(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6106876
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】MU−MIMO用フィードバック方式
(51)【国際特許分類】
H04J 99/00 20090101AFI20170327BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20170327BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20170327BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20170327BHJP
H04B 7/04 20170101ALI20170327BHJP
【FI】
H04J15/00
H04W24/10
H04W16/28 130
H04W72/04 134
H04W72/04 136
H04B7/04
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-45747(P2015-45747)
(22)【出願日】2015年3月9日
(62)【分割の表示】特願2013-521988(P2013-521988)の分割
【原出願日】2011年7月28日
(65)【公開番号】特開2015-165662(P2015-165662A)
(43)【公開日】2015年9月17日
【審査請求日】2015年4月8日
(31)【優先権主張番号】12/845,515
(32)【優先日】2010年7月28日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ニウ、ファンイン
(72)【発明者】
【氏名】リ、チンファ
(72)【発明者】
【氏名】リ、ホンガン
【審査官】
速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/125956(WO,A1)
【文献】
特表2009−543471(JP,A)
【文献】
特開2007−318728(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0230373(US,A1)
【文献】
国際公開第2010/013963(WO,A2)
【文献】
特表2013−513309(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/020723(WO,A1)
【文献】
Joonsuk Kim et al.,Group ID Concept for DL MU-MIMO Transmission,IEEE 802.11-10/0073r2,2010年 3月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04B 7/04
H04W 16/28
H04W 24/10
H04W 72/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムにおけるフィードバックを管理する方法であって、
移動局からのフィードバックのための、前記移動局のために指定されたフィードバックタイプ及び前記移動局のために指定されたフィードバック行列の次元を含む複数のフィードバックパラメータを含むサウンディングパッケージを、複数ユーザ多入力多出力システム(MU−MIMOシステム)のアンテナアレイを介して、複数の移動局のグループに含まれる前記移動局に送信する段階と、
前記サウンディングパッケージにおいて指定された前記フィードバックタイプ及び前記フィードバック行列の次元の前記フィードバック行列を前記移動局から受信する段階と
を備える方法。
【請求項2】
前記サウンディングパッケージは、前記移動局をアナウンスする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記移動局から変調符号化方式のフィードバックを受信する段階を備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記移動局から変調符号化方式のフィードバックを受信する段階を備え、
前記変調符号化方式のフィードバックは、変調符号化方式を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記移動局から変調符号化方式のフィードバックを受信する段階を備え、
前記変調符号化方式のフィードバックは、干渉情報を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記移動局から変調符号化方式のフィードバックを受信する段階を備え、
