特許第6103276号(P6103276)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6103276LEDの集合的製造の方法及びLEDの集合的製造のための構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6103276
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】LEDの集合的製造の方法及びLEDの集合的製造のための構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/38 20100101AFI20170316BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20170316BHJP
   H01L 33/08 20100101ALI20170316BHJP
【FI】
   H01L33/38
   H01L33/32
   H01L33/08
【請求項の数】15
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-517733(P2015-517733)
(86)(22)【出願日】2013年6月18日
(65)【公表番号】特表2015-524173(P2015-524173A)
(43)【公表日】2015年8月20日
(86)【国際出願番号】EP2013062658
(87)【国際公開番号】WO2013189949
(87)【国際公開日】20131227
【審査請求日】2016年3月28日
(31)【優先権主張番号】1255931
(32)【優先日】2012年6月22日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1255934
(32)【優先日】2012年6月22日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】598054968
【氏名又は名称】ソイテック
【氏名又は名称原語表記】Soitec
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ゲナール, パスカル
【審査官】 高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−089646(JP,A)
【文献】 特開2009−111101(JP,A)
【文献】 特開2011−249425(JP,A)
【文献】 特表2007−529105(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0061694(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板(100)の表面に、少なくとも1つのn型層(132、332)、活性層(133、333)、及びp型層(134、334)をそれぞれが備える、複数の基本LED構造(150)を形成するステップであって、前記基本LED構造(150、350)は、前記第1の基板上でトレンチ(160、360)によって互いに隔てられる、ステップを含む、発光ダイオード(LED)デバイスの集合的製造の方法であり、
前記p型層(134)、前記活性層(133)、及び前記活性層と接触する前記n型層(132)の第1の部分(1320)の横方向寸法を縮小するステップであって、前記n型層(132)は、前記n型層の前記第1の部分(1320)より大きな横方向寸法を有する第2の部分(1321)を有する、ステップと、
少なくとも各基本構造(150、350)に、絶縁材料層(139、339)を堆積するステップと、
前記p型層(134)、前記活性層(133)、及び前記n型層(132)の前記第1の部分(1320)の側部に、絶縁材料(139)の一部分を形成するステップと、
前記露出されたn型層(132)の少なくとも前記第2の部分(1321)の全体に、n型電気的コンタクトパッド(145)を形成するステップと、
横方向寸法を縮小する前記ステップの前又は後に、p型電気的コンタクトパッド(138)を形成するステップと、
前記基本LED構造(150)を備える前記第1の基板(100)の表面の全体に導電性材料層(141)を堆積し、前記導電性材料層(141)を研磨するするステップであって、前記研磨するステップは、前記p及びn型電気的コンタクトパッド(138、145)の間に存在する前記絶縁材料層(139)の少なくとも一部に到達するまで行われて、前記導電性材料層(141)の個々の部分(143)を備える構造(70)を形成し、各個々の部分(143)は1つ又は複数のn型電気的コンタクトパッド(145)と接触する、ステップと、
前記構造(70)の前記研磨された面(70a)に、第2の基板(50)を分子付着によってボンディングするステップと
をさらに含む方法。
【請求項2】
前記絶縁材料層が、前記基本LED構造(150、350)の間に存在する前記トレンチ(160、360)の一部にさらに堆積され、絶縁材料のない前記トレンチは、複数の前記基本LED構造の周りに切断区域を画定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各基本LED構造(150、350)が、緩和された又は部分的に緩和された材料のアイランド(131、231、331)上に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記緩和された又は部分的に緩和された材料が、InGaNであることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の基板(50)をボンディングする前記ステップの後に、前記第1の基板(100)を除去するステップを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の基板(100)を除去する前記ステップの後に露出された、前記基本LED構造(150)の前記面(70b)に光変換材料層を堆積するステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の基板(100)を除去する前記ステップの後に露出された、前記基本LED構造(150)の前記面(70b)に微細構造を形成するステップを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の基