(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記補強部材又は前記本体部に設けられ、前記補強部材又は前記光電変換モジュールと前記本体部とを互いに機械的に脱着可能な第3の接続部材を更に備える、請求項1〜9の何れか一項に記載の光電変換装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された太陽電池ユニットは、端子切片が補強部材により完全に覆われ、補強部材ごと電池箱に挿入することで電池箱に電力供給するものであるため、補強部材を電池箱と接続する際の接続部材としても機能させることができる。しかしながら、このような接続部材では、取り得る構造が制限されてしまうという問題があった。
【0005】
ところで、近年、板状で薄型の光電変換モジュールとして、例えば、プラスチックフィルムなどに作製された有機薄膜太陽電池モジュールなどの、薄型パネル状の光電変換モジュールが普及してきている。このような薄型パネル状の光電変換モジュールに、バッテリなどの機器に脱着可能なコネクタなどの接続部材を結合させようとした場合、薄型パネル状の光電変換モジュールが薄過ぎるため、結合が困難であるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、接続部材の構造を制限することなく、薄型パネル状の光電変換モジュールに接続部材を結合させることができる光電変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の光電変換装置は、薄型パネル状の光電変換モジュールと、前記光電変換モジュールの外縁部に結合する導電部材を介して前記光電変換モジュールと導通する第1の接続部材と、前記第1の接続部材
の前記光電変換モジュール側を覆う補強部材と、
前記導電部材を備え前記光電変換モジュール及び前記第1の接続部材を連結する、可撓性を有する連結部と、前記第1の接続部材を介して前記光電変換モジュールからの電力供給を受ける本体部とを備え、前記第1の接続部材は、機械的かつ電気的に前記本体部に脱着可能であ
り、前記連結部は、前記補強部材との接触部の長さよりも、前記補強部材との接触部と前記光電変換モジュールとの接触部との間の最短の長さの方が短い、ことを特徴とする。このような構成とすることで、第1の接続部材の構造を制限することなく、薄型パネル状の光電変換モジュールに第1の接続部材を結合させることができる光電変換装置を得ることができる。
【0008】
ここで、本発明の光電変換装置において、前記本体部は、外部機器に電力を供給することが可能な第2の接続部材を備えることが好ましい。このような構成とすることで、光電変換モジュールからの電力を本体部を介して外部機器に供給することができる。
【0009】
また、本発明の光電変換装置において、前記第2の接続部材は、USBコネクタであることが好ましい。
【0010】
また、本発明の光電変換装置において、前記第2の接続部材は、先端にコネクタを有するケーブルであることが好ましい。
【0011】
また、本発明の光電変換装置において、前記光電変換モジュールは、巻き取って収納することが可能であり、前記補強部材は、上下方向において、前記光電変換モジュールの巻き取り時の厚み以上の厚みを有することが好ましい。このような構成とすることで、光電変換モジュールを巻きとって収納する場合でも、巻き取った光電変換モジュールを保護することができる。
【0012】
また、本発明の光電変換装置において、前記光電変換モジュールは、複数の薄型パネル状の光電変換モジュールが連結した光電変換モジュール群に含まれ、前記光電変換モジュール群は、隣り合う光電変換モジュール間で上下方向に折り畳み可能であり、前記補強部材は、上下方向において、前記光電変換モジュール群の折り畳み時の厚み以上の厚みを有することが好ましい。このような構成とすることで、複数の光電変換モジュールが連結した光電変換モジュール群を含む場合でも、折り畳んだ光電変換モジュール群を保護することができる。
【0013】
また、本発明の光電変換装置において、前記光電変換モジュール群は、巻き取って収納することが可能であり、前記補強部材は、上下方向において、前記光電変換モジュール群の巻き取り時の厚み以上の厚みを有することが好ましい。このような構成とすることで、光電変換モジュール群を巻きとって収納する場合でも、巻き取った光電変換モジュール群を保護することができる。
【0014】
また、本発明の光電変換装置において、前記第1の接続部材はカードエッジコネクタであることが好ましい。
【0015】
また、本発明の光電変換装置において、前記第1の接続部材は、ガイドとコネクタとからなる接続機構を有することが好ましい。
