(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の洗浄液ノズル、第2の洗浄液ノズル及びガスノズルのうちの少なくとも一つのノズルが設けられているノズル移動部は、他のノズルが設けられているノズル移動部とは別個に独立して移動可能なノズル移動部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の基板洗浄装置。
前記第1のノズル移動部に設けられた前記ガスノズルを第1のガスノズルと呼ぶとすると、当該第1のノズル移動部における、前記第1のガスノズルの移動軌跡から外れた位置に第2のガスノズルが設けられ、
前記第2のガスノズルは、第1のガスノズルの吐出位置が基板の中心部から基板の周縁側に移動した後であって、第2のノズル移動部の前記ガスノズルからガスが吐出する前に、基板の周縁側に移動しながらガスを吐出するために用いられ、
前記第2のガスノズルの吐出位置から基板の中心部までの距離は、前記洗浄液ノズルの吐出位置から基板の中心部までの距離よりも短いことを特徴とする請求項4記載の基板洗浄装置。
前記第1の洗浄液ノズル、第2の洗浄液ノズル及びガスノズルのうちの少なくとも一つのノズルが設けられているノズル移動部は、他のノズルが設けられているノズル移動部とは別個に独立して移動可能なノズル移動部に設けられていることを特徴とする請求項8記載の基板洗浄方法。
前記ガスノズルとして、基板の中心部にガスを吐出するときに用いられる第1のガスノズルと、この第1のガスノズルの移動軌跡から外れる位置に設けられ、前記第2の洗浄液ノズルから洗浄液を吐出しながら洗浄液及びガスの各吐出位置を基板の周縁側に移動するときに用いられる第2のガスノズルと、を備えていることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか一項に記載の基板洗浄方法。
前記第1のノズル移動部に設けられた前記ガスノズルを第1のガスノズルと呼ぶとすると、当該第1のノズル移動部における、前記第1のガスノズルの移動軌跡から外れた位置に第2のガスノズルが設けられ、
前記第1のガスノズルの吐出位置が基板の中心部から基板の周縁側に移動した後であって、第2のノズル移動部のガスノズルからガスが吐出する前に、前記第1のノズル移動部を基板の周縁側に移動しながら第2のガスノズルからガスを吐出する工程を更に含み、
前記第2のガスノズルの吐出位置から基板の中心部までの距離は、前記洗浄液ノズルの吐出位置から基板の中心部までの距離よりも短いことを特徴とする請求項12記載の基板洗浄方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情の下になされたものであり、その目的は、基板を回転させながら、基板の表面を洗浄液により洗浄するにあたり、洗浄処理後の液滴の残りを抑制し、残渣を低減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の基板洗浄装置は、基板を回転させながら洗浄液及びガスを用いて基板を洗浄する装置において、
基板を水平に保持する基板保持部と、
前記基板保持部を鉛直軸周りに回転させる回転機構と、
前記基板保持部に保持された基板に各々洗浄液を供給するための第1の洗浄液ノズル及び第2の洗浄液ノズルと、
前記基板保持部に保持された基板にガスを吐出するガスノズルと、
前記第1の洗浄液ノズル、第2の洗浄液ノズル及びガスノズルを移動させるためのノズル移動部と、
前記第1の洗浄液ノズルから洗浄液を基板の中心部に吐出するステップと、次いで前記洗浄液の吐出位置を前記基板の中心部から周縁側に移動させた後、前記ガスノズルからガスを当該中心部に吐出するステップと、続いて第1の洗浄液ノズル及びガスノズルから夫々洗浄液及びガスの吐出を行いながら前記第1の洗浄液ノズル及び前記ガスノズルの各吐出位置を基板の周縁側に向けて移動させるステップと、次に前記第1の洗浄液ノズルから第2の洗浄液ノズルに洗浄液の吐出を切替え、第2の洗浄液ノズルからの洗浄液の吐出及びガスノズルからのガスの吐出を行いながら当該第2の洗浄液ノズル及び当該ガスノズルの各吐出位置を基板の周縁側に向けて移動させるステップと、を実行するように制御信号を出力する制御部と、を備え、
前記第2の洗浄液ノズルは、吐出位置が第1の洗浄液ノズルの吐出位置の移動軌跡から外れる位置に設定され、
第2の洗浄液ノズル及びガスノズルの各吐出位置から基板の中心部までの距離を、夫々d2及びd3とすると、第2の洗浄液ノズルから洗浄液を吐出しているときには、d3<d2であり、かつ第2の洗浄液ノズルが基板の周縁側に移動するにつれて、d2とd3との差が徐々に小さくなるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
また本発明の基板洗浄装置は、基板を回転させながら洗浄液及びガスを用いて基板を洗浄する装置において、
基板を水平に保持する基板保持部と、
前記基板保持部を鉛直軸周りに回転させる回転機構と、
前記基板保持部に保持された基板に洗浄液を供給するための洗浄液ノズル及びガスを吐出するガスノズルが保持された第1のノズル移動部と、
前記基板保持部に保持された基板にガスを吐出するガスノズルが保持され、前記第1のノズル移動部とは別個の第2のノズル移動部と、
前記洗浄液ノズルから洗浄液を基板の中心部に吐出するステップと、次いで第1のノズル移動部を移動させ、前記第1のノズル移動部のガスノズルからガスを当該中心部に吐出するステップと、続いて洗浄液ノズルの吐出位置が第1のノズル移動部のガスノズルの吐出位置よりも基板の周縁側に位置した状態で洗浄液の吐出及び当該ガスノズルからのガスの吐出を行いながら第1の移動部を基板の周縁側に向けて移動させるステップと、次に、第2のノズル移動部のガスノズルからのガスと前記洗浄液ノズルからの洗浄液の吐出とを行いながら、第1のノズル移動部及び第2のノズル移動部を基板の周縁側に移動させるステップと、を実行するように制御信号を出力する制御部と、を備え、
前記第2のノズル移動部のガスノズルからガスを吐出しているときには、洗浄液ノズル及び第2のノズル移動部のガスノズルの各吐出位置から基板の中心部までの距離を夫々L1、L2とすると、L2<L1であり、かつ第1のノズル移動部及び第2のノズル移動部が基板の周縁側に移動するにつれて、L1とL2との差が徐々に小さくなるように両ノズルの移動速度が制御されることを特徴としてもよい。
【0010】
本発明の基板洗浄方法は、基板を回転させながら洗浄液及びガスを用いて基板を洗浄する方法において、
基板を基板保持部に水平に保持する工程と、
前記基板保持部を鉛直軸周りに回転させながら、第1の洗浄液ノズルから洗浄液を基板の中心部に吐出する工程と、
次いで前記洗浄液の吐出位置を基板の周縁側に移動させた後、ガスノズルからガスを前記基板の中心部に吐出する工程と、
続いて第1の洗浄液ノズル及びガスノズルから夫々洗浄液及びガスの吐出を行いながら前記第1の洗浄液ノズル及び前記ガスノズルの各吐出位置を基板の周縁側に向けて移動させる工程と、
次に前記第1の洗浄液ノズルから第2の洗浄液ノズルに洗浄液の吐出を切替え、第2の洗浄液ノズルからの洗浄液の吐出及びガスノズルからのガスの吐出を行いながら当該第2の洗浄液ノズル及び当該ガスノズルの各吐出位置を基板の周縁側に向けて移動させる工程と、を含み
前記第2の洗浄液ノズルは、吐出位置が第1の洗浄液ノズルの吐出位置の移動軌跡から外れる位置に設定され、