板(50)がそのボンディング面(50a)上に、前記導電性材料層(141)の個々の部分(143)又は前記p型コンタクトパッド(138)と整列する位置に配置された、複数の電気的コンタクトパッド(502)を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記n型コンタクトパッド(145)を形成する前記ステップが、前記基本LED構造(150)を備える前記第1の基板(100)の表面の全体に、定められた厚さの導電性材料層(140)を堆積するサブステップを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記導電性材料層(140)を堆積する前記ステップの後に、前記導電性材料層を方向性エッチングして、前記基本構造(150)の側壁の導電性材料層(140)の残りの部分を残すステップをさらに含み、前記部分はn型コンタクトパッド(145)を形成することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記選択エッチングステップの後に、各基本LED構造(150)の前記p型層(134)内に限られた深さまでの開口(137)を形成し、これらの開口を導電性材料で充填してp型コンタクトパッド(138)を形成するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのn型層(132、332)、活性層(133、333)、及びp型層(134、334)をそれぞれが備える、複数の基本LED構造(150、350)を表面上に含む第1の基板(100)を具備し、前記基本構造は、前記第1の基板上でトレンチ(160、360)によって互いに隔てられる、発光ダイオード(LED)デバイスの集合的製造のための構造(70)において、
各基本LED構造が、
前記p型層(134)、前記活性層(133)、及び前記活性層と接触する前記n型層(132)の第1の部分(1320)を備える第1の部分(151)、及び前記n型層(132)の第2の部分(1321)を備える第2の部分(152)であって、各基本LED構造(150)の前記第1の部分(151)は各基本LED構造(150)の前記第2の部分(152)より小さな横方向寸法を有する、第2の部分(152)と、
前記p型層(134)、前記活性層(133)、及び前記n型層(132)の前記第1の部分(1320)の側部の絶縁材料(139)の一部と、
前記露出されたn型層(132)の少なくとも前記第2の部分(1321)の全体上のn型電気的コンタクトパッド(145)と、
p型電気的コンタクトパッド(138)と
を備え、前記第1の基板を備えるものと反対のその側部(70a)上に、それぞれが個々にn型電気的コンタクトパッド(145)と接触する導電性材料(141)の個々の部分(143)を備える平面をさらに備え、前記導電性材料の層の前記個々の部分は、絶縁材料層(139)の部分によって分離され、
第2の基板(50)は前記構造(70)の前記平面(70a)にボンディングされることを特徴とする構造。
【請求項13】
前記第2の基板(50)は、前記構造にボンディングされたその面(50a)上に、絶縁材料(503)の部分によって互いに分離された一連のコンタクトパッド(502)を備え、
前記一連のコンタクトパッド(502)の前記パッドは、前記基本構造の前記n及びp型電気的コンタクトパッドに接続される
請求項12に記載の構造(70)。
【請求項14】
前記基本LED構造(150)の前記n型層(132)上に、光変換材料層をさらに備えることを特徴とする請求項12又は13に記載の構造。
【請求項15】
前記基本LED構造(150)の前記n型層(132)上に、微細構造をさらに備えることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記載の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDは一般に、少なくとも1つのn型層又は領域と、p型層又は領域と、n型及びp型層の間に配置された活性層とを備える積層に対応する基本構造から製造される。これらの基本LED構造は、上述の積層がエピタキシャル成長によって上に形成される同じ成長基板から形成することができ、次いでこの積層の部分が基板から切り離されて各基本LED構造を形成する。
【0003】
しかし、n及びp型コンタクトパッドの形成によるLEDの配線、又は特に高輝度LEDの場合に処理を行う必要がある成長支持部の分解/除去などの、他のLED製造作業は、すべて又は一部が各LEDのレベルで個々に行われる、つまり、基本構造は互いに分離され、従って一回につき1つの構造が処理されることを意味する。
【0004】
機械的支持部上のLEDの組み立てに関わる作業、及び光変換材料(「リン」)の堆積作業にも同じことが当てはまり、これらは各LEDに対して個々に行われる。
【0005】
これらの作業を個々に行うことは、LED製造プロセスの精度の良好な制御を可能にするが、作業数に製造すべきLEDの数を掛けた数の作業が必要となり、その結果としてLED製造コストを増加させる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は特に、LEDの集合的製造を可能にすることによって上述の不利な点を改善することである。
【0007】
この目的は、第1の基板の表面に、少なくとも1つのn型層、活性層、及びp型層をそれぞれが備える複数の基本LED構造を形成するステップであって、基本LED構造は第1の基板上でトレンチによって互いに隔てられる、ステップを含む、発光ダイオード(LED)デバイスの集合的製造の方法によって達成され、方法は、
p型層、活性層、及び活性層と接触するn型層の第1の部分の横方向寸法を縮小するステップであって、n型層は、n型層の第1の部分より大きな横方向寸法を有する第2の部分を有する、ステップと、
少なくとも各基本構造に絶縁材料層を堆積するステップと、
p型層、活性層、及びn型層の第1の部分の側部に絶縁材料の一部分を形成するステップと
露出されたn型層の少なくとも第2の部分の全体に、n型電気的コンタクトパッドを形成するステップと、
横方向寸法縮小ステップの前又は後に、p型電気的コンタクトパッドを形成するステップと、
基本LED構造を備える第1の基板の表面の全体に導電性材料層を堆積し、導電性材料層を研磨するステップであって、研磨するステップは、p及びn型電気的コンタクトパッドの間に存在する絶縁材料層の少なくとも一部に到達するまで行われて、導電性材料層の個々の部分を備える構造を形成し、各個々の部分は1つ又は複数のn型電気的コンタクトパッドと接触する、ステップと、
