(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
温度に対して3次関数で近似される電圧を出力する第1の温度センサと、温度に比例した電圧を出力する第2の温度センサと、前記第1の温度センサの出力電圧を所定倍率で増幅する第1の増幅器と、前記第2の温度センサの出力電圧を所定倍率で増幅する第2の増幅器と、前記第1の増幅器の出力電圧と前記第2の増幅器の出力電圧とを加算する第2の加算器と、前記加算器の出力電圧を所定倍率で増幅する第3の増幅器と、を備えることを特徴とする近似3次曲線生成回路。
温度に対して3次関数で近似される電圧を出力する第1の温度センサと、温度に比例した電圧を出力する第2の温度センサと、前記第2の温度センサの出力電圧を所定倍率で増幅する第4の増幅器と、前記第1の温度センサの出力電圧から前記第4の増幅器の出力電圧を減算する減算器と、前記減算器の出力電圧を所定倍率で増幅する第5の増幅器と、前記第2の温度センサの出力電圧を所定倍率で増幅する第6の増幅器と、前記第5の増幅器の出力電圧と前記第6の増幅器の出力電圧を加算する第3の加算器と、を備えることを特徴とする近似3次曲線生成回路。
請求項1又は2に記載の近似3次曲線生成回路において、前記第1のセンサは、第1の電源端子と出力端子との間に接続した抵抗器と、第2の電源端子と前記出力端子との間に接続したサーミスタとから構成されることを特徴とする近似3次曲線生成回路。
請求項1記載の近似3次曲線生成回路の出力調整方法であって、前記第2の加算器で生成される近似3次曲線の極小値が第1の温度で得られ且つ極大値が第2の温度で得られるように前記第1および第2の増幅器の倍率を調整し、前記第2の加算器で生成される近似3次曲線の極小値と極大値を前記第3の増幅器の倍率で調整することを特徴とする近似3次曲線生成回路の出力調整方法。
【背景技術】
【0002】
一般に、水晶発振器に用いられるATカット水晶振動子は、その共振周波数の温度変化が25[℃]辺りを変曲点とするほぼ3次曲線となり、使用温度範囲が−40〜+85[℃]での周波数変化量は±10〜±30[ppm]となっている。
【0003】
そこで、温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Xtal Oscillator)では、以下で説明する直接法と間接法により周波数変化量を抑制している。
【0004】
直接法は、例えば
図13に概略を示すような構成(特許文献1)によって、水晶振動子21にインピーダンス変換回路22を付加し、温度変化に対してインピーダンスが所定値になるようにするものである。
【0005】
一方、間接法は、例えば
図14に概略を示すような構成(特許文献2)によって、発振部を電圧制御型水晶発振器21(VCXO:Voltage Controlled Xtal Oscillator)として、温度センサ23の出力電圧を基に関数生成回路24により、水晶振動子25の共振周波数の温度変化を打ち消すような電圧制御型水晶発振器25の制御電圧を生成するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、直接法は、水晶振動子21の共振周波数の違いやインピーダンス変換回路22の各素子の温度特性やばらっきに対して調整が必要となり、半導体集積回路上へのインピーダンス変換回路22の内蔵化が難しい、という問題がある。また、間接法は、半導体集積回路に好適で高精度な温度補償(例えば±1[ppm]以下)が可能であるが、回路規模が大きくなり調整工程が複雑である、という問題がある。
【0008】
本発明の目的は、半導体集積回路に好適で回路規模が小さく、簡素な調整方法で±5[ppm]程度の温度補償が可能となった近似3次曲線生成回路及びその出力調整方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明の近似3次曲線生成回路は、温度に対して3次関数で近似される電圧を出力する第1の温度センサと、温度に比例した電圧を出力する第2の温度センサと、前記第1の温度センサの出力電圧を所定倍率で増幅する第1の増幅器と、前記第2の温度センサの出力電圧を所定倍率で増幅する第2の増幅器と、前記第1の増幅器の出力電圧と前記第2の増幅器の出力電圧とを加算する第2の加算器と、前記加算器の出力電圧を所定倍率で増幅する第3の増幅器と、を備えることを特徴とする。