前記第2の洗浄液ノズル及びガスノズルの各吐出位置から基板の中心部までの距離を、夫々d2及びd3とすると、第2の洗浄液ノズルから洗浄液を吐出しているときには、d3<d2であり、かつ第2の洗浄液ノズルが基板の周縁側に移動するにつれて、d2とd3との差が徐々に小さくなることを特徴とする。
【0011】
また本発明の基板洗浄方法は、基板を回転させながら洗浄液及びガスを用いて基板を洗浄する方法において、
基板に洗浄液を供給するための洗浄液ノズル及びガスを吐出するガスノズルが保持された第1のノズル移動部と、基板にガスを吐出するガスノズルが保持され、前記第1のノズル移動部とは別個の第2のノズル移動部と、を用い、
基板を基板保持部に水平に保持する工程と、
前記基板保持部を鉛直軸周りに回転させながら、前記洗浄液ノズルから洗浄液を基板の中心部に吐出する工程と、
次いで第1のノズル移動部を移動させ、前記第1のノズル移動部のガスノズルからガスを当該中心部に吐出する工程と、
続いて洗浄液ノズルの吐出位置が第1のノズル移動部のガスノズルの吐出位置よりも基板の周縁側に位置した状態で洗浄液の吐出及び当該ガスノズルからのガスの吐出を行いながら第1の移動部を基板の周縁側に向けて移動させる工程と、
次に、第2のノズル移動部のガスノズルからのガスと前記洗浄液ノズルからの洗浄液の吐出とを行いながら、第1のノズル移動部及び第2のノズル移動部を基板の周縁側に移動させる工程と、を含み、
前記第2のノズル移動部のガスノズルからガスを吐出しているときには、洗浄液ノズル及び第2のノズル移動部のガスノズルの各吐出位置から基板の中心部までの距離を夫々L1、L2とすると、L2<L1であり、かつ第1のノズル移動部及び第2のノズル移動部が基板の周縁側に移動するにつれて、L1とL2との差が徐々に小さくなるように両ノズル移動部の速度が制御されることを特徴としてもよい。
【0012】
本発明の記憶媒体は、基板を回転させながら洗浄液及びガスを用いて基板を洗浄する装置に用いられるコンピュータプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上述の基板洗浄方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、洗浄液ノズル及びガスノズルを用いて、基板を回転させながら基板の中心部に洗浄液及びガスを順次吐出し、両ノズルを基板の周縁側に移動した後、第1の洗浄液ノズルの移動軌跡から外れる位置に設定された第2の洗浄液ノズルに洗浄液の吐出を切り替えている。そして洗浄液の吐出及びガスの吐出を行いながら両ノズルを基板の周縁側に向けて移動させ、第2の洗浄液ノズルの吐出位置から基板の中心部までの距離と、ガスノズルの吐出位置から基板の中心部までの距離との差が徐々に小さくなるように各ノズルが移動する。そのため基板の周縁側の領域において、ガスの吐出位置が徐々に液界面に近づく。従って基板の周縁に近い領域ほど、ガスにより液界面を押す力が徐々に強くなって洗浄効果が高くなり、洗浄液の液残りや液千切れを抑制することができ、良好な洗浄を行うことができる。
【0014】
また他の発明では、基板を回転させながら基板の中心部に洗浄液及び乾燥用のガスを順次吐出した後、一のノズル移動部に設けられた洗浄液ノズルから洗浄液を吐出すると共に、他のノズル移動部に設けられたガスノズルからガスを吐出している。そして各ノズル移動部を基板の周縁側に移動させるときに、移動速度を異ならせて、ガスの吐出位置が徐々に液界面に近づくようにしている。従って基板の周縁に近い領域ほど、ガスにより液界面を押す力が徐々に強くなり同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1の実施の形態にかかる基板洗浄装置を示す縦断面図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかる基板洗浄装置を示す平面図である。
【
図5】第1の実施の形態にかかる制御部の構成を示す説明図である。
【
図6】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図7】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図8】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図9】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図10】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図11】基板の洗浄工程におけるウエハの洗浄の様子を示す説明図である。
【
図12】基板の洗浄工程におけるウエハの洗浄の様子を示す説明図である。
【
図13】基板の洗浄工程におけるウエハの洗浄の様子を示す説明図である。
【
図14】窒素ガスにより液界面が押される様子を示す説明図である。
【
図15】ノズルアームが移動した時の洗浄液ノズル及び窒素ガスノズルの位置を示す説明図である。
【
図16】ノズルアームの移動距離と吐出位置からウエハ中心部までの距離との関係を示す説明図である。
【
図17】ノズルアームの移動距離と、液界面と窒素ガスの吐出位置との距離の関係を示す特性図である。
【
図18】第1の実施の形態の変形例にかかる基板洗浄装置を示す平面図である。
【
図19】ノズルアームの旋回角度とノズルのウエハ中心部からの距離との関係を示す特性図である。
【
図20】第2の実施の形態にかかる基板洗浄装置を示す縦断面図である。
【
図21】第2の実施の形態にかかる基板洗浄装置を示す平面図である。
【
図22】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図23】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図24】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図25】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図26】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図27】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図28】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図29】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図30】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図31】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図32】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図33】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図34】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図35】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図36】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図37】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