前記変調符号化方式のフィードバックは、チャネル状態情報を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記フィードバックのための変調符号化方式を前記移動局に送信する段階を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
無線通信システムにおけるフィードバックを管理するアクセスポイントであって、
移動局をアナウンスすべく、前記移動局のフィードバックスケジュール、前記移動局のために指定されたフィードバックタイプ及び前記移動局のために指定されたフィードバック行列の次元を含むサウンディングパッケージを生成する処理回路と、
前記処理回路に接続された無線周波数トランシーバ(RFトランシーバ)と
を備え、
前記トランシーバは、直交周波数分割多元接続(OFDMA)技術を用いて、複数ユーザ多入力多出力システム(MU−MIMOシステム)のダウンリンクチャネルを介して、前記移動局に前記サウンディングパッケージを送信し、前記フィードバックスケジュール、前記サウンディングパッケージにおいて指定された前記フィードバックタイプ及び前記フィードバック行列の次元の前記フィードバック行列を前記移動局から受信する、アクセスポイント。
【請求項9】
前記RFトランシーバは、前記移動局のための変調符号化方式のフィードバックを受信する、請求項8に記載のアクセスポイント。
【請求項10】
前記RFトランシーバは、前記移動局のための変調符号化方式のフィードバックを受信し、
前記変調符号化方式のフィードバックは、変調符号化方式を含む、請求項8に記載のアクセスポイント。
【請求項11】
前記RFトランシーバは、前記移動局のための変調符号化方式のフィードバックを受信し、
前記変調符号化方式のフィードバックは、干渉情報を含む、請求項8に記載のアクセスポイント。
【請求項12】
前記RFトランシーバは、前記移動局のための変調符号化方式のフィードバックを受信し、
前記変調符号化方式のフィードバックは、チャネル状態情報を含む、請求項8に記載のアクセスポイント。
【請求項13】
前記RFトランシーバは、前記移動局から受信した変調符号化方式のフィードバックに基づく変調符号化方式を含むダウンリンクフレームを前記移動局に送信する、請求項8から12のいずれか一項に記載のアクセスポイント。
【請求項14】
前記処理回路に接続され、前記サウンディングパッケージを生成するための命令を格納するメモリと、
前記RFトランシーバに接続され、前記フィードバック行列に基づく適応ビーム形成を用いて前記移動局に情報を送信する送信するアンテナアレイと
を備える、請求項8から13のいずれか一項に記載のアクセスポイント。
【請求項15】
通信システムにおいて、フィードバックを管理するためのプログラムであって、
コンピュータに、
移動局をアナウンスすべく、前記移動局のフィードバックスケジュール、前記移動局のために指定されたフィードバックタイプ及び前記移動局のために指定されたフィードバック行列の次元を含むサウンディングパッケージを生成する手順と、
直交周波数分割多元接続(OFDMA)技術を用いて、複数ユーザ多入力多出力システム(MU−MIMOシステム)のダウンリンクチャネルを介して、前記移動局に前記サウンディングパッケージを送信する手順と、
前記フィードバックスケジュール、前記サウンディングパッケージにおいて指定された前記フィードバックタイプ及び前記フィードバック行列の次元の前記フィードバック行列を前記移動局から受信する手順と
を実行させるプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを格納するコンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
複数ユーザ多入力多出力(MU−MIMO)システムは、単一のアンテナアレイで、同時に、複数のユーザへ信号を送信することが出来、また複数のユーザから信号を受信することが出来る。MU−MIMOシステムでは、複数の信号が並行して送信され、それら複数の信号は、それぞれが異なる(例えば、直交する)方向に、または異なる空間チャネルで送信(または受信)されることにより、互いに離間された状態に保たれる。アンテナアレイを用いて特定の方向に信号を送信(または受信)する処理は、ビーム形成として知られている。他のパラレルビームとの干渉が限定的となるビームを信号毎に選択することにより、複数の信号を同時に送信または受信することが出来る。ビーム間の干渉を最小限にするべく、ビームは互いに直交するように計算されることが多い。
【背景技術】
【0002】
