特許第6104940号(P6104940)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6104940改善された研磨ヘッド保持リングのための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6104940
(24)【登録日】2017年3月10日
(45)【発行日】2017年3月29日
(54)【発明の名称】改善された研磨ヘッド保持リングのための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/30 20120101AFI20170316BHJP
   B24B 37/32 20120101ALI20170316BHJP
【FI】
   B24B37/30 Z
   B24B37/32 Z
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-554734(P2014-554734)
(86)(22)【出願日】2013年1月14日
(65)【公表番号】特表2015-505518(P2015-505518A)
(43)【公表日】2015年2月23日
(86)【国際出願番号】US2013021399
(87)【国際公開番号】WO2013112307
(87)【国際公開日】20130801
【審査請求日】2016年1月12日
(31)【優先権主張番号】13/360,221
(32)【優先日】2012年1月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ハン チー
(72)【発明者】
【氏名】グルサミー, ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ダンダヴェート, ゴータム
(72)【発明者】
【氏名】スウ, サミュエル チュ−チャン
【審査官】 小川 真
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−515349(JP,A)
【文献】 特表2003−533359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/27−37/32
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨ヘッド内に基板を保持するための装置であって、
基板のエッジに対して外郭をなすように構成された可撓性内側保持リングと、
前記研磨ヘッドに結合され、研磨されている基板によって前記可撓性内側保持リングに印加される横力負荷に応じて前記可撓性内側保持リングに接触するように構成された内側リング支持体と
を備える、装置であって、
前記内側リング支持体は、少なくとも、前記基板が前記可撓性内側保持リングに接触する点の反対側の前記可撓性内側保持リング上の一点で、前記可撓性内側保持リングに接触する、装置。
【請求項2】
研磨ヘッド内に基板を保持するための装置であって、
基板のエッジに対して外郭をなすように構成された可撓性内側保持リングと、
前記研磨ヘッドに結合され、研磨されている基板によって前記可撓性内側保持リングに印加される横力負荷に応じて前記可撓性内側保持リングに接触するように構成された内側リング支持体と
を備える、装置であって、
前記内側リング支持体が、前記可撓性内側保持リングの周囲の内部で前記基板の上方に配置される、装置。
【請求項3】
研磨ヘッド内に基板を保持するための装置であって、
基板のエッジに対して外郭をなすように構成された可撓性内側保持リングと、
前記研磨ヘッドに結合され、研磨されている基板によって前記可撓性内側保持リングに印加される横力負荷に応じて前記可撓性内側保持リングに接触するように構成された内側リング支持体と
を備える、装置であって、
前記内側リング支持体が、前記可撓性内側保持リングよりも小さい直径を有する、装置。
【請求項4】
研磨ヘッド内に基板を保持するための装置であって、
基板のエッジに対して外郭をなすように構成された可撓性内側保持リングと、
前記研磨ヘッドに結合され、研磨されている基板によって前記可撓性内側保持リングに印加される横力負荷に応じて前記可撓性内側保持リングに接触するように構成された内側リング支持体と
を備える、装置であって、
前記研磨ヘッドに結合され、前記可撓性内側保持リングのまわりに配置された外側保持リングをさらに含む、装置。
【請求項5】
化学機械平坦化(CMP)ツールのための研磨ヘッドシステムであって、
請求項1から4のいずれか一項に記載の、研磨ヘッド内に基板を保持するための装置と、
前記可撓性内側保持リングおよび前記内側リング支持体を囲むハウジングと
を備える、研磨ヘッドシステム。
【請求項6】
研磨ヘッド内に基板を保持する方法であって、
回転している研磨パッドを介して、研磨されるべき基板に横力を印加することと、
可撓性内側保持リングを前記基板のエッジに接触させることと、
