特許第6104135号(P6104135)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104135
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】スティック状小袋容器詰め液状食品
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/00 20060101AFI20170316BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20170316BHJP
   B65D 30/10 20060101ALI20170316BHJP
   B65D 85/72 20060101ALI20170316BHJP
【FI】
   A23L2/00 W
   B65D65/40 E
   B65D30/10 Z
   B65D30/10 U
   B65D85/72 E
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-241324(P2013-241324)
(22)【出願日】2013年11月21日
(65)【公開番号】特開2015-100285(P2015-100285A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小田 尚孝
(72)【発明者】
【氏名】村上 賢充
【審査官】 松岡 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−083084(JP,A)
【文献】 特開2007−168847(JP,A)
【文献】 コンビニ別売ドレッシング徹底検証,[online],2011年11月 8日,平成29年2月10日検索,<http://portal.nifty.com/kiji/111107150288_1.htm>>
【文献】 四万十川 川のり佃煮,[online],2013年 8月11日,平成29年2月10日検索,<https://web.archive.org/web/20130811205924/http://400104.com/b01-05.htm>
【文献】 四万十川 川のり佃煮スティック(醤油味),[online],平成29年2月10日検索,<http://item.rakuten.co.jp/118shop/10000190/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
B65D
B65B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スティック状小袋容器詰め液状食品であって、
前記スティック状小袋容器は、
シート状部材を第1の辺で折り返した折返部と、
前記第1の辺に対向する第2の辺をシールした縦シール部と、
互いに離間して対向して設けられ、前記第1の辺と前記第2の辺を連結する第3の辺と第4の辺をシールした一組の横シール部と、
前記折返部、前記縦シール部及び一組の横シール部で囲まれ、前記液状食品を収納可能な収納空間と、を有し、
前記縦シール部の前記第2の辺に沿った第1の長さは、前記横シール部の前記第3の辺および前記第4の辺に沿った第2の長さに対して4倍以上10倍以下であり、
前記縦シール部の前記第3の辺および前記第4の辺に沿った第3の長さは、前記第2の長さに対して0.4倍以上0.7倍以下であり、かつ、8mm以上20mm以下であり、
前記横シール部の前記第1の辺および第2の辺に沿った第4の長さは、2mm以上20mm以下であり、
前記液状食品は、
具材を含有する具材含有液状食品及び/又は油相と水相が分離した分離液状食品であり、
前記スティック状小袋容器を自立させたときに前記収納空間の60%以上95%以下の液面の高さを有し、
5ml以上12ml以下の体積を有するスティック状小袋容器詰め液状食品。
【請求項2】
請求項1に記載のスティック状小袋容器詰め液状食品において、
前記液状食品が10000mPa・s以下の粘度であるスティック状小袋容器詰め液状食品。
【請求項3】
請求項1または2に記載のスティック状小袋容器詰め液状食品において、
前記具材が0.1mm以上5mm以下の大きさであり、
かつ、前記液状食品の全体に対し、生換算で、0.1質量%以上20質量%以下の配合量であるスティック状小袋容器詰め液状食品。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載のスティック状小袋容器詰め液状食品において、
前記油相は食用油脂を含有し、
前記食用油脂が、前記液状食品の全体に対し、1質量%以上50質量%以下の配合量であるスティック状小袋容器詰め液状食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、具材を含有可能な油相及び水相からなる液状食品をスティック状小袋容器に収納したスティック状小袋容器詰め液状食品に関する。