ビーム形成システムには、インプリシットとエクスプリシットと呼ばれる2つの異なるタイプがある。インプリシットビーム形成では、アクセスポイントは、可逆性チャネルに基づきビーム形成行列を計算する。つまり、アクセスポイントは、アップリンク信号を受信し、アップリンク信号の受信品質および方向に基づき、ダウンリンクビームの方向および他のパラメータを決定する。エクスプリシットビーム形成では、アクセスポイントは移動局に向けてサウンディング信号を送出する。その後、移動局は、アクセスポイントへ、受信した信号の品質に関するフィードバックを送信する。その後、アクセスポイントは、以降のダウンリンク信号のビームの生成に、そのフィードバックを用いる。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図2】
図2は、
図1の無線通信システム内で通信を行う移動局の例を示す。
【
図3】
図3は、
図1の無線通信システム内で通信を行うアクセスポイントの例を示す。
【
図4】
図4は、
図1のシステムにおけるエクスプリシットビーム形成に用いるフィードバックの管理に関する例示的なチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
以下の説明および図面は、当業者が特定の実施形態を実施することが出来るように詳細に示す。他の実施形態においては、構造的、論理的、電子的、処理的、および他の変更が加えられてもよい。いくつかの実施形態における部分および特徴は、他の実施形態における部分および特徴に含まれていてもよく、またそれらの代用として用いられてもよい。請求項に記載される実施形態は、それら請求項の考え得る同等物の全てを含む。
【0005】
本発明者たちは、数ある中でもとりわけ、MU−MIMOシステム内における複数の移動局によるアクセスポイントへのフィードバックの提供を可能とする、エクスプリシットビーム形成のフィードバック方式を発明した。当該フィードバック方式においては、アクセスポイントは、フィードバック情報を得るべく、各移動局にアップリンクタイムスロットを割り当てる。アクセスポイントは、アップリンクタイムスロットを割り当てるべく、各移動局からのフィードバックの長さを判断する。いくつかの例において、アクセスポイントは、一定数のダウンリンクストリームを各移動局へ割り振りすること、並びにフィードバックを特定のタイプ、および特定の変調符号化方式に限定することにより、移動局からのフィードバックの長さを制御できる。本明細書で用いるように、ストリームは、ビーム形成技術、および/または空間多重化(SDMA)技術を用いてビームとして送信されるデータストリームに対応する。
【0006】
図1は、無線通信システム100の例を示す。無線通信システム100は、アクセスネットワーク104と無線通信を行う複数の移動局102を含む。アクセスネットワーク104は、移動局102と他の通信ネットワーク106との間で情報を伝送する。通信ネットワーク106は、インターネット、プライベートネットワークまたは他のネットワークを含んでよい。
【0007】
一例において、移動局102のそれぞれは、アクセスネットワーク104内でアクセスポイント118へ無線信号を送信し、またアクセスポイント118から無線信号を受信する1以上のアンテナ114を含む。アクセスポイント118は、移動局102と無線インタフェース接続することが出来、接続されたアンテナアレイ116と信号の送受信を行うことが出来る。アクセスポイント118は、移動局102へ情報を伝送し、また移動局102から情報を伝送するべく通信ネットワーク106と通信接続される。
【0008】
図2は、移動局102の例を示す。移動局102は、処理回路206で実行される命令204を格納するメモリ202を含む。命令204には、移動局102とアクセスポイント118との間の無線通信を行う動作を、移動局102に実行させるソフトウェアが含まれる。また移動局102は、アンテナ114と信号の送受信を行うRFトランシーバ208も含む。
【0009】
いくつかの例において、移動局102は、携帯情報端末(PDA)、無線通信機能を有するノート型パソコンまたはデスクトップ型パソコン、ウェブタブレット、ネットブック、無線電話、無線ヘッドセット、ポケットベル(登録商標)、インスタントメッセージングデバイス、デジタルカメラ、アクセスポイント、テレビ、医療機器(例えば、心拍数モニタ、血圧モニタ)または無線通信で情報の送受信を行える他のデバイスである。
【0010】
図3は、アクセスポイント118の例を示す。アクセスポイント118は、処理回路306で実行される命令304を格納するメモリ302を含む。命令304には、移動局102とアクセスポイント118との間の無線通信を行う動作を、アクセスポイント118に実行させるソフトウェアが含まれる。またアクセスポイント118は、アンテナアレイ116を用いた信号の送受信を行うRFトランシーバ308も含む。処理回路306は、アンテナアレイ116を用いてビーム形成を実行する。一例において、処理回路306は、アンテナアレイ116を用いて、MU−MIMOシステム内で適応ビーム形成を実行する。つまり、異なる移動局102に対して同時に多重ビームを実行できる。さらに各ビームの方向は、任意の移動局102への信号経路の変化によって、動的に変化し得る。アクセスポイント118は、通信ネットワーク106と情報の送受信を行うネットワークスイッチ、ルータ、またはハブを含む。
