(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
センター装置と、クロージャと、前記センター装置と前記クロージャの間で光信号を伝送する第1および第2光ファイバをそれぞれ有する第1および第2光ケーブルと、を備える光伝送システムにおいて、
前記第1および第2光ケーブルは、
第1および第2光ケーブルの状態を監視するための監視光を前記クロージャから前記センター装置に伝送する第3および第4光ファイバをそれぞれ有し、
前記クロージャは、
前記第1光ファイバおよび前記第2光ファイバの一方を伝送される光信号の一部を折り返し、他方の光ファイバに入射する折り返し手段と、
前記第3および第4光ファイバに対して前記監視光をそれぞれ導入する導入手段と、を有し、
前記センター装置は、
前記第1および第2光ファイバの一方を選択し、前記光信号を送出する選択手段と、
前記監視光の状態を参照し、前記第1および第2光ケーブルの障害の有無をそれぞれ判定する第1および第2判定手段と、
前記折り返し手段によって折り返された前記光信号の状態を参照し、前記第1および第2光ファイバの障害の有無を判定する第3判定手段と、
前記第1および第2判定手段のいずれか一方および前記第3判定手段が障害が生じたと判定した場合に、前記第1および第2光ファイバの他方を選択するように前記選択手段を制御する制御手段と、を有する、
ことを特徴とする光伝送システム。
前記第1および第2光ケーブルは、前記第1および第2光ファイバ以外に、光信号を伝送する少なくとも1の他の光ファイバをそれぞれ有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光伝送システム。
前記第1および第2光ファイバには映像信号および通信信号のいずれか一方が伝送され、前記他の光ファイバには前記映像信号および前記通信信号の他方が伝送されることを特徴とする請求項7に記載の光伝送システム。
前記第1および第2光ファイバには、映像信号および通信信号が波長多重された光信号が伝送されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光伝送システム。
前記クロージャの下流側には、光信号の種類に応じてV−ONU、D−ONU、または、R−ONUが接続されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光伝送システム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0024】
(A)本発明の第1実施形態の構成の説明
図1は、本発明の第1実施形態に係る光伝送システムの構成例を示す図である。この図に示すように、光伝送システムは、光送信器10、光増幅器11、光分岐部12,13、センター装置20、光ケーブル31,32、クロージャ40、および、V−ONU(Visual-optical Network Unit)50−1−1〜50−n−rを有している。
【0025】
ここで、光送信器10は、映像信号を含む光信号を生成して出力する。光増幅器11は、光送信器10から出力される光信号を増幅して出力する。光分岐部12は、光増幅器11から出力される光信号を分岐して出力する。光分岐部13は、光増幅器11から出力される光信号を分岐して出力する。
【0026】
センター装置20は、制御部21、受光判定部22,23,24−1〜24−n、および、2×2光スイッチ25−1〜25−nを有しており、光分岐部12から出力される光信号を、光ケーブル31,32を介してクロージャ40に伝送するとともに、光ケーブル31,32の障害の発生の有無を判定する。
【0027】
ここで、制御部21は、受光判定部22,23,24−1〜24−nの判定結果に基づいて光ケーブル31,32の状態を推定するとともに、推定結果に基づいて2×2光スイッチ25−1〜25−nを切り換える制御を行う。
【0028】
受光判定部22は、判定部22aおよび受光部22bを有する。受光部22bは、光ファイバ31a、光ファイバ31bを介して受信した光信号を電気信号に変換する。判定部22aは、受光部22bから供給される電気信号のレベルに基づいて光ケーブル31の障害の有無を判定し、判定結果を制御部21に伝える。
【0029】
受光判定部23は、判定部23aおよび受光部23bを有する。受光部23bは、光ファイバ31a、光ファイバ32bを介して受信した光信号を電気信号に変換する。判定部23aは、受光部23bから供給される電気信号のレベルに基づいて光ケーブル32の障害の有無を判定し、判定結果を制御部21に伝える。
【0030】
受光判定部24−1〜24−nは、判定部24−1a〜24−naおよび受光部24−1b〜24−nbをそれぞれ有する。受光部24−1bは、光ファイバ31c−1、32c−1を介して受信した光信号を2×2光スイッチ25−1から受け取り、電気信号に変換する。判定部24−1aは、受光部24−1bから供給される電気信号のレベルに基づいて光ファイバ31c−1及び32c−1の障害の有無を判定し、判定結果を制御部21に伝える。
【0031】
受光部24−2b〜24−nbは、光ファイバ31c−2〜31c−n、32c−2〜32c−nを介して受信した光信号を2×2光スイッチ25−2〜25−nから受け取り、電気信号に変換する。判定部24−2a〜24−naは、受光部24−2b〜24−nbから供給される電気信号のレベルに基づいて光ファイバ31c−2〜31c−n及び32c−2〜32c−nの障害の有無を判定し、判定結果を制御部21に伝える。
【0032】
2×2光スイッチ25−1〜25−nは、制御部21によって制御され、
図1において実線で示される接続経路または破線で示される接続経路のいずれか一方を選択し、光信号の経路を切り換える。
【0033】
光ケーブル31は、光ファイバ31a,31b,31c−1〜31c−nを有し、また、光ケーブル32は、光ファイバ32a,32b,32c−1〜32c−nを有している。
【0034】
クロージャ40は、折り返し部41,42、折り返し部43−1〜43−n、合波部44−1〜44−nを有しており、光ケーブル31,32を介して伝送された光信号を分波してV−ONU50−1〜50−nに供給するとともに、光信号を折り返してセンター装置20に送信する。
【0035】
