特許第6115717号(P6115717)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6115717
(24)【登録日】2017年3月31日
(45)【発行日】2017年4月19日
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20170410BHJP
   H01S 5/022 20060101ALI20170410BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170410BHJP
【FI】
   F21S2/00 311
   F21S2/00 340
   H01S5/022
   F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-151416(P2013-151416)
(22)【出願日】2013年7月22日
(65)【公開番号】特開2015-22954(P2015-22954A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2015年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100099597
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 賢二
(74)【代理人】
【識別番号】100119208
【弁理士】
【氏名又は名称】岩永 勇二
(74)【代理人】
【識別番号】100124235
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100124246
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 和光
(74)【代理人】
【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100145171
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩行
(72)【発明者】
【氏名】平野 光樹
(72)【発明者】
【氏名】須永 義則
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−108553(JP,A)
【文献】 特開2011−129354(JP,A)
【文献】 特開2012−054272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00−19/00
F21V 1/00−15/04
F21V23/00−99/00
H01S 5/00− 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光体を含有し、表面から入射した励起光を受けて前記表面から蛍光を放射する板状の蛍光部材と、
前記蛍光部材の周囲に配置され、前記励起光を出射する複数の励起光源と、
前記蛍光部材の前記表面に対向して配置され、前記蛍光を平行光または収束光に変換するレンズと
前記蛍光部材と前記レンズとの間に配置され、前記蛍光の波長のみを選択的に透過させるフィルタとを備え、
前記励起光は、前記フィルタに向かって前記励起光源から出射され、前記フィルタを透過せずに前記フィルタの表面で反射された前記励起光が前記蛍光部材の前記表面に向かって斜めに入射し、前記フィルタを透過した前記蛍光が前記レンズに入射する
光源装置。
【請求項2】
前記複数の励起光源及び前記蛍光部材は、放熱性を有する台座に取り付けられている、
請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記励起光及び前記蛍光は、その一部が、前記台座の表面で反射される、
請求項に記載の光源装置。
【請求項4】
前記台座は、前記レンズに対して開口する凹部を有し、
前記凹部の底面には、前記蛍光部材が設けられ、
前記凹部の側面には、側部蛍光部材が設けられている、
請求項又はに記載の光源装置。
【請求項5】
前記励起光源は、複数のレーザ光源を一体に有するレーザ光源アレイである、
請求項1乃至の何れか1項に記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、励起光により蛍光部材を励起させて蛍光を発する光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源装置として半導体レーザ素子から発振されるレーザ光により蛍光部材を励起させて蛍光を発するレーザ光源装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載のレーザ光源装置は、レーザ光により蛍光を放出する円柱状の蛍光部材と、蛍光部材を支持する円盤状の支持基体と、支持基体の支持面上に配置された複数の半導体レーザ素子と、支持基体を覆う円筒状のキャップとを備えている。