前記構造の研磨された面に第2の基板を分子付着によってボンディングするステップとを、さらに含む。
【0008】
従って本発明の方法は、基板上に存在する基本構造の全体に対して、n型コンタクトパッド及びp型コンタクトパッドを集合的に形成することを可能にする。ここではコンタクトパッドを形成するために必要な作業の数は、コンタクトパッドが各基本構造上に独立して形成される従来技術と比べて大幅に少ない。従ってLEDデバイスを形成するために、個々に又はグループとして切り離すことができる、複数の配線された基本構造を備えた基板又は平板が得られる。
【0009】
本発明は、n及びp型コンタクトパッドを形成し、すべて最少のステップで、移転基板を有する基本LED構造を備える基板を組み立てることを可能にし、それによりコスト及び生産時間を短縮することを可能にするという有利がある。
【0010】
特定の実施形態では、n及びp型コンタクトパッドは、金属層が基本構造の全体に堆積されるのと同じステップの間に同時に用意される。
【0011】
特定の実施形態では、絶縁材料層が、基本LED構造の間に存在するトレンチの一部にさらに堆積され、絶縁材料のないトレンチは、複数の基本LED構造の周りに切断区域を画定する。
【0012】
特定の実施形態では、各基本LED構造は、緩和された又は部分的に緩和された材料のアイランド上に形成される。
【0013】
緩和された又は部分的に緩和された材料は、例えばInGaNである。
【0014】
特定の実施形態では方法は、第2の基板をボンディングするステップの後に、第1の基板を除去するステップを含む。
【0015】
初めの基板は、特にLEDデバイスの発光面を開放することを可能にし、基本構造の全体に対する単一の作業において除去される。いくつかの場合には、基板は除去された後にリサイクルされ、再び1回又は複数回使用することができる。
【0016】
方法は、第1の基板を除去するステップの後に露出された、基本LED構造の表面に、光変換材料層を堆積するステップをさらに含むことができる。
【0017】
従って、それぞれが1つ又は複数の配線された基本構造から形成され、最終基板が設けられ、光変換層で覆われたLEDデバイスをそれから切り離すことができる構造が得られる。
【0018】
特定の実施形態では方法は、第1の基板を除去するステップの後に露出された、基本LED構造の表面に微細構造を形成するステップを含む。
【0019】
従って、それぞれが1つ又は複数の配線された基本構造から形成され、最終基板と、特にLEDデバイスに特定の光学特性をもたらすことを可能にする微細構造とが設けられたLEDデバイスをそれから切り離すことができる構造が得られる。
【0020】
特定の実施形態では第2の基板はそのボンディング面上に、導電性材料層の個々の部分と又はp型コンタクトパッドと整列する位置に配置された、複数の電気的コンタクトパッドを備える。
【0021】
従ってLEDデバイスは、第2の基板から電力供給及び制御することができる。
【0022】
特定の実施形態では、n型コンタクトパッドを形成するステップは、基本LED構造を備える第1の基板の表面の全体に、定められた厚さの導電性材料層を堆積するサブステップを含む。
【0023】
特定の実施形態では方法は、導電性材料層の堆積するステップの後に、導電性材料層を方向性エッチングし、基本構造の側壁に導電性材料層の部分が残ることを可能にするステップをさらに含み、前記部分がn型コンタクトパッドを形成する。
【0024】
特定の実施形態では方法は、選択(又は方向性)エッチングステップの後に、各基本LED構造のp型層内に限られた深さまでの開口を形成し、これらの開口を導電性材料で充填してp型コンタクトパッドを形成するステップを含む。
【0025】
これに対応して本発明は、少なくとも1つのn型層、活性層、及びp型層をそれぞれが備える複数の基本LED構造を表面上に含む第1の基板を備え、基本構造は第1の基板上でトレンチによって互いに隔てられる、発光ダイオード(LED)デバイスの集合的製造のための構造に関し、各基本LED構造は、
p型層、活性層、及び活性層と接触するn型層の第1の部分を備える第1の部分、及びn型層の第2の部分を備える第2の部分であって、各基本LED構造の第1の部分は、各基本LED構造の第2の部分より小さな横方向寸法を有する、第1の部分及び第2の部分と、
p型層、活性層、及びn型層の第1の部分の側部の絶縁材料の一部と、
露出されたn型層の少なくとも第2の部分の全体上のn型電気的コンタクトパッドと、
p型電気的コンタクトパッドとを備え、
構造は第1の基板を備えるものと反対のその側部上に、それぞれが個々にn型電気的コンタクトパッドと接触する導電性材料の個々の部分を備える平面をさらに備え、導電性材料の層の個々の部分は絶縁材料層の部分によって分離され、
第2の基板(50)は、構造の前記平面にボンディングされる。
【0026】
特定の実施形態では第2の基板は、構造にボンディングされたその側部上に、絶縁材料の部分によって互いに分離された一連のコンタクトパッドを備え、
一連のコンタクトパッドのパッドは、基本構造のn及びp型電気的コンタクトパッドに接続される。
【0027】
特定の実施形態では構造は、基本LED構造のn型層上に、光変換材料層をさらに備える。
【0028】
特定の実施形態では構造は、基本LED構造のn型層上に存在する微細構造をさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1A】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略斜視図である。