ここで、折り返し部41は、光ファイバ31aを伝送される監視光を折り返し、光ファイバ31bに入射する。折り返し部42は、光ファイバ32aを伝送される監視光を折り返し、光ファイバ32bに入射する。折り返し部43−1は、光ファイバ31c−1が現用系として選択されている場合(2×2光スイッチ25−1が実線で示された状態の場合)には光ファイバ31c−1を伝送される光信号を折り返して光ファイバ32c−1に入射し、光ファイバ32c−1が現用系として選択されている場合(2×2光スイッチ25−1が破線で示された状態の場合)には光ファイバ32c−1を伝送される光信号を折り返して光ファイバ31c−1に入射する。同様に、折り返し部43−2〜43−nは、光ファイバ31c−2〜31c−nが現用系として選択されている場合(2×2光スイッチ25−2〜25−nが実線で示された状態の場合)には光ファイバ31c−2〜31c−nを伝送される光信号をそれぞれ折り返して光ファイバ32c−2〜32c−nに入射し、光ファイバ32c−2〜32c−nが現用系として選択されている場合(2×2光スイッチ25−2〜25−nが破線で示された状態の場合)には光ファイバ32c−2〜32c−nを伝送される光信号を折りそれぞれ返して光ファイバ31c−2〜31c−nに入射する。
【0036】
合波部44−1は、光ファイバ31c−1および光ファイバ32c−1を伝送される光信号を合波するとともに、分波してV−ONU50−1−1〜50−1−pに出力する。同様に、合波部44−2〜44−nは、光ファイバ31c−2〜31c−nおよび光ファイバ32c−2〜32c−nをそれぞれ伝送される光信号を合波するとともに、分波してV−ONU50−2−1〜50−n−rに出力する。
【0037】
V−ONU50−1−1〜50−n−rは、加入者宅に配置され、クロージャ40から供給される光信号を電気信号に変換し、同軸ケーブルを介してテレビジョン受像機等に供給する。
【0038】
(B)本発明の第1実施形態の動作の説明
つぎに、第1実施形態の動作について説明する。以下では、光ケーブル31(光ファイバ31c−1〜31c−n)が現用系に設定され、光ケーブル32(光ファイバ32c−1〜32c−n)が予備系に設定された場合(2×2光スイッチ25−1〜25−nが実線で示された状態の場合)を例に挙げて説明する。光送信器10から出力された光信号は、光増幅器11で増幅された後、光分岐部12と光分岐部13に供給される。光分岐部12は、光増幅器11から供給された光信号を分岐して2×2光スイッチ25−1〜25−nにそれぞれ供給する。光分岐部13は、光増幅器11から供給された光信号を分岐して光ファイバ31aおよび光ファイバ32aにそれぞれ供給する。
【0039】
光ケーブル31(光ファイバ31c−1〜31c−n)が現用系として設定されている場合、制御部21は、2×2光スイッチ25−1〜25−nの接続状態を
図1に示す実線の状態に制御しているので、2×2光スイッチ25−1に入射された光信号は、光ファイバ31c−1に出力される。また、2×2光スイッチ25−2〜25−nに入射された光信号は、光ファイバ31c−2〜31c−nにそれぞれ出力される。
【0040】
光ファイバ31c−1に入射された光信号は、折り返し部43−1によって一部が折り返され、光ファイバ32c−1に入射されるとともに、残りの光信号は合波部44−1に供給される。同様に、光ファイバ31c−2〜31c−nに入射された光信号は、折り返し部43−2〜43−nによって一部が折り返され、光ファイバ32c−2〜32c−nにそれぞれ入射されとともに、残りの光信号は合波部44−2〜44−nにそれぞれ供給される。
【0041】
合波部44−1は、光ファイバ31c−1から供給された光信号を分波してV−ONU50−1−1〜50−1−pに供給する。この結果、V−ONU50−1−1〜50−1−pが配置された加入者宅では映像を視聴することができる。また、合波部44−2〜44−nは、光ファイバ31c−2〜31c−nから入射された光信号を分波してV−ONU50−2−1〜50−n−rに供給する。この結果、V−ONU50−2−1〜50−n−rが配置された加入者宅では映像を視聴することができる。
【0042】
一方、折り返し部43−1によって折り返された光信号は、光ファイバ32c−1を介して2×2光スイッチ25−1に入射される。2×2光スイッチ25−1に入射された光信号は、受光判定部24−1の受光部24−1bに入射され、そこで電気信号に変換され、判定部24−1aに供給される。判定部24−1aは、例えば、受光部24−1bから供給された電気信号のレベルに基づいて、光ファイバ31c−1,32c−1の障害の有無を判定し、判定結果を制御部21に通知する。例えば、受光部24−1bから供給された電気信号のレベルが所定の閾値以下である場合には、光ファイバ31c−1,32c−1に障害が発生していると判定して制御部21に通知する。同様に、折り返し部43−2〜43−nによって折り返された光信号は、光ファイバ32c−2〜32c−nを介して2×2光スイッチ25−2〜25−nにそれぞれ入射される。2×2光スイッチ25−2〜25−nに入射された光信号は、受光判定部24−2〜24−nの受光部24−2b〜24−nbにそれぞれ入射され、そこで電気信号に変換され、判定部24−2a〜24−naにそれぞれ供給される。判定部24−2a〜24−naは、例えば、受光部24−2b〜24−nbから供給された電気信号のレベルに基づいて、光ファイバ31c−2〜31c−n,32c−2〜32c−nの障害発生の有無を判定し、判定結果を制御部21に通知する。
【0043】
光分岐部13によって分岐された光信号の一方は、光ファイバ31aを介して伝送され、折り返し部41によって折り返され、光ファイバ31bに入射される。光ファイバ31bに入射された光信号は、受光判定部22の受光部22bに入射され、そこで電気信号に変換され、判定部22aに入力される。判定部22aは、例えば、受光部22bから供給される電気信号のレベルが所定の閾値以下である場合には、光ファイバ31a,31bに障害が発生していると判定し、制御部21に通知する。
【0044】
光分岐部13によって分岐された光信号の他方は、光ファイバ32aを介して伝送され、折り返し部42によって折り返され、光ファイバ32bに入射される。光ファイバ32bに入射された光信号は、受光判定部23の受光部23bに入射され、そこで電気信号に変換され、判定部23aに入力される。判定部23aは、例えば、受光部23bから供給される電気信号のレベルが所定の閾値以下である場合には、光ファイバ32a,32bに障害が発生していると判定し、制御部21に通知する。
【0045】
制御部21は、判定部22a,23a,24−1a〜24−naの出力に基づいて、光ケーブル31,32に内蔵されている光ファイバの状態を推定する。
図2は、判定部22a,22a,24−1aの判定結果と、それから推定される状態との関係を示す図である。なお、
図2では、光ケーブル31(光ファイバ31c−1〜31c−n)が現用系として選択されている場合(2×2光スイッチ25−1〜25−nが実線で示された状態の場合)を示している。この