【0016】
また、本発明の光電変換装置は、前記補強部材又は前記本体部に設けられ、前記補強部材又は前記光電変換モジュールと前記本体部とを互いに機械的に脱着可能な第3の接続部材を更に備えることが好ましい。このような第3の接続部材を更に備えることで、第1の接続部材が本体部に装着されている状態での、本体部と光電変換モジュールとの一体性を高めることができる。
【0017】
さらに、本発明の光電変換装置において、前記補強部材は、上下方向において、前記第1の接続部材の厚み以上の厚みを有することが好ましい。このような構成とすることで、第1の接続部材をより確実に薄型パネル状の光電変換モジュールに結合させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、接続部材の構造を制限することなく、薄型パネル状の光電変換モジュールに接続部材を結合させることができる光電変換装置を提供することができる。
さらに、本発明における第1の接続手段は、本発明者らが別途出願している特願2015−059752における第2の接続手段と係合するものであり、接続手段として互換性を有するので、別途出願で享受できる利益を、そのまま享受することが可能となるという効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において、上下方向とは、
図2(a)などの光電変換装置の上面図の紙面に垂直な方向を意味し、上方は、
図5において光電変換装置1eの本体側接続部31bから第1の接続部材20bを脱離する方向(すなわち、
図5における上方)、下方はその反対方向を意味するものとする。
【0021】
(第1の実施形態)
以下、
図1〜
図9を参照して、本発明の一実施形態に係る光電変換装置について詳細に例示説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置1aの構成を示すブロック図である。
【0022】
本実施形態に係る光電変換装置1aは、薄型パネル状の光電変換モジュール10と、第1の接続部材20aと、本体部30aと、補強部材50aと、
図2(a)に示すような連結部80とを備える。なお、光電変換装置1aは、商用電源からACアダプター40を介して電力供給を受けることができる。ACアダプター40は、コンセント41とAC/DC変換器42とを備えている。商用電源からコンセント41を介して交流電圧がAC/DC変換器42に入力され、AC/DC変換器42は、入力された交流電圧を直流電圧に変換して、本体部30a供給する。
【0023】
光電変換モジュール10は、太陽電池パネル11を備える。太陽電池パネル11は、太陽光、室内光などの入射光を光電変換して電力を出力する太陽電池で構成されたパネル状の部材である。また、光電変換モジュール10は、他に、太陽電池パネル11を支持する基材(図示省略)や、太陽電池パネル11により発電された電力を取り出す取り出し配線12(
図3参照)などを備える。
【0024】
太陽電池パネル11を構成する太陽電池の種類としては、大別して、無機系材料を用いた無機系太陽電池と、有機系材料を用いた有機系太陽電池とが挙げられる。無機系太陽電池としては、Siを用いたSi系、化合物を用いた化合物系などが挙げられる。また、有機系太陽電池としては、有機顔料を用いた低分子蒸着系、導電性高分子を用いた高分子塗布系、変換型半導体を用いた塗布変換系などの薄膜系、チタニア、有機色素および電解質から成る色素増感系などが挙げられる。また、太陽電池パネル11を構成する太陽電池には、有機無機ハイブリッド太陽電池、ペロブスカイト系化合物を用いた太陽電池も含めることができる。本発明においては、薄型パネル状の太陽電池パネル11が用いられ、プラスチックフィルム等に作製された色素増感太陽電池が好適である。なお、薄型パネル状の太陽電池パネル11は、上記プラスチックフィルム等に作製されたものに限定されるものでなく、同様の薄型であれば方式を問わないことは言うまでもない。
【0025】
第1の接続部材20aは、光電変換モジュール10と電気的に導通している。また、第1の接続部材20aは、本体用インタフェース(IF)21を備える。太陽電池パネル11により発電された電力は、本体用インタフェース21を介して、本体部30aの本体側接続部31aに備えられた光電変換モジュール用インタフェース311に供給される。なお、詳細は後述するが、第1の接続部材20aは、光電変換モジュール10の外縁部に結合し、機械的かつ電気的に本体部30aに脱着可能である。
【0026】
