイ接着フィルムとを含み、
前記第2のダイは、金属被膜層と、その上にダイ接着フィルムとを含み、
前記第2のダイの前記ダイ接着フィルムは、前記第1のダイの前記ダイ接着フィルムと接触して配置される
請求項10又は11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のダイは、前記コアレス基板の前記第1面に延びる誘電体層内に位置する
請求項10から12のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記誘電体層内に埋め込まれた第3のダイと、
前記コアレス基板の前記ダイの接着面上に位置する第4のダイと
をさらに備える
請求項10から13のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
第1面と前記第1面の反対側の第2面と含むコアレス基板内の誘電体層内に、RFダイを含み、前記第1面に延伸する誘電体層内に位置する第1のダイを埋め込む段階と、
前記コアレス基板の前記第1面上に、前記第1のダイの上方に位置する第2のダイを配置する段階と、
前記基板の前記第1面上に、前記第1のダイ及び前記第2のダイを覆うモールド層を形成する段階と、
前記ダイの面上に、前記モールド層に連結した電気遮蔽層を提供する段階と
を含み、
前記第2のダイは、前記第1のダイと積層し、且つ、前記第1面上の窪み領域において、前記コアレス基板に電気的に接続され
前記第2のダイのアクティブ面が前記第1のダイの裏面に対向するように、前記第2のダイを位置決めする段階をさらに備え
前記第2のダイの前記アクティブ面は、前記コアレス基板の前記第1面と接している方法。
【請求項16】
前記第1のダイと同一の前記誘電体層内に第3のダイを埋め込む段階と、
前記コアレス基板の前記第1面上に、前記第3のダイ上に位置する第4のダイを配置する段階と
をさらに備える
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のダイのアクティブ面が前記コアレス基板の前記第2面に対向し、前記第1のダイの裏面が前記第2のダイに対向するように、前記第1のダイと前記第2のダイを位置決めする段階をさらに備える
請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記窪み領域内に、前記第2のダイから前記コアレス基板に複数の電気接続が形成される
請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のダイは、前記コアレス基板の前記第1面から離れて間隔が空けられる
請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電子デバイスがますます小さくなり、無線通信の必要性が増加するにつれて、パッケージ基板上に位置する無線周波数ダイ(RFダイ)を含む従来の複数のアセンブリは、低プロファイルスモールフォームファクタの複数の無線通信デバイスを形成するための厚さをもたらすことが困難である。
【図面の簡単な説明】
【0002】
実施形態は、縮尺通りに描かれていない添付の複数の図面を参照して、例として開示される。
図1】特定の実施形態に関し、埋め込みRFダイを含む多層基板を有するアセンブリを図示する。
図2】特定の実施形態に関し、埋め込みRFダイ及び他の埋め込みダイを含む多層基板を有するアセンブリを図示する。
図3】特定の実施形態に関し、埋め込みRFダイ及び基板の表面上のフリップチップダイを含む多層基板を有するアセンブリを図示する。
図4】特定の実施形態に関し、フリップチップダイと基板の表面との間の間隙を有する埋め込みRFダイ及びフリップチップダイを含むアセンブリを図示する。
図5】特定の実施形態に関し、埋め込みRFダイを含む多層基板を有するアセンブリを形成するための動作のフローチャートである。
図6】実施形態が応用されるであろう電子システム配列を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0003】