図2に示すように、判定部22a,23a,24−1aの判定結果が全て〇(異常なし)である場合には、状態はAであると判定される。なお、状態Aは、全てが正常であることを示す。
【0046】
また、判定部23aの判定結果が〇であり、判定部22aと判定部24−1aの判定結果が×(異常あり)の場合には状態はBであると推定される。なお、状態Bは、光信号を伝送する光ファイバ31c−1を含めた光ケーブル31に障害が発生していると推定される状態である。すなわち、判定部24−1aの判定結果が×であることから、光ファイバ31c−1および光ファイバ32c−1の少なくとも一方が異常な状態であると推定されるが、判定部23aの判定結果が〇であることから光ケーブル32に異常が生じている可能性は低いと推定され、また、判定部22aの判定結果が×であることから光ケーブル31に異常が発生している可能性が高いと推定される。
【0047】
判定部23aと判定部24−1aの判定結果が〇であり、判定部22aの判定結果が×の場合には状態はCであると推定される。なお、状態Cは、光ケーブル31の一部に障害が発生しているが、信号を伝送する光ファイバ31c−1は正常と推定される状態である。すなわち、判定部22aの判定結果が×であることから光ケーブル31の一部に障害が発生していると推定されるが、判定部24−1aの判定結果が〇であることから光信号を伝送している光ファイバ31c−1は正常であると推定される。また、判定部23aの判定結果が〇であり、また、判定部24−1aの判定結果も〇であることから光ケーブル32は正常であると推定される。
【0048】
判定部22aと判定部23aの判定結果が〇であり、判定部24a−1の判定結果が×の場合には状態はDであると推定される。なお、状態Dは、監視光を伝送する光ファイバ31a,31b,32a,32bは正常であるが、光ファイバ31c−1および光ファイバ32c−1の少なくとも一方に障害が発生していると推定される状態である。すなわち、判定部22aおよび判定部23aの判定結果が〇であることから31a,31b,32a,32bは正常であると推定される。しかしながら、判定部24−1aの判定結果が×であることから、光ファイバ31c−1および光ファイバ32c−1の少なくとも一方に障害が発生していると推定される。
【0049】
制御部21は、以上の推定結果に基づいて、必要に応じて2×2光スイッチ25−1を切り換える制御を行う。より詳細には、例えば、状態Bであると推定された場合には、制御部21は、2×2光スイッチ25−1の接続状態を、
図1に示す実線の状態から破線の状態に切り換える。これにより、光ファイバ32c−1が現用系として選択されることになる。また、状態Cと判定された場合には、2×2光スイッチ25−1の接続状態を、
図1に示す実線の状態から破線の状態に切り換えるか、または、そのままの状態を維持するかを選択することができる。さらに、状態Dと判定された場合には、制御部21は、アラーム等を発出することで、管理者に障害発生の可能性を通知することができる。なお、アラームとしては、警報ランプまたは警報ブザー、SNMP(Simple Network Management Protocol)マネージャからのポーリングへの応答、または、SNMPで管理サーバから端末を監視する際に、端末からサーバへ能動的に発信される通知であるTRAPの送出等がある。もちろん、管理者に認知させることができれば、これら以外の手段でもよい。なお、状態B、状態Cの場合でも制御部21は、アラームを発出することが可能である。
【0050】
以上に説明したように、第1実施形態では、現用系の光ケーブル31が有する光ファイバ31c−1からの光信号を折り返し部43−1によって折り返し、予備系の光ケーブル32が有する光ファイバ32c−1に導入し、受光判定部24−1で受光して判定するようにするとともに、現用系および予備系の光ケーブルに監視光を伝送する光ファイバ31a,31b,32a,32bを設け、受光判定部22,23で受光して判定するようにした。このため、例えば、監視光を受信する受光判定部22が障害発生と判定した場合であっても、受光判定部24−1が障害発生と判定しない場合(状態Cの場合)には、経路を切り換えない選択肢も設けることができる。これにより、光信号を伝送する光ファイバ31c−1は正常で、監視光を伝送する光ファイバ31a,31bが異常な場合に、直ちに経路が切り換えられることを防止できる。このような切り換えを防止することで、不要なサービスの一時断を防ぐことができる。さらに、監視光を受信する受光判定部22が障害発生と判定しない場合であっても、受光判定部24−1が障害発生と判定した場合(状態Dの場合)には、アラーム等を発出することで、管理者に障害発生の可能性を通知することができ、直ちに障害対応を行うことができる。
【0051】
また、第1実施形態では、加入者宅に電源を必要とする光源等を配置する必要がなくなるので、加入者の誤操作等によって、経路異常と誤判定されることを防ぐとともに、電力料金を加入者に負担させることを防ぐことができる。また、加入者の契約解除や引越し等、管理面の課題もなくなる。
【0052】
なお、
図2の説明では、説明を簡略化するために受光判定部23が障害発生と判定する場合を除外したが、受光判定部23が障害発生と判定する場合を含めて推定するようにしてもよい。具体的には、受光判定部23が障害発生と判定する場合の組み合わせは、受光判定部22と受光判定部24−1の判定結果が(〇,〇)、(〇,×)、(×,〇)、(×,×)の4通りである。まず、(〇,〇)の場合には、光ケーブル32の一部に障害が発生しているが、信号を伝送している光ファイバ31c−1は正常と推定される状態である。また、(〇,×)の場合は、光ケーブル32に障害が発生していると推定される状態である。また、(×,〇)の場合は光ケーブル31,32の一部に障害が発生しているが、光信号を伝送する光ファイバ31c−1,32c−1は正常と推定される状態である。さらに、(×,×)の場合は全てに障害が発生していると推定される状態である。制御部21は、以上に述べた状態に基づいて、例えば、アラームを発出したり、経路を切り換えたりすることができる。
【0053】
また、以上の第1実施形態では、受光判定部24−1の判定結果のみに注目して説明を行ったが、受光判定部24−2〜24−nについても受光判定部24−1と同様の判定を行い、その結果に基づいて制御部21が推定を行ってアラームを発出したり、2×2光スイッチ25−2〜25−nをそれぞれ切り換えるようにしたりしてもよい。なお、受光判定部24−1〜24−nの判定結果が同じである場合には、2×2光スイッチ25−1〜25−nまたはアラームについては同じ制御を行うようにすればよいが、受光判定部24−1〜24−nの判定結果が異なる場合には、その個数に応じて処理を切り分けるようにしてもよい。例えば、受光判定部24−1のみが異常と判定し、受光判定部24−2〜24−nは正常と判定している場合には光ケーブル31は正常である可能性が高いので、その場合にはアラームを発出するのみとするか、あるいは、2×2光スイッチ25−1のみを切り換えるようにすることができる。
