特許第6100878号(P6100878)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6100878協調マルチポイント(CoMP)システムにおけるダウンリンク(DL)送信のためのタイミング同期
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6100878
(24)【登録日】2017年3月3日
(45)【発行日】2017年3月22日
(54)【発明の名称】協調マルチポイント(CoMP)システムにおけるダウンリンク(DL)送信のためのタイミング同期
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/16 20090101AFI20170313BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20170313BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20170313BHJP
   H04J 99/00 20090101ALI20170313BHJP
【FI】
   H04W28/16
   H04W56/00 150
   H04B7/06
   H04J15/00
【請求項の数】19
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-254691(P2015-254691)
(22)【出願日】2015年12月25日
(62)【分割の表示】特願2014-539927(P2014-539927)の分割
【原出願日】2012年6月5日
(65)【公開番号】特開2016-105603(P2016-105603A)
(43)【公開日】2016年6月9日
【審査請求日】2016年1月22日
(31)【優先権主張番号】61/556,109
(32)【優先日】2011年11月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィドフ、アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】モロゾフ、グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】マルツェフ、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】セルゲイェブ、ヴァディム
(72)【発明者】
【氏名】ボロティン、イルヤ
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/063291(WO,A2)
【文献】 特表2013−511919(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/100520(WO,A1)
【文献】 特表2013−519337(JP,A)
【文献】 特開2011−23942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
H04J99/00
H04B7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
協調マルチポイント構成(CoMP構成)内のユーザ設備(UE)の受信機タイミングを調整する方法であって、
前記UEにおいて前記CoMP構成の協調セット内の複数のノードから複数のノード固有基準信号(複数のノード固有RS)を受信することであって、前記協調セットは、少なくとも2つのノードを有する、受信することと、
前記少なくとも2つのノードについてアンテナポートによって受信した複数のノード固有RSタイミングを生成することと、
受信した前記複数のノード固有RSタイミングから、信機遅延(TX遅延)、伝搬遅延、受信機遅延(RX遅延)または他の処理遅延の1または複数を含む複合タイミング遅延を推定することと、
前記複合タイミング遅延に少なくとも一部基づいて前記UEの前記受信機タイミングを調整することと
を含む方法。
【請求項2】
複数の協調ノードから前記複数のノード固有RSを受信することは、ダウンリンク送信に対応付けられている、チャネル状態情報基準信号(CSI−RS)アンテナポート利用し、前記ダウンリンク送信は、データまたは物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ノード固有RSは、チャネル状態情報基準信号(CSI−RS)を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
調整される前記受信機タイミングは、前記UEの受信機が受信信号のための高速フーリエ変換(FFT)を処理する時間である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ノード固有RSは、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、セル固有基準信号(CRS)、たはチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のノードは複数の協調ノードである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の前記プログラムを記録するコンピュータ可読記録媒体。
【請求項9】
協調マルチポイント構成(CoMP構成)内のユーザ設備(UE)の受信機タイミングを推定するタイミング推定デバイスであって、
ダウンリンク受信機と、
タイミング推定器と
を備え、
前記ダウンリンク受信機は、前記UEにおいて前記CoMP構成の協調セット内の複数の協調ノードから複数のノード固有基準信号(複数のノード固有RS)を受信し、ダウンリンク送信に対応付けられている、チャネル状態情報基準信号(CSI−RS)アンテナポート利用し、前記協調セットは、少なくとも2つの協調ノードを有し、前記ダウンリンク送信は、データまたは物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を含み、
前記タイミング推定器は、前記複数のノード固有RSから生成された複数の受信RSタイミングから複合受信RSタイミングを推定し、前記複数の受信RSタイミングは、前記少なくとも2つの協調ノードからのタイミングを表し、
前記複合受信RSタイミングは、送信機遅延(TX遅延)、伝搬遅延、受信機遅延(RX遅延)または他の処理遅延の1または複数を含む複合タイミング遅延を表す、
タイミング推定デバイス。
【請求項10】
前記複合受信RSタイミングは、前記少なくとも2つの協調ノードについてのアンテナポートによって受信したRSの前記複合タイミング遅延を表、請求項9に記載のタイミング推定デバイス。
【請求項11】
前記ダウンリンク受信機は、CoMP構成用の送信モードを利用する、請求項9または10に記載のタイミング推定デバイス。
【請求項12】
前記複合受信RSタイミングに基づいて前記受信機タイミングを調整するタイミング調整モジュールをさらに備える、請求項9から11のいずれか一項に記載のタイミング推定デバイス。
【請求項13】
調整される前記受信機タイミングは、前記UEの受信機が受信信号のための高速フーリエ変換(FFT)を処理する時間である、請求項12に記載のタイミング推定デバイス。
【請求項14】
前記タイミング推定器は、最も早い受信RSタイミングを前記複合受信RSタイミングに選択する、請求項9から12のいずれか一項に記載のタイミング推定デバイス。
【請求項15】
前記複合受信RSタイミングは、
【数1】
によって表され、ここで、
【数2】
は、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)タイミングであり、
【数3】
は、CoMP測定セットの算出されたチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)タイミングの各々であり、min()は最小値関数であり、iは、前記CoMP測定セット内の前記ノードを表す正の整数である、請求項14に記載のタイミング推定デバイス。
【請求項16】
前記タイミング推定器は、実質的に最小受信RSタイミングと最大受信RSタイミングとの間の受信機RSタイミングを選択する、請求項9から12のいずれか一項に記載のタイミング推定デバイス。
【請求項17】
前記複合受信RSタイミングは、
【数4】
によって表され、ここで、
【数5】
は、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)タイミングであり、
【数6】
は、CoMP測定セットの算出された複数のチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)タイミングの各々であり、
【数7】
は、CSI−RSアンテナポート基準信号受信電力(RSRP)であり、iは、前記CoMP測定セット内の前記ノードを表す正の整数であり、f()は関数引数の単調関数である、請求項16に記載のタイミング推定デバイス。
【請求項18】