支持基体の中心部には、蛍光部材が支持基板と同心に配置されている。蛍光部材の周囲には、複数の半導体レーザ素子が放射状かつ等間隔に配置されている。また、半導体レーザ素子は、そのレーザ発振部が、蛍光部材の中心を向いて配置されている。蛍光部材は、各半導体レーザ素子のレーザ発振部から支持基体の支持面に対して実質的に平行な方向に発振されたレーザ光が直射されることにより、蛍光を放射する。放射された蛍光は、キャップの支持基体に対向する面の中央部に形成された円形状の透光窓からキャップの外部へ出射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−54272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のレーザ光源装置において、透光窓から蛍光を出射させるためには、透光窓に面した円柱状の蛍光部材の中心軸方向の端面から蛍光を取り出す必要がある。一方、レーザ光は蛍光部材の側面から入射するので、透光窓側の端面から蛍光を効率よく取り出すためには、蛍光部材の内部に分散する蛍光体の密度を抑え、蛍光部材の中心部付近までレーザ光を入射させる必要がある。しかしながら、蛍光体の密度を低くし過ぎると、十分な蛍光を得ることができず、またレーザ光が蛍光体を励起することなく蛍光部材を透過してしまうため、蛍光体の密度を調整しても、蛍光の取り出し効率を十分に高めることができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、蛍光を効率よく取り出すことが可能な光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、蛍光体を含有し、表面から入射した励起光を受けて前記表面から蛍光を放射する板状の蛍光部材と、前記蛍光部材の周囲に配置され、前記励起光を出射する複数の励起光源と、前記蛍光部材の前記表面に対向して配置され、前記蛍光を平行光または収束光に変換するレンズとを備え、前記励起光は、前記蛍光部材の前記表面に対して斜めに入射する光源装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る光源装置によれば、蛍光を効率よく取り出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る光源装置の構成例を示す模式図である。
図2図1に示す光源装置の励起光源、蛍光部材、及び台座の法線方向から見た平面模式図である。
図3】本発明の第2の実施の形態に係る光源装置の構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施の形態]
本発明に係る光源装置は、例えばプロジェクター等の高出力点光源が必要とされる機器に用いられる。本発明の第1の実施の形態に係る光源装置について、図1及び図2を参照して、以下に説明する。
【0011】
(光源装置1の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光源装置1の構成例を示す模式図である。図2は、図1に示す光源装置1の励起光源2、蛍光部材3、及び台座4の法線方向から見た平面模式図である。
【0012】
光源装置1は、励起光L1を出射する複数の励起光源2と、励起光L1を受けて蛍光L2を放射する蛍光部材3と、複数の励起光源2及び蛍光部材3が取り付けられた台座4と、蛍光L2の波長のみを選択的に透過させるフィルタ5と、蛍光L2をコリメート光L3に変換するコリメータレンズ6とを備えている。
【0013】
励起光源2は、例えば発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)やレーザダイオード(LD;Laser Diode)等の半導体素子を有している。励起光源2の出射部21から出射される励起光L1は、本実施の形態では、発光強度のピークが450nm付近である青色レーザ光である。なお、励起光源2は、後述する蛍光体を励起させることができる波長の光であれば、450nm以外のピーク波長を有する色光を出射する励起光源であってもよい。
【0014】
複数の励起光源2は、それぞれ複数のレーザ光源を一体に有するレーザ光源アレイを用いてもよい。この場合、より多くの励起光L1を蛍光部材3に入射させることができ、より高い出力の蛍光L2を得られる。
【0015】
蛍光部材3は、シリコン樹脂やエポキシ樹脂等の光透過性を有する透光性部材に粒子状の蛍光体を分散させてなる。蛍光部材3は、板状の第1の蛍光部材31と、側部蛍光部材としての第2の蛍光部材32とを一体に有している。図2に示すように、第2の蛍光部材32は、第1の蛍光部材31を囲むように設けられている。
【0016】
第1の蛍光部材31及び第2の蛍光部材32に分散した蛍光体は、第1の蛍光部材31及び第2の蛍光部材32のそれぞれの厚み方向において、中心部及び台座4側の部分よりも表面31a,32a側に高密度に分布している。すなわち、蛍光体は、蛍光部材3の表面(第1の蛍光部材31の表面31a及び第2の蛍光部材32の表面32a)側に偏って分布している。