【0054】
(C)本発明の第2実施形態の説明
つぎに、第2実施形態について説明する。
図3は第2実施形態の構成例を示す図である。なお、
図3において
図1と対応する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。
図3は、
図1と比較すると、光分岐部13がケーブル監視用光源60に置換されている。それ以外の構成は
図1と同様である。ここで、ケーブル監視用光源60は、光信号とは異なる光源を有し、監視光を生成して出力する。なお、ケーブル監視用光源60が生成する監視光は、光信号と波長が同じでも異なってもよい。
【0055】
つぎに、第2実施形態の動作について説明する。第2実施形態では、光ファイバ31a,31b,32a,32bを伝送される監視光がケーブル監視用光源60から供給される以外は前述した
図1の場合と同様である。なお、ケーブル監視用光源60によって監視光を生成することで、光送信器10から光信号が出力されていない状態であっても、光ケーブル31,32に監視光を入射することができる。
【0056】
(D)本発明の第3実施形態の説明
つぎに、第3実施形態について説明する。
図4は第3実施形態の構成例を示す図である。なお、
図4において
図1と対応する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。
図4は、
図1と比較すると、光分岐部13が除外されている。また、光ファイバ31a,32aが除外されている。さらに、合波部44−1が合波・分岐部45−1に置換されている。これら以外の構成は
図1の場合と同様である。ここで、合波・分岐部45−1は、光ファイバ31c−1または光ファイバ32c−1を伝送される光信号を分岐してV−ONU50−1−1〜50−1−pに供給するとともに、光信号の一部を折り返して光ファイバ31bおよび光ファイバ32bに導入する。
【0057】
つぎに、第3実施形態の動作について説明する。第3実施形態では、例えば、光ケーブル31(光ファイバ31c−1〜31c−n)が現用系に設定されている場合、光ファイバ31c−1を伝送される光信号は、合波・分岐部45−1によって分岐されてV−ONU50−1−1〜50−1−pに供給されるとともに、一部が折り返されて光ファイバ31bと光ファイバ32bに監視光として入射される。光ファイバ31bを伝送された監視光は受光判定部22に入射され、一方、光ファイバ32bを伝送された監視光は受光判定部23に入射される。受光判定部22,23は、入射された監視光のレベルを参照することで、光ファイバ31bおよび光ファイバ32bの障害の有無を判定することができる。
【0058】
第3実施形態では、光ファイバ31c−1または光ファイバ32c−1を伝送される光信号から監視光を生成しているので、現用系の光ファイバに障害が発生した場合には、受光判定部22,23,24−1の全ての判定結果が×の状態となる。このため、受光判定部22,23,24−1の全ての判定結果が×の状態となった場合には制御部21は2×2光スイッチ25−1を切り換えるようにすることができる。切り換えた後に、受光判定部22,23の判定結果の両方またはいずれかが〇となるか確認し、2×2光スイッチ25−1を切り替えた状態で運用を継続するか判断することもできる。一方、受光判定部22,23,24−1の少なくとも1つの判定結果が〇の場合、光ファイバ31c−1または光ファイバ32c−1には障害は生じていないと判定することができるので、その場合には2×2光スイッチ25−1の切り換えを行わないようにすることもできる。
【0059】
図4では
図1における合波部44−1のみ合波・分岐部45−1に置き換える構成としたが、
図1における合波部44−2〜44−nについても合波・分岐部45−2〜45−nに置き換え、監視光を折り返して別途用意された光ファイバを介して伝送し新たに設けられた受光判定部で監視するようにしても良い。
【0060】
以上に説明したように、本発明の第3実施形態によれば、受光判定部22,23,24−1の判定結果に基づいて光ファイバの障害発生の有無を判定するようにしたので、例えば、監視光用の光ファイバ31bまたは光ファイバ32bに障害が発生し、光ファイバ31c−1は正常な場合に経路の切り換えが発生することを防止できる。また、加入者宅側に光源等を配置する必要がないことから、加入者の誤操作によって、光ファイバの障害が発生したと誤判定されることを防止できるとともに、加入者に電気料金を負担させることを防止できる。
【0061】
(E)本発明の第4実施形態の説明
つぎに、第4実施形態について説明する。
図5は第4実施形態の構成例を示す図である。なお、
図5において
図1と対応する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。
図5は、
図1と比較すると、光送信器10、光増幅器11、および、光分岐部12が、OLT(Optical Line Terminal)70、および、光分岐部71に置換されている。また、V−ONU50−1−1〜50−n−rがD−ONU51−1−1〜51−n−rに置換されている。また、受光判定部24−1〜24−nに、光フィルタ24−1c〜24−ncが追加されている。これら以外の構成は
図1の場合と同様である。ここで、OLT70は、電気信号から光信号へ変換したり、光信号を電気信号へ変換したりする通信信号用終端装置である。光分岐部71は、OLT70から出力される光信号を分岐して2×2光スイッチ25−1〜25−nにそれぞれ供給し、2×2光スイッチ25−1〜25−nから受信した上り光信号を合波してOLT70へ供給する。D−ONU51−1−1〜51−n−rは、合波部44−1〜44−nから供給される光信号を電気信号に変換して、例えば、ホームネットワークに供給するとともに、ホームネットワークから供給される電気信号を光信号に変換して、上り光信号として光ファイバ31c−1〜31c−n,32c−1〜32c−nを介してセンター装置20に伝送する。すなわち、上り光信号は合波部44−1〜44−nで分岐され、光ケーブル31(光ファイバ31c−1〜31c−n)が現用系に設定されている場合(2×2光スイッチ25−1〜25−nが実線で示された状態の場合)、一方は光ファイバ31c−1〜31c−nを介して2×2光スイッチ25−1〜25−nに到達し、光分岐部71を経てOLT70へ供給される。もう一方は光ファイバ32c−1〜32c−nを介して2×2光スイッチ25−2〜25−nに到達し、受光判定部24−1〜24−nに入射される。光ケーブル32(光ファイバ32c−1〜32c−n)が現用系に設定されている場合(2×2光スイッチ25−1〜25−nが破線で示された状態の場合)は、光ファイバ32c−1〜32c−nを介して伝送される光信号が2×2光スイッチ25−1〜25−n、光分岐部71を経てOLT70へ供給され、光ファイバ31c−1〜31c−nを介して伝送される光信号が2×2光スイッチ25−1〜25−nを経て受光判定部24−1〜24−nに入射される。光フィルタ24−1c〜24−ncは、光ファイバ31c−1〜31c−nまたは光ファイバ32c−1〜32c−nを介して伝送される光信号に含まれる上り光信号を減衰するとともに、折り返し部43−1〜43−nによって折り返された光信号を抽出し、受光部24−1b〜24−nbに供給する。