前記複合受信RSタイミングを含むタイミングフィードバックを協調ノードへ送信するアップリンク送信機をさらに有する、請求項9から17のいずれか一項に記載のタイミング推定デバイス。
【請求項19】
前記UEは、前記タイミング推定デバイスを含み、前記UEは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、または無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)に接続され、前記UEは、アンテナ、タッチセンシティブディスプレイ画面、スピーカ、マイクロホン、グラフィックスプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、内部メモリ、または、不揮発性メモリポートを含む、請求項9から18のいずれか一項に記載のタイミング推定デバイス。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、弁護士整理番号P41399Zを有する、2011年11月4日に出願された米国仮特許出願第61/556,109号の利益を主張し、これを本明細書において参照により援用する。
【背景技術】
【0002】
無線移動通信技術は、ノード(例えば、送信局)と無線デバイスとの間でデータを送信するために種々の規格およびプロトコルを用いる。一部の無線デバイスは、所望のデジタル変調方式と組み合わせられた直交周波数分割多重(orthogonal frequency−division multiplexing、OFDM)を用い、物理層を介して通信する。OFDMを用いる規格およびプロトコルとしては、第3世代パートナーシッププロジェクト(third generation partnership project、3GPP)ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)、WiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス)として業界団体に通例知られる、米国電気電子技術者協会(Institute of Electrical and Electronics Engineers、IEEE)802.16規格(例えば、802.16e、802.16m)、およびWiFiとして業界団体に通例知られるIEEE 802.11規格が挙げられる。
【0003】
3GPP無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)LTEシステムでは、ノードは、次世代ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network、E−UTRAN)Node B(一般に、発展型(evolved)Node B、改良型(enhanced)Node B、eNodeB、またはeNBとも示される)と無線ネットワーク制御局(Radio Network Controller、RNC)との組み合わせであり得、これらが、ユーザ設備(user equipment、UE)としても知られる無線デバイス(例えば、移動デバイス)と通信する。ダウンリンク(downlink、DL)送信はノード局(またはeNodeB)から無線デバイス(またはUE)への通信であり得、アップリンク(uplink、UL)送信は無線デバイスからノードへの通信であり得る。
【0004】
同種ネットワークでは、マクロノードとも呼ばれるノードがセル内の無線デバイスに基本無線受信範囲を提供することができる。セルは、無線デバイスがマクロノードと通信するように動作可能であるエリアであり得る。無線デバイスの利用の増加および機能性の増強によって増大したマクロノードへのトラフィック負荷を処理するために、異種ネットワーク(Heterogeneous network、HetNet)が用いられる。HetNetは、それほど計画的でないかまたはさらには全く非協調的な方法でマクロノードの受信範囲エリア(セル)内に配置し得る、より低出力のノード(マイクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、またはホームeNB[HeNB(home eNB)])の層が重ね合わせられる、計画的な高出力マクロノード(またはマクロeNB)の層を含むことができる。より低出力のノード(lower power node、LPN)は一般的に「低出力ノード」と呼ぶことができる。マクロノードは基本受信範囲に用いることができ、低出力ノードは、ホットゾーン内、またはマクロノードの受信範囲エリア間の境界における容量を改善し、建造物が信号送信を妨害する室内受信範囲を改善するべく、受信範囲の穴を埋めるために用いることができる。HetNet内のマクロノードおよび低出力ノード等のノード間の干渉を低減するための資源協調のために、セル間干渉協調(Inter−cell interference coordination、ICIC)または拡張ICIC(enhanced ICIC 、eICIC)が用いられてもよい。
【0005】
本開示の特徴および利点は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。図面はともに本開示の特徴を例として示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一例に係る、協調セット内のマクロノードおよび低出力ノード(LPN)からの直交周波数分割多重(OFDM)シンボル送信、および無線デバイスにおける受信OFDMシンボルと、最も早い受信基準信号(RS)タイミングを用いた高速フーリエ変換(fast Fourier transform、FFT)窓の調整の略図である。
図2】一例に係る、協調セット内のマクロノードおよび低出力ノード(LPN)からの直交周波数分割多重(OFDM)シンボル送信、および無線デバイスにおける受信OFDMシンボルと、基準信号受信電力(reference signal received power、RSRP)および受信基準信号(RS)タイミングを用いた高速フーリエ変換(FFT)窓の調整の略図である。
図3】一例に係る、協調セット内の複数の協働ノードからの直交周波数分割多重(OFDM)シンボル送信、および無線デバイスにおける受信OFDMシンボルと、基準信号受信電力(RSRP)および受信基準信号(RS)タイミングを用いた高速フーリエ変換(FFT)窓の調整の略図である。
図4】一例に係る、協調セット内の複数の協働ノードからの直交周波数分割多重(OFDM)シンボル送信、および無線デバイスにおける受信OFDMシンボルと、調整タイミングを用いた第1協働ノードの逆高速フーリエ変換(inverse fast Fourier transform、IFFT)窓の調整の略図である。
図5】一例に係る無線フレーム資源のブロック図である。
図6】一例に係る協調マルチポイント(Coordinated MultiPoint、CoMP)システムにおけるダウンリンク(DL)送信のためのタイミング同期のフローチャートである。
図7】一例に係る直交周波数分割多重(OFDM)無線ネットワーク内の送信機および受信機の物理層のブロック図である。
図8】一例に係る協調マルチポイント(CoMP)システム内の無線デバイスの受信機タイミングを調整する方法のフローチャートである。
図9】一例に係る第1協働ノードのダウンリンク(DL)送信のタイミングを協調マルチポイント(CoMP)システム内の第2協働ノードのダウンリンク送信に対して同期させる方法のフローチャートである。
図10】一例に係る無線デバイスおよび複数の協働ノードのブロック図である。
図11】一例に係る無線デバイスの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、例示的な実施形態を参照する。本明細書では特定の用語を用いてこれらを説明する。しかし、それによって本発明の範囲の限定が意図されているわけではないことは理解されよう。
【0008】
本発明が開示され、説明される前に、本発明は、本明細書に開示されている特定の構造、プロセスステップ、または材料に限定されるものではなく、当業者によって認識されるであろうように、その等価物に拡張されることを理解されたい。本明細書において使用されている専門用語は、特定の例を説明する目的でのみ用いられており、限定を意図するものではないことも理解されたい。異なる図面における同じ参照符合は同じ要素を表す。フローチャートおよびプロセス内で提供されている番号は、ステップおよび操作の説明を明瞭にするために提供されており、必ずしも特定の順序または配列を示しているわけではない。
【0009】
以下に、技術実施形態の最初の概説が提供され、次いで、特定の技術実施形態が後にさらに詳細に説明される。この最初の概要は、読者が技術をより迅速に理解する助けとなることを意図するものであり、技術の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、クレームされている主題の範囲を限定することを意図するものでもない。
【0010】