複数の図面に対して下記を参照し、同様の構造には、同様の参照符号の複数の名称が提供されてよい。様々な実施形態の構造を最も明確に示すために、ここに含まれた図面は、複数の電子デバイスと様々なコンポーネントの図表示を含む。したがって、図示された実施形態のクレームされた構造をさらに含むと同時に、製造された構造の実際の外観は異なって表れ得る。さらに、複数の図面は、図示された実施形態を理解するために必要な構造だけを表してよい。複数の図面の明確性を維持するために、当技術分野において知られている追加の構造は含まれていない。複数のRF(無線周波数)パッケージアセンブリは、これには限られないが、複数の電力増幅器、複数のスイッチ及び他の複数のデバイスを含む付随の複数のコンポーネントと共に、基板上に位置する1または複数のRFダイ構造を含むように形成された。
【0004】
特定の実施形態は、基板内に埋め込まれたRFダイを含むアセンブリ構造、及びRFダイ上に位置するコンポーネントに関連する。特定の実施形態は、複数の埋め込みRFダイ構造及び複数のコンポーネントの使用にも関連する。さらに他の実施形態は、複数の埋め込みRFダイ構造を含む複数のアセンブリ構造の製造方法に関連する。
【0005】
図1は、基板10を含むアセンブリ2を有する、ある実施形態の断面図である。図示の通り、基板10は、コアレスであり、第1面12と第2面14とを含む。図1の実施形態に図示されるように、複数の電気構成要素(限定されるものではないが、複数の増幅器、複数のスイッチ及び複数のプロセッサを含む)がその上に配置されてよいので、第1面12をデバイス取付面と呼んでもよい。第2面14は、ランド面と呼んでもよく、その上に複数の相互接続パッド16を含み、ボード(図1に不図示)のような他のデバイスに複数電気接続されてよい。基板10は、複数の誘電体層18、20、22、24、26を含む複数の層を含む。層26は、ソルダレジスト層であってよい。基板10は、基板10内の複数の電気信号を配信するために形成された複数の導電性パスも含む。図1は、パターン化された金属層28とワイヤボンディング用の複数のパッドとして機能する複数のパッド金属領域38、40に延びる複数の導電性ビア30、32、34、36とを含み、誘電体層18内にあり、且つ、誘電体層20に延びる導電性パスの一例を示す。図1に図示されるように、金属パスレイアウトは、レイアウトの一例であり、様々に変形されてよい。複数の誘電体層の多くを介する複数の金属パスは、単純化のため不図示である。図1の実施形態において、基板10は、バンプレスビルドアップ層(BBUL)技術を用いて形成され、複数の誘電体層と複数の金属層が堆積され、積層され、バンプレスビルドアップ層コアレス(BBUL−C)パッケージを形成してよい。
【0006】
図1の実施形態に図示されるように、RFダイ44は、基板10の上部誘電体層18内に埋め込まれる。RFダイ44は、その裏面上に位置する金属被膜層52を含んでよい。金属被膜層は、単一の金属層であってよく、又は複数の金属層のスタックであってよい。RFダイ44への及びRFダイ44からの複数の電気接続は、複数の接続46、48を介して、RFダイ44のアクティブ面上に作られる。簡単のため、2つの接続46、48だけが図示されている。例えば、ポリマーから形成されたダイ接着フィルム54は、金属被膜層52上に配置されてよく、金属被膜層52は、RFダイ44とダイ接着フィルム54との間に配置される。
【0007】
ダイ56のような他のコンポーネントは、RFダイ44上のダイ接着フィルム54上の基板10上に配置されてよい。特定の実施形態において、ダイ56は、複数のワイヤボンド58、60を介して複数のパッド領域38、40で基板10にワイヤボンディングされた第2のRFダイを含む。ダイ56は、金属被膜層62及びダイ接着フィルム64も含んでよく、金属被膜層62は、ダイ接着フィルム64とダイ56との間に位置し、ダイ接着フィルム64は、RFダイ44上のダイ接着フィルム54に連結される。当然のことながら、具体的なダイ構造及び/又は複数のコンポーネントの利用に応じて、特定の実施形態において、複数のダイ接着フィルム54、64及び複数の金属被膜層52、62のうちの1または複数が変更され、又は省略されてよい。当然のことながら、図1に図示された様々な層が縮尺通りに描かれている必要がなく、厚さが必ずしも均一である必要がなく、図示された実施形態から変更されてもよい。
【0008】
