(54)【発明の名称】(2S,3R,4R,5S,6R)−2−(3−((5−(4−フルオロフェニル)チオフェン−2−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオールのL−プロリン及びクエン酸との共結晶
【文献】
高田則幸,創薬段階における原薬Formスクリーニングと選択,PHARM STAGE,2007年 1月15日,Vol.6, No.10,p.20-25
【文献】
Pharm Tech Japan,2009年,Vol. 25, No.12,p.155-66
【文献】
Journal of Pharmaceuticals Science,2006年,Vol.95(3),p.499-516
【文献】
NOMURA S,DISCOVERY OF CANAGLIFLOZIN,A NOVEL C-GLUCOSIDE WITH THIOPHENE RING, 以下備考,JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY,米国,AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,2010年 9月 9日,V53 N17,P6355-6360,AS SODIUM-DEPENDENT GLUCOSE COTRANSPORTER 2 INHIBITOR FOR THE TREATMENT OF TYPE 2 以下省略
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
糖尿病は高血糖の存在を指す医療用語である。糖尿病に罹患している人は、インスリンを産生しないか、産生できたとしても非常に少量のインスリンしか産生しないか、あるいはインスリンに対し反応しないかのいずれかにより、血中のブドウ糖濃度の上昇がもたらされる。最も一般的な形態の糖尿病は2型糖尿病であり、かつては成人発症型糖尿病又はインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)と呼ばれ、糖尿病の90%超が成人で発症していた。しかしながら、より若年層で過体重すなわち肥満が増加するに従い、10代の若者及び児童で2型糖尿病の発症が増加してきている。糖尿病は、妊娠糖尿病、かつては若年性糖尿病及び1 1/2型糖尿病(type 1 1/2 diabetes)と呼ばれ、また成人では潜在性自己免疫性糖尿病、すなわちLADAとも呼ばれた、1型糖尿病又は自己免疫性糖尿病も指す。糖尿病は、貧しい食生活又は運動不足(例えば、座りがちな生活様式)、遺伝的変異、膵臓の損傷、薬剤(例えば、AIDS治療薬)又は化学物質(例えば、ステロイド)への曝露、あるいは疾患(例えば、嚢胞性線維症、ダウン症候群、Cushing病)により生じ得る。2つの稀な種類の遺伝的欠損により誘発される糖尿病は、若年発症成人型糖尿病(MODY)及び非典型糖尿病(ADM)と呼ばれる。
【0004】
2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病又はNIDDM)はブドウ糖代謝不全及びインスリン抵抗性を包含する代謝障害であり、眼、腎臓、神経及び血管に関係する長期合併症である。2型糖尿病は、通常、成人期(人生の中期から後期)で発症し、身体が十分な量のインスリンを分泌するよう機能しなくなるか(インスリン分泌の異常)又はインスリンを効果的に使用するよう機能しなくなる(標的器官及び組織でのインスリン作用に対する抵抗性)かのいずれかの身体の不能として記載される。より具体的には、2型糖尿病に罹患している患者は、インスリンを比較的欠乏している。すなわち、これらの患者では、血漿インスリン濃度は絶対的意味では正常〜高い状態であるものの、存在する血漿ブドウ糖濃度に関して予測される濃度よりも低いのである。
【0005】
2型糖尿病は、以下の臨床症状又は病徴により特徴付けられる:持続して高濃度の血漿ブドウ糖濃度、すなわち高血糖;多尿;多飲及び/又は過食;網膜症、腎障害及び神経障害などの慢性細小血管障害;並びに失明、末期腎不全、肢切断及び心筋梗塞を誘導し得る、高脂血症及び高血圧などの大血管障害。
【0006】
シンドロームX(インスリン抵抗症候群(IRS)、代謝症候群、又はメタボリックシンドロームXとも呼ばれる)は、2型糖尿病及び心疾患を発症するリスクファクターを表わす障害であり、耐糖能異常、高インスリン血症及びインスリン抵抗性、高トリグリセリド、高血圧並びに肥満が挙げられる。
【0007】
2型糖尿病の診断には、病徴の評価と、尿中及び血中ブドウ糖の測定が含まれる。正確な診断には血糖値測定が必要不可欠である。より具体的には、空腹時の血糖値測定が標準的なアプローチとして使用されている。しかしながら、経口ブドウ糖負荷試験(oral glucose tolerance test;OGTT)の方が、空腹時の血糖値測定よりも高感度であると考えられる。2型糖尿病は、経口ブドウ糖負荷(oral glucose tolerance;OGT)の障害と関連付けられる。したがって、OGTTは2型糖尿病の診断を補助することができるが、一般的には糖尿病の診断に必要なものではない(EMANCIPATOR K,Am J Clin Pathol 1999 Nov;pp665〜674,Vol.112(5):665〜74;Type 2 Diabetes Mellitus,Decision Resources Inc.,March 2000)。OGTTは、膵臓β細胞の分泌機能の評価及びインスリン感受性の評価を可能にすることから、2型糖尿病の診断、並びに重症度又は進行度の評価を補助する(例えば、CAUMO,A.,et al.,J Clin Endocrinol Metab,2000,pp 4396〜4402,Vol.85(11))。より具体的には、OGTTは、まだ糖尿病として診断されていない、空腹時血糖値に複数のボーダーラインを有する患者の、高血糖の程度の確認に非常に役立つ。加えて、OGTTは2型糖尿病の病徴を有する患者を試験するのに有用であり、異常糖代謝をはっきりと証明するかあるいは反証するような診断が可能である。
【0008】
したがって、耐糖能異常は、2型糖尿病の診断に必要とされるよりも低い空腹時血糖値を有するが、OGTT時に正常〜糖尿病の範囲の血漿ブドウ糖応答を有する固体で診断される。耐糖能異常は前糖尿病性の状態であると考えられ、(OGTTにより診断されるものとしての)耐糖能異常は、2型糖尿病の発症に関する強力な前兆である(HAFFNER,S.M.,Diabet Med,1997 Aug;14 Suppl 3:S12〜8)。
【0009】
2型糖尿病は、膵臓機能の低下に随伴する、並びに/あるいは血漿ブドウ糖濃度の上昇により増悪した、インスリンが関係する他のプロセスに関係する、進行性の疾患である。したがって、通常、2型糖尿病は長期にわたる前糖尿病期を有し、様々な病態生理学的機序が、例えばブドウ糖利用及び有効性の異常、前糖尿病状態でのインスリン作用及び/又はインスリン産生などの、病理学的な高血糖及び耐糖能異常を誘導し得る(GOLDBERG,R.B.,Med Clin North Am,1998 Jul;pp805〜821,Vol.82(4))。
【0010】
耐糖能障害に関連する前糖尿病状態は、腹部肥満、インスリン抵抗性、高脂血症及び高血圧などの素因、すなわちシンドロームXの素因にも関係し得る(GROOP L,et al.,Am J Hypertens,1997 Sep;10(9 Pt 2):172S−180S;HAFFNER,S.M.,J Diabetes Complications,1997 Mar−Apr;pp69〜76,Vol.11(2);BECK−NIELSEN,H.,et al.,Diabet Med,1996 Sep;13(9 Suppl 6):S78〜84)。