図1B】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図1C】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図1D】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図1E】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図1F】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図1G】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図1H】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図1I】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図1J】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図1K】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図1L】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図1M】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図1N】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図1O】本発明の一実施形態による、LEDデバイスの集合的製造を示す概略断面図である。
図2A図1Aから1Oにおいて実施されるステップの一部のフロー図である。
図2B図2Aから続く図であり、図1Aから1Oにおいて実施されるステップの他の一部のフロー図である。
図3A】本発明の一実施形態による、n型コンタクトパッドの変形形態を示す概略斜視図及び断面図である。
図3B】本発明の一実施形態による、n型コンタクトパッドの変形形態を示す概略斜視図及び断面図である。
図3C】本発明の一実施形態による、n型コンタクトパッドの変形形態を示す概略斜視図及び断面図である。
図3D】本発明の一実施形態による、n型コンタクトパッドの変形形態を示す概略斜視図及び断面図である。
図3E】本発明の一実施形態による、n型コンタクトパッドの変形形態を示す概略斜視図及び断面図である。
図4図3Aから3Eにおいて実施されるステップのフロー図である。
図5A】本発明の一実施形態による、p型コンタクトパッドの変形形態を示す概略斜視図及び断面図である。
図5B】本発明の一実施形態による、p型コンタクトパッドの変形形態を示す概略斜視図及び断面図である。
図5C】本発明の一実施形態による、p型コンタクトパッドの変形形態を示す概略斜視図及び断面図である。
図5D】本発明の一実施形態による、p型コンタクトパッドの変形形態を示す概略斜視図及び断面図である。
図5E】本発明の一実施形態による、p型コンタクトパッドの変形形態を示す概略斜視図及び断面図である。
図6図5Aから5Eにおいて実施されるステップのフロー図である。
図7A】本発明の一実施形態による、p型コンタクトパッドの変形形態を示す概略斜視図及び断面図である。
図7B】本発明の一実施形態による、p型コンタクトパッドの変形形態を示す概略斜視図及び断面図である。
図7C】本発明の一実施形態による、p型コンタクトパッドの変形形態を示す概略斜視図及び断面図である。
図8図7Aから7Cにおいて実施されるステップのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、発光ダイオード(LED)デバイスの集合的製造に適用される。以下で詳しく説明されるように、本発明はプロセスの異なる段階で以下の要素の1つ又は複数がさらに設けられる、少なくとも1つ又は複数の基本LED構造をそれぞれが備えるLEDデバイスの平板上での集合的製造を可能にする。
p型コンタクト、
n型コンタクト、
コンタクトへのアクセスのための垂直の電子的接続(ビア)が設けられた最終基板であって、電子回路をさらに設けることができる最終基板、
光変換材料層、
微細構造、特に光学的微細構造。
【0031】
上述の要素のすべては、以下で述べられる例のように集合的に、すなわち平板上に存在する基本LED構造の全体に対して行われる同じ作業時に用意することができる。しかし必要ならLEDデバイスは、集合的製造方法の中間段階において、例えばp及びn型コンタクトの形成後に切り離し、次いでその後の製造ステップにおいて個々に処理することができる。必要性に従って、特に光強度の観点から、平板から切断されるLEDデバイスは直列に又は並列に接続されたいくつかの基本LED構造を含むことができる。
【0032】
LEDの集合的製造の方法は、図1Aから1O、並びに2A及び2Bを参照して述べられる。
【0033】
ここで述べられる例では方法は、支持基板101、埋め込み層102、及び成長アイランド103を備える、平板又は複合成長基板100から実施される(図1A)。ここで支持基板101はサファイアからなる。基板101はまた、特にシリコン、炭化珪素、又はゲルマニウムなどの半導体材料から構成され得る。埋め込み層は、ここではSiOにおいて用意されるボンディング層である。成長アイランド103は、ここでは例えば、GaN起源層(germ layer)上のエピタキシャル成長によって用意され、埋め込み層102を通じて支持基板101上に移転される、InGaN層である歪み材料の成長層から得られる。
【0034】
トレンチ160は、InGaN成長アイランド131を画定するように成長層内に作製された。これらのトレンチはまた、成長層の歪み材料を緩和させることを可能にした。非限定的な例として各アイランド131は、ここでは1辺の長さが1mmの正方形である。最終のLEDの形状、及び寸法の少なくとも一部を規定する、アイランドの形状及び寸法はもちろん異なることができ、特にアイランドは円形形状をもつことができる。
【0035】
方法は、各アイランド131への、エピタキシによる、n型層132(厚さ約1μm)、活性層133(約10nm)及びp型層134(厚さ約100nm〜200nm)の形成で開始し(ステップS1、S2、S3、図1B)、これら3つの層は各アイランド上に基本LED構造150を形成する。プロセスのこの段階において、平板の形での構造10が得られ、これはその上面にトレンチ160によって互いに分離された複数のLED構造150を備える。
【0036】
n及びp型層は、逆の順序で(p型層がアイランド131に最も近くなるように)形成することができ、非意図的にドープされた層を備える、様々な組成物、厚さ、又はドーパント濃度のいくつかの層を含むことができる。
【0037】
活性層133は、単一の厚い若しくは薄い層、又はバリア層によって互いに分離された発光量子井戸の複数の層から形成され得る発光層である。
【0038】