研磨されている前記基板によって前記可撓性内側保持リングに印加される前記横力に応じて、前記研磨ヘッドに結合された内側リング支持体に前記可撓性内側保持リングを接触させることによって、前記基板の前記エッジに対して前記可撓性内側保持リングを外郭とすることと
を含む、方法であって、
前記内側リング支持体が、前記可撓性内側保持リングよりも小さい直径を有する、方法。
【請求項7】
研磨ヘッド内に基板を保持する方法であって、
回転している研磨パッドを介して、研磨されるべき基板に横力を印加することと、
可撓性内側保持リングを前記基板のエッジに接触させることと、
研磨されている前記基板によって前記可撓性内側保持リングに印加される前記横力に応じて、前記研磨ヘッドに結合された内側リング支持体に前記可撓性内側保持リングを接触させることによって、前記基板の前記エッジに対して前記可撓性内側保持リングを外郭とすることと
を含む、方法であって、
前記内側リング支持体は、少なくとも、前記基板が前記可撓性内側保持リングに接触する点の反対側の前記可撓性内側保持リング上の一点で、前記可撓性内側保持リングに接触する、方法。
【請求項8】
研磨ヘッド内に基板を保持する方法であって、
回転している研磨パッドを介して、研磨されるべき基板に横力を印加することと、
可撓性内側保持リングを前記基板のエッジに接触させることと、
研磨されている前記基板によって前記可撓性内側保持リングに印加される前記横力に応じて、前記研磨ヘッドに結合された内側リング支持体に前記可撓性内側保持リングを接触させることによって、前記基板の前記エッジに対して前記可撓性内側保持リングを外郭とすることと
を含む、方法であって、
前記内側リング支持体が、前記可撓性内側保持リングの周囲の内部で前記基板の上方に配置される、方法。
【請求項9】
研磨ヘッド内に基板を保持する方法であって、
回転している研磨パッドを介して、研磨されるべき基板に横力を印加することと、
可撓性内側保持リングを前記基板のエッジに接触させることと、
研磨されている前記基板によって前記可撓性内側保持リングに印加される前記横力に応じて、前記研磨ヘッドに結合された内側リング支持体に前記可撓性内側保持リングを接触させることによって、前記基板の前記エッジに対して前記可撓性内側保持リングを外郭とすることと
を含む、方法であって、
前記研磨ヘッドに結合された外側保持リングを、前記可撓性内側保持リングのまわりに配置することをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年1月27日に出願された「METHODS AND APPARATUS FOR AN IMPROVED POLISHING HEAD RETAINING RING」という名称の米国特許出願第13/360,221号(代理人整理番号16708/CMP/CMP/BOHN C)の優先権および利益を主張する。
【0002】
本発明は、一般に、化学機械平坦化を使用する電子デバイス生産に関し、より詳細には、改善された研磨ヘッド保持リングのための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
化学機械平坦化(CMP)システムは、処理の間基板を研磨パッドに押しつけて回転させるために研磨ヘッドを使用する。研磨プロセスの間、研磨ヘッド内の基板は、保持リングを使用してヘッドの内部に維持され、保持リングは、基板を取り囲み、基板が研磨パッドの相対運動によって研磨ヘッドから引きずり出されないようにする。本発明の発明者らは、場合によっては、保持リングが早期に摩耗することがあることに気づいた。したがって、必要とされるものは、処理の間研磨ヘッドの内部に基板を保持するための改善された方法および装置である。
【発明の概要】
【0004】
処理の間研磨ヘッドの内部に基板を保持するための本発明の方法および装置が提供される。いくつかの実施形態では、この装置は、基板のエッジに対して外郭をなす(contour)ように構成された可撓性内側保持リングと、研磨ヘッドに結合され、研磨されている基板によって可撓性内側保持リングに印加される横力負荷に応じて可撓性内側保持リングに接触するように構成された内側リング支持体とを含む。
【0005】
いくつかの他の実施形態では、研磨ヘッドシステムが提供される。研磨ヘッドシステムは、基板のエッジに対して外郭をなすように構成された可撓性内側保持リングと、研磨ヘッドに結合され、研磨されている基板によって可撓性内側保持リングに印加される横力負荷に応じて可撓性内側保持リングに接触するように構成された内側リング支持体と、可撓性内側保持リングおよび内側リング支持体を囲むハウジングとを含む。
【0006】
さらなる他の実施形態では、処理の間研磨ヘッド内に基板を保持する方法が提供される。この方法は、回転している研磨パッドを介して、研磨されるべき基板に横力を印加することと、可撓性内側保持リングを基板のエッジに接触させることと、研磨されている基板によって可撓性内側保持リングに印加される横力に応じて、研磨ヘッドに結合された内側リング支持体に可撓性内側保持リングを接触させることによって基板のエッジに対して可撓性内側保持リングを外郭とすることとを含む。