【0017】
第1の蛍光部材31は、励起光源2の出射部21から出射された励起光L1を表面31aで受けて、表面31aの近傍における蛍光体の励起により、表面31aから蛍光L2が放射される。同様にして、第2の蛍光部材32は、励起光源2の出射部21から出射された励起光L1を表面32aで受けて、表面32aの近傍における蛍光体の励起により、表面32aから蛍光L2が放射される。
【0018】
蛍光体は、本実施の形態では、励起光L1(青色レーザ光)を吸収して、発光強度のピークが530nm付近である緑色の蛍光L2に変換する。蛍光体は、例えばYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系の蛍光体やSiAlON(サイアロン)系の蛍光体等に代表される青色励起緑色蛍光体が用いられている。
【0019】
コリメータレンズ6は、第1の蛍光部材31の表面31aに対向して配置され、このコリメータレンズ6と蛍光部材3との間には、フィルタ5が配置されている。フィルタ5は、第1の蛍光部材31に対して平行に配置されている。
【0020】
フィルタ5は、例えばガラスに金属酸化物を積層させてなる誘電体多層膜を有するダイクロイックフィルタが用いられる。本実施の形態では、フィルタ5は、励起光L1(青色レーザ光)を含む450nm以下の波長の光を反射し、蛍光L2の波長の範囲(500nm〜600nm)の光を選択的に透過させる。
【0021】
フィルタ5を透過した蛍光L2は、コリメータレンズ6で平行化されコリメート光L3となる。コリメータレンズ6は、放射された蛍光L2をより多く収拾するために開口数NAが大きいものを用いるとよい。なお、コリメータレンズ6は、凹レンズと凸レンズとを組み合わせてなるガリレオ式レンズを用いてもよいし、凸レンズ同士を組み合わせてなるケプラー式レンズを用いてもよい。
【0022】
なお、本実施の形態では、蛍光L2をコリメート光L3に変換するコリメータレンズ6を用いたが、蛍光L2を収束光に変換する収束レンズを用いてもよい。フィルタ5及びコリメータレンズ6は、それぞれ図略の支持部材により支持されている。
【0023】
台座4は、基部41と、コリメータレンズ6に対して開口する凹部42と、励起光源2が取り付けられる傾斜部43とを有している。図2に示すように、基部41は、その周縁が八角形状に形成されている。
【0024】
凹部42は、基部41と同心に八角形状に形成され、基部41の中央部に位置している。凹部42の底面42aには第1の蛍光部材31が設けられ、側面42bには第2の蛍光部材32が設けられている。本実施の形態では、凹部42の側面42bは、底面42aの面積に対して開口の面積が大きくなるように底面42aに対して傾斜している。すなわち、凹部42は、開口に向かうに連れて広がるように形成されている。
【0025】
傾斜部43は、凹部42を囲むように形成され、凹部42の底面42aに対して傾斜している。傾斜部43に取り付けられた励起光源2の出射部21から出射される励起光L1の光軸は、フィルタ5を指向するように基部41に対して傾斜している。基部41と傾斜部43とがなす角は、フィルタ5で反射された励起光L1が少なくとも第1の蛍光部材31の表面31aに対して斜めに入射するように設定されている。
【0026】
本実施の形態では、複数の励起光源2は、蛍光部材3の周囲に8つ配置されている。より具体的には、基部41に対して垂直な方向(図1のA矢視方向)から見て、蛍光部材3を囲むように等間隔に配置されている。
【0027】
台座4は、放熱性を有しており、例えば金属等の熱伝導率の高いものや、炭化ケイ素(SiC)やジルコニア(ZrO)等のセラミックから形成されている。これにより、複数の励起光源2及び蛍光部材3から発生した熱が台座4に伝達されて外部に放熱される。
【0028】
また、励起光L1及び蛍光L2の一部、より具体的には第1の蛍光部材31及び第2の蛍光部材32に入射せずにその周辺に散乱した励起光L1、及びフィルタ5を透過せずにその周辺に散乱した蛍光L2が、台座4の表面で反射される。
【0029】
(光源装置1の動作)
次に、光源装置1の動作について、図1を参照して説明する。
【0030】
励起光源2の出射部21からフィルタ5に向かって出射された励起光L1は、フィルタ5にて反射される。フィルタ5で反射された励起光L1は、その一部が第1の蛍光部材31の表面31aに対して斜めに入射し、フィルタ5で反射された励起光L1の他の一部は第2の蛍光部材32の表面32aに向かって入射する。
【0031】
第1の蛍光部材31の表面31aから入射した励起光L1によって表面31aの近傍における蛍光体が励起され、表面31aからフィルタ5側に向かって蛍光L2が放射する。同様にして、第2の蛍光部材32の表面32aから入射した励起光L1によって表面32aの近傍における蛍光体が励起され、表面32aからフィルタ5側に向かって蛍光L2が放射する。
【0032】
第1の蛍光部材31及び第2の蛍光部材32から放射された蛍光L2は、フィルタ5を透過してコリメータレンズ6に入射する。コリメータレンズ6に入射した蛍光L2は、コリメート光L3に変換されて外部機器に伝搬する。