同種ネットワークおよびHetNetの両方における隣接ノードからの干渉を低減するために、協調マルチポイント(CoMP)システムが用いられてよい。協調マルチポイント(CoMP)システムでは、協働ノードとも呼ばれるノードは他のノードとともにグループ化することもできる。この場合には、複数のセルからのノードが無線デバイスに信号を送信し、無線デバイスから信号を受信することができる。協働ノードは、同種ネットワーク内のノード、あるいはHetNet内のマクロノードおよび/またはより低出力のノード(LPN)であり得る。ダウンリンクCoMP送信は、2つのカテゴリに分けられる:協調スケジューリング(coordinated scheduling)または協調ビームフォーミング(coordinated beamforming)(CS/CBまたはCS/CBF)、ならびに共同処理(joint processing )または共同送信(joint transmission)(JP/JT)。CS/CBでは、所与の無線デバイス(UE)へ所与のサブフレームを1つのセルから送信することができ、異なる送信の間の干渉を制御および/または低減するために、協調ビームフォーミングを含むスケジューリングをセル間で動的に協調させる。共同処理の場合には、無線デバイス(UE)に対して複数のセルが共同送信を遂行することができる。この場合には、複数のノードが、同じ時間および周波数の無線資源および/または動的セル選択を用いて、同時に送信する。
【0011】
非CoMPシステムでは、無線デバイス(例えば、UE)におけるタイミング同期は、プライマリ同期信号(primary synchronization signal、PSS)および/またはセル固有基準信号(specific reference signal、CRS)を用いることによって行うことができる。ダウンリンク(DL)CoMPシステム、および異なる地理的位置における分散アンテナの配置では、図1に示されるように、PSSおよび/またはCRS送信ポイント(例えば、マクロセル212内のマクロノード210)は物理ダウンリンク共有チャネル(physical downlink shared channel、PDSCH)送信ポイント(例えば、LPNセル222内のより低出力のノード[LPN]220)と同じでなくてもよいので、PSSおよび/またはCRSを用いたタイミング推定は正確でなくなる可能性がある。図1に示される共通セル識別子(identifier、ID)を用いる動的ポイント選択(dynamic point selection 、DPS)DL CoMPの例では、マクロノードから無線デバイス(例えば、UE230)へのDL送信250(PSSおよび/またはCRSを含む)とLPNから無線デバイスへの別個のDL送信260(データまたはPDSCHを含む)とは実質的に同時に送信することができる。ノード(例えば、マクロノードおよびLPN)の異なる地理的位置、ならびに/あるいはその他の要因のために、DL送信は無線デバイスに異なる時間に到着し得る。無線デバイスは、PSSおよび/またはCRS送信ポイント(例えば、マクロノード)に同期させることができる。
【0012】
例えば、マクロノード送信252内の直交周波数分割多重(OFDM)シンボルおよびLPN送信262内の実質的に同じOFDMシンボルは、伝播遅延のために無線デバイス(例えば、UE)によって異なる時間に受信され得る。OFDMシンボルは周期プリフィックス(cyclic prefix、CP)を含み得る。UEはマクロノードよりもLPNの方に近いため、マクロノードDL送信254のUE受信の方が、LPN DL送信264のUE受信の伝播遅延266よりも大きな伝播遅延256を有し得る。マクロノードからのPSSおよび/またはCRSがタイミング同期のために用いられる場合には、OFDMAシンボルをサンプリングするために用いられる高速フーリエ変換(FFT)窓280のタイミングはマクロノードDL送信に同期させることができるが、この送信は協調セット内の最も早い送信ではないことがある。その結果、FFTサンプリング窓に対して進んだOFDMシンボルのタイミングを有する(協調セット内の)他のノードからの送信が無線デバイスによって適用されることがある。さらに、場合によっては、マクロノードからの送信が、最も強い信号電力(例えば、基準信号受信電力(reference signal received power、RSRP))を有しない、および/またはデータ送信(例えば、PDSCH)を提供しないこともある。これらの場合には、無線デバイスにおけるFFTタイミングの不正確な設定のために、キャリア間干渉(inter−carrier interference、ICI)およびシンボル間干渉(ISI)270が生じ得る。ICIおよびISIを低減し、OFDMAシンボル受信を改善するには、受信機タイミングを調整することができ、これによってFFT窓をシフトさせることができる。OFDMシンボルの受信に用いられるFFT窓内では、OFDMシンボルの多数のFFTサンプルを収集することができる。図1〜2にはマクロノードおよびLPNが示されているが、DL CoMPシステム内のいかなる種類のノードが用いられてもよい。
【0013】
無線デバイスの受信機タイミングのタイミング同期は、CoMP測定セットのノード固有基準信号から生成されるタイミング推定を用いるように変更されてもよい。ここで、基本タイミング同期はPSSおよび/またはCRSを用いる。ノード固有基準信号はチャネル状態情報基準信号(channel−state information reference signal、CSI−RS)を含み得る。受信機タイミングは、受信機がOFDMシンボル境界を探すタイミング、または受信機がFFTを実行する(例えば、OFDMシンボルをサンプリングする)瞬間等の、受信機内部処理タイミングであり得る。異なる地理的に離れた送信ポイント(例えば、マクロノードおよびLPN)には異なるCSI−RS構成を割り当てることができるので、タイミング推定は送信ポイント毎に独立して行うことができる。無線デバイスは、CSI−RSからの複数のタイミング推定に基づいて複数のノードからのデータまたはPDSCH受信のための実際のタイミングを算出することができる。
【0014】
一例では、無線デバイスは、CoMPシステムの協調セット(例えば、CoMP測定セット)内の複数の協働ノード(例えば、マクロノードおよびLPN)からCSI−RS等の複数のノード固有基準信号(RS)を受信することができる。協調セットは少なくとも2つの協働ノードを含み得る。協働ノードは、サービングノード、マクロノード、またはLPNを含み得る。無線デバイスは、少なくとも2つの協働ノードからノード固有RSを受信することができる。無線デバイスは、ノード固有RSから協働ノードについての受信RSタイミングを生成または算出することができる。無線デバイスは複数の受信RSタイミングから複合受信RSタイミングを推定することができる。受信RSタイミングは少なくとも2つの協働ノードからのタイミングを表し得る。無線デバイスは複合受信RSタイミングに基づいて受信機タイミングを調整することができる。調整される受信機タイミングは、無線デバイスの受信機が受信信号またはOFDMシンボルについてFFTをサンプリング、実行、または処理する時間であり得る。
【0015】
一実施形態では、無線デバイスは、種々の協働ノードを表す複数の受信RSタイミングから最も早い受信RSタイミングを判定することができる。受信機タイミングおよび/またはFFT窓の調整に用いられる推定複合受信RSタイミングは、最も早い受信RSタイミング282を用いるかまたはそれを含むことができる。最も早い受信RSタイミングは、他の協働ノードに対して最も短い伝播遅延を有するDL送信を表し得る。推定複合受信RSタイミングまたは実際のPDSCHタイミング
【数1】
は、CoMP測定セットの全ての算出タイミング
【数2】
の中で最も早いタイミングに設定することができ、
【数3】
によって表される。ここで、
【数4】
は物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)タイミングであり、
【数5】
は、CoMP測定セットのノード毎に算出されたチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)タイミングであり、min()は最小値関数であり、iは、CoMP測定セット内のノードを表す正の整数である(すなわち、CoMP測定セット内にはi個のノードが存在する)。無線デバイスにおいては、最も早い受信RSタイミングに基づいて受信機タイミングまたはFFT窓を調整することで、無線デバイスのFFTサンプリング間隔に対する信号のタイミングの進みを減少させることができる。一例では、最も早い受信RSタイミングを用いた推定複合受信RSタイミングを共同処理(JP)の共同送信(JP/JT)に用いることができ、それにより、FFTサンプリング間隔は、最も近いノードのCSI−RSタイミングに対応するよう調整することができる。共同送信(JT)では、PDSCHは協調セルの複数の協働ノードから送信することができる。
【0016】
別の実施形態では、無線デバイスは、種々の協働ノードを表す複数の受信RSタイミングから最小受信RSタイミングおよび最大受信RSタイミングを判定することができる。推定複合受信RSタイミングは、実質的に最小受信RSタイミングと最大受信RSタイミングとの間の値または受信機RSタイミングとし得る。図2に示されるように、最小受信RSタイミング362は、他の協働ノードに対して最も短い伝播遅延を有するDL送信を表す最も早い受信RSタイミングを含み得る。最大受信RSタイミング364は、他の協働ノードに対して最も長い伝播遅延を有するDL送信を表す最も遅い受信RSタイミングを含み得る。