【0011】
したがって、炭水化物代謝障害は、2型糖尿病及び耐糖能異常の主要な病因となる(DIUNNEEN,S.F.,Diabet Med,1997 Aug;14 Suppl 3:S19〜24)。事実、耐糖能異常及び空腹時血糖異常から、2型糖尿病確定への連続は存在する(RAMLO−HALSTED,B.A.,et al.,Prim Care,1999 Dec;pp 771〜789,Vol.26(4))。
【0012】
2型糖尿病を発症するリスクを持つ個体に対する、病理学的な高血糖の低下又は耐糖能異常の軽減に焦点を置いた早期治療介入は、2型糖尿病への進行並びに関連する併発症及び/又はシンドロームXを予防又は遅延させることができる。したがって、経口ブドウ糖負荷の障害及び/又は高血糖を効果的に治療することで、2型糖尿病又はシンドロームXへの障害の進行を予防又は阻害することができる。
【0013】
2型糖尿病及びシンドロームXを含むブドウ糖障害の一般的な治療は、可能な限り正常値付近で血糖値を維持することに焦点を置いたものであり、血糖値の維持には食事療法及び運動療法を含み、必要とされる場合には、抗糖尿病薬、インスリン又はこれらの組み合わせにより治療することを含む。食生活の管理では制御することのできない2型糖尿病は、経口糖尿病薬で治療され、このような剤としては、限定するものではないが、スルホニル尿素(例えば、限定するものではないが第一世代:クロルプロパミド、トラザミド、トルブタミド;第二世代:グリブリド、グリピジド;及び第三世代:グリメピリド)、ビグアナイド(例えば、メトホルミン)、チアゾリジンジオン(例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、トログリタゾン)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ミグリトール)、メグリチニド(例えば、レパグリニド)、他のインスリン感作化合物、及び/又は他の抗肥満剤(例えば、オルリスタット又はシブトラミン)が挙げられる。シンドロームXに関しては、抗糖尿病薬は、随伴する症状の治療のために、更に製薬学的な剤と組み合わされる(例えば、高血圧については降圧薬、高脂血症については脂質低下剤)。
【0014】
典型的な第一選択治療薬としては、メトホルミン及びスルホニル尿素並びにチアゾリジンジオンが挙げられる。メトホルミン単剤療法は、特に、肥満及び/又は脂質異常症でもある2型糖尿病患者の治療に関する第一選択肢である。メトホルミンに対する適切な応答に欠く場合には、多くの場合、メトホルミンとスルホニル尿素、チアゾリジンジオン又はインスリンの組み合わせによる治療が続く。スルホニル尿素単剤療法(全ての世代の剤を含む)もまた通常の第一選択肢である。その他の治療第一選択肢はチアゾリジンジオンであり得る。糖尿病の経口単剤療法に適切な応答を示さない患者には、これらの剤を組み合わせて投与する。経口抗糖尿病剤だけでは血糖コントロールを維持できない場合には、インスリン治療が、単剤療法として又は経口糖尿病薬と組み合わせてのいずれかで使用される。場合により更なるストラテジー(例えば、降圧薬)と組み合わせた上記と同様のストラテジーを、シンドロームXの治療に使用することができる。
【0015】
糖尿病薬に加え、治療には、抗肥満薬(オルリスタットなど)、脂肪の分解と吸収を防ぐ膵リパーゼ阻害剤;又は食欲抑制薬のシブトラミン、並びに脳でのセロトニン、ノルエピネフリン及びドーパミンの再取り込みの阻害剤による、追加治療を包含し得る。他の可能な追加の抗肥満薬としては、限定するものではないが次のものが挙げられる;アドレナリン作動機構を介して食欲抑制作用を行う剤、例えばベンズフェタミン、フェンメトラジン、フェンテルミン、ジエチルプロピオン、マジンドール、シブトラミン、フェニルプロパノールアミン又はエフェドリンなど;セロトニン作動機構を介して食欲抑制作用を行う剤、例えばキパジン、フルオキセチン、セルトラリン、フェンフルラミン、又はデクスフェンフルラミンなど;ドーパミン作動機構を介して食欲抑制作用を行う剤、例えば、アポモルヒネ;ヒスタミン作動機構を介して食欲抑制作用を行う剤(例えばヒスタミン模倣剤、H3受容体モジュレーター);β−3アドレナリン作動アゴニストなどのエネルギー消費促進剤、及びタンパク質の脱共役機能促進剤(stimulators of uncoupling protein function);レプチン及びレプチン模倣剤;ニューロペプチドYアンタゴニスト;メラノコルチン−1,3及び4受容体モジュレーター;コレシストキニンアゴニスト;グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)模倣剤及び類似体(例えばエキセンディン);アンドロゲン(例えばデヒドロエピアンドロステロン及びエチオコランジオン(etiocholandione)などの誘導体)、テストステロン、タンパク質同化ステロイド剤(例えばオキサンドロロン)、及びステロイドホルモン;ガラニン受容体アンタゴニスト;サイトカイン剤、例えば毛様体神経栄養因子など;アミラーゼ阻害剤;エンテロスタチンアゴニスト/模倣剤;オレキシン/ヒポクレチンアンタゴニスト;ウロコルチンアンタゴニスト;ボンベシンアゴニスト;プロテインキナーゼAモジュレーター;副腎皮質刺激ホルモン放出因子模倣剤;コカイン−及びアンフェタミン−調節転写産物模倣剤;カルシトニン遺伝子関連ペプチド模倣剤;及び脂肪酸シンターゼ阻害剤。
【発明を実施するための形態】
【0026】
【化3】
の化合物
((2S,3R,4R,5S,6R)−2−(3−((5−(4−フルオロフェニル)チオフェン−2−イル)メチル)−4−メチルフェニル)−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリオール)としても知られる)の共結晶を目的とする。より具体的には、本発明は、式(I−X)の化合物のL−プロリンとの共結晶、及び式(I−X)の化合物のクエン酸との共結晶を目的とする。本発明の一実施形態では、式(I−X)の化合物のL−プロリンとの共結晶は、結晶性である。本発明の別の実施形態では、式(I−X)の化合物のクエン酸との共結晶は、結晶性である。
【0027】
式(I−X)の化合物は、ナトリウム依存性ブドウ糖輸送体(例えば、SGLT2)に対する阻害活性を呈する。式(I−X)の化合物は、参照により本明細書に組み込まれる、Nomura,S.et al.の、2005年10月20日に公開された、米国特許公開第2005/0233988 A1号に開示されるプロセスにより調製できる。
【0028】
本発明は、ブドウ糖関連障害(好ましくは、2型糖尿病)の治療及び/又は防止のための方法を更に目的とし、前記方法は、それを必要とする対象に、本明細書に記載のような式(I−X)の化合物の共結晶を投与することを含む。
【0029】
本明細書で使用するとき、表記「
*」は、立体中心の存在を示すものとする。
【0030】
本発明による化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、この化合物はしたがってエナンチオマーとして存在し得る。化合物が2つ以上のキラル中心を持つ場合、この化合物はジアステレオマーとして存在し得る。このような異性体全て及びこれらの混合物が本発明の範囲内に包括されることが理解されるであろう。好ましくは、化合物がエナンチオマーとして存在する場合、エナンチオマーは、約80%以上のエナンチオマー過剰率、より好ましくは、約90%以上のエナンチオマー過剰率、更に好ましくは、約95%以上のエナンチオマー過剰率、更により好ましくは約98%以上のエナンチオマー過剰率、最も好ましくは、約99%以上のエナンチオマー過剰率で存在する。同様に、化合物がジアステレオマーとして存在する場合、ジアステレオマーは、約80%より多いか又は約80%に等しいジアステレオマー過剰率、より好ましくは、約90%より多いか又は約90%に等しいジアステレオマー過剰率、更に好ましくは、約95%より多いか又は約95%に等しいジアステレオマー過剰率、更により好ましくは約98%より多いか又は約98%に等しいジアステレオマー過剰率、最も好ましくは、約99%より多いか又は約99%に等しいジアステレオマー過剰率で存在する。
