【実施例】
【0041】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により何等制限されるものではない。
以下の実施例1〜15のうち、実施例4、7、8、11、12、15及び16は参考例であり、本発明の範囲外である。
【0042】
<ペースト状フラワーペーストの製造>
〔実施例1〕
パーム油25質量%に、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%及びローカストビーンガム0.05質量%を添加し分散させて油相とした。水38.45質量%、小麦粉1質量%、砂糖30質量%、WPC(ホエータンパク質濃縮物)2質量%、及び、卵黄0.5質量%を混合し水相とした。この油相と水相とを加熱溶解、混合、乳化、均質化し、掻き取り式加熱装置で100℃で2分間加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは、後述の冷蔵試験、冷凍試験、及び、食感・物性評価に供した。
【0043】
〔実施例2〕
実施例1における、ローカストビーンガム0.05質量%を0.02質量%に、水の配合量38.45質量%を38.48質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0044】
〔実施例3〕
実施例1における、ローカストビーンガム0.05質量%を0.1質量%に、水の配合量38.45質量%を38.4質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0045】
〔実施例4〕
実施例1における、ローカストビーンガム0.05質量%を0.2質量%に、水の配合量38.45質量%を38.3質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0046】
〔実施例5〕
実施例1における、ローカストビーンガム0.05質量%を等量のグアーガムに変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0047】
〔実施例6〕
実施例1における、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%を1.5質量%に、水の配合量38.45質量%を39.95質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0048】
〔実施例7〕
実施例1における、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%を6質量%に、水の配合量38.45質量%を35.45質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0049】
〔実施例8〕
実施例1における、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%を6質量%に、ローカストビーンガム0.05質量%を0.2質量%に、水の配合量38.45質量%を35.3質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0050】
〔実施例9〕
実施例1における、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%を未化工のワキシーコーン澱粉3質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0051】
〔実施例10〕
実施例1における、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%を同澱粉の糊化澱粉3質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0052】
〔実施例11〕
実施例1における、パーム油25質量%を10質量%に、水の配合量38.45質量%を53.45質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0053】
〔実施例12〕
実施例1における、パーム油25質量%を40質量%に、水の配合量38.45質量%を23.45質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0054】
〔実施例13〕
実施例1において油相に添加していたワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%及びローカストビーンガムを、水相に添加して製造した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0055】
〔比較例1〕
実施例1における、ローカストビーンガム0.05質量%を無添加に、水の配合量38.45質量%を38.5質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0056】
〔比較例2〕
実施例1における、ローカストビーンガム0.05質量%を等量のキサンタンガムに変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0057】
〔比較例3〕
実施例1における、ローカストビーンガム0.05質量%を等量のゼラチン粉末に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0058】
〔比較例4〕
実施例1における、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%を6質量%に、ローカストビーンガム0.05質量%を等量のキサンタンガムに、水の配合量38.45質量%を35.45質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0059】
