【実施例】
【0039】
以下、実施例として比較実験を挙げて説明する。
<比較例1>(従来品の製造例)
うるち精白米700gを洗米し水切りした後、乳化油脂を14g/kg、蔗糖脂肪酸エステルを3g/kg、重合リン酸塩0.3g/kg均一に混合した。これを対米重量85%の加水量で炊飯器(リンナイ ガス炊飯器RR−10KS)で15分間炊飯し、20分間蒸らした後、炊き上げ後水分50%の炊飯米を得た。これを送風しながら冷却し、ほぐした。
【0040】
ほぐした炊飯米を乾燥庫の庫内温度80℃で25分程度風速3〜4m/sで水分含量26%(重量比)になるまで一次乾燥した。乾燥後30分間ほど放置した後、篩に掛けて、結着のひどいものを取り除き、ロール間隔0.35mmのロール間を通過させて圧扁した。
圧扁した押圧米を庫内温度80℃で15分風速3〜4m/sで水分含量16%まで二次乾燥した。
【0041】
二次乾燥後30分ほど放置した後、高温の気流を高速で噴射することのできる高温気流乾燥機で190℃で30秒間風速50m/sで膨化乾燥した。この膨化乾燥によって、米を膨化させ、水分含量約8%の膨化米となった。この膨化乾燥米を篩分けし、砕米や未膨化を取り除き、残った膨化米を前述の方法で嵩比重を測定した所、0.43g/mlであった。嵩比重の測定方法は、前述の通り、100mlメスシリンダーに膨化乾燥米を投入し、10回程度シリンダーの底をたたいてならし、100mlの目盛りの位置までの重量を測定し、ml当りの重量(g/ml)を嵩比重とした(以下同じ)。
【0042】
<実施例1>(本発明品の製造例)
比較例1と異なる主な点は、炊飯時の加水を多くして炊き上げ後の水分を高くしたこと、膨化乾燥時に温度を160℃未満に下げ、蒸気を吹き込みながら行ったことであり、これによって嵩比重0.60g/mlの膨化乾燥米としたことである。
【0043】
具体的には、うるち精白米700gを洗米し、水切りした後、乳化油脂を16g/kg、蔗糖脂肪酸エステルを3g/kg、重合リン酸塩を1.8g/kg、均一に混合した。これを対米重量140%の加水量で炊飯器(リンナイ ガス炊飯器RR−10KS)で15分間炊飯し、20分蒸らした後、炊き上げ後水分60%の炊飯米を得た。これを送風しながらほぐした。
【0044】
ほぐした炊飯米を乾燥庫の庫内温度80℃で35分風速3〜4m/sで水分含量26%(重量比)になるまで一次乾燥した。乾燥後30分間ほど放置した後、篩に掛けて、結着のひどいものを取り除き、1回目ロール間隔0.35mm、2回目ロール間隔0.40mmのロール間を2回通過させて圧扁した。
【0045】
圧扁した押圧米を庫内温度80℃で15分風速3〜4m/sで水分含量16%まで二次乾燥した。二次乾燥後30分ほど放置した後、高温の気流を高速で噴射することのできる高温高速気流乾燥機で飽和蒸気を0.5Mpa供給しながら、146℃で60秒間風速55m/sで膨化乾燥した。この膨化乾燥によって、米を膨化させ、水分含量8%の膨化米となった。この膨化乾燥米を篩分けし、砕米や未膨化を取り除き、残った膨化米を前述の方法で嵩比重を測定した所、0.60g/mlであった。
【0046】
<試験方法>
(沈みの評価)比較例1と実施例1で製造した膨化乾燥米30gを開口約7cmのガラスコップに入れ、これに水100mlを注いで少しの時間放置し、上面から覗いて水面が見えているか否かを確認した。また、側面から観察し、米の沈んでいる状態を確認した(以下の試験も同じ)。
【0047】
(官能評価)比較例1、実施例1で製造した膨化乾燥米90gをカップ状容器に入れ、粉末スープ7.2g、乾燥卵3g、凍結乾燥豚肉2.5g、凍結乾燥エビ1.3g、乾燥ネギ0.9gを入れて混合し、25℃の水160mlを加えて軽く蓋をして、電子レンジ500Wで5分30秒間調理後1分間蒸らし、電子レンジから出して、よくかき混ぜてチャーハンとした。これをパネラー5名で喫食し、下記の評価基準で米の食感を確認し、最も多い評価を当該サンプルの評価とした(以下の試験も同じ)。