【0031】
更に、本発明の化合物のいくつかの結晶形態は多形として存在することができ、そのようなものは、本発明に含まれることが意図される。加えて、本発明のいくつかの化合物は、水との溶媒和物(すなわち、水和物)又は一般的な有機溶媒との溶媒和物を形成することができ、そのような溶媒和物も、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0032】
本明細書で使用するとき、特に明記しない限り、用語「単離された形態」は、化合物が、別の化合物(一種又は複数)との任意の固体混合物、溶媒系又は生物学的環境から分離された形態で存在することを意味するものとする。本発明の実施形態では、式(I−X)の化合物のL−プロリンとの共結晶は、単離された形態で存在する。本発明の別の実施形態では、式(I−X)の化合物のクエン酸との共結晶は、単離された形態で存在する。
【0033】
本明細書で使用するとき、特に明記しない限り、用語「実質的に純粋な形態」は、単離した結晶形態中の不純物のモルパーセントが、約5モルパーセント未満、好ましくは約2モルパーセント未満、より好ましくは約0.5モルパーセント未満、最も好ましくは約0.1モルパーセント未満であることを意味する。本発明の一実施形態では、式(I−X)の化合物のL−プロリンとの共結晶は、実質的に純粋な形態で存在する。本発明の別の実施形態では、式(I−X)の化合物のクエン酸との共結晶は、実質的に純粋な形態で存在する。
【0034】
本発明は、それを必要とする対象に、治療的に有効な量の本明細書に記載のような式(I−X)の化合物との共結晶のいずれかを投与することを含む、ブドウ糖関連障害の治療及び防止(好ましくは、発症の防止)のための方法を更に目的とする。
【0035】
本発明の方法は、「ブドウ糖関連障害」の治療及び/又は予防(進行又は発症を遅らせることを含む)を目的とする。本明細書で使用するとき、用語「ブドウ糖関連障害」は、高血糖により特徴づけられるか、又は高血糖の結果として発症する、いずれかの障害として定義することができる。ブドウ糖関連障害としては、糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、創傷治癒の遅延、インスリン抵抗性、高血糖症、高インスリン血症、脂肪酸の血中濃度の上昇、ブドウ糖の血中濃度の上昇、高脂血症、肥満、高トリグリセリド症、シンドロームX、糖尿病合併症、アテローム性動脈硬化症又は高血圧が挙げられる。特に「ブドウ糖関連障害」は糖尿病(1型及び2型糖尿病など)、糖尿病合併症(糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症など)、肥満、又は食後高血糖である。
【0036】
本発明の実施形態では、ブドウ糖関連障害は、糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、創傷治癒の遅延、インスリン抵抗性、高血糖、高インスリン血症、脂肪酸の血中濃度の上昇、高脂血症、肥満、高トリグリセリド症、シンドロームX、糖尿病合併症、アテローム性動脈硬化症及び高血圧からなる群から選択される。
【0037】
本発明の別の実施形態では、ブドウ糖関連障害は、1型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、肥満及び食後高血糖からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、ブドウ糖関連障害は、1型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、肥満及び創傷治癒の遅延からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、ブドウ糖関連障害は、血糖コントロール不良、2型糖尿病、シンドロームX、妊娠糖尿病、インスリン抵抗性及び高血糖からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、ブドウ糖関連障害は2型糖尿病である。
【0038】
別の実施形態では、ブドウ糖関連障害は、血糖値の上昇、糖尿病前症、経口ブドウ糖負荷の障害、血糖コントロール不良、2型糖尿病、シンドロームX(代謝異常症候群としても既知)、妊娠糖尿病、インスリン抵抗性及び高血糖からなる群から選択される。
【0039】
ブドウ糖関連障害の治療は、ブドウ糖濃度の低減、血糖コントロールの改善、インスリン抵抗性の低減、及び/又はブドウ糖関連障害の進行の予防(例えば、経口ブドウ糖負荷での耐糖能異常又は血糖値の上昇に苦しむ患者における2型糖尿病発症の予防)を含み得る。
【0040】
本明細書で使用するとき、用語「シンドロームX」、「代謝異常症候群」及び「代謝性シンドロームX」は、2型糖尿病及び心血管疾患の進行に関する危険因子を表し、インスリン抵抗性及び高インスリン血症により特徴づけられ、次の(a)〜(e):(a)耐糖能障害、(b)2型糖尿病、(c)脂質異常症、(d)高血圧及び(e)肥満、のうちの1つ以上を伴う疾患を意味し得る。
【0041】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、「治療する」、「治療」などの用語は、疾患、病状、又は障害への対処を目的とする、患者又は罹病者(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)の管理及びケアを包含し、並びに症状若しくは合併症の発現の予防、症状若しくは合併症の緩和、又は疾患、病状、若しくは障害の除去のための、本発明の化合物の投与を包含するものとする。
【0042】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「予防」は、(a)1つ以上の症状の頻度の低減、(b)1つ以上の症状の重篤度の軽減、(c)更なる症状の発現の遅延化若しくは回避、並びに/又は、(d)疾患若しくは病状の発現の遅延化若しくは回避、を含むものとする。
【0043】
本発明が予防方法を目的とする場合、この方法を必要とする患者(すなわち、予防を必要とする患者)が、予防されるべき障害、疾患、若しくは病状のうち少なくとも1つの症状を経験又は示しているいずれの患者あるいは罹病者(好ましくは哺乳類、より好ましくはヒト)をも包含することを、当業者は理解するであろう。更に、この方法を必要とする被験体は加えて、予防されるべき障害、疾患、又は病状のいずれの症状も示していないが、それらの障害、疾患、又は病状の発現のリスクがあると医師、臨床医、又は他の医療専門家によって見なされている被験体(好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト)であってもよい。例えば、限定されるものではないが、家族暦、個体素因、合併(併発)障害又は合併(併発)症状、遺伝子検査などを含めた、患者の診療歴の結果として、患者は、障害、疾患、又は病状の発現のリスクがあると(及びそれゆえ、予防又は予防治療の必要があると)見なされる場合がある。
【0044】