本体部30aは、回路基板(図示省略)を備え、その回路基板上に、本体側接続部31aと、昇圧回路部32と、光電変換モジュール電圧検出部33と、ACアダプター電圧検出部34と、充電池35と、外部インタフェース(IF)36と、充放電制御回路37と、コントローラ38とを備える。
【0027】
本体側接続部31aは、この本体側接続部31aを介して第1の接続部材20aを本体部30aに機械的かつ電気的に脱着可能とするものであり、光電変換モジュール用インタフェース(IF)311を備える。光電変換モジュール用インタフェース311は、第1の接続部材20aを介して本体側接続部31aに装着された光電変換モジュール10の太陽電池パネル11から、基材や取り出し配線12や本体用インタフェース21を介して供給された電圧を、昇圧回路部32に出力する。
【0028】
昇圧回路部32は、光電変換モジュール用インタフェース311から供給された電圧を、充電池35の充電に必要な所定電圧まで昇圧して、充放電制御回路37に出力する。
【0029】
光電変換モジュール電圧検出部33は、本体部30aの本体側接続部31aに装着された光電変換モジュール10の太陽電池パネル11から、光電変換モジュール用インタフェース311を介して昇圧回路部32に供給される電圧(光電変換モジュール電圧)を検出し、検出結果をコントローラ38に出力する。
【0030】
ACアダプター電圧検出部34は、ACアダプター40から充放電制御回路37に供給される電圧(ACアダプター電圧)を検出し、検出結果をコントローラ38に出力する。
【0031】
充電池35は、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池などの充放電が可能な電池である。
【0032】
外部インタフェース(IF)(第2の接続部材)36は、外部機器を接続して、接続された外部機器に電力を供給することが可能である。第2の接続部材36は、特に限定されるものではないが、例えば、USB(Universal Serial Bus)インタフェースを用いたコネクタ(USBコネクタ)や、先端にコネクタを有するケーブルなどであり、外部機器と接続して、例えば外部機器からの充電要求を受けて外部機器に電力を供給する。光電変換モジュール10は、この外部インタフェース36を介して、種々の被充電デバイス、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット型デバイス、パソコンといったデバイスに機械的かつ電気的に脱着することができる。
【0033】
充放電制御回路37は、昇圧回路部32と、ACアダプター40と、充電池35と、外部インタフェース36を介して接続された外部機器との間で充放電制御を行う。
【0034】
コントローラ38は、本体部30aの各部の動作を制御する。例えば、コントローラ38は、光電変換モジュール電圧検出部33の検出結果や、ACアダプター電圧検出部34の検出結果や、充電池35の充電量などに基づき、充放電制御回路37を通じて、充放電のためのパスを制御する。また、コントローラ38は、例えば、昇圧回路部32による昇圧動作を制御する。
【0035】
補強部材50aは、第1の接続部材20aや光電変換モジュール10を物理的に補強するための部材であり、詳細については後述する。
【0036】
連結部80は、光電変換モジュール10と第1の接続部材20aとを補強部材50aを介して連結するための部材であり、詳細については後述する。
【0037】
図2(a)は、光電変換装置1aの上面図であり、
図2(b)は、光電変換装置1aの断面図である。なお、
図2(a)においては、光電変換モジュール10の太陽電池パネル11を省略して描画しており、このことは、
図4及び
図8においても同様である。また、
図3は、
図1に示す光電変換装置1aの本体部30a以外の構成について、補強部材50aと、光電変換モジュール10の基材と、連結部80とを透明化して示した上面図である。
【0038】
光電変換装置1aにおける光電変換モジュール10は、薄型パネル状であり、形状は特に限定されないが、
図2(a)に示すような矩形の他に、六角形等の多角形や、円形等が考えられる。光電変換モジュール10の厚みは、太陽電池の電極基板自体の厚みも含めた、電極基板間の厚みであり、例えば製造技術面から3mm以下が好適である。当該光電変換モジュール10の厚みの下限としては10μm程度が好適である。光電変換モジュール10に耐環境性を付与する等の目的で外装材で被覆することもできる。また、光電変換モジュール10は、可撓性を有することが好ましい。なお、光電変換モジュール10には、
図3に示すように、太陽電池パネル11が配置されている。そして、光電変換モジュール10は、
