【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために検討した結果、本発明者等はビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物の重合度を特定の範囲に制御することでその溶解性を改善し、更に特定の構造を有する第二のエポキシ化合物を併用することでカラーフィルターの保護膜の特性向上を達成できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表され、nの平均値が0.2〜1.0であるエポキシ化合物(A)、メタクリル酸グリシジルを必須成分とする1種以上の重合性不飽和化合物を重合又は共重合してなり、エポキシ当量が200g/eq未満かつ数平均分子量が1万未満であるエポキシ化合物(B)、及び、多価カルボン酸、多価カルボン酸の無水物、及び多価カルボン酸の熱分解性エステルからなる群より選ばれる硬化剤(C)を含有することを特徴とする熱硬化性組成物である。
【化1】
【0011】
ここで、熱硬化性組成物の固形分中には、A成分15〜55質量%、B成分15〜55質量%及びC成分15〜30質量%を含有することが好ましい。
【0012】
また、本発明は、上記の熱硬化性組成物を硬化させた硬化膜及び当該硬化膜で保護されたカラーフィルターである。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱硬化性組成物は、一般式(1)で表され、nの平均値が0.2〜1.0であるエポキシ化合物(A)を含有する。A成分はビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物であり、その合成方法は特に制限されないが、特開平9−328534号公報に記載の方法、すなわち9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンとエピクロロヒドリンをアルカリ存在下縮合させて得る方法が最も一般的で好ましい。A成分としては、上記特許文献1〜5等にnの範囲が0〜20の化合物が開示されているが、実施例としてはnが0ないし0.1程度の化合物(例えば新日鉄住金化学社製「ESF−300」等)のみが記載されており、本発明で用いられるnの平均値が0.2〜1.0の化合物については具体的に知られていない。A成分のnの値は予想外にもその溶解性と深く関連しており、nの平均値を0.2以上とすることで溶解性を大幅に向上させることができる。一方、nの平均値が1.0より大きくなると、エポキシ基の含有量が低下して硬化性が不足し、硬化膜の特性が悪化する。そのため本発明におけるA成分のnの平均値は0.2〜1.0の範囲であることが必要であり、0.3〜0.7であることがより好ましい。nはA成分の重合度であり、合成時に原料化合物のモル比や反応条件を常法により調整することで所望の値とすることができる。
【0014】
A成分のnの平均値は、エポキシ当量測定やGPC(SEC)測定により算出することができる。一般式(1)の構造から、エポキシ当量(g/eq)とnの平均値の間には次式の関係が成り立つ。
(エポキシ当量)×2=(nの平均値)×406.5+462.5
また、GPC測定によりn=0、1、2…成分の比率をそれぞれ求め、nの平均値を計算することもできる。
【0015】
本発明の熱硬化性組成物は、メタクリル酸グリシジルを必須成分とする1種以上の重合性不飽和化合物を重合又は共重合してなり、エポキシ当量が200g/eq未満かつ数平均分子量が1万未満であるエポキシ化合物(B)を含有する。B成分は、繰返し単位を有する重合体又は共重合体として表される構造を有する化合物であることが好ましく、具体的にはメタクリル酸グリシジルを必須成分とする1種以上の重合性不飽和化合物を常法によりラジカル重合又は共重合して得られる化合物であることが有利である。上記のラジカル重合又は共重合に際しては、アゾ化合物や過酸化物等の公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。また、公知の連鎖移動剤や重合禁止剤等を利用して、重合度を制御してもよい。
【0016】
B成分にはメタクリル酸グリシジル以外の任意の重合性不飽和化合物を共重合させることができる。共重合可能な重合性不飽和化合物としては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド、スチレン及びその誘導体、無水マレイン酸及びその誘導体、ビニルエーテル類、オレフィン類等を挙げることができる。ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸をいう(以下も同様)。(メタ)アクリル酸や無水マレイン酸等を共重合させた場合、B成分はカルボキシ基やその無水物を有することができるが、メタクリル酸グリシジルを必須成分とする複数種の重合性不飽和化合物を共重合してなり、エポキシ当量が200g/eq未満かつ数平均分子量が1万未満であるエポキシ化合物であればB成分と見做し、後述のC成分とは考えない。