【0017】
別の実施形態では、受信機タイミングおよび/またはFFT窓の調整に用いられる複合受信RSタイミングは、協働ノードのための基準信号受信電力(RSRP)と、協働ノードのノード固有RSから生成された受信RSタイミングとの組み合わせによって求める、または算出することができる。例えば、推定複合受信RSタイミング284または実際のタイミングは、
【数6】
によって表されるCSI−RSタイミングの加重和を用いて算出することができる。ここで、
【数7】
は物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)タイミングであり、
【数8】
は、CoMP測定セットの算出されたチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)タイミングの各々であり、
【数9】
はCSI−RSアンテナポート受信信号電力であり、iは、CoMP測定セット内のノードを表す正の整数であり、f()はその引数(すなわち、関数引数)の単調関数である。RSRPに基づいて受信機タイミングまたはFFT窓を調整することで、最も大きいまたは最も強い信号電力を有するチャネルまたは信号からの受信OFDMシンボルに重みまたは優先度を与えることができる。協働ノードのための基準信号受信電力(RSRP)と受信RSタイミングの組み合わせを用いた複合受信RSタイミングは、共同処理(JP)の動的ポイント選択(dynamic point selection、DPS)または動的セル選択(dynamic cell selection、DCS)の際に用いることができる。動的セル選択(DCS)では、PDSCHは、動的に選択することができる、協調セットの単一の協働ノードから送信される。
【0018】
別の実施形態では、コアネットワーク内の送信協働ノードまたはコントローラが複数の協働ノードから、無線デバイスの受信機タイミングを調整する際の基準協働ノードに用いるべき選択協働ノードを選択することができる。送信協働ノードは、選択協働ノードと同じ協働ノードまたは異なる協働ノードであり得る。送信協働ノードは選択協働ノードの選択を無線デバイスへ送信することができる。無線デバイスは協働ノードから選択協働ノードの選択を受信することができる。選択協働ノードの選択は、無線デバイスに向けたダウンリンク制御情報(downlink control information、DCI)に含めて送信または信号で伝えることができる。無線デバイスは種々の協働ノードから複数のノード固有RSを受信することができる。無線デバイスは、選択協働ノードからのノード固有RSから同期RSタイミングを生成することができる。同期RSタイミングは、受信データまたは受信物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のために(タイミング同期のために)無線デバイスの受信機タイミングを調整するために用いることができる。複合受信RSタイミングは同期RSタイミングを含むことができる。このように、コアネットワーク内の協働ノード(例えば、送信協働ノード)またはコントローラは、PDSCHを受信するべく受信機タイミングを調整するために用いられる複合受信RSタイミングに用いるべきRSタイミングを選択することができる。
【0019】
図3は、ノード固有基準信号(node specific reference signal、NS−RS)350A〜Bを協調セット320内の無線デバイス330へ送信する2つの協働ノード310A〜B(例えば、第1および第2協働ノード)を備える協調マルチポイント(CoMP)システムにおける無線デバイスの受信機タイミングの調整を示す。無線デバイスは最初にPSSおよび/またはCRS送信ポイント(例えば、第2協働ノード)に同期させることができる。例えば、第1協働ノード送信352B内のOFDMシンボルおよび第2協働送信352A内の実質的に同じOFDMシンボルは、伝播遅延のために異なる時間に無線デバイスによって受信され得る。無線デバイスは第2協働ノードよりも第1協働ノードに近いため、第2協働ノード(cooperating node、CN)DL送信354Aの無線デバイス(wireless device、WD)受信の方が第1協働ノード(CN)DL送信354Bの無線デバイス(WD)受信の伝播遅延356Bよりも大きな伝播遅延356Aを有し得る。マクロノードからのPSSおよび/またはCRSがタイミング同期に用いられる場合には、OFDMシンボルのサンプリングに用いられる高速フーリエ変換(FFT)窓380のタイミングは、マクロノードDL送信に同期させることができる。受信機タイミングおよび/またはFFT窓の調整に用いられる推定複合受信RSタイミング384は、最も早い受信RSタイミングを用いる、またはそれを含むことができるか、あるいは協働ノードのための基準信号受信電力(RSRP)と受信RSタイミングとの組み合わせによって求める、または算出することができる。協働ノードは、無線デバイスが複数の協働ノードからの受信RSタイミングを生成する前に、ノード固有RSを無線デバイスへ送信することができる。
【0020】
図4は、ICIおよびISIを低減するために、第1協働ノードのDL送信のタイミングを協調マルチポイント(CoMP)システム内の第2協働ノードのダウンリンク送信に対して同期させる別の例を示す。OFDMシンボルは2つの協働ノードから実質的に同時に受信することができる。調整タイミング396は協働ノードの送信機タイマにおいて作成することができ、これは逆高速フーリエ変換(IFFT)変調窓をシフトさせることができる。IFFT変調器またはIFFTモジュールは、変調信号を生成するために用いることができる。無線デバイスは、複合受信RSタイミング、または第1協働ノードからのノード固有RSから生成された第1協働ノード受信RSタイミングを含むタイミングフィードバックを第1協働ノードへ送信することができる。第1協働ノードは無線デバイスからのタイミングフィードバックを受信することができる。第1協働ノードは、複合受信RSタイミングまたは第1協働ノード受信RSタイミングを用いた調整タイミング396によってダウンリンク送信タイミング(例えば、第1協働ノードDL送信392)を変更することができる。ダウンリンク送信タイミングを変更することは、複合受信RSタイミングまたは第1協働ノード受信RSタイミングによって、ダウンリンク送信に用いられるダウンリンク信号の逆高速フーリエ変換(IFFT)タイミングをシフトさせること(例えば、遅延させることまたは進めること)を含み得る。無線デバイス(WD)における第1協働ノード(CN)DL送信394の受信を変化させることで、最小受信RSタイミングと最大受信RSタイミングとの間の時間を短縮することができ、これにより、受信OFDMシンボルをそろえ、ICIおよびISIを低減することができる。別の例では、複数の協働ノード内の少なくとも2つの協働ノードからのダウンリンク送信が無線デバイスによって実質的に同時に受信されてもよい。別の例では、協働ノードのDL送信は、無線デバイスにおけるDL送信の受信を既存のPSSおよび/またはCRS等の指定タイミングに同期させるように調整されてもよい。
【0021】
別の例では、無線デバイスの受信機タイミングは、複数の協働ノードからのノード固有RSからの情報を用いて調整することができ、少なくとも1つの協働ノードの送信機タイミングは、タイミングフィードバックを用いて、最小受信RSタイミングと最大受信RSタイミングとの間の時間を短縮するように調整することができる。
【0022】
一例では、図5に示されるように、OFDMシンボルおよびノード固有RSは、一般的なロングタームエボリューション(LTE)フレーム構成を用いた、ノード(またはeNodeB)と無線デバイス(またはUE)との間のダウンリンク送信またはアップリンク送信において物理(physical、PHY)層上で送信される無線フレーム構成の要素を表すことができる。LTEフレーム構成が示されているが、IEEE 802.16規格(WiMax)、IEEE 802.11規格(WiFi)、またはOFDMを用いる別の種類の通信規格のためのフレーム構成が用いられてもよい。
【0023】