請求項2にかかる発明の近似曲線生成回路は、温度に対して3次関数で近似される電圧を出力する第1の温度センサと、温度に比例した電圧を出力する第2の温度センサと、前記第2の温度センサの出力電圧を所定倍率で増幅する第4の増幅器と、前記第1の温度センサの出力電圧から前記第4の増幅器の出力電圧を減算する減算器と、前記減算器の出力電圧を所定倍率で増幅する第5の増幅器と、前記第2の温度センサの出力電圧を所定倍率で増幅する第6の増幅器と、前記第5の増幅器の出力電圧と前記第6の増幅器の出力電圧を加算する第3の加算器と、を備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の近似3次曲線生成回路において、前記第1のセンサは、第1の電源端子と出力端子との間に接続した抵抗器と、第2の電源端子と前記出力端子との間に接続したサーミスタとから構成されることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1記載の近似3次曲線生成回路の出力調整方法であって、前記第2の加算器で生成される近似3次曲線の極小値が第1の温度で得られ且つ極大値が第2の温度で得られるように前記第1および第2の増幅器の倍率を調整し、前記第2の加算器で生成される近似3次曲線の極小値と極大値を前記第3の増幅器の倍率で調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、水晶振動子の共振周波数の温度変化を打ち消すための近似3次曲線特性の制御電圧を生成する近似3次曲線生成回路を、半導体集積回路に好適な小型に構成することができる。また、簡素な調整方法によって±5[ppm]程度の温度補償が可能となり、温度補償型水晶発振器の実現に好適となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施例の近似3次曲線生成回路の回路図である。
【
図2】(a),(b)は、温度に対して3次関数で近似される電圧を出力する温度センサ1の内部回路の回路図である。
【
図3】(a)は
図1の近似3次曲線生成回路の温度センサ1として
図2(a)の構成の温度センサを使用したときの温度変化に対する出力電圧V8の特性図、(b)は
図1の近似3次曲線生成回路の温度センサ1として
図2(b)の構成の温度センサを使用したときの温度変化に対する出力電圧V8の特性図である。
【
図4】本発明の第2の実施例の近似3次曲線生成回路の回路図である。
【
図5】
図4の近似3次曲線生成回路の温度変化に対する電圧V3の特性図である。
【
図6】
図4の近似3次曲線生成回路の温度変化に対する電圧V4の特性図である。
【
図7】(a)は
図4の近似3次曲線生成回路の温度変化に対する電圧V5の特性図、(b)はその電圧V5の温度変化に対する温度微分値の特性図である。
【
図8】
図4の近似3次曲線生成回路において増幅器3,4の利得をG1=−0.3,G2=0.5としたときの増幅器6の利得G3の切り替えによる温度変化に対する電圧V8の特性図である。
【
図9】
図4の近似3次曲線生成回路において増幅器3,4,5の利得をG1=−1.0,G2=1.8、G3=0.75としたときの電圧V8と目標電圧VTARの温度変化に対する電圧V8の特性図である。
【
図10】本発明の第3の実施例の近似3次曲線生成回路の回路図である。
【
図11】
図2(a)の構成の温度センサ1の温度係数Kt=0のときの温度変化に対する電圧V1の特性と最小二乗法による近似で得られた近似3次関数の特性を示す図である。
【
図12】
図10の近似3次曲線生成回路の温度変化に対する電圧V8と目標電圧VTARの特性図である。
【
図13】
温度補償型水晶発振器の従来の直接法による温度−周波数変化の補償の回路図である。
【
図14】
温度補償型水晶発振器の従来の間接法による温度−周波数変化の補償の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施例>
図1に本発明の第1の実施例の近似3次曲線生成回路を示す。本実施例の近似3次曲線生成回路は、温度に対して3次関数で近似される電圧を出力する温度センサ1と、温度に比例した電圧を出力する温度センサ2と、温度センサ1の出力電圧V1と温度センサ2の出力電圧V2を加算する加算器5で構成される。8は出力端子である。
【0013】
温度センサ1は、温度T[℃]に対して3次関数で近似される電圧を出力するように構成され、その出力電圧V1は、a3、a2、a1、a0を係数として、式(1)のように表される。
【0014】
ここで、T0[℃]を基準温度、b3、b1、b0を係数とし、式(1)を2次項を省略した式(2)の形式に変換すると、
となる。
【0015】
このとき、係数a3、a2、a1、a0と係数b3、b1、b0の関係は、式(3)から式(5)に示すようになる。また、式(5)より基準温度T0が式(6)を満たすとき、式(1)から式(2)への変換による誤差は生じない。
【0016】
温度センサ2は、温度Tに比例した電圧を出力するように構成され、温度係数をKt[V/℃]、基準温度T0における電圧をV0とすると、式(7)のように表される。
【0017】
式(2)、式(7)において、b0=V0とすると、出力電圧V8は式(8)のように表される。
【0018】