【0017】
上記の(メタ)アクリル酸エステルを構成するアルコール(R
1OH)成分又は(メタ)アクリル酸アミドを構成するアミン(R
2R
3NH)成分としては、公知のものが特に制限なく利用できる。R
1、R
2及びR
3の具体的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、フェニル基、トリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルビニル基等の飽和又は不飽和の一価の炭化水素基や、ピリジル基、ピペリジル基、ピペリジノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、イミダゾリル基、イミダゾリジニル基、フリル基、テトラヒドロフリル基、チエニル基、テトラヒドロチエニル基、モルホリニル基、モルホリノ基、キノリル基等の飽和又は不飽和の一価の複素環基等を挙げることができる。更に、上記の炭化水素基及び複素環基等の任意の位置に、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、スルファニル基、カルボニル基、チオカルボニル基、カルボキシ基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、ホルミル基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホ基、アミノ基、イミノ基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、エステル基、チオエステル基、ジチオエステル基、アミド基、チオアミド基、ウレタン基、チオウレタン基、ウレイド基、チオウレイド基等を置換基として導入した構造も挙げることができる。このような一価の基は目的とするA成分の構造に応じて適宜選定されればよいが、性能及び経済性の点から炭素原子数1〜20の飽和又は不飽和の一価の炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1〜6の飽和又は不飽和の一価の炭化水素基であることがより好ましい。また、R
2及びR
3は水素原子であってもよく、R
2及びR
3が結合して環を形成していてもよい。
【0018】
上記の他にも、メタクリル酸グリシジル以外のエポキシ基含有重合性不飽和化合物(例えばアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸[4−(グリシジルオキシ)ブチル]、(メタ)アクリル酸[(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル]、4−(グリシジルオキシメチル)スチレン等)や、アルコキシシリル基含有重合性不飽和化合物(例えば(メタ)アクリル酸[3−(トリメトキシシリル)プロピル]、(メタ)アクリル酸[3−(トリエトキシシリル)プロピル]、4−(トリメトキシシリル)スチレン等)も共重合成分として好ましい。
【0019】
更に、スチレンの誘導体としてはα−メチルスチレンや、スチレンの芳香環にアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基等を導入した化合物も使用できる。また、無水マレイン酸の誘導体としては、無水マレイン酸とアルコールのモノエステル又はジエステル、無水マレイン酸とアミンのアミド又はイミド等が使用できる。ビニルエーテル類としてはアルキルビニルエーテル等、オレフィン類としてはエチレン、プロピレン、ブタジエンや、これら化合物の水素原子がハロゲン原子やシアノ基で置換された構造等を例示することができる。その他、アルキルビニルケトン、酢酸ビニル等も利用できる。
なお、この段落でいうアルキルは炭素数1〜20の飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、かかる炭化水素基は分岐構造や環構造を有していてもよく、任意の置換基で置換されていてもよい。
【0020】
また、B成分のエポキシ当量は200g/eq未満であることが必要であり、190g/eq未満であることがより好ましい。エポキシ当量がこれより大きい場合は、エポキシ基の含有量が低下して硬化性が不足し、硬化膜の特性が悪化する。エポキシ当量の下限には特に制限はないが、化学構造上の制約による実質的な下限は142g/eq(メタクリル酸グリシジルのみを重合させた場合)である。更に、B成分の数平均分子量は1万未満であることが必要であり、8千未満であることがより好ましい。数平均分子量がこれより大きい場合は、硬化膜の平坦性の悪化が問題となる。数平均分子量の下限には特に制限はないが、合成上の制約による実質的な下限は1千(これを下回る数平均分子量で重合反応を制御することは一般に困難)である。B成分の重量平均分子量については特に制限はないが、好ましくは2万5千未満であり、また分散度(重量平均分子量÷数平均分子量)としては1〜4の範囲にあることが好適である。これら分子量の値はGPC(SEC)測定により求めることができる。