【0011】
一例において、移動局102およびアクセスポイント118は、1以上の周波数帯域および/または規格プロファイルに準拠して動作する。例えば、移動局102およびアクセスポイント118は、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)規格などの特定の通信規格に準拠して通信を行ってよい。特に移動局102は、MU−MIMO Wi−FiのIEEE 802.11ac通信規格の1以上のバージョンに準拠して動作してよい。
【0012】
また移動局102およびアクセスポイント118は、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)のIEEE 802.16通信規格の1以上のバージョン、並びにそれらのバリエーションおよび発展例に準拠して動作してよい。例えば、移動局102およびアクセスポイント118は、802.16規格のうちIEEE802.16−2004、IEEE802.16(e)、および/または802.16(m)バージョンを用いて通信を行う。IEEE802.16規格に関するより詳細な情報については、「IEEE Standards for Information Technology−−Telecommunications and Information Exchange between Systems」−Metropolitan Area Networks−Specific Requirements−Part 16:「Air Interface for Fixed Broadband Wireless Access Systems」(2005年5月)、および関連する改訂版/バージョンを参照されたい。
【0013】
いくつかの例において、移動局102およびアクセスポイント118は、LTEリリース8、LTEリリース9、および将来リリースされるものを含む、Universal Terrestrial Radio Access Network(UTRAN)Long Term Evolution(LTE)通信規格の1以上のバージョンに準拠して通信を行う。UTRAN LTE規格に関するより詳細な情報については、UTRAN−LTEの3rd Generation Partnership Project(3GPP)規格、リリース8(2008年3月)、並びにそのバリエーションおよび後発(後のリリース)版を参照されたい。
【0014】
いくつかの例において、RFトランシーバ208およびRFトランシーバ308は、複数の直交するサブキャリアを含む直交周波数分割多重方式(OFDM)通信信号の送受信を行う。ブロードバンドのマルチキャリアの例において、移動局102およびアクセスポイント118は、直交周波数分割多元接続(OFDMA)技術に準拠して通信を行う。
【0015】
他の例において、移動局102およびアクセスポイント118は、スペクトル拡散変調(例えば、直接拡散方式符号分割多元接続(DS−CDMA)および/または周波数ホッピング方式符号分割多元接続(FH−CDMA))、時分割多重化(TDM)変調、および/または周波数分割多重(FDM)変調などの1以上の他の変調技術を用いて通信を行う。
【0016】
図4は、MU−MIMOシステム100におけるエクスプリシットビーム形成に用いるフィードバック方式に関する例示的なタイミングフローチャート400を示す。フィードバック処理を開始すべく、アクセスポイント118は、移動局102に向けてサウンディングパッケージ402を送出する。サウンディングパッケージ402は、1以上のダウンリンクフレーム404に対応する。サウンディングパッケージ402は、ダウンリンクフレーム404のグループID、並びに、グループIDに関連付けられる移動局102のメディアアクセス制御(MAC)アドレスをアナウンスする。
【0017】