図38】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図39】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図40】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図41】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図42】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図43】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図44】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図45】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図46】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図47】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図48】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図49】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図50】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図51】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図52】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図53】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図54】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図55】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図56】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図57】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図58】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図59】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図60】基板の洗浄工程におけるノズルアームの位置及びノズルからの吐出の状態を示した説明図である。
【
図61】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図62】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【
図63】ノズルアームに設置するノズルの例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の基板洗浄装置を現像装置に適用した実施の形態について、
図1〜
図4を用いて説明する。現像装置(基板洗浄装置)は、角型の筐体9内に2つのカップモジュール1が並べて配置されている。カップモジュール1は、ウエハWを保持する基板保持部であるスピンチャック11と、ウエハWから飛散する洗浄液や溶解物を補足するためのカップ体10とを備えている。スピンチャック11は回転軸12を介して回転機構13及び図示しない昇降機構と接続されており、ウエハWを保持した状態で回転及び昇降可能なように構成されている。なお本実施の形態では、ウエハWは上方から見て時計回りに回転されるように構成されている。
【0017】
スピンチャック11の下方には円形板14、及びリング部材15が設けられている。またスピンチャック11上のウエハWを囲むように上方側が開口したカップ体10が設けられている。カップ体10は、共に円筒状の外カップ16と、内カップ17とからなる。外カップ16には、昇降部18が設けられており、昇降自在に構成されている。またカップ体10の下方には、環状凹部に構成された液受け部19が設けられる。ウエハWからこぼれ落ちるか、振り切られて、カップ体10に受け止められた現像液や洗浄液は、液受け部19に流れ込み、液受け部19の底部に設けられたドレイン排出口20より外部に排出される。
【0018】
図2に示すように筐体9内には、カップモジュール1ごとに、各々カップモジュール1の並び方向(左右方向)と直交する方向に伸びる現像用のノズルアーム60と洗浄用のノズルアーム30とが設けられている。現像用のノズルアーム60は、カップモジュール1の並び方向(左右方向)に伸びるガイドレール63に沿って図示しない駆動部により移動できるように、また図示しない昇降部により昇降自在に構成されている。現像用のノズルアーム60の先端部には現像液ノズル62が設けられ、現像用のノズルアーム60によりスピンチャック11の回転中心部とカップモジュール1から
図2中左寄りに位置するノズルバス61との間で移動する。現像液ノズル62は、配管65を介して現像液供給部64と接続されており、現像液ノズル62の先端から所定の流量の現像液を吐出できるように構成されている。
【0019】
また洗浄用のノズルアーム(以下「ノズルアーム」と記載する)30は、
図3に示すように左右方向に伸びるガイドレール33に沿って、図示しない駆動部により移動できるように、また図示しない昇降部により昇降自在に構成されている。ノズルアーム30、上述のノズルアーム30に設けられた駆動部及び昇降部はノズル移動部を構成している。ノズルアーム30の先端部には、
図4に示すように例えば純水などの洗浄液を吐出する第1の洗浄液ノズル41及び第2の洗浄液ノズル43、と乾燥用のガスである例えば窒素ガスを吐出するガスノズルである第1の窒素ガスノズル51及び第2の窒素ガスノズル53とが設けられている。これらノズル41、43、51、53は、カップモジュール1の上方領域とカップモジュール1から
図2中右寄りに位置する待機領域との間で移動する。待機領域には、各洗浄液ノズル41、43の液受け部であるノズルバス21が設けられている。
【0020】
第1の洗浄液ノズル41は、例えば配管45を介して第1の洗浄液供給部46に接続されている。この第1の洗浄液供給部46は洗浄液供給源、ポンプ、バルブなどを備えており、第1の洗浄液ノズル41の先端から洗浄液を吐出できるように構成されている。第2の洗浄液ノズル43も第1の洗浄液ノズル41と同様に配管47を介して第2の洗浄液供給部48と接続されており、第2の洗浄液ノズル43から洗浄液を吐出できる。第1の窒素ガスノズル51は配管55を介して、窒素ガス供給源、ポンプ、バルブなどを備えた第1の窒素ガス供給部56と接続される。第1の窒素ガスノズル51からは、窒素ガスを吐出できるように構成されている。第2の窒素ガスノズル53も配管57を介して、窒素ガス供給源、ポンプ、バルブなどを備えた第2の窒素ガス供給部58と接続される。
【0021】