【0021】
上記のエポキシ当量の範囲を満足させるため、B成分にはメタクリル酸グリシジルを50モル%以上共重合させることが有利であり、更には65モル%以上共重合させることがより好ましい。ここで、メタクリル酸グリシジルを50モル%以上共重合させるとは、B成分を構成する重合性不飽和化合物に由来する繰返し単位の総数におけるメタクリル酸グリシジルに由来する繰返し単位の割合が50%以上であることを示すことでもあり、通常はB成分を合成する際に原料として用いた重合性不飽和化合物のモル比が反映される。
【0022】
なお、特許文献5には、ビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物と組み合わせることのできる化合物として、(重量平均)分子量が2万5千〜10万かつエポキシ当量が200〜400g/eqであるエポキシ基を有するアクリル型共重合体が示されている。本発明のB成分は上記のアクリル型共重合体よりもエポキシ当量が小さい範囲を選択するものであるが、これはA成分のnの値を特定の範囲に限定したときには、それと組み合わせるB成分のエポキシ当量が小さいほうが硬化膜の特性が総合的に優れることを見出したことに基づく。また、分子量についても同様の理由により、本発明のB成分は上記のアクリル型共重合体よりもおおむね小さい範囲を選択している。更に、特許文献5ではエポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシ樹脂及びそれ以外の脂肪族エポキシ樹脂を組成物の必須成分として要請しているが、本発明の組成物ではそれらの成分は必須ではなく、エポキシ化合物としてA成分及びB成分のみを使用しても良好な特性を得ることができる。
【0023】
また、特許文献2及び3にも本発明と類似した組成物が開示されているが、これらにおいては一般式(1)のn=0に相当する化合物のみが使用されている。後述の実施例に示すようにn=0である化合物は溶解性が低いため、これを選択的に使用することは実用上好ましくない。
【0024】
本発明の熱硬化性組成物は、多価カルボン酸、多価カルボン酸の無水物、及び多価カルボン酸の熱分解性エステルからなる群より選ばれる硬化剤(C)を含有する。多価カルボン酸とは1分子中に2つ以上のカルボキシ基を有する化合物をいい、例えばコハク酸、マレイン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキセン−4,5−ジカルボン酸、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸、フタル酸、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸等を挙げることができる。多価カルボン酸の無水物としては上記に例示した化合物の酸無水物が挙げられ、これは分子間酸無水物でもよいが、一般には分子内で閉環した酸無水物が用いられる。多価カルボン酸の熱分解性エステルとしては、上記に例示した化合物のt−ブチルエステル、1−(アルキルオキシ)エチルエステル、1−(アルキルスルファニル)エチルエステル(ただし、ここでいうアルキルは炭素数1〜20の飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、かかる炭化水素基は分岐構造や環構造を有していてもよく、任意の置換基で置換されていてもよい)等を挙げることができる。また、C成分としては2つ以上のカルボキシ基を有する重合体又は共重合体も用いることができ、そのカルボキシ基は無水物又は熱分解性エステルであってもよい。このような重合体又は共重合体の例としては、(メタ)アクリル酸を構成成分として含む重合体又は共重合体、無水マレイン酸を構成成分として含む共重合体、テトラカルボン酸二無水物をジアミンやジオールと反応させて酸無水物を開環させた化合物等を挙げることができる。
【0025】
本発明の熱硬化性組成物は、固形分中に、A成分15〜55質量%、B成分15〜55質量%及びC成分15〜30質量%を含有することが好ましく、A成分20〜50質量%、B成分20〜50質量%及びC成分17〜28質量%を含有することがより好ましい。ここで固形分とは、熱硬化性組成物に含まれる溶剤以外の成分をいう(溶剤については後述する)。A成分、B成分及びC成分の含有量が上記の範囲を外れる場合は、本発明の目的とする硬化膜の特性をバランスよく得ることが困難となる。なおB成分及びC成分については、2種類以上の構造の異なる化合物を組み合わせて使用してもよい。
【0026】