図5はダウンリンク無線フレーム構成タイプ2を示す。本例では、データの送信に用いられる信号の無線フレーム100を、10ミリ秒(millisecond、ms)の期間、T、を有するように構成することができる。各無線フレームは、各々1msの長さである10個のサブフレーム110iにセグメント化または分割することができる。各サブフレームは、各々0.5msの期間、Tslotを有する2つのスロット120aおよび120bにさらに細分することができる。送信局および受信局によって用いられるコンポーネントキャリア(component carrier、CC)のための各スロットは、CC周波数帯域幅に基づく複数の資源ブロック(resource block、RB)130a、130b、130i、130m、および130nを含み得る。CCは、帯域幅および中心周波数を有するキャリア周波数を有することができる。各RB(物理RBまたはPRB)130iは、12〜15kHzのサブキャリア136(周波数軸上)、ならびにサブキャリア毎に6つまたは7つの直交周波数分割多重(OFDM)シンボル132(時間軸上)を含むことができる。短い、または標準の周期プリフィックスが用いられる場合には、RBは7つのOFDMシンボル用いることができる。拡張された周期プリフィックスが用いられる場合には、RBは6つのOFDMシンボルを用いることができる。資源ブロックは、短い、または標準の周期プリフィックスを用いて84個の資源要素(resource element、RE)140iにマップすることができるか、あるいは資源ブロックは、拡張された周期プリフィックスを用いて72個のRE(不図示)にマップすることができる。REは、1つのサブキャリア(すなわち、15kHz)146毎の1つのOFDMシンボル142の単位であり得る。4位相偏移(quadrature phase−shift keying、QPSK)変調の場合には、各REは2ビット150aおよび150bの情報を送信することができる。各REにより多数のビットを含めて送信するための16直交振幅変調(quadrature amplitude modulation、QAM)または64QAM、あるいは各REにより少数のビット(単ビット)を含めて送信するための2位相偏移(bi−phase shift keying、BPSK)変調等の、その他の種類の変調が用いられてもよい。RBはeNodeBからUEへのダウンリンク送信のために構成することができるか、またはRBはUEからeNodeBへのアップリンク送信のために構成することができる。
【0024】
基準信号は、OFDMシンボルによって、資源ブロック内の資源要素を介して送信することができる。基準信号(またはパイロット信号もしくはトーン)は、タイミングの同期、チャネル、および/またはチャネル内のノイズの推定等の、種々の理由で用いられる周知の信号であり得る。基準信号は送信局および移動通信デバイスによって受信および送信されることができる。RB内には異なる種類の基準信号(RS)を用いることができる。例えば、LTEシステムでは、ダウンリンク基準信号の種類には、セル固有基準信号(CRS)、マルチキャスト\ブロードキャスト単一周波数ネットワーク(multicast\broadcast single−frequency network、MBSFN)基準信号、UE固有基準信号(UE固有RSもしくはUE−RS)または復調基準信号(demodulation reference signal、DMRS)、測位基準信号(positioning reference signal、PRS)、ならびにチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)があり得る。
【0025】
CRSは、PDSCHをサポートするセル内のダウンリンクサブフレームに含めて送信することができる。データはPDSCHを介してeNodeBからUEへ送信される。MBSFN基準信号は、物理マルチキャストチャネル(physical multicast channel、PMCH)がMBSFNサブフレームに含まれて送信される際に送信することができる。UE−RSまたはDMRSは、PDSCHをサポートするダウンリンクサブフレームに含んで送信することができる。UE−RS(DMRS)は、特定の端末(例えば、移動通信デバイス)へのダウンリンク共有チャネル(downlink shared channel、DL−SCH)送信のために割り当てられた資源ブロック内に含めて送信し、複数のアンテナを用いた単一のUEへのビームフォーミングに用い、PDSCH復調に用いることができる。PRSは、PRS送信のために構成されたダウンリンクサブフレーム内のRBに含めて送信することができるが、物理ブロードキャストチャネル(PBCH)、プライマリ同期信号(PSS)、またはセカンダリ同期信号(secondary synchronization signal、SSS)にマップされなくてもよい。CSI−RSはダウンリンクチャネル品質測定に用いることができる。
【0026】
図6は、協調マルチポイント(CoMP)システムにおけるダウンリンク(DL)送信のためのタイミング同期560および追加的なタイミング同期580のフローチャートの例を示す。最初に、協働ノードからのPSSおよび/またはCRSを用いて無線デバイスのための受信機のためのタイミング推定562を生成することができる。CoMP測定セット構成572が少なくとも1つの協働ノードによって生成されることができる。別の実施形態では、CoMP測定セット構成572は、少なくとも1つの協働ノードによってコアネットワーク内のコントローラから受信されてもよい。CoMP測定セット構成の少なくともセグメントが無線デバイスに送られることができる。無線デバイスへ送信されるCoMP測定セットのセグメントは、ノード固有RS(例えば、CSI−RS)の測定に用いられる協調セット内の協働ノードを含み得る。追加的なタイミング同期は、CoMP測定セット内のCSI−RSアンテナポート毎のタイミング推定582、ならびに無線デバイスの受信機の実際のタイミングの調整または生成に用いられる、推定されたタイミングのセットからの複合受信RSタイミングの算出584を含み得る。
【0027】
単にPSS、SSSおよび/またはCRS信号を用いてタイミング同期を制御する上に、ノード固有RSまたはCSI−RSを用いて追加的にタイミング同期を行うことで、OFDMシンボル境界の大部分がOFDMシンボルのガードインターバルの範囲に入るように、異なる協働ノードからのデータOFDMシンボルを受信するように受信機タイミングを調整することが可能になり、これにより、ICIおよびISIを低減することができる。受信機タイミングは、受信機内部処理タイミング、受信機がOFDMシンボル境界を探すタイミング、または受信機がFFTを実行する、またはサンプリングする瞬間を含み得る。追加的なタイミング同期は、単一のノードからの単なるPSS、SSS、および/またはCRS信号の代わりに、異なる協働ノードからのいくつかの受信基準信号タイミングを用いる。各受信基準信号(RS)タイミングはi番目の協働ノードからのものであり得る。ここで、iは、CoMP測定セット内のノードを表す正の整数である。OFDMシンボル境界は、サービングノードを含み得るi番目の協働ノードから受信される信号内にあり得る。受信RSタイミングの値は、i番目の協働ノードからのノード固有RSまたはCSI−RSを用いて測定または生成することができる。タイミングは、送信機(TX)遅延、伝播遅延、受信機(RX)遅延、およびその他の処理遅延等の、あり得る遅延を含み得る。
【0028】
図7は、無線デバイス内でダウンリンクに用いられる受信機(RX)内のFFT復調器を含むOFDM復調器、および協働ノード内でダウンリンクに用いられる送信機内のIFFT変調器を含むOFDM変調器を示す。FFT復調器のタイミングは、OFDMシンボルのために追加的なタイミング同期を用いて調整されてよい。
【0029】
無線通信システムは、層と呼ばれる種々のセクションに細分することができる。LTEシステムでは、通信層は、物理(physical 、PHY)層、媒体アクセス制御(media access control、MAC)層、無線リンク制御(radio link control、RLC)層、パケットデータ収束プロトコル(packet data convergence protocol、PDCP)層、および無線資源制御(radio resource control、RRC)層を含み得る。図7に示されるように、物理層は無線通信システム400の基本的ハードウェア送信構成要素を含み得る。基本的ハードウェア送信構成要素の説明を明解にするために、基本的な多重入力多重出力(multiple−input multiple−output、MIMO)システムが用いられているが、構成要素は、複雑なMIMOシステム、SISOシステム、または同様のシステムに適合させることもできる。例えばMIMOシステムでは、送信機410において、2進入力データ420を、チャネルエンコーダ422を用いた符号化を通じて保護し、フェージング現象に備えてインタリーバ424を用いてインタリーブし、信頼性を向上させるべくマッパ426を用いてマップすることができる。マップされたデータは、送信機(TX)ビームフォーマ434によってアンテナポートのための層に分離することができ、層は、変調器428A〜Bを用いてOFDMシンボルにOFDM変調することができる。変調器は逆高速フーリエ変換(IFFT)アルゴリズム用いて逆離散フーリエ変換(inverse discrete Fourier transform、IDFT)を計算し、変調信号(アンテナポート毎のベクトルx)を生成することができる。変調信号は、デジタル−アナログ変換器(digital−to−analog converter、DAC)430A〜Bを用いてアナログ信号に変換することができる。アナログ信号は、信号を伝達するように動作可能な送信機アンテナ440A〜Bへ信号を送り出すように構成された無線周波数(radio frequency、RF)送信機(Tx)432A〜Bを介して送信することができる。アナログ信号は、チャネル450として参照される経路をたどることになる。物理層は、直列−並列(series−to−parallel、S/P)変換器、並列−直列(parallel−to−serial、P/S)変換器、周期プリフィックス(CP)挿入器および削除器、ガードバンド挿入器および削除器、ならびにその他の所望の構成要素等の、その他の構成要素(不図示)を含み得る。