【0062】
つぎに、第4実施形態の動作について説明する。第4実施形態では、センター装置20から伝送される光信号が通信信号となっている点、および、D−ONU51−1−1〜51−n−rから上り光信号が出力される点が異なっている。これら以外の動作は
図3の場合と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0063】
以上に説明したように、第4実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、光信号を伝送する光ファイバ31c−1〜31c−n及び光ファイバ32c−1〜32c−nが正常である場合に監視光を伝送する光ファイバ31a,31b,32a,32bに障害が発生しても、光ファイバ31c−1〜31c−nを含む光ケーブル31全体および光ファイバ32c−1〜32c−nを含む光ケーブル32全体に障害が発生したと誤判定されることを防止できる。また、加入者宅に光伝送路監視用の光源を配置する必要がないことから、加入者の誤操作による誤判定の発生を防ぐとともに、電気料金を加入者に負担させることを防止できる。また、加入者の契約解除や引越し等、管理面の課題もなくなる。
【0064】
(F)本発明の第5実施形態の説明
つぎに、第5実施形態について説明する。
図6は第5実施形態の構成例を示す図である。なお、
図6において
図5と対応する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。
図6は、
図5と比較すると、ケーブル監視用光源60、光ファイバ31a,32a、および、折り返し部41,42が除外され、合波部44−1が合波・分岐部45−1に置換されている。これら以外の構成は
図5の場合と同様である。
【0065】
つぎに、第5実施形態の動作について説明する。第5実施形態は、センター装置20から伝送される光信号が通信信号となっている点、および、D−ONU51−1−1〜51−n−rからセンター装置20に対して上り光信号が伝送される点が異なっているが、基本的な動作は
図4に示す第3実施形態の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0066】
図6では
図5における合波部44−1のみ合波・分岐部45−1に置き換える構成としたが、
図5における合波部44−2〜44−nについても合波・分岐部45−2〜45−nに置き換え、監視光を折り返して別途用意された光ファイバを介して伝送し新たに設けられた受光判定部で監視するようにしても良い。
【0067】
第5実施形態によれば、通信信号を伝送する場合であっても、
図4に示す第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0068】
(G)本発明の第6実施形態の説明
つぎに、本発明の第6実施形態について説明する。
図7は第6実施形態の構成例を示す図である。なお、
図7において、
図5と対応する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。
図7は、
図5と比較すると、光送信器10、光増幅器11、および、光分岐部12が追加され、光分岐部12の出力は2×2光スイッチ25−1に接続されている。また、光分岐部71の出力は、2×2光スイッチ25−2〜25−nに接続されている。また、受光判定部24−1から光フィルタ24−1cが除外され、合波部44−1にはD−ONU51−1−1〜51−1−pに代えて、V−ONU50−1−1〜50−1−pが接続されている。それ以外の構成は、
図5の場合と同様である。
【0069】
つぎに、第6実施形態の動作について説明する。第6実施形態では、2×2光スイッチ25−1には映像信号を含む光信号が供給され、この光信号は、合波部44−1を介してV−ONU50−1−1〜50−1−pに供給される。一方、光分岐部71から出力された通信信号を含む光信号は2×2光スイッチ25−2〜25−nおよび合波部44−2〜44−nを介してD−ONU51−2−1〜51−n−rに伝送される。また、D−ONU51−2−1〜51−n−rから出力される上り光信号は合波部44−2〜44−nで分岐され、光ケーブル31(光ファイバ31c−1〜31c−n)が現用系に設定されている場合(2×2光スイッチ25−1〜25−nが実線で示された状態の場合)、一方は光ファイバ31c−2〜31c−nを介して2×2光スイッチ25−2〜25−nに到達し、光分岐部71を経てOLT70へ供給される。もう一方は光ファイバ32c−2〜32c−nを介して2×2光スイッチ25−2〜25−nに到達し、受光判定部24−2〜24−nに入射される。光ケーブル32(光ファイバ32c−1〜32c−n)が現用系に設定されている場合(2×2光スイッチ25−1〜25−nが破線で示された状態の場合)は、光ファイバ32c−2〜32c−nを介して伝送される光信号が2×2光スイッチ25−2〜25−n、光分岐部71を経てOLT70へ供給され、光ファイバ31c−2〜31c−nを介して伝送される光信号が2×2光スイッチ25−2〜25−nを経て受光判定部24−1〜24−nに入射される。受光判定部24−2〜24−nでは、光フィルタ24−2c〜24−ncによって上り光信号が減衰されるとともに、折り返し部43−2〜43−nによって折り返された光信号が抽出され、判定部24−2a〜24−naに供給され、光ファイバ31c−2〜31c−nおよび光ファイバ32c−2〜32c−nの障害発生の有無が判定される。
【0070】
なお、
図7では光ファイバ1系統(光ファイバ31c−1、光ファイバ32c−1)を映像用とし、その他(光ファイバ31c−2〜31c−n、光ファイバ32c−2〜32c−n)を通信用としたが、映像用の光ファイバ系統を増やしても良い。