用語「対象」は、本明細書で使用するとき、治療、観察又は実験の対象である動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトを指す。好ましくは、患者は、治療及び/又は予防すべき疾病又は疾患の少なくとも1つの症状を経験し及び/又は示している。
【0045】
本明細書で使用するとき、用語「治療的に有効な量」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医により求められている、治療されている疾病又は疾患の症状の緩和を含む生体学的反応又は医薬反応を組織系、動物又はヒトにおいて引き出す活性化合物又は薬剤の量を意味する。
【0046】
投与すべき最適用量は、当業者により容易に決定することができ、例えば投与様式、製剤の強度、投与様式、及び疾病症状の進行度により変動するであろう。加えて、罹病者の年齢、体重、食事及び投与時間などの、治療されている特定の罹病者に関連した因子も、用量の調整に必要となるであろう。
【0047】
当業者は、好適な、既知の及び一般に認められた細胞及び/又は動物モデルを使用したインビボ及びインビトロの両方での試験により、試験化合物又はコ−セラピーが所定の疾患を治療又は予防する能力を予測できることを認識するであろう。当業者は更に、健康な受診者及び/又は上記障害に罹患している患者を対象としたヒト初回投与(first-in-human)、用量範囲及び効力試験を含むヒトの臨床試験を、臨床及び医学分野で周知な方法に従い実施できることを認識するであろう。
【0048】
本明細書で使用されるように、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、及び特定の成分の特定の量での組み合わせから直接又は間接的に生じる任意の製品を包含することを意図する。
【0049】
より簡潔な説明を提供するために、本明細書の定量的表現の一部は、約Xの量〜約Yの量の範囲として記載される。範囲が列挙される場合、その範囲は、列挙された上限及び下限に限定されず、約Xの量〜約Yの量の完全範囲、又はその中の任意の量若しくは範囲を含むことが理解される。
【0050】
より簡潔な説明を提供するために、本発明に提供されるいくつかの量的表現は、用語「約」により修飾されていない。用語「約」が明白に使用されていても、又はされていなくとも、本明細書に提供されるあらゆる量は、実際の提供される値を指すことを意味し、また、そのような所定の値に関する実験条件及び/又は測定条件による近似値を含む、当業者に基づき合理的に推測されるそのような所定の値の近似値を指すことも意味することが理解される。
【0051】
好適な溶媒、塩基、反応温度、並びに他の反応パラメータ及び成分の例は、本明細書で以下に詳細に説明される。当業者は、上記例の列挙が、以後の特許請求の範囲に記載される発明を決して限定する意図はなく、そのように解釈すべきではないことを認識する。
【0052】
当業者は、本発明の反応工程が、様々な溶媒又は溶媒系で行うことができ、その反応工程はまた、適切な溶媒又は溶媒系の混合物中でも行うことができることを認識するであろう。
【0053】
本発明による化合物の調製方法が、立体異性体の混合物を生じる場合、これらの異性体は、例えば分取クロマトグラフィーなどの従来の技術により分離することができる。化合物はラセミ体で調製されてもよく、又は個々のエナンチオマーをエナンチオ選択的合成、又は分割のいずれかにより調製することができる。化合物は、例えば、(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸等の光学活性酸を用いて塩を形成させた後に、分別結晶化を行い、遊離塩基を再生させることによりジアステレオマー対を形成させる等の標準的技術により、それら化合物の成分である鏡像異性体に分割することもできる。化合物はまた、ジアステレオマーエステル又はアミドを形成させた後に、クロマトグラフィー分離を行い、キラル補助基を除去することによっても分割されてよい。代替的に、化合物は、キラルHPLCカラムを使用して分割されてもよい。
【0054】
更に、標準物質に対するキラルHPLCを用いて、鏡像体過剰率(%ee)を決定することができる。鏡像体過剰率は、以下のように算出することができる:
[(Rモル−Sモル)/(Rモル+Sモル)]×100%
式中、Rモル及びSモルは、Rモル+Sモル=1となるような、混合物中のR及びSモル分率である。あるいは、鏡像体過剰率は、以下のように、所望の鏡像体及び調製された混合物の比旋光度から算出することもできる:
ee=([α−obs]/[α−max])×100
【0055】
本発明は、式(I−X)の化合物のL−プロリンとの共結晶、好ましくは、式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶を目的とする。本発明は、式(I−X)の化合物のクエン酸との共結晶、好ましくは、式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶を更に目的とする。
【0056】
結晶性L−プロリン及びクエン酸との共結晶の調製:
式(I−X)の化合物のL−プロリン及びクエン酸との共結晶は、共結晶スクリーニングの一部として調製される。簡潔に述べると、約15mgの式(I−X)の化合物が、約1モル等量の共結晶形成剤(L−プロリン又はクエン酸のそれぞれ)及び10μLの溶媒(アセトン、エタノール、酢酸イソプロピル、トルエン、水から選択される)とともに48ウェル粉砕ブロック内のそれぞれのウェルに加えられる。それぞれの共結晶形成剤(5つの溶剤及び1つのドライウェル)に対して6つの個々の実験が実施された。ウェルは10分間のボールミルによる粉砕を受け、その後粉末X線回折によって直ちに解析された。
【0057】
式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶は、アセトン中で1:1の化学量論比における式(I−X)の化合物(約1g)とのL−プロリンとのスラリー化によって、更に調製された。
【0058】
式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶は、酢酸イソプロピル中で1:1の化学量論比における式(I−X)の化合物(約1g)のクエン酸との熱結晶化によって、さらに調製された。
【0059】
L−プロリン及びクエン酸との共結晶の物理的及び化学的安定性
式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶は、以下の条件下、すなわち(a)5℃、密閉、(b)25℃/60% RH、開放、(c)40℃、密閉、(d)40℃/75% RH、開放、(e)60℃、密閉、及び(f)80℃、密閉、の条件下で、約10mgの共結晶を10mLの血清クリンプバイアルに貯蔵し、1日目、1週間目、2週間目、及び4週間目に安定性データを収集することによって、物理的安定性について試験された。式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶は、これらの全ての条件下で、可視的に変色無しで、最高4週間物理的に安定していることが見出された。
【0060】
物理的安定性を試験される、式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶の試料は、1日目、1週間目、2週間目、及び4週間目にサンプル採取され、化学的安定性/劣化を更に試験された。式(I−X)の化合物(約10mg)の結晶性L−プロリンとの共結晶は、50:50の水:アセトニトリル溶液(10mL)で希釈され、次いでHPLC測定のために10倍に更に希釈された。1日目、1週間目、2週間目、及び4週間目に全ての結晶性L−プロリンとの共結晶の試料は、化学的に安定を呈した。劣化のピークは観察されず、かつ測定された面積%も、それぞれの時点で一定のままであった。
