特許第6102154号(P6102154)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6102154
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】屋外タンクの防水施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04D 5/00 20060101AFI20170316BHJP
【FI】
   E04D5/00 D
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-216714(P2012-216714)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-70406(P2014-70406A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2014年8月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100114513
【弁理士】
【氏名又は名称】重松 沙織
(74)【代理人】
【識別番号】100120721
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 克成
(74)【代理人】
【識別番号】100124590
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 武史
(72)【発明者】
【氏名】塩野 嘉幸
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 晃洋
(72)【発明者】
【氏名】宇野 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】中島 剛
(72)【発明者】
【氏名】山口 久治
(72)【発明者】
【氏名】依田 昌弘
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3580887(JP,B2)
【文献】 特開2012−153129(JP,A)
【文献】 特開2000−320085(JP,A)
【文献】 特開2000−273419(JP,A)
【文献】 特開2008−231812(JP,A)
【文献】 特開昭56−064978(JP,A)
【文献】 特開昭58−011689(JP,A)
【文献】 特開2006−052384(JP,A)
【文献】 特開平03−172428(JP,A)
【文献】 特開2010−280911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 5/00−5/14
B65D 88/00
B32B 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート、モルタル、アスファルトコンクリート、アスファルトモルタル又はアスファルトサンドにて形成された土台上に設置した屋外タンクの底部と前記土台との境界部分を、シリコーンゴムからなる基材ゴムの片面に、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物(但し、無機充填剤を含有するシリコーンゴム組成物を除く)の硬化物からなり、アスカーC硬度15〜30の粘着層を積層した複数の防水シートを並設して、これら防水シートの前記粘着層を前記境界部分をはさんで屋外タンクから土台にまたがってプライマーなしに直接貼着することにより液密に被覆すると共に、互に隣接する防水シートの重なり部分の幅を5mm以上として液密に重ね合せて貼着することを特徴とする屋外タンクの防水施工方法。
【請求項2】
防水シートの屋外タンク側の端縁部及び土台側の端縁部にそれぞれシーリング材を施工するようにした請求項1記載の屋外タンクの防水施工方法。
【請求項3】
シーリング材が、シリコーンを主成分とするものである請求項1又は2記載の屋外タンクの防水施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外タンク、主に製油所などに多く設置されている大型タンクの底部側と土台との境界部分への雨水の浸入を防止するのに有効な屋外タンクの防水施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、屋外タンク、主に製油所などに多く設置されている大型タンクには、その底部側と土台との境界部分への雨水の浸入の点で問題があった。この問題の対策として大型タンクの底部側と土台との境界部分をブチル系粘着ゴムシートで覆うことで雨水の浸入を防止することが行われていた。しかし、ブチル系粘着ゴムシートは耐候性、耐熱性、耐寒性に問題があり、雨水の浸入を長期間防止することができずに、屋外タンク底部に錆が発生しタンクが破損する危険性があった。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の遮塩性と防水性を有するシーラント層、保護層、更に表被層を積層した被覆材を用いた場合、雨水の侵入を長期間防止することができず、屋外タンクの底部に錆が発生することがあった。