絶縁材料層136は、ここではSiOであり、基本構造150を備える構造10の上面の全体にプラズマ化学気相成長法(PECVD)によって堆積され、層136は基本構造150及びトレンチ160の両方を覆う(ステップS4、図1C)。堆積の後に絶縁材料層136は、化学機械研磨(CMP)又はエッチングによって平坦化される(ステップS5、図1C)。SiO層136はまた、スピナ上で回転する基板に粘性SiO前駆体組成物を堆積することからなる、よく知られたスピンオンガラス(SOG)技法によって形成され得る。この堆積技法によりSiO層は、堆積後の平坦化を必要としない満足な表面品質を有する。
【0039】
本発明の一態様によれば、それぞれが1つ又は複数のLED構造を備える複数のブロックに、構造を切断するのを容易にするために、特定のトレンチ160は絶縁材料136で充填されない。絶縁材料のないトレンチは従って、諸基本構造の周りに切断区域を画定する。
【0040】
接着層135は、例えば厚さが約10nmのチタン層であり、SiOへの接着が困難な特定の金属に構造を接着するのを容易にするために絶縁材料層160上に形成することができる(ステップS6、図1C)。
【0041】
次いで層135及び136は、例えばドライ又はウエット選択化学エッチングによって、p型層134上で開口される(ステップS7、図1D)。ここで述べられる例では開口137は、p型層134の上の層136内に形成される。この目的のために、構造内のエッチングされるべき区域を画定する開口(樹脂のない区域)を有する保護樹脂層を備えたエッチングマスクが使用される。
【0042】
p型コンタクトパッド138は、開口137内に、後者内への少なくとも1つの導電性材料の堆積によって形成される(ステップS8、図1E)。コンタクトパッド138のための材料の堆積時に、用いられるマスクは開口137をエッチングするために保存される。p型コンタクトパッド138が形成された後に、エッチングマスクの保護樹脂は除去され、これは、開口137を超えて堆積されたp型コンタクトパッド138の構成材料を同時に除去することを可能にする。
【0043】
p型コンタクトパッド138を形成する層は、特に以下を含むことができる。
良好な抵抗率及び良好なオーム特性を得るための、1Å〜5nmの厚さを有するNi、Pd、又はPtなどの金属、
反対面に向かって出る光子(すなわち、構造が最終基板に移転されたときにp型層に向かって移動する光子であり、従って放射面はn型層132の側に見出される)を、放射面に戻すための、例えば約100nmの厚さを有するAgの層の形でのリフレクタ、
例えば20〜50nmの厚さを有するWN又はTiNの層の形での拡散バリア。
【0044】
基本構造150の全体への絶縁材料層136の形成は、集合的に、すなわち1つの作業で、すべての構造150に対してp型コンタクトパッド138を形成することを可能にする。
【0045】
プロセスのこの段階において既に、それぞれにp型コンタクトパッドが設けられた複数の基本構造150を有する平板の形での構造20が得られた。構造20は、想定される最終用途に従った1つ又は複数基本構造150をそれぞれが備える、複数のデバイスに切り離すことができ、n型コンタクトパッドの形成などの残りのLED形成作業は、切り離された各デバイスに対して個々に行われる。
【0046】
ここで述べられる例では方法では、基本構造150の横側面及びトレンチ160内に存在する絶縁材料層136の例えば化学エッチングによる開口又は除去を含む、n型コンタクトパッドの用意に続く(ステップS9、図1F)。プロセスのこの段階においてはまた、構造から複数のデバイスを切断した後に、単独で又は複数で形成することができるp型コンタクトパッドがそれぞれに設けられた、複数の基本構造150を有する平板の形での構造30が得られる。
【0047】
次いで、各構造の横方向マージンから定められた幅にわたる、及びn型層132内の定められた深さへの基本構造150の横の部分の、例えば化学エッチング又はドライエッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)によるミリングに進み、それにより各基本構造150内に縮小された横方向寸法(幅、直径など)を有するミリングされた部分151が形成され、このミリングされた部分は、層134及び133と、活性層133と接触する層132の第1の部分1320とを備える(ステップS10、図1G)。従って各基本構造150において、ミリングされていない層132の残りの部分1321を備える第2の下層部分152と比べて、縮小された横方向寸法(幅、直径など)を有する、第1の部分151が形成される。
【0048】
ミリングの後に、薄い絶縁材料層139例えばSiOの、平板全体への堆積に進む(ステップS11、図1H)。絶縁材料層の厚さは、基本LED構造150及びトレンチ160の輪郭に従うように制限される。この堆積の後に垂直方向に優先的にエッチングする方向性ドライエッチングが続き、それによりp型コンタクトパッド138の表面、及びミリングされていない部分152上に存在するn型層132上の、絶縁材料層139が開口される。ドライエッチングの後に層139は、ミリングされた部分151の基本構造150の側部のみに残る(ステップS12、図1I)。
【0049】
次に導電性材料層140、例えばTi/Al/Niの堆積を行い、その後に、基本構造150の側壁に残る層140を残すように、垂直方向に優先的にエッチングする方向性ドライエッチングが続く(ステップS13及びS14、図1J)。導電性材料層140は、基本構造150のミリングされていない部分152に存在するn型層132の側壁と接触し、n型コンタクトパッド145を形成することができる。
【0050】
層132のミリングされていない部分の上にある各基本構造の部分を保護するための絶縁材料層139の事前の堆積の結果、n型コンタクトパッド145を形成することを目的とする導電性材料層140は、平板の全体に対して全体的に(すなわち単一の作業で)堆積することができ、これは各LEDのためにn型コンタクトパッドを集合的に用意することを可能にする。
【0051】
プロセスのこの段階において、それぞれにp型コンタクトパッド及びn型コンタクトパッドが設けられた、複数の基本構造150を有する平板の形での構造40が得られ、構造40は、想定される最終用途に従った1つ又は複数の基本構造150をそれぞれが備える、複数のデバイスに切断することができ、残りのLED形成作業は切り離された各デバイスに対して個々に行われる。
【0052】
ここで述べられる例では導電性材料層140は、基本構造150の側壁のみに存在する。変形形態によれば導電性材料層は、トレンチ160を全体に充填することができる。この第2の場合では、隣接する基本構造のn型層132は接続される。