【0061】
式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶は、以下の条件下、すなわち(a)5℃、密閉、(b)25℃/60% RH、開放、(c)40℃、密閉、(d)40℃/75% RH、開放、(e)60℃、密閉、及び(f)80℃、密閉、の条件下で、約10mgの共結晶を10mLの血清クリンプバイアル内に貯蔵し、1日目、1週間目、2週間目、及び4週間目に安定性データを収集することによって、物理的安定性について同様に試験された。式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶は、25℃/60% RHで貯蔵されたとき、40℃/75% RHで貯蔵されたとき、及び60℃、又は80℃のいずれかで貯蔵されたとき、少量の劣化(ピーク基準で<0.3%)が観察されたが、これらの条件下で、最高4週間物理的に安定していることが見出された。
【0062】
物理的安定性を試験される、式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶共結晶の試料は、1日目、1週間目、2週間目、及び4週間目にサンプル採取され、化学的安定性/劣化を更に試験された。式(I−X)の化合物(約10mg)の結晶性クエン酸との共結晶は、50:50の水:アセトニトリル溶液(10mL)で希釈され、次いでHPLC測定のために10倍に更に希釈された。5℃密閉、及び40℃密閉で貯蔵された場合、1日目、1週間目、2週間目、及び4週間目において全ての結晶性クエン酸との共結晶の試料は、化学的に安定を呈した。1週間目、2週間目、及び4週間目の25℃/60% RH開放で貯蔵された試料、及び60℃密閉で貯蔵された試料で、少量の劣化ピークが観察されたが、これらの試料のピーク純度は、>99%に留まった。僅かな劣化ピークが、1週間目、2週間目、及び4週間目の40℃/75% RH開放で、及び80℃密閉で貯蔵された試料でも観察されたが、これらの試料のピーク純度も、>99%に留まった。
【0063】
粉末X線回折、示差走査熱量測定、熱重量分析、及び動的蒸気収着/脱着の測定
式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶及び式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶は、粉末X線回折(pXRD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)及び動的蒸気収着/脱着(DVS)を介して、更に特徴付けられる。
【0064】
粉末X線回折:粉末X線回折パターンは、GADDS(商標)(General Area Diffraction Detection System)、システム校正により15.05cmの距離におけるBruker AXS HI−STAR面検出器、銅源(Cu/Kα 1.54056Å)、自動化x−y−zステージ、及び0.5mmコリメータを装備した、Bruker AXS D8 Discover x−ray Diffractometerを使用して得られる。試料は、ペレットの形態に圧密化され、x−y−zステージ上に載置される。ディフラクトグラムは、40kV及び40mAの電力設定で、周囲条件の下で、試料が静止したままの間に反射モードで得られた。それぞれの試料に対して、暴露時間は、約1分であった。得られたディフラクトグラムは、面検出器の幾何学的なピンクッション歪みを説明するために空間的なリマッピング手順を受け、次いで、ビン正規化するために、正規化集合について0.02度きざみで、χに沿って−118.8〜−61.8度、及び2−θに沿って2.1〜37度、積分される。Jadeソフトウェアの使用に加えて、Brukerの機械で得られる回折パターンは、EVAソフトウェアを使用して見られる。
【0065】
示差走査熱量測定:試料のアリコートは、重量を測定し、アルミニウムの密封試料容器に入れた。試料容器を、オートサンプラーを装備した装置(Q1000示差走査熱量測定、TA Instruments)に装填した。空のアルミニウム密封容器を対照として、試料を、10℃/分の速度で、T
min(典型的には室温)からT
max(典型的には300℃)まで個別に加熱することによって、サーモグラムが得られた。乾燥窒素を試料パージガスとして使用し、50mL/分の流量に設定した。熱転移が視認され、かつ、計器とともに提供された解析ソフトウェアを使用して解析された。
【0066】
熱重量分析:試料のアリコートは、白金の試料容器内に移送された。容器は、装填プラットフォーム上に置かれ、次いで制御ソフトウェアを使用して自動的に装置(Q500熱重量分析器、TA Instruments)内に装填された。サーモグラムは、試料を10℃/分で、T
min(典型的には室温)からT
max(典型的には300℃)まで、60ml/分の試料パージ流量、及び40ml/分のバランスパージ流量の、乾燥窒素流の下で、個々に加熱することによって得られた。熱転移(例えば、重量変化)は、計器とともに提供された解析ソフトウェアを使用して視認され、かつ解析された。
【0067】
動的蒸気収着/脱着:水分収着は、動的蒸気収着/脱着−1計器(表面測定値システム、Allentown,PA)上で特徴付けられる。それぞれの事例では、試料は、周囲の相対湿度(RH)から0%のRHまで、乾燥曲線の対象となり、引き続いて、25℃で、10% RHきざみで、収着(0% RH〜90%RH)及び脱着(90% RH〜0% RH)の2つのサイクルが続く。それぞれのステップにおいて、試料は、特定の%RHで平衡化することができ、したがって、計器が方法内の次のステップに移動する前に増減する重量に関して安定する。
【0068】
結晶性L−プロリンとの共結晶の特性
式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶は、粉末X線回折(pXRD)パターン、すなわち、共結晶パターンを共結晶構成成分の粉末X線回折パターンと、より具体的には、式(I−X)の化合物の粉末X線回折とL−プロリンの粉末X線回折とを比較することによって特徴付けられる。
【0069】
本明細書の後に続く
図1は、代表的な測定されたL−プロリン(上)、式(I−X)の化合物(下)、及び式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶(中)に対する粉末X線回折パターンを図示する。
【0070】
一実施形態では、式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶は、下記の表1にリストで示されるようなピークを含む、その粉末X線回析パターンによって特徴付ることができる。
【0072】
好ましくは、式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶は、相対強度が約25%以上のピークを含む、好ましくは約40%以上の相対強度を有するその粉末X線回折パターンによって特徴付けられる。
【0073】
本発明の別の実施形態では、
図2に図示されるピークを集めた粉末X線回折スペクトルに示されるように、式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶は、°2θで以下の3.74、9.50、10.98、17.78、18.62、21.94、23.43、及び26.82の粉末X線回折ピークによって特徴付けられ得る。
【0074】
式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶は、示差走査熱量測定(DSC)を使用して10℃/分にて25℃〜300℃で測定することによって更に特徴付けられ、180℃で肩部を有し、188℃で鋭い融点を示すことが見出された。