【0030】
チャネル450を通じて送信される信号はノイズ452および干渉454を受け得る。ノイズおよび干渉は、受信機460における受信機アンテナ490A〜Bおよび1つ以上の無線周波数(RF)受信機(Rx)482A〜Bによって受信され得る、チャネル信号への加算456として表される。ノイズおよび干渉と結合されたチャネル信号は、アナログ−デジタル変換器(analog−to−digital converter、ADC)480A〜Bを用いてデジタル変調信号に変換することができる。デジタル信号は、復調器478A〜Bを用いてOFDM復調することができる。復調器は高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを用いて離散フーリエ変換(discrete Fourier transform、DFT)を計算し、復調信号(アンテナポート毎のベクトルy)を生成することができる。チャネル推定器462が、復調信号を用いて、チャネル450、ならびにチャネル内に生じるノイズおよび干渉を推定することができる。チャネル推定器はフィードバック生成器を含むか、またはフィードバック生成器と通信することができる。フィードバック生成器は、チャネル品質指標(channel quality indicator、CQI)報告、プリコーディングマトリックス指標(precoding matrix indicator、PMI)報告、または送信ランク指標(rank indicator、RI)報告等の、物理アップリンク共有チャネル(physical uplink shared channel、PUSCH)フィードバック報告を生成することができる。CQIは、MIMO送信モードを支援するために用いることができる。復調信号は、MIMOデコーダ484を用いて結合し、デマッパ476を用いてデマップし、デインタリーバ474を用いてデインタリーブし、チャネルデコーダ472によってデコードすることができ、受信局の他の層が用いることができる2進出力データ470を生成する。
【0031】
別の例は、図8におけるフローチャートに示されるように、協調マルチポイント(CoMP)システム内の無線デバイスの受信機タイミングを調整する方法500を提供する。本方法は命令として機械上で実行されてよく、この場合、命令は少なくとも1つのコンピュータ可読媒体または1つの非一時的機械可読記憶媒体上に含まれる。本方法は、ブロック510におけるように、無線デバイスにおいてCoMPシステムの協調セット内の複数の協働ノードからの複数のノード固有基準信号(RS)を受信する作業を含む。ここで、協調セットは少なくとも2つの協働ノードを含む。ブロック520におけるように、複数のノード固有RSから生成された複数の受信RSタイミングから複合受信RSタイミングを推定する作業が続く。ここで、受信RSタイミングは少なくとも2つの協働ノードからのタイミングを表す。本方法の次の作業は、ブロック530におけるように、複合受信RSタイミングに少なくとも一部基づいて受信機タイミングを調整することであり得る。
【0032】
ノード固有RSはチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)を含み得る。調整される受信機タイミングは、無線デバイスの受信機が受信信号のための高速フーリエ変換(FFT)を処理する時間であり得る。
【0033】
一実施形態では、複合受信RSタイミングを推定する作業は、複合受信RSタイミングのために最も早い受信RSタイミングを選択することをさらに含み得る。複合受信RSタイミングは、
【数10】
によって表すことができる。ここで
【数11】
は物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)タイミングであり、
【数12】
は、CoMP測定セットの算出されたチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)タイミングの各々であり、min()は最小値関数であり、iは、CoMP測定セット内のノードを表す正の整数である。
【0034】
別の実施形態では、複合受信RSタイミングを推定する作業は、実質的に最小受信RSタイミングと最大受信RSタイミングとの間の受信機RSタイミングを選択することをさらに含み得る。最小受信RSタイミングは、最初の協働ノードの最初に受信されるノード固有RSから生成されるタイミングを含み得、最大受信RSタイミングは、最後の協働ノードの最後に受信されるノード固有RSから生成されるタイミングを含み得る。一例では、複合受信RSタイミングは、協働ノードのための基準信号受信電力(RSRP)と、協働ノードのノード固有RSから生成された受信RSタイミングとの組み合わせによって求めることができる。別の例では、複合受信RSタイミングは、
【数13】
によって表すことができる。ここで、
【数14】
は物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)タイミングであり、
【数15】
は、CoMP測定セットの算出されたチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)タイミングの各々であり、
【数16】
はCSI−RSアンテナポート基準信号受信電力(RSRP)であり、iは、CoMP測定セット内のノードを表す正の整数であり、f()はその引数の単調関数である。
【0035】
本方法は、無線デバイスが協働ノードへ、複合受信RSタイミングを含むタイミングフィードバックを送信することをさらに含み得る。別の例では、本方法は、無線デバイスが協働ノードからへ、協働ノードからのノード固有RSから生成された受信RSタイミングを含むタイミングフィードバックを送信することをさらに含み得る。ノード固有RSは、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、セル固有基準信号(CRS)、またはチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)を含み得る。
【0036】
別の例は、図9におけるフローチャートに示されるように、第1協働ノードのダウンリンク(DL)送信のタイミングを協調マルチポイント(CoMP)システム内の第2協働ノードのダウンリンク送信に対して同期させる方法600を提供する。本方法は命令として機械上で実行されてよく、この場合、命令は少なくとも1つのコンピュータ可読媒体または1つの非一時的機械可読記憶媒体上に含まれる。本方法は、ブロック610に示されるように、第1協働ノードにおいて無線デバイスからタイミングフィードバックを受信する作業を含む。ここで、タイミングフィードバックは、少なくとも1つの協働ノードのノード固有RSから生成された少なくとも1つの受信基準信号(RS)タイミングを含む。ブロック620におけるように、タイミングフィードバックを用いた調整タイミングによって第1協働ノードにおけるダウンリンク送信タイミングを変更する作業が続く。
【0037】
タイミングフィードバックは複合受信RSタイミングまたは第1協働ノード受信RSタイミングを含む。複合受信RSタイミングは、少なくとも2つの協働ノードからのタイミングを表す複数の受信RSタイミングから推定することができる。第1協働ノード受信RSタイミングは、第1協働ノードからのノード固有RSから生成することができる。受信RSタイミングは複数のノード固有RSから生成することができる。
【0038】
一例では、複合受信RSタイミングは、第1協働ノードからのノード固有RSから生成された第1協働ノード受信RSタイミングを含み得る。ノード固有基準信号はチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)を含む。ダウンリンク送信はデータまたは物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を含む。ダウンリンク送信タイミングを変更する作業は、ダウンリンク送信に用いられるダウンリンク信号の逆高速フーリエ変換(IFFT)タイミングを、複合受信RSタイミングまたは第1協働ノード受信RSタイミングに基づいてシフトさせることを含み得る。本方法は、第1協働ノード(例えば、送信協働ノード)が複数の協働ノードから選択協働ノードを選択することをさらに含み得る。選択協働ノードからのノード固有RSは、無線デバイスが同期RSタイミングを生成するために用いることができ、同期RSタイミングは、受信データまたは受信物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のためのタイミング同期に用いることができる。第1協働ノードは選択協働ノードの選択を無線デバイスへ送信することができる。同期RSタイミングは、無線デバイスの受信機タイミングを受信データまたは受信PDSCHのために調整するために用いることができる。本方法は、第1協働ノードが、タイミングフィードバックを受信する前に、ノード固有RSを無線デバイスへ送信することをさらに含み得る。