ノズルアーム30における第1の洗浄液ノズル41、第2の洗浄液ノズル43、第1の窒素ガスノズル51及び第2の窒素ガスノズル53の配置について説明する。なお以下の説明中において、便宜上第1の洗浄液ノズル41及び第2の洗浄液ノズル43から吐出される洗浄液を夫々第1の洗浄液及び第2の洗浄液とし、第1の窒素ガスノズル51及び第2の窒素ガスノズル53から吐出される窒素ガスを夫々第1の窒素ガス及び第2の窒素ガスとして記載する。また後述の「吐出位置」とは、洗浄液ノズル(41、43)、または、ガスノズル(51、53)から吐出された洗浄液、またはガスがウエハWの表面に吐出された時のウエハW上の吐出領域の概ね中心部を指している。また吐出位置をX、Y座標で表す場合には、ウエハWの中心部を原点とし、X方向に伸びる軸をX軸、Y方向に伸びる軸をY軸とし、後述の
図6〜
図10中では、右側及び上側を「正の領域」としている。
【0022】
第1の洗浄液ノズル41は、その吐出位置R1がX=30mm、Y=0mmになる位置に配置した時に、第1の窒素ガスノズル51の吐出位置N1が、X=15mm、Y=0mmとなるように設けられる。第2の洗浄液ノズル43は、第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1がX=30mm、Y=0mmに位置しているときに、その吐出位置R2がウエハWの中心部を中心に、第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1を時計回りに回転させた位置、例えば、X=26mm、Y=−15mmの位置になるように設けられる。第2の窒素ガスノズル53は、第1の窒素ガスノズル51の吐出位置N1がX=15mm、Y=0mmに位置しているとき、その吐出位置N2が、第1の窒素ガスノズル51の吐出位置N1をウエハWの中心部を中心として、反時計回りに回転させた位置であって、そのX軸との距離が第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2のX軸からの距離よりも短い位置に設定される、この例では、第2の窒素ガスノズル53の吐出位置N2は、例えば、X=13mm、Y=7.5mmの位置に吐出するように設定する。また第2の窒素ガスノズル53は、ウエハWの周縁の方向に向かって吐出するように設けられており、第1の洗浄液ノズル41、第2の洗浄液ノズル43及び第1の窒素ガスノズル51、は、真下に向けて吐出するように設けられている。また第1の窒素ガスノズル51の吐出する先端部の高さは、ウエハWの表面の上方25mmの高さに設定されており、第2の窒素ガスノズル53の吐出する先端部の高さはウエハWの表面の上方5mmの高さに設定されている。
【0023】
また基板洗浄装置は、
図5に示すように制御部5を備えている。
図5中の27はバスであり、バス27にはCPU22、メモリ23、及び基板洗浄装置が行う後述の動作における各ステップを実行するためのプログラム24が接続されている。
図5中25はノズル移動部に備えられた駆動部、26は、ノズル移動部に備えられた昇降部である。この制御部5は、ノズルアーム30を移動させるための駆動部、昇降部、洗浄液供給部46、48、窒素ガス供給部56、58及びスピンチャック11を駆動するための回転機構13及びカップ体10の昇降部18などを制御するための制御信号を、前記プログラム24に基づいて出力する。またこのプログラムは、例えばコンパクトディスク、ハードディスク、光磁気ディスク等の記憶媒体に収納され制御部5にインストールされる。
【0024】
続いて第1の実施の形態の作用について説明する。例えば、露光処理を行ったウエハWが、図示しない外部の搬送機構により、スピンチャック11にウエハWの中心部と回転中心とが一致するように受け渡される。次いで外カップ16が上昇された後、ウエハWを例えば1000rpmの回転速度で回転させ、現像液ノズル62がウエハWの周縁の上方に位置する。その後ウエハWを回転させたまま、現像液ノズル62から現像液を吐出しながらウエハWの外側から中心部に向かって移動させ、その後所定時間当該中心部に現像液を供給し続ける。現像液が供給されると、ウエハWの表面のレジスト膜の例えば溶解性部位が溶解し、不溶解性の領域が残る。その後現像液ノズル62と入れ替わるようにノズルアーム30が移動し、現像液及び溶解物の除去を行うための洗浄工程が行われる。この洗浄工程について
図6〜
図13を参照しながら詳述すると、この洗浄工程は、以下のステップにより行われる。
図6〜
図10は、ノズルアーム30、及び夫々のノズル41,43,51,53から吐出される洗浄液や窒素ガスの吐出位置を模式化して表しており、吐出が行われている洗浄液及び窒素ガスの吐出位置には、ハッチングを付した。
【0025】
(ステップ1)
まず
図6に示すように、ノズルアーム30がP0で示す位置まで移動し、第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1がウエハWの中心部に位置する。その後、
図11に示すように、ウエハWを例えば1000rpmの回転速度で回転させながら、第1の洗浄液ノズル41から洗浄液、例えば純水を、30ml/秒の流量で例えば10秒間供給する。これによりウエハWに供給された第1の洗浄液はウエハWの回転による遠心力によりウエハWの中心部から周縁部に向かって広がり、現像液が洗浄液により洗い流される。
【0026】
(ステップ2)
次いでウエハWの回転を維持しながら、第1の洗浄液ノズル41から第1の洗浄液を吐出した状態で、
図7に示すようにノズルアーム30をX方向に沿って右側にP1まで移動させ、第1の窒素ガスノズル51の吐出位置N1をウエハWの中心部に位置させる。この時、第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1は、ウエハWの中心部からX方向右側に15mm離れて位置することになる。そして
図12に示すように第1の窒素ガスノズル51から、ウエハWの中心部に向けて窒素ガスを吹き付ける。
【0027】
ウエハWの中心部は、遠心力が小さいため、前記第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1がウエハWの中心部から周縁側に移動しても、洗浄液の表面張力により液膜が張った状態が維持される。そこで液膜に向けて窒素ガスを吹き付けることにより、液膜が破れて、ウエハWの表面が露出した乾燥領域が形成される。この乾燥領域が形成されると、液膜は、ウエハWの回転による遠心力と液膜の表面張力とによりウエハWの周縁側に引っ張られる。そのため乾燥領域は、第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1に対応する位置(ウエハWの中心部を中心とし、第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1を通る同心円)まで瞬時に広がることになる。
【0028】
(ステップ3)
続いてウエハWの回転を維持し、第1の洗浄液ノズル41及び第1の窒素ガスノズル51から夫々洗浄液及びガスを吐出したまま、
図8に示すようにノズルアーム30をウエハWのX方向右側に15mm移動させ、P2に位置させる。即ち第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1がウエハWの中心部からX方向右側に30mm離れた位置に移動すると共に、第1の窒素ガスノズル51の吐出位置N1がウエハWの中心部からX方向右側に15mm離れた位置に移動し、これにより乾燥領域も第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1に対応する位置まで広がる。そのためステップ3では、