【背景技術】
【0002】
<特許文献1に記載の従来技術の説明>
従来、ドレッシング、焼肉のタレ、ごまダレ、餃子のタレ等の、具材を含有可能な油相及び水相からなる液状食品を収納する小袋容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図7に示すように、特許文献1に記載の小袋容器(小袋包装体)100は、フィルム部材(図示省略)を対向させて折り曲げて、縦シール部101と、上下の横シール102、103により三方をシールして作成されている。
なお、横シール102には、日付印字部104が設けられている。また、縦シール部101には、開封用の切れ目(Iカット)105が設けられている。
【0003】
<特許文献1に記載の従来技術の問題点>
しかしながら、前述した小袋容器100では、全体が略正方形に近い幅広形状をしているため、片手で縦シール部101を持って振ると、小袋容器100が薄いシートのような変形する。このため、片手で小袋容器100を持って、収納されている液状食品の油相と水相をかき混ぜるのが困難であるという問題があった。
また、一般に、小袋容器100の容量が大きいため、一度の使用で使い切れず、残ったものが無駄になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−168847号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
<本発明の目的>
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、片手で持って振ることにより、容易に液状食品の油相と水相をかき混ぜることができるスティック状小袋容器詰め液状食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<請求項1の内容>
(1)本願発明に係る1つの態様は、
スティック状小袋容器詰め液状食品であって、
スティック状小袋容器は、
シート状部材を第1の辺で折り返した折返部と、
第1の辺に対向する第2の辺をシールした縦シール部と、
互いに離間して対向して設けられ、第1の辺と第2の辺を連結する第3の辺と第4の辺をシールした一組の横シール部と、
折返部、縦シール部及び一組の横シール部で囲まれ、液状食品を収納可能な収納空間と、を有し、
縦シール部の第2の辺に沿った第1の長さは、横シール部の第3の辺および第4の辺に沿った第2の長さに対して4倍以上10倍以下であり、
縦シール部の第3の辺および第4の辺に沿った第3の長さは、第2の長さに対して0.4倍以上0.7倍以下であり、かつ、8mm以上20mm以下であり、
横シール部の第1の辺および第2の辺に沿った第4の長さは、2mm以上20mm以下であり、
液状食品は、
具材を含有する具材含有液状食品及び/又は油相と水相が分離した分離液状食品であり、
スティック状小袋容器を自立させたときに収納空間の高さの60%以上95%以下の高さを有し、
5ml以上12ml以下の体積を有するスティック状小袋容器詰め液状食品を提供する。
【0007】
<請求項2の内容>
(2)上記(1)に記載のスティック状小袋容器詰め液状食品において、
液状食品が10000mPa・s以下の粘度であってもよい。
【0008】
<請求項3の内容>
(3)上記(1)又は(2)に記載のスティック状小袋容器詰め液状食品において、
具材が0.1mm以上5mm以下の大きさであり、
かつ、液状食品の全体に対し、生換算で、0.1質量%以上20質量%以下の配合量であってもよい。
【0009】
<請求項4の内容>
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のスティック状小袋容器詰め液状食品において、
油相は食用油脂を含有し、
食用油脂が、液状食品の全体に対し、1質量%以上50質量%以下の配合量であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
<本発明の効果>
本発明では、スティック状小袋容器が、幅が小さく長手方向に長いスティック状を呈しているので、片手で縦シール部を持って上下等に振ることができ、収納されている液状食品の油相と水相とを容易に混ぜるとともに、具材を均一に分散させることができるという効果を有するスティック状小袋容器詰め液状食品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】鉛直方向に沿って立てた状態のスティック状小袋容器詰め液状食品の一部破断の正面図。
図2図1中II−II位置の断面図。
図3】開封部分の構成例を示す図。
図4】スティック状小袋容器詰め液状食品の使用例を示す説明図であり、(a)は使用者が縦シール部を把持した状態を示す図であり、(b)は把持したスティック状小袋容器詰め液状食品を上下に振る状態を示す図であり、(c)は油相と水相が混ざった状態を示す図。