【0075】
式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶は、熱重量分析(TGA)を使用して10℃/分で、25℃〜300℃で測定することによって更に特徴付けられ、180℃までで1%の重量喪失を示し(残留溶媒の喪失に起因すると思われる)、引き続いて、280℃までで更に1モル等量のL−プロリンの喪失に対応する更なる25%の重量喪失を示すことが見出された。
【0076】
式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶は、25℃で、0% RH〜90%RH(全サイクル2回)で測定する、動的蒸気収着(DVS)を使用して更に特徴付けられる。式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶は、吸湿性であることが見出されたが、%RHが40%に達するまで、重量増加は観察されなかった。40% RHと90% RHとの間で、共結晶は質量が12%増加し、この値は測定サイクルの脱着部分の間に喪失した(いくらかのヒステレシスをともなって)ものである。動的蒸気収着/脱着の実行後で(0%RHで分離した)収集された粉末X線回折は、この試料では、不可逆的な形態変換が観察されなかったことを示した。
【0077】
結晶性クエン酸との共結晶特性
式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶は、粉末X線回折(pXRD)パターン、すなわち、共結晶パターンを共結晶構成成分の粉末X線回折パターンと、より具体的には、式(I−X)の化合物の粉末X線回折とクエン酸の粉末X線回折とを比較することによって特徴付けられる。
【0078】
本明細書の後に続く
図3は、代表的な測定されたクエン酸(上)、式(I−X)の化合物(下)、及び式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶(中)に対する粉末X線回折パターンを図示する。
【0079】
一実施形態では、式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶は、下記の表2にリストで示されるようなピークを含む、その粉末X線回析パターンによって特徴付けることができる。
【0081】
好ましくは、式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶は、相対強度が約5%以上のピークを含む、より好ましくは約10%以上の相対強度を有するその粉末X線回折パターンによって特徴付けられる。
【0082】
本発明の別の実施形態では、
図4に図示されるピークを集めた粉末X線回折スペクトルに示されるように、式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶は、°2θで以下の約4.2、9.16、12.39、16.54、17.69、19.70、23.63、及び25.66の粉末X線回折ピークによって、特徴付けられ得る。
【0083】
式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶は、示差走査熱量測定(DSC)を使用して10℃/分にて25℃〜300℃で測定することによって更に特徴付けられ、156℃で単一の鋭い融点を示すことが見出された。
【0084】
式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶は、熱重量分析(TGA)を使用して10℃/分で、25℃〜300℃で測定することによって、更に特徴付けられ、155℃までで0.38%の僅かな重量喪失を示すことが見出された。この重量喪失は、水和した形態の存在を示すものではなく、残留溶媒の喪失に起因すると考えられる。
【0085】
式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶は、25℃で、0% RH〜90%RH(全サイクル2回)で測定する、動的蒸気収着(DVS)を使用して更に特徴付けられる。式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶は、0%〜80%RHで観察された、質量における0.5%の緩やかな上昇により、非吸湿性であることが見出され、その質量は脱着により再度失われた。DVS実行後(0%RHで分離した)収集された粉末X線回折は、この試料では、形態の変換は観察されなかったことを示した。
【0086】
本明細書に記載されるように、本発明は、製薬学的に許容可能な担体とともに、式(I−X)の化合物の任意の結晶性共結晶を含む医薬組成物を更に含む。本明細書に記載した本発明の化合物のうち1つ以上を活性成分として含有する医薬組成物は、従来の製薬学的配合技術に従って、化合物又は医薬担体を伴う化合物を完全に混合することによって調製することができる。担体は、所望の投与経路(例えば、経口、非経口)に応じて様々な形態をとることができる。したがって、縣濁剤、エリキシル剤及び溶液のような液体経口製剤では、好適な担体及び添加剤としては、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、安定剤、着色剤等が挙げられ、散剤、カプセル剤及び錠剤のような固体経口製剤では、好適な担体及び添加剤としては、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等が挙げられる。固体経口製剤は、例えば糖などの物質でコーティングされてもよく、又は主要な吸収部位に関し調整するために腸溶コーティングされてもよい。非経口投与のための担体は通常無菌水からなり、また他の成分を加えて溶解度又は保存性を向上させてもよい。注射用の懸濁液又は溶液は、水性担体を適切な添加剤と共に用いて調製されてもよい。
【0087】
本発明の薬学的組成物を調製するために、活性成分としての1つ又はそれ以上の本発明の化合物を、従来の薬学的配合技術に従って、薬学的担体と共に完全に混合するが、この担体は、例えば経口又は筋内などの非経口投与に所望される製剤の形態に応じて様々な形態をとることができる。経口剤形における組成物の調製には、任意の通常の製薬学的媒体を用いることができる。したがって、例えば、懸濁剤、エリキシル剤及び液剤などの経口液体製剤のための好適な担体及び添加剤は、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤及び同様物を含み、散剤、カプセル剤、カプレット剤、ジェルカップ及び錠剤などの経口固形製剤のための適切な担体及び添加剤は、澱粉、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、錠剤崩壊剤及び同様物を含む。投与における容易性により、錠剤及びカプセル剤は最も有利な経口用量単位形態であり、その場合、固体薬学的担体が明らかに使用される。所望であれば、錠剤は、標準的な技術により、糖コーティング又は腸溶コーティングされてもよい。非経口のための担体は、通常、無菌水を含むが、例えば溶解性を助けるなどの目的のため、又は保存のために他の成分を含んでもよい。注射用の懸濁液も調製することができ、その場合、適切な液体担体、懸濁化剤及び同様物を使用することができる。本明細書の医薬組成物は、単位用量、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、注射液、茶さじ一杯及び同様物当たり、上述した有効用量を送達するのに必要な量の活性成分を含むであろう。本明細書の医薬組成物は、例えば錠剤、カプセル剤、粉末、注射液、坐剤、茶さじ一杯などの用量単位当たり約0.1〜約1000mg又はこの中の任意の量若しくは範囲を含有し、及び約0.01〜約500mg/kg/日、又はこの中の任意の量若しくは範囲、好ましくは約0.5〜約100mg/kg/日、又はこの中の任意の量若しくは範囲の投薬量で与えてもよい。しかしながら、投与量は、患者の要求量、治療されている病状の重症度、及び使用される化合物に応じて変動し得る。連日投与又は断続的(post-periodic)投与の使用のいずれかを用いることができる。