図3に示すように、太陽電池パネル11に接続されて光電変換モジュール10の外縁部から延出した取り出し配線12を備えている。取り出し配線12により、太陽電池パネル11により発電された電力を外部に出力可能となっている。
【0039】
本体部30aは、上述した各構成要素を備えると共に、
図2(a)、(b)に示すようなカバーを備える構成であってもよい。すなわち、
図2(a)、(b)に示す本体部30aは、本体側接続部31aの左方にカバーを配設する。本体部30aは、光電変換モジュール10を装着している際には、光電変換モジュール10及び第1の接続部材20aを保護する役割を有している。すなわち、
図2に示した光電変換装置1aにおける本体部30aはカバーを開いた状態であり、このように本体部30aのカバーを開いた状態で露出される本体側接続部31aに第1の接続部材20aを介して光電変換モジュール10を装着することができる。そして、光電変換モジュール10を装着した状態で本体部30aのカバーを閉じることにより、光電変換モジュール10及び第1の接続部材20aが本体部30aに挟まれた状態となり、外部からの衝撃から保護することができる。なお、本体部30aは、このような保護機能をより発揮するために、剛性を有することが好ましい。
【0040】
第1の接続部材20aは、光電変換モジュール10の外縁部に結合する連結部80に備えられる導電部材81を介して、光電変換モジュール10と導通可能に結合している。具体的には、第1の接続部材20aは、光電変換モジュール10が矩形状である場合、その左辺の中央付近に導電部材81を介して光電変換モジュール10と結合している。また、第1の接続部材20aは、本体部30aの本体側接続部31aを介して、機械的かつ電気的に本体部30aに脱着可能に構成されている。第1の接続部材20a及び本体側接続部31aは、互いに繰り返し脱着することが可能な、例えばカードエッジコネクタなどのコネクタで構成することができる。なお、第1の接続部材20aには、連結部80に備えられる導電部材81が接続している。また、
図2に示した第1の接続部材20aは、本体側接続部31aから脱離した状態であり、例えばこの状態から左方にスライドさせることで、本体側接続部31a内に挿入されて装着される構成とすることができる。このことは、
図4、
図7、及び
図9においても同様である。
【0041】
また、第1の接続部材20aは、ガイドとコネクタとからなる接続機構を有してもよい。具体的には、第1の接続部材20aは、ガイドと、ガイドの先端部に設けられたコネクタとを有し、本体部30aの本体側接続部31aは、第1の接続部材20aのガイドに対応する形状を有するガイドレールと、本体側コネクタとを有してもよい。この場合、第1の接続部材20aのガイドを、本体側接続部31aのガイドレールに嵌った状態でスライドさせて挿入することで、第1の接続部材のコネクタと本体側コネクタとが接続される。これにより、第1の接続部材20aと本体部30aとは、ガイドとガイドレールとの間で物理的に接続され、コネクタと本体側コネクタとの間で電気的に接続することができる。
【0042】
連結部80は、
図3に示すように、可撓性の導電部材81と、導電部材81を保護するために被覆された連結部カバー82とを備え、全体として可撓性を有する。なお、連結部カバー82は必ずしも備えられている必要はない。導電部材81は、
図3に示すように、一端が光電変換モジュール10の外縁部から延出した取り出し配線12と、他端が第1の接続部材20aとそれぞれ接続されている。また、連結部80は、収納性および導電部材の耐久性の観点から、
図2(a)に示すように、補強部材50aとの接触部の長さaよりも、補強部材50aとの接触部と、光電変換モジュール10との接触部との間の最短の長さbの方が短い。なお、連結部80は、補強部材50aとの接触部の長さaが、同方向における第1の接続部材20aの長さ以上の長さであることが好ましい。これにより、連結部80の応力緩和性を高めることができる。
【0043】
補強部材50aは、剛性を有する部材であり、
図3に示すように、第1の接続部材20aの光電変換モジュール10側(本体側接続部31aとの接続方向の反対側)を、覆うようにして設けられている。薄型パネル状である光電変換モジュール10及び連結部80は非常に薄いため、光電変換モジュール10の外縁部に連結部80を介して第1の接続部材20aを結合させることは困難であるが、このような補強部材50aを設けることで、第1の接続部材20aを光電変換モジュール10に確実に結合させることができる。
【0044】
なお、補強部材50aの幅は、
図2(a)に示す上面図における左右方向において、第1の接続部材20aの幅以上であり、かつ、光電変換モジュール10の幅の1/3未満であることが好ましい。これにより、光電変換装置1aの補強性を確保しつつ、光電変換装置1aの上面図におけるサイズを小さくして携帯性を向上させることができる。