【0007】
さらなる他の実施形態では、処理の間研磨ヘッド内に基板を保持するための代替装置が提供される。この装置は、基板のエッジに対して外郭をなすように構成された可撓性内側保持リングと、研磨ヘッドに結合され、研磨されている基板によって可撓性内側保持リングに印加される横力負荷に応じて可撓性内側保持リングが曲がるのを可能にするように構成されたノッチを含む外側保持リングとを含む。
【0008】
多数の他の態様が提供される。本発明の他の特徴および態様は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、および添付図面からより完全に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態による基板を研磨するための例示の化学機械平坦化(CMP)システムの側面図を示す図である。
図2】実施形態によるCMPシステムの研磨ヘッドの側面断面図を示す概略図である。
図3】実施形態によるCMPシステムの研磨ヘッドの部分側断面拡大図を示す概略図である。
図4】実施形態によるCMPシステムの研磨ヘッドの可撓性内側保持リングおよび内側リング支持体の斜視図を示す概略図である。
図5】実施形態によるCMPシステムの研磨ヘッドの可撓性内側保持リングおよび内側リング支持体の断面斜視図を示す概略図である。
図6】代替実施形態によるCMPシステムの研磨ヘッドの可撓性内側保持リングおよびノッチ付き外側保持リングの部分断面斜視図を示す概略図である。
図7】実施形態によるCMPシステムの研磨ヘッド内に基板を保持する例示の方法を示す流れ図である。
図8】先行技術による従来の研磨ヘッド保持リング設計を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、化学機械平坦化(CMP)システムの研磨ヘッドの改善された保持リングのための方法および装置を提供する。図8を参照すると、従来のCMPシステムでの研磨プロセスの間、研磨ヘッド800の中の基板802は保持リングと接触する。あるシステムでは、保持リングはワンピース設計であり、他のシステムでは、保持リングはツーピース、すなわち、図8に示されるような外側リング804および内側リング806を含む。これらの設計のいずれにおいても、基板802は保持リング806よりも小さい直径を有する。動作時に、研磨パッドの回転により、基板802は保持リング806に押し当てられる。研磨パッドによって基板802におよび基板802によって保持リング806に対して印加される横方向の力は、「横力(side force)」808と呼ばれる。研磨ヘッドは、「膜圧力」と呼ばれる、基板を研磨パッドに押し当てる基板への下向きの力を印加する。研磨ヘッドは、さらに、基板に回転力を印加する。
【0011】
従来の研磨ヘッド800の横力808の結果として、点接触810が基板802と保持リング806の内面との間に起こる。この集中した負荷は、大量の応力を保持リング806にかける。さらに、基板が大きいほど、任意の所定の膜圧力において、保持リングに対する基板の横力が増加する。本発明の発明者らは、より大きい膜圧力を伴ったより大きい基板サイズでは、この集中した力は保持リングの内部に容認できない局所的応力レベルを生成し、構成要素故障をもたらすことになると結論を下した。
【0012】
本発明の実施形態は、基板の横力負荷を支え分散させるために可撓性内側保持リングを使用する。これは、可撓性内側保持リングが基板のエッジに対して外郭をなすようにすることによって保持リング上への基板のコンタクト面積を増加させる。コンタクト面積の増加の結果として、横力負荷はより大きい面積にわたって分散され、保持リング上へのより低い応力レベルが達成される。したがって、より大きい直径の基板およびより大きい研磨圧力の場合、本発明は、容認できない高さの材料応力に由来する構成要素故障の可能性を低減する。
【0013】
図1を参照すると、基板を研磨するための例示の化学機械平坦化(CMP)システム100の側面図が示される。システム100は、研磨されるべき基板を受け取るための、および研磨ヘッド104が取り上げるために所定位置に基板を維持するためのロードカップアセンブリ102を含む。研磨ヘッド104は、ロードカップアセンブリ102と、回転プラテン110上の研磨パッド108との間でヘッド104を移動させるように動作するアーム106によって支持される。動作時に、ヘッド104はロードカップアセンブリ102から基板を取り上げ、基板を研磨パッド108に搬送する。研磨パッド108はプラテン110上で回転すると、ヘッド104は基板を回転させ、研磨パッド108に対して下向きに押し当てる。研磨パッド108の直径は基板の直径の2倍を超えることに留意されたい。
【0014】
研磨ヘッド104のいくつかの細部をそれぞれ断面図および拡大部分断面図で示す図2および3を参照すると、可撓性内側保持リング202は研磨ヘッド104から下に延びて、研磨の間基板204を囲み保持する。外側保持リング206は内側リング202を囲み、内側リング支持体208は、内側リング202の内部で、基板204の水平面より上に配置される。研磨ヘッド104は、他の構成要素を囲むハウジング210と、ヘッド104を回転させるためのスピンドルと、さらに、ブラダ、吸引システム、または他のチャッキングデバイスなどの基板を維持するための手段とを含む。