また、特許文献2に記載の折り返し部を設けたシール材、材質がEPDM系加硫ゴム、未加硫ゴム系ブチルゴムであるシール材を用いた場合も、雨水の侵入を長期間防止することができず、屋外タンクの底部に錆が発生することがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3580887号公報
【特許文献2】特許第4076673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、雨水の浸入を長期間防止することができ、屋外タンク底部に錆が発生せず、タンクの破損を防止するのに好適な屋外タンクの防水施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、防水シートの材質、形状だけの検討だけでは不十分であり、施工方法が重要であること、この場合、屋外タンクと防水シート、土台と防水シートはもちろんであるが、その境界部分も防水シートで完全に覆うことが重要であること、特に防水シートの外周縁がシーリング材で完全に覆われていることが重要であり、とりわけ施工初期段階が重要であることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、上記目的を達成するため、下記の屋外タンク防水施工方法を提供する。
〔1〕
コンクリート、モルタル、アスファルトコンクリート、アスファルトモルタル又はアスファルトサンドにて形成された土台上に設置した屋外タンクの底部と前記土台との境界部分を、シリコーンゴムからなる基材ゴムの片面に、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物(但し、無機充填剤を含有するシリコーンゴム組成物を除く)の硬化物からなり、アスカーC硬度15〜30の粘着層を積層した複数の防水シートを並設して、これら防水シートの前記粘着層を前記境界部分をはさんで屋外タンクから土台にまたがってプライマーなしに直接貼着することにより液密に被覆すると共に、互に隣接する防水シートの重なり部分の幅を5mm以上として液密に重ね合せて貼着することを特徴とする屋外タンクの防水施工方法。

防水シートの屋外タンク側の端縁部及び土台側の端縁部にそれぞれシーリング材を施工するようにした〔1〕記載の屋外タンクの防水施工方法。

シーリング材が、シリコーンを主成分とするものである〔1〕又は〔2〕に記載の屋外タンクの防水施工方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、屋外タンク、主に製油所などに多く設置されている大型タンクの底部側と土台との境界部分への雨水の浸入を防止するのに有効な防水施工方法を提供でき、本発明に係る屋外タンクの防水施工方法によれば、簡単な施工法により確実に屋外タンクの底部側を防水できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】屋外タンクの設置状態を示す概略断面図である。
図2】本発明に係る防水施工方法の一実施例を示す一部省略断面図である。
図3】本発明に係る防水施工方法の他の実施例を示す一部省略断面図である。
図4】本発明に係る防水施工方法の別の実施例を示し、(A)は屋外タンク、土台及びその境界部分を防水シートで覆って配置した状態の一部省略平面図、(B)は重なり部分の断面図である。
図5】本発明に係る防水シートの一実施例を示す断面図である。
図6】本発明に係る防水施工方法の更に別の実施例を示し、防水シートの外周縁をシーリング材で接着した状態の一部省略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る屋外タンクの防水施工方法は、土台上に設置した鋼鉄製等の屋外タンクの底部と土台との境界部分に雨水が浸入するのを防止する目的で、該境界部分をはさんで屋外タンクから土台にまたがって防水シートを貼着配設し、これにより前記境界部分を防水シートにより液密に被覆したものである。
【0011】
その方法の一例について図1を参照して説明すると、図1は、土台20に支持されて設置された屋外タンク30で、この屋外タンク30内には、例えば石油類、アスファルト、種々のガス類などの内容物が収容されている。この屋外タンク30は、通常円柱形をしており、直径10〜80m、高さ10〜50mの大きさで、上記のように土台20上に設置されている。なお、図1において、10は地面である。屋外タンク30のタンク底部はアニュラープレート31にて構成され、土台20とアニュラープレート31との境界部分が屋外タンクと土台との境界部分32である。この境界部分32への雨水侵入を防ぎ、タンク底部の錆、タンクの破損を防止する方法の実施形態を以下に記す。
【0012】
防水シートで屋外タンク、土台との境界部分を露出させることなく、その境界部分を完全に覆うことで雨水の浸入を長期間防止することができ、屋外タンク底部すなわちアニュラープレートに錆が発生せず、タンクの破損を防止できる。防水シートで境界部分を覆う一例について図2を参照して説明すると、土台20とアニュラープレート31との境界部分32を覆うように防水シート40を施工する。また、図3のように防水シート40は屋外タンクの側面を覆うように施工しても良い。
【0013】