図1に図示されるように、RFダイ44は、基板10内に埋め込まれ、ダイ56が複数の金属被膜層52、62及び複数の接着フィルム層54、64と分離して、RFダイ44上に位置する。上から見ると、図1の引き伸ばされた部分は、互いにコンタクトした複数の接着フィルム層54及び64と、様々な層の関係を示す。ポリマーなどのモールド層66は、ダイ56と、複数のパッド領域38、40に連結された複数のワイヤボンド58、60とを含み、基板面を覆うように形成されてよい。適当なコンフォーマルシールディング68は、モールド層66の側面及び上部に形成されて、電磁(EM)ノイズを遮蔽してもよい。アセンブリの高さを最小化するために、複数の相互接続パッド16を用いたランドグリッドアレイ(LGA)を用いてボードに接続されてよい。限定されるものではないがボールグリッドアレイ(BGA)を含む他の複数の相互接続構成を用いてもよい。特定の実施形態において、RFダイ44は、ベースバンド−メディアアクセス制御回路(BB−MAC)を含んでよい。さらに、特定の実施形態において、コンポーネント56は、限定されるものではないが、他のRFダイ又はアナログダイコンポーネントを含む構造から選択されてよい。
【0009】
図1に図示されるようなパッケージ構造を含むアセンブリを形成することによって、1又は複数の以下の利点が、特定の実施形態に存在してよい。第1に、基板10内にRFダイ44を埋め込むことにより、基板内に埋め込まれていないようなRFダイを有するパッケージと比較した場合に、パッケージの高さが減少し得る。第2に、RFダイ44を埋め込むことにより、信号長さは、減少され得る。第3に、図1において図示された設計も、RFダイ44のインサイチュシールドが得られる。第4に、図1に図示されるように、RFダイ44上にダイ56を配置することにより、例えば、異なる構成において複数のダイ構造を有するパッケージと比較して、基板10の幅が減少してよく、相互接続長さが減少してよい。
【0010】
図2は、特定の実施形態に関し、基板110を含むアセンブリ102の断面図を図示する。基板110は、コアレスであり、第1面112及び第2面114を含む。基板110は、その上に位置する複数の電気構成要素(限定されるものではないが、複数の増幅器、複数のスイッチ及び複数のプロセッサを含む)を含む第1面112を備える。第2面114は、作成されるであろうボード(図2において不図示)などの他のデバイスへの複数の電気接続への複数の相互接続パッド116をその上に含む。基板110は、複数の誘電体層118、120、122、124、126を含む、複数の層を含んでよい。層126は、ソルダレジスト層であってよい。複数の誘電体層は、厚さが均一となる必要はない。基板110は、複数の電気信号を配信するための複数の導電性パスを含む。図2は、誘電体層126内のパターン化された金属層128と、同様に、金属層128にコンタクトする複数の導電性ビア131、132、133、134、135及び136と、複数のワイヤボンディング領域として機能する複数のパッド領域138、139、140及び141とを含み、誘電体層118内で、且つ、誘電体層120に延びる導電性パスの一例を示す。図2に図示されるように、導電性のパスは、レイアウトの一例であり、様々に変形されてよい。複数の導電性パス(例えば、上述のような、複数のパターン化された金属層、複数のビア及び他の複数の金属領域含む)は、単純化のため不図示である他の複数の誘電体層を介して延びてよい。バンプレスビルドアップ層コアレス(BBUL−C)パッケージを形成するために基板110がバンプレスビルドアップ層(BBUL)技術を用いて形成されてよい。基板110は、モールド層166及びその上に位置するコンフォーマルシールディング168を含んでよい。
【0011】
特定の実施形態において、複数のダイ構造は、基板内に埋め込まれてよい。図2の実施形態に図示されるように、RFダイ144及びダイ145は、上部絶縁膜層118内の基板110内に埋め込まれる。一実施形態では、RFダイ144は、ベースバンド−メディアアクセス制御回路(BB−MAC)を含む無線周波数集積回路(RFIC)を含む。ダイ145は、一実施形態では、例えば、電力増幅器用のRFマッチング機能と、周波数調整機能とを提供する回路を含む、集積受動デバイス(IPD)であってよい。金属被膜層152及びダイ接着フィルム154は、RFダイ144上に提供されてよく、ダイ接着フィルム155は、ダイ145上に提供されてよい。RFダイ144への及びRFダイ144からの複数の電気接続は、複数の接続146、148を介して、図2に図示された実施形態におけるアクティブ面上に形成される。実施形態は、より多くの接続を含んでよいものの、簡単のため、2つの接続146、148が図示されている。金属被膜層152がRFダイ144とダイ接着フィルム154との間に位置するように、ダイ接着フィルム154は、金属被膜層152上に位置してよい。