【0015】
次に、図4および5を参照すると、研磨ヘッド104の可撓性内側保持リング202の下部部分および内側リング支持体208(図3)が、基板204に対して示される。内側リング支持体208は基板204の上方に配置され、研磨ヘッド104に堅く取り付けられる(図3)。
【0016】
図4の斜視図および図5の断面斜視図に示すように、横力402が基板204に印加される(研磨パッド108の回転によって(図1))ので、基板204のエッジは点404で可撓性内側保持リング202の内側を圧迫する。これにより、可撓性内側保持リング202は点406で内側リング支持体208に当たって引っ張る。点404は、可撓性内側保持リング202の点406の反対側にあることに留意されたい。
【0017】
これらの力は可撓性内側保持リング202を楕円形に歪ませ、可撓性内側保持リング202の一部分は基板204のエッジに接触し外郭をなす。可撓性内側保持リング202のこの外郭化は、基板204と可撓性内側保持リング202との間のコンタクトの量を増加させる。これにより、横力402の応力がより大きい面積にわたって分散されることになり、さもなければ保持リングの故障がもたらされることがある集中した応力が避けられる。
【0018】
いくつかの実施形態では、可撓性内側保持リング202は、米国、ペンシルベニア州、レディングにあるQuadrant Corporationによって生産されるTechtron PPS、Ertalyte PET−P、またはKetron PEEK材料で構成することができる。他の実用向きの可撓性材料を使用することができる。可撓性内側保持リング202のおおよその厚さは、300mmサイズの基板を保持するために約1mmから約5mmの範囲とすることができる。より大きい基板では、より厚い可撓性内側保持リング202を使用することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、可撓性内側保持リング202は、300mmサイズの基板を保持するために約301mmから約310mmの直径を有することができる。より大きい基板では、より大きい直径の可撓性内側保持リング202を使用することができる。いくつかの実施形態では、内側リング支持体208は、300mmサイズの基板を保持するために約300mmから約309mmの直径を有することができる。より大きい基板では、より大きい直径の内側リング支持体208を使用することができる。
【0020】
次に、図6を参照すると、本発明の別の実施形態が示される。図4および5の実施形態におけるような内側リング支持体208を使用する代わりに、この代替実施形態は、図6に示すように、基板が可撓性内側保持リング202’に接触する場所に近接する下部内側表面にノッチ604を有する外側リング602を含む。この構成により、可撓性内側保持リング202’は曲がり、基板204からの横力402によってノッチ内に押し込まれうる。
【0021】
いくつかの実施形態では、この実施形態の可撓性内側保持リング202’は、米国、ペンシルベニア州、レディングにあるQuadrant Corporationによって生産されるTechtron PPS、Ertalyte PET−P、またはKetron PEEK材料で構成することができる。他の実用向きの可撓性材料を使用することができる。可撓性内側保持リング202’のおおよその厚さは、300mmサイズの基板を保持するために約1mmから約10mmの範囲とすることができる。より大きい基板では、より厚い可撓性内側保持リング202’を使用することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、この実施形態の外側リング602は、米国、ペンシルベニア州、レディングにあるQuadrant Corporationによって生産されるTechtron PPS、Ertalyte PET−P、またはKetron PEEK材料で構成することができる。他の実用向きの材料を使用することができる。ノッチのおおよその深さおよび高さは、300mmサイズの基板を保持するために約1mmから約10mmの範囲とすることができる。より大きい基板では、異なる寸法のノッチを使用することができる。いくつかの実施形態では、異なる形状のノッチを使用することができる。
【0023】
次に、図7を参照すると、処理の間研磨ヘッド104内に基板を保持する例示の方法700が流れ図で示される。ステップ702において、横力402が、回転している研磨パッドを介して、研磨されるべき基板204に印加される。ステップ704において、可撓性内側保持リング202が基板204のエッジによって接触される。ステップ706において、可撓性内側保持リング202が基板204のエッジに対して外郭とされる。これは、研磨されている基板204によって可撓性内側保持リング202に印加される横力402に応じて、研磨ヘッド104に結合された内側リング支持体208に可撓性内側保持リング202を接触させることによって行われる。横力402は、基板204に抗して回転している研磨パッド108からの摩擦によって発生される。