【0053】
他の変形形態によれば、導電性材料の2つの部分の間のトレンチ内に存在する空間は、絶縁材料で充填することができる。
【0054】
これらすべての変形形態において導電性材料層140は、ミリングされていない部分152上に露出されたn型層132の側壁全体と接触する。従って大きな面での接触が生成され、これは構成要素の集積化密度には実際に不利にならずに、n型コンタクトパッドの電気抵抗を著しく低減することを可能にする。実際、n型コンタクトパッドはn型層の周りに用意されるので、最終構成要素の幅及び上面面積は少ししか増加しない。
【0055】
さらに層140が、n型層132の側壁及びトレンチ160内(トレンチの底部に、又はトレンチの体積を充填して)の両方に堆積された場合は、いくつかの隣接する基本構造を直接並列にすることができ、従ってやはり、いくつかの構造に共通なn型コンタクトの電気抵抗を最小にすることができる。
【0056】
上記で示されたようにエッチングされた場合のように、導電性材料層が2つの基本構造の間で連続していないときは、最終配線作業時にいくつかの基本構造を直列に接続することができる。
【0057】
導電性材料層141は、ここでは銅であり、p型コンタクトパッド138及びn型コンタクトパッド145でそれを覆うように平板の全体に堆積される(ステップS15、図1K)。従って導電性材料層142は、コンタクトパッド138の上の基本LED構造の全体を覆い、トレンチ160を充填し、それによりここで、隣接する基本構造のn型コンタクトパッド145を接続する。
【0058】
層141の堆積の前に、半導体/金属接着を促進するボンディング層、例えばTa及び/又はTaNが、p型コンタクトパッド138及びn型コンタクトパッド145に堆積されることが好ましい。
【0059】
導電性材料層141は、深さPpol(図1J)まで化学機械研磨(CMP)によって研磨され、それによりp型コンタクトパッド138を露出し、n型コンタクトパッド145と接触してこれらのパッドのそれぞれへの接触を可能にする、導電性材料層141の部分又はn型コンタクトプラグ143を形成する(ステップS16、図1L)。コンタクトパッド138及び144は、絶縁材料層139によって互いに分離される。導電性材料層141の研磨は例えば、p型138とn型145電気的コンタクトパッドの間に存在する、絶縁材料層139の少なくとも一部に到達するまで行われ、それにより導電性材料層141の個々の部分143を備える構造70を形成し、これらの個々の部分143のそれぞれは1つ又は複数のn型電気的コンタクトパッド145と接触する。
【0060】
プロセスのこの段階において、最終又はレシーバ基板への直接ボンディングに適合する平面70aを有する、構造70が得られる。
【0061】
ここで述べられる例では方法は、構造70の最終又はレシーバ基板50との分子付着によるボンディングに続く(ステップS17、図1M)。直接ボンディングとも呼ばれる分子付着によるボンディングの原理は、それ自体でよく知られているように、2つの面(ここでは構造70及び基板50の、面70a及び50a)を直接接触に、すなわち特定の材料(接着剤、蝋、半田など)を使用せずに、もたらすことに基づく。このような作業は、ボンディングされる面が十分に平滑で粒子又は汚染がないこと、及び接触を生じることを可能にするために、それらが十分近くに、通常は数ナノメートル未満にもたらされることを必要とする。この場合には2つの面の間の引力は、分子付着(ボンディングされるべき2つの面の原子又は分子の間の電子相互作用の引力(ファンデルワールス力)の合計によって誘起されるボンディング)を引き起こすのに十分に大きくなる。
【0062】
しかし構造70及び最終基板50は、陽極接合、金属ボンディング、又は接着剤を用いたものなどの、他のタイプのボンディングによって組み立てることもできる。
【0063】
最終基板50は少なくとも、最終のLEDデバイスに対する良好な機械的支持、並びにn及びp型コンタクトパッドへのアクセスを確実にすることを可能にする。ここで述べられる例では、最終基板50は、基板のボンディング面50aの側に、絶縁材料503例えばSiNの部分によって互いに絶縁された銅コンタクトパッド502を備える、平板501から形成される。各コンタクトパッド502は、少なくともp型コンタクトパッド138の一部、又は構造70の平面70a上に露出されたn型コンタクトプラグ143の一部と整列した位置に形成された(図1M)。平板501は特に、良好な熱伝導体であるアルミナ若しくは多結晶のAlN、又はシリコンから構成され得る。
【0064】
この場合は、構造70のp型コンタクトパッド138及びn型コンタクトプラグ143は、平板501を通して、ビアとも呼ばれる、例えば銅の垂直の電子的接続504を形成することによって、最終基板50のボンディング面50aと反対の面50bからアクセスされ、これらの垂直接続のそれぞれはコンタクトパッド502に出て来る(ステップS18、図1N)。シリコンの平板501の場合、ビアの内側面は、よく知られたシリコン貫通ビア(TSV)法に従って予め絶縁されることになる。電子的接続504及びそれらのオプションの内側絶縁は、最終基板50をボンディングする前に用意されることが好ましい。
【0065】
変形形態によれば最終基板は、中実の平板、例えばシリコン又はAlNから形成することができ、そのボンディング面には、p型コンタクトパッド138及びn型コンタクトプラグ143の、構造70の平面70aに露出された部分と整列した位置に、複数の空洞が切り取られており、空洞は導電性材料、例えば銅で充填される。最終基板が構造70にボンディングされた後に、後者は空洞に存在する導電性材料の覆いを取るように薄くされ、それによりそれぞれが個々にp型コンタクトパッド138又はn型コンタクトプラグ143と接触し、最終基板の背面からアクセス可能な、垂直の電気的接続を形成する。
【0066】
最終基板材料により可能になる場合、例えば最終基板がシリコン平板から形成される、又はシリコンの層を備える場合は、LEDデバイスと共に機能することを目的とする電子回路を、前もって形成し、最終基板内に形成された垂直の電子的接続によってp型コンタクトパッド138及びn型コンタクトプラグ143に接続することができる。想定され得る電子回路の中でも、受動調整デバイス(保護ダイオード、ESDに対する抵抗、コンデンサなど)、及び能動調整デバイス(電流レギュレータ)を挙げることができる。
【0067】