またサウンディングパッケージ402は、移動局102のフィードバックスケジュールも含んでよい。フィードバックスケジュールにより、グループIDに関連付けられた移動局102のそれぞれのタイムスロットを識別できる。一例において、フィードバックタイムスロットを効率的にスケジューリングすべく、アクセスポイント118は、各移動局102からのフィードバックの長さを判断し、それに応じてタイムスロットを割り振る。例えば、アクセスポイント118は、第1の移動局102が、フィードバック期間の初めにスケジュールされたフィードバックタイムスロット406を有することをアナウンスする。第1の移動局102からのフィードバックの長さを判断した後、アクセスポイント118は、第1の移動局102からのフィードバック406の終了直後に続くフィードバックタイムスロット408に第2の移動局102を割り振る。アクセスポイント118は、グループIDと関連付けられた全ての移動局102がフィードバック期間内のタイムスロットを有するまで、このようにフィードバックタイムスロット410、412を割り振り続ける。
【0018】
一例において、移動局102から受信するフィードバックの長さを判断すべく、アクセスポイント118は、フィードバックのいくつかのパラメータを指定する。例えば、移動局102のフィードバックの長さは、移動局102のダウンリンクストリーム数、および移動局102から受信するフィードバック行列の次元に基づき変化し得る。
【0019】
したがって、一例において、アクセスポイント118は移動局102のフィードバック行列の次元を指定する。アクセスポイント118によって割り振られるフィードバック行列の次元は、グループIDに関連付けられたダウンリンクフレームで、移動局102にデータが送信されるダウンリンクストリーム数以上に設定することが出来る。一例において、移動局102に割り当てられるストリーム数は、任意のダウンリンクフレームにおいて送信を受信する異なる移動局102の数に依存する。多くの移動局102が送信を受信する場合、各移動局102が利用出来るストリーム数は少なくなる。したがって、移動局102に割り当てられるストリーム数は、ダウンリンクフレームにおいて送信を受信する移動局102の数が少ない場合よりも、少なくなる。一例において、アクセスポイント118は、最大8のストリームを有し、ダウンリンクフレーム1つあたり最大4つの異なる移動局102を有する。さらに、一例において、最大4つのストリームを所定の移動局102に送信することが出来る。一例において、移動局102に割り振られたフィードバック行列の次元は、プリコーディングのタイプおよびダウンリンクストリーム数に依存する。例えば、アクセスポイント118が単純なMMSEプリコーディングを実行する場合、フィードバック行列の次元は、ダウンリンクストリーム数と等しく設定できる(NsxNt)。アクセスポイント118がブロック対角プリコーディングを実行する場合、フィードバック行列の次元は、受信アンテナの数と等しく設定できる(NrxNt)。また移動局102に割り当てられるストリーム数は、移動局102からの前回の送信の品質にも基づく。例えば、前回の送信では、複数のストリーム間の干渉が著しく、品質が低かったとすると、アクセスポイント118は以降の送信において、移動局102に割り当てるストリーム数を減らす。
【0020】
またアクセスポイント118は、利用する移動局102のフィードバックのタイプを指定できる。一例において、フィードバックのタイプには、非圧縮チャネル状態情報(CSI)フィードバック、非圧縮プリコーディング行列フィードバック、および圧縮プリコーディング行列フィードバックが含まれる。非圧縮CSIフィードバックは、アクセスポイント118に指定されたフィードバック行列の次元に依存して、NrxNtのチャネル行列の1以上のカラムを含んでよい。本明細書で用いられるように、Nrは移動局102の受信アンテナの数に対応し、Ntは、アクセスポイント118のアンテナアレイ116の送信アンテナの数に対応する。さらに、Nsは、サウンディングパッケージ402において移動局102に割り当てられたストリーム数に対応する。非圧縮プリコーディング行列は、非圧縮CSIフィードバックと同じ次元を有するが、行列の内容は、CSI自体ではなく、チャネル行列の右特異ベクトルである。圧縮プリコーディング行列は、チャネル行列の右特異行列を表す圧縮情報を含む。例えば、アクセスポイント118がアンテナアレイ116において4つの送信アンテナを有する場合、移動局102は、2つの受信アンテナを有し、アクセスポイント118は、サウンディングパッケージ402において、Ns=2であり、非圧縮CSIおよびプリコーディング行列は、4x2の行列を含むことを示す。圧縮プリコーディング行列は、4x2右特異行列を含む。また、さらに他のタイプの圧縮フィードバックを用いることも出来る。一例において、移動局102は、移動局102がサポートするフィードバックのタイプを、アクセスポイント118に通知する。一例において、このサポートされるフィードバックのタイプの通知は、アクセスポイント118との関連付けの間に、移動局102によって行われてもよい。
【0021】