図5】スティック状小袋容器詰め液状食品をコップに入れて立てた状態を示す図。
図6】スティック状小袋容器詰め液状食品を箸と一緒に弁当の側面に配置して包装した状態を示す図。
図7】従来の小袋容器を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<スティック状小袋容器詰め液状食品の概略説明及び用途>
以下、本発明に係る実施形態のスティック状小袋容器詰め液状食品について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る実施形態のスティック状小袋容器詰め液状食品10は、スティック状小袋容器(以後、「小袋容器」という。)20に、例えば、ドレッシング、焼肉のタレ、ごまダレ、餃子のタレ等の、具材34を含有可能な油相31及び水相32からなる液状食品30を収納したものである。
【0013】
<小袋容器の構成−1>
図1及び図2に示すように、小袋容器20は全体細長い矩形状を呈しており、シート状部材21を第1の辺で折り返した折返部22と、折返部22に対向する第2の辺をシールした縦シール部23と、を有する。
なお、シート状部材21として、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリオレフィン樹脂、アルミ等を基材とし、単体フィルム(ラミネートしていないもの)及び積層フィルム(ラミネートしたもの)を用いることができる。
【0014】
<小袋容器の構成−2>
また、小袋容器20は、互いに離間して対向して設けられ、第1の辺と第2の辺を連結する第3の辺と第4の辺をシールした一組の横シール部24を有する。横シール部24は、上端部をシールした上横シール部241及び下端部をシールした下横シール部242を有する。
従って、小袋容器20は、折返部22、縦シール部23、上横シール部241及び下横シール部242で囲まれた収納空間25を有する。
なお、縦シール部23と横シール部24との重なり部26は、以下の説明において、縦シール部23及び横シール部24のいずれにも該当する。
【0015】
<小袋容器の構成−3、取出し口>
図3に示すように、小袋容器20には、液状食品30を容易に取り出すための取出し口27を設けることができる。
例えば、収納空間25を上横シール部241に食い込ませて取出し口27を設けるとともに、上横シール部241の長手方向一端に、取出し口27を横切る切断線271を形成するための切込み272を設けることができる。
【0016】
<小袋容器における縦シール部の寸法−1>
図1及び図2に示すように、縦シール部23の第2の辺に沿った第1の長さA(縦シール部23の長さ)は、横シール部24の第3の辺および第4の辺に沿った第2の長さB(横シール部24の長さ)に対して、4倍以上10倍以下である。さらに、第1の長さAは、第2の長さBの4倍以上8倍以下とすることができる。
なお、ここで「長さ」及び「幅」とは、最も長くとれる長さを意味し、例えば、幅寸法である場合には、最も幅が広い部分の幅寸法を意味する。以後の説明においても同様である。
【0017】
<小袋容器における縦シール部の寸法−2>
また、縦シール部23の第3の辺および第4の辺に沿った第3の長さC(縦シール部23の幅)は、第2の長さBに対して0.4倍以上0.7倍以下であり、8mm以上20mm以下である。
さらに、第3の長さCは、第2の長さBに対して0.4倍以上0.6倍以下とすることができ、8mm以上15mm以下とすることができる。
【0018】
<小袋容器における横シール部の寸法>
横シール部24の第1の辺および第2の辺に沿った第4の長さD(横シール部24の幅)は、2mm以上20mm以下である。
さらに、第4の長さDは、5mm以上15mm以下とすることができる。
【0019】
<液状食品の構成及び量の説明−1>
液状食品30は、具材34を含有する具材含有液状食品及び/又は油相31及び水相32を有する分離液状食品である。また、液状食品30の液面33の高さFが、収納空間25の高さEに対して、60%以上95%以下であるとともに、5ml以上12ml以下の体積である。
液状食品30の液面33の高さFは、収納空間25の高さEの70%以上90%以下であることができ、また、5ml以上10ml以下の体積とすることができる。
【0020】
<液状食品の構成及び量の説明−2>
さらに、具材34の大きさは、0.1mm以上5mm以下である。この具材34の配合量は、液状食品30全体に対し、生換算で、0.1質量%以上20質量%以下とすることができる。
さらにまた、油相31に含有する食用油脂の配合量は、液状食品30全体に対し、1質量%以上50質量%以下とすることができる。
【0021】
<液状食品の粘度>