図13に示すようにノズルアーム30の移動に伴い、第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1とウエハWの中心部との距離の増加するにつれて、液界面は徐々にウエハWの周縁方向に移動していく。
【0029】
この時
図14に示すように、第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1に対応する位置には、強い液流が発生しており、液界面に近い位置に窒素ガスを吐出することにより、液流の内縁が巻き上げられ、この液の巻き上げにより、液滴、生成物をウエハWの周縁側へ押しやるため、強い洗浄力を発揮する。
【0030】
(ステップ4)
ノズルアーム30が位置P2まで移動した後、
図9に示すように第1の洗浄液の吐出を停止して、第2の洗浄液の吐出を開始すると共に、第1の窒素ガスの吐出を停止して、第2の窒素ガスの吐出を開始する。第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2は、第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1がウエハWの中心部から30mm離れて位置しているとき、第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2とウエハWの中心部との距離が30mmになるように、即ちウエハWの中心部を中心とする同一の円の上に第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1、第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2が位置するように設定されている。従って洗浄液を吐出するノズルを第1の洗浄液ノズル41から第2の洗浄液ノズル43に切り替えた場合にも、ウエハWの表面に形成される液界面の位置は変化しないことになる。また既述のように第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1がウエハWの中心部から30mm離れて位置するとき、第1の窒素ガスノズル51の吐出位置N1が、ウエハWの中心部から右側に15mm離れるように設定されている。そして、第2の窒素ガスノズル53は、その時の第2の窒素ガスノズル53の吐出位置N2がウエハWの中心部から15mm離れて位置するように設けられている。従って窒素ガスを吐出するノズルを第1の窒素ガスノズル51から第2の窒素ガスノズル53に切り替えた場合にも、窒素ガスの吐出位置から液界面までの距離も変化しないことになる。
【0031】
また第2の窒素ガスノズル53は、第1の窒素ガスノズル51の吐出流量と比べて多くの流量の窒素ガスを吐出すると共に、
図4に示すように吐出口がウエハWの周縁側に向いている。従って、第2の窒素ガスノズル53に切り替えることにより窒素ガスの吹付による液界面を押す力が強くなる。この時、窒素ガスの吐出位置と洗浄液の吐出位置とが近い場合には、ガスの吐出の衝撃により洗浄液の液撥ねが起こる虞がある。第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2と第2の窒素ガスノズル53の吐出位置N2との距離は、第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1と第1の窒素ガスノズル51の吐出位置N1との距離よりも長くなるように設定されている。従って第2の窒素ガスノズル53に切り替え、窒素ガスの流量を大きくした場合にも、液撥ねを抑制することができる。
【0032】
(ステップ5)
続いてノズルアーム30をウエハWの周縁側に向けて、X方向に15mm/秒の速度で移動させる。
図10はノズルアーム30がP2よりもウエハWの周縁に近いP3に位置している状態を示している。第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2からウエハWの中心部までの距離d2と、第2の窒素ガスノズル53の吐出位置N2からウエハWの中心部までの距離d3との差(d2−d3)は、
図15に示すようにノズルアーム30がP2に位置しているときよりも、P3に位置しているときの方が短くなる。
【0033】
ここでノズルアーム30の移動に伴う前記d2、d3の各変化について説明する。ノズルの吐出位置を既述のX‐Y座標平面(x≧0とする)で表す。ノズルアーム30がP2からx方向に沿って右側に距離k移動した場合の第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2及び第2の窒素ガスノズル53の吐出位置N2の各ノズルの座標は、
図16(a)に示すように、
ノズルアーム30がP2に位置する時のN2=(Na、Nb)
ノズルアーム30がP2に位置する時のR2=(Ra、Rb)
ノズルアーム30が距離k移動した後のN2=(Na+k、Nb)
ノズルアーム30が距離k移動した後のR2=(Ra+k、Rb)
となる。従って移動距離をxと置いた場合のd2及びd3は、
ノズルアーム30がP3に位置する時のd2=√[(Ra+x)
2+Rb
2]
ノズルアーム30がP3に位置する時のd3=√[(Na+x)
2+Nb
2]
となる。
【0034】
ノズルアーム30をX方向に沿って右側に移動させた時の第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2のウエハWの中心部からの距離d2は、
図16(b)中の(1)のようなグラフを描く。またノズルアーム30をX方向に沿って右側に移動させた時の第2の窒素ガスノズル53の吐出位置N2のウエハWの中心部からの距離d3を考えると、第2の窒素ガスノズル53の吐出位置N2は、第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2よりもX軸に近い位置にあり、よりウエハWの中心部に近い位置にある。従ってd3は、d2よりも移動前(x=0)のウエハWの中心部までの距離は小さくなり、X方向右側にd2と同じ距離を移動した時に、増加率が大きくなる。そのためノズルアーム30の移動距離xとノズルの吐出位置のウエハWの中心部からの距離d2を示すグラフは、
図16B中の(2)のようなグラフを描く。従って第2の洗浄液ノズル43から洗浄液を吐出し、第2の窒素ガスノズル53から窒素ガスを吐出したまま、ノズルアーム30をX方向に沿って右側にウエハWの周縁に向けて移動させた場合に、洗浄液の吐出位置のウエハWの中心部からの距離d3と、窒素ガスの吐出位置のウエハWの中心部からの距離d3との差(d2−d3)は、ノズルアーム30の移動に従い徐々に短くなる。
【0035】
前述のようにウエハWを回転させながら洗浄液を供給しているため、洗浄液の液界面の位置は、洗浄液の吐出位置の僅かに内側となる円周に沿った位置となる。そのため、前記第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2からウエハWの中心部までの距離d2と第2の窒素ガスノズル53の吐出位置N2からウエハWの中心部までの距離d3との差が、窒素ガスの吐出位置から液界面までの距離となる。
図17は、ウエハWの中心部から液界面までの距離と液界面と窒素ガスの吐出位置との離間距離(d2−d3)の変化を示す特性図である。