【0024】
いくつかの実施形態では、内側リング支持体208は、少なくとも、基板204が可撓性内側保持リング202に接触する点404の反対側の撓性内側保持リング202上の一点406で、可撓性内側保持リング202に接触する。内側リング支持体208は可撓性内側保持リング202の周囲の内部で基板204の上方に配置され、したがって、内側リング支持体208は可撓性内側保持リング202よりも小さい直径を有する。いくつかの実施形態では、研磨ヘッド104は、研磨ヘッド104に結合され、可撓性内側保持リング202のまわりに配置された外側保持リング206をさらに含むことができる。
【0025】
したがって、本発明がその好ましい実施形態に関連して開示されたが、他の実施形態が、以下の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲内にありうることを理解されたい。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
研磨ヘッド内に基板を保持するための装置であって、
基板のエッジに対して外郭をなすように構成された可撓性内側保持リングと、
前記研磨ヘッドに結合され、研磨されている基板によって前記可撓性内側保持リングに印加される横力負荷に応じて前記可撓性内側保持リングに接触するように構成された内側リング支持体と
を備える、装置。
(態様2)
前記内側リング支持体は、少なくとも、前記基板が前記可撓性内側保持リングに接触する点の反対側の前記可撓性内側保持リング上の一点で、前記可撓性内側保持リングに接触する、態様1に記載の装置。
(態様3)
前記内側リング支持体が、前記可撓性内側保持リングの周囲の内部で前記基板の上方に配置される、態様1に記載の装置。
(態様4)
前記内側リング支持体が、前記可撓性内側保持リングよりも小さい直径を有する、態様1に記載の装置。
(態様5)
前記研磨ヘッドに結合され、前記可撓性内側保持リングのまわりに配置された外側保持リングをさらに含む、態様1に記載の装置。
(態様6)
化学機械平坦化(CMP)ツールのための研磨ヘッドシステムであって、
基板のエッジに対して外郭をなすように構成された可撓性内側保持リングと、
前記研磨ヘッドに結合され、研磨されている基板によって前記可撓性内側保持リングに印加される横力負荷に応じて前記可撓性内側保持リングに接触するように構成された内側リング支持体と、
前記可撓性内側保持リングおよび前記内側リング支持体を囲むハウジングと
を備える、研磨ヘッドシステム。
(態様7)
前記内側リング支持体は、少なくとも、前記基板が前記可撓性内側保持リングに接触する点の反対側の前記可撓性内側保持リング上の一点で、前記可撓性内側保持リングに接触する、態様6に記載のシステム。
(態様8)
前記内側リング支持体が、前記可撓性内側保持リングの周囲の内部で前記基板の上方に配置される、態様6に記載のシステム。
(態様9)
前記内側リング支持体が、前記可撓性内側保持リングよりも小さい直径を有する、態様6に記載のシステム。
(態様10)
前記研磨ヘッドに結合され、前記可撓性内側保持リングのまわりに配置された外側保持リングをさらに含む、態様6に記載のシステム。
(態様11)
研磨ヘッド内に基板を保持する方法であって、
回転している研磨パッドを介して、研磨されるべき基板に横力を印加することと、
可撓性内側保持リングを前記基板のエッジに接触させることと、
研磨されている前記基板によって前記可撓性内側保持リングに印加される前記横力に応じて、前記研磨ヘッドに結合された内側リング支持体に前記可撓性内側保持リングを接触させることによって、前記基板の前記エッジに対して前記可撓性内側保持リングを外郭とすることと
を含む、方法。
(態様12)
前記内側リング支持体は、少なくとも、前記基板が前記可撓性内側保持リングに接触する点の反対側の前記可撓性内側保持リング上の一点で、前記可撓性内側保持リングに接触する、態様11に記載の方法。
(態様13)
前記内側リング支持体が、前記可撓性内側保持リングの周囲の内部で前記基板の上方に配置される、態様11に記載の方法。
(態様14)
前記研磨ヘッドに結合された外側保持リングを、前記可撓性内側保持リングのまわりに配置することをさらに含む、態様11に記載の方法。
(態様15)
研磨ヘッド内に基板を保持するための装置であって、
基板のエッジに対して外郭をなすように構成された可撓性内側保持リングと、
前記研磨ヘッドに結合され、研磨されている基板によって前記可撓性内側保持リングに印加される横力負荷に応じて前記可撓性内側保持リングが曲がるのを可能にするように構成されたノッチを含む外側保持リングと
を備える、装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8