液状食品30の粘度は、10000mPa・s以下とすることができる。さらに、液状食品30の粘度は、8000mPa・s以下とすることができる。
なお、ここで粘度とは、油相31と水相32が分離した分離液状食品の場合は、油相31と水相32とを混合して一次乳化されたときの粘度を示す。
【0022】
<スティック状小袋容器詰め液状食品の使用状態の説明−1>
次に、スティック状小袋容器詰め液状食品10の使用方法について説明する。
まず、図4(a)に示すように、スティック状小袋容器詰め液状食品10を、長手方向が上下方向となるようにして、小袋容器20の縦シール部23を指fで把持する。
続いて、図4(b)に示すように、手を上下に移動させて、油相31と水相32とを混ぜる(図4(c)参照)。
このようにして液状食品30を混ぜた後、横シール部24の一端に設けられている切込み272から切断線271を形成して(図3参照)、取出し口27から液状食品30を押し出す。このとき、液状食品30の粘度が高めの場合には、収納空間25を外側から指fで押して、液状食品30を押し出す。
【0023】
<スティック状小袋容器詰め液状食品の使用状態の説明−2>
また、図5に示すように、スティック状小袋容器詰め液状食品10を保管する際には、コップ11のような、上方が開口した細長い容器に、スティック状小袋容器詰め液状食品10を縦にして収容することができる。
スティック状小袋容器詰め液状食品10は細長く、かつ、ある程度しっかりしたスティック状となっているので、コップ11の内部で自立できる。
【0024】
<スティック状小袋容器詰め液状食品の使用状態の説明−3>
さらに、図6に示すように、スティック状小袋容器詰め液状食品10を弁当12に添えて持って行く場合には、箸13とともに弁当箱121に入れることができる。
この場合、弁当箱121に箸入れがある場合には、箸入れに入れることも可能である。また、箸13とともに弁当箱121の外側に添えて、包装することも可能である。
【0025】
<請求項1の作用・効果−1>
次に、本発明に係る実施形態のスティック状小袋容器詰め液状食品10の作用・効果について説明する。
本実施形態のスティック状小袋容器詰め液状食品10は、液状食品30を収納する小袋容器20を有する。小袋容器20は、シート状部材21を第1の辺で折り返した折返部22と、第1の辺に対向する第2の辺をシールした縦シール部23と、互いに離間して対向して設けられ、第1の辺と第2の辺を連結する第3の辺と第4の辺をシールした一組の横シール部241、242を有する。
そして、折返部22、縦シール部23および一組の横シール部241、242で三方がシールされた収納空間25に、液状食品30を収納する。
【0026】
<請求項1の作用・効果−2>
縦シール部23の第2の辺に沿った第1の長さAは、横シール部24の第3の辺および第4の辺に沿った第2の長さBに対して4倍以上10倍以下である。
また、縦シール部23の第3の辺および第4の辺に沿った第3の長さCは、第2の長さBに対して0.4倍以上0.7倍以下であり、かつ、8mm以上20mm以下である。
また、横シール部24の第1の辺および第2の辺に沿った第4の長さDは、2mm以上20mm以下である。
そして、具材34を含有可能な油相31及び水相32を有し、液面の高さは収納空間25の高さの60%以上95%以下であり、かつ、5ml以上12ml以下の体積の液状食品30を小袋容器20に収納して、スティック状小袋容器詰め液状食品10を構成した。
【0027】
<請求項1の作用・効果−3>
このため、小袋容器20は、幅が小さく長手方向に長いスティック状を呈しているので、片手で縦シール部23を持って上下等に振ることができ、収納されている液状食品30の油相31と水相32とを容易に混ぜるとともに、具材34を均一に分散させることができる。
また、小袋容器20に収納されている液状食品30が少量なので、弁当12に添えても、残すことなく使い切ることができ、無駄を無くすことができる。
また、小袋容器20は細くてスマートな形状をしているので、弁当12で箸13とともに添えても見栄えがよく、食卓でコップ11等の容器に立てておくこともできる。
【0028】
<請求項2の作用・効果>
また、本実施形態のスティック状小袋容器詰め液状食品10では、液状食品30の粘度が、10000mPa・s以下とすることができる。
このため、片手で縦シール部23を持って上下等に振ることにより、収納されている液状食品30の油相31と水相32とを容易に混ぜるとともに、具材34を均一に分散させることができる。
【0029】
<請求項3の作用・効果>
また、本実施形態のスティック状小袋容器詰め液状食品10では、具材34の大きさが、0.1mm以上5mm以下であり、具材34の配合量が、液状食品30の全体に対し、生換算で、0.1質量%以上20質量%以下とすることができる。
このため、片手で縦シール部23を持って上下等に振ることにより、具材34を均一に分散させることができる。
【0030】
<請求項4の作用・効果>