以上より、本実施例の近似3次曲線生成回路によれば、回路規模が小さく、増幅器の利得とオフセット電圧の調整のみで、任意の近似3次曲線を生成することが出来る。
【0019】
<第2の実施例>
図2に第2の実施例の近似3次曲線生成回路で使用する温度センサ1の具体例を示す。本実施例では、
図1に示した近似3次曲線生成回路の温度センサ1として、
図2(a)に示すように、直流電圧源101A、抵抗器102、サーミスタ103で構成されるものを使用する。直流電圧源101Aの電圧をVref、抵抗器102の抵抗値をR1[Ω]、サーミスタ103の25℃における抵抗値をR0[Ω]、サーミスタのB定数をB[K]とすると、温度T[℃]における電圧V1は、式(9)のように表される。
【0020】
図2(b)は温度センサ1の別の例を示す図であり、極性を反転した直流電圧源101Bを使用したものである。このときの温度T[℃]における電圧V1は、式(10)となる。
【0021】
温度センサ2の出力電圧V2は、前記したように式(7)で表されるので、式(9)の電圧V1と式(7)の電圧V2とからその和を求める、あるいは式(10)の電圧V1と式(7)電圧V2とからその和を求めると、出力端子8の電圧V8を得ることができる。
【0022】
例えば、温度センサ1は
図2(a)の構成例において、Vref=1.6[V]、R0=100,000[Ω]、R1=77.777[Ω]、B=4,500[K]とし、温度センサ2は、Kt=−0.025〜+0.025[V/℃]、T0=25[℃]、V0=0.9[V]とすると、出力電圧V8は温度Tに対して
図3(a)に示すような3次項の係数が正の近似3次曲線群となる。
【0023】
一方、温度センサ1は
図2(b)の構成において、Vref=1.6[V]、R0=100,000[Ω]、R1=128,573[Ω]、B=4,500[K]とし、温度センサ2は、Kt=−0.025〜+0.025[V/℃]、T0=25[℃]、V0=0.9[V]とすると、出力電圧V8は温度Tに対して
図3(b)に示すような3次項の係数が負の近似3次曲線群となる。
【0024】
以上の例では、温度センサ2の温度係数を変数として曲線群を生成したが、他のパラメータでも同様に曲線群を生成することが可能であることから、本実施例の近似3次曲線生成回路によれば、小さい回路規模で任意の近似3次曲線を生成することができる。
【0025】
<第3の実施例>
図4に、本発明の第3の実施例の近似3次曲線生成回路を示す。本実施例は、第2の実施例において、温度センサ1と加算器5の間に増幅器3を、温度センサ2と加算器5の間に増幅器4を、加算器5と出力端子8の間に増幅器6を、それぞれ追加して構成したものである。
【0026】
ここでは、温度センサ1として、
図2(a)の構成を使用するものとする。さらに、増幅器3の利得G1をG1=−1.0、−0.6、−0.3とすると、その増幅器3の出力電圧V3の温度特性は
図5に示す直線群となる。
【0027】
一方、温度センサ2については、式(7)において、Kt=−0.006[V/℃]、T0=25[℃]、V0=0.9[V]とし、増幅器4の利得G2をG2=0.5、0.75、1.0とすると、その増幅器4の出力電圧V4の温度特性は
図6に示す直線群となる。
【0028】
よって、G1=−0.3とし、G2=0.5、0.75、1.0として、出力電圧V3と出力電圧V4を加算器5で加算すると、加算電圧V5は
図7(a)に示す曲線群となる。ここで、
図7(a)の曲線群の変曲点、極大値及び極小値を求めるために、加算電圧V5の温度微分値(dV5/dT)を求めると
図7(b)に示す曲線群となる。
【0029】
この
図7(b)により、
図7(a)に示す曲線群の変曲点は全てT=25[℃]で得られ、極大値及び極小値は増幅器4の利得G2に依存し、例えば、G2=0.5のときは、極小値はT=−8[℃]、極大値はT=62[℃]となる。
【0030】
さらに、G1=−0.3、G2=0.5とし、G3=1、3、5とすると、出力電圧V8の温度特性は
図8に示す曲線群となる。このとき、
図8に示す曲線群の変曲点、極大値及び極小値は
図7(a)の特性から変化せず、電圧レベルのみ変化することがわかる。
【0031】
以上より、出力端子8の出力電圧V8には、変曲点を25℃とした近似3次曲線が生成され、その極大値及び極小値が得られる温度は増幅器4の利得G2を適宜設定し、極大値及び極小値の値は増幅器6の利得G3をそれぞれ適宜設定することにより、任意の近似3次曲線を生成することができることがわかる。
【0032】
一例として、式(11)に示す3次関数目標電圧VTARに対する近似3次関数の生成例を
図9に示す。この目標電圧VTARは、
で表される。
【0033】
ここで、
図9の出力電圧V8は、温度センサ1は
図2(a)の構成とし、Vref=1.6[V]、R0=100,000[Ω]、R1=77,777[Ω]、B=4,500[K]とし、温度センサ2は、Kt=−0.006[V/℃]、T0=25[℃]、V0=0.9[V]とし、増幅器3、増幅器4、増幅器5の利得設定を、G1=−1.0、G2=1.8、G3=0.75とした場合である。