最終基板はまた、直列に又は並列に接続されたいくつかの基本LED構造を備えたLEDデバイスを用意することを可能にする、電子的相互接続回路を含むことができる。
【0068】
他の変形形態によれば構造70の面70aは、化学機械研磨によって平坦化されたSiOの層で覆うことができる。この場合の最終基板は、バージンシリコンの平板、又は絶縁基板(例えばアルミナ又はAlN)から構成される。最終基板のボンディング面が分子付着によるボンディングのためには粗すぎる場合(典型的には5×5μm表面走査に対して>0.3nmRMS)は、またSiOの層を堆積し平坦化することができる。このようにして用意された2つの面は、分子付着によって一緒にボンディングされる。ボンディングを強化するためにアニールを行うことができる。次いで最終基板は、LED構造70のp及びn型コンタクトパッドと接触する垂直の電気的接続すなわちビアの用意を可能にするように薄く(例えば100μmに)される。この変形形態により、LED構造のコンタクトパッドと、最終基板の電気的接続すなわちビアとの間の整列の問題がなくなり、なぜなら後者はLED構造の最終基板へのボンディングの後に用意されるからである。
【0069】
最終基板50及び構造70が組み立てられた後に、支持基板101は、例えば特にサファイア基板の場合はよく知られたレーザリフトオフ技法によって、又は化学エッチングによって除去される(ステップS19、図1O)。InGaN支持基板の特定の場合は、レーザリフトオフによるその除去は、この技法による基板の分離を容易にする層を挿入することによって適合させることができる。化学エッチングによる除去の場合はまた、LED構造の残りの部分を維持するために、バリア層を挿入することができる。レーザリフトオフ又は他の非破壊的技法による除去の場合は、支持基板は再使用することができる。
【0070】
ここではレーザリフトオフによって行われる支持基板101の除去の後に、例えば化学エッチングによって、埋め込み層102及び成長アイランド131が除去される(ステップS20、図1O)。
【0071】
プロセスのこの段階において、それぞれが、配線された1つ又は複数の基本構造から形成され、n及びp型接続がその一方の表面に配置された基板が設けられた、LEDデバイスを切り離すことができる構造80が得られる。
【0072】
LED構造70の覆いを取られた裏面70bは、やはり集合的に、支持基板101、埋め込み層102、又は成長アイランド131から残る残留物を除去するためにエッチングすることができ、それからの光の抽出を増加するように構造化することができる(ステップS21、図1O)。エッチングは、特に反応性プラズマエッチング(塩素処理又はフッ化処理)によって、又はUV補助化学(PEC)エッチングによって行うことができる。
【0073】
白色光LEDデバイスの形成の場合は、デバイスによって放射される光を白色光に変換することができるルミノフォリック材料の層を、LED構造70の面70bに、例えば液体リンベースの組成物を構造70の面70bに適用し、その後に分散溶媒を蒸発させるようにアニールすることによって、堆積することができる(スピンオンガラス)。
【0074】
さらにLEDデバイスにはフレネルレンズなどの微細構造を、例えば構造70の面70bへの微細構造のナノ印刷又はマイクロ印刷によって設けることができる。
【0075】
本発明の方法の変形形態によれば、基本LED構造の内側にn型コンタクトパッドが形成される。この変形形態は、図1Fに示される構造30と同一の構造60から実施され、上述のステップS1からS9の後に得られる。より正確には図3Aに示されるように構造60は、上述のように、支持基板201と、埋め込み層202と、トレンチ260によって分離されその上に、n型層232、活性層233、及びp型層234を備えた基本構造250が用意された成長アイランド231とを備えた、平板又は複合成長基板200を備える。p型コンタクトパッド238がさらに、上述のようにp型層234上に形成されている。
【0076】
この変形形態によれば各基本構造250内に、p型コンタクトパッド138を貫通してn型層232まで中央開口251が作られる(ステップS20、図3A)。開口251は、特に化学エッチング又はドライエッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)によって用意することができる。
【0077】
絶縁材料層239、例えばSiOは、基本構造250を備えた構造200の上面の全体に、プラズマ化学気相成長法(PECVD)によって堆積され、層239は、基本構造250及びトレンチ260の両方を覆う(ステップS21、図3B)。
【0078】
次いで層239は、例えばドライ又はウエット選択化学エッチングによって開口され、それにより開口251と同じ深さであるが後者より狭い幅にわたる、中央開口252が生成される(ステップS22、図3C)。この目的のために、構造内のエッチングされるべき区域を画定する開口、ここでは開口252を有する、保護樹脂層を備えたエッチングマスクが使用される。開口252は開口251より狭く、絶縁材料層239の一部分は、p型コンタクトパッド、並びに開口251内に露出された層234、233、及び232の側部に残る(図3C)。
【0079】
n型コンタクトパッド245は、開口252内に、後者内への少なくとも1つの導電性材料、例えばTi/Al/Niの堆積によって形成され、これは開口252の底部において露出されたn型層232と接触する(ステップS23、図3D)。n型コンタクトパッド245のための材料の堆積時に、用いられたマスクは開口252をエッチングするために保存される。コンタクトパッド245が形成された後に、エッチングマスクの保護樹脂が除去され、これは、開口252を超えて堆積されたn型コンタクトパッド245の構成材料を同時に除去することを可能にする(ステップS24、図3D)。
【0080】
絶縁材料層239及びn型コンタクトパッド245は、深さPpol(図3D)まで化学機械研磨(CMP)によって研磨され、それによりp型コンタクトパッド238及びn型コンタクトパッド245を露出して、これらのパッドのそれぞれへのコンタクトプラグを可能にする(ステップS25、図3E)。コンタクトパッド238及び245は、絶縁材料層239によって互いに分離される。
【0081】
プロセスのこの段階において、最終又はレシーバ基板との直接ボンディングに適合する平面80aを有する構造80が得られる。
【0082】
次いで方法は、上述と同じようにして、すなわち図1Mから1Oを参照して上述したステップS17からS20を繰り返すことによって続行する。