さらに、本実施形態のスティック状小袋容器詰め液状食品10では、油相31に含有する食用油脂の配合量が、液状食品30の全体に対し、1質量%以上50質量%以下とすることができる。
このため、片手で縦シール部23を持って上下等に振ることにより、収納されている液状食品30の油相31と水相32とを容易に混ぜることができる。
【実施例】
【0031】
<実施例>
以下、実施例を示して本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
なお、下記配合割合の「%」は、「質量%」を意味する。
【0032】
<具材含有液状食品>
法に則り、混合機で下記原料を混合して具材含有液状食品を調整した。得られた具材含有液状食品を撹拌させながら、所定の小袋容器20に所定量充填し、密封した。
<具材含有液状食品の配合割合>
食酢(酸度5%) 15%
醤油 5%
ブドウ糖果糖液糖 5%
食塩 3%
砂糖 2%
グルタミン酸ソーダ 0.5%
黒コショウ粉砕物(具材) 0.5%(大きさ:0.1mm以上2mm以下)
キサンタンガム 0.1%
清水 残余
【0033】
<分離液状食品>
法に則り、混合機で下記の水相の全原料(上記具材含有液状食品と同じ)を混合して、水相部の液状食品を調整した。得られた液状食品(水相部)を撹拌させながら、所定の小袋容器20に所定量充填した後、残りの油相である食用油脂を所定量充填し、密封した。
<分離液状食品の配合割合>
(油相)
食用油脂 30%
(水相)
食酢(酸度5%) 15%
醤油 5%
ブドウ糖果糖液糖 5%
食塩 3%
砂糖 2%
グルタミン酸ソーダ 0.5%
黒コショウ粉砕物(具材) 0.5%(大きさ0.1〜2mm)
キサンタンガム 0.1%
清水 残余
【0034】
<実施例の評価>
実施例1〜4及び比較例1〜3について、上述した具材含有液状食品及び分離液状食品の液状食品30を、それぞれ前述した小袋容器20の収納空間25に収容して、スティック状小袋容器詰め液状食品10を製した。小袋容器20のフィルムは、ナイロン/プリエチレンテレフタレート/ポリエチレンをラミネートしたものを使用し、表1に示す構成比で製した。液状食品30の充填量は、いずれも5mL以上10mL以下の範囲とした。液状食品30の液面の高さFは、スティック状小袋容器詰め液状食品10をコップ等の容器に立てて自立させ、測定した。
【0035】
<混ぜ易さの試験方法>
得られた各小袋容器詰め液状食品10の混ぜ易さは、以下の方法により評価した。すなわち、各小袋容器詰め液状食品10の縦シール部23を指で挟み、5秒間上下に振って混ぜ易さを判断し、混ぜ易いものを○、混ぜ難いものを×とする2段階の評価基準で評価をした。なお、比較例1は、縦シール部23を指で挟むことが困難だったため、手のひらで小袋容器20を持って上下に振って評価した。結果を表1に示す。
【0036】
<均一性の試験方法>
液状食品30の均一性は、以下の方法により評価した。すなわち、混ぜ易さの試験において、小袋容器詰め液状食品10を上下に振った後の液状食品の状態を目視で観察し、評価した。具材含有液状食品の場合は、具材が均一に混ざっているかで均一性を判断し、分離液状食品の場合は、具材の均一性に加え、油相の食用油脂が喫食できる程度に粗乳化されているかで判断し、均一に混ざっているものを○、ほぼ均一に混ざっているものを△、均一には混ざっていないものを×とする3段階の評価基準で評価をした。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
<結果>
表1に示すように、第1の長さA(縦シール部の長さ)が第2の長さB(横シール部の長さ)に対して4倍以上10倍以下であり、第3の長さC(縦シール部の幅)が第2の長さBに対して0.4倍以上0.7倍以下であり、かつ、8mm以上20mm以下であり、第4の長さD(横シール部の幅)は、2mm以上20mm以下であるスティック状小袋容器20に、収納空間25の高さEの60%以上95%以下の液面の高さFを有するよう液状食品30を充填したスティック状小袋容器詰め液状食品は、振ったときに具材や油相・水相を混ぜやすく、かつ、均一性に優れたものであることがわかる。
【0039】
<変形例>
本発明のスティック状小袋容器詰め液状食品は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
【符号の説明】
【0040】
10 スティック状小袋容器詰め液状食品
20 スティック状小袋容器
21 シート状部材
22 折返部
23 縦シール部
24 横シール部
25 収納空間
30 液状食品
31 油相
32 水相
34 具材
A 第1の長さ(縦シール部の長さ)
B 第2の長さ(横シール部の長さ)
C 第3の長さ(縦シール部の幅)
D 第4の長さ(横シール部の幅)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7