【0045】
また、光電変換装置1aは、このような補強部材50aを備えることで、第1の接続部材20aを本体部30aから脱着する際には、光電変換モジュール10にかかる第1の接続部材20a周囲の応力を低減し、光電変換モジュール10のたわみを防止することもできる。さらに、光電変換装置1aは、このような補強部材50aを備えることで、第1の接続部材20a自体や、第1の接続部材20aと光電変換モジュール10との接続部にかかる応力を低減することもできる。
【0046】
また、補強部材50aは、上面図上、第1の接続部材20aの脱着方向及び上下方向と直交する方向に長辺を有する矩形状を有している。なお、本明細書において、補強部材が「覆うようにして設けられ」とは、対象物の少なくとも上方を補強部材が覆い尽くすようにして設けられたことを意味し、対象物の上方以外の全方向を補強部材が覆い尽くすようにして設けられたことも含む概念である。また、上下方向において、補強部材50aの厚みは、光電変換モジュール10の厚みよりも大きい。さらに、上下方向において、補強部材50aは、第1の接続部材20aの厚み以上の厚みを有する。これにより、第1の接続部材をより確実に光電変換モジュール10に結合させることができる。
【0047】
また、補強部材50aは、第1の接続部材20aを本体部30aに脱着する際、把持部としての機能を有する。すなわち、第1の接続部材20aは、比較的小さく、また本体部30aの本体側接続部31aと近接し過ぎているため、把持し難い。また、光電変換モジュール10は、薄型パネル状であり、可撓性を有する場合もあるため、光電変換モジュール10を把持して脱着しようとすると、安定せず、最悪の場合破損してしまうおそれがある。一方、補強部材50aは、剛性を有するため安定性があり、また第1の接続部材20aよりも本体側接続部31aと離れているため把持しやすい。さらに、補強部材50aを把持することで、可撓性を有する連結部80を介して脱着時の光電変換モジュール10への応力が分散されるため、光電変換モジュール10の損傷を抑えることができる。
【0048】
また、補強部材50aは、
図2(a)、(b)に示すように、第1の接続部材20aと直接結合し、光電変換モジュール10とは直接には結合していない。これにより、可撓性を有する連結部80が光電変換モジュール10と補強部材50aとの間で緩衝材として働くため、補強部材50aが把持されて第1の接続部材20aが本体部30aから脱着される際、応力が光電変換モジュール10に伝わりにくくなる。また、光電変換モジュール10を第1の接続部材20aを介して本体部30aに装着している際にも、同様に連結部80が緩衝材として働き、本体部30aに加えられた衝撃が光電変換モジュール10に伝わりにくくなる。
【0049】
ところで、光電変換装置1aは、補強部材50a又は本体部30aに設けられ、光電変換モジュール10又は補強部材50aと本体部30とを互いに機械的に脱着可能な第3の接続部材を更に備えてもよい。例えば、
図4(a)に示すように、補強部材50aの第1の接続部材20aと同じ側の端面に設けられ、かつ、本体部30aに対して第1の接続部材20aが脱着されるのと連動して本体部30aと脱着されるような第3の接続部材60aを備えてもよい。この場合、本体部30aに第3の接続部材60aに対応する接続部を設けていてもよい。また、例えば、
図4(b)に示すように、本体部30aに設けられ、光電変換モジュール10をバインダーのように挟み込むことができる第3の接続部材60bを備えてもよい。このように、第3の接続部材を更に備えた光電変換装置1bや1cによれば、光電変換モジュール10が本体部30aに装着されている状態での本体部30aと光電変換モジュール10との一体性を高めることができる。
【0050】
第1の接続部材20a、第2の接続部材36及び第3の接続部材60aは、被接続体への機械的接続状態を固定保持するロック機構を備えていてもよい。ロック機構は、公知のあらゆる機構が適用可能だが、例えばロック爪とそれに係合する爪係止部を用いる機構を適用することができる。
【0051】
また、光電変換装置1aの変形例1として、光電変換モジュール10を矩形状ではなく円形とし、本体部30aを閉じた状態では光電変換モジュール10の形状に沿うような形状とした光電変換装置(図示省略)とすることも可能である。なお、このような光電変換装置においても、補強部材50aの形状は特に限定はされないが、本体部30aの形状に沿った形状や、光電変換モジュール10の外縁部の形状に沿った形状を有していてもよい。これにより、光電変換装置1a全体としての小型化を図ることができる。