【0012】
例えば、RF電力増幅器ダイであってよいダイ156などのコンポーネントは、基板内に埋め込まれたRFダイ144上のダイ接着フィルム154上の基板110上に位置してよい。ダイ156は、特定の実施形態において、複数のワイヤボンド158、160を介して、複数のパッド領域138、140における基板110にワイヤボンディングされてよい。ダイ156は、金属被膜層162及びダイ接着フィルム164も含んでよく、ダイ接着フィルム164は、図2の引き延ばした部分の左側において図示されたように、RFダイ144上のダイ接着フィルム154に連結する。
【0013】
例えば、RFスイッチダイであってよいダイ157のようなコンポーネントは、図2の引き延ばした部分の右側において図示されたように、基板110に埋め込まれたダイ145上のダイ接着フィルム155上の基板110上に配置されてよい。ダイ157は、特定の実施形態において、複数のワイヤボンド159、161を介して、複数のパッド領域139、141における基板110へワイヤボンディングされてよい。RFスイッチダイなどのダイ157も、金属被膜層163及びダイ接着フィルム165を含んでよく、金属被膜層163は、ダイ接着フィルム165とダイ157との間に配置され、ダイ接着フィルム165は、RFダイ144上のダイ接着フィルム155に連結される。
【0014】
図2に図示された実施形態に係るアセンブリは、多層基板のデバイス取り付け面内に埋め込まれるか、又は、多層基板のデバイス取り付け面上に配置されるかのいずれかの、様々なRFコンポーネントを含んでよい。そのようなアセンブリは、完成したRF送受信機パッケージの特定の実施形態を形成させる。
【0015】
図3は、特定の実施形態に従って、埋め込みRFダイ244上に位置したフリップチップダイ256を含む基板210を含むアセンブリ202の断面図を図示する。基板210は、コアレスであり、第1面212及び第2面214を含む。第1面212は、その上に位置する複数の電気構成要素(限定されるものではないが、複数の増幅器、複数のスイッチ、複数のプロセッサを含む)を含んでよい。第2面214は、その上に複数の相互接続パッド216を含む。複数の相互接続パッドには、ボードのような他のデバイスへの、複数の電気的接続が形成されることができる。基板210は、複数の誘電体層218、220、222、224、226を含む複数の層を含む。層226は、ソルダレジスト層であってよい。基板210は、基板210内に複数の電気信号を配信する複数の導電性パスも含む。図3は、誘電体層218において、誘電体層220に延びる導電性パスであって、パターン化された金属層228と複数のパッド金属領域238、240に延びる複数の導電性ビア230、232、234、236を含む導電性パスの一例を示す。図3に図示されるような金属パスレイアウトは、レイアウトの一例であり、様々に変形されてよい。複数の他の誘電体層における複数の金属パスは、単純化のために不図示である。基板210は、バンプレスビルドアップ層コアレス(BBUL−C)パッケージを形成するために、金属層と誘電体層とが堆積され、積層される、バンプレスビルドアップ層(BBUL)技術を用いて形成されてよい。基板210は、モールド層266及びその上に位置するコンフォーマルシールディング268を含んでよい。
【0016】
図3に図示された実施形態において、フリップチップダイ256は、上部誘電体層218に埋め込まれたRFダイ244上のダイ接着フィルム254上に配置される。RFダイ244は、その裏面に位置した金属被膜層252を含んでよい。RFダイ244への複数の電気接続は、複数の電気接続246、248を介して、RFダイのアクティブ面上に形成されてよい。フリップチップダイ256は、RFダイ244に電気的に結合されてよい。例えば、フリップチップダイ256は、複数の電気接続241、243を介して複数のパッド領域238、240に電気的に接続される。複数のパッド領域238、240は、アセンブリの垂直高さを最小化するために窪みを設けてよい。図3に図示されるように、窪み領域251、253は、第1面212上の誘電体層218に形成され、複数の電気接続241、243は、フリップチップダイ256と複数のパッド領域238、240との間の窪み領域251、253を介して延びる。窪み領域251、253のサイズ及び厳密な構成に応じて、ダイ構造は、特定の実施形態において、少なくとも部分的にその中に位置してよく、少なくとも部分的に基板210内に埋め込まれてよい。