【0033】
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用及び効果が得られる。
【0034】
(1)励起光L1が第1の蛍光部材31の表面31aから入射し、蛍光L2が第1の蛍光部材31の表面31aから放射することにより、表面31aの近傍における蛍光体が励起されて表面31aから蛍光L2が放射される。第1の蛍光部材31の中心部における蛍光体の励起による蛍光が第1の蛍光部材31内を進行して表面31aから放射された蛍光を光源とした場合に比べて、より効率よく蛍光L2を得ることが可能である。
【0035】
(2)励起光L1が、第1の蛍光部材31の表面31aに対して斜めに入射するため、励起光源2の出射部21から出射された励起光L1によって表面31aから放射される蛍光L2の進行が遮られることを抑制することができる。
【0036】
(3)複数の励起光源2及び蛍光部材3は、放熱性を有する台座4に取り付けられているため、複数の励起光源2及び蛍光部材3のそれぞれから発生した熱が台座4に伝達される。これにより、台座4から効率よく放熱することが可能である。
【0037】
(4)台座4の表面は反射面としての機能を有するため、第1の蛍光部材31及び第2の蛍光部材32に入射せずにその周辺に散乱した励起光L1を台座4の表面で反射させることにより、第1の蛍光部材31又は第2の蛍光部材32に入射させることが可能である。同様にして、フィルタ5を透過せずにその周辺に散乱した蛍光L2を台座4の表面で反射させることにより、フィルタ5に入射させることが可能である。
【0038】
(5)台座4の凹部42には、底面42aに第1の蛍光部材31が設けられていると共に、側面42bに第2の蛍光部材32が設けられているため、第1の蛍光部材31の周辺に散乱した励起光L1を第2の蛍光部材32で収拾することができる。したがって、第1の蛍光部材31から放射される蛍光L2だけでなく、第2の蛍光部材32から放射される蛍光L2も光源として用いることが可能である。
【0039】
(6)複数の励起光源2は、それぞれ複数のレーザ光源を一体に有するレーザ光源アレイを用いることにより、より多くのコリメート光L3を得ることができる。
【0040】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図3を参照して説明する。本実施の形態に係る光源装置10は、第1の実施の形態の光源装置1の構成とは異なり、励起光源2の出射部21から出射された励起光L1が蛍光部材3に直接的に入射する。図3において、第1の実施の形態に係る光源装置1について説明したものと同一の機能を有する部位については共通する符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0041】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る光源装置10の構成例を示す模式図である。
【0042】
(光源装置10の構成)
本実施の形態に係る光源装置10は、複数の励起光源2と、第1の蛍光部材31及び第2の蛍光部材32を有する蛍光部材3と、台座40と、フィルタ5と、コリメータレンズ6とを備えている。
【0043】
台座40は、基部401と、基部401の中央部に形成され、コリメータレンズ6に対して開口する凹部402と、複数の励起光源2が取り付けられる傾斜部403とを有している。
【0044】
第1の実施の形態と同様にして、凹部402の底面402aには第1の蛍光部材31が設けられ、側面402bには第2の蛍光部材32が設けられている。本実施の形態では、底面402aと側面402bとは直交している。
【0045】
傾斜部403は、凹部402を囲むように形成され、傾斜部403に取り付けられた励起光源2の出射部21が第1の蛍光部材31を指向するように基部401に対して傾斜している。基部401(基部401の底面)と傾斜部403とがなす角は、出射部21から出射された励起光L1が少なくとも第1の蛍光部材31の表面31aに対して斜めに入射するように設定されている。また、傾斜部403と凹部402の側面402bとがなす角は、鈍角である。
【0046】
台座40は、第1の実施の形態における台座4と同様に、放熱性を有しており、複数の励起光源2及び蛍光部材3から発生した熱を放熱する。また、励起光L1及び蛍光L2の一部、より具体的には第1の蛍光部材31及び第2の蛍光部材32に入射せずにその周辺に散乱した励起光L1、及びフィルタ5を透過せずにその周辺に散乱した蛍光L2が、台座40の表面で反射される。
【0047】
(光源装置10の動作)
次に、光源装置10の動作について説明する。
【0048】
励起光源2の出射部21から出射された励起光L1は、その一部が第1の蛍光部材31の表面31aに対して斜めに入射し、他の一部が第2の蛍光部材32の表面32aに向かって入射する。
【0049】