【0071】
以上に説明したように、第6実施形態では、映像信号と通信信号が一の光ケーブル内にて伝送されている場合であっても、
図3に示す第2実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0072】
(H)本発明の第7実施形態の説明
つぎに、本発明の第7実施形態について説明する。
図8は第7実施形態の構成例を示す図である。なお、
図8において、
図7と対応する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。
図8は、
図7と比較すると、ケーブル監視用光源60、光ファイバ31a,32a、および、折り返し部41,42が除外され、合波部44−1が合波・分岐部45−1に置換されている。これら以外の構成は、
図7と同様である。
【0073】
つぎに、第7実施形態の動作について説明する。第7実施形態は、
図4に示す第3実施形態と比較すると、光ファイバ31c−2〜31c−nおよび光ファイバ32c−2〜32c−nを伝送される光信号が通信信号を含むこと、上り光信号が伝送されることが異なっているが、それ以外は
図4の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0074】
図8では
図7における合波部44−1のみ合波・分岐部45−1に置き換える構成としたが、
図7における合波部44−2〜44−nについても合波・分岐部45−2〜45−nに置き換え、監視光を折り返して別途用意された光ファイバを介して伝送し新たに設けられた受光判定部で監視するようにしても良い。
【0075】
以上に説明したように、本発明の第7実施形態によれば、映像信号と通信信号が一の光ケーブル内にて伝送されている場合であっても、前述した
図4に示す第3実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
【0076】
(I)本発明の第8実施形態の説明
つぎに、本発明の第8実施形態について説明する。
図9は第8実施形態の構成例を示す図である。なお、
図9において、
図7と対応する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。
図9は、
図7と比較すると、光分岐部12,71と2×2光スイッチ25−1〜25−nの間に光フィルタ80−1〜80−nが挿入されている。また、受光判定部24の代わりに受光判定部24−1が配置され、光フィルタ24−1cが追加され、合波部44−1〜44−nにはV−ONU50−1−1〜50−n−rおよびD−ONU51−1−1〜51−n−rが接続されている。それ以外の構成は、
図7と同様である。ここで、光フィルタ80−1は、光分岐部12から供給される光信号と、光分岐部71から供給される光信号を合波して2×2光スイッチ25−1に入射するとともに、2×2光スイッチ25−1から供給される上り光信号を抽出して光分岐部71に供給する。光フィルタ80−2〜80−nも同様に、光分岐部12から供給される光信号と、光分岐部71から供給される光信号を合波して2×2光スイッチ25−2〜25−nに入射するとともに、2×2光スイッチ25−2〜25−nから出力される上り光信号を抽出して光分岐部71に供給する。
【0077】
つぎに、第8実施形態の動作について説明する。第8実施形態では、光ファイバ31c−1〜31c−n,32c−1〜32c−nには映像信号を含む光信号と通信信号を含む光信号とが波長多重された光信号が伝送され、合波部44−1〜44−nに接続されたV−ONU50−1−1〜50−n−rおよびD−ONU51−1−1〜51−n−rに供給される。また、D−ONU51−1−1〜51−n−rから出力された上り光信号は、合波部44−1〜44−n、光ファイバ31c−1〜31c−n,32c−1〜32c−n、および、光フィルタ80−1〜80−nを介して光分岐部71に供給される。なお、これ以外の動作は、
図7と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0078】
以上に説明したように、第8実施形態によれば、映像信号と通信信号が波長多重された光信号を光ファイバ31c−1〜31c−n,32c−1〜32c−nに伝送する場合であっても、
図3に示す第2実施形態と同様の効果を期待することができる。
【0079】
(J)本発明の第9実施形態の説明
つぎに、本発明の第9実施形態について説明する。
図10は第9実施形態の構成例を示す図である。なお、
図10において、
図9と対応する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。
図10は、
図9と比較すると、ケーブル監視用光源60、光ファイバ31a,32a、および、折り返し部41,42が除外され、合波部44−1が合波・分岐部45−1に置換されている。それ以外の構成は
図9の場合と同様である。
【0080】
つぎに、第9実施形態の動作について説明する。第9実施形態の動作は、
図9に示す第8実施形態と比較すると、光ファイバ31b,32bを伝送される監視光が、合波・分岐部45−1によって生成される以外は、
図9に示す第8実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0081】
図10では
図9における合波部44−1のみ合波・分岐部45−1に置き換える構成としたが、
図9における合波部44−2〜44−nについても合波・分岐部45−2〜45−nに置き換え、監視光を折り返して別途用意された光ファイバを介して伝送し新たに設けられた受光判定部で監視するようにしても良い。
【0082】
以上に説明したように、第9実施形態によれば、映像信号と通信信号が波長多重された光信号を光ファイバ31c−1〜31c−n,32c−1〜32c−nに伝送する場合であっても、
図4に示す第3実施形態と同様の効果を期待することができる。
【0083】
(K)本発明の第10実施形態の説明
つぎに、本発明の第10実施形態について説明する。
図11は第10実施形態の構成例を示す図である。なお、
図11において、
図9と対応する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。
図11は、
図9と比較すると、OLT70および光分岐部71が除外され、CMTS(Cable Modem Termination System)91、光送信器92−1〜92−3、および、光受信器93−1〜93−3が追加され、また、V−ONU50−1−1〜50−n−rおよびD−ONU51−1−1〜51−n−rがR−ONU(RFoG(RF Over Glass))52−1−1〜52−n−rに置換されている。これら以外の構成は、