図17に示すようにノズルアーム30がP2の位置(液界面がウエハWの中心部から30mmの位置)に移動するまでは、第1の洗浄液ノズル41及び第1の窒素ガスノズル51を使用して洗浄を行っているため、液界面と窒素ガスの吐出位置の距離は変わらず一定である。次いでノズルアーム30がP2(液界面がウエハWの中心部から30mmの位置)に達した後は、洗浄液及びガスの吐出が第2の洗浄液ノズル43及び第2の窒素ガスノズル53に切り替わる。このためその後に、ノズルアーム30がX軸に沿ってウエハWの周縁側に移動するに従って、液界面と窒素ガスの吐出位置とは互いに徐々近づいていくことになる。
【0036】
ウエハWの周縁よりの領域において窒素ガスの供給位置を液界面に近づけた場合の作用について検討する。ウエハWの回転による遠心力により、洗浄液をウエハWの周方向に押し流してウエハWの表面の洗浄を行う場合に、ウエハWの周縁寄りの部位ほど、洗浄液がウエハWの中心部側から寄せられるため、洗浄液の液膜が厚くなる。洗浄液の液膜が厚くなると、流れにくくなってしまうため液残りや液千切れが生じやすくなる。上述の実施の形態では、ウエハWの中心部から30mm以上離れた領域では、窒素ガスの吐出流量を大きくしている。そのため、窒素ガスにより液界面を周縁方向に押す力が強くなっている。またウエハWの中心部から30mm以上離れた領域では、ノズルアーム30がウエハWの周縁に近づくにつれて、窒素ガスの吐出位置が液界面に近づいている。そのため窒素ガスによる液界面を押す力がウエハWの周縁に近づくにつれて徐々に大きくなる。従ってウエハWの周縁寄りの領域では、液界面がウエハWの周縁に近づくにしたがって、洗浄液の量は徐々に増えるが、液界面をウエハWの周縁方向に押す力も大きくなるため、液残りや液千切れを抑制することができる。
【0037】
上述の実施の形態では、第1の洗浄液ノズル41及び第1の窒素ガスノズル51を用いて、ウエハWを回転させながらウエハWの中心部に洗浄液及び窒素ガスを順次吐出し、両ノズル41、51をウエハWの周縁側に移動している。更にその後、第1の洗浄液ノズル41の移動軌跡から外れる位置に設定された第2の洗浄液ノズル43に洗浄液の吐出を切り替え、また第2の窒素ガスノズル53に窒素ガスの吐出を切り替える。そして洗浄液の吐出及びガスの吐出を行いながら両ノズル43、53をウエハWの周縁側に向けて移動させることにより、窒素ガスの吐出位置を徐々に液界面に近づけている。従ってウエハWの周縁に近い領域ほど、窒素ガスにより液界面を押す力が強くなって洗浄効果が高くなり、洗浄液の液残りや液千切れを抑制することができ、良好な洗浄を行うことができる。
そしてノズルアーム30の移動途中で第2の洗浄液ノズル43及び第2の窒素ガスノズル53を用いるようにしている。第2の窒素ガスノズル53は窒素ガスの吐出流量の多いため液界面を押す力が強くなり、洗浄液の吐出位置と窒素ガスの吐出位置との距離も離すことができるため、液撥ねを抑えることができる。
【0038】
また上述の実施の形態では、共通のノズルアーム30に第1の洗浄液ノズル41、第2の洗浄液ノズル43、第1の窒素ガスノズル51及び第2の窒素ガスノズル53を設けている。そのため、各ノズルの駆動系を共通にすることができるので基板洗浄装置のコストを低くすることができ、またノズルアーム30や駆動系の設置スペースが狭くて済む。またウエハWの表面における窒素ガスの吐出位置と、洗浄液の液界面との距離は、後述するように、9mm〜17mmの範囲であることが望ましく、事前にシミュレーションを行うことにより、窒素ガスの吐出位置と、洗浄液の液界面との距離がこの範囲で変化するように、夫々のノズルの位置を設定することが望ましい。
【0039】
さらにノズルアーム30がP1の位置にあるときに、第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2と、第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1とが、ウエハの中心部を中心とした同じ同心円上に位置するように設定されていなくてもよい。またノズルアーム30がP1に位置しているときに、第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2は、その時の第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1よりウエハWの中心部に近い位置であってもよい。
【0040】
また本発明は、第2の窒素ガスノズル53を設けることに限定されるものではなく、ステップ4以降の工程において、第1の窒素ガスノズル51を使用してウエハWの洗浄を行うようにしてもよい。その場合においても洗浄液の液界面がウエハWの周縁に近づくに従い、窒素ガスの吐出位置を液界面に近づけることができる。従って液界面がウエハWの周縁に近づくに従い、液界面を押す力を強くすることができるため、同様の効果が得られる。
【0041】
また第1の洗浄液ノズル41、第2の洗浄液ノズル43、第1の窒素ガスノズル51、第2の窒素ガスノズル53は、夫々別々に独立して移動可能なノズル移動部に設けられていてもよい。さらに第2の窒素ガスノズル53を設けずに第1の窒素ガスノズル51のみを用いて、ステップ4以降の工程においてもウエハWの洗浄を行うようにしてもよい。さらに本発明は、基板の水の接触角の大きい場合に効果が大きく、例えば水の接触角が65°以上であるレジスト膜の表面を洗浄する場合により効果が大きい。
【0042】
さらに第1の実施の形態においては、ステップ4において、第1の窒素ガスノズル51の吐出を停止し、第2の窒素ガスノズル53から窒素ガスを吐出しているが、ステップ4及びステップ5において、第2の洗浄液ノズル43及び第2の窒素ガスノズル53から夫々洗浄液及びガスを吐出しているときに第1の窒素ガスノズル51から例えば少流量のガスを吐出している場合であっても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0043】
[第1の実施の形態の変形例]
また第1の実施の形態の変形例として、ノズルアーム30は、旋回アームに設けられていてもよい。即ち第1の実施の形態では、ノズルアーム30をX方向に沿って移動させることにより、各ノズルを直線に沿って移動させているが、各ノズルを円弧軌跡を描くように移動させてもよい。
図18はこのような例を示し、ノズルアーム30として
図18中、O1を回転中心として旋回する構成のものを用いている。駆動部は、アームを旋回させる図示しない回転部となり、また図示しない昇降部が設けられ、ノズルアーム30は昇降自在に構成される。従ってノズルアーム30、駆動部及び昇降部がノズル移動部になる。第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1と第1の窒素ガスノズル51の吐出位置N1は、ウエハWの中心部を通る円弧軌跡上に設けられる。この実施の形態の場合には、ステップ2でノズルアーム30を旋回させることにより、第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1がウエハWの中心部から15mmから離れるように移動され、その時第1の窒素ガスノズル51の吐出位置N1がウエハWの中心部に位置することになる。
【0044】
またステップ3においては、第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1がウエハWの中心部から30mm離れるように移動される。この時第1の窒素ガスノズル51の吐出位置N1は、液界面に近づくが、近づく距離は、極わずかであるため、第1の窒素ガスノズル51の吐出位置N1と液界面との距離はほとんど変化せず一定として取り扱うことができる。さらにステップ4において洗浄液及び窒素ガスを夫々第2の洗浄液ノズル43及び第2の窒素ガスノズル53から吐出するように切り替えた後、ステップ5では、ノズルアーム30を旋回させて、夫々のノズルをウエハWの周縁側に移動させる。