【0017】
図4は、特定の実施形態に従って、埋め込みRFダイ344上に位置する基板310とフリップチップダイ356を含み、図3の断面図といくつかの点で類似するアセンブリ302の断面図を図示する。基板310は、コアレスであり、その上に位置する(限定されるものではないが、複数の増幅器、複数のスイッチ、複数のプロセッサを含む)複数の電気構成要素を含み得る第1面312と、ボードのような他のデバイスへの複数の電気的接続が形成されることができる複数の相互接続パッド316をその上に含む第2面314とを含む。基板310は、複数の誘電体層318、320、322、324、326を含む複数の層を含む。層26は、ソルダレジスト層であってよい。基板310は、基板310内に、複数の電気信号を配信するために形成された複数の導電性パスも含む。図4は、誘電体層318において、誘電体層320に延びる導電性パスであって、パターン化された金属層328と複数のパッド金属領域338、340に延びる複数の導電性ビア330、332、334、336を含む導電性パスの一例を示す図4に図示されるような金属パスレイアウトは、レイアウトの一例であり、様々に変形されてよい。殆どの複数の誘電体層における複数の金属パスは、単純化のために不図示である。基板310は、バンプレスビルドアップ層コアレス(BBUL−C)パッケージを形成するために、金属層と誘電体層とが堆積され、積層される、バンプレスビルドアップ層(BBUL)技術を用いて形成されてよい。基板310は、モールド層366及びその上に位置するコンフォーマルシールディング368を含んでよい。
【0018】
図4に図示された実施形態において、フリップチップダイ356は、上部誘電体層318内に埋め込まれたRFダイ344に電気的に結合される。RFダイ344は、その裏面上に、金属被膜層352及びダイ接着フィルム354を含んでよい。RFダイ344への複数の電気接続は、複数の電気接続346、348を介し、パターン化された金属層328に連結されたダイのアクティブ面上で形成されてよい。フリップチップダイ356は、例えば、複数の電気接続341、343を介して複数のパッド領域338、340に、RFダイ344に電気的に結合されてよい。複数のパッド領域338、340は、基板310の面312上の表面まで延びる。フリップチップダイ356上に、複数の他の層(例えば、金属被膜)が存在してもよいが、簡単のため図示されていない。フリップチップダイ356は、ダイ356と基板310の面314上の表面との間に間隙359と共に配置される。そのような間隙359は、フリップチップダイ356とRFダイ344との間の電気的干渉を最小化するように機能する。フリップチップダイ356と基板310の面314上の表面との間の間隙359のサイズは、複数の電気接続341、343の高さによって制御されてよい。
【0019】
図5は、特定の実施形態に従って、埋め込みRFダイを含むアセンブリを形成するための動作のフローチャートを図示する。ボックス401は、基板のダイ面の基板誘電体層内の少なくともRFダイ上に埋め込まれる。限定されるものではないが、BBUL−C処理を含む、任意の適当なプロセシング処理が用いられてよい。BBUL−C処理においては、RFダイが表面に提供され、それから誘電体層がRFダイの近くに作り上げられてよい。特定の実施形態において、次に、複数のコンタクト開口が、誘電体層を介して形成され、金属で充填して、RFダイに接続するために複数の電気パスを形成してもよい。ボックス403は、RFダイを含む誘電体層の上方に追加の誘電体層及び金属層を形成する。BBUL処理において、そのような複数の層は、構造上へ(適当な複数の電気パスの形成と共に)積層され多層基板を得る。ボックス405では、基板をプリント回路基板(PCB)に取り付けるために、多層基板上に複数のランドパッドを形成する。ボックス407では、追加のダイを(複数のランドパッドが形成された面と対向する)デバイス取り付け面上に配置し、追加のダイの少なくとも一部が、埋め込みダイの上方に直接配置されるように追加のダイを配置する。そのようなレイアウトは、埋め込みダイと追加のダイとの間の電気接続距離を最小にするために機能する。ボックス409では、追加のダイ及び埋め込みダイの上方のデバイス取り付け面上にモールド層とシールドを提供し、保護及び電気的遮蔽が得られる。様々な実施形態の範囲内で、様々な追加、削除、ならびに/あるいは変形が、図4に関連して記載された上記の複数の動作に施されてよい。例えば、ボックス407において、追加のダイは、埋め込みRFダイの上方のダイ接着面にフィットする大きさであるパッケージ基板アセンブリの一部であってよい。さらに、特定の実施形態は、図4で特定された複数の動作と独立して、図4において特定された複数の動作の一部と関連してよい。