図9と同様である。ここで、CMTS91は、ケーブルテレビシステムにおいてネットワークとの接続を可能とするための装置である。光送信器92−1〜92−3は、CMTS91から出力される電気信号を光信号に変換して出力する。光受信器93−1〜93−3は、2×2光スイッチ25−1〜25−nから出力される光信号を電気信号に変換してCMTS91に出力する。R−ONU52−1−1〜52−n−rは、合波部44−1〜44−nから出力される光信号を電気信号に変換するとともに、電気信号を光信号に変換して合波部44−1〜44−nに出力する。
【0084】
つぎに、第10実施形態の動作について説明する。第10実施形態では、CMTS91から供給される通信信号を含む電気信号が光送信器92−1〜92−3によって光信号に変換されて出力される。また、光分岐部12からは映像信号を含む光信号が出力される。光フィルタ80−1〜80−nは通信信号を含む光信号と、映像信号を含む光信号を波長多重して出力する。また、光フィルタ80−1〜80−nは、2×2光スイッチ25−1〜250nから供給される上り光信号を抽出して光受信器93−1〜93−3に供給する。なお、これ以外の動作は、
図9の場合と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0085】
以上に説明したように、第10実施形態によれば、映像信号とCMTSを用いた通信信号が波長多重された光信号を光ファイバ31c−1〜31c−n,32c−1〜32c−nに伝送する場合であっても、
図3に示す第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0086】
(L)本発明の第11実施形態の説明
つぎに、本発明の第11実施形態について説明する。
図12は第11実施形態の構成例を示す図である。なお、
図12において、
図11と対応する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。
図12は、
図11と比較すると、ケーブル監視用光源60、光ファイバ31a,32a、および、折り返し部41,42が除外され、合波部44−1が合波・分岐部45−1に置換されている。それ以外の構成は
図11の場合と同様である。
【0087】
つぎに、第11実施形態の動作について説明する。第11実施形態の動作は、
図11に示す第10実施形態と比較すると、光ファイバ31b,32bを伝送される監視光が、合波・分岐部45−1によって生成される以外は、
図11に示す第10実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0088】
以上に説明したように、第11実施形態によれば、映像信号とCMTSを用いた通信信号が波長多重された光信号を光ファイバ31c−1〜31c−n,32c−1〜32c−nに伝送する場合であっても、
図4に示す第3実施形態と同様の効果を期待することができる。
【0089】
(M)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の各実施形態では、各光ケーブルはn本の光信号用の光ファイバ(光ファイバ31c−1〜31c−n,32c−1〜32c−n)を有し、センター装置20にはn台の受光判定部(受光判定部24−1〜24−n)を設けるようにしたが、光ファイバと同じ台数ではなく、光ファイバの本数よりも少ない台数の受光判定部を設けるようにしてもよい。もちろん、台数を1としてもよい。
【0090】
また、以上の各実施形態では、各ケーブルにつき一系統の監視光を伝送する光ファイバを設けた構成としたが、各ケーブルにつき二系統以上の監視光用の光ファイバを設けてもよい。
【0091】
また、以上の各実施形態では、説明を簡略化するために受光判定部24−1に注目して説明を行ったが、もちろん、前述した判定と同様の判定は他の受光判定部24−2〜24−nにおいても実行することができる。この場合、制御部21は、各受光判定部24−1〜24−nの判定結果を参照し、光ケーブル31に障害が発生している可能性が高い場合には2×2光スイッチ25−1〜25−nを一括して切り換えるようにしても良い。また、一部の受光判定部のみが障害が発生していると判定している場合には、障害が発生していると判定している受光判定部に対応する2×2光スイッチのみを切り換えるようにしてもよい。もちろん、一部の受光部のみが障害が発生していると判定している場合には誤判定の可能性があるので、アラームだけ発出し、切り換えは保留するようにしてもよい
【0092】
また、以上の各実施形態では、
図2に示すように、判定部23aの判定結果が〇の場合を例に挙げて説明を行ったが、判定部23aの判定結果が×の場合も判定対象とするようにしてもよい。
【0093】
また、以上の各実施形態ではセンター装置20とクロージャ40が対向で配置される例を示したが、センター装置20に対して複数のクロージャがループ状に配置される光伝送システム(後述する
図13参照)や複数のクロージャが縦列に並んで配置される光伝送システム(後述する
図14参照)、また、これらが組み合わせられた光伝送システムにも適用可能である。
【0094】
例えば、クロージャがループ状に配置される光伝送システムに第1実施形態を拡張した構成例を
図13に示す。この例ではセンター装置20に対して、2つのクロージャ401,402が光ケーブル31,32,33を介して接続され、それぞれのクロージャ401,402が有する合波部441−1,442−1に対してV−ONU50−1−1〜50−1−p,50−2−1〜50−2−rがそれぞれ接続されている。この構成においても第1実施形態に示した手法により光ファイバの障害発生の有無を判定することができる。
【0095】
すなわち、合波部441−1に光信号を伝送する光ファイバの障害検出については、光ファイバ311aを介して伝送され、クロージャ401に配置した折り返し部411によって折り返され、光ファイバ311bに入射され、受光判定部221に到達する監視光の判定結果と、光ファイバ321aを介して伝送され、クロージャ401に配置した折り返し部412によって折り返され、光ファイバ321bに入射され、受光判定部231に到達する監視光の判定結果と、2×2光スイッチ251−1から出力され、光ファイバ311c−1または321c−1を介して伝送され、クロージャ401に配置した折り返し部431−1により折り返されて、光ファイバ321c−1または311c−1に入射され、2×2光スイッチ251−1を介して受光判定部241−1に到達する光信号の判定結果とは、合波部441−1に着目してみれば、それぞれ