【0052】
また、光電変換装置1aの変形例2として、
図5に示すように、第1の接続部材20aに代えて補強部材50bの底面から下方に備えられた第1の接続部材20bを用い、かつ、本体側接続部31aに代えて第1の接続部材20bと脱着可能な本体側接続部31bを用いた光電変換装置1eとすることも可能である。これにより、第1の接続部材20bと本体部30bとを脱着するときに、応力が光電変換モジュール10に伝わりづらくなる。
【0053】
また、光電変換装置1aの変形例3として、
図6に示すように、光電変換モジュール10を含む光電変換モジュール群70を備え、光電変換モジュール群70が、隣り合う光電変換モジュール間で折り畳み可能であり、補強部材50cが、光電変換モジュール群70の折り畳み時の厚み以上の厚みを有する光電変換装置1fとすることも可能である。ここで、光電変換モジュール群70は、光電変換モジュール10に加えて、第1のモジュール群連結部71と、第1の追加光電変換モジュール72と、第2のモジュール群連結部73と、第2の追加光電変換モジュール74とを備える。第1の追加光電変換モジュール72及び第2の追加光電変換モジュール74は、光電変換モジュール10と同様に薄型パネル状であり、それぞれ太陽電池パネル11を備えて発電可能である。また、第1のモジュール群連結部71及び第2のモジュール群連結部73は、各光電変換モジュールを連結するためのものであり、可撓性の導電部材等で構成され、これらを介して、第1の追加光電変換モジュール72及び第2の追加光電変換モジュール74により発電された電力が第1の接続部材20cに出力される。なお、追加光電変換モジュールは2つに限定されず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0054】
また
図6(b)に示す通り、補強部材50cとの接触部と光電変換モジュール10との接触部との間の最短の長さをcとし、隣接する光電変換モジュール間の距離をdとしたとき、c≧d/2であることが好ましい。これにより、
図6(a)に示すように光電変換モジュール群70を折り畳んだ時に、屈曲した第2のモジュール群連結部73が補強部材50cの形状等に影響されず、補強部材50cに重なることなく折り畳むことができる。
【0055】
このように、光電変換装置1fの補強部材50cを、光電変換モジュール群70の折り畳み時の厚み以上の厚みとすることで、光電変換モジュール群70を折り畳んで収納した状態において、光電変換モジュール群70を適切に保護することができる。
【0056】
また、光電変換装置1aの変形例4として、
図7(a)に示すように、可撓性を持つ光電変換モジュール群70’を備え、光電変換モジュール群70’を巻き取って収納できる光電変換装置1gとすることも可能である。このとき、
図7(b)に示すように、上下方向において、光電変換装置1gの補強部材50dを、光電変換モジュール群70’の巻き取り時の厚み以上の厚みとすることで、光電変換モジュール群70’を巻き取り収納した状態において、光電変換モジュール群70’を適切に保護することができる。なお、光電変換モジュール群70’に代えて、可撓性を持つ単一の光電変換モジュールを備える場合にも同様の効果が得られる。
【0057】
また、光電変換装置1aの変形例5として、
図8に示すように、第1の接続部材20aに代えて、補強部材50aの、光電変換モジュール10と連結する方向及び上下方向に直交する方向に沿った側面に備えられた第1の接続部材20eを用いた光電変換装置とすることも可能である。これにより、第1の接続部材20eと本体部(図示省略)とを脱着するときに、応力が光電変換モジュール10に伝わりづらくなる。
【0058】
さらに、光電変換装置1aの変形例6として、
図9に示すように、第1の接続部材20aに代えて雌型の第1の接続部材20fを用い、本体側接続部31aに代えて第1の接続部材20fを脱着可能な雄型の本体側接続部31eを用いることもできる。このような構成とすることで、光電変換モジュール10を本体部から取り外しているときに第1の接続部材20fが突出しないため、収納性に優れる。このような雌型の第1の接続部材は、無論これまでに説明した全ての実施形態に適用することができる。
【0059】
なお、第1の接続部材20b〜20e及び第3の接続部材60bもまた、被接続体への機械的接続状態を固定保持するロック機構を備えていてもよい。
【0060】
前述したところは本発明の一実施形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えてもよいことは言うまでもない。