〔比較例5〕
実施例1における、ローカストビーンガム0.05質量%をキサンタンガム0.2質量%に、水の配合量38.45質量%を38.3質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0060】
〔比較例6〕
実施例1におけるワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%を6質量%に、ローカストビーンガム0.05質量%をキサンタンガム0.2質量%に、水の配合量38.45質量%を35.3質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0061】
〔比較例7〕
実施例1におけるパーム油25質量%を無添加に、水の配合量38.45質量%を63.45質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0062】
〔比較例8〕
実施例1におけるパーム油25質量%を無添加に、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%を6質量%に、水の配合量38.45質量%を60.45質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0063】
〔比較例9〕
実施例1におけるパーム油25質量%を55質量%に、水の配合量38.45質量%を8.45質量%に変更した以外は、実施例1と同一の配合・製法で、ペースト状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例1と同様の試験及び評価を行った。
【0064】
<冷蔵試験>
上記実施例1〜13及び比較例1〜9で得られたフラワーペーストを、100ml容のポリカップに20g充填し、5℃で1週間冷蔵保存した際の水分分離状況を以下の評価基準に従って、評価を行ない、その結果を表1に記した。
【0065】
・水分分離状況の評価基準
−:離水が全く見られなかった。
±:わずかに離水が見られた。
+:顕著な離水が見られた。
++:激しい離水が見られた。
【0066】
【表1】
【0067】
<冷凍試験>
上記実施例1〜13及び比較例1〜9で得られたフラワーペーストを、100ml容のポリカップに20g充填し、−20℃で3週間冷凍保存した後、10℃の恒温器で一晩解凍した際の乳化状態を以下の評価基準に従って、評価を行ない、その結果を表2に記した。
【0068】
・乳化状態の評価基準
◎:油分分離は全く見られなかった。
○:油分分離は見られなかったがやや艶がなかった。
△:組織がややごわごわになり若干の油分分離が見られた。
×:組織がごわごわになり顕著な油分分離が見られた。
××:組織が破壊され激しい油分分離が見られた。
【0069】
【表2】
【0070】
<物性及び食感評価>
上記実施例1〜13及び比較例1〜9で得られたフラワーペーストを、5℃で24時間冷蔵保存した後、これを絞り袋に入れ、板口金でスプレッドし、その物性及び食感を以下の評価基準に従って評価を行ない、その結果を表3に記した。
【0071】
・物性(スプレッド性)評価基準
◎:べたつきも無く、適度な硬さであり、極めて良好である。
○:やや硬いものの、良好である。
○−:ややべたつくが良好
△:弾性が強く、不良である。
×:粘性が強く、不良である。
××:流動状であり、極めて不良である。
【0072】
・食感(口溶け)評価基準
◎:極めて良好な口溶けである。
○:良好な口溶けである。
○−:ややねばつきがあるが良好である。
△:ねばつきがあり、やや不良である。
×:べとつきが激しく、不良である。
××:やや硬く不良な口溶けである。
【0073】
・食感(ボディー感)評価基準
◎:極めて良好なボディー感が感じられる。
○:良好なボディー感を感じる。
○−:ボディー感がやや強いが良好
△:ボディー感があまり感じられない。
×:口中分散性が高く、ボディー感が全く感じられない。
【0074】
【表3】
【0075】
上記実験例からわかるように、ワキシースターチ由来の澱粉、及び、ガラクトマンナンを含有し、油分含量が5〜45質量%であるフラワーペースト類は冷蔵耐性、冷凍耐性、物性及び食感のすべてが良好であるのに対し、増粘安定剤を含まないフラワーペースト類は口溶けは良好であるがそれ以外は不良であり(比較例1)、ガラクトマンナンに代えて他の増粘安定剤を使用した場合は物性や食感は若干改善されるものの、冷蔵耐性及び冷凍耐性は不良であることがわかる(比較例2及び比較例3)。そしてその冷蔵及び冷凍耐性は、澱粉や増粘安定剤の増量では補えないことがわかる。(比較例4〜6)。
なお、油分含量が5質量%未満であると物性及び食感が不良であり(比較例7、8)、油分含量が50質量%を超えるとガラクトマンナンを使用しても冷凍時の油分分離が発生してしまうことに加え食感、特にボディー感が失われる(比較例9)。
【0076】
<シート状フラワーペーストの製造>
〔実施例14〕
パーム油25質量%に、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%及びローカストビーンガム0.05質量%を添加し分散させて油相とした。水37.45質量%、小麦粉1質量%、砂糖30質量%、WPC(ホエータンパク質濃縮物)2質量%、ゼラチン1質量%、及び、卵黄0.5質量%を混合し水相とした。この油相と水相とを加熱、溶解、混合、乳化、均質化し、掻き取り式加熱装置で100℃で2分間加熱殺菌し、厚さ0.2mmポリエチレン製の包材にピロー充填後、22℃まで冷却し、長さ400mm、幅200mm、厚さ8mmのシート状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは、後述の包材剥離性試験、及び、ベーカリー試験に供した。