【0034】
この
図9の特性では、温度Tが−40℃〜80℃の範囲で、出力電圧V8と目標電圧VTARとの誤差は±50[mV]以下となっており、目標電圧VTARの振幅範囲±150[mV]に対し3分の1の近似精度となっている。
【0035】
以上より、本実施例の近似3次曲線生成回路によれば、温度補償に必要な電圧制御型水晶発振回路(VCXO)の制御電圧を、振幅範囲の数分の1の近似精度で生成でき、周波数偏差が±10〜±30[ppm]の一般的な水晶振動子を用いて、周波数偏差が±5[ppm]程度の温度補償型水晶発振器を実現できる。
【0036】
<第4の実施例>
図10に、本発明の第4の実施例の近似3次曲線生成回路を示す。本実施例の近似3次曲線生成回路は、前記した温度センサ1と、前記した温度センサ2と、その温度センサ2の出力電圧V2を増幅する増幅器7と、温度センサ1の出力電圧V1と電圧V0との差から増幅器7の出力電圧V6と電圧V0との差を減算する減算器9と、減算器9の出力電圧V7を増幅する増幅器10と、温度センサ2の出力電圧V2を増幅する増幅器11と、増幅器10の出力電圧V9と増幅器11の出力電圧V10とオフセット電圧Voffを加算し、V0基準で出力する加算器12とで構成されている。
【0037】
ここで、式(2)、(7)において、b0=V0とし、増幅器7の利得をG4とすると、減算器9の出力電圧V7は、式(12)となる。
よって、増幅器7の利得G4を次の式(13)
のように設定すると、減算器9の出力電圧V7は、式(12)から
のように温度Tの3次項となる。
【0038】
そして、増幅器10の利得をG5、増幅器11の利得をG6とし、増幅器10の出力電圧V9、増幅器11の出力電圧V10、および定数項調整のためのオフセット電圧Voffの総和を、加算器12で加算すると、出力電圧V8は式(15)となる。
【0039】
以上により、本実施例によれば、回路規模が小さく、増幅器の利得とオフセット電圧の調整のみで、任意の近似3次曲線を生成することができる。
【0040】
<第5の実施例>
第5の実施例は、第4の実施例において、温度センサ1として
図2(a)に示したものを使用する実施例である。
図2(a)に示した直流電圧源101Aの電圧をVref、抵抗器102の抵抗値をR1[Ω]、サーミスタ103の25℃における抵抗値をR0[Q]、サーミスタ103のB定数をB[K]とすると、出力電圧V1は、式(9)に示すようになる。再掲すると、
である。
【0041】
ここで、前記したと同様に、Vref=1.6[V]、R0=100,000[Ω]、R1=77,777[Ω]、B=4,500[K]として、式(9)より温度Tを横軸、出力電圧V1を縦軸にしてプロットすると、
図11に示すようになる。これは、
図3(a)で説明した特性ののうち、温度係数Kt=0の場合(温度センサ2の出力電圧が一定電圧)と類似する特性である。なお、
図11には最小2乗法による近似で得られた近似3次関数の近似曲線も合わせて示す。
【0042】
この電圧V1は、式(1)の形式によれば、
で表される。
【0043】
ここで、式(16)を式(2)の形式に変換すると式(17)となる。
【0044】
式(17)では、式(6)の条件から基準温度T0[℃]を27.4[℃]としているが、一般的にサーミスタ素子13は25[℃]における抵抗値を基準にしているため、以降の計算ではT0=25[℃]とした式(18)を用いる。
【0045】
また、温度センサ2の温度係数Ktを−0.006[V/℃]とすると、式(13)より、増幅器7の利得G4は、
となる。よって、式(15)より、電圧V8は、式(20)となる。
【0046】
一例として、式(11)に示した目標電圧VTARを生成するための、式(20)の利得G5、利得G6、オフセット電圧Voffの導出例を示す。式(11)の形式と合わせるために、式(11)を式(2)の形式に変換し、式(21)を得る。ここで式(11)を再掲する。
【0047】
式(20)と同様に式(21)の基準温度T0も25[℃]として、式(20)と係数比較すると、
となる。
【0048】
図12に式(20)より生成したノード電圧V8と、式(21)より生成した目標電圧VTARのプロットを示す。
図12の例では、温度Tが−40[℃]から85[℃]の範囲で電圧V8と目標電圧VTARとの誤差は±50[mV]以下となっており、目標電圧VTARの振幅範囲±150[mV]に対し3分の1の近似精度となっている。
【0049】
以上より、本実施例の近似3次曲線生成回路によれば、温度補償に必要な電圧制御型水晶発振回路(VCXO)の制御電圧を、振幅範囲の数分の1の近似精度で生成でき、周波数偏差が±10〜±30[ppm]の一般的な水晶振動子を用いて、周波数偏差が±5[ppm]程度の温度補償型水晶発振器を実現することができる。