【0045】
ノズルアーム30を旋回させることによる第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2のウエハWの中心部からの距離と、第2の窒素ガスノズル53の吐出位置N2とウエハWの中心部からの距離の差の関係について説明する。
図18中のVは、ノズルアーム30の回転軸O1とウエハの中心部との距離、u及びθは所定の吐出位置を示すパラメータであり、
図18中では、ノズルアーム30がP4の位置にあるときの第2の窒素ガスノズル53の吐出位置N2のパラメータを示す。uは、回転軸O1を中心として、ウエハWの中心部を通る円弧軌跡からの外れる距離(円弧軌跡の外側への外れを+、中心側への外れを−とする)、θはノズルアーム30の回転角度である(ノズルが回転軸O1とウエハWの中心部を結ぶ直線上に位置する場合を0とし、時計回りの回転方向を+としている)。
【0046】
回転軸O1がウエハの領域より外にあり、ノズルをウエハWの中心部から周縁へ移動させるとθは、0度〜90度の範囲でウエハWの周縁に到達する。ノズルアーム30を旋回させた時のノズルアーム30に設けられたノズルの吐出位置からウエハ中心部までの距離dの変化を考えると、d=√[u
2+2uV+2V
2−2V(u+V)cosθ]となる。従ってノズルアーム30を旋回させた時のノズルの吐出位置とウエハの中心部との距離は、ノズルアーム30の回転軸O1とウエハWの中心部との距離V、回転角度θ、円弧軌跡からの外れる距離u、により決定される。
【0047】
従って
図18に示すようなアームを旋回させた時の第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2のウエハWの中心部からの距離の変化d2は、
図19中の(3)で示す実線で表される。またアームを旋回させた時の第2の窒素ガスノズル53の吐出位置N2のウエハWの中心部からの距離の変化d3は、
図19中の(4)で示す実線で表される。そのため、アームを旋回させてノズルアーム30をウエハWの周縁方向に旋回させるにしたがって、第2の洗浄液ノズル43の吐出位置R2のウエハWの中心部との距離d2と、第2の窒素ガスノズル53の吐出位置N2とウエハWの中心部との距離d3との差(d2−d3)は徐々に短くなることになる。そのため、ノズルアーム30がウエハの周縁に向かって移動するにしたがって、液界面と窒素ガスの吐出位置との距離は徐々に近づき、液界面を押す力が強くなる。従って液残りや液千切れを抑制することができる。
【0048】
[第2の実施の形態]
また第2の実施の形態に係る基板洗浄装置として、2本のノズルアームを備えるように構成してもよい。第2の実施の形態は、例えば
図20、
図21に示すように第2の洗浄液ノズル43を備えていないことを除いて、第1の実施の形態に示したノズルアーム30と同様に構成された第1のノズルアーム38と、他の窒素ガスノズル59を備えた第2のノズルアーム39とを備えている。図中60は、現像用のノズルアーム、61は現像液用のノズルバス、63はガイドレールである。第2のノズルアーム39は、ノズルアーム30と同様に構成された駆動部、昇降部により支持され、第1のノズルアーム38のガイドレール33と平行に伸びるガイドレール34に沿って移動するように構成されている。第2のノズルアーム39は、ウエハW上の第1のノズルアーム38の移動する領域とは異なる領域、例えばウエハWの中心部からX方向に沿って左側の領域を移動するように構成されている。また他の窒素ガスノズル59は、第1の窒素ガスノズル51及び第2の窒素ガスノズル53と同様に配管70を介して他の窒素ガス供給部71と接続されている。
【0049】
第2の実施の形態にかかる基板洗浄装置によるウエハWの洗浄処理を
図22〜
図26を用いて説明する。ステップ1及びステップ3は、
図22、23に示すように第1の実施の形態に示したステップ1〜ステップ3と同様な工程であり、R1、N1が順次ウエハWの中心部に位置するように第1のノズルアーム38が移動する。第2のノズルアーム39は、他の窒素ガスノズル59から吐出される窒素ガスの吐出位置N3が例えばウエハWの中心部から、X方向に沿って図中の左方向に60mmの位置となる地点で待機しておく。
【0050】
(ステップ4)
図24に示すように第1の洗浄液ノズル41の吐出位置R1がウエハWの中心部から30mmに位置し、第1の窒素ガスノズル51の吐出位置N1がウエハWの中心部から15mmに位置した後、窒素ガスを吐出するノズルを第1の窒素ガスノズル51から第2の窒素ガスノズル53に切り替える。
【0051】
(ステップ5)
その後第2の窒素ガスノズル53の吐出位置N2のウエハWの中心部からの距離(この例では、60mm)と、他の窒素ガスノズル59の吐出位置N3とウエハWの中心部からの距離が等しくなる位置まで移動する。この間第1の洗浄液の吐出と、第2の窒素ガスとの吐出とが行われており、第2の窒素ガスノズル53は、第1の窒素ガスノズル51よりも流量が大きいため、ステップ5では、ステップ1〜3に比べて液界面を強い力で押すことができる。
【0052】
(ステップ6)
その後、窒素ガスを吐出するノズルを他の窒素ガスノズル59に切り替え、第1のノズルアーム38及び第2のノズルアーム39をウエハWの周縁方向に移動させる。
図25は、窒素ガスの吐出を第2の窒素ガスノズル53から他の窒素ガスノズル59に切り替えた後の状態を示している。この時第1のノズルアーム38は、
図26に示すようにX方向に沿って、右側に移動するが、第2のノズルアーム39は、X方向に沿って左側に移動する。また第2のノズルアーム39の移動速度は、第1のノズルアーム38より速い速度に設定される。このため洗浄液の吐出位置からウエハWの中心部までの距離L1と窒素ガスの吐出位置からウエハWの中心部までの距離L2との差が徐々に小さくなる。一例をあげるとL2−L1が17mmから9mmまで近づく。この結果、他の窒素ガスノズル59の吐出位置N3は、ウエハWの周縁側に近づくにつれて液界面に近づくため、窒素ガスが液界面を押す力が徐々に増すことになる。そのため液残りや液千切れが抑制され、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また第2のノズルアーム39の他の窒素ガスノズル59からガスを吐出しながら当該第2のノズルアーム39をウエハWの周縁側に移動させているときに、第1のノズルアーム38の窒素ガスノズル51、53からガスを、例えば少流量で吐出する場合も技術的範囲に含まれる。
【0053】
本発明の一態様を示す第1の実施形態では、第1の洗浄液ノズル41(吐出位置をR1で表している)、第2の洗浄液ノズル43(吐出位置をR2で表している)、第1の窒素ガスノズル51(吐出位置をN1で表している)及び第2の窒素ガスノズル53(吐出位置をN2で表している)を用いて、
図16(b)及び
図17に示される特性を確保している。即ち、第1の実施形態では、1本のノズルアーム30を用い、当該ノズルアーム30のガイドレールの伸びる方向であるX方向に移動させたときに、液界面とN
2ガスの吐出(供給)位置との関係を
図17に示される関係となるように4つのノズル41、43、51、53の配置レイアウトを設定している。
【0054】
しかし、液界面とN
2ガスの吐出(供給)位置との関係を