本発明の熱硬化性組成物には、硬化促進剤(D)を含有させることができる。D成分としては、エポキシ化合物の硬化促進剤、硬化触媒、潜在性硬化剤等として知られる公知の化合物を利用でき、例えば三級アミン、四級アンモニウム塩、三級ホスフィン、四級ホスホニウム塩、ホウ酸エステル、ルイス酸、有機金属化合物、イミダゾール類等を挙げることができるが、特に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン若しくは1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン又はそれらの塩が好適である。D成分の含有量には特に制限はないが、硬化を促進させる効果と保存安定性のバランスから、熱硬化性組成物の固形分中0.1〜2.0質量%の範囲で用いることが好ましい。
【0027】
本発明の熱硬化性組成物には、溶剤(E)を含有させることができる。溶剤としては公知の化合物を利用でき、例えばエステル系溶剤(ブチルアセテート、シクロヘキシルアセテート等)、ケトン系溶剤(メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル系溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等)、アルコール系溶剤(3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル等)、芳香族系溶剤(トルエン、キシレン等)、脂肪族系溶剤、アミン系溶剤、アミド系溶剤等を特に制限なく使用することができる。安全性の点からはプロピレングリコール骨格を有するエステル系やエーテル系の溶剤、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート等が好ましく用いられる。また、類似の構造の3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート等も好ましい。熱硬化性組成物の固形分濃度については特に制限はないが、カラーフィルターの保護膜用途としては固形分濃度が10〜30質量%の範囲に調整されることが一般的である。また、カラーフィルターの保護膜の平坦性を高めるため、常圧における沸点が150℃未満の溶剤40〜90質量%及び常圧における沸点が150℃以上の溶剤10〜60質量%を併用して、熱硬化性組成物の乾燥性を制御することが好ましい。
【0028】
本発明の熱硬化性組成物には、A成分又はB成分に該当しないエポキシ化合物を含有させることもできる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、多価アルコールのグリシジルエーテル、多価カルボン酸のグリシジルエステル、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸[(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル]に代表される脂環式エポキシ化合物、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(例えばダイセル社製「EHPE3150」)、エポキシ化ポリブタジエン(例えば日本曹達社製「NISSO−PB・JP−100」)、シリコーン骨格を有するエポキシ化合物等、公知のエポキシ化合物を特に制限なく使用できる。これら成分としては、エポキシ当量が100〜300g/eqかつ(数平均)分子量が100〜5千の化合物であることが好ましい。また、これら成分の含有量は熱硬化性組成物の固形分中50質量%を上限とすることが好ましく、30質量%を上限とすることがより好ましい。
【0029】
本発明の熱硬化性組成物は、必要に応じてその他の任意の成分を含んだものであってもよく、例えば着色材、フィラー、樹脂、添加剤等を含有させることができる。ここで、着色材としては染料、有機顔料、無機顔料、カーボンブラック顔料等を、フィラーとしてはシリカ、タルク等を、樹脂としてはビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、メラミン樹脂等を、添加剤としては架橋剤、分散剤、界面活性剤、シランカップリング剤、粘度調整剤、湿潤剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等をそれぞれ挙げることができる。これら任意の成分としては、公知の化合物を特に制限なく使用することができる。カラーフィルターの保護膜として使用する場合は、界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等)やシランカップリング剤(3−(グリシジルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−(グリシジルオキシ)プロピルトリエトキシシラン等)を使用することが有利であり、その含有量の合計は熱硬化性組成物の固形分中10質量%を上限とすることが好ましい。
【0030】
本発明の熱硬化性組成物の硬化物を作製する方法としては公知の方法が利用でき、目的や用途に合わせた適切な基材や型へ熱硬化性組成物を塗布又は注入した後、加熱により溶剤の除去及び硬化が行われればよい。溶剤の除去には減圧乾燥等も適用できる。