【0039】
図10は、協調マルチポイント(CoMP)システム内の協働ノード710A〜Bの例および無線デバイス720の例を示す。協働ノードは、マクロノード(例えば、マクロeNB)あるいは低出力ノード(例えば、マイクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、またはHeNB)を含み得る。
【0040】
無線デバイス720(例えば、UE)は協働ノード710A〜Bと通信することができる。無線デバイスは、協調マルチポイント(CoMP)システム内の無線デバイスの受信機タイミングを推定するためのタイミング推定デバイス718を含み得る。タイミング推定デバイスは、ダウンリンク受信モジュール722およびタイミング推定器724を含み得る。実施形態によっては、タイミング推定デバイスは、タイミング調整モジュール726およびアップリンク(UL)送信モジュール728を含み得る。無線デバイスは、協働ノードからDL送信情報を受信し、協働ノードへUL送信情報を送信するトランシーバを含み得る。
【0041】
ダウンリンク受信モジュール722は、無線デバイスにおいてCoMPシステムの協調セット内の複数の協働ノードからの複数のノード固有基準信号(RS)を受信するように構成することができる。協調セットは少なくとも2つの協働ノードを含み得る。ダウンリンク受信モジュールは、選択協働ノードの選択を受信するようにさらに構成することができる。選択協働ノードは、コアネットワーク内のコントローラ、または協働ノードが複数の協働ノードから選択することができる。選択協働ノードからのノード固有RSは、無線デバイスが同期RSタイミングを生成するために用いることができ、同期RSタイミングは、受信データまたは受信物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のためのタイミング同期あるいは無線デバイスの受信機タイミングの調整に用いることができる。タイミング推定器724は、複数のノード固有RSから生成された複数の受信RSタイミングから複合受信RSタイミングを推定するように構成することができる。受信RSタイミングは少なくとも2つの協働ノードからのタイミングを表し得る。ノード固有RSはチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)を含む。一例では、タイミング推定器は、最も早い受信RSタイミングを複合受信RSタイミングに選択するように構成することができる。複合受信RSタイミングは、
【数17】
によって表すことができる。ここで、
【数18】
は物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)タイミングであり、
【数19】
は、CoMP測定セットの算出されたチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)タイミングの各々であり、min()は最小値関数であり、iは、CoMP測定セット内のノードを表す正の整数である。別の例では、タイミング推定器は、複合受信RSタイミングを用いて実質的に最小受信RSタイミングと最大受信RSタイミングとの間の受信機RSタイミングを選択するように構成することができる。別の例では、タイミング推定器は、協働ノードのための基準信号受信電力(RSRP)と、協働ノードのノード固有RSから生成された受信RSタイミングとの組み合わせから複合受信RSタイミングを求めるよう構成することができる。複合受信RSタイミングは、
【数20】
によって表される。ここで、
【数21】
は物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)タイミングであり、
【数22】
は、CoMP測定セットの算出されたチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)タイミングの各々であり、
【数23】
はCSI−RSアンテナポート基準信号受信電力(RSRP)であり、iは、CoMP測定セット内のノードを表す正の整数であり、f()はその引数の単調関数である。
【0042】
タイミング調整モジュール726は、複合受信RSタイミングに基づいて受信機タイミングを調整するように構成することができる。調整される受信機タイミングは、無線デバイスの受信機が受信信号のための高速フーリエ変換(FFT)を処理する時間であり得る。時間はFFT窓の境界を表し得る。アップリンク送信モジュール728は、複合受信RSタイミング、または協働ノードからのノード固有RSから生成された受信RSタイミングを含むタイミングフィードバックを協働ノードへ送信するように構成することができる。無線デバイスはユーザ設備(UE)および移動局(mobile station、MS)を含み得る。無線デバイスは、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(wireless personal area network、WPAN)、および無線ワイドエリアネットワーク(wireless wide area network、WWAN)のうちの少なくとも1つに接続することができる。無線デバイスは、アンテナ、タッチセンシティブディスプレイ画面、スピーカ、マイクロホン、グラフィックスプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、内部メモリ、または不揮発性メモリポートを含み得る。
【0043】
各協働ノード710A〜Bは、第1協働ノードのダウンリンク(DL)送信のタイミングを協調マルチポイント(CoMP)システム内の第2協働ノードのダウンリンク送信に対して同期させるためのタイミング同期デバイス708A〜Bを含み得る。タイミング同期デバイスは、ダウンリンク送信モジュール712A〜B、アップリンク受信モジュール714A〜B、およびタイミング変更モジュール716A〜Bを含み得る。一例では、タイミング同期デバイスは選択モジュール(不図示)を含み得る。別の例では、選択モジュールは、コアネットワーク内のコントローラ内に含むことができる。協働ノードはCoMPシステムの協調セット740内にあり、バックホールリンク750を介して互いに通信することができる。バックホールリンクは、有線接続、無線接続、または光ファイバ接続を介したX2信号方式またはバックホールリンク信号方式を含み得る。協働ノード間の通信はCoMP測定セット情報を含み得る。
【0044】
アップリンク受信モジュール714A〜Bは、無線デバイスからタイミングフィードバックを受信するように構成することができる。タイミングフィードバックは、少なくとも1つの協働ノードのノード固有RSから生成された少なくとも1つの受信基準信号(RS)タイミングを含み得る。タイミングフィードバックは、複合受信基準信号(RS)タイミングまたは第1協働ノード受信RSタイミングを含み得る。複合受信RSタイミングは、少なくとも2つの協働ノードからのタイミングを表す複数の受信RSタイミングから推定することができ、受信RSタイミングは複数のノード固有RSから生成することができる。第1協働ノード受信RSタイミングは、第1協働ノードからのノード固有RSから生成することができる。タイミング変更モジュール716A〜Bは、タイミングフィードバックを用いた調整タイミングによって第1協働ノードにおけるダウンリンク送信タイミングを変更するように構成することができる。ノード固有基準信号はチャネル状態情報基準信号(CSI−RS)を含む。タイミング変更モジュールは、複合受信RSタイミングまたは協働ノード受信RSタイミングによって、ダウンリンク送信に用いられるダウンリンク信号の高速逆フーリエ変換(IFFT)タイミングをシフトさせるようにさらに構成することができる。ダウンリンク送信モジュール712A〜Bは、ノード固有RSを無線デバイスへ送信するように構成することができる。選択モジュールは、複数の協働ノードから選択協働ノードを選択するように構成することができる。選択協働ノードからのノード固有RSは、無線デバイスが同期RSタイミングを生成するために用いることができ、同期RSタイミングは、受信データまたは受信物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)のためのタイミング同期に用いることができる。ダウンリンク送信モジュールは、選択協働ノードの選択を無線デバイスへ送信するようにさらに構成することができる。同期RSタイミングは、無線デバイスの受信機タイミングを受信データまたは受信PDSCHのために調整するために用いることができる。協働ノードは、マクロノード、低出力ノード(LPN)、マクロ発展型Node B(マクロeNB)、マイクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、またはホームeNB(HeNB)を含み得る。
【0045】