【0020】
本明細書中に述べたように、実施形態により、以下の複数の利点のうちの1または複数が得られてよい。第1に、RFダイの構造及び追加のダイの構造の埋め込み構造は、より小さな高さ(z方向)を有するパッケージ基板を可能にし、特定の実施形態では、全高が1mm以下であるモールド層を含む基板を含んでよい。第2に、(複数の)埋め込みダイ上にコンポーネントを積層することにより、パッケージ基板は、より小さ水平寸法(x−y方向)を有してよい。そのような複数の構成は、特定の実施形態において、横方向に50%程度、減少させ得る。第3に、互いの上部にRFダイを位置決めすることによって、RF損失を最小化し、RFのパフォーマンスを改善する、より短く、信頼できる複数の接続が形成されてよい。第4に、基板内又は基板上に位置する構成のタイプに応じて、複数の技術の異種統合が単一パッケージ基板アセンブリにおいて有効にされてよい。第5に、RF送受信機が単一パッケージ基板上に、特別に調整され得る。さらに、図1−4における1又は複数のダイ構造上に形成された金属被膜層などは、電気的干渉を最小化するために動作してよい。
【0021】
上記の実施形態における開示のように形成された複数の構造を含む複数のアセンブリは、様々な電気コンポーネントに適用してよい。図6は、具現化されてよい、開示された実施形態の複数の態様における電子システムアセンブリの一例を模式的に図示する。他の実施形態は、図6において特定された特徴の全てを含む必要はなく、図6において特定されていない代替の複数の特徴を含んでよい。
【0022】
図6のアセンブリ502は、基板510内に、少なくとも1つの埋め込みRFダイ544を含んでよい。RFダイ544は、RFダイ上に位置した追加のダイ556に電気的に結合されてよい。図6に図示されるように、追加のダイ556の一部は、RFダイ544を図示するために切り取られている(点線によって参照され、基板510内に埋め込まれていることを示す)。RFダイ544及びその上に位置する追加のダイ556は、特定の実施形態において上記されたように構成されてよく、例えば、図1、3及び4において図示されたRFダイ544及び追加のダイ556を含んでよい。図6では、1つの埋め込みRFダイ及び1つの追加のダイのみが開示されている一方で、実施形態は、例えば、図2に関連して開示されたように、基板上に、複数の埋め込みダイ及び複数の追加のダイ(複数のRFダイ又は複数の他のタイプのダイ構造)を含んでよい。パッケージ基板内、又はパッケージ基板上に、様々なコンポーネント(例えば、CPU、増幅器等)を配置することによって、システムの大きさが減少されてよい。
【0023】
基板510は、プリント回路基板588に連結されてよい。アセンブリ502は、限定されるものではないが、ボード588上に配置されたメモリ590及び1または複数コントローラ592a、592b・・・592nを含む他の複数のコンポーネントをさらに含んでよい。ボード588は、パッケージ基板510内の回路と、ボード588に取り付けられた他の複数のコンポーネントとの間の接続を提供する複数の導電性ラインを有する単一層又は多層ボードであってよい。ボード588は、特定の実施形態において、ドーターボード又は拡張カードのような複数のカードを含んでよい。特定の複数のコンポーネントが、複数のソケットに固定されてよく、又はボードに直接接続されてよい。様々なコンポーネントが同一のパッケージ内に集積されてもよい。ディスプレイ594もまた含まれてよい。
【0024】