ここで、防水シートは、通常、複数枚を用い、これら複数枚を前記境界部分に沿って並設し、境界部分全部を防水シートにて被覆するが、この場合、屋外タンクと土台との境界部分で露出しやすい部分は隣り合う防水シート同士の部分である。図4を参照して説明すると、隣り合う防水シートは重ね合わさることが好ましく、その防水シートの重なり部分50の幅は5mm以上が好ましく、10mm以上が更に好ましく、20mm以上がよりいっそう好ましい。防水シートの重なり部分の幅が5mmより小さい場合は施工中に剥がれが生じることがあり、境界部分32を完全に覆うことができず雨水の侵入が発生するおそれがある。防水シート同士が重なり部分が大きくなる、例えば50mm以上の場合は境界部分32全てを覆うための防水シートの必要量が多くなり、コスト高となる。
【0014】
ここで、防水シート40は、少なくとも片面の土台20及びアニュラープレート31に接する面が粘着性を有するものを用いて施工することが好ましい。これにより境界部分32への雨水侵入防止をより確実に行うことができる。
【0015】
その防水シートの一例について図5を用いて説明すると、基材ゴム41の片面に粘着層42が積層されてなるもので、通常粘着層42上にはカバーフィルム43が剥離可能に積層され、施工時にカバーフィルム43を剥離し、粘着層42を土台20及びアニュラープレート31に接するように施工する。
【0016】
この場合、防水シートは耐候性、耐熱性、耐寒性を有する点からシリコーンが好ましい。図5の例では基材ゴム41はシリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては特に限定されず、従来公知のシリコーンゴム組成物を硬化することにより得られるいずれのシリコーンゴムを用いても良い。粘着層42は粘着性を有するシリコーン樹脂又はゲルが好ましい。土台20はコンクリート、モルタル、アスファルトコンクリート、アスファルトモルタルのいずれかあるいはその組み合せからなる土台と相性の良い防水シート40を用いて施工することが好ましい。
【0017】
なお、上記少なくとも片面に粘着性を有する防水シートにおいて、土台及びアニュラープレート(屋外タンク)と貼着される防水シートの少なくとも片面の粘着力が、屋外タンクと防水シートとでは0.5〜10N/25mmであり、土台と防水シートとでは0.5〜10N/25mmである防水シートを用いて施工を行うことが好ましい。上記粘着力を有する防水シートを使用することで、屋外タンクと防水シートとの境界、土台と防水シートとの境界からの雨水の侵入を長期間防止することができる。上記粘着力より小さい場合は剥がれが生じやすく、その剥がれの部分から雨水の侵入が発生する。上記粘着力より大きい場合は境界部分を完全に覆うために必要となる施工中の部分的な覆い直しの作業がしづらくなり施工時間がかかってしまう。更に上記粘着力がより大きい場合は覆い直しができなくなり境界部分を完全に覆うことができなくなってしまう。
【0018】
また、本発明の施工方法において、防水シート40と土台20及びアニュラープレート31とをプライマーなしに直接貼着するものを用いて施工することが好ましい。気候による寒暖の差や、天候、特に雨雪など水分が多く結露などが発生する場合、施工面が乾燥するまで施工できないといった問題点があったが、本発明の防水施工方法を用いることにより、プライマーレスで施工できるため、接着面に水分が残っていても、ウエスなどで十分拭き取るだけで施工が可能となり、天候回復後直ちに施工が開始できるという画期的な特徴を有している。また、施工中の降雨による雨水の侵入の可能性を大幅に低減できる。
【0019】
更に、図6に示したように、防水シート40の屋外タンク30側の端縁部及び土台20側に端縁部をシーリング材60にて接着施工することが好ましい。これにより、防水施工がより確実になされる。また、上記重ね合せ部50を覆ってシーリング材60にて施工することも好ましい。
シーリング材は公知のシリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系等のいずれのものも使用できるが、シリコーンシーリング材を用いた施工方法が好適である。このようなシーリング材としては、信越化学工業株式会社製のシーラントマスター300、シーラント70、シーラント701等を使用できる。
【実施例】
【0020】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例では部は質量部、%は質量%を示す。
【0021】
[実施例1]
基材ゴム層に、透明な未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物としてミラブル型ジメチルシリコーンゴムコンパウンドKE−571−U(信越化学工業株式会社製、重合度が約5,000)のビニル基含有ジメチルポリシロキサンを主成分とし、BET法による比表面積が200m2/gの乾式シリカを40%以下、分子量700以下の両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー(シリカ分散剤)を10%以下含有し、コンパウンド中にフェニル基は含有していない)100部に、付加(ヒドロシリル化)反応系加硫剤C−25A/B(信越化学工業株式会社製)をそれぞれ0.5/2.0部添加して二本ロールで混練したジメチルシリコーンゴム組成物をカレンダー成形にて、100μmのシボ付のPETフィルム上に厚さ0.7mmのシート状に成形し、連続して、加熱炉で140℃、10分間加熱硬化させて、PETフィルム上に基材ゴム層が積層されたシートを得た。