図11は、ユーザ設備(UE)、移動局(MS)、移動無線デバイス、移動通信デバイス、タブレット、ハンドセット、またはその他の種類の移動無線デバイス等の、無線デバイスの例の図を提供する。無線デバイスは、基地局(BS)、発展型Node B(eNB)、ベースバンドユニット(base band unit、BBU)、リモート無線ヘッド(remote radio head、RRH)、リモート無線設備(remote radio equipment、RRE)、中継局(relay station、RS)、無線設備(radio equipment、RE)、またはその他の種類の無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)アクセスポイント等の、マクロノード、低出力ノード(LPN)、または送信局等のノードと通信する1つ以上のアンテナを含み得る。無線デバイスは、3GPP LTE、WiMAX、高速パケットアクセス(High Speed Packet Access、HSPA)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、およびWiFiを含む少なくとも1つの無線通信規格を用いて通信するように構成することができる。無線デバイスは、各無線通信規格用の独立アンテナまたは複数の無線通信規格用の共有アンテナを用いて通信することができる。無線デバイスは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、および/またはWWAN内で通信することができる。
【0046】
図11は、無線デバイスに対する音声入力およびそれからの音声出力に用いることができるマイクロホンおよび1つ以上のスピーカの図も提供する。ディスプレイ画面は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)画面、または有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)ディスプレイ等のその他の種類のディスプレイ画面であってよい。ディスプレイ画面はタッチスクリーンとして構成することができる。タッチスクリーンは、静電容量式、抵抗式、または別の種類のタッチスクリーン技術を用いてよい。処理および表示機能を提供するために、アプリケーションプロセッサおよびグラフィックスプロセッサを内部メモリに結合することができる。データ入力/出力オプションをユーザに提供するために、不揮発性メモリポートを用いることもできる。不揮発性メモリポートは、無線デバイスのメモリ機能を拡張するために用いられてもよい。追加のユーザ入力を提供するために、キーボードが無線デバイスと一体化されるかまたは無線デバイスに無線接続されてもよい。タッチスクリーンを用いて仮想キーボードが提供されてもよい。
【0047】
種々の技法、またはそれらの一部の態様もしくは部分は、フロッピー(登録商標)ディスケット、CD−ROM、ハードドライブ、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、または任意の他の機械可読記憶媒体等の、有形媒体の形態で具体化されるプログラムコード(すなわち、命令)の形をとってよく、プログラムコードがコンピュータ等の機械にロードされ、それによって実行されると、機械は種々の技法を実施する装置になる。プログラム可能コンピュータ上におけるプログラムコード実行の場合、コンピューティングデバイスは、プロセッサ、このプロセッサによって可読の記憶媒体(揮発性および不揮発性メモリおよび/または記憶要素を含む)、少なくとも1つの入力デバイス、ならびに少なくとも1つの出力デバイスを含んでよい。揮発性および不揮発性メモリおよび/または記憶要素は、RAM、EPROM、フラッシュドライブ、光学ドライブ、磁気ハードドライブ、またはその他の電子データ記憶用媒体であってよい。基地局および無線デバイスは、トランシーバモジュール、カウンタモジュール、処理モジュール、ならびに/あるいはクロックモジュールまたはタイマモジュールを含んでもよい。本明細書に記載されている種々の技法を実装または利用し得る1つ以上のプログラムは、アプリケーションプログラミングインタフェース(application programming interface、API)、再利用可能コントロール、および同様のものを用いてよい。このようなプログラムは、コンピュータシステムと通信するために、高レベル手続き形またはオブジェクト指向プログラミング言語で実装されてよい。ただし、プログラム(単数または複数)は、所望の場合には、アセンブリまたは機械言語で実装されてもよい。いずれにせよ、言語はコンパイラ型またはインタプリタ型言語であり、ハードウェア実装と組み合わせられてよい。
【0048】
本明細書に記載されている機能ユニットの多くは、それらの実装の独立性をより具体的に強調するために、モジュールと標識されていることを理解されたい。例えば、モジュールは、カスタムVLSI回路またはゲートアレイ、論理チップ等の市販の半導体、トランジスタ、あるいはその他の個別構成要素を含むハードウェア回路として実装されてよい。モジュールは、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブルアレイ論理、プログラマブル論理デバイスまたは同様のもの等のプログラマブルハードウェアデバイス内に実装されてもよい。
【0049】
モジュールは、様々な種類のプロセッサに実行させるためのソフトウェア内で実装されてもよい。実行可能コードの特定モジュールは、例えば、コンピュータ命令の1つ以上の物理または論理ブロックを含んでよく、物理または論理ブロックは、例えば、オブジェクト、手続き、または関数として編成されてよい。しかし、特定モジュールの実行ファイルは物理的にまとまって配置されている必要はなく、論理的に結合されると、モジュールを構成し、モジュールのための規定の目的を達成する、異なる位置に格納された異種の命令を含んでもよい。
【0050】
実際に、実行可能コードのモジュールは単一の命令であっても、または多数の命令であってもよく、さらには、いくつかの異なるコードセグメントにわたって、異なるプログラムの間で、およびいくつかのメモリデバイスにまたがって分散されていてもよい。同様に、運用データは本明細書においてモジュール内において特定され、示されていてよいが、任意の好適な形態で具体化され、任意の好適な種類のデータ構造内に編成されてよい。運用データは単一のデータセットとして集約されてもよく、あるいは異なる位置にわたって、例えば、異なる記憶デバイスにわたって、分散されてもよく、少なくとも部分的に単にシステムまたはネットワーク上の電子信号として存在してもよい。モジュールは受動的であってもよく、または所望の機能を遂行するように動作可能であるエージェントを含み、能動的であってもよい。
【0051】
本明細書全体を通じた「一例(an example)」への言及は、その例に関して説明されている特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえ、本明細書全体を通じた種々の箇所における表現「一例では(in an example)」の出現は、必ずしも同じ実施形態に全て言及しているわけではない。
【0052】
本明細書で使用されているように、複数のアイテム、構造要素、構成要素、および/または材料は便宜上、共通のリスト内に提示されている場合がある。しかし、これらのリストは、リストの各要素はあたかも別個の唯一の要素として特定されるかのように解釈されるべきである。それゆえ、このようなリストの個々の要素は全て、別段の指示がない限り、それらが共通のグループ内に提示されていることのみを根拠にして、同じリストのいずれかの他の要素の事実上の等価物と解釈されるべきではない。加えて、本発明の種々の実施形態および例は、本明細書において、それらの種々の構成要素の代替例とともに言及されている場合がある。このような実施形態、例、および代替例は互いの事実上の等価物と解釈されるべきではなく、本発明の別個の自律的な代表と見なされるべきであることを理解されたい。
【0053】
さらに、上述の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせられてもよい。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、レイアウト、距離、ネットワーク例などの例等の、数多くの特定の細部が提供されている。しかし、当業者は、本発明は、特定の細部の1つ以上を用いずに、または他の方法、構成要素、レイアウト等を用いて実施することができることを理解するであろう。他の例では、本発明の態様を不明瞭にすることを回避するために、周知の構造、材料、または作業は詳細に図示または説明されていない。
【0054】
上述の諸例は1つ以上の特定の用途における本発明の原理の実例であるが、発明力を行使せずとも、本発明の原理およびコンセプトから逸脱することなく、形態、利用法、および実装の細部における数多くの変更を行うことができることは当業者には明らかであろう。したがって、以下に定められる請求項による以外に、本発明を限定することは意図されていない。
図1
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図9
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図11