任意の適当なオペレーティングシステム及び様々なアプリケーションがメモリ590で実行され、備えられてよい。既知のキャッシング技術に従って、メモリ590内に備わるコンテンツがキャッシュされてよい。メモリ590内の複数のプログラム及びデータは、メモリ管理動作の一部としてストレージ596にスワップされてよい。システムアセンブリ502は、任意の適当なコンピューティングデバイスを含んでよく、限定されるものではないが、メインフレームサーバ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ラップトップ、ハンドヘルドコンピュータ、ネットブック、ウルトラブック、タブレット、ブックリーダー、ハンドヘルド型ゲームデバイス、ハンドヘルド型エンターテイメントデバイス(例えば、MP3(ムービングピクチャエクスパーツグループオーディオレイヤー3)プレーヤ)、PDA(携帯情報端末)、スマートフォン又は他の電話デバイス(無線又は有線)、ネットワークアプライアンス、バーチャライゼーションデバイス、ストレージコントローラ、ネットワークコントローラ、ルータ等を含んでよい。
【0025】
複数のコントローラ592a、592b・・・592nは、システムコントローラ、周辺機器コントローラ、メモリコントローラ、ハブコントローラ、I/O(入出力)バスコントローラ、ビデオコントローラ、ネットワークコントローラ、ストレージコントローラ、通信コントローラ等のうちの1または複数を含んでよい。例えば、ストレージコントローラは、ストレージプロトコル層に従って、ストレージ596からのデータの読み出し及びストレージ596へのデータの書き込みを制御できる。層のストレージプロトコルは、多数の周知のストレージプロトコルのいずれかであってよい。ストレージ596に書きこまれ、又はストレージ596から読み出されるデータは、周知のキャッシング技術に従って、キャッシュされてよい。ネットワークコントローラは、ネットワーク598上で、複数の遠隔デバイスへの及び複数の遠隔デバイスからの複数のネットワークパケットの送受信のための1または複数プロトコル層を含むことができる。ネットワーク598は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、記憶領域ネットワーク(SAN)等を含んでよい。実施形態は、無線ネットワーク又は接続上のデータを送受信するよう構成され得る。特定の実施形態において、ネットワークコントローラ及び様々なプロトコル層は、非遮蔽のツイストペアケーブル上のイーサネット(登録商標)プロトコル、トークンリングプロトコル、ファイバーチャネルプロトコル等、又は、任意の他の適したネットワーク通信プロトコル用であってよい。
【0026】
当然のことながら、ここに開示された実施形態の範囲内で、多くの変化が加えられてよい。本明細書中で用いられたようなダイという用語は、様々な処理動作によって、所望の電子デバイスへ変換されたワークピースに帰する。ダイは、通常ウエハからダイシングされ、半導体材料、非半導体材料、又は半導体材料と非半導体材料との組み合わせにより作製されてよい。「第1」、「第2」及び同種のものの複数の用語は、本明細書中で用いられる場合、ある特定の順序、量又は重要性を必ずしも意味するものでもなく、他の要素からある要素を区別するために用いられる。「上部」、「下部」、「上位」、「下位」、「上方」、「下方」及び同種のものなどの用語は、説明目的のため、及び相対的な位置を与えるために用いられ、限定するように解釈されない。実施形態は、様々な配置及び方向において製造され、使用され、含まれ得る。
【0027】
上記の詳細な説明において、様々な特徴は、開示を合理化するために、一緒にグループ化されている。この開示の方法は、本発明のクレームされた実施形態が、各請求項に明確に記載されたよりも多くの特徴を必要とすることを意図することを反映していると解釈されない。むしろ、以下の複数の請求項が反映するように、発明の主題は、単一に開示された実施形態の全ての特徴よりも少ないものにあってよい。したがって、以下の複数の請求項は、ここで詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、それ自身の分離された望ましい実施形態に基づく。
【0028】
上記された、及び、添付の複数の図面において示された特定の例示的な実施形態の一方で、そのような実施形態は、単に例示であり、制限されないものであり、実施形態は、当業者が行い得る複数の変更なので、図示され及び開示された具体的な構築及び配列に限定されないと理解されることである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6