【0022】
粘着層に両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が1,000であるジメチルポリシロキサン(1)75部、室温(25℃)で固体の(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位、(CH33SiO1/2単位及びSiO2単位からなる樹脂質共重合体(2)[((CH2=CH)(CH32SiO1/2単位+(CH33SiO1/2単位)/SiO2単位(モル比)=0.85、CH2=CH−基含有量:0.0008mol/g]25部を含む50%トルエン溶液を撹拌混合器に入れ、30分混合した後、トルエンを完全に留去した。このシリコーンゴムベース100部に、架橋剤として(CH32HSiO1/2単位とSiO2単位を主成分としたSiH基を有する樹脂質共重合体(4)(SiH基量0.0090mol/g)を0.9部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、粘着剤組成物を得た。
【0023】
上記の基材ゴム層上に、コンマコータを使用して上記粘着剤組成物を1.0mmになるように積層コーティングし、加熱炉で140℃,10分間加熱硬化させて2層の積層硬化シートを得た。なお、基材ゴムの硬さはJIS−A硬度70であり、粘着層の硬さはアスカーC硬度15であった。上記粘着層の表面にPEカバーフィルムを更に積層させ、防水シートとした。
【0024】
得られた防水シートについて基材ゴム側PETフィルム、粘着層側PEフィルムを剥離して、下記に示す各方法により評価した結果を表1に示す。
なお、防水性の評価には、上記のようにして得た300mm×1000mmの防水シートを用い、上記の防水シートを屋外タンクと土台との境界部分に多数連続して施工した。隣り合う防水シートの重なり部分の長さは25mmで施工した。シーラントはシーラントマスター300を使用し、各防水シートの外周縁を20mm埋めるように施工した。
【0025】
[実施例2]
実施例1と同様にして、PETフィルム上に厚さ0.7mm基材ゴム層が積層されたシートを得た。
粘着層に両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が450であるジメチルポリシロキサン(1)70部、室温(25℃)で固体の(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位、(CH33SiO1/2単位及びSiO2単位からなる樹脂質共重合体(2)[((CH2=CH)(CH32SiO1/2単位+(CH33SiO1/2単位)/SiO2単位(モル比)=0.85、CH2=CH−基含有量:0.0008mol/g]30部を含む50%トルエン溶液を撹拌混合に入れ、30分混合した後、トルエンを完全に留去した。このシリコーンゴムベース100部に、架橋剤として分子側鎖に(即ち、分子鎖途中のシロキサン単位上に)SiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(5)(重合度60、SiH基量0.0055mol/g)を3.0部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、粘着剤組成物を得た。
【0026】
実施例1と同様に防水シートを得た。なお、粘着層の硬さはアスカーC硬度30であった。
得られた防水シートについて基材ゴム側PETフィルム、粘着層側PEフィルムを剥離して、実施例1と同様な方法により評価した結果を表1に示す。
【0029】
[実施例
実施例1と同じ防水シートを用い、隣り合う防水シートの重なり部分の長さを5mmとしたこと以外は実施例1と同様に施工、評価した。結果を表1に示す。
【0030】
[比較例1]
実施例1と同じ防水シートを用い、隣り合う防水シートの重なり部分がなく、タンクと土台の境界部分が5mm露出するように施工したこと以外は実施例1と同様に施工、評価した。結果を表1に示す。
【0031】
[各評価項目]
・粘着性
得られた防水シートを幅25mm,長さ100mmに切断し、JIS Z0237に準拠して、コンクリート、モルタル、アスファルトコンクリート、アスファルトモルタル、アスファルトサンドのそれぞれの材質にて4mmの厚さの板に防水シートの粘着層側を貼り付け、室温にて300mm/minの速度にて180°ピールで板と粘着層とを剥離し、その粘着力を測定した。
・長期貼り付け安定性
得られた防水シートを幅25mm,長さ100mmに切断し、材質がコンクリートの4mmの厚さの板に防水シートの粘着層側を貼り付け、50℃、85%RHの湿度で1ヶ月保存した後、室温にて300mm/minの速度にて180°ピールでコンクリート板と粘着層とを剥離し、その粘着力を測定した。
・防水性
初期:施工1ヶ月後に雨水の浸入がないものは○、雨水の浸入があるものは×とした。
長期:施工1年後に雨水の浸入がないものは○、雨水の浸入があるものは×とした。
【0032】
【表1】

【符号の説明】
【0033】
10 地面
20 土台
30 屋外タンク
31 アニュラープレート(屋外タンクの一部)
32 屋外タンクと土台との境界部分
40 防水シート
41 基材ゴム
42 粘着層
43 カバーフィルム
50 重なり部分
60 シーリング材
図1
図2
図3
図4
図5
図6