図1における受光判定部22、受光判定部23、受光判定部24−1の判定結果と同様に扱うことができる。
【0096】
また、合波部442−1に光信号を伝送する光ファイバの障害検出については、光ファイバ312aを介して伝送され、クロージャ402に配置した折り返し部421によって折り返され、光ファイバ312bに入射され、受光判定部222に到達する監視光の判定結果と、光ファイバ322aを介して伝送され、クロージャ402に配置した折り返し部422によって折り返され、光ファイバ322bに入射され、受光判定部232に到達する監視光の判定結果と、2×2光スイッチ252−1から出力され、光ファイバ312c−1または322c−1を介して伝送され、クロージャ402に配置した折り返し部432−1により折り返されて、光ファイバ322c−1または312c−1に入射され、2×2光スイッチ252−1を介して受光判定部242−1に到達する光信号の判定結果とは、合波部442−1に着目してみれば、それぞれ
図1における受光判定部22、受光判定部23、受光判定部24−1の判定結果と同様に扱うことができる。
【0097】
なお、
図13では光ファイバ311aと光ファイバ312aとが別芯となる例を示したが、光ファイバ311aを省略し、光ファイバ312aを介して伝送される監視光の一部をクロージャ401に配置した折り返し部(不図示)によって折り返して光ファイバ311bに入射し、光ファイバ312aを介して伝送され、クロージャ402に配置した折り返し部421で折り返される監視光を光ファイバ312bへ入射するようにしても良い。同様に、
図13では光ファイバ321aと光ファイバ322aとが別芯となる例を示したが、光ファイバ322aを省略し、光ファイバ321aを介して伝送される監視光の一部をクロージャ402に配置した折り返し部(不図示)によって折り返して光ファイバ322bに入射し、光ファイバ321aを介して伝送され、クロージャ401に配置した折り返し部412で折り返される監視光を光ファイバ321bへ入射するようにしても良い。
【0098】
なお、
図13では簡略化のためクロージャに配置される合波部が1つの場合を例として説明したが、
図1と同様に合波部が複数配置されるようにし、複数の光ファイバを経由して、センター装置20内に配置される複数の2×2光スイッチにそれぞれ接続されるようにしても良い。
【0099】
つぎに、例えば、クロージャが縦列に並んでいる光伝送システムに第1実施形態を拡張した構成例を
図14に示す。この例ではセンター装置20に対して、光ケーブル31,32を介してクロージャ401が接続され、光ケーブル31,33および光ケーブル32,34を介してクロージャ402が接続され、それぞれのクロージャ401,402が有する合波部441−1,442−1に対してV−ONU50−1−1〜50−1−p,50−2−1〜50−2−rがそれぞれ接続されている。この構成においても第1実施形態に示した手法により光ファイバの障害発生の有無を判定することができる。
【0100】
すなわち、合波部441−1に光信号を伝送する光ファイバの障害検出については、光ファイバ311aを介して伝送され、クロージャ401に配置した折り返し部411によって折り返され、光ファイバ311bに入射され、受光判定部221に到達する監視光の判定結果と、光ファイバ321aを介して伝送され、クロージャ401に配置した折り返し部412によって折り返され、光ファイバ321bに入射され、受光判定部231に到達する監視光の判定結果と、2×2光スイッチ251−1から出力され、光ファイバ311c−1または光ファイバ321c−1を介して伝送され、クロージャ401に配置した折り返し部431−1により折り返されて、光ファイバ321c−1または光ファイバ311c−1に入射され、2×2光スイッチ251−1を介して受光判定部241−1に到達する光信号の判定結果とは、合波部441−1に着目してみれば、それぞれ
図1における受光判定部22、受光判定部23、受光判定部24−1の判定結果と同様に扱うことができる。
【0101】
また、合波部442−1に光信号を伝送する光ファイバの障害検出については、光ファイバ312aを介して伝送され、クロージャ402に配置した折り返し部421によって折り返され、光ファイバ312bに入射され、受光判定部222に到達する監視光の判定結果と、光ファイバ322aを介して伝送され、クロージャ402に配置した折り返し部422によって折り返され、光ファイバ322bに入射され、受光判定部232に到達する監視光の判定結果と、2×2光スイッチ252−1から出力され、光ファイバ312c−1または光ファイバ322c−1を介して伝送され、クロージャ402に配置した折り返し部432−1により折り返されて、光ファイバ322c−1または312c−1に入射され、2×2光スイッチ252−1を介して受光判定部242−1に到達する光信号の判定結果は、合波部442−1に着目してみれば、それぞれ
図1における受光判定部22、受光判定部23、受光判定部24−1の判定結果と同様に扱うことができる。
【0102】
なお、
図14では光ファイバ311aと光ファイバ312aとが別芯となる例を示したが、光ファイバ311aを省略し、光ファイバ312aを介して伝送される監視光の一部をクロージャ401に配置した折り返し部(不図示)によって折り返して光ファイバ311bに入射し、光ファイバ312aを介して伝送され、クロージャ402に配置した折り返し部421で折り返される監視光を光ファイバ312bへ入射するようにしても良い。同様に、
図14では光ファイバ321aと光ファイバ322aとが別芯となる例を示したが、光ファイバ321aを省略し、光ファイバ322aを介して伝送され監視光の一部をクロージャ401に配置した折り返し部(不図示)によって折り返して光ファイバ321bに入射し、光ファイバ322aを介して伝送され、クロージャ402に配置した折り返し部422で折り返される監視光を光ファイバ322bへ入射するようにしても良い。
【0103】
なお、
図14では簡略化のためクロージャに配置される合波部が1つの場合を例として説明したが、
図1と同様に合波部が複数配置されるようにし、複数の光ファイバを経由して、センター装置20内に配置される複数の2×2光スイッチと接続されるようにしても良い。
【0104】
なお、
図13、
図14では第1実施形態を拡張した構成例を示したが、第2〜第11実施形態にも適用可能である。更に、
図13、
図14ではクロージャが2個の例を示したが、3個以上配置される光伝送システムにも適用可能である。
【0105】
また、以上の各実施形態では、各光ケーブルについて監視光を設ける構成としたが、必要に応じて、例えば現用系のみ監視したい場合は、予備系の監視光を省略することもできる。