【0048】
評価1:一般的な炊飯米に比べ食感が著しく劣り、とても食べられない
評価2:一般的な炊飯米に比べ食感がかなり劣り、食べられなく無いが商品価値が無い
評価3:一般的な炊飯米に比べれば食感は劣るが、充分喫食できるもので商品価値あり
評価4:一般的な炊飯米に比べればやや食感が劣るが、即席米飯としては非常によい
評価5:一般的な炊飯米と同等
【0049】
上記、沈み評価の結果、比較例1ではほとんどの米が浮いて水面が見えなかったが、実施例1では浮いている米はあるが概ね沈んでおり水面が良く見え良好であった。また、官能評価の結果、いずれのものも注加した水の全量が吸収されて水が残ることは無く、比較例1、実施例1ともに5の評価で、良好であった。
【0050】
なお、実施例1の官能評価において、電子レンジを用いずに、25℃の水に換えて100℃の熱湯160mlを加え、蓋をして6分30秒放置して喫食した。その結果、膨化乾燥米は給水しているがやや芯が残った感じで、調理感はやや不足した感じであった。しかし、さらに長時間放置するとか、注加湯量を多くして湯切りタイプにする等すれば、充分に商品価値の高いものが得られると思われた。
【0051】
<実験1:嵩密度による検討>
実施例1の膨化乾燥における温度を、下記表1に記載の通り変更することで各嵩比重の膨化乾燥米を製造した。風速と暴露時間、沈みの評価方法嵩比重の測定方法、官能評価方法は実施例1と同様である。
【0052】
【表1】
【0053】
表1の評価からすれば、嵩比重0.55以上からコップの上方から水面の確認ができ、注加する水の喫水線を確認できる。また、食感との関係から言えば、嵩比重0.7以下が良好で、両方の面で特に良い嵩比重は0.6g/ml程度であった。
【0054】
<実験2:同様の嵩比重を得るための検討>
実験1で嵩密度0.6g/mlの膨化乾燥米がベストであったので、このような比重の膨化乾燥米を膨化乾燥温度(高温高速の気流による乾燥温度)を変えて製造可能か否か検討した。また、このように温度を変えて製造した膨化乾燥米でも、食感が実施例1同様に好ましいものが得られるか否か官能試験を行なった。具体的には、温度を160℃から順次下げ、温度を下げると共に風速を上げて多数試行錯誤を行い、嵩比重の測定結果が0.6g/mlとなる条件を見出した。官能評価は実験1同様に電子レンジ調理で行なった。結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
表2の結果の通り、130℃台から150℃台において、異なる膨化乾燥温度においても、風速を調整することで嵩比重を0.6g/mlに調整することができ、いずれの場合も官能評価の結果が良好であった。
【0057】
<実施例2>(過熱蒸気を用いたもの)
実施例1の通り圧扁後二次乾燥した米を、実施例1のように高温高速気流乾燥機ではなく、過熱蒸気で膨化乾燥した。具体的には、内部に撹拌羽根を有する粉末スープ等乾燥用の過熱蒸気乾燥機の庫内に、過熱蒸気発生装置から400℃に加熱した蒸気を流量20kg/hで導入し、庫内温度を165℃に調整し、この庫内に二次乾燥した米を投入した。撹拌羽根で米を撹拌しながら、過熱蒸気を前記条件で導入し続け、64秒間加熱して膨化させた。64秒後の庫内温度は185℃であった。この膨化乾燥米を篩分けし、砕米や未膨化を取り除き、残った膨化米を前述の方法で嵩比重を測定した所、0.6であった。
【0058】
この過熱蒸気による実施例2の膨化乾燥米と、実施例1の膨化乾燥米をそれぞれ、実施例1同様に調理して喫食したところ、前記評価によれば5点で、非常に良好であった。高温高速での気流乾燥方法に対して詳細に比較すれば、過熱蒸気で膨化させたものの方が調理感がやや高く感じられたが、均一に膨化させる点では高温高速での気流乾燥の方がやや良いと感じられた。