【実施例】
【0020】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例では部は質量部、%は質量%を示す。
【0021】
[実施例1]
基材ゴム層に、透明な未架橋ジメチルシリコーンゴム配合物としてミラブル型ジメチルシリコーンゴムコンパウンドKE−571−U(信越化学工業株式会社製、重合度が約5,000)のビニル基含有ジメチルポリシロキサンを主成分とし、BET法による比表面積が200m
2/gの乾式シリカを40%以下、分子量700以下の両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー(シリカ分散剤)を10%以下含有し、コンパウンド中にフェニル基は含有していない)100部に、付加(ヒドロシリル化)反応系加硫剤C−25A/B(信越化学工業株式会社製)をそれぞれ0.5/2.0部添加して二本ロールで混練したジメチルシリコーンゴム組成物をカレンダー成形にて、100μmのシボ付のPETフィルム上に厚さ0.7mmのシート状に成形し、連続して、加熱炉で140℃、10分間加熱硬化させて、PETフィルム上に基材ゴム層が積層されたシートを得た。
【0022】
粘着層に両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が1,000であるジメチルポリシロキサン(1)75部、室温(25℃)で固体の(CH
2=CH)(CH
3)
2SiO
1/2単位、(CH
3)
3SiO
1/2単位及びSiO
2単位からなる樹脂質共重合体(2)[((CH
2=CH)(CH
3)
2SiO
1/2単位+(CH
3)
3SiO
1/2単位)/SiO
2単位(モル比)=0.85、CH
2=CH−基含有量:0.0008mol/g]25部を含む50%トルエン溶液を撹拌混合器に入れ、30分混合した後、トルエンを完全に留去した。このシリコーンゴムベース100部に、架橋剤として(CH
3)
2HSiO
1/2単位とSiO
2単位を主成分としたSiH基を有する樹脂質共重合体(4)(SiH基量0.0090mol/g)を0.9部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、粘着剤組成物を得た。
【0023】
上記の基材ゴム層上に、コンマコータを使用して上記粘着剤組成物を1.0mmになるように積層コーティングし、加熱炉で140℃,10分間加熱硬化させて2層の積層硬化シートを得た。なお、基材ゴムの硬さはJIS−A硬度70であり、粘着層の硬さはアスカーC硬度15であった。上記粘着層の表面にPEカバーフィルムを更に積層させ、防水シートとした。
【0024】
得られた防水シートについて基材ゴム側PETフィルム、粘着層側PEフィルムを剥離して、下記に示す各方法により評価した結果を表1に示す。
なお、防水性の評価には、上記のようにして得た300mm×1000mmの防水シートを用い、上記の防水シートを屋外タンクと土台との境界部分に多数連続して施工した。隣り合う防水シートの重なり部分の長さは25mmで施工した。シーラントはシーラントマスター300を使用し、各防水シートの外周縁を20mm埋めるように施工した。
【0025】
[実施例2]
実施例1と同様にして、PETフィルム上に厚さ0.7mm基材ゴム層が積層されたシートを得た。
粘着層に両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が450であるジメチルポリシロキサン(1)70部、室温(25℃)で固体の(CH
2=CH)(CH
3)
2SiO
1/2単位、(CH
3)
3SiO
1/2単位及びSiO
2単位からなる樹脂質共重合体(2)[((CH
2=CH)(CH
3)
2SiO
1/2単位+(CH
3)
3SiO
1/2単位)/SiO
2単位(モル比)=0.85、CH
2=CH−基含有量:0.0008mol/g]30部を含む50%トルエン溶液を撹拌混合に入れ、30分混合した後、トルエンを完全に留去した。このシリコーンゴムベース100部に、架橋剤として分子側鎖に(即ち、分子鎖途中のシロキサン単位上に)SiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(5)(重合度60、SiH基量0.0055mol/g)を3.0部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム組成物を得た。このシリコーンゴム組成物に白金触媒(Pt濃度1%)0.1部を混合し、粘着剤組成物を得た。
【0026】
実施例1と同様に防水シートを得た。なお、粘着層の硬さはアスカーC硬度30であった。
得られた防水シートについて基材ゴム側PETフィルム、粘着層側PEフィルムを剥離して、実施例1と同様な方法により評価した結果を表1に示す。
【0029】
[実施例
3]
実施例1と同じ防水シートを用い、隣り合う防水シートの重なり部分の長さを5mmとしたこと以外は実施例1と同様に施工、評価した。結果を表1に示す。
【0030】
[比較例1]
実施例1と同じ防水シートを用い、隣り合う防水シートの重なり部分がなく、タンクと土台の境界部分が5mm露出するように施工したこと以外は実施例1と同様に施工、評価した。結果を表1に示す。
【0031】
[各評価項目]
・粘着性
得られた防水シートを幅25mm,長さ100mmに切断し、JIS Z0237に準拠して、コンクリート、モルタル、アスファルトコンクリート、アスファルトモルタル、アスファルトサンドのそれぞれの材質にて4mmの厚さの板に防水シートの粘着層側を貼り付け、室温にて300mm/minの速度にて180°ピールで板と粘着層とを剥離し、その粘着力を測定した。
・長期貼り付け安定性
得られた防水シートを幅25mm,長さ100mmに切断し、材質がコンクリートの4mmの厚さの板に防水シートの粘着層側を貼り付け、50℃、85%RHの湿度で1ヶ月保存した後、室温にて300mm/minの速度にて180°ピールでコンクリート板と粘着層とを剥離し、その粘着力を測定した。
・防水性
初期:施工1ヶ月後に雨水の浸入がないものは○、雨水の浸入があるものは×とした。
長期:施工1年後に雨水の浸入がないものは○、雨水の浸入があるものは×とした。
【0032】
【表1】