一例において、アクセスポイント118は、フィードバックのタイプを、アクセスポイント118が利用するプリコーディングアルゴリズムに基づき設定する。例えば、アクセスポイント118が単純なプリコーディングアルゴリズムを利用している場合、アクセスポイント118は、移動局102から提供される情報が少ないフィードバックのタイプを指定できる。アクセスポイント118が複雑なプリコーディングアルゴリズムを利用している場合、アクセスポイント118は、移動局102から提供される情報が多いフィードバックのタイプを指定できる。例えば、アクセスポイント118が単純な最小平均二乗誤差(MMSE)プリコーディングアルゴリズムを利用している場合、アクセスポイント118は、移動局102が、圧縮プリコーディング行列を利用してフィードバックを送信するよう指定できる。アクセスポイントがブロック対角プリコーディングアルゴリズムを実行する場合、アクセスポイントは、移動局102からの完全なチャネル行列(例えば、非圧縮CSI)を指定できる。一例において、アクセスポイント118は、移動局102が、移動局102の受信アンテナの数よりも少ない数のストリームを受信するよう指定する。一例において、移動局102は、いくつかの受信アンテナでの受信状態に基づきフィードバックを提供し、当該受信アンテナを用いて、対応するダウンリンクフレームを受信することが出来る。
【0022】
また一例において、アクセスポイント118は、移動局102がアクセスポイント118に対し送信するフィードバックを符号化する際、利用する変調符号化方式(MCS)を指定することも出来る。いずれの場合であっても、アクセスポイント118がこれらのパラメータを指定すると、アクセスポイント118は各移動局102からのフィードバックの長さを判断することが出来、フォードバックの長さに応じてフィードバックに対してタイムスロットを割り振ることが出来る。
【0023】
移動局102がサウンディングパッケージ402を受信する際、移動局102はサウンディングパッケージ402のプリアンブルを測定し、受信品質および方向を判断できる。その後、移動局102は、受信品質および方向に基づき、サウンディングパッケージ402において指定されたフィードバックのタイプ(例えば、非圧縮CSI、非圧縮プリコーディング、または圧縮プリコーディング)のフィードバック行列を計算する。
【0024】
一例において、移動局102は、他の移動局102が用いるストリームとの干渉がないことに基づき、受信品質のフィードバック行列を計算できる。移動局102がMU−MIMOおよびSU−MIMOに対して異なる処理を用いないので、このフィードバック行列の計算方法は、移動局102での処理を単純化出来る単一ユーザMIMOに対しても同様に用いることが出来る点で有利である。他の例において、移動局102は、他の移動局102が用いるストリームとのランダムかつ均一な干渉に基づきフィードバック行列を計算する。例えば、移動局102は、サウンディングパッケージ402においてアクセスポイント118によって行われるストリームの割り当てに基づき、他の移動局102が用いるストリーム数を計算する。その後、移動局102は、送信出力が同様の、全ての方向からランダムかつ均一に届く他の全てのストリームからの干渉信号を想定することにより、フィードバック行列を計算できる。
【0025】
移動局102がフィードバック行列を計算すると、移動局102は当該フィードバック行列を、移動局102に割り当てられたタイムスロット内で、サウンディングパッケージ402でアナウンスされるMCSを用いて、アクセスポイント118に送信する。一例において、フィードバック行列に加えて、移動局102は、移動局102へのダウンリンクストリームにおいてアクセスポイント118に用いられる好ましいMCSを計算する。好ましいMCSは、他の移動局102が用いるストリームとの干渉がないことに基づき、または、他の移動局102が用いるストリームからのランダムかつ均一な干渉に基づき、計算することが出来る。
【0026】
グループIDに関連付けられた全ての移動局102は、サウンディングパッケージ402内のアナウンスに従ってフィードバック行列の計算を行うことが出来、サウンディングパッケージ402によって割り振られたタイムスロット内でフィードバック行列を提供できる。
【0027】
アクセスポイント118が移動局102からフィードバック行列を受信すると、アクセスポイント118は、フィードバック行列に基づきプリコーディングアルゴリズムのパラメータを調整できる。一例において、他の移動局102が用いるストリームとの干渉がないことに基づきフィードバック行列を計算した移動局102に関し、アクセスポイント118は、他のストリームからの干渉を考慮して、フィードバック行列を調整することが出来る。他の例において、アクセスポイント118は、プリコーディングアルゴリズムの調整を行うことなくフィードバック行列を実施出来る。アクセスポイント118が、受信したフィードバック行列に基づきパラメータの調整を行うと、アクセスポイント118は、サウンディングパッケージ402内のグループIDに対応するダウンリンクフレーム414を送信できる。したがって、ダウンリンクフレーム414を移動局102からのフィードバックに基づくプリコーディング調整を用いて生成できる。一例において、アクセスポイント118は、フィードバックに基づき調整されたプリコーディングを、ダウンリンクフレーム414内のトレーニングフィールドおよびデータフィールド(たとえば、MACプロトコルデータユニット(MPDU))に適用する。