第1の蛍光部材31の表面31aから入射した励起光L1によって表面31aの近傍における蛍光体が励起され、表面31aからフィルタ5側に向かって蛍光L2が放射される。同様にして、第2の蛍光部材32の表面32aから入射した励起光L1によって表面32aの近傍における蛍光体が励起され、表面32aからフィルタ5側に向かって蛍光L2が放射される。
【0050】
第1の蛍光部材31及び第2の蛍光部材32から放射された蛍光L2は、フィルタ5を透過してコリメータレンズ6に入射する。なお、本実施の形態では、フィルタ5は、第1の実施の形態で用いたダイクロイックフィルタに限らず、蛍光L2を透過させるフィルタであればよい。コリメータレンズ6に入射した蛍光L2は、コリメート光L3に変換されて外部機器に伝搬する。
【0051】
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、コリメータレンズ6は、収束レンズを用いてもよい。また、複数の励起光源2は、それぞれ複数のレーザ光源を一体に有するレーザ光源アレイを用いてもよい。
【0052】
(第2の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した実施の形態によれば、第1の実施の形態の(1)〜(6)の作用及び効果と同様の作用及び効果を得られる。
【0053】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0054】
[1]蛍光体を含有し、表面(31a)から入射した励起光(L1)を受けて表面(31a)から蛍光(L2)を放射する板状の蛍光部材(第1の蛍光部材31)と、蛍光部材(第1の蛍光部材31)の周囲に配置され、励起光(L1)を出射する複数の励起光源(2)と、蛍光部材(第1の蛍光部材31)の表面(31a)に対向して配置され、蛍光(L2)を平行光または収束光に変換するレンズとを備え、励起光(L1)は、蛍光部材(第1の蛍光部材31)の表面(31a)に対して斜めに入射する光源装置(1,10)。
【0055】
[2]蛍光部材(第1の蛍光部材31)とレンズとの間に配置され、蛍光(L2)の波長のみを選択的に透過させるフィルタ(5)をさらに備え、励起光(L1)は、フィルタ(5)に向かって励起光源(2)から出射され、フィルタ(5)を透過せずにフィルタ(5)の表面で反射された励起光(L1)が蛍光部材(第1の蛍光部材31)の表面に向かって斜めに入射し、フィルタ(5)を透過した蛍光(L2)がレンズに入射する、[1]に記載の光源装置(1)。
【0056】
[3]励起光(L1)は、励起光源(2)から蛍光部材(第1の蛍光部材31)の表面(31a)に向かって斜めに出射されて蛍光部材(第1の蛍光部材31)に直接的に入射する、[1]に記載の光源装置(10)。
【0057】
[4]複数の励起光源(2)及び蛍光部材(第1の蛍光部材31)は、放熱性を有する台座(4,40)に取り付けられている、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の光源装置(1,10)。
【0058】
[5]励起光(L1)及び蛍光(L2)は、その一部が、台座(4,40)の表面で反射される、[4]に記載の光源装置(1,10)。
【0059】
[6]台座(4,40)は、レンズに対して開口する凹部(42,402)を有し、凹部(42,402)の底面(42a,402a)には、蛍光部材(第1の蛍光部材31)が設けられ、凹部(42,402)の側面(42b,402b)には、側部蛍光部材(第2の蛍光部材32)が設けられている、[4]又は[5]に記載の光源装置(1,10)。
【0060】
[7]励起光源(2)は、複数のレーザ光源を一体に有するレーザ光源アレイである、[1]乃至[6]の何れか1項に記載の光源装置(1,10)。
【0061】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0062】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、励起光L1として青色レーザ光を用い、蛍光L2として緑色光を用いたが、これに限らず、用途に応じて変更可能である。
【0063】
また、上記実施の形態では、台座4,40は、基部41,401の周縁が八角形状に形成されていたが、これに限らず、例えば矩形状や円形状でもよく、形状に関して特に制限はない。
【0064】
また、凹部42,402の形状について特に制限はない。例えば、凹部を形成せず平らな平面に蛍光部材3を取り付けてもよい。
【0065】
また、励起光源2の数及び配置に関して、特に制限はない。
【符号の説明】
【0066】
1,10…光源装置、2…励起光源、3…蛍光部材、4,40…台座、5…フィルタ、6…コリメータレンズ(レンズ)、21…出射部、31…第1の蛍光部材(蛍光部材)、31a…表面、32…第2の蛍光部材(側部蛍光部材)、32a…表面、41,401…基部、42,402…凹部、42a,402a…底面、42b,402b…側面、43,403…傾斜部、L1…励起光、L2…蛍光、L3…コリメート光
図1
図2
図3