【0088】
好ましくは、これらの組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下又は直腸投与、又は吸入若しくは送気による投与のための、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒、無菌非経口溶液又は懸濁液、定量エアゾル又は液体噴霧剤、ドロップ、アンプル、自動注入装置又は坐薬などの単位剤の形態である。代替的に、組成物は、週1回又は月1回投与に好適な形態で存在することができ、例えば、活性化合物の不溶性塩、例えばデカン酸塩は、筋内注入のためのデポー製剤を提供するよう適合され得る。錠剤などの固形組成物の調製に関しては、主要活性成分を、医薬担体、例えば従来の打錠調製成分、例えばトウモロコシデンプン、乳糖、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、又はゴム及び他の医薬希釈剤、例えば水と混合して、本発明の化合物又はその製薬学的に許容可能な塩の均質混合物を含む固形予備配合組成物を形成する。これらの予備配合組成物を均質と称する場合、これは、活性成分が組成物全体にむらなく分散し、それゆえに、この組成物を、同等に効果的な、錠剤、丸剤及びカプセル剤などの剤形に容易に分割できることを意味する。この固体予備処方組成物は、次に0.01〜約1,000mg(又はその中の任意の量若しくは範囲)の本発明の活性成分を含有する、上述したタイプの単位剤形に再分割される。新規な組成物の錠剤又は丸剤は、長期間作用の利点を付与する剤形を提供するためにコーティングすることができ、又は別様に配合することができる。例えば、錠剤又は丸剤は、内側投与成分及び外側投与成分を含むことができ、後者は前者の外皮の形態である。2つの成分は、胃での崩壊を阻止し、また内側成分を無傷で十二指腸内まで通過させる、又は放出を遅延させることができる腸溶性の層により分離されることができる。このような腸溶性層又はコーティング用には様々な材料を使用することができ、そのような材料には、セラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような材料を伴う多数のポリマー酸が挙げられる。
【0089】
経口投与又は注入投与用に本発明の新規組成物を組み込み得る液体形としては、水性液剤、好適に香味付けされたシロップ剤、水性又は油性縣濁剤、及び綿実油、ゴマ油、ヤシ油又はピーナッツ油のような食用油を含む香味付けされたエマルション、並びにエリキシル剤及び同様の医薬賦形剤が挙げられる。水性懸濁剤のための好適な分散剤又は懸濁化剤には、合成及び天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドン又はゼラチンが挙げられる。
【0090】
本発明に記載のブドウ糖関連障害の治療は、本明細書で定義する任意の化合物及び製薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を使用して行うこともできる。医薬組成物は、約0.01mg〜約1000mgの、又はこの中の任意の量若しくは範囲の化合物、好ましくは約0.1mg〜約500mgの化合物を含んでもよく、選択される投与様式に適切な任意の形態に構成することができる。担体は、結合剤、懸濁化剤、滑沢剤、着香剤、甘味剤、保存剤、染料、及びコーティングが挙げられるがこれらに限定されない必要かつ不活性な薬学的賦形剤を含む。経口投与用に好適な組成物としては、丸剤、錠剤、カプレット剤、カプセル剤(それぞれ、迅速放出、時限放出及び持続放出製剤を含む)、顆粒、及び散剤のような固体形、並びに液剤、シロップ剤、エリキシル剤、及び縣濁剤のような液体形が挙げられる。非経口投与用に有用な形態は、無菌溶液、乳液及び懸濁液を含む。
【0091】
有利なことに、本発明の化合物は、単一の一日用量で投与されてもよく、又は全一日用量を一日2回、3回又は4回に分割して投与されてもよい。更に、本発明のための化合物は、当業者に周知の、好適な鼻腔内ビヒクルの局所使用による鼻腔内剤形で、又は経皮皮膚パッチを介して投与されてもよい。経皮送達システム形態で投与するために、用量の投与は、勿論、投与計画全体において断続的ではなく連続的であろう。
【0092】
例えば、錠剤又はカプセル剤の形態で経口投与するためには、有効薬剤成分を、エタノール、グリセロール、水などの毒性のない製薬学的に許容可能な経口不活性担体と加え合わせることができる。更に、所望又は必要であれば、適切な結合剤、潤滑剤、錠剤崩壊剤及び着色剤を混合物中に組み込むこともできる。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、ブドウ糖又はβ−乳糖などの天然糖、トウモロコシ甘味剤、アカシア、トラガカントなどの天然及び合成ゴム、又はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム及びこれらに類するものが挙げられるが、これらに限定されない。崩壊剤としては、これらに限定されるものではないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。
【0093】
液体は、合成及び天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、メチル−セルロース及び同様物などの好適に香味付けされた懸濁化剤又は分散剤の形態をとる。非経口投与用には、無菌懸濁液及び溶液が望ましい。静脈内投与が所望される場合、適当な防腐剤を一般に含有する等張製剤を用いる。
【0094】
本発明の薬学的組成物を調製するには、活性成分としての式(I)の化合物を、従来の薬学的配合技術に従って、薬学的担体と共に完全に混合するのだが、その担体は、投与(例えば、経口又は非経口)に所望される製剤の形態に応じて、多種多様な形態をとることができる。製薬学的に許容可能な好適な担体は、当技術分野にて周知である。これらの製薬学的に許容可能なキャリアのいくつかの説明は、米国薬剤師会(American Pharmaceutical Association)及び英国薬剤師会(Pharmaceutical Society of Great Britain)出版の「Handbook of Pharmaceutical Excipients」に見出すことができる。
【0095】
医薬組成物の配合方法は、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Second Edition,Revised and Expanded,Volumes 1〜3,edited by Lieberman et al;Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications,Volumes 1〜2,edited by Avis et al、及びPharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Volumes 1〜2,edited by Lieberman et al;published by Marcel Dekker,Inc.等の多数の文献に記載されている。