図17に示される関係とするためには、4つのノズル41、43、51、53のレイアウトと、使用するノズルアームの本数及び移動方向との組み合わせにより、第1の実施形態で記載した構成以外の構成であっても達成することができる。例えば2本のノズルアームを用い、一方のノズルアームに各ノズル41、43、51、53のうちの2つを、他方のノズルアームに残りの2つを配置し、両ノズルアームを移動させることにより、第1の実施形態と同様の動きをするようにしてもよい。この場合、両方のノズルアームを互いに離れるように移動させてもよいし、一方のノズルアームをX方向に、他方のノズルアームをY方向に移動させて第1の実施の形態の動きと同様になるように配置レイアウトを設定してもよい。これらの例を以下に列挙する。
【0055】
先ず1本のノズルアーム30を用いて一方向に移動させる場合、
図6に示すノズル41、43、51、53のレイアウト、つまり吐出位置R1、R2、N1、N2のレイアウトをR1を中心に90度回転させたレイアウトとし、ノズルアーム30をY方向に移動させてもよい。この場合、ノズルアーム30には、Y方向の移動機構が組み合わされることになる。
【0056】
次にノズル41、43、51、53を2本のノズルアーム30A,30Bに分散させる例について述べる。説明の煩雑化を避けるために、ノズル41、43、51、53のレイアウトとして記載することに代えて、各ノズル41、43、51、53の吐出位置R1、R2、N1、N2を用いて記載することとする。例えば「第1の洗浄液ノズル41を、その吐出位置R1が図のように位置するようにノズルアームに設ける」という表現を「R1を図のようにノズルアームに位置させる」という表現として簡略化する。
【0057】
図27は、一方のノズルアーム30AにN1、N2を位置させ、他方のノズルアーム30BにR1、R2を位置させた例であり、R1がウエハWの中心部に位置している状態を示している。
図28は、N1がウエハWの中心部に位置するように両ノズルアーム30A、30Bが移動した状態を示しており、
図29は、洗浄液及び窒素ガスの吐出をR1、N1からR2、N2に切替える位置を示している。
図27〜
図29は、夫々
図6〜
図8に対応している。
【0058】
また
図30は、一方のノズルアーム30AにN1、N2を位置させ、他方のノズルアーム30BにR1、R2を位置させた例であるが、両ノズルアーム30A、30BのY方向の位置が異なっている。
図30〜
図32は、両ノズルアーム30A、30Bが順次移動した状態を示しており、夫々
図6〜
図8に対応している。このように両ノズルアーム30A、30BをX方向に並んだ状態でX方向に移動させて、第1の実施形態と同様の作用を得るためのR1、R2、N1、N2の他のレイアウトとしては、
図33〜
図46を挙げることができる。
【0059】
図47は、一方のノズルアーム30AにR2、N2を位置させ、他方のノズルアーム30BにR1、N1を位置させた例であるが、R1、N1をY方向に離して位置させている。この場合には、一方のノズルアーム30BをY方向(ノズルアーム30のガイドレール33の伸びる方向と直交する方向)に移動させている。
図47〜
図49は、両ノズルアーム30A、30Bが順次移動した状態を示しており、夫々
図6〜
図8に対応している。このように両ノズルアーム30A、30Bの一方をY方向に移動させ、他方をX方向に移動させて第1の実施形態と同様の作用を得るためのR1、R2、N1、N2の他のレイアウトとしては、
図50〜
図56を挙げることができる。
【0060】
更に1本のノズルアームであって、X方向、Y方向の両方向に移動可能なノズルアームを用いて第1の実施形態の作用を得る手法について述べる。
図57は1本のノズルアーム80に1つの洗浄液ノズルと1つの窒素ガスノズルとを設けた例であり、洗浄液ノズル及び窒素ガスノズルの吐出位置を夫々N、Rとして示している。即ち、この例では、ノズルアーム80をX方向、Y方向に移動させることにより、RがR1及びR2を兼用し、NがN1、N2を兼用していることになる。
図57〜
図59は、ノズルアーム80が順次移動した状態を示しており、夫々
図6〜
図8に対応している。この例においては、吐出位置をRで示す1つの洗浄液ノズルが
図59に示す位置まで第1の洗浄液ノズル41として機能し、
図59に示す位置から後の移動段階では第2の洗浄液ノズル43として機能し、例えば
図60に示すようにノズルアーム80がY軸方向に移動することとなる。
【0061】
更にまた、
図61は、2本のノズルアーム30、80を用い、一方のノズルアーム30には、第1の実施形態と同じ作用が得られるようにR1、R2、N1、N2を配置している。そして他方のノズルアーム80には、第2の実施形態で記載した他の窒素ガスノズル59を設けている(吐出位置がN3として示されている)この例では、一方のノズルアーム30の移動パターンは、第1の実施形態と同じであるが、第2の実施形態で記載したようにN2が例えばウエハWの中心部から60mmの位置となった時に、N2からN3に切り替える。従ってこの例では他方のノズルアーム80の移動速度は、第2の実施形態にて記載したように、一方のノズルアーム30の移動速度よりも速い。なお、他方のノズルアーム80の移動速度は、一方のノズルアーム30の移動速度と同じであってもよい。
【0062】
図61の例は、ノズルアーム30、80をX方向に移動させる例であるが、ノズルアーム30、80をY方向に移動する場合には、R1、R2、N1、N2、N3のレイアウトは、
図62のように示される。またノズルアーム30、80を第1の実施形態の変形例として示したように回転させる場合には、R1、R2、N1、N2、N3のレイアウトは、
図63のように示される。
【0063】
[実施例]
本発明を評価するために第1の実施の形態に係る基板洗浄装置を用い、評価パターンを用いて露光したウエハWに現像液を供給し、実施例及び比較例に係る洗浄処理を行いパターンの欠陥の計数を行った。実施例に用いたウエハWの表面に形成されたレジスト膜と反射防止膜との接触角差は、37.8°である。洗浄処理中のウエハの回転速度は750rpmに設定し、ノズルアーム30の移動速度は、10mm/秒に設定した。また比較例として、実施例と同様の構成の基板洗浄装置を用い、ステップ2の終了後、洗浄液ノズル及び窒素ガスノズルの切り替えを行わず、第1の洗浄液及び第1の窒素ガスをウエハに向けて吐出した状態でノズルアーム30をX方向に沿ってウエハWの周縁に向けて移動させて、ウエハの洗浄を行った。この場合ガスの吐出位置から液界面までの距離は、一定である。比較例では、2561個のパターンの欠陥が確認できたが、実施例では、パターンの欠陥は8個に軽減され、本発明の洗浄効果が高いことが確認できた。
【0064】
[評価試験]
窒素ガスの吐出位置と洗浄液の液界面との離間距離が、ウエハWの洗浄効果にもたらす影響を調べるために以下の評価試験を行った。基板洗浄装置は、ノズルアーム30に設置する第1の窒素ガスノズル51の位置を変えることにより、液界面と窒素ガスの吐出位置との距離を以下のように7通りに設定し、第1の洗浄液ノズル41及び第1の窒素ガスノズル51のみを用いて、評価パターンを用いて露光したウエハWに現像液を供給した後、洗浄を行った。ウエハWの洗浄後、乾燥処理を行いウエハの中心部から12〜15cmの領域に存在するパターンの欠陥の数を計数した。結果は以下の表1のとおりである。
[表1]
【0065】
パターンの欠陥の数を十分に抑えるには、窒素ガス吐出位置と液界面との距離は、9mm〜17mmの範囲に設定することが望ましいといえる。