【0028】
その後、グループIDに関連付けられた移動局102は、ダウンリンクフレーム414を受信し、含まれる情報を復号化する。その後、移動局102は、肯定応答(ACK)または否定応答(NACK)情報416を、アクセスポイント118への適切なチャネル(例えば、ACKチャネル)で送信することにより、ダウンリンクフレーム414が移動局102によって適切に受信されたかどうかを証明する。さらに、いくつかの例において、移動局102は、追加的に計算を行い、ダウンリンクフレーム414の受信品質に基づきアクセスポイント118毎に利用される好ましいMCSをリファインする。このリファインされたMCSは、ACK/NACK情報416と合わせて、例えばACKチャネルでアクセスポイント118にピギーバック送信される。その後、アクセスポイント118は、リファインされたMCSを移動局102への以降の送信に用いることが出来る。このリファインされたMCSは、計算を行う移動局102が用いるストリームと共にダウンリンクフレーム414において送信された、他の移動局102が用いるストリームとの実際の干渉を考慮に入れている点で有利である。
【0029】
実施形態は、ハードウェア、ファームウェアおよびソフトウェアの1つあるいはそれらの組み合わせによって実施することが出来る。また実施形態は、1以上の処理回路が本明細書に記載される動作を行うべく、読み取り、実行することができるコンピュータ可読記憶媒体に格納される命令として実施することも出来る。コンピュータ可読記憶媒体には、機械(例えば、コンピュータ)による読み取りが可能な形態で格納する任意のメカニズムを含んでよい。例えば、コンピュータ可読記憶媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、および他の記憶装置および媒体を含んでよい。
【0030】
要約が読者にとって技術的開示内容の本質および骨子が明らかとなるものであることを要求する米国特許法施行規則第1.72(b)条に準拠して、要約を提供する。要約は、請求項の範囲および意味を限定する、もしくは解釈することを目的として扱われないことを理解したうえで提出される
。請求項は、それぞれ別個の実施形態として独立したものとして詳細な説明に組み込まれる。
[項目1]
1以上の移動局を含む複数ユーザ多入力多出力(MU−MIMO)システム内のアクセスポイントであり、
前記1以上の移動局へ、前記1以上の移動局のアナウンスを含むサウンディングパッケージを送信し、
前記サウンディングパッケージに基づく前記1以上の移動局からのフィードバックを受信し、
前記1以上の移動局のうち一の移動局から変調符号化方式情報を受信し、
前記変調符号化方式情報に基づく変調符号化方式を有するダウンリンクフレームを前記一の移動局へ送信し、
前記サウンディングパッケージを送信するために、前記アクセスポイントは、前記1以上の移動局に対するフィードバックスケジュールをさらに割り振り、
前記フィードバックスケジュールは、前記1以上の移動局のうち一の移動局に対するフィードバックの長さの判断に基づく、アクセスポイント。
[項目2]
前記サウンディングパッケージは、前記1以上の移動局のうち前記一の移動局のフィードバックのタイプ、および前記一の移動局のフィードバック行列の次元のうち少なくとも1つをさらに含む、項目1に記載のアクセスポイント。
[項目3]
前記フィードバックのタイプが、非圧縮チャネル状態情報フィードバック、非圧縮プリコーディング行列フィードバック、または圧縮プリコーディング行列フィードバックを含み、
前記フィードバックのタイプは、前記一の移動局が、前記非圧縮チャネル状態情報フィードバック、非圧縮プリコーディング行列フィードバック、および圧縮プリコーディング行列フィードバックのうちいずれをサポートしているかに関する前記一の移動局からの情報に基づく、項目2に記載のアクセスポイント。
[項目4]
前記フィードバックの前記長さは、前記一の移動局から受信したフィードバック行列の次元および前記一の移動局に割り当てられたダウンリンクストリーム数に基づき判断される、項目1に記載のアクセスポイント。
[項目5]
前記一の移動局によって送信される前記変調符号化方式情報は、前記ダウンリンクフレームの受信品質に基づく、項目1から4のいずれか1項に記載のアクセスポイント。