【0077】
〔実施例15〕
実施例14における、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%を6質量%に、水の配合量37.45質量%を34.45質量%に変更した以外は、実施例14と同一の配合・製法で、シート状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例14と同様の試験及び評価を行った。
【0078】
〔実施例16〕
実施例14における、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%を6質量%に、ローカストビーンガム0.05質量%を0.2質量%に、水の配合量37.45質量%を34.3質量%に変更した以外は、実施例14と同一の配合・製法で、シート状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例14と同様の試験及び評価を行った。
【0079】
〔比較例10〕
実施例14における、ローカストビーンガム0.05質量%を等量のキサンタンガムに変更した以外は、実施例14と同一の配合・製法で、シート状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例14と同様の試験及び評価を行った。
【0080】
〔比較例11〕
実施例14における、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉3質量%を6質量%に、ローカストビーンガム0.05質量%をキサンタンガム0.2質量%に、水の配合量37.45質量%を34.3質量%に変更した以外は、実施例14と同一の配合・製法で、シート状であるカスタード風味フラワーペーストを得た。
得られたフラワーペーストは実施例14と同様の試験及び評価を行った。
【0081】
<包材剥離性試験>
上記実施例14〜16及び比較例10〜11で得られたフラワーペーストを、5℃で24時間冷蔵保存した後、包材剥離性を以下の評価基準に従って、評価を行ない、その結果を表4に記した。
【0082】
・包材剥離性評価基準
◎:包材への付着が全く見られなかった。
○:包材への付着が全く見られなかったが、やや艶がなかった。
△:わずかに包材への付着が見られた。
×:はっきりした包材への付着が見られた。
【0083】
【表4】
【0084】
<ベーカリー試験>
実施例14〜16及び比較例10〜11で得られたシート状のフラワーペーストを使用し、下記配合・製法により、フラワーペースト折り込みデニッシュをそれぞれ製造した。
得られたフラワーペースト折り込みデニッシュについて、以下の評価基準に従って、ロールイン時の作業性、及び、フラワーペースト部分の食感の評価を行ない、その結果を以下の表5に記した。
【0085】
(デニッシュ生地の配合)
強力粉50質量部、薄力粉50質量部、脱脂粉乳3質量部、食塩1.5質量部、全卵(正味)8質量部、イースト3質量部、イーストフード0.1質量部、練込用マーガリン10質量部、冷水48質量部、チップ状マーガリン70質量部。
【0086】
(デニッシュ生地の製法)
強力粉、薄力粉、脱脂粉乳、イーストフード、練込用マーガリンをミキサーボールに入れ、縦型ミキサーを用い、低速で各材料が均一になるまで3分混合した後、冷凍しておいたチップ状マーガリンを入れ、更に低速で1分混合した。更に、撹拌しながらイーストと食塩を溶いた冷水、全卵を加え、低速で2分混合し、捏ね上げ温度を20℃とした。次いで、20分フロアタイムを取った後、−20℃の冷凍庫にて60分生地を冷却し、リバースシーターにて3つ折りを3回行ない、27層のデニッシュ生地を得た。
【0087】
(フラワーペースト折り込みデニッシュの製法)
上記デニッシュ生地を厚さ6mmに圧延し、デニッシュ生地100質量部に対し、シート状のフラワーペースト50質量部を積置後、包み込み、リバースシーターで3つ折り2回のロールイン操作を行ない、243層(フラワーペースト層は9層)の積層生地である複合生地を得た。この複合生地を2℃で4時間冷却した後、厚さ10mmまで圧延し、幅30mm、長さ150mmにカットして中央に1本切り込みを入れ、端部を3回くぐらせた蒟蒻成型とし、これを天板に並べ、温度34℃、相対湿度80%のホイロで50分醗酵させた後、上火200℃、下火180℃に設定した固定窯で14分焼成した。
【0088】
・ロールイン時作業性(伸展性と生地との密着性)評価基準
◎:適度な硬さであり、伸展性も良好であり、切れも見られない。
○+:やや硬いが、伸展性は良好である。
○−:やや軟らかいが、伸展性は良好である。
△+:硬すぎて伸展性が悪く、やや切れが見られる。
△−:べたつきがあり、やや生地の滑りが見られる。
×+:硬すぎて伸展性が極めて悪く、切れが多い。
×−:べたつきが激しく、生地からのはみ出し、生地の滑りが見られる。
【0089】
・食感評価基準
◎:極めて良好な口溶けであり、且つ、ボディー感のある滑らかな食感である。
○:良好な口溶けであり、且つ、ボディー感のある滑らかな食感である。
△:ややねばつきがあり、やや不良である。
×:ねばつきが激しく、不良である。
【0090】
【表5】
【0091】
上記実験例からわかるように、ワキシースターチ由来の澱粉、及び、ガラクトマンナンを含有し、油分含量が5〜45質量%であるフラワーペースト類は包材剥離性、物性及び食感のすべてが良好であるのに対し、ガラクトマンナンに代えて他の増粘安定剤を等量置換した場合は包材剥離性、ロールイン時作業性及び食感のすべてが不良であり(比較例10)、増粘安定剤の添加量を増やすことで伸展性は改善されるが食感や包材剥離性は改善されないことがわかる(比較例11)。