【0083】
図5Aから5E及び6を参照して述べられる本発明の方法の他の変形形態によれば、p型コンタクトパッドは、n型コンタクトパッドの後に形成される。この変形形態は、図1Gにおいて示された構造と同一であるが、p型コンタクトパッドをもたない構造400から実施され、構造400は、トレンチ360によって分離され、上述のステップS1、S2、及びS3と同じ条件下で用意されるn型層332、活性層333、及びp型層334を備えた、基本構造350を形成するステップの後に、及び上述のステップS10と同じ条件下で行われるミリングステップの後に得られる。ミリングは例えば、定められた幅にわたり、及びn型層332内の定められた深さまでの、基本構造350の横の部分の化学エッチング又はドライエッチングによって行われ、それにより各基本構造350内に、一方で、縮小された横方向寸法を有し、層334及び333、並びに層332の一部を備えるミリングされた部分351と、他方で、ミリングされていない層332の残りの部分を備える下層部分352とを形成する(ステップS30、図5A)。
【0084】
ミリングの後に、例えばステップS11に関連して上述したものなどの、薄い絶縁材料層339、例えばSiOの、平板全体への堆積に進む(ステップS31、図5B)。この堆積の後に、垂直方向に優先的にエッチングする方向性ドライエッチング(上述のステップS12と同様な)が続き、それによりp型コンタクトパッド338、及びミリングされていない部分352に存在するn型層332の表面の絶縁材料層339を開口する。ドライエッチングの後に層339は、ミリングされた部分351の基本構造350の側部のみに残る(ステップS32、図5C)。
【0085】
次いで導電性材料層340、例えばTi/Al/Niの堆積が行われ、その後に垂直方向に優先的にエッチングする方向性ドライエッチングが続き、それにより基本構造150の側壁に残る層340を残す(ステップS33及びS34、図5C)。これらのステップS33及びS34は、それぞれステップS13及びS14と同じ条件下で行われる。導電性材料層340は、基本構造350のミリングされていない部分352に存在するn型層332の側壁と接触し、n型コンタクトパッド345を形成することができる。
【0086】
次いでp型層334は、限られた深さにわたって、例えばドライ又はウエット選択化学エッチングによって開口される(ステップS35、図5D)。この目的のために、構造内のエッチングされるべき区域を画定する開口、すなわち開口337を有する保護樹脂層を備えるエッチングマスクが使用される。
【0087】
p型コンタクトパッド338は、開口337内に、後者内への少なくとも1つの導電性材料の堆積によって形成される(ステップS36、図5E)。コンタクトパッド338のための材料の堆積時に、用いられたマスクは開口337をエッチングするために保存される。p型コンタクトパッド338が形成された後に、エッチングマスクの保護樹脂は除去され、これは開口337を超えて堆積されたp型コンタクトパッド338の構成材料を、同時に除去することを可能にする。
【0088】
プロセスのこの段階において、それぞれにp型コンタクトパッド及びn型コンタクトパッドが設けられた、複数の基本構造350を有する平板の形での構造500が得られ、構造500は、想定される最終用途に従った1つ又は複数の基本構造350をそれぞれが備える、複数のデバイスに切り離すことができ、残りのLED形成作業は切り離された各デバイスに対して個々に行われる。
【0089】
次いで方法は、上述と同じようにして、すなわち図1Kから1Oを参照して上述したステップS15からS21を繰り返すことによって続行する。
【0090】
図7Aから7C及び8を参照して述べられる本発明の方法の他の変形形態によれば、n及びp型コンタクトパッドは同時に形成される。この変形形態は、ステップS32の完結において、上述の構造と同一の構造600から、すなわち以下のステップの後に実施される。
上述のステップS1、S2、及びS3と同じ条件下で行われる、トレンチ660によって分離され、n型層632、活性層633、及びp型層634を備える、基本LED構造650を形成するステップ、
上述のステップS10と同じ条件下で行われるステップであって、各基本LED構造650内に、p型層634、活性層633、及び活性層633と接触するn型層の第1の部分6320を備え、ミリングされていないn型層632の第2の部分6321を備える第2の下層部分652と比べて縮小された横方向寸法(幅、直径など)を有する、第1の部分651を形成することを可能にする、ステップ、
基本LED構造650及びトレンチ660の輪郭に従うように、限られた厚さを有する絶縁材料層例えばSiOを、平板全体に堆積する上述のステップS11と同様なステップ、及び
垂直方向に優先的にエッチングする方向性ドライエッチングの上述のステップS12と同様なステップであって、それにより縮小された横方向寸法の第1の部分651の基本構造650の側部の、絶縁材料層の残る唯一の部分6390を残す、ステップ。
【0091】
この変形形態では次いでp型層634が、定められた深さまで、例えばドライ又はウエット選択化学エッチングによって開口される(ステップS40、図7A)。この目的のために構造内のエッチングされるべき区域を画定する開口、ここでは開口637を有する保護樹脂層を備えたエッチングマスクが使用される。
【0092】
次いで導電性材料層640の平板全体への堆積が行われ、これは開口637を充填しながら、基本構造650及びトレンチ660の全体を覆う(ステップS41、図7B)。
【0093】
導電性材料層640は、深さPpol(図7B)まで化学機械研磨(CMP)によって研磨され、それにより絶縁材料の部分6390によって互いに分離された、p型コンタクトパッド638及びn型コンタクトパッド645を形成する(ステップS42、図7C)。
【0094】
プロセスのこの段階において、それぞれにp型コンタクトパッド及びn型コンタクトパッドが設けられた複数の基本構造650を有する、平板の形での構造610が得られ、構造610は、最終又はレシーバ基板への分子付着によるボンディングに適合する、平面610aを有する。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図1L
図1M
図1N
図1O
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6
図7A
図7B
図7C
図8