[項目6]
さらに前記1以上の移動局のうちの前記一の移動局から、前記1以上の移動局のためのストリーム数に基づき判断されるフィードバック行列を受信し、
前記フィードバック行列に基づきプリコーディング調整を用いて前記一の移動局へダウンリンクフレームを送信する、項目1から5のいずれか1項に記載のアクセスポイント。
[項目7]
MU−MIMOシステムにおける移動局であり、
アクセスポイントから、1以上の移動局のアナウンスを含むサウンディングパッケージを受信し、
前記サウンディングパッケージに基づき前記アクセスポイントへフィードバックを送信し、
前記アクセスポイントへ変調符号化方式情報を送信し、
前記アクセスポイントへフィードバック行列を送信し、前記フィードバック行列は、ダウンリンクフレームにおいて前記アクセスポイントによって送信され、前記1以上の移動局のうち他の移動局に割り当てられるストリーム数、および前記アクセスポイントからの前記サウンディングパッケージの受信品質に基づいて判断され、
前記変調符号化方式情報に基づく変調符号化方式を有するダウンリンクフレームを前記アクセスポイントから受信する、移動局。
[項目8]
前記サウンディングパッケージは、フィードバックのタイプ、およびフィードバック行列の次元のうち少なくとも1つ、並びに、前記移動局の変調符号化方式をさらに含む、項目7に記載の移動局。
[項目9]
さらに前記サウンディングパッケージで指定される前記フィードバックのタイプおよび前記フィードバック行列の次元に基づき、前記アクセスポイントへ前記フィードバック行列を送信する、項目8に記載の移動局。
[項目10]
さらに、前記1以上の移動局のうち他の移動局に割り当てられ、実質的に等しい出力で送信されるストリームからのランダムかつ均一な干渉に基づき前記変調符号化方式を計算する、項目7から9のいずれか1項に記載の移動局。
[項目11]
前記変調符号化方式情報をACK/NACKと合わせてピギーバック送信する、項目7から10のいずれか1項に記載の移動局。
[項目12]
前記ダウンリンクフレームは、前記ダウンリンクフレームに関する前記フィードバック行列に基づくプリコーディング調整に基づく、項目7から11のいずれか1項に記載の移動局。
[項目13]
コンピュータに、複数ユーザ多入力多出力(MU−MIMO)システムにおけるフィードバックを管理するアクセスポイントとして動作させるプログラムであり、前記コンピュータに、
1以上の移動局へ、前記1以上の移動局のアナウンスを含むサウンディングパッケージを送信する手順と、
前記サウンディングパッケージに基づく前記1以上の移動局からのフィードバックを受信する手順と、
前記1以上の移動局のうち一の移動局から変調符号化方式情報を受信する手順と、
前記変調符号化方式情報に基づく変調符号化方式を有するダウンリンクフレームを前記一の移動局へ送信する手順とを実行させ、
前記サウンディングパッケージを送信する手順は、前記1以上の移動局に対するフィードバックスケジュールを割り振る手順をさらに含み、
前記フィードバックスケジュールを割り振る手順は、前記1以上の移動局のうち一の移動局に対するフィードバックの長さを判断する手順を含む、プログラム。
[項目14]
前記サウンディングパッケージを送信する手順はさらに、前記1以上の移動局の前記一の移動局に対しフィードバックのタイプを割り振る手順か、または前記一の移動局に対しフィードバック行列の次元を割り振る手順を有する、項目13に記載のプログラム。
[項目15]
前記フィードバックのタイプが、非圧縮チャネル状態情報フィードバック、非圧縮プリコーディング行列フィードバック、または圧縮プリコーディング行列フィードバックを含み、
前記フィードバックのタイプは、前記一の移動局が、前記非圧縮チャネル状態情報フィードバック、非圧縮プリコーディング行列フィードバック、および圧縮プリコーディング行列フィードバックのうちいずれをサポートしているかに関する前記一の移動局からの情報に基づく、項目14に記載のプログラム。
[項目16]
前記フィードバックの前記長さは、前記一の移動局から受信したフィードバック行列の次元および前記一の移動局に割り当てられたダウンリンクストリーム数に基づいて判断される、項目13に記載のプログラム。
[項目17]
前記変調符号化方式情報は、前記ダウンリンクフレームの受信品質に基づく、項目13から16のいずれか1項に記載のプログラム。
[項目18]
前記1以上の移動局のうち前記一の移動局から、前記1以上の移動局のためのストリーム数に基づいて判断されるフィードバック行列を受信する手順と、
前記フィードバック行列に基づくプリコーディング調整を用いて前記一の移動局へダウンリンクフレームを送信する手順と、
をさらに前記コンピュータに実行させる、項目13から17のいずれか1項に記載のプログラム。