【0096】
本発明の式(I−X)の化合物の結晶性共結晶は、ブドウ糖関連の治療が必要なときはいつでも、前述の組成物のいずれかで、かつ当該技術で確立された投与計画に従って投与されてもよい。
【0097】
生成物の1日用量は、ヒト成人につき1日当たり0.01〜約1,000mg又はこの範囲の任意の値若しくは範囲の幅広い範囲で変動し得る。経口投与用に、組成物は、治療されるべき患者の用量の症状による調整のために、好ましくは0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250及び500mgの活性成分を含む錠剤形態で提供される。
【0098】
好ましくは、式(I−X)の化合物の結晶性共結晶は、1日当たり、体重1kgにつき約0.01mg〜約500mg、又は1日当たり、体重1kgにつき0.01mg〜約200mg、又はこの範囲内の任意の量若しくは範囲の投与量レベルで投与される。好ましい範囲は、1日当たり、体重1kgにつき約0.01〜約50mg又はこの範囲内の任意の量若しくは範囲、より好ましくは1日当たり、体重1kgにつき約0.05mg〜約10mg又はこの範囲内の任意の量若しくは範囲、より好ましくは1日当たり、体重1kgにつき約1〜約5mg又はこの範囲内の任意の量若しくは範囲である。一実施形態では、式(I−X)の化合物の結晶性共結晶の有効量は、10mg、25mg、50mg、100mg、150mg、若しくは300mg、又はこの範囲内の任意の量若しくは範囲の投与量レベルで提供される。式(I−X)の化合物の結晶性共結晶は、1日につき1〜4回の計画で投与されてもよい。
【0099】
投与するべき最適用量は、当業者により容易に決定することができ、また使用される特定の化合物、投与モード、製剤の強度、投与モード、及び疾病状態の進行により変動するであろう。加えて、罹病者の年齢、体重、食事及び投与時間などの、治療されている特定の罹病者に関連した因子も、用量の調整に必要となるであろう。
【0100】
当業者は、公知の及び一般に認められた好適な細胞及び/又は動物モデルを使用したインビボ及びインビトロの両方での試験により、所定の疾患を治療又は予防する試験化合物の能力を予測できることを認識するであろう。
【0101】
当業者は更に、健康な受診者及び/又は上記障害に罹患している患者を対象としたヒト初回投与(first-in-human)、用量範囲及び効力試験を含むヒトの臨床試験を、臨床及び医学分野で周知な方法に従い実施できることを認識するであろう。
【0102】
以下の実施例は、本発明の理解を補助するよう示され、その後に続く特許請求の範囲に示される本発明を如何様にも限定するよう意図されるものではなく、また限定するよう解釈されるべきではない。
【実施例】
【0103】
(実施例1)
式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶
式(I−X)の化合物(100mg)を、L−プロリン(26.30mg)(1:1.1モル等量API:CCF)、粉砕ボール、及びアセトン(20μL)とともにwig−L−bugバイアルに入れた。wig−L−bugで、10分間の粉砕を受けた。粉砕した後、回収された固体が、予想された式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶であることが粉末X線回折によって確認された。
【0104】
(実施例2)
式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶
式(I−X)の化合物(50.18mg)を、L−プロリン(13.15mg)(1:1.1モル等量API:CCF)とともに4mLの円錐バイアルに入れ、引き続いてアセトン(2mL)を入れた。蓋をしたバイアルをヒートガンで短時間加熱した。溶液から白い固体材料が急速に沈殿し、収集され、そして予想された式(I−X)の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶であることが粉末X線回折によって確認された。
【0105】
(実施例3)
式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶
式(I−X)の化合物(100mg)を、クエン酸(43.83mg)(1:1.1モル等量API:CCF)、粉砕ボール、及び酢酸イソプロピル(20μL)とともにwig−L−bugバイアルに入れた。wig−L−bugで、10分間の粉砕を受けた。粉砕した後、回収された固体が、予想された式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶であることが粉末X線回折によって確認された。
【0106】
(実施例4)
式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶
式(I−X)の化合物(50.72mg)を、クエン酸(21.83mg)(1:1.1モル等量API:CCFとともに4mlの円錐バイアルに入れ、引き続いて酢酸イソプロピル(1mL)を入れた。固体材料を完全に溶解するために、蓋をしたバイアルをヒートガンで加熱した。冷却時に結晶化が観察されなかったので、蓋をあけて、溶媒をゆっくりと蒸発させた。2日後(約20%の溶媒減少の後)、所望の材料の粒子を飽和溶液に入れ、数時間内に白い固体の結晶性材料が沈殿した。分離した材料が、予想された式(I−X)の化合物の結晶性クエン酸との共結晶であることが粉末X線回折によって確認された。
【0107】
(実施例5)
固形の経口投与製剤−予測実施例
口腔用組成物の具体的な実施形態として、本明細書に記載したように調製された、式(I−X)の化合物の100mgの結晶性L−プロリンとの共結晶は、サイズOのハードゲルカプセルを充填するために580〜590mgの総量を提供するように十分に微粉化した乳糖と調合された。
【0108】
(実施例6)
固形の経口投与製剤−予測実施例
口腔用組成物の具体的な実施形態として、本明細書に記載したように調製された、式(I−X)の化合物の100mgの結晶性クエン酸との共結晶は、サイズOのハードゲルカプセルを充填するために580〜590mgの総量を提供するように十分に微粉化した乳糖と調合された。
【0109】
例証する目的のために提供される実施例と共に、前述の説明は本発明の原理を教示するものであるが、本発明の実施は、以下の「特許請求の範囲」及びその等価物の範囲内にあるとき、使用可能な変形例、適応例、及び/又は変更例の全てを包含すると理解されたい。
本発明は、以下の態様を包含し得る。
[1] 式(I−X)
【化4-1】
の化合物のL−プロリンとの共結晶。
[2] 前記共結晶が結晶性である、上記[1]に記載のL−プロリンとの共結晶。
[3] 2θで以下の3.74、9.50、10.98、17.78、18.62、21.94、23.43、及び26.82°に粉末X線回折ピークを有する、上記[2]に記載のL−プロリンとの共結晶。
[4] 前記共結晶が、188℃のDSCによって測定される融点を示す、上記[2]に記載のL−プロリンとの共結晶。
[5] 式(I−X)
【化4-2】
の化合物の結晶性L−プロリンとの共結晶。
[6] 式(I−X)
【化4-3】
の化合物のクエン酸との共結晶。
[7] 前記共結晶が結晶性である、上記[6]に記載のクエン酸との共結晶。
[8] 2θで以下の4.2、9.16、12.39、16.54、17.69、19.70、23.63、及び25.66°に粉末X線回折ピークを有する、上記[7]に記載のクエン酸との共結晶。
[9] 前記共結晶が、約156℃のDSCによって測定される融点を示す、上記[7]に記載のクエン酸との共結晶。
[10] 式(I−X)
【化4-4】
の化合